農 業 の 会 計 に 関 する 指 針 制 定 : 平 成 26 年 5 月 19 日 一 般 社 団 法 人 全 国 農 業 経 営 コンサルタント 協 会 公 益 社 団 法 人 日 本 農 業 法 人 協 会 1
農 業 の 会 計 に 関 する 指 針 制 定 : 平 成 26 年 5 月 19 日 第 一 総 論 Ⅰ 目 的 1. 本 指 針 の 目 的 本 指 針 は 農 企 業 が 計 算 書 類 の 作 成 に 当 たり 拠 ることが 望 ましい 会 計 処 理 や 注 記 等 を 示 すものである このため 農 企 業 は 本 指 針 に 拠 り 計 算 書 類 を 作 成 することが 推 奨 され る Ⅱ 対 象 1. 本 指 針 の 適 用 対 象 者 本 指 針 の 適 用 対 象 は 農 業 法 人 とする 農 業 法 人 とは 農 事 組 合 法 人 株 式 会 社 又 は 持 分 会 社 であって 農 業 を 営 むものをいう 個 人 農 業 者 並 びに 集 落 営 農 組 織 など 個 人 農 業 者 を 構 成 員 とする 任 意 組 合 ( 民 法 上 の 組 合 をいう ) 及 び 人 格 のない 社 団 についても 計 算 書 類 を 作 成 するに 当 たり 本 指 針 に 拠 るこ とが 推 奨 される 本 指 針 では 本 指 針 の 適 用 対 象 者 を 農 企 業 という 関 連 項 目 農 業 法 人 に 対 する 投 資 の 円 滑 化 に 関 する 特 別 措 置 法 第 2 条 Ⅲ 本 指 針 の 記 載 範 囲 及 び 適 用 に 当 たっての 留 意 事 項 1. 本 指 針 の 記 載 範 囲 農 企 業 が 計 算 書 類 を 作 成 するに 当 たり 拠 ることが 望 ましい 会 計 処 理 を 網 羅 的 に 示 すこと は およそ 不 可 能 である そのため 本 指 針 では 特 に 農 企 業 において 必 要 と 考 えられる ものについて 重 点 的 に 言 及 している また 農 企 業 のほとんどが 中 小 企 業 であり 中 小 企 業 として 必 要 な 会 計 指 針 については 本 指 針 において 特 段 の 定 めがあるものを 除 き 中 小 企 業 の 会 計 に 関 する 指 針 を 準 用 する なお 農 業 会 計 においては これまで 勘 定 科 目 について 独 自 の 名 称 ( 注 )が 用 いられて きたが 商 業 簿 記 や 工 業 簿 記 と 共 通 の 概 念 を 持 つ 勘 定 科 目 は それらに 準 じた 共 通 の 勘 定 科 目 を 使 用 することとする また 製 造 原 価 報 告 書 に 相 当 する 財 務 諸 表 の 名 称 についても 生 産 原 価 報 告 書 と 呼 び 慣 わしてきたが 生 産 原 価 報 告 書 とした 場 合 農 産 加 工 業 などを 兼 営 する 場 合 には 農 業 に 係 る 生 産 原 価 報 告 書 と 農 産 加 工 業 に 係 る 製 造 原 価 報 告 書 の2 通 りを 財 務 会 計 において 作 成 しなければならないといった 問 題 が 生 ずる このため 2
いわゆる 農 業 の6 次 産 業 化 の 傾 向 も 踏 まえ これらを 一 本 化 して 製 造 原 価 報 告 書 とす ることとする あわせて 生 産 規 模 のように 熟 語 として 定 着 している 用 語 を 除 き 本 指 針 では できるかぎり 生 産 という 用 語 を 製 造 に 統 一 して 表 記 することとする 注 :たとえば 仕 掛 品 を 未 収 穫 農 産 物 肥 育 牛 機 械 装 置 を 大 農 具 などとしてきた 第 二 貸 借 対 照 表 Ⅰ 資 産 ( 棚 卸 資 産 ) 1. 棚 卸 資 産 の 範 囲 棚 卸 資 産 とは 商 品 又 は 製 品 ( 副 産 物 及 び 作 業 くずを 含 む ) 半 製 品 仕 掛 品 ( 未 収 穫 農 産 物 販 売 用 動 物 を 含 む ) 原 材 料 貯 蔵 品 ( 消 耗 品 で 貯 蔵 中 のもの)その 他 これらに 準 ずるものをいう 農 産 物 について 個 人 農 業 者 においては 収 穫 基 準 の 適 用 によって 時 価 で 評 価 されるため 農 産 物 勘 定 で 表 示 するが 農 業 法 人 においては 製 品 勘 定 を 使 用 する なお 本 指 針 における 棚 卸 資 産 とは 通 常 の 販 売 目 的 ( 販 売 するための 製 造 目 的 を 含 む ) で 保 有 する 棚 卸 資 産 をいうものとする したがって 育 成 仮 勘 定 は 販 売 するための 製 造 目 的 ではないため 棚 卸 資 産 の 区 分 ではなく 有 形 固 定 資 産 の 区 分 に 表 示 すること に 留 意 する また 果 樹 の 未 収 穫 果 実 及 び 家 畜 の 胎 児 については 未 収 穫 農 産 物 及 び 販 売 用 動 物 と 区 分 し 原 則 として 固 定 資 産 ( 生 物 又 は 育 成 仮 勘 定 ) 又 は 繰 延 資 産 ( 繰 延 生 物 ) の 一 部 分 として 取 り 扱 う 2. 棚 卸 資 産 の 取 得 価 額 (1) 取 得 価 額 自 己 の 栽 培 等 に 係 る 棚 卸 資 産 の 取 得 価 額 は その 資 産 の 栽 培 等 のために 要 した 原 材 料 費 労 務 費 及 び 経 費 の 額 とする ただし その 資 産 を 消 費 し 又 は 販 売 の 用 に 供 するために 直 接 要 した 費 用 の 額 がある 場 合 にはその 額 を 加 算 する (2) 副 産 物 又 は 副 産 物 を 原 材 料 とする 棚 卸 資 産 の 取 得 価 額 1 搾 乳 牛 が 出 産 した 子 牛 搾 乳 牛 が 出 産 した 子 牛 は 出 産 直 後 の 子 牛 の 評 価 額 にその 育 成 等 のために 要 した 費 用 の 額 を 加 算 して 取 得 額 を 計 算 する 出 産 直 後 の 子 牛 の 評 価 額 については 搾 乳 牛 が 出 産 した 子 牛 は 生 乳 生 産 の 副 産 物 であ るため 時 価 で 評 価 することになるが 人 工 授 精 等 の 繁 殖 作 業 を 自 己 が 行 った 場 合 におい ては 人 工 授 精 の 種 付 料 ( 冷 凍 精 液 代 等 を 含 む ) 又 は 受 精 卵 移 植 の 移 植 料 ( 受 精 卵 の 購 入 代 価 を 含 む )などの 費 用 の 額 をもって 評 価 額 とする 一 方 初 妊 牛 を 導 入 した 場 合 に おいては 種 付 料 や 移 植 料 の 実 際 原 価 は 不 明 であるが これら 種 付 料 等 の 標 準 原 価 をも って 評 価 額 とする 2 堆 厩 肥 原 材 料 費 のうち 主 要 原 材 料 である 家 畜 の 糞 尿 ( 混 合 された 使 用 済 みの 敷 料 を 含 む ) 3
の 評 価 額 を 零 として 取 得 価 額 を 計 算 する 3. 棚 卸 資 産 の 評 価 基 準 (1) 棚 卸 資 産 の 評 価 損 棚 卸 資 産 の 期 末 における 時 価 が 帳 簿 価 額 より 下 落 し かつ 金 額 的 重 要 性 がある 場 合 に は 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする なお 次 の 事 実 が 生 じた 場 合 には その 事 実 を 反 映 させて 帳 簿 価 額 を 切 り 下 げなければ ならないことに 留 意 する 必 要 がある 1 棚 卸 資 産 について 災 害 により 著 しく 損 傷 したとき 2 著 しく 陳 腐 化 したとき 3 上 記 に 準 ずる 特 別 の 事 実 が 生 じたとき (2) 個 人 農 業 者 における 農 産 物 の 評 価 基 準 個 人 農 業 者 については 収 穫 基 準 の 適 用 により 農 産 物 の 収 穫 時 の 時 価 をもって 貸 借 対 照 表 価 額 とする (3) 副 産 物 副 産 物 は 搾 乳 牛 が 出 産 した 子 牛 を 除 き 時 価 で 評 価 することを 原 則 とする (4) 未 収 穫 果 実 胎 児 果 樹 の 未 収 穫 果 実 及 び 家 畜 の 胎 児 の 原 価 は 果 樹 又 は 母 畜 の 資 本 的 支 出 としてその 取 得 価 額 に 加 算 することを 原 則 とするが 果 樹 の 未 収 穫 果 実 及 び 家 畜 の 胎 児 を 原 価 により 評 価 して 別 個 の 資 産 とする 場 合 は 仕 掛 品 として 計 上 することができる (5) 時 価 (1)~(4)における 時 価 とは 原 則 として 正 味 売 却 価 額 ( 売 却 市 場 における 時 価 ( 売 却 市 場 がない 場 合 においては 見 積 売 却 価 額 )から 見 積 追 加 製 造 原 価 及 び 見 積 販 売 直 接 経 費 を 控 除 した 金 額 )をいう ( 有 形 固 定 資 産 ) 4. 生 物 育 成 仮 勘 定 (1) 生 物 の 定 義 農 業 用 の 減 価 償 却 資 産 である 生 物 をいう 果 樹 などの 永 年 性 作 物 や 繁 殖 用 家 畜 などがこ れに 該 当 する 税 法 上 減 価 償 却 資 産 となるものは 限 定 列 挙 されており 具 体 的 な 種 類 は 減 価 償 却 資 産 の 耐 用 年 数 に 関 する 省 令 別 表 四 ( 以 下 別 表 四 という )に 掲 げられている なお ばら の 親 株 や 採 卵 用 鶏 など 別 表 四 に 掲 げられていない 生 物 を 資 産 計 上 のうえ 償 却 する 場 合 には 税 法 固 有 の 繰 延 資 産 として 取 り 扱 い 繰 延 生 物 として 表 示 する (2) 生 物 の 取 得 価 額 及 び 育 成 仮 勘 定 自 己 が 成 育 成 熟 させた( 以 下 自 己 育 成 という ) 生 物 の 取 得 価 額 は 購 入 代 価 等 又 は 種 付 費 出 産 費 種 苗 費 に 成 育 成 熟 のために 要 した 飼 料 費 肥 料 費 等 の 材 料 費 労 務 費 経 費 の 額 を 加 えた 金 額 とする 自 己 育 成 した 生 物 の 取 得 価 額 は 育 成 仮 勘 定 を 用 いて 取 得 価 額 を 集 計 する 棚 卸 資 産 で 4
ある 農 畜 産 物 などの 取 得 に 要 した 費 用 と 育 成 に 要 した 費 用 に 共 通 するものが 多 いので 期 中 においては 肥 料 費 や 飼 料 費 などの 費 用 勘 定 で 経 理 しておき 決 算 整 理 において 育 成 にか かる 原 価 を 按 分 して 育 成 費 振 替 高 として 製 造 原 価 ( 生 産 原 価 )から 除 外 して 期 末 日 又 は 成 熟 日 において 育 成 仮 勘 定 に 振 り 替 える さらに 期 中 に 成 熟 した 生 物 については 成 熟 日 において 育 成 仮 勘 定 から 生 物 勘 定 に 振 り 替 える 有 形 固 定 資 産 を 自 己 建 設 した 場 合 に 建 設 仮 勘 定 を 用 いるが 建 設 仮 勘 定 では 支 出 時 に 直 接 集 計 勘 定 に 経 理 するのに 対 し て 育 成 仮 勘 定 では 決 算 整 理 において 集 計 勘 定 に 振 り 替 える 処 理 をすることに 留 意 する なお 育 成 費 振 替 高 は 製 造 原 価 報 告 書 の 末 尾 において 控 除 形 式 により 表 示 する (3) 生 物 の 減 価 償 却 減 価 償 却 は 固 定 資 産 を 事 業 の 用 に 供 したときから 開 始 するが 生 物 の 減 価 償 却 は 当 該 生 物 の 成 熟 の 時 点 から 行 う 成 熟 の 時 点 とは 家 畜 のうち 乳 牛 については 初 産 分 娩 時 乳 牛 を 除 く 繁 殖 用 家 畜 については 初 産 のための 種 付 時 であり 果 樹 等 については 当 該 果 樹 等 の 償 却 額 を 含 めて 通 常 の 場 合 におおむね 収 支 相 償 うに 至 ると 認 められる 樹 齢 とする (4) 貸 借 対 照 表 上 の 表 示 生 物 及 び 繰 延 生 物 育 成 仮 勘 定 は 固 定 資 産 の 部 の 有 形 固 定 資 産 の 区 分 に 表 示 する 生 物 の 減 価 償 却 累 計 額 は 減 価 償 却 累 計 額 勘 定 により 有 形 固 定 資 産 から 一 括 して 控 除 形 式 で 表 示 する 方 法 ( 間 接 法 )によることを 原 則 とする これに 対 して 繰 延 生 物 に 対 す る 償 却 累 計 額 は その 繰 延 生 物 の 金 額 から 直 接 控 除 し その 控 除 残 高 を 繰 延 生 物 の 金 額 と して 表 示 する 方 法 ( 直 接 法 )による (5) 損 益 計 算 書 上 の 表 示 1 生 物 売 却 収 入 生 物 の 売 却 収 入 は 収 入 金 額 を 総 額 により 売 上 高 の 内 訳 科 目 として 表 示 する 勘 定 科 目 としては 一 括 して 生 物 売 却 収 入 とするか 又 は 飼 養 する 畜 種 に 応 じて 適 宜 廃 牛 売 上 高 廃 豚 売 上 高 などのように 区 分 して 記 載 する 固 定 資 産 売 却 損 益 のうち 営 業 目 的 によるものでないものは 重 要 性 に 乏 しいことから 一 般 に 純 額 により 特 別 損 益 の 部 に 表 示 されるが 畜 産 農 業 において 繁 殖 用 の 牛 や 豚 種 付 用 の 豚 などの 反 復 継 続 した 売 却 は 営 業 目 的 によるものであるから 総 額 主 義 の 原 則 が 適 用 され 純 額 による 表 示 は 認 められないことに 留 意 する 2 生 物 売 却 原 価 生 物 の 売 却 直 前 の 帳 簿 価 額 を 売 上 原 価 の 内 訳 科 目 として 表 示 する 勘 定 科 目 としては 一 括 して 生 物 売 却 原 価 とするか 又 は 飼 養 する 畜 種 に 応 じて 適 宜 廃 牛 売 上 原 価 廃 豚 売 上 原 価 などように 区 分 して 記 載 する 生 物 の 売 却 は 収 入 金 額 を 総 額 により 生 物 売 却 収 入 として 表 示 するとともに 売 却 直 前 の 帳 簿 価 額 を 生 物 売 却 原 価 に 振 り 替 えて 売 上 原 価 の 内 訳 科 目 として 表 示 す る ただし 事 故 として 家 畜 共 済 の 共 済 金 を 受 領 した 場 合 には 資 産 損 失 の 金 額 を 受 取 共 済 金 から 控 除 するため 生 物 売 却 原 価 のうち 資 産 損 失 相 当 額 を 受 取 共 済 金 と 相 殺 す 5
る 資 産 損 失 の 金 額 は 未 償 却 残 高 から 発 生 直 後 における 当 該 資 産 の 価 額 ( 処 分 価 額 ) を 控 除 した 残 額 となる なお この 場 合 資 産 損 失 相 当 額 控 除 後 の 受 取 共 済 金 の 金 額 が 保 険 差 益 の 額 となる (6) 未 収 穫 果 実 胎 児 の 取 扱 い 果 樹 の 未 収 穫 果 実 及 び 家 畜 の 胎 児 は 果 樹 又 は 母 畜 の 一 部 であるため 未 収 穫 果 実 又 は 胎 児 の 育 成 を 目 的 として 果 樹 又 は 母 畜 に 対 して 投 下 された 費 用 は 果 樹 又 は 母 畜 の 固 定 資 産 ( 又 は 繰 延 資 産 )としての 価 値 を 高 める 部 分 に 対 応 する 金 額 として 資 本 的 支 出 となる しかしながら 1 回 の 収 穫 における1 園 地 等 ( 資 産 計 上 の 単 位 ) 当 たりの 未 収 穫 果 実 の 育 成 に 要 した 費 用 又 は1 回 の 出 産 における 母 畜 1 頭 当 たりの 胎 児 の 育 成 に 要 した 費 用 が 各 事 業 年 度 又 は 各 年 別 に 20 万 円 に 満 たない 場 合 には 果 樹 又 は 母 畜 の 取 得 価 額 に 加 算 しない で 費 用 として 経 理 することが 認 められる なお 未 収 穫 果 実 及 び 胎 児 を 母 畜 と 一 体 として 時 価 により 評 価 する 場 合 未 収 穫 果 実 又 は 胎 児 は 果 樹 又 は 母 畜 と 未 分 離 の 状 態 で 単 体 での 販 売 が 不 能 のため 果 実 又 は 胎 児 の 部 分 の 金 額 を 零 とする 関 連 項 目 法 人 税 基 本 通 達 7-8-3( 少 額 又 は 周 期 の 短 い 費 用 の 損 金 算 入 ) 所 得 税 基 本 通 達 37-12( 少 額 又 は 周 期 の 短 い 費 用 の 必 要 経 費 算 入 ) 5. 圧 縮 記 帳 固 定 資 産 の 圧 縮 記 帳 の 会 計 処 理 は 原 則 として その 他 利 益 剰 余 金 の 区 分 における 積 立 金 として 計 上 するのが 原 則 であるが 国 庫 補 助 金 等 で 取 得 した 資 産 については 直 接 減 額 方 式 による 圧 縮 記 帳 をすることができる また 交 換 並 びに 収 用 等 特 定 の 資 産 の 買 換 え 及 び 保 険 金 等 で 交 換 に 準 ずると 認 められるものにより 取 得 した 固 定 資 産 についても 直 接 減 額 方 式 に 準 じた 処 理 も 認 められる 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 制 度 による 圧 縮 記 帳 の 対 象 資 産 として 取 得 した 固 定 資 産 につい ては 本 来 積 立 金 として 計 上 すべきであるが 実 務 で 広 く 採 用 されていることを 踏 まえ 農 用 地 を 取 得 した 場 合 を 除 き 直 接 減 額 方 式 に 準 じた 処 理 も 認 められる 6. 助 成 付 きリース 国 等 の 事 業 による 助 成 付 きリースは 原 則 として 所 有 権 移 転 リース に 該 当 し 税 務 上 はリース 物 件 の 売 買 があったものとして 取 り 扱 われ 賃 借 人 はリース 物 件 を 資 産 に 計 上 して 減 価 償 却 することになる この 際 賃 借 人 は 実 質 的 な 助 成 金 交 付 対 象 者 として 助 成 金 相 当 額 を 圧 縮 記 帳 することができる この 場 合 において リース 料 総 額 に 助 成 金 相 当 額 を 加 算 し リース 期 間 終 了 後 の 買 取 価 格 が 定 められている 場 合 にはさらにこれを 加 算 した 金 額 が 圧 縮 記 帳 前 の 取 得 価 額 となるこ とに 留 意 する ( 投 資 その 他 の 資 産 ) 7. 経 営 安 定 積 立 金 (1) 経 営 安 定 積 立 金 の 定 義 6
国 の 経 営 安 定 対 策 によって 拠 出 した 生 産 者 積 立 金 のうち 資 産 計 上 すべきものをいう なお 国 の 経 営 安 定 対 策 の 制 度 としては 水 田 畑 作 経 営 所 得 安 定 対 策 による 収 入 減 少 影 響 緩 和 対 策 ( 収 入 減 少 補 てん) 加 工 原 料 乳 生 産 者 経 営 安 定 対 策 などがある (2) 貸 借 対 照 表 上 の 表 示 経 営 安 定 積 立 金 は 固 定 資 産 の 部 の 投 資 その 他 の 資 産 の 区 分 に 表 示 する (3) 損 益 計 算 書 上 の 表 示 経 営 安 定 対 策 の 補 填 金 は 特 別 利 益 の 部 に 経 営 安 定 補 填 収 入 として 表 示 する なお 拠 出 時 に 生 産 者 積 立 金 を 資 産 計 上 しているため 補 填 金 のうち 生 産 者 積 立 金 相 当 分 の 経 営 安 定 積 立 金 勘 定 を 取 り 崩 し 残 額 を 経 営 安 定 補 填 収 入 とする 関 連 項 目 企 業 会 計 原 則 第 二 一 第 三 五 及 び 同 注 解 1 法 人 税 法 施 行 令 第 54 条 所 得 税 基 本 通 達 27-1( 貸 衣 装 等 の 譲 渡 による 所 得 ) 所 得 税 基 本 通 達 49-27( 成 熟 の 年 齢 又 は 樹 齢 ) Ⅱ 負 債 ( 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 ) 1. 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 (1) 貸 借 対 照 表 上 の 表 示 租 税 特 別 措 置 法 上 の 準 備 金 は 原 則 として 純 資 産 の 部 の その 他 利 益 剰 余 金 の 区 分 における 任 意 積 立 金 として 表 示 する( 剰 余 金 処 分 経 理 方 式 ) ただし 繰 越 利 益 剰 余 金 が 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 の 積 立 限 度 額 を 下 回 る 場 合 に 剰 余 金 処 分 経 理 方 式 によって 積 立 限 度 額 までの 積 立 てをした 場 合 に 繰 越 利 益 剰 余 金 がマイナスになって 繰 越 欠 損 金 が 生 ずると いう 問 題 がある このような 事 態 を 避 けるため 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 については 損 金 経 理 により 固 定 負 債 の 部 における 引 当 金 として 計 上 する 方 法 も 認 められる( 損 金 経 理 方 式 ) なお 個 人 農 業 者 における 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 の 会 計 処 理 は 損 金 経 理 方 式 による (2) 損 益 計 算 書 上 の 表 示 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 を 損 金 経 理 によって 積 み 立 てる 場 合 には 損 益 計 算 書 において 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 繰 入 額 として 特 別 損 失 に 表 示 する また 過 年 度 の 損 金 経 理 によって 引 当 金 として 計 上 された 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 を 取 り 崩 す 場 合 には 損 益 計 算 書 において 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 戻 入 額 として 特 別 利 益 に 表 示 する Ⅲ 純 資 産 1. 資 本 金 資 本 金 は 設 立 又 は 株 式 の 発 行 に 際 して 株 主 となる 者 が 払 込 み 又 は 給 付 した 財 産 の 額 ( 払 込 金 額 )のうち 資 本 金 として 計 上 した 額 ( 会 社 法 第 445 条 )である 農 事 組 合 法 人 にお いては 資 本 金 を 出 資 金 出 資 金 を 外 部 出 資 として 表 示 することができる 7
2. 剰 余 金 剰 余 金 は 払 込 資 本 を 構 成 する 資 本 剰 余 金 と 留 保 利 益 を 表 す 利 益 剰 余 金 に 区 分 する (1) 資 本 剰 余 金 資 本 剰 余 金 は 資 本 取 引 から 生 じた 剰 余 金 であり 以 下 の2つに 区 分 する 1 資 本 準 備 金 株 式 会 社 又 は 持 分 会 社 における 増 資 による 株 式 の 払 込 金 額 のうち 資 本 金 に 組 み 入 れな かった 株 式 払 込 剰 余 金 のほか 農 事 組 合 法 人 が 新 たにその 出 資 者 となる 者 から 徴 収 した 加 入 金 の 額 も 資 本 準 備 金 として 取 り 扱 う 2その 他 資 本 剰 余 金 資 本 剰 余 金 のうち 資 本 準 備 金 以 外 のものである 資 本 金 及 び 資 本 準 備 金 の 取 崩 しによ って 生 じる 剰 余 金 ( 資 本 金 及 び 資 本 準 備 金 減 少 差 益 ) 及 び 自 己 株 式 処 分 差 益 が 含 まれる (2) 利 益 剰 余 金 利 益 剰 余 金 は 利 益 を 源 泉 とする 剰 余 金 (すなわち 利 益 の 留 保 額 )であり 以 下 の2 つに 区 分 される 1 利 益 準 備 金 株 式 会 社 又 は 持 分 会 社 においては その 他 利 益 剰 余 金 から 配 当 する 場 合 資 本 準 備 金 の 額 と 合 わせて 資 本 金 の 額 の4 分 の1に 達 していないときは 達 していない 額 か 配 当 額 の 10 分 の1の 額 のいずれか 少 ない 額 に 利 益 剰 余 金 配 当 割 合 を 乗 じて 得 た 額 を 計 上 しなけ ればならない( 会 社 法 第 445 条 第 4 項 会 社 計 算 規 則 第 22 条 ) 一 方 農 事 組 合 法 人 に おいては 配 当 額 に 関 係 なく 定 款 で 定 める 額 に 達 するまでは 毎 事 業 年 度 の 剰 余 金 の 10 分 の1 以 上 を 利 益 準 備 金 として 積 立 てなければならない( 農 業 協 同 組 合 法 第 51 条 第 73 条 第 2 項 ) 2その 他 利 益 剰 余 金 その 他 利 益 剰 余 金 のうち 任 意 積 立 金 のように 株 主 総 会 もしくは 取 締 役 会 又 は 総 会 の 決 議 に 基 づき 設 定 される 項 目 については その 内 容 を 示 す 項 目 をもって 区 分 し それ 以 外 については 繰 越 利 益 剰 余 金 に 区 分 する 税 法 上 の 特 例 を 利 用 するために 設 ける 農 業 経 営 基 盤 強 化 準 備 金 も 任 意 積 立 金 に 含 まれる 3. 剰 余 金 処 分 計 算 書 ( 又 は 損 失 金 処 理 計 算 書 ) 及 び 剰 余 金 処 分 案 ( 損 失 金 処 理 案 ) 剰 余 金 処 分 計 算 書 とは 繰 越 利 益 剰 余 金 ( 当 期 未 処 分 剰 余 金 )の 処 分 状 況 を 示 した 財 務 諸 表 で 農 事 組 合 法 人 など 協 同 組 合 法 人 において 作 成 されるものである 理 事 が 作 成 した 剰 余 金 処 分 案 ( 又 は 損 失 金 処 理 案 )が 総 会 において 承 認 されることによって 剰 余 金 処 分 計 算 書 ( 又 は 損 失 金 処 理 計 算 書 )となる 出 資 農 事 組 合 法 人 の 理 事 は 事 業 報 告 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 及 び 剰 余 金 処 分 案 又 は 損 失 処 理 案 を 作 成 しなければならない( 農 業 協 同 組 合 法 第 72 条 の 12 の9) 会 社 法 の 施 行 により 株 式 会 社 又 は 持 分 会 社 においては 利 益 処 分 案 ( 損 失 処 理 案 )が 廃 止 され これに 代 わって 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 の 作 成 が 義 務 付 けられたが 農 事 組 合 法 人 の 場 合 には 引 き 続 き 剰 余 金 処 分 案 の 作 成 が 必 要 とされることに 留 意 する 8
関 連 項 目 法 人 税 法 施 行 令 第 8 条 第 1 項 第 4 号 農 業 協 同 組 合 法 第 72 条 の 12 の9 第 三 損 益 計 算 書 Ⅰ 収 益 費 用 の 計 上 1. 収 益 及 び 費 用 の 計 上 に 関 する 一 般 原 則 農 企 業 の 経 営 成 績 を 明 らかにするため 損 益 計 算 書 において 一 会 計 期 間 に 属 するすべて の 収 益 とこれに 対 応 するすべての 費 用 を 計 上 する( 費 用 収 益 対 応 の 原 則 ) 原 則 として 収 益 については 実 現 主 義 により 認 識 し 費 用 については 発 生 主 義 により 認 識 する 収 益 及 び 費 用 の 計 上 について 複 数 の 会 計 処 理 の 適 用 が 考 えられる 場 合 取 引 の 実 態 を 最 も 適 切 に 表 す 方 法 を 選 択 する 選 択 した 方 法 は 毎 期 継 続 して 適 用 し 正 当 な 理 由 がな い 限 り 変 更 してはならない 2. 収 益 認 識 収 益 は 農 産 物 等 の 販 売 や 役 務 の 給 付 に 基 づき 認 識 され 農 企 業 は 各 取 引 の 実 態 に 応 じて 販 売 の 事 実 を 認 識 する 時 点 を 選 択 しなければならない (1) 一 般 的 な 販 売 契 約 における 収 益 認 識 基 準 商 品 等 の 販 売 や 役 務 の 給 付 に 基 づく 収 益 認 識 基 準 には 出 荷 基 準 引 渡 基 準 検 収 基 準 等 がある (2) 委 託 販 売 における 収 益 認 識 基 準 受 託 者 が 委 託 品 を 販 売 した 日 ( 精 算 書 に 記 録 )をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 とする( 受 託 者 販 売 日 基 準 ) ただし 精 算 書 又 は 売 上 計 算 書 が 販 売 のつど 又 は 週 旬 月 を 単 位 とし て 一 括 して 送 付 されている 場 合 には 当 該 精 算 書 が 到 達 した 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 とみなすことができる( 売 上 計 算 書 到 達 日 基 準 ) なお 農 協 を 通 じて 出 荷 する 米 麦 大 豆 等 の 農 産 物 については 産 地 銘 柄 別 の 共 同 販 売 共 同 計 算 によっており 受 託 者 が 委 託 品 を 販 売 した 日 を 認 識 することができない こ の 場 合 売 上 計 算 書 到 達 日 基 準 によれば 最 終 精 算 書 が 到 達 した 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 とみなすことになるが 最 終 精 算 が 出 荷 した 年 の 翌 年 又 は 翌 々 年 となり 精 算 書 は 週 旬 月 を 単 位 として 送 付 されていないことから 売 上 計 算 書 到 達 日 基 準 を 採 用 することが 必 ずしも 適 切 とは 言 えない このため 農 協 を 通 じて 出 荷 する 米 麦 大 豆 等 の 農 産 物 に ついては その 取 引 の 特 殊 性 に 鑑 み 売 上 計 算 書 到 達 日 基 準 を 適 用 しない 場 合 概 算 金 精 算 金 をそれぞれ 受 け 取 った 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 とすることになる( 概 算 金 等 受 領 日 基 準 ) (3) 農 作 業 受 託 など 請 負 における 収 益 認 識 基 準 農 作 業 受 託 など 物 の 引 渡 しを 要 しない 請 負 契 約 にあってはその 約 した 役 務 の 全 部 を 完 了 した 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 とする 9
ただし 特 定 作 業 受 託 すなわち 基 幹 三 作 業 ( 注 )のすべてを 受 託 して 自 ら 農 作 業 を 行 い 収 穫 物 についての 販 売 名 義 を 有 し 販 売 収 入 を 農 作 業 及 び 販 売 の 受 託 の 対 価 として 充 当 する 場 合 の 作 業 受 託 については 実 質 的 には 受 託 者 の 農 業 経 営 であるため 作 業 受 託 で はなく 販 売 受 託 した 農 産 物 の 販 売 として 収 益 を 認 識 したうえで 精 算 金 相 当 額 を 費 用 ( 圃 場 管 理 費 等 )とする 注 : 水 稲 にあっては 耕 起 代 かき 田 植 え 及 び 収 穫 脱 穀 麦 及 び 大 豆 にあっては 耕 起 整 地 播 種 及 び 収 穫 その 他 の 農 産 物 にあってはこれらに 準 ずる 農 作 業 をいう (4) 交 付 金 等 の 収 益 認 識 基 準 法 令 に 基 づき 交 付 を 受 ける 給 付 金 等 については その 給 付 の 事 実 があった 日 の 属 する 事 業 年 度 終 了 の 日 において 金 額 が 未 確 定 であってもその 金 額 を 見 積 るのが 原 則 である( 交 付 事 実 発 生 日 基 準 ) しかしながら 農 業 に 関 する 交 付 金 等 については 価 格 動 向 によって 交 付 単 価 が 事 後 的 に 決 められるものも 多 く また 交 付 対 象 となる 数 量 等 の 確 定 に 農 産 物 検 査 が 義 務 付 けられているため その 交 付 の 原 因 となった 農 畜 産 物 の 出 荷 の 事 実 からこれに 関 する 交 付 金 の 交 付 までの 期 間 が 長 く その 金 額 の 見 積 もりが 困 難 な 場 合 が 多 い このた め 交 付 金 等 の 収 益 の 計 上 時 期 については 支 払 の 通 知 を 受 けた 日 ( 通 知 書 がない 場 合 は 交 付 を 受 けるべき 日 )をもって 収 益 の 実 現 の 日 とすることができる( 交 付 金 等 通 知 日 基 準 ) ただし 肉 用 牛 免 税 に 関 連 する 交 付 金 等 は 税 務 上 1 頭 ごとに 収 益 と 費 用 を 対 応 させ る 必 要 があることから 対 象 牛 を 売 却 した 日 をもって 収 益 の 実 現 の 日 とする( 交 付 事 実 発 生 日 基 準 ) 注 : 肉 用 牛 免 税 に 関 連 する 交 付 金 等 には 肉 用 子 牛 生 産 者 補 給 金 肉 用 牛 繁 殖 経 営 支 援 交 付 金 肉 用 牛 肥 育 経 営 安 定 補 填 金 ( 新 マルキン)がある 注 : 収 穫 基 準 について 所 得 税 法 により 個 人 農 業 者 が 米 麦 等 の 農 産 物 を 収 穫 した 場 合 には 収 穫 時 における 生 産 者 販 売 価 額 により 収 益 を 計 上 することとなる 生 産 者 販 売 価 額 とは 農 家 の 庭 先 における 農 産 物 の 裸 価 格 具 体 的 には 市 場 の 取 引 価 格 から 市 場 手 数 料 市 場 までの 運 賃 包 装 費 その 他 の 出 荷 経 費 を 差 し 引 いた 金 額 をいう 一 方 で 農 産 物 は 収 穫 時 に 収 穫 価 額 をもつて 取 得 したものと みなされ 販 売 時 に 収 穫 価 額 が 費 用 に 計 上 されることになる このため 収 穫 された 農 産 物 のうち 収 穫 年 に 販 売 された 農 産 物 については 収 穫 基 準 によって 収 益 に 計 上 された 金 額 と 同 額 が 費 用 に 計 上 されることになるため 結 果 的 には 引 渡 基 準 や 受 託 者 販 売 日 基 準 などの 一 般 的 な 基 準 によって 収 益 に 計 上 される ただし 個 人 農 業 者 の 場 合 収 穫 年 に 販 売 されなかった 期 末 農 産 物 棚 卸 高 及 び 事 業 消 費 高 家 事 消 費 高 については 収 穫 基 準 の 適 用 の 結 果 として 収 穫 時 における 生 産 者 販 売 価 額 をもって 収 益 に 計 上 することになることに 留 意 する 4. 費 用 認 識 費 用 は その 支 出 ( 将 来 支 出 するものを 含 む )に 基 づいた 金 額 を その 性 質 により 収 益 に 対 応 ( 個 別 対 応 又 は 期 間 対 応 )させ その 発 生 した 期 間 に 正 しく 計 上 する 関 連 項 目 10
企 業 会 計 原 則 第 二 一 及 び 三 及 び 同 注 解 6 所 得 税 法 第 41 条 法 人 税 法 第 64 条 国 税 庁 ホームページ 質 疑 応 答 事 例 消 費 税 農 協 を 通 じて 出 荷 する 農 産 物 の 譲 渡 の 時 期 法 人 税 基 本 通 達 2-1-3( 委 託 販 売 による 収 益 の 帰 属 の 時 期 ) 法 人 税 基 本 通 達 2-1-5( 請 負 による 収 益 の 帰 属 の 時 期 ) 法 人 税 基 本 通 達 2-1-42( 法 令 に 基 づき 交 付 を 受 ける 給 付 金 等 の 帰 属 の 時 期 ) Ⅱ 損 益 計 算 書 上 の 表 示 1. 生 物 売 却 収 入 畜 産 農 業 においては 固 定 資 産 である 生 物 についても 畜 産 物 として 販 売 目 的 に 切 り 替 え られて 棚 卸 資 産 である 家 畜 と 同 様 営 業 目 的 で 売 却 されるものであるから 営 業 収 益 ( 売 上 高 )の 区 分 に 生 物 売 却 収 入 等 として 表 示 する 2. 作 業 受 託 収 入 農 作 業 の 受 託 も 営 業 目 的 で 行 うものであるから 営 業 収 益 ( 売 上 高 )の 区 分 に 作 業 受 託 収 入 として 表 示 する 3. 価 格 補 填 収 入 売 上 高 は 商 品 の 販 売 などによって 実 現 したものに 限 るが 農 畜 産 物 の 販 売 数 量 に 基 づ き 交 付 される 補 填 金 交 付 金 は 販 売 代 金 そのものではないものの 農 畜 産 物 の 販 売 によ って 実 現 するものであるため 営 業 収 益 ( 売 上 高 )の 区 分 に 価 格 補 填 収 入 として 計 上 する 4. 作 付 助 成 収 入 国 の 所 得 補 償 政 策 等 によって 農 産 物 の 作 付 けを 条 件 として 作 付 面 積 に 基 づいて 交 付 される 助 成 金 交 付 金 は 毎 期 経 常 的 に 交 付 されることが 予 定 されているものであるた め 営 業 外 収 益 の 区 分 に 作 付 助 成 収 入 として 計 上 する 5. 一 般 助 成 収 入 農 業 の 場 合 中 山 間 地 域 等 直 接 支 払 交 付 金 など 作 付 面 積 以 外 の 基 準 に 基 づいて 交 付 さ れる 交 付 金 で 経 常 的 に 交 付 されるものについても 重 要 性 が 高 いため 営 業 外 収 益 の 区 分 に 一 般 助 成 収 入 として 計 上 する 6. 飼 料 補 填 収 入 配 合 飼 料 安 定 基 金 から 補 填 される 補 填 金 は 配 合 飼 料 価 格 の 高 騰 にともない 交 付 される ものであるため 製 造 原 価 報 告 書 において 材 料 費 から 控 除 することを 原 則 とする 具 体 的 には 飼 料 補 填 収 入 として 飼 料 費 の 次 行 において 控 除 形 式 により 表 示 するが 飼 料 費 か ら 直 接 控 除 して 注 記 する 方 法 によることもできる この 場 合 において 生 産 者 負 担 金 は 共 済 掛 金 等 の 勘 定 科 目 によって 製 造 原 価 に 計 上 する ただし 生 産 者 負 担 金 を 原 価 外 で 経 理 した 場 合 には 費 用 収 益 対 応 の 原 則 により 補 填 11
金 も 原 価 から 控 除 しないで 営 業 外 収 益 の 区 分 に 計 上 することになる 第 四 製 造 原 価 報 告 書 Ⅰ 原 価 計 算 の 一 般 的 基 準 1. 一 般 的 基 準 原 価 計 算 制 度 においては 次 の 一 般 的 基 準 にしたがって 原 価 を 計 算 する 財 務 諸 表 の 作 成 に 役 立 つために 原 価 計 算 は 原 価 を 一 定 の 給 付 にかかわらせて 集 計 し 製 品 原 価 及 び 期 間 原 価 を 計 算 する (1) 製 造 原 価 原 価 計 算 は 原 則 としてすべての 製 造 原 価 要 素 を 製 品 に 集 計 し 損 益 計 算 書 上 の 売 上 品 の 製 造 原 価 を 売 上 高 に 対 応 させ 貸 借 対 照 表 上 仕 掛 品 半 製 品 製 品 等 の 製 造 原 価 を 棚 卸 資 産 として 計 上 することを 可 能 にさせる (2) 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 を 計 算 し これを 損 益 計 算 書 上 期 間 原 価 として 当 該 期 間 の 売 上 高 に 対 応 させる 2. 製 品 原 価 と 期 間 原 価 原 価 は 財 務 諸 表 上 収 益 との 対 応 関 係 に 基 づいて 製 品 原 価 と 期 間 原 価 とに 区 別 される 製 品 原 価 とは 一 定 単 位 の 製 品 に 集 計 された 原 価 をいい 期 間 原 価 とは 一 定 期 間 におけ る 発 生 額 を 当 期 の 収 益 に 直 接 対 応 させて 把 握 した 原 価 をいう 製 品 原 価 と 期 間 原 価 との 範 囲 の 区 別 は 相 対 的 であるが 通 常 売 上 品 及 び 棚 卸 資 産 の 価 額 を 構 成 する 全 部 の 製 造 原 価 を 製 品 原 価 とし 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 は これを 期 間 原 価 とする Ⅱ 製 造 原 価 要 素 の 分 類 基 準 1. 形 態 別 分 類 農 業 における 製 造 原 価 要 素 を 形 態 別 分 類 基 準 によって 分 類 する 場 合 材 料 費 労 務 費 及 び 経 費 に 属 する 各 費 目 に 分 類 する (1) 材 料 費 材 料 費 とは 物 品 の 消 費 によって 生 ずる 原 価 をいい 1 生 産 過 程 で 消 費 され 期 末 に 在 庫 の 棚 卸 を 行 うもの 2 純 粋 に 変 動 費 としての 性 格 を 有 するもの を 基 準 として 材 料 費 と して 計 上 する 農 業 会 計 では 原 価 構 造 を 詳 しく 見 るため 耕 種 農 業 及 び 畜 産 農 業 など 農 業 の 種 類 別 におおむね 次 のように 細 分 する 1 耕 種 農 業 種 苗 費 肥 料 費 農 薬 費 諸 材 料 費 なお 施 設 園 芸 の 場 合 にハウスの 暖 房 に 係 る 原 価 の 費 目 として 燃 油 費 を 追 加 する ことができる 2 畜 産 農 業 12
素 畜 費 飼 料 費 敷 料 費 諸 材 料 費 原 価 計 算 基 準 ( 昭 和 37 年 11 月 8 日 企 業 会 計 審 議 会 )では 消 耗 工 具 器 具 備 品 費 を 製 造 経 費 ではなく 材 料 費 に 分 類 しているが 農 業 会 計 では 材 料 費 を 変 動 費 の 性 格 を 持 つも のに 限 定 するため 消 耗 工 具 器 具 備 品 費 を 農 具 費 として 表 示 し 製 造 経 費 に 分 類 する (2) 労 務 費 労 務 費 とは 労 務 用 役 の 消 費 によって 生 ずる 原 価 をいい 農 業 会 計 では おおむね 次 の ように 細 分 する 賃 金 手 当 雑 給 賞 与 法 定 福 利 費 福 利 厚 生 費 作 業 用 衣 料 費 就 業 規 則 等 の 定 めに 基 づく 退 職 金 などの 退 職 給 付 制 度 を 採 用 している 農 業 法 人 において は 退 職 給 付 引 当 金 繰 入 額 を 追 加 する 中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 特 定 退 職 金 共 済 制 度 のように 拠 出 以 後 に 追 加 的 な 負 担 が 生 じない 外 部 拠 出 型 の 制 度 については 当 該 制 度 に 基 づく 要 拠 出 額 である 掛 金 を 福 利 厚 生 費 に 含 めて 処 理 する 作 業 服 等 の 購 入 費 用 について 中 小 企 業 一 般 においては 福 利 厚 生 費 に 含 めて 処 理 するが 農 業 においては 作 業 用 衣 料 費 として 独 立 した 勘 定 科 目 を 用 いるのが 一 般 的 である (3) 製 造 経 費 製 造 経 費 とは 材 料 費 労 務 費 以 外 の 原 価 要 素 をいい 農 業 会 計 では 農 業 の 種 類 に 共 通 して おおむね 次 のように 細 分 する 農 具 費 修 繕 費 動 力 光 熱 費 共 済 掛 金 減 価 償 却 費 地 代 賃 借 料 租 税 公 課 また 耕 種 農 業 及 び 畜 産 農 業 など 農 業 の 種 類 別 に 次 の 費 目 を 追 加 する 1 耕 種 農 業 作 業 委 託 費 支 払 小 作 料 土 地 改 良 費 なお 集 落 営 農 の 場 合 に 畦 畔 の 草 刈 り 水 管 理 肥 培 管 理 作 業 などの 農 作 業 委 託 料 に 係 る 費 用 として 圃 場 管 理 費 を 追 加 する 2 畜 産 農 業 診 療 衛 生 費 預 託 費 ヘルパー 利 用 費 なお 農 産 物 加 工 を 行 う 場 合 には 委 託 加 工 費 及 び 工 場 消 耗 品 費 などを 追 加 する 2. 製 品 仕 掛 品 育 成 仮 勘 定 との 関 連 における 分 類 ( 直 接 費 間 接 費 ) 製 品 及 び 仕 掛 品 育 成 仮 勘 定 ( 以 下 製 品 等 という )との 関 連 における 分 類 とは 製 品 等 に 対 する 原 価 発 生 の 態 様 すなわち 原 価 の 発 生 が 一 定 単 位 の 製 品 の 生 成 に 関 して 直 接 的 に 認 識 されるかどうかの 性 質 上 の 区 別 による 分 類 であり 原 価 要 素 は この 分 類 基 準 に よってこれを 直 接 費 と 間 接 費 とに 分 類 する (1) 直 接 費 直 接 費 は これを 直 接 材 料 費 直 接 労 務 費 及 び 直 接 経 費 に 分 類 し さらに 適 当 に 細 分 す る (2) 間 接 費 間 接 費 は これを 間 接 材 料 費 間 接 労 務 費 及 び 間 接 経 費 に 分 類 し さらに 適 当 に 細 分 す 13
る 必 要 ある 場 合 には 直 接 材 料 費 以 外 の 原 価 要 素 を 総 括 して これを 加 工 費 として 分 類 す ることができる 3. 生 産 規 模 との 関 連 における 分 類 ( 変 動 費 固 定 費 ) 生 産 規 模 との 関 連 における 分 類 とは 生 産 規 模 の 増 減 に 対 する 原 価 発 生 の 態 様 による 分 類 であり 原 価 要 素 は この 分 類 基 準 によってこれを 固 定 費 と 変 動 費 とに 分 類 する 生 産 規 模 とは 耕 種 農 業 においては 作 付 面 積 畜 産 農 業 においては 飼 養 頭 羽 数 などをいう 固 定 費 とは 生 産 規 模 の 増 減 にかかわらず 変 化 しない 原 価 要 素 をいい 変 動 費 とは 生 産 規 模 の 増 減 に 応 じて 比 例 的 に 増 減 する 原 価 要 素 をいう ある 範 囲 内 の 生 産 規 模 の 変 化 では 固 定 的 であり これをこえると 急 増 し 再 び 固 定 化 す る 原 価 要 素 たとえば 農 業 機 械 の 減 価 償 却 費 などを 準 固 定 費 と 名 付 ける また 作 付 け 前 の 状 態 などで 生 産 規 模 が 零 の 段 階 でも 一 定 額 が 発 生 し 同 時 に 生 産 規 模 の 増 加 に 応 じて 比 例 的 に 増 加 する 原 価 要 素 たとえば 動 力 光 熱 費 のうちの 電 力 料 などを 準 変 動 費 と 名 付 ける 準 固 定 費 又 は 準 変 動 費 は 固 定 費 又 は 変 動 費 とみなして これをそのいずれかに 帰 属 さ せるか もしくは 固 定 費 と 変 動 費 とが 合 成 されたものであると 解 し これを 固 定 費 の 部 分 と 変 動 費 の 部 分 とに 分 類 する なお 農 業 では 限 界 利 益 の 算 出 において 売 上 高 の 代 わりに 変 動 益 の 概 念 を 用 い ることに 留 意 する 変 動 益 とは 生 産 規 模 の 増 減 に 応 じて 比 例 的 に 増 減 する 収 益 をいい 変 動 益 には 営 業 収 益 に 属 する 項 目 のほか 作 付 助 成 収 入 が 含 まれる 関 連 項 目 原 価 計 算 基 準 八 Ⅲ 原 価 の 費 目 別 計 算 原 価 の 費 目 別 計 算 とは 一 定 期 間 における 原 価 要 素 を 費 目 別 に 分 類 測 定 する 手 続 をいい 財 務 会 計 における 費 用 計 算 であると 同 時 に 原 価 計 算 における 第 一 次 の 計 算 段 階 である 1. 材 料 費 計 算 出 入 記 録 を 行 なう 材 料 に 関 する 原 価 は 各 種 の 材 料 につき 原 価 計 算 期 間 における 実 際 の 消 費 量 に その 消 費 価 格 を 乗 じて 計 算 する 材 料 の 実 際 の 消 費 量 は 原 則 として 継 続 記 録 法 によって 計 算 する ただし 材 料 であって その 消 費 量 を 継 続 記 録 法 によって 計 算 する ことが 困 難 なもの 又 はその 必 要 のないものについては 棚 卸 計 算 法 を 適 用 することができ る 材 料 の 消 費 価 格 は 原 則 として 購 入 原 価 をもって 計 算 する 2. 労 務 費 計 算 作 業 時 間 又 は 作 業 量 の 測 定 を 行 なう 労 務 費 は 実 際 の 作 業 時 間 又 は 作 業 量 に 賃 率 を 乗 じ て 計 算 する 賃 率 は 実 際 の 個 別 賃 率 又 は 職 場 もしくは 作 業 区 分 ごとの 平 均 賃 率 による 3. 経 費 計 算 経 費 は 原 則 として 当 該 原 価 計 算 期 間 の 実 際 の 発 生 額 をもって 計 算 する 14
Ⅳ 原 価 の 部 門 別 計 算 原 価 の 部 門 別 計 算 とは 費 目 別 計 算 において 把 握 された 原 価 要 素 を 原 価 部 門 別 に 分 類 集 計 する 手 続 をいい 原 価 計 算 における 第 二 次 の 計 算 段 階 である 1. 原 価 部 門 の 設 定 原 価 部 門 とは 原 価 の 発 生 を 機 能 別 責 任 区 分 別 に 管 理 するとともに 製 品 原 価 の 計 算 を 正 確 にするために 原 価 要 素 を 分 類 集 計 する 計 算 組 織 上 の 区 分 をいう 一 般 に 耕 種 農 業 においては 作 目 ごとに 畜 産 農 業 においては 成 畜 育 成 畜 販 売 畜 ( 必 要 に 応 じて 哺 育 畜 )などの 飼 育 目 的 に 応 じた 種 類 ごとに 原 価 部 門 を 設 定 する 2. 部 門 個 別 費 と 部 門 共 通 費 原 価 要 素 は これを 原 価 部 門 に 分 類 集 計 するに 当 たり 当 該 部 門 において 発 生 したこと が 直 接 的 に 認 識 されるかどうかによって 部 門 個 別 費 と 部 門 共 通 費 とに 分 類 する 1 部 門 個 別 費 特 定 の 部 門 で 消 費 したと 認 識 できる 原 価 要 素 を 部 門 個 別 費 という 部 門 個 別 費 は 原 価 部 門 における 発 生 額 を 直 接 に 当 該 部 門 に 賦 課 する 農 業 会 計 では 作 目 ごとに 部 門 を 設 定 して 作 目 ごとに 部 門 個 別 費 を 賦 課 する 材 料 費 に 属 する 費 用 ( 種 苗 費 素 畜 費 肥 料 費 飼 料 費 農 薬 費 敷 料 費 燃 油 費 諸 材 料 費 )は 原 則 として 部 門 個 別 費 として 取 り 扱 う 2 部 門 共 通 費 特 定 の 部 門 で 発 生 したことが 認 識 できない 原 価 を 部 門 共 通 費 という 部 門 共 通 費 は 原 価 要 素 別 に 又 はその 性 質 に 基 づいて 分 類 された 原 価 要 素 群 別 にもしくは 一 括 して 適 当 な 配 賦 基 準 によって 関 係 各 部 門 に 配 賦 する 財 務 会 計 において 共 通 部 門 を 設 定 して 会 計 処 理 を 行 い 部 門 共 通 費 を 集 計 する さらに 部 門 別 原 価 計 算 において 部 門 共 通 費 を 各 原 価 部 門 に 配 賦 する 農 業 会 計 では 配 賦 基 準 として 作 付 面 積 稼 動 時 間 の 割 合 な ど 合 理 的 な 基 準 を 用 いる 関 連 項 目 原 価 計 算 基 準 一 五 Ⅴ 原 価 の 製 品 別 計 算 原 価 の 製 品 別 計 算 とは 原 価 要 素 を 一 定 の 製 品 単 位 に 集 計 し 単 位 製 品 の 製 造 原 価 を 算 定 する 手 続 をいい 原 価 計 算 における 第 三 次 の 計 算 段 階 である 畜 産 物 については 未 販 売 動 物 すなわち 期 末 に 肥 育 している 家 畜 の 期 末 仕 掛 品 棚 卸 高 を 計 算 する 必 要 がある 1. 直 接 費 と 間 接 費 原 価 の 発 生 が 一 定 単 位 の 製 品 の 生 成 に 関 して 直 接 的 に 認 識 されるかどうかの 性 質 上 の 区 別 による 分 類 によって 直 接 費 と 間 接 費 とに 分 類 する (1) 直 接 費 畜 産 農 業 における 畜 産 物 の 原 価 計 算 において 子 畜 購 入 代 や 種 付 料 ( 不 受 胎 の 場 合 を 15
除 く )などの 素 畜 費 は 家 畜 1 頭 ごとに 直 接 的 に 賦 課 することができる このような 原 価 要 素 を 直 接 費 という なお 不 受 胎 となった 場 合 の 種 付 料 は 製 品 原 価 に 算 入 せず これを 期 間 原 価 とすることができる (2) 間 接 費 畜 産 物 の 原 価 計 算 において たとえば 飼 料 費 は 1 回 の 取 引 によって 発 生 した 費 用 が 特 定 の 家 畜 に 対 応 するわけでなく 個 別 に 直 接 賦 課 することができない このような 原 価 要 素 を 間 接 費 という 農 業 会 計 の 実 務 では 部 門 を 設 定 して 会 計 処 理 を 行 い 個 別 部 門 ごとに 部 門 間 接 費 を 費 目 別 に 集 計 する さらに 製 品 別 原 価 計 算 において 部 門 間 接 費 を 一 定 の 配 賦 基 準 で 個 別 の 製 品 又 は 仕 掛 品 に 配 賦 する たとえば 畜 産 物 の 原 価 計 算 においては 延 べ 飼 育 日 数 を 計 算 して 1 日 当 たりの 飼 料 費 など 間 接 費 を 計 算 し 個 別 原 価 計 算 の 対 象 となる 家 畜 の 飼 育 日 数 にこの 1 日 当 たりの 間 接 費 を 乗 じて 個 別 の 家 畜 に 配 賦 する 関 連 項 目 原 価 計 算 基 準 一 九 16