がん 疼 痛 コントロール マニュアル 名 古 屋 第 二 赤 十 字 病 院 緩 和 ケアチーム 委 員 会 第 4 版 平 成 25 年 9 月 作 成
目 次 WHO 方 式 がん 疼 痛 治 療 法 P.2~3 がん 疼 痛 フローチャート P.4 薬 剤 の 比 較 (NSAIDS オヒ オイト ) P.5 初 回 投 与 量 設 定 内 服 可 能 時 P.6~9 初 回 投 与 量 設 定 内 服 困 難 時 P.10~12 レスキュー P.13 定 期 オピオイド 内 服 量 の 増 量 設 定 P.14 オピオイドの 副 作 用 対 策 - 総 論 - P.15 オピオイドの 副 作 用 対 策 - 便 秘 - P.16~17 オピオイドの 副 作 用 対 策 - 嘔 気 嘔 吐 - P.18~20 オピオイドの 副 作 用 対 策 - 眠 気 傾 眠 - P.21~22 鎮 痛 補 助 薬 P.23~24 オピオイドローテーション P.25~26 痛 みのアセスメント 表 運 用 基 準 P.27~28 痛 みのアセスメント 表 ( 付 録 ) P.29 各 オピオイドの 特 徴 ( 付 録 1) P.30 当 院 採 用 麻 薬 ( 付 録 2) P.31 オピオイドローテーション 投 与 量 ( 付 録 3) P.32 1
Ⅰ. WHO( 世 界 保 健 機 構 ) 方 式 がん 疼 痛 治 療 法 WHO 方 式 がん 疼 痛 治 療 法 は 鎮 痛 薬 の 段 階 的 な 使 用 方 法 を 示 した3 段 階 除 痛 ラダーと 痛 みの 強 さによる 鎮 痛 薬 の 選 択 治 療 にあたって 守 るべき5 原 則 から 成 り 立 っている モルヒネ オキシコドン リン 散 コデイン 散 フェンタニル トラマドール 強 オピオイド 弱 オピオイド 痛 みの 残 存 または 増 強 痛 みの 残 存 または 増 強 非 オ ピ オ イ ド 鎮 痛 薬 (NSAIDS アセトアミノフェン) 世 界 保 健 機 構 (WHO)で 上 記 の 痛 みの 除 痛 ラダーが 作 成 された 世 界 中 の 多 くの 施 設 によって このラダーをもとに 痛 みのコントロールが 行 われている これにより 8 割 から 9 割 の 患 者 さんの 痛 みがとれるといわれている 第 一 段 階 がんに 由 来 する 痛 みを 訴 えた 場 合 非 オピオイド 系 鎮 痛 薬 すなわち NSAIDS やアセトアミ ノフェンを 投 与 鎮 痛 補 助 薬 はこの 段 階 から 投 与 しても 問 題 はない ( 神 経 障 害 性 疼 痛 と 思 われる 痛 みを 訴 えた 場 合 には 積 極 的 に 投 与 可 能 ) 薬 剤 については P.25 参 照 第 二 段 階 第 一 段 階 で 痛 みが 残 存 した 場 合 次 の 弱 オピオイド 鎮 痛 剤 の 段 階 へ 進 む リン 酸 コデイン (120mg/ 日 ) トラマドールから 開 始 必 ず 便 秘 と 吐 気 対 策 を 行 った 上 での 投 与 が 必 要 NSAIDS に 追 加 する 形 で 弱 オピオイドを 使 用 すると 相 乗 効 果 が 期 待 できる 第 三 段 階 第 二 段 階 でも 痛 みが 残 存 する 場 合 強 オピオイドを 使 用 モルヒネ オキシコドン フェンタ ニルがある 2
1.WHO の 基 本 の 5 原 則 1. 簡 単 で 維 持 管 理 がしやすい 投 与 経 路 を 優 先 的 に 選 択 ( 漫 然 と 坐 薬 を 使 用 したり 嘔 吐 の 可 能 性 の 高 い 患 者 に 経 口 投 与 を 選 択 したりしない) 2. 薬 剤 の 作 用 時 間 が 途 切 れないように 投 与 間 隔 を 決 める 3. 除 痛 ラダーに 沿 って 効 力 の 順 に 薬 剤 を 使 用 する 4. 患 者 ごとに 個 別 の 適 切 量 で 行 う 5.その 上 で 細 かい 配 慮 を 行 う( 副 作 用 の 軽 減 など) 2. 目 標 第 一 目 標 : 夜 間 の 良 眠 を 得 られる 第 二 目 標 : 安 静 時 の 痛 みの 消 失 第 三 目 標 : 体 動 時 の 痛 みの 消 失 上 記 の 基 本 の5 原 則 をふまえて 患 者 さん 個 々に 応 じた 痛 みのコントロールを 行 ってい く 必 要 がある 3
Ⅱ.がん 疼 痛 フローチャート - 疼 痛 コントロール 開 始 時 にアセスメント 表 導 入 - NSAIDS 定 期 使 用 WHO 推 奨 経 口 困 難 アセトアミノフェン ハイペン セレコックス ナイキサン ボルタレン ロピオン カロナール 錠 錠 錠 坐 薬 注 射 液 錠 コントロール 不 十 分 ( 麻 薬 導 入 による 除 痛 ) オプソ 内 服 液 (5mg/ 包 ) オキノーム 散 0.5%(2.5mg/ 包 ) P.6 P.5 P.5 オキシコン チン 経 口 モルヒネ フェンタニル パッチ オピオイドローテーション オピオイドローテーション P.5 経 口 困 難 時 モルヒネ 注 オキファスト 注 フェンタニル 注 フェンタニルパッチ 持 続 皮 下 持 続 皮 下 持 続 皮 下 保 険 上 他 のオピオイド 持 続 静 注 持 続 静 注 持 続 静 注 鎮 痛 剤 からの 切 り 替 え 4
Ⅲ. 薬 剤 の 比 較 1.NSAID の 比 較 商 品 名 ロキソニン ホ ルタレン セレコックス ロルカム モーヒ ック ナイキサン ロヒ オン 規 格 60mg 25mg 100mg 4mg 10mg 100mg 50mg 用 法 分 2-3 分 2-3 分 1-2 分 2-3 分 1 分 2-3 常 用 量 180mg 75-100mg 200-400mg 8-12mg 10mg 600mg 50mg/ 回 鎮 痛 ++ ++ +++ +++ ++ ++ ++ 消 炎 +++ ++ +++ +++ +++ 解 熱 +++ ++ ++ 消 化 器 症 状 胃 部 不 快 ++ +++ 出 血 ++ ++ 腎 毒 性 ++ + + 肝 毒 性 ++ + + 2.オピオイドの 比 較 [ 付 録 1 参 照 ] モルヒネ オキシコドン フェンタニル 代 謝 ( 肝 ) グルクロン 酸 抱 合 CYP3A4 CYP2D6 CYP3A4 活 性 代 謝 物 M6G ± - 腎 障 害 の 影 響 +++ ± - 嘔 気 嘔 吐 ++ + ± 便 秘 ++ ++(+++) ± 眠 気 ++ + ± せん 妄 ++ + ± 呼 吸 抑 制 + + + そう 痒 ++ + - 参 考 文 献 1) がん 疼 痛 治 療 のレシピ 的 場 元 弘 春 秋 社 5
Ⅳ. 初 回 投 与 量 設 定 内 服 可 能 時 ~ 初 回 処 方 例 (オキシコンチン MS コンチン オキノーム オプソ)~ 1.オキシコンチンで 開 始 オピオイドによる 疼 痛 コントロール 開 始 時 の 推 奨 処 方 低 用 量 から 開 始 できるため 早 い 時 期 からの 痛 みのコントロールが 可 能 になる 1)オキシコンチン 10mg/ 日 から 開 始 Rp ) オキシコンチン 10mg/ 分 2 ( 等 間 隔 または 食 後 内 服 ) 3 日 分 Rp ) オキノーム 2.5mg 1 包 / 回 疼 痛 増 強 時 5 回 分 Rp ) ノバミン 5mg 3 錠 / 分 3 ( 食 前 または 食 後 ) 7 日 分 Rp ) パントシン 散 20% 3g 酸 化 マグネシウム 1g / 分 3 毎 食 後 7 日 分 Rp ) センノサイド 12mg 1 錠 / 分 1 寝 る 前 7 日 分 痛 みがある 場 合 初 回 投 与 に 先 行 して オキノーム 1 包 を 内 服 する のもあり! コントロール 良 好 オキシコンチン 総 投 与 量 10mg/ 日 継 続 コントロール 不 良 疼 痛 出 現 時 オキノーム 2.5mg 内 服 レスキューの 必 要 量 に 応 じて 定 期 内 服 量 を 増 量 2. MS コンチンで 開 始 痛 みが 強 い 場 合 の 推 奨 処 方 1)MS コンチン 20mg/ 日 から 開 始 Rp ) MS コンチン 20mg/ 分 2 ( 等 間 隔 または 食 後 内 服 ) 3 日 分 Rp ) オプソ 5mg 1 包 / 回 疼 痛 増 強 時 5 回 分 Rp ) ノバミン 5mg 3 錠 / 分 3 ( 食 前 または 食 後 ) 7 日 分 Rp ) パントシン 散 20% 3g 酸 化 マグネシウム 1g / 分 3 毎 食 後 7 日 分 Rp ) センノサイド 12mg 1 錠 / 分 1 寝 る 前 7 日 分 コントロール 良 好 MS コンチン 総 投 与 量 20mg/ 日 継 続 コントロール 不 良 疼 痛 出 現 時 オプソ 5mg 内 服 レスキューの 必 要 量 に 応 じて 定 期 内 服 量 を 増 量 6
3.オキノームで 開 始 疼 痛 のコントロールが 至 急 必 要 な 場 合 の 推 奨 処 方 ( 表 1 参 照 ) 1)オキシコドン 10mg/ 日 から 開 始 Rp ) オキノーム 2.5mg 4 包 / 分 4 医 師 の 指 示 通 り 2 日 分 オキノーム 1 回 2.5mg 1 日 4 回 6 時 間 毎 の 内 服 6:00 12:00 18:00 24:00 に 内 服 就 寝 時 22:00 は 倍 量 の 10mg(オプソ 2 包 )を 内 服 Rp ) ノバミン 5mg 3 錠 / 分 3 ( 食 前 または 食 後 ) 7 日 分 Rp ) パントシン 散 20% 3g 酸 化 マグネシウム 1g / 分 3 毎 食 後 7 日 分 Rp ) センノサイド 12mg 1 錠 / 分 1 寝 る 前 7 日 分 コントロール 良 好 オキシコンチン 10mg/ 日 へ 切 り 替 え コントロール 不 良 疼 痛 出 現 時 オキノーム 2.5mg 内 服 4.オプソで 開 始 疼 痛 のコントロールが 至 急 必 要 な 場 合 の 推 奨 処 方 ( 表 2 参 照 ) 1)モルヒネ 10~20mg/ 日 から 開 始 Rp ) オプソ 5mg 4 包 / 分 4 医 師 の 指 示 通 り 2 日 分 オプソ 1 回 5mg 1 日 3 回 6 時 間 毎 の 内 服 9:00 15:00 21:00 に 内 服 就 寝 時 21:00 は 倍 量 の 10mg(オプソ 2 包 )を 内 服 Rp ) ノバミン 5mg 3 錠 / 分 3( 食 前 または 食 後 ) 7 日 分 Rp ) パントシン 散 20% 3g 酸 化 マグネシウム 1g / 分 3 毎 食 後 7 日 分 Rp ) センノサイド 12mg 1 錠 / 分 1 寝 る 前 7 日 分 コントロール 良 好 MS コンチン 20mg/ 日 へ 切 り 替 え コントロール 不 良 疼 痛 出 現 時 オプソ 5mg 内 服 7
表 1 オキノーム 開 始 時 ( 疼 痛 のコントロールが 至 急 必 要 な 場 合 の 推 奨 処 方 )チャート 服 用 1 時 間 後 オキノーム 2.5mg 1 包 服 用 1 服 用 時 間 :? 時? 分 服 用 1 時 間 後 効 果 判 定 疼 痛 出 現 しても 待 つ 効 果 あり 次 の 疼 痛 出 現 まで 待 つ 効 果 なし 疼 痛 出 現 オキノーム 2.5mg 追 加 服 用 2? 時? 分 3 服 用 時 間 :? 時? 分 効 果 持 続 時 間 X 時 間 (hr)1 2( 追 加 の 場 合 3 2) オキノーム 総 服 用 量 Y mg(2.5mg 服 用 包 数 ) Z: 経 口 オキシコドン 1 日 内 服 必 要 量 24( 時 間 ) Z(mg/ 日 )= Y(mg) AX( 時 間 ) 副 作 用 出 現 オピオイドローテーション A: オキシコンチン Zmg/ 日 / 分 2~3( 等 間 隔 または 食 後 内 服 ) レスキュー 量 [Zmg 1/4~1/8]mg/ 回 (オキノーム 服 用 間 隔 1 時 間 ) 以 後 必 要 に 応 じてレスキュー 使 用 定 期 内 服 量 の 増 量 に 関 しては P.7 を 参 照 8
表 2 オプソ 開 始 時 ( 疼 痛 のコントロールが 至 急 必 要 な 場 合 の 推 奨 処 方 )チャート 服 用 1 時 間 後 オプソ 内 服 液 5mg 1 包 服 用 1 服 用 時 間 :? 時? 分 服 用 1 時 間 後 効 果 判 定 疼 痛 出 現 しても 待 つ 効 果 あり 次 の 疼 痛 出 現 まで 待 つ 効 果 なし 疼 痛 出 現 オプソ 内 服 液 5mg 追 加 服 用 2? 時? 分 3 服 用 時 間 :? 時? 分 効 果 持 続 時 間 X 時 間 (hr)1 2( 追 加 の 場 合 3 2) オプソ 総 服 用 量 Y mg(5mg 服 用 包 数 ) Z: 経 口 モルヒネ 1 日 内 服 必 要 量 24( 時 間 ) Z(mg/ 日 )= Y(mg) AX( 時 間 ) 副 作 用 出 現 オピオイドローテーション A: MS コンチン Zmg/ 日 / 分 2~3( 等 間 隔 または 食 後 内 服 ) B: オキシコンチン [Zmg 2/3]mg/ 日 / 分 2~3( 等 間 隔 または 食 後 内 服 ) レスキュー 量 [Zmg 1/6]mg/ 回 (オプソ 服 用 間 隔 1 時 間 ) 以 後 必 要 に 応 じてレスキュー 使 用 定 期 内 服 量 の 増 量 に 関 しては P.7 を 参 照 9
Ⅴ. 初 回 投 与 量 設 定 内 服 困 難 時 ~ 初 回 処 方 例 (モルヒネ 注 フェンタニル 注 オキファスト 注 )~ 1. 塩 酸 モルヒネ 注 で 開 始 内 服 困 難 時 や 迅 速 に 除 痛 を 行 う 際 に 有 効 である 1) 塩 酸 モルヒネ 10mg/ 日 から 開 始 (シリンジポンプを 使 用 ) Rp ) 塩 酸 モルヒネ 注 10mg 1A 総 量 Rp ) 生 食 50mL 1 本 総 量 48mL として 2mL/hr で 開 始 コントロール 良 好 塩 酸 モルヒネ 注 10mg/ 日 継 続 コントロール 不 良 レスキューとして 早 送 り 坐 薬 など 選 択 可 能 (1) 早 送 り:1 時 間 量 を 早 送 りする それでも 痛 みがある 場 合 20 分 間 間 隔 をあけて 投 与 可 能 2.フェンタニル 注 で 開 始 1)フェンタニル 0.2mg(200μ g=4ml)/ 日 から 開 始 (シリンジポンプを 使 用 ) Rp ) フェンタニル(100μg) 注 2A 総 量 Rp ) 生 食 50mL 1 本 総 量 48mL として 2mL/hr で 開 始 コントロール 良 好 フェンタニル 注 0.2mg/ 日 継 続 コントロール 不 良 レスキューとして 早 送 り 坐 薬 など 選 択 可 能 (1) 早 送 り:1 時 間 量 を 早 送 りする それでも 痛 みがある 場 合 20 分 間 間 隔 をあけて 投 与 可 能 (2) レスキューの 使 用 量 に 応 じて 定 期 使 用 量 を 増 量 する (3) フェンタニル 注 でコントロール 良 好 となれば フェンタニルパッチへ 変 更 する (デュロテップ MT パッチ 4.2mg 1 日 量 フェンタニル 注 6A/day) (フェントステープ 2mg フェンタニル 注 6A/day) 3.オキファスト 注 で 開 始 1)オキファスト 注 12mg/ 日 から 開 始 (シリンジポンプを 使 用 ) Rp ) オキファスト 注 50mg 1A 総 量 Rp ) 生 食 50mL 1 本 総 量 50mL として 0.5mL/hr で 10 開 始
コントロール 良 好 オキファスト 注 12mg/ 日 継 続 コントロール 不 良 レスキューとして 早 送 り 坐 薬 など 選 択 可 能 (1) 早 送 り:1 時 間 量 を 早 送 りする それでも 痛 みがある 場 合 20 分 間 間 隔 をあけて 投 与 可 能 レスキューの 使 用 量 に 応 じて 定 期 使 用 量 を 増 量 (2) 上 記 希 釈 にてオキシコドン 1mg/mL となる (3) 高 齢 者 や 全 身 状 態 が 不 良 な 場 合 は 0.3mL/hr(オキシコドン 7.2mg/ 日 )から 開 始 す る (4) 皮 下 注 でも 投 与 可 能 ただし 皮 下 注 の 上 限 は 1mL/hr が 望 ましい 11
4.デュロテップ MT パッチおよびフェントステープを 使 う 場 合 添 付 文 書 上 は 他 のオピオイド 製 剤 からの 切 り 替 えが 原 則 である 切 り 替 え 時 の 換 算 は 付 録 3 を 参 照 Rp ) デュロテップ MT パッチ 2.1mg 貼 布 1 枚 /3 日 デュロテップ MT パッチ 2.1mg 1 枚 は オキシコンチン 20mg/ 日 MS コンチン 30mg/ 日 フェントステープ 1mg に 相 当 する デュロテップ MT パッチ 単 独 では 調 節 性 が 悪 いため 必 ずレスキュー 処 方 を 用 意 す る 貼 付 してから 効 果 発 現 まで 約 24 時 間 かかる 加 熱 は 血 中 に 達 するフェンタニルの 量 を 増 加 する 恐 れがあり 生 命 を 脅 かす 呼 吸 困 難 や 死 亡 を 招 く 可 能 性 がある パッチ 使 用 時 には 加 熱 に 注 意 する 過 量 に 伴 う 症 状 として 呼 吸 困 難 呼 吸 抑 制 がある 徴 候 として 浅 呼 吸 徐 脈 重 度 の 眠 気 悪 寒 冷 汗 歩 行 困 難 会 話 困 難 などの 症 状 に 注 意 する ( 呼 吸 数 10 回 / 分 なら 要 注 意!!) コントロール 良 好 そのままの 用 量 を 継 続 コントロール 不 良 レスキューを 使 用 オプソ 5mg またはオキノーム 2.5mg 内 服 それでも 痛 みある 場 合 1 時 間 間 隔 をあけて 使 用 可 能 アンペック 坐 薬 10mg/ 回 使 用 ( 基 本 使 用 量 に 応 じて 変 更 ) それでも 痛 みある 場 合 2 時 間 間 隔 をあけて 使 用 可 能 (がん 疼 痛 治 療 のレシピより 抜 粋 ) テ ュロテッフ ハ ッチ 12
Ⅵ.レスキュー 1. 内 服 の 場 合 1) 痛 みが 増 強 した 際 に 追 加 する 臨 時 薬 剤 である 2) 主 にオプソ 塩 酸 モルヒネ 散 ( 速 効 性 薬 剤 ) オキノーム 散 を 使 用 する 定 期 内 服 し ているオピオイドを 基 にレスキューを 選 択 する 3) 投 与 量 は 1 日 内 服 量 の 1/6 量 を 目 安 にする 4) レスキュー 服 用 後 に 眠 気 嘔 気 などの 副 作 用 が 強 い 場 合 には 1/6 量 より 減 らし て 使 用 する ( 例 :1/8 または 1/10 等 ) 5) レスキュー 使 用 量 によって 定 期 オピイド 内 服 量 を 増 量 する 6) 次 のレスキュー1 時 間 間 隔 をあけて 使 用 可 能 とする 1 日 内 服 量 1/6 量 レスキュー 必 要 内 服 量 2. 坐 薬 の 場 合 ( 坐 薬 の 定 期 使 用 時 ) 1)1 回 投 与 量 またはその 1/2 量 を 投 与 する 2) 他 の 投 与 法 に 比 べレスキュー 量 が 相 対 的 に 多 くなるため 副 作 用 に 注 意 して 観 察 す る ( 指 導 者 研 修 会 資 料 より 抜 粋 ) 3)2 時 間 間 隔 をあけて 使 用 可 能 とする 3. 持 続 注 射 の 場 合 1) 投 与 量 は 1 時 間 量 を 早 送 りする 2) 呼 吸 数 10 回 / 分 なら 20 分 時 間 間 隔 をあけて 使 用 可 能 とする 13
Ⅶ. 定 期 オピオイド 内 服 量 の 増 量 設 定 1. 定 期 内 服 薬 がモルヒネ 経 口 剤 の 場 合 レスキューはオプソ 内 服 液 を 選 択 する 2. 定 期 内 服 薬 がオキシコンチンの 場 合 レスキューはオキノーム 散 を 選 択 する 例 レスキュー1 日 使 用 量 をω mg とすると 1 日 の 経 口 オピオイド 必 要 量 :(Z+ω )mg Z:1 日 のオピオイド 内 服 量 1 日 量 まだ 痛 い オプソ オプソ オプソ MSコンチン30(Z)mg/ 分 3 レスキュー5mg/ 回 オプソ 5mg を2 回 服 用 1 日 モルヒネ10mg(ω mg)をレスキューとして 内 服 1 日 量 オプソ MSコンチン40(Z+ω )mg/ 分 2 レスキュー5mg/ 回 3.レスキューの 使 用 がなく 痛 みが 残 存 している 場 合 には 定 期 内 服 量 を 30~50% 増 量 して 検 討 する 4.モルヒネを 増 量 しても 疼 痛 が 改 善 しないとき 骨 転 移 や 神 経 因 性 疼 痛 の 可 能 性 も 考 慮 する 14
副 作 用 対 策 をしてコンフ ライアンスの 向 上 を!! Ⅷ.オピオイドの 副 作 用 対 策 - 総 論 - 1. 総 論 -モルヒネの 血 中 濃 度 と 薬 理 作 用 の 発 現 - モルヒネの 薬 理 作 用 は 血 中 濃 度 と 関 連 がある と 言 われている 鎮 痛 有 効 域 まで 増 量 し 維 持 することが 重 要!! モルヒネのワン ショットの 注 射 では 血 中 濃 度 が 急 速 に 上 昇 し 鎮 痛 作 用 とともに 呼 吸 抑 制 な ど 危 険 な 作 用 が 注 射 直 後 から 現 れることがある ので 注 意!! 2. 薬 の 各 作 用 の 比 率 -どれくらいの 量 で 副 作 用 がでるのか?- モルヒネを 内 服 したとき 十 分 に 鎮 痛 がとれる 量 を1とする その 1/50 の 用 量 で 便 秘 さらに 1/10 の 用 量 で 嘔 気 嘔 吐 が 出 現 するとの 報 告 がある つまり 鎮 痛 作 用 に 先 行 して 便 秘 眠 気 が 出 現 する 避 けられない!!! 眠 気 は 2.6 倍 呼 吸 抑 制 は 10.4 倍 そして 死 亡 に 至 るのは 357.5 倍 であると 言 われている 例 ) 50mg で 痛 みがとれるとすると 1mg で 便 秘 5mg で 嘔 気 嘔 吐 が 出 現 3.モルヒネとオキシコドンの 代 謝 の 違 い モルヒネ オキシコドンは 肝 臓 で 代 謝 される モルヒネの 活 性 代 謝 物 (M6G M3G)は 腎 機 能 障 害 などによって 蓄 積 すると 傾 眠 や 嘔 気 嘔 吐 せん 妄 を 増 強 させる 一 方 オキシコドンの 活 性 代 謝 物 は モルヒネと は 違 って 蓄 積 による 副 作 用 症 状 は 少 ないと 考 えられている 副 作 用 出 現 時 には 投 与 経 路 の 変 更 ( 直 腸 投 与 や 全 身 投 与 )や 投 与 薬 剤 の 変 更 を 考 慮 15
Ⅸ.オピオイドの 副 作 用 対 策 - 便 秘 - 1.オピオイドによる 便 秘 発 現 のメカニズム オピオイドは 小 腸 の 運 動 を 抑 制 し 十 二 指 腸 では 腸 管 分 泌 を 抑 制 し 内 容 物 の 粘 稠 度 を 増 す 大 腸 では 蠕 動 運 動 を 低 下 させ 内 容 物 の 通 過 を 遅 延 する 他 に 肛 門 括 約 筋 の 緊 張 を 高 める これらの 作 用 により 便 秘 を 生 じるといわれている オピオイドによる 便 秘 は 主 にμ 受 容 体 ( 特 にμ 2 受 容 体 )を 介 すると 言 われており このμ 2 受 容 体 は 中 枢 消 化 管 に 分 布 し ている 便 秘 は 耐 性 が 形 成 されにくく オピオイドの 投 与 が 続 いている 限 り 持 続 する 2. 基 本 的 な 便 秘 薬 1) 大 腸 刺 激 性 下 剤 大 腸 の 運 動 を 亢 進 させるとともに 水 と 電 解 質 の 分 泌 を 増 加 させる (1) アントラキノン 系 誘 導 体 (センノサイド ダイオウ 末 ) 大 腸 を 刺 激 して 腸 蠕 動 を 亢 進 することにより 排 便 を 促 す 長 期 連 用 すると 弛 緩 性 便 秘 を 招 くことがある (2) ジフェニール 系 誘 導 体 (ラキソベロン) 誘 導 体 が 大 腸 粘 膜 を 直 接 刺 激 し 腸 蠕 動 を 亢 進 させ 排 便 を 促 す ピコスルファート ナトリウム(ラキソベロン)は 安 全 性 もあり 習 慣 性 も 生 じにくい 2) 浸 透 圧 性 下 剤 便 の 水 分 含 量 を 増 加 させる 作 用 をもつ (1) 塩 類 下 剤 ( 酸 化 マグネシウム マグミット 硫 酸 マグネシウム マグコロール P) 非 吸 収 性 塩 類 によって 腸 内 容 が 体 液 と 等 張 になるまで 水 分 を 吸 収 するため 腸 内 容 が 増 加 して 腸 蠕 動 を 刺 激 する (2) 糖 類 下 剤 (ソルビトール モニラック) 浸 透 圧 作 用 によって 効 果 を 発 現 するが 加 えて 腸 内 細 菌 叢 によって 有 機 酸 に 変 化 し 腸 蠕 動 を 亢 進 する ラクツロースの 有 効 性 も 報 告 されている 3) 消 化 管 運 動 調 整 薬 (ガナトン ガスモチン アコファイド) アセチルコリンの 遊 離 を 促 進 して 消 化 管 運 動 を 促 進 する 16
表 2 各 緩 下 剤 の 常 用 量 と 特 徴 分 類 薬 剤 用 量 作 用 発 現 時 間 その 他 センノサイド 錠 1~2 錠 / 回 8~10 時 間 尿 の 色 調 変 化 刺 激 性 下 剤 ラキソベロン 液 10~15 滴 / 回 7~12 時 間 15 滴 =1ml ラキソベロン 錠 2~3 錠 / 回 7~12 時 間 1 錠 =5 滴 ダイオウ 末 0.7~1.4g/ 回 8~10 時 間 酸 化 マグネシウム 1.0~3g/ 日 8~10 時 間 腎 障 害 時 注 意 浸 透 圧 性 下 剤 マグミット 錠 330mg 3~9 錠 / 日 8~10 時 間 腎 障 害 時 注 意 モニラックシロップ 30~60ml/ 分 2 1~3 日 ラグノスゼリー 48.1~96.2g/ 分 2 1~3 日 ガナトン 錠 50mg 3 錠 / 分 3 0.5~1 時 間 消 化 管 運 動 調 整 薬 ガスモチン 散 錠 15mg/ 分 3 0.5~1 時 間 アコファイド 100mg 3 錠 / 分 3 0.5~1 時 間 その 他 パントシン 散 20% 1.5g~3g/ 日 漢 方 薬 大 建 中 湯 7.5g~15g/ 日 坐 薬 テレミンソフト 坐 剤 1 個 / 回 5~60 分 新 レシカルボン 坐 剤 1 個 / 回 約 30 分 浣 腸 グリセリン 浣 腸 30~150ml/ 回 ただちに < 治 療 の 推 奨 使 用 方 法 > Step.1 Step.2 Step.3 Step.4 パントシン 散 3g センノサイド(12) 1~2 錠 / 寝 る 前 酸 化 マグネシウム 1g/ 分 3 毎 食 後 ラキソベロン 液 10~15 滴 / 寝 る 前 2 日 たっても 排 便 がみられなければ パン カマを 継 続 しつつ センノサイド ラキソベロン 液 を 増 量 連 日 増 量 する 上 記 薬 剤 を 2~3 日 続 けて 増 量 しても 排 便 がみられない 場 合 レシカルボン 坐 薬 グリセリン 浣 腸 30~120mL/ 回 を 使 用 する Step.2 から 3 を 繰 り 返 す オピオイドローテーション 考 慮 投 与 経 路 の 変 更 考 慮 他 の 緩 下 剤 への 変 更 も 考 慮 *レシカルボン 坐 薬 やグリセリン 浣 腸 の 併 用 を 継 続 することもある 参 考 文 献 1)がん 疼 痛 治 療 ガイドライン 日 本 緩 和 医 療 学 会 編 真 興 交 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 2) http://www.biwa.ne.jp/~kozai/mano/: 癌 疼 痛 および 終 末 期 の 諸 症 状 に 対 する 緩 和 医 療 の 処 方 17
Ⅹ.オピオイドの 副 作 用 対 策 - 嘔 気 嘔 吐 - 1. 嘔 吐 の 定 義 胃 内 容 物 の 口 からの 強 制 的 な 排 出 2. 嘔 気 の 定 義 嘔 吐 に 先 行 して 感 じる 不 快 な 感 覚 で 自 律 神 経 系 の 複 雑 な 変 化 による 自 覚 症 状 発 汗 冷 汗 顔 面 蒼 白 唾 液 分 泌 などを 伴 うことが 多 い 3.モルヒネによる 嘔 気 の 頻 度 モルヒネの 投 与 開 始 初 期 あるいは 増 量 時 に 嘔 気 を 生 じることがあり その 一 部 の 患 者 に 嘔 吐 がみられる この 副 作 用 は 耐 性 を 生 じやすいので 通 常 1~2 週 間 程 度 で 消 失 してくることが 多 い 発 現 頻 度 は 18~66%とされる オキシコドンの 催 吐 作 用 はモルヒネよりも 小 さいか 同 じくらいといわれている 4. 嘔 気 嘔 吐 対 策 嘔 気 は 極 めて 不 快 な 自 覚 症 状 のため 嘔 気 防 止 対 策 を 怠 ると オピオイドの 反 復 投 与 が 中 断 されてしまうおそれがある オピオイド 投 与 開 始 から 2 週 間 はすべての 患 者 に 制 吐 薬 を 併 用 することが 賢 明 である しかし 2 週 にわたり 嘔 気 がなければ 嘔 気 防 止 対 策 の 中 止 を 考 慮 する 万 一 中 止 しても 嘔 気 が 残 るようであったら 対 策 を 続 ける 5. 嘔 気 嘔 吐 対 策 の 目 標 嘔 気 嘔 吐 の 消 失 6. 主 な 治 療 手 段 1) 制 吐 薬 の 経 口 投 与 が 最 も 基 本 的 な 対 策 法 である 2) 嘔 吐 があるときには 制 吐 薬 を 注 射 で 投 与 し 嘔 吐 が 消 失 したら 経 口 投 与 とする 3) 選 択 すべき 制 吐 薬 は 中 枢 性 作 用 の 制 吐 薬 である 4) 錐 体 外 路 障 害 に 注 意 する 必 要 がある 18
表 1 各 制 吐 薬 の 特 徴 と 常 用 量 分 類 薬 剤 用 量 特 徴 中 枢 ( 延 髄 )に ノバミン 10~20mg/ 回 1 日 2~3 回 錠 剤 注 射 液 がある 作 用 セレネース 0.75~1.5mg/ 回 1 日 2~3 回 承 認 適 応 外 抗 ヒスタミン 剤 トラベルミン 1~2 錠 / 回 1 日 2~3 回 体 動 による 嘔 気 嘔 吐 に 使 用 プリンペラン 10~20mg/ 回 1 日 2~3 回 胃 内 容 物 停 滞 改 善 消 化 管 および 抗 ドーパミン 作 用 を 有 5mg~20mg 1 日 4 回 中 枢 ( 延 髄 ) する ナウゼリン に 作 用 嘔 吐 があるとき 有 用 坐 薬 60mg/ 回 である < 治 療 の 推 奨 使 用 例 > オピオイド 開 始 から 2 週 間 は 必 要 Step.1 原 因 の 検 索 ( 薬 剤 高 カルシウム 血 症 腎 障 害 消 化 管 閉 塞 便 秘 脳 転 移 など) 制 吐 薬 の 頓 用 使 用 Step.2 病 態 に 合 わせた 制 吐 薬 の 定 期 投 与 Step.3 制 吐 剤 の 変 更 他 の 作 用 機 序 の 制 吐 薬 ステロイドの 追 加 Step.4 オピオイドローテーション 投 与 経 路 の 変 更 薬 剤 変 更 *1:ノバミンはオピオイドの 投 与 に 先 行 して 内 服 することで 効 果 の 向 上 が 期 待 できる 参 考 文 献 1) がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル( 改 訂 2 版 ) 武 田 文 和 著 金 原 出 版 2) がん 疼 痛 治 療 ガイドライン 日 本 緩 和 医 療 学 会 編 真 興 交 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 3) 医 療 用 麻 薬 の 利 用 と 管 理 厚 生 省 薬 務 局 麻 薬 課 監 修 ミクス 4) トワイクロス 先 生 のがん 患 者 の 症 状 マネジメント 武 田 文 和 監 訳 医 学 書 院 5) ステップ 緩 和 ケア 緩 和 ケア 普 及 のための 地 域 プロジェクト(OPTIM) 19
参 考 までに 近 年 単 剤 で 複 数 の 悪 心 のメカニズムに 作 用 する 薬 剤 として 非 定 型 向 精 神 病 薬 が 緩 和 ケ アの 分 野 でも 使 用 されている( 表 2) 従 来 のノバミン セレネースに 比 べて 錐 体 外 路 症 状 が 少 なく 複 数 のメカニズムを 持 つという 点 で 利 点 が 大 きい 難 治 性 の 悪 心 の 場 合 にはもっとも 広 範 囲 の 作 用 機 序 を 有 し 半 減 期 の 長 いジプレキサが 有 用 といわれている 表 2 非 定 型 向 精 神 病 薬 と 主 な 制 吐 薬 薬 剤 D2 末 梢 ) (CTZ 制 吐 作 用 を 示 す 受 容 体 との 結 合 能 5-HT3 M 5-HT2 H1 ( 前 (CTZ ( 末 梢 前 ( 中 枢 ) 庭 ) 末 梢 ) 庭 ) 錐 体 外 路 症 状 糖 尿 病 への 禁 忌 リスパダール +++ ジプレキサ + 禁 忌 セロクエル + 禁 忌 ノバミン ++++ なし セレネース ++++ なし トラベルミン なし プリンペラン +++ なし カイトリル なし 非 定 型 抗 精 神 病 薬 定 型 抗 精 神 病 薬 参 考 文 献 1) ここが 知 りたかった 緩 和 ケア 余 宮 きのみ 南 江 堂 20
ⅩⅠ.オピオイドの 副 作 用 対 策 - 眠 気 呼 吸 抑 制 - オピオイド 開 始 後 数 日 は 眠 気 や 軽 い 傾 眠 が 見 られることが 多 い 痛 みのために 不 眠 があった 場 合 には オピオイド 内 服 開 始 に 伴 う 痛 みの 軽 減 がみられ 睡 眠 時 間 が 長 くなることがある(1~2 日 程 度 ) 進 行 がん 患 者 の 眠 気 や 傾 眠 の 原 因 には 脳 転 移 高 カルシウム 血 症 感 染 症 水 腎 症 な どがあるために オピオイド 以 外 の 原 因 を 考 慮 に 入 れることが 必 要 である オピオイド 使 用 疼 痛 (-) 疼 痛 (-) 疼 痛 (+) 疼 痛 (+) 眠 気 (-) 眠 気 (+) 眠 気 (-) 眠 気 (+) 継 続 オピオイド オピオイド 過 剰 不 足 鎮 痛 補 助 薬 の 使 用 または オピオイド 減 量 オピオイド 増 量 オヒ オイト ローテーション 1. 呼 吸 抑 制 モルヒネによる 呼 吸 抑 制 は 延 髄 の 呼 吸 中 枢 への 直 接 作 用 によるもので CO 2 に 対 する 呼 吸 中 枢 の 反 応 性 が 低 下 し 呼 吸 数 の 減 少 や 1 回 換 気 量 の 低 下 が 認 められ る 経 口 投 与 時 に 呼 吸 抑 制 を 認 めることは 稀 である ただし モルヒネを 急 速 静 注 な どの 投 与 法 で 血 中 濃 度 を 急 激 に 上 昇 させた 場 合 や 鎮 痛 に 必 要 な 量 を 大 きく 上 回 る 過 量 投 与 を 行 った 場 合 には 起 こり 得 る 副 作 用 である 21
2. 呼 吸 抑 制 の 対 処 1) オピオイドの 減 量 もしくは 中 止 退 薬 症 状 に 注 意 する 2) ナロキソンを 少 量 ずつ 投 与 する 3) ナロキソン 1A(0.2mg/1ml)を 10 倍 希 釈 し 1 回 1ml(0.02mg)を 静 注 する 4) 呼 吸 数 が 10 回 / 分 以 上 を 維 持 するように それ 以 下 になるごとに 同 じ 量 を 追 加 投 与 する 参 考 文 献 1)がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル( 改 訂 2 版 ) 武 田 文 和 著 金 原 出 版 2)がん 疼 痛 治 療 ガイドライン 日 本 緩 和 医 療 学 会 編 真 興 交 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 3) 医 療 用 麻 薬 の 利 用 と 管 理 厚 生 省 薬 務 局 麻 薬 課 監 修 ミクス 4)トワイクロス 先 生 のがん 患 者 の 症 状 マネジメント 武 田 文 和 監 訳 医 学 書 院 5)がん 疼 痛 治 療 のレシピ 的 場 元 弘 春 秋 社 22
ⅩⅡ. 鎮 痛 補 助 薬 1. 鎮 痛 補 助 薬 とは 鎮 痛 補 助 薬 とは オピオイド 鎮 痛 薬 に 抵 抗 性 の 特 殊 な 痛 みに 対 して 用 いる 薬 剤 と 鎮 痛 薬 による 副 作 用 の 治 療 に 用 いられる 薬 剤 の 総 称 である 狭 義 では 前 者 のみを 示 すことが 多 い オピオイドにより 86%のがん 疼 痛 患 者 の 完 全 除 痛 ができる( 厚 生 労 働 省 主 催 :がん 疼 痛 緩 和 と 医 療 用 麻 薬 の 適 正 使 用 推 進 のための 講 習 会 2004.1.31 資 料 )と されている オピオイドでは 効 きにくい 痛 みに 対 して 狭 義 の 鎮 痛 補 助 薬 を 併 用 する 場 合 がある 表 1. 神 経 障 害 性 疼 痛 に 対 する 鎮 痛 補 助 薬 のラダー 三 環 系 抗 うつ 薬 or 抗 痙 攣 薬 コルチコステロイト Step 2 三 環 系 抗 うつ 薬 + 抗 痙 攣 薬 Step 3 NMDA 受 容 体 チャネル 拮 抗 薬 Step 4 脊 髄 鎮 痛 法 Step 5 Step 1 参 照 :トワイクロス 先 生 のがん 患 者 の 症 状 マネジメント 武 田 文 和 監 修 23
表 2. 鎮 痛 補 助 薬 に 使 用 される 薬 剤 ( 多 くの 薬 剤 が 適 応 外 使 用 である) 分 類 商 品 名 投 与 を 考 慮 する 状 況 開 始 量 増 量 効 果 判 定 維 持 量 投 与 法 副 作 用 カ ハ ヘ ン 200mg ~800mg ~2400mg 1-3 分 割 眠 気 リリカ 50mg ~150mg ~600mg 2 分 割 / 眠 前 1 回 眠 気 抗 け いれ ん 剤 リホ トリール 神 経 因 性 疼 痛 0.5mg ~1mg ~3mg 眠 前 1 回 眠 気 テク レトール 電 気 が 走 るような 2 分 割 100~200mg ~400mg ~800mg 刺 すような 痛 み 電 / 眠 前 1 回 眠 気 アレヒ アチン 撃 痛 100mg ~200mg ~400mg 2 分 割 眠 気 肝 機 能 障 / 眠 前 1 回 害 テ ハ ケン 200mg ~400mg ~1200mg 2 分 割 眠 気 肝 機 能 障 害 抗 う つ 剤 三 環 系 トリフ タノール 神 経 因 性 疼 痛 10~25mg ~75mg 300mg 眠 前 1 回 抗 コリン 作 用 しめつけられる つ 悪 心 食 欲 不 振 SNRI サインハ ルタ 20mg ~40mg ~60mg 分 1 っぱる 持 続 痛 眠 気 NMDA 受 容 体 拮 抗 薬 抗 不 整 脈 薬 ス テロ イ ド 持 続 静 注 ケタラール 神 経 因 性 疼 痛 12~48mg ~150mg 48~300mg 眠 気 悪 夢 持 続 皮 下 注 体 動 時 痛 に 有 効 セロクラール 60~120mg ~120mg 300mg 分 3 起 立 性 低 血 圧 メキシチール 神 経 因 性 疼 痛 持 続 性 発 作 性 頭 痛 に 150mg ~300mg ~450mg 分 3 悪 心 食 欲 不 振 リト カイン 240mg ~720mg ~1000mg 有 効 フ レト ニソ ロン 5~20mg 5~20mg 10~100mg テ カト ロン 神 経 圧 迫 による 痛 み しびれ 1~2mg 1~2mg 1~20mg リンテ ロン 1~2mg 1~2mg 1~20mg 持 続 静 注 心 伝 導 系 障 害 持 続 皮 下 注 朝 1 回 - / 分 2~3 注 ) 開 始 量 は 1 日 量 を 記 載 参 考 文 献 1) がんの 痛 みの 鎮 痛 薬 治 療 マニュアル( 改 訂 2 版 ) 武 田 文 和 著 金 原 出 版 2) がん 疼 痛 治 療 ガイドライン 日 本 緩 和 医 療 学 会 編 真 興 交 易 ( 株 ) 医 書 出 版 部 3) 医 療 用 麻 薬 の 利 用 と 管 理 厚 生 省 薬 務 局 麻 薬 課 監 修 ミクス 4) トワイクロス 先 生 のがん 患 者 の 症 状 マネジメント 武 田 文 和 監 訳 医 学 書 院 5) がん 疼 痛 治 療 のレシピ 的 場 元 弘 春 秋 社 6) ここが 知 りたかった 緩 和 ケア 余 宮 きのみ 南 江 堂 24
ⅩⅢ.オピオイドローテーション 1. 定 義 オピオイドを 他 のオピオイドへ 変 更 すること 2. 目 的 Ⅰ 副 作 用 の 軽 減 Ⅲ 投 与 経 路 の 変 更 Ⅱ 鎮 痛 効 果 の 改 善 Ⅳ 耐 性 形 成 の 回 避 オピオイドを 増 量 しても 痛 みが 改 善 しない 副 作 用 が 軽 減 しない 内 服 困 難 になった 場 合 別 のオピオイドへ 変 更 する 方 法 オピオイドには いくつかの 種 類 剤 型 ( 内 服 薬 坐 薬 貼 り 薬 注 射 薬 )があるため 患 者 に 合 った 薬 剤 の 選 択 が 必 要 である モルヒネ MS コンチン 錠 アンペック 坐 薬 オプソ 内 服 液 モルヒネ 注 射 液 オキシコンチン 錠 オピオイド ローテーション デュロテップ デュロテップ MT パッチ パッチ ( 貼 付 剤 ) フェンタネスト フェンタニル 注 注 射 射 液 液 オキシコドン フェンタニル 参 考 文 献 1)がん 疼 痛 治 療 のレシピ 的 場 元 宏 春 秋 社 2) 愛 知 県 オンコロジー 第 2 分 科 会 患 者 向 けパンフレット 25
オピオイド 換 算 例 ( 例 100:1) フェンタニル 1 日 放 出 量 0.6mg 4.2mg 100:1 モルヒネ 3:2 テ ュロテッフ MTハ ッチ4.2mg 0.6 mg / day オキシコト ン 10 10 10 10 10 10 MSコンチン60mg /day 1/6 内 服 レスキュー オフ ソ10mg 20 20 オキシコンチン40mg /day 高 用 量 におけるオピオイドローテーションは 段 階 的 に 行 うことが 望 ましい 細 かい 換 算 については 付 録 3を 参 照 補 足 デュロテップ MT パッチ 4.2mg はフェントステープ 2mg に 相 当 する 26
ⅩⅣ. 痛 みのアセスメント 表 運 用 基 準 2007.7.19 緩 和 ケアチーム 委 員 会 1. 目 的 1) 迅 速 かつ 適 切 に 疼 痛 緩 和 軽 減 を 図 るために 患 者 の 疼 痛 を 客 観 的 に 評 価 する 2) 患 者 家 族 と 医 療 従 事 者 が 痛 みに 対 して 共 通 の 認 識 ができる 2. 対 象 痛 みを 有 し 医 療 従 事 者 が 疼 痛 評 価 を 必 要 と 判 断 した 患 者 例 を 以 下 に 挙 げる 1) 初 回 オピオイド 導 入 患 者 2) オピオイドローテーション 患 者 ( 剤 型 投 与 経 路 変 更 時 ) 3) オピオイドが 効 きにくい 患 者 4) オピオイド 離 脱 減 量 患 者 5) 疼 痛 管 理 不 良 患 者 (オピオイド 使 用 有 無 は 問 わない) 6) その 他 3. 評 価 方 法 NRS(Numerical Rating Scale):0~10 を 使 用 する 4. 記 入 について 1) 指 定 のアセスメント 表 ( 時 間 軸 をフリーとしたもの)に 記 入 する 2) 記 入 は 患 者 本 人 を 基 本 とするが 家 族 医 療 従 事 者 の 代 筆 でも 構 わない 3) 医 療 従 事 者 が 記 入 する 時 は 記 入 者 のサインをする 4) 医 療 従 事 者 は あくまでも 患 者 の 発 した 数 値 を 代 筆 し 推 測 で 値 を 記 入 しない 5. 記 入 方 法 1) NRS の 数 字 を 記 入 する 2) 痛 みが 複 数 あるときには 場 所 部 位 別 に 評 価 し 記 入 する 3) 使 用 している 鎮 痛 薬 剤 を 併 記 する 4) コメント 欄 には 吐 き 気 眠 気 等 の 副 作 用 症 状 などの 訴 えや 状 況 について 記 入 する 6. 記 入 のタイミング 1) 検 温 時 等 定 期 的 に 記 入 する 2) レスキュー 薬 剤 を 使 用 時 に 記 入 する 3) 使 用 鎮 痛 薬 剤 (レスキュー 薬 剤 を 含 む)が 最 高 血 中 濃 度 となる 時 間 ( 効 果 判 定 時 間 )に 記 入 する 27
7. 保 管 場 所 1) 使 用 中 はベッドサイドの 保 管 とし 患 者 と 医 療 者 の 共 通 認 識 を 図 る ただし 個 人 情 報 保 護 を 念 頭 に 置 き 中 の 見 えないファイルなどを 使 用 する 2) 終 了 時 は カルテの 褥 瘡 危 険 度 評 価 用 紙 の 次 ( 看 護 計 画 の 後 ろ)に 保 管 する 8. 終 了 時 期 1) アセスメント 表 導 入 後 疼 痛 管 理 経 過 良 好 (7 日 間 を 目 安 とする)と 判 断 した 時 (1)オピオイド 導 入 良 好 (2)オピオイドローテーション 良 好 (3)オピオイド 離 脱 減 量 良 好 2) 患 者 または 家 族 により 中 止 の 要 望 があった 時 3) その 他 ( 以 上 ) 28
痛 みのアセスメント 表 病 棟 0 : 痛 みがない 10: 想 像 しうる 最 も 強 い 痛 み 氏 名 日 付 時 間 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 使 用 した 痛 み 止 め コメント サイン 痛 みの 部 位 1( )2( )3( ) 体 がつらいときは 飛 ばして 頂 いて 構 いません 名 古 屋 第 二 赤 十 字 病 院 緩 和 ケアチーム 29
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31
32
がん 疼 痛 コントロールマニュアル 名 古 屋 第 二 赤 十 字 病 院 緩 和 チーム 委 員 会 作 成 第 4 版 平 成 25 年 9 月 作 成 チーム 構 成 メンバー& 作 成 者 副 院 長 呼 吸 器 腫 瘍 内 科 部 長 第 一 麻 酔 集 中 治 療 副 部 長 一 般 消 化 器 外 科 医 師 消 化 器 内 科 医 師 呼 吸 器 外 科 医 師 麻 酔 科 医 師 研 修 医 研 修 医 看 護 副 部 長 看 護 師 長 看 護 師 長 看 護 係 長 看 護 師 臨 床 心 理 係 長 心 理 判 定 員 医 療 社 会 事 業 司 主 任 総 務 課 管 理 係 長 地 域 医 療 連 携 課 主 事 主 任 リハビリテーション 科 作 業 療 法 士 薬 剤 師 主 任 製 剤 係 長 薬 剤 師 主 任 長 谷 川 洋 若 山 尚 士 棚 橋 順 治 田 口 泰 郎 野 村 智 史 伊 藤 志 門 平 原 仁 美 森 山 佳 奈 内 田 絵 里 香 神 尾 正 子 加 藤 道 子 室 田 かおる 田 子 森 和 子 小 島 史 絵 大 槻 貴 子 寺 田 愛 子 森 健 辻 一 人 小 里 恭 子 端 谷 僚 今 井 視 保 子 川 出 義 浩 葛 谷 真 理 33