ーー 医 療 現 場 では 安 全 のためにさまざまな 職 種 や 立 場 の 人 が 互 いに 補 い 合 い 協 力 し 合 う ことが 求 められています これまでの 医 療 安 全 の 活 動 や 教 育 は 医 療 専 門 職 を 対 象 として 医 療 行 為 についての 安 全 対 策 を 行 うことが 中 心 でした しかし さらなる チーム 医 療 の 推 進 が 求 められるなか これからは 直 接 医 療 行 為 にかか わらない 看 護 補 助 者 や 事 務 スタッ 7 などの 補 助 スタッフを 含 めた すべ てのスタ ッ 7 司 が 医 療 安 全 への 関 心 を 高 め 知 識 を 得 ていく 必 要 があ るのです 本 容 は そのお 手 伝 いをす るために 作 られました 1 では これまで 医 療 安 全 について 学 ぶ 機 会 が 少 なかった 補 助 スタッ 7 の 皆 さんにもわかりやすいように 医 療 安 全 の 基 本 的 な 考 え 方 を 解 説 しました Z~ Part 4 では 現 場 で 日 頃 行 われている 業 務 ごとに どのよ うなリスクが 潜 んでいるか それを 回 避 するにはどうしたらよいか J をまとめています 起 こりがちな 事 例 をたくさん 挙 げていますので 現 場 の 状 況 を 思 い 浮 かべながら 読 んでみてください 最 後 の Part 5 では 職 種 や 立 場 を 越 えて 述 携 するための 効 果 的 な コミュニケーションの 考 え 方 や そのスキルに ついて 述 べています 本 舎 は 新 人 看 護 師 の 医 療 安 全 学 習 の 導 入 用 教 材 としてもご 活 用 い ただけるでしょう ここで 医 療 安 全 の 考 え 方 や 視 点 を 得 ていただいたう えで 各 業 務 については 安 全 な 遂 行 の 根 拠 となるよう 医 療 看 護 の 専 門 知 識 を 深 めてください
また 医 療 現 場 にどのようなリスクや 安 全 上 の 課 題 があるのかを 具 体 的 に 空 れ ているので 病 院 で ボラ ン 子 ィ 7 として 活 動 している 方 や 看 護 師 を 目 指 している 学 生 古 人 これから 補 助 スタッ 7 として 働 きた いと 考 えている 皆 さんにとっても 業 務 をイメージしやすく 大 いに 役 立 ちます さらに P ar t 2~ Part 4 では 補 助 スタッ 7 を 指 導 したり 教 育 したり する 立 場 の 看 護 職 の リーグー や 医 療 安 全 管 理 者 に 取 り 組 んでいただ きたいことも 記 載 しています 私 たちが 看 護 師 対 象 に 執 筆 した 自 信 が つく! 医 療 安 全 My Book ( 日 本 看 護 協 会 出 版 会 20 日 年 ) の 姉 妹 編 といえ るものですので 特 に 医 療 安 全 担 当 者 には 併 せて 読 んでいただくこと をおすすめします 医 療 安 全 i;l:, すべてのスタッ 7 がそれぞれの 立 場 で 考 え 実 践 す べきことです 本 告 が 医 療 現 場 で 働 く 皆 さんにとって 医 療 安 全 への 関 心 を 高 め 実 践 力 を 向 上 させるのに 役 立 つことを 願 っていま す 2015 年 6 月 東 京 海 上 日 動 メデ イカルサ ー ピス 株 式 会 社 メデイカルリスクマネジメント 室 一 同
同,,,., 清 掃 整 頓 どんな 業 務? 病 室 や 病 棟 内 を 整 えて 清 潔 で 居 心 地 のよい 環 境 をつくります 旦 1 者 さんの 生 活 環 境 にかかわる 業 務 では 病 室 の 温 度 湿 度 採 光 な どの 調 整 ベッド 床 頭 台 洗 面 台 などの 清 掃 整 頓 入 院 ベッドの 準 備 や 退 院 後 の 病 室 の 清 掃 整 頓 などがあります また ベッドのストッ パーやベッ ド 柵 などに 故 障 がないかを 確 認 します 病 棟 内 の 環 境 整 備 としては 処 置 *や 機 材 庫 等 の 消 婦 整 頓 病 棟 で 使 われている 車 椅 子 やストレヅチャーなど 医 療 用 具 の 使 用 後 の 清 掃 点 検 定 位 世 への 収 納 などの 業 務 があります インシデント アクシデン 卜 事 例 QO 離 床 センサー*の 電 源 を OFF にして 清 掃 した 後 電 源 を ON にするのを 忘 れた GO ベッドを 移 動 して 床 のワックスがけをしていたが 清 掃 が 終 了 してベッドをもとの 位 置 に 戻 した 際 ストッパをかけ 忘 れた 事 伊 lの 解 説 ベッド 周 辺 の 清 掃 整 頓 業 務 では ベッドのストッパー を 外 したり 電 動 ベッドや 医 療 機 器 のコンセントを 外 したりして 作 業 離 床 センサー 病 院 などで 使 用 する 転 倒 転 部 下 防 の 対 餓 装 位 I 環 焼 や 吻 畠 の 鐙 鍋!こη 力 わる 義 務 l の 医 療 安 全
をした 後 それらをもとの 状 態 に 戻 すのを 忘 れてしまうことがありま す ベッドのストッパーがかかっていないと ベッドが 動 き 患 者 さん の 転 倒 につながります QP 手 術 室 を 清 掃 する 際 クーラーボックスに 入 った 移 植 用 の 臓 器 を 廃 棄 物 と 誤 って 廃 棄 した - 退 院 後 の 病 室 清 掃 で 使 用 料 の 輸 液 バッグやシリンジ( 注 射 器 ) 等 を 片 づけるとき シリンジ に 麻 薬 が 残 っていることに 気 づかず 廃 棄 してしまった してしまつた 事 例 です ほかにも 排 地 物 の 後 始 末 をする 際 蓄 尿 引 が 必 要 な 患 者 さんの 尿 を 廃 棄 してしまった 事 例 なども 発 生 しています ー 一 一 一 一 一 一 GO 汚 物 処 理 的 う 際 個 人 防 護 具 叫 を 使 用 せず 処 理 的 った -ベッドの 下 に 落 ちているゴミを 素 手 で 拾 おうとしたところ ゴ ミに 患 者 さんが 使 用 したインスリン 白 己 注 射 用 の 針 が 混 ざ って 事 例 の 解 脱 いたため 手 に 刺 さってしまった 医 療 行 為 等 により 廃 棄 物 となったものや 血 液 体 液 などを 取 り 扱 う 際 には 標 準 予 防 策 (スタンダードプリコーション) に 則 った 対 応 が 必 要 になります 事 例 5 や 事 例 6 のように 手 袋 など の 個 人 防 護 具 を 使 用 しないまま 処 理 を 行 うと 院 内 感 染 を 引 き 起 こす 危 険 性 があります また 患 者 さんに 使 用 した 針 がー 絞 ゴミの 入 った ゴミ 箱 にまぎれていて 回 収 する 際 に 清 掃 スタップが 針 を 刺 してしま う 事 故 なども 報 告 されています l 帯 尿 検 査 のために ある 一 定 期 間 の 尿 をすべて 帯 えること 2 倒 人 防 護 J1 手 袋 エプロン ガウン マスク ゴーグルなど l 血 液 や 体 液 排 地 物 などに 直 接 接 触 することを 防 ぐために 用 いる 道 具
匂 昏 患 者 さんが 車 肝 に 移 乗 する 際 ブレキが 緩 んでいたため 車 筒 子 が 動 いてしまい 患 者 さんがバランスを 崩 して 転 倒 した 車 椅 子 を 調 べたところ タイヤが 磨 耗 してブレーキの 利 きが 悪 くなっていることがわかった 事 例 の 解 説 車 椅 子 やストレッチャーの 点 検 が 行 われていないと 車 椅 子 の 不 具 合 による 転 倒 事 故 につながります 安 全 な 遂 行 のためのポイン 卜 留 意 点 ここでは すべてのスタップが 知 っ ておくべきポイントをまとめまし た さらに 看 護 補 助 者 が 単 独 で 実 施 する 際 必 ず 事 前 に 医 療 専 門 職 の 確 認 をとっていただきたいものや 安 全 上 特 に 注 意 が 必 要 なものには &マーク をつけています [ 安 全 に 酎 慮 した 環 境 整 備 ] 清 掃 をした 後 は ベッドのストッパーがかかっているか ナースコー ルが 適 切 な 位 置 に 置 かれているかを 確 認 しましょう ベッド 周 辺 に 置 かれているオーパーテーブルや 椅 子 電 源 コードなど が 患 者 さんが 歩 行 する 際 の 障 害 物 とならないよう 注 意 しましょう [ 感 染 対 策 の 考 え 方 と 実 際 l 感 染 防 止 のために 常 に 標 準 予 防 策 (スタンダードプリコーション ) を 行 います 標 準 予 防 策 とは 患 者 さんが 感 染 症 にかかっているかど うかにかかわらず すべての 患 者 さんのケアに 共 通 して 行 う 予 防 策 で す 患 者 さんの 血 液 分 泌 液 排 植 物 などを 感 染 の 可 能 性 のあるもの と 見 なし 対 応 します 接 触 感 染 飛 沫 感 染 空 気 感 染 のおそれがある 患 者 さんには 標 準 予 防 策 に 加 えて 感 染 経 路 別 に 予 防 策 を 実 施 します 手 洗 いや 手 指 消 毒 による 手 指 衛 生 は 感 染 予 防 の 基 本 です 必 要 な 場 向 't.;; I 環 境 や 物 呂 田 盟 備 にかかわる 業 務 I の 匡 療 安 全
面 で 正 しい 方 法 で 手 洗 いや 手 指 消 毒 を 行 います また 血 液 や 排 地 物 などに 接 触 する 可 能 性 がある 場 合 は 手 袋 ガウン エプロン マ スク ゴーグルなとの 個 人 防 護 具 を 適 切 に 用 いて 作 業 をしましょう 0 患 者 さんに 使 用 した 器 具 などを 取 り 扱 う 際 も 標 準 予 防 策 の 考 えに 基 づいて すべて 感 染 性 のものとして 処 理 します 洗 浄 してから 消 毒 滅 菌 のルールを 守 り 用 途 に 応 じた 方 法 で 使 用 済 み 器 具 の 管 理 を 行 います [ 医 療 廃 棄 物 の 取 り 扱 い l 病 院 では 一 般 ゴミだけでなく 医 療 行 為 等 に 伴 って 発 生 する 廃 棄 物 があるので 区 分 を 正 しく 理 解 して 規 則 に 沿 って 対 応 します 医 療 廃 棄 物 を 取 り 扱 う 際 には 場 面 に 応 じて 手 袋 など 個 人 防 護 具 を 適 切 に 使 用 し 感 染 防 止 に 努 めます 鋭 利 な 器 具 の 取 り 扱 いには 十 分 な 注 意 が 必 要 です ゴミ 箱 の 中 に 手 を 入 れて 作 業 したり 廊 下 に 落 ちているゴミを 素 手 で 拾 ったりする 行 為 は 針 刺 し 事 故 につながりかねません 万 が 一 使 用 後 の 針 を 刺 して しまった 場 合 には すぐに 流 水 で 十 分 に 洗 い 流 して 所 属 長 などに 報 告 し その 後 の 対 応 について 指 示 を 受 けましょう 針 刺 しゃ 切 創 時 の 速 やかな 報 告 が 大 切 な 理 由 については コラム 1 (p.54)をご 参 照 ください [ 捨 ててよいものとそうでないものの 判 断 ] 医 療 現 場 では 患 者 さんの 診 断 治 療 に 必 要 な 細 胞 や 組 織 などが 採 取 され さまざまな 容 器 で 保 管 されています また 検 査 のために 血 液 や 尿 などが 採 取 され 検 体 として 病 棟 に 置 カ 通 れていることもあります シリンジに 入 っている 薬 には 廃 棄 してはいけないものがあります たとえば 麻 薬 は 残 りの 薬 剤 がある 場 合 看 護 師 や 薬 剤 師 が 使 った 量 と 残 りの 量 を 照 合 するために 廃 棄 せず 保 管 しておかなければなりま せん A 処 置 室 や 退 院 後 の 病 室 を 清 掃 する 際 は 廃 棄 してはいけない 検 体 や 薬 再!などがないか 注 意 しましょう 表 示 や 容 器 の 区 分 などで 廃 棄 物