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容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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表紙

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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大 阪 福 岡 鹿 児 島 前 頁 からの 続 き 35

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Ⅰ 平成14年度の状況


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32 農事組合法人法人用パンフ_24.2一部改正)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

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別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業

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(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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現 地 調 査 では 火 口 周 辺 の 地 形 や 噴 気 等 の 状 況 に 変 化 は 見 られませんでした また 赤 外 熱 映 像 装 置 5) による 観 測 では 2015 年 3 月 頃 から5 月 29 日 の 噴 火 前 に 温 度 上 昇 が 認 められていた 新 岳 火 口

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市況トレンド

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

Ⅱ 大 豆 1 播 種 前 ほ 場 の 対 策 播 種 前 ほ 場 は 排 水 溝 を 設 置 し できるだけ 早 い 時 期 に 播 種 できるように す 2 播 種 後 出 芽 前 の 冠 水 による 発 芽 障 害 への 対 策 (1) 冠 水 時 間 と 発 芽 率 の 低 下 播 種 直

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入札公告 機動装備センター

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Ⅰ.キャベツ 1.キャベツの 有 機 栽 培 を 成 功 させるポイント 2.キャベツの 生 理 生 態 的 特 性 1) 原 産 地 と 気 候 的 土 壌 的 特 性 2) 生 理 生 態 的 特 性 3. 作 型 品 種 の 選 択 1) 作 付 時 期 の 設 定 2) 品 種 の 選 択 4. 播 種 育 苗 1)セル 成 形 育 苗 の 方 法 と 留 意 点 2) 地 床 育 苗 の 方 法 と 留 意 点 5. 土 づくりと 施 肥 対 策 1) 肥 培 管 理 の 留 意 点 2) 圃 場 の 選 定 3) 土 づくり 4) 有 機 質 肥 料 の 施 用 5) 整 地 畝 作 り 6. 定 植 1) 栽 植 密 度 2) 定 植 とその 後 の 管 理 7. 中 間 管 理 8. 病 害 虫 対 策 1) 主 要 な 病 害 とその 対 策 2) 主 要 な 害 虫 とその 対 策 9. 収 穫. 栽 培 事 例 引 用 文 献

1.キャベツの 有 機 栽 培 を 成 功 させる ポイント キャベツは 環 境 適 応 性 が 高 く 野 菜 類 の 中 では 根 群 の 発 達 も 旺 盛 で かつ 吸 肥 力 も 強 いので 比 較 的 有 機 栽 培 が 容 易 な 作 物 である 地 域 ごとに 作 型 の 分 化 が 進 んでいるので 作 型 に 適 した 品 種 を 選 択 し 春 から 秋 の 比 較 的 高 温 な 時 期 の 栽 培 で は 虫 害 の 回 避 を 秋 から 春 の 比 較 的 冷 涼 な 時 期 の 栽 培 では 低 温 期 の 肥 効 を 高 めるため 圃 場 の 土 づくりを 進 め 適 時 に 追 肥 を 行 うことが 重 要 であ る 有 機 栽 培 の 問 題 点 を 踏 まえた 栽 培 上 の 技 術 的 留 意 点 は 以 下 の 通 りである () 収 穫 時 期 を 慣 行 栽 培 より 遅 らせる 有 機 栽 培 のキャベツの 生 育 は 慣 行 栽 培 に 比 べて 外 葉 は 概 して 小 さい また 葉 数 の 増 加 が 遅 く 結 球 開 始 期 はやや 遅 くなる 傾 向 があるので 収 穫 適 期 は 慣 行 栽 培 より7~ 日 程 度 遅 れる した がって 収 穫 時 期 は 品 種 特 性 としての 生 育 日 数 に とらわれずに 結 球 の 締 まり 具 合 を 見 て 収 穫 するよ うに 留 意 する () 肥 沃 で 排 水 性 保 水 力 がある 圃 場 を 選 定 する 有 機 栽 培 では 慣 行 栽 培 に 比 べて 地 力 窒 素 に 依 存 する 割 合 が 大 きいので 土 づくりの 進 んだ 肥 沃 な 圃 場 を 選 定 する 必 要 がある また 生 育 に 適 す る ph は 5.5~6.5 であるので ph5.5 以 下 の 圃 場 で は 石 灰 質 資 材 の 施 用 が 必 要 である また キャベツは 土 壌 水 分 の 要 求 量 が 高 いので 乾 燥 が 続 くと 生 育 が 遅 れるだけでなく 生 理 障 害 の 発 生 や 害 虫 の 被 害 を 受 けやすく 結 球 も 不 完 全 で 小 球 になる 一 方 キャベツは 過 湿 に 弱 く 水 田 転 換 畑 や 低 平 地 などの 圃 場 では 湿 害 を 受 けやす いので 留 意 する () 健 苗 の 育 成 に 向 けた 工 夫 をする キャベツは 移 植 栽 培 を 基 本 としており 苗 質 が 生 育 の 良 否 と 収 量 に 大 きく 影 響 するので 健 苗 の 育 成 を 心 がける 産 地 では 地 床 育 苗 が 広 く 行 われ てきたが 近 年 では 育 苗 管 理 が 容 易 なことから セ ル 成 形 育 苗 の 利 用 が 進 んでいる セル 成 形 苗 は 培 地 量 が 少 なく 有 機 培 土 では 市 販 培 土 に 比 べ て 育 苗 期 間 が 長 くなると 養 分 不 足 になりやすい 傾 向 があるので 注 意 を 要 する 苗 の 生 育 が 悪 く 育 苗 期 間 が 長 くなる 場 合 は ~9 径 ポットに 鉢 上 げをすると 苗 質 を 改 善 できる なお 必 要 苗 数 は 慣 行 栽 培 より2 割 程 度 多 く 育 苗 して 苗 の 揃 い 性 を 高 める 必 要 がある () 低 温 期 は 肥 効 の 発 現 に 留 意 し 高 温 期 は 害 虫 対 策 を 徹 底 する キャベツは 葉 菜 類 の 中 では 在 圃 日 数 が 長 いの で 栽 培 期 間 のいずれかの 時 期 が 低 温 や 高 温 に 遭 遇 する 低 温 期 は 地 力 窒 素 の 発 現 が 少 ない 上 に 有 機 質 肥 料 の 肥 効 が 緩 慢 である したがっ て 有 機 質 肥 料 は 定 植 の2 週 間 から1カ 月 程 度 早 めに 施 用 して 土 壌 とよく 混 和 し 無 機 化 を 進 めて おく ポリマルチ 等 を 利 用 して 地 温 を 高 めると 無 機 化 が 進 み かつ 肥 料 養 分 の 流 亡 を 抑 えて 低 温 期 の 肥 効 が 高 まる 高 温 期 はアオムシ ヨトウムシ コナガなどによる 食 害 で 商 品 性 を 著 しく 損 ないやすいので 捕 食 性 の 天 敵 が 多 い 圃 場 環 境 を 作 るほか 定 植 直 後 の 早 い 時 期 から 防 虫 ネットによるトンネル 被 覆 を 行 い 産 卵 を 防 ぐと 防 除 効 果 が 高 い また 有 機 JAS で 許 容 された 農 薬 を 利 用 して 害 虫 密 度 を 低 下 させる ことも 必 要 である () 作 型 の 特 徴 に 合 わせた 栽 培 管 理 に 留 意 する 暖 地 温 暖 地 では3 月 上 中 旬 から 冷 涼 地 では 2 月 ~5 月 頃 にかけて 播 種 定 植 を 行 い 暖 地 で は5~7 月 に 冷 涼 地 では6~8 月 頃 に 収 穫 を 行 う 本 作 型 は 生 育 前 半 は 低 温 に 生 育 後 半 は 高 温 に 経 過 する 本 作 型 では ポリマルチを 使 用 して 初 期 生 育 を

図 Ⅰ- キャベツの 仲 間 とそのルーツ( 農 畜 産 業 推 進 機 構 より) 確 保 し 防 虫 ネットは 定 植 直 後 からトンネルがけし ておく ただし ポリマルチを 使 用 すると 適 切 な 追 肥 の 方 法 がないので 高 温 期 に 向 かい 肥 効 が 発 現 する 肥 沃 な 圃 場 でないと 結 球 に 問 題 が 生 ずる ので 注 意 を 要 する 定 植 期 の 最 低 気 温 が 10 を 下 まわる 早 春 まき は 不 時 抽 台 の 危 険 が 大 きいので 地 域 に 応 じた 作 期 を 厳 守 するとともに 晩 抽 性 の 品 種 を 選 択 する また 収 穫 期 の 平 均 気 温 が 27 を 越 える 晩 春 まき では 黒 腐 病 や 軟 腐 病 などが 増 加 するので 耐 病 性 耐 暑 性 の 高 い 品 種 を 選 択 する 6 月 上 旬 から8 月 下 旬 にかけて 播 種 定 植 を 行 う 本 作 型 は 高 冷 地 冷 涼 地 から 温 暖 地 暖 地 へと 出 荷 時 期 が 移 動 し 冷 涼 地 帶 では9 月 から 12 月 に かけて 温 暖 地 帶 では9 月 から 翌 年 4 月 にかけて 収 穫 する 本 作 型 は 播 種 期 が 高 温 なので 育 苗 は 寒 冷 紗 などを 利 用 して 遮 熱 と 害 虫 防 除 を 徹 底 する 定 植 後 は 適 温 期 に 入 るが 害 虫 の 多 い 時 期 でもあるの で 定 植 直 後 から 結 球 開 始 頃 まで 防 虫 ネットをトン ネルがけしておく 夏 まき 冬 どり 栽 培 は 冬 期 が 比 較 的 温 暖 な 海 岸 地 域 に 限 定 される 冬 期 温 暖 な 暖 地 温 暖 地 で 行 われている9 月 中 旬 から11 月 にかけて 播 種 定 植 して 翌 春 に 収 穫 す る 作 型 である この 作 型 は 生 育 中 期 以 降 が 低 温 期 に 遭 遇 し とう 立 ちが 起 こりやすいので 晩 抽 性 品 種 を 用 い 早 まきを 避 けて 小 苗 ( 播 種 後 の 気 温 7 以 上 の 積 算 気 温 で750)で 越 冬 させる 必 要 がある 低 温 期 の 栽 培 なので 害 虫 の 発 生 は 少 なく 土 づくりの 進 んだ 肥 沃 な 圃 場 を 選 び ポリマルチを 使 用 すれば 有 機 栽 培 が 比 較 的 容 易 な 作 型 である 2.キャベツの 生 理 生 態 的 特 性 1) 原 産 地 と 気 候 的 土 壌 的 特 性 キャベツはアブラナ 科 の1 2 年 性 植 物 で ヨー ロッパに 広 く 自 生 する 不 結 球 性 の 野 生 種 ( 原 始 型 ケール)が 起 源 とされる この 原 始 型 ケールから 葉 が 多 肉 化 し 中 心 葉 が 結 球 したものがキャベツに 結 球 しないものが 後 に 葉 牡 丹 に 腋 芽 の 葉 が 個 々 に 結 球 したものが 芽 キャベツに 分 化 した また 茎 が 肥 大 塊 茎 化 したものがコールラビに 花 茎 が 肥 大 化 したものが 中 国 で 芥 藍 菜 (カイランサイ)に 花 蕾 が 肥 厚 化 したものがブロッコリーに 分 化 し カ リフラワーは 原 始 型 ケールからの 変 異 種 とされてい る 現 在 見 られる 結 球 キャベツの 栽 培 は 13 世 紀 頃 にイタリアで 始 まり 日 本 には 観 賞 用 として1700 年 初 頭 に 渡 来 した 食 用 としては18 世 紀 にアメリカで 改 良 が 進 んだ 品 種 が 明 治 6~7 年 頃 に 導 入 され た キャベツの 生 育 適 温 は15~20 で 5~28 の 範 囲 でほぼ 支 障 なく 生 育 が 進 行 するが 結 球 開 始 期 以 降 はこの 幅 が 小 さくなる 比 較 的 冷 涼 な 気 候

図 Ⅰ-2 キャベツの 形 態 的 変 化 が 適 しており 夏 期 は 冷 涼 な 群 馬 県 長 野 県 北 海 道 など 高 冷 地 冷 涼 地 で 冬 期 は 温 暖 な 愛 知 県 千 葉 県 神 奈 川 県 などの 太 平 洋 岸 で 栽 培 が 盛 んである 土 壌 適 応 性 は ヨーロッパ 原 産 の 性 質 から 過 度 の 酸 性 土 壌 は 適 さないが ph5.5 以 上 あれば 生 育 に 問 題 はない 吸 肥 力 が 強 く 塩 基 類 特 に 石 灰 苦 土 の 要 求 度 は 比 較 的 高 い 石 灰 欠 乏 では 生 長 点 付 近 の 葉 に 縁 枯 れ 症 状 や 心 腐 れが 発 生 す る なお 石 灰 吸 収 に 拮 抗 作 用 を 持 つアンモニア 態 窒 素 やカリが 過 剰 な 土 壌 でも 石 灰 欠 乏 症 状 が 現 れることがある 健 全 な 生 育 には 土 壌 水 分 が 大 きく 影 響 し 保 水 力 の 高 い 土 壌 が 望 ましい 反 面 過 湿 に 弱 く 水 田 裏 作 等 で 度 々 湛 水 するような 圃 場 は 適 さない 2) 生 理 生 態 的 特 性 () 発 芽 の 生 理 キャベツの 種 子 は 嫌 光 性 で 発 芽 適 温 は 20~ 25 であるが 10 ~35 の 範 囲 で 発 芽 は 可 能 である 発 芽 時 の 酸 素 要 求 量 は 大 きく 過 湿 状 態 では 発 芽 率 が 著 しく 低 下 する また 発 芽 に 要 す る 呼 吸 酵 素 の 活 性 が 低 下 するため 種 子 の 発 芽 能 力 は 自 然 条 件 下 では2~3 年 とされている () 栄 養 発 育 段 階 の 生 理 キャベツは 発 芽 から 結 球 開 始 までの 日 数 が 中 生 種 で 約 70~90 日 である この 間 に 本 葉 は18~ 20 枚 形 成 されるが 本 葉 15 枚 頃 から 葉 が 一 層 大 き く 生 長 するようになる なお 晩 生 種 ほど 最 大 葉 長 に 達 する 期 間 が 長 くなる 葉 幅 のある 葉 面 積 の 大 きな 葉 の 形 成 には 平 均 気 温 15 程 度 夜 温 10 ~15 が 適 当 で 夜 温 が 高 いと 葉 の 縦 生 長 が 促 進 されて 細 長 い 葉 になる 光 合 成 能 は 低 く 光 飽 和 点 は4 万 ルクス 程 度 で ある 弱 日 照 や 短 日 長 の 場 合 には 葉 が 細 長 くな るだけでなく 葉 の 分 化 発 育 が 抑 えられて 葉 が 小 さくなる キャベツの 根 群 は 概 ね 直 径 100cm 深 さ50cm の 範 囲 に 分 布 するが 活 性 の 高 い 根 群 は7~ 10cmのごく 浅 層 に 集 中 する 根 量 は 育 苗 や 移 植 によって 高 くなるが 結 球 開 始 以 降 の 根 の 切 断 は 生 長 遅 延 球 肥 大 の 低 下 の 原 因 になる () 結 球 開 始 期 の 生 理 キャベツは 品 種 に 関 係 なく 本 葉 18~20 枚 に 達 すると 結 球 を 開 始 する 品 種 の 早 晩 性 は 以 下 に よって 生 じる o 結 球 開 始 時 に 葉 重 が 大 きく 結 球 の 総 葉 数 が 少 ない( 早 生 ) 品 種 o 結 球 葉 が 肥 大 せずに 葉 数 が 増 加 することで 結 球 が 充 実 する( 中 晩 生 ) 品 種 o 外 葉 1 枚 の 重 量 が 大 きい 品 種 ほど 充 実 に 時 間 がかかり 結 球 態 勢 が 遅 れる( 晩 生 化 ) キャベツの 結 球 葉 は 受 光 できないので 結 球 開 始 以 降 の 肥 大 は 外 葉 に 依 存 することになる そ のため 結 球 開 始 前 に 充 実 した 外 葉 を 形 成 してお くことが 重 要 になる () 球 形 が 乱 れる 原 因 キャベツの 結 球 は 以 下 のようなときに 球 形 が 乱

れたり 緩 球 になる 秋 まき 栽 培 では 大 苗 で 越 冬 することによっ て 春 まき 栽 培 では 温 床 育 苗 で 大 苗 にした 後 に 最 低 10 以 下 で 定 植 することによって 花 芽 分 化 し 球 内 抽 台 して 結 球 が 乱 れる 秋 まき 栽 培 などで 大 苗 を 早 植 えしす ぎ 乾 燥 などで 生 長 が 抑 制 されたときに 発 生 し やすい 夏 秋 どりの 作 型 で 結 球 が 過 度 に 充 実 し 結 球 外 葉 が 裂 けることによって 発 生 する 取 り 遅 れなどの 場 合 に 発 生 しやすい 石 灰 やホウ 素 などの 欠 乏 によって 結 球 が 不 完 全 になる 場 合 がある 表 Ⅰ- キャベツの 作 型 と 呼 称 地 帯 区 分 基 本 作 型 は 種 期 ( 月 旬 ) 収 穫 期 ( 月 ) 作 型 呼 称 備 考 寒 地 春 ま き 上 ~ 下 ~ 早 春 まき 下 ~ 上 ~ 春 まき 上 ~ 上 ~ 晩 春 まき 上 ~ 上 ~ 晩 春 まき 夏 ま き 7 上 ~ 7 中 ~ 夏 まき 寒 冷 地 春 ま き 上 ~ 下 ~ 早 春 まき 下 ~ 上 ~ 春 まき 上 ~ 上 ~ 晩 春 まき 上 ~ 上 ~ 晩 春 まき 夏 ま き 上 ~ 上 ~ 初 夏 まき 上 ~ 下 ~ 翌 夏 まき 下 ~ 上 翌 ~ 晩 夏 まき 秋 ま き 下 ~ 下 翌 ~ 初 秋 まき 上 ~ 中 翌 ~ 秋 まき ハウス 育 苗 トンネ ルもある ハウス 育 苗 トンネ ルもある 温 暖 地 春 ま き 上 ~ 上 ~ 早 春 まき トンネルもある 上 ~ 上 ~ 春 まき 上 ~ 上 ~ 晩 春 まき 夏 ま き 上 ~ 上 ~ 初 夏 まき 上 ~ 下 ~ 夏 まき ( 秋 どり) 秋 ま き 中 ~ 上 翌 ~ 秋 まき ( 春 どり) 暖 地 夏 ま き 上 ~ 上 ~ 初 夏 まき 下 ~ 中 ~ 翌 夏 まき ( 冬 どり) 上 ~ 下 翌 ~ 晩 夏 まき ( 春 どり) 秋 ま き 上 ~ 下 翌 ~ 晩 秋 まき ( 夏 どり) 下 ~ 下 翌 ~ 晩 秋 まき 冬 ま き ~ 冬 まき トンネルもある 亜 熱 帯 夏 ま き 中 ~ 上 ~ 翌 晩 夏 まき 秋 ま き 下 ~ 中 翌 ~ 初 秋 まき 注 1: 温 暖 地 以 外 は 作 型 呼 称 の 前 に 地 帯 区 分 を 付 けて 地 まき 栽 培 と 呼 ぶことがある 2: 野 菜 試 験 場 研 究 資 料 第 号 を 参 考 に 改 変

() 花 芽 分 化 と 抽 台 キャベツは 緑 植 物 春 化 型 (グリーンプランツ バーナリー) 植 物 で 株 が 一 定 の 大 きさに 育 った 後 多 くの 場 合 10 以 下 の 低 温 に1カ 月 以 上 遭 遇 することで 花 芽 が 形 成 され やがて 不 時 抽 台 (とう 立 ち)し 品 質 低 下 につながる 低 温 感 応 性 は 品 種 によって 大 きく 異 なるほか 同 一 品 種 では 大 苗 の 方 が 感 応 しやすい キャベツ 品 種 の 持 つこの 性 質 は 栽 培 作 型 と 品 種 を 選 択 する 上 で 極 めて 重 要 な ことなので 十 分 に 理 解 しておく 必 要 がある 3. 作 型 品 種 の 選 択 1) 作 付 時 期 の 設 定 キャベツの 作 型 は 表 Ⅰ-1 のようになっている が 標 高 の 高 い 地 域 などは 一 般 的 な 気 候 区 分 か らはずずれる 場 合 もあるので 地 域 の 慣 行 栽 培 に 準 じて 作 付 時 期 を 設 定 する 2) 品 種 の 選 択 キャベツは 作 型 ごとに 適 合 する 品 種 の 分 化 が 進 んでいるので 地 域 の 慣 行 栽 培 を 参 考 に 栽 培 する 作 型 に 合 った 品 種 を 選 ぶ 有 機 栽 培 では 病 害 に 対 する 防 除 薬 剤 がほと んどないので 萎 黄 病 抵 抗 性 があり 一 般 病 害 に も 耐 病 性 を 有 する 品 種 を 選 ぶ 黒 腐 病 菌 核 病 軟 腐 病 株 腐 病 など 品 種 によって 耐 病 性 が 異 なる ので 栽 培 時 期 に 応 じて 問 題 となる 病 害 を 確 認 し て 選 択 する また 石 灰 欠 乏 症 や 裂 球 チャボ 玉 などの 発 生 が 少 ない 品 種 を 選 定 する 高 温 期 に 向 かう 作 型 であり 梅 雨 期 の 過 湿 と 夏 期 の 高 温 に 強 い 品 種 を 選 ぶ 早 春 まきでは 晩 抽 性 で 低 温 肥 大 性 のよい 早 生 系 品 種 を 晩 春 まきで は 耐 暑 性 の 強 い 品 種 を 選 択 する 北 海 道 :アーリーボール 藍 春 ゴールド 金 系 青 春 など 茨 城 県 : 藍 宝 錦 秋 など 群 馬 県 ( 嬬 恋 地 域 ): あおば 涼 嶺 など 長 野 県 : しぶき 号 など 九 州 地 方 : 秋 徳 藍 宝 多 恵 など 秋 の 生 育 適 温 期 に 向 かう 作 型 であるが 育 苗 期 から 生 育 初 期 が 高 温 なので 耐 暑 性 のある 品 種 を 選 ぶ 北 海 道 : 金 系 など 東 北 : 青 春 秋 徳 など 関 東 : 藍 宝 錦 秋 など 長 野 : しぶき 号 若 峰 など 関 西 :しぶき しぶき 号 など 九 州 : 錦 秋 秋 徳 多 恵 など 耐 寒 性 腐 敗 病 (いわゆる 冬 の 腐 敗 )の 発 生 結 球 の 低 温 肥 大 性 裂 球 アントシアンの 発 生 を 考 慮 して 低 温 感 応 しにくい 金 系 秋 まき 極 早 生 渡 辺 成 功 など 春 系 品 種 を 用 いる ただし 春 系 品 種 には 寒 玉 系 との 中 間 的 な 品 種 で 晩 抽 性 に 欠 け るものもあるので 種 苗 会 社 等 によく 確 認 する 銚 子 地 域 ( 千 葉 県 ) 1~2 月 収 穫 : 春 系 号 金 春 など 三 浦 地 域 ( 神 奈 川 県 ) 1~3 月 収 穫 : 金 春 など 東 三 河 地 域 ( 愛 知 県 ) 1~2 月 収 穫 :さちかぜ2 号 みやびな 3 月 収 穫 :うずしお( 寒 玉 系 ) 如 春 ( 春 系 )など 4. 播 種 育 苗 キャベツ 栽 培 の 育 苗 方 法 は セル 成 形 育 苗 と 地 床 育 苗 が 一 般 的 で 有 機 栽 培 でも 同 様 な 方 法 で よい 育 苗 によって 低 温 や 乾 燥 害 病 害 虫 に 弱 い 幼 苗 期 を 集 中 管 理 できるほか 移 植 作 業 によって 2 次 根 3 次 根 の 発 生 を 旺 盛 にすることができる 1)セル 成 形 育 苗 の 方 法 と 留 意 点 ()セル 成 形 育 苗 の 概 要 セル 成 型 苗 は 苗 鉢 が 小 さいので 多 湿 過 乾 燥 にならないように 注 意 し また 根 巻 きの 発 達 過 剰 にならないように 育 苗 日 数 は 春 まきで30~35 日 程 度 夏 まきで20~25 日 程 度 とする 子 葉 が 脱 落 ( 老 化 )したり 徒 長 していない 健 苗 の 育 成 に 努 め

る 育 苗 は 換 気 が 可 能 で 潅 水 設 備 のあるハウスで 行 う ハウス 周 囲 は 防 虫 ネットで 囲 って 害 虫 の 侵 入 を 防 ぐ 一 般 には 穴 トレイを 用 いるが 早 春 まきでや や 大 苗 とする 場 合 には 穴 トレイを 用 いる 夏 まき 栽 培 では 根 鉢 が 高 温 になるので 白 色 のトレイか 発 泡 スチロールトレイを 利 用 するのが 望 ましい () 播 種 播 種 は コート 種 子 の 場 合 は1 穴 に1 粒 ずつ 播 く 裸 種 子 の 場 合 は3~4 粒 播 き 双 葉 が 出 揃 った 頃 に 先 の 尖 った 摘 果 バサミ 等 で 間 引 く 播 種 後 低 温 期 は 加 温 保 温 を 行 い 前 後 を 保 ち 斉 一 に 発 芽 させる また 夏 の 高 温 期 は 夕 方 涼 しくなってから 播 種 し 出 芽 まで 涼 しい 場 所 に 置 く 播 種 後 は 新 聞 紙 等 をかけて 培 地 が 乾 かないよ うにし 原 則 として 出 芽 まで 潅 水 をしない また 出 芽 が 揃 ったら 早 めに 新 聞 紙 を 取 り 除 き 徒 長 さ せないように 注 意 する () 育 苗 中 の 管 理 育 苗 中 の 温 度 管 理 は 以 下 の 通 りである 本 葉 2 葉 期 頃 までは ~ の 範 囲 で 育 苗 する 2 葉 期 以 降 は 徐 々に 外 気 に 馴 らす( 順 化 ) *キャベツ 苗 は 低 温 に 弱 いため 0 を 下 回 ら ないように 注 意 する 風 通 しを 良 くし 必 要 に 応 じて 遮 光 資 材 を 使 用 する * 遮 光 した 苗 は 軟 弱 に 育 ちやすくなる 換 気 を 良 くして 夜 温 を 下 げる 定 植 1 週 間 前 には 遮 光 資 材 を 外 し 日 照 に 馴 らす キャベツは 根 が 傷 んだり 養 分 が 切 れるとロウ 質 が 増 えて 青 白 っぽくなるか 葉 が 黄 緑 色 になり 子 葉 本 葉 が 順 次 脱 落 する 肥 切 れ 症 状 が 見 られる 場 合 は 予 定 を 早 めて 圃 場 に 定 植 するか 圃 場 の 準 備 が 整 わない 場 合 は 直 径 6~9cm のポリ 鉢 に 鉢 上 げ( 仮 植 )する 等 の 対 策 が 必 要 である () 病 害 虫 防 除 育 苗 中 は 育 苗 施 設 内 の 通 気 潅 水 温 度 に 注 意 して 健 全 な 生 育 を 心 がける 病 害 では 黒 腐 病 べと 病 苗 立 枯 病 は 過 湿 状 態 で 発 生 が 増 加 する 特 に 苗 立 枯 病 は 高 温 期 に 発 生 が 多 いので いずれも 換 気 を 図 る また 黒 腐 病 は 苗 床 から 発 病 して 問 題 になっている 汚 染 種 子 による 苗 が 一 次 感 染 源 となり 育 苗 中 から 主 に 降 雨 によって 蔓 延 するので 無 病 種 子 を 使 用 し 育 苗 床 は 必 ず 雨 よけとする 害 虫 では アブラムシ コナガ モンシロチョウな どは 施 設 を 防 虫 ネット(~ 目 )で 囲 っ て 侵 入 を 阻 止 することが 重 要 ある その 際 出 入 口 も 含 めて きちんと 目 張 りする 目 合 いが 細 かす ぎると トンネル 内 が 高 温 過 湿 になりやすく また 軟 弱 徒 長 した 苗 となるので 適 度 な 目 合 いを 選 択 する 写 真 Ⅰ- 地 床 育 苗 風 景 (S 氏 事 例 ) 2) 地 床 育 苗 の 方 法 と 留 意 点 () 地 床 育 苗 の 概 要 地 床 育 苗 は 圃 場 に 育 苗 床 を 設 け 直 接 播 種 す る 育 苗 方 法 で 群 馬 県 嬬 恋 村 の 夏 秋 どり 栽 培 神 奈 川 県 三 浦 半 島 の 秋 まき 冬 どり 栽 培 などでよく 用

いられている 地 床 育 苗 の 定 植 適 期 の 苗 は 一 般 に 苗 丈 前 後 本 葉 4~5 枚 茎 径 3~4 で 硬 く 締 まった 苗 とされている なお 三 浦 半 島 ( 夏 まき 年 内 どり 春 どり)や 愛 知 県 千 葉 県 ( 夏 まき 年 内 どり)では 本 葉 5~6 葉 を 定 植 適 期 としている 地 床 育 苗 は 特 別 な 施 設 や 資 材 を 必 要 としない ので 低 コストであるが 育 苗 可 能 な 時 期 は 限 られ ており また 圃 場 規 模 での 病 害 虫 対 策 が 必 要 とな る 適 する 地 域 は 慣 行 栽 培 でも 普 及 しているの で 導 入 に 際 しては 地 域 慣 行 に 従 えばよい な お 育 苗 圃 場 には 根 こぶ 病 や 黒 腐 病 萎 ちょう 病 等 の 発 病 圃 場 の 残 渣 や 泥 を 持 ち 込 まないように 注 意 しなくてはならない () 播 種 床 とする 圃 場 の 選 定 地 床 育 苗 に 必 要 な 苗 床 は 一 般 に 作 付 面 積 10a 当 たり 約 30 m2であるが 有 機 栽 培 では 揃 いの 良 い 健 苗 を 得 るために2 割 程 度 広 く 用 意 する 育 苗 圃 場 はアブラナ 科 作 物 の 連 作 になってい ないことが 条 件 であり 特 に 根 こぶ 病 や 萎 黄 病 な どが 発 生 したことがある 圃 場 は 播 種 床 に 適 さない 圃 場 の 選 定 に 当 たっては 排 水 保 水 性 が 良 好 な 土 づくりの 進 んだ 圃 場 を 選 ぶ 前 作 に ムギやスイートコーンなどのイネ 科 作 物 や エンバク ライ 麦 などのイネ 科 緑 肥 などが 作 付 けられていることが 望 ましい () 育 苗 圃 場 の 準 備 育 苗 圃 場 は 播 種 の 30 日 以 上 前 に 発 酵 油 かす や 発 酵 鶏 糞 などの 分 解 が 容 易 な 有 機 質 肥 料 を 約 200g/m2 程 度 鋤 込 み 畝 幅 120cm 高 さ 10cm 程 度 の 畝 を 立 てた 後 太 陽 熱 処 理 を 行 う 育 苗 床 は 黒 腐 病 等 病 害 対 策 として 雨 よけハウ ス 内 に 設 けるようにしたい ハウス 周 囲 に 防 虫 ネッ トを 張 ることにより 害 虫 対 策 にも 有 効 である () 播 種 種 子 は 本 畑 10a 当 たり80~100mlを 用 意 する 播 種 機 またはシードテープで 条 間 10cm 株 間 3~ 4cm 深 さ10~15mmに 条 播 する 播 種 後 は 乾 燥 防 止 のために 軽 く 鎮 圧 し その 後 はタフベルや 寒 冷 紗 を 直 がけし その 上 から 十 分 に 潅 水 しておく 直 がけした 被 覆 資 材 は 発 芽 が 揃 ったら 撤 去 す るが 低 温 期 は 有 孔 ポリ 等 の 保 温 資 材 で 高 温 期 は 害 虫 の 飛 来 が 多 いので 防 虫 ネット 等 でトンネル がけを 行 う 低 温 期 は 発 芽 直 後 から 本 葉 出 葉 期 は 凍 霜 害 を 受 けやすいので 保 温 管 理 に 注 意 する () 中 間 管 理 と 採 苗 本 葉 1~2 枚 までは 土 壌 が 乾 燥 しないように 適 宜 潅 水 を 行 う 潅 水 による 土 壌 の 跳 ね 上 りは 黒 腐 病 の 発 生 要 因 になるので 刈 り 草 や 刻 んだ 麦 稈 な どで 土 壌 を 被 覆 するなどの 対 策 を 行 う 本 葉 2 葉 期 以 降 は 潅 水 を 控 える 採 苗 の7~ 日 前 頃 に 条 間 の 土 に 鎌 等 で 切 れ 目 を 入 れて 根 を 切 る これらによって 根 群 の 発 達 と 発 根 を 促 す 移 植 前 日 に 苗 床 に 潅 水 して 土 を 湿 らせておく 採 苗 は 曇 天 の 日 中 がよく 苗 に 水 分 のあがってい る 早 朝 や 降 雨 時 は 避 ける 5. 土 づくりと 施 肥 対 策 1) 肥 培 管 理 の 留 意 点 キャベツはハクサイやレタスに 比 べて 養 分 要 求 が 高 い 作 物 であり 生 育 収 量 は 窒 素 の 供 給 量 が 大 きく 影 響 する キャベツの 窒 素 吸 収 は 外 葉 の 発 育 が 盛 んになる 頃 から 急 激 に 増 加 し 最 終 的 に は 収 穫 物 1t/a 当 たり4~kg/a( 収 量 5t/aと して~kg/a)を 吸 収 する したがって キャ ベツの 有 機 栽 培 では この 量 を 土 壌 由 来 の 地 力 窒 素 と 施 用 有 機 物 由 来 の 窒 素 で 賄 う 必 要 がある 地 力 窒 素 は 堆 肥 を 連 用 するほど 高 くなるが そ の 発 現 量 は 高 温 期 に 向 かって 増 加 し 低 温 期 に は 少 なくなる このため 春 まき 栽 培 ではキャベツの 吸 肥 パターンに 沿 うかたちになるが 夏 まき 栽 培 で は 生 育 期 後 半 ほど 低 下 し 秋 まき 栽 培 では 生 育 期 前 半 に 低 く 結 球 開 始 以 降 に 増 大 してくる このこ とを 前 提 として 有 機 質 肥 料 を 効 果 的 に 使 うことが

キャベツの 有 機 栽 培 での 肥 培 管 理 のポイントにな る 低 温 期 には 施 用 した 有 機 質 肥 料 の 分 解 も 進 ま ないので 単 純 に 施 用 量 を 増 やすだけでなく 有 機 質 肥 料 を 予 め 微 生 物 で 発 酵 分 解 させたボカシ 肥 料 を 施 用 するなどの 工 夫 が 必 要 である 2) 圃 場 の 選 定 圃 場 の 選 定 に 当 たっては 長 期 にわたって 堆 肥 が 施 用 された 肥 沃 な 圃 場 が 望 ましく また 圃 場 の 排 水 性 に 留 意 する 必 要 がある キャベツは 過 湿 に 弱 く 地 形 的 に 多 雨 で 冠 水 しやすい 圃 場 は 避 ける か 予 め 明 渠 や 暗 渠 などの 排 水 施 設 を 設 置 してお く 必 要 がある 水 田 転 換 畑 等 では 心 土 破 砕 を 行 い 耕 盤 を 除 去 しておく 圃 場 の 排 水 が 改 善 されると キャベツの 生 育 だけでなく 施 用 した 有 機 物 の 分 解 も 速 くなり 肥 効 が 高 くなる また キャベツ 類 やハクサイ コカブ 等 のアブラ ナ 科 野 菜 が 連 作 になっている 圃 場 は 極 力 回 避 し 特 に 根 こぶ 病 や 萎 ちょう 病 黒 腐 病 の 常 発 圃 場 は 避 ける 必 要 がある 3) 土 づくり 堆 肥 の 肥 効 は 連 用 年 数 によって 異 なり 長 期 に 連 用 するほど 地 力 として 発 現 する そのため 堆 肥 の 施 用 量 は 有 機 栽 培 に 転 換 当 初 は 年 間 で3~5 t/10aと 多 めにし 土 の 状 態 を 見 ながら 年 間 2~3 t/10a 程 度 に 減 らしていく 堆 肥 の 施 用 量 はキャベ ツの 前 後 作 も 含 めた 年 間 の 合 計 量 でよく 施 用 に 際 しては 土 壌 とよく 混 和 する また キャベツは 収 穫 物 が5t/10aの 場 合 には カリ25kg/10a 石 灰 25kg/10a 程 度 を 必 要 とする こ うしたことから カキやホタテ 等 の 貝 殻 を 粉 砕 処 理 した 石 灰 質 資 材 を1 作 当 たり150~200kg/10a 程 度 を 施 用 するとよい なお キャベツの 生 育 には ph5.5~6.5のやや 酸 性 の 土 壌 が 適 している 4) 有 機 質 肥 料 の 施 用 有 機 質 肥 料 は 化 学 肥 料 と 異 なり 肥 効 が 現 れる までに 数 週 間 を 要 するので この 期 間 を 計 算 して 施 用 時 期 を 決 定 する 必 要 がある キャベツの 栽 培 では 植 え 付 け 前 に 作 土 全 層 へすき 込 むことが 一 般 的 である 各 作 型 における 有 機 質 肥 料 の 施 肥 例 は 以 下 の 通 りである 春 まき 栽 培 では 定 植 直 後 から30~40 日 の 間 に テンポよく 外 葉 を 形 成 させる 必 要 があり 定 植 直 後 から 土 壌 中 の 無 機 態 窒 素 を 利 用 できるような 施 肥 が 必 要 である 有 機 質 肥 料 は 定 植 の30 日 以 上 前 に 全 層 によく 混 和 し ポリマルチをかけて 無 機 化 を 進 める 施 用 量 は 菜 種 油 かすか 魚 かすで150kg/10a 程 度 を 基 準 として 地 力 が 低 い 場 合 や 定 植 後 の 外 気 温 が 低 い 場 合 は 多 目 に 施 用 する < 農 家 等 事 例 > 長 野 県 の 有 機 栽 培 農 家 A 氏 は 堆 肥 1~ 1.5t/10aを 前 年 秋 に 施 用 し 有 機 質 肥 料 は 定 植 直 前 に 鋤 込 んでいる 千 葉 県 の 有 機 栽 培 農 B 氏 C 氏 は 定 植 数 日 前 に 漁 かす120~140kg/10aと 堆 肥 1~2t/10aを 鋤 込 んでいる 3 春 まき 栽 培 における 局 所 施 用 の 例 化 学 肥 料 による 局 所 施 用 は 畝 内 溝 施 用 が 一 般 的 であるが 有 機 質 肥 料 では 根 焼 けを 誘 発 する 危 険 が 大 きい また 春 まき 栽 培 の 有 機 施 肥 は 施 肥 時 期 が 限 られていて 全 層 施 用 しても 肥 効 の 発 現 が 遅 くなることがあるため 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センターは 有 機 質 肥 料 を 畝 面 に 浅 く 行 う 方 法 ( 局 所 施 用 )を 開 発 した 図 Ⅰ-3 は 春 まき 初 夏 どりキャベツについて 定 植 直 後 に 畝 面 の 浅 層 (1~2cm)に 施 用 する 有 機 質 肥 料 ( 嫌 気 ボカシ)の 量 を 段 階 的 に 変 えて 栽 培 した 結 果 である 畝 面 への 施 用 であっても 施 用 量 の 増 加 につれてキャベツの 結 球 重 は 段 階 的 に 増 加 し 500g/m2( 畝 面 の 面 積 比 を50%とすると 250kg/10a 相 当 ) 以 上 では 無 施 用 に 対 して 有 意 に 増 加 した

結 球 重 ボカシ 施 用 量 (m2) 図 Ⅰ- 浅 層 への 有 機 質 肥 料 の 施 用 量 が キャベツの 結 球 重 に 及 ぼす 影 響 資 料 : 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 年 ) 栽 培 条 件 : 長 野 県 松 本 市 標 高 695m 品 種 SE 播 種 4/5 定 植 5/11 収 穫 8/5 定 植 後 ボカシを 地 表 面 に 散 布 表 層 1cm に 混 和 夏 まき 栽 培 は 地 力 窒 素 の 発 現 が 大 きい 時 期 に 定 植 するので 元 肥 としての 有 機 質 肥 料 は80~ 100kg/10aと 少 な 目 にし 定 植 2 週 間 以 上 前 までに 全 層 に 鋤 込 み 太 陽 熱 処 理 を 行 っておく 生 育 後 半 は 気 温 が 低 下 してくるので 結 球 開 始 の10 日 前 に 追 肥 として 有 機 質 肥 料 100~150kg/10aを 畝 肩 に 浅 く 施 用 する < 農 家 事 例 > > 1 千 葉 県 のD 氏 は 定 植 30 日 ~40 日 前 に 魚 かす 資 材 120~140kg/10aとともに 馬 フン 堆 肥 2t/10a を 鋤 込 んでいる 2 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 農 業 試 験 場 ( 長 野 県 松 本 市 )では 定 植 1 週 間 前 にボカシ ( 菜 種 油 かす40kg 魚 かす30kg 米 ぬか25kgを 発 酵 させて 製 造 )100kg/10aを 浅 層 5cmに 施 用 し 定 植 10 日 後 にさらにボカシ( 同 )80kg/10aを 追 肥 している 秋 まき 栽 培 は 年 内 はじっくりと 育 て 気 温 が 上 がり 始 める2 月 以 降 の 生 育 を 高 めるように 育 てる 定 植 期 はまだ 地 力 窒 素 が 高 いので 元 肥 施 用 量 は 有 機 質 肥 料 で80~100kg/10aと 少 な なめにし 目 必 ず 堆 肥 を2~3t/10aを 併 用 する 写 真 Ⅰ- アントシアンの 発 生 したキャベツ 写 真 Ⅰ-3 3 アントシアンの 発 生 していない していない キャベツ キャベツ 追 肥 は 冬 どりでは 定 植 30 日 後 に1 回 春 どりで は30 日 後 と60 日 後 頃 の2 回 で 発 酵 鶏 糞 かボカシ を100kg/10a 程 度 畝 肩 に 浅 く 施 用 する 低 温 期 の 本 作 型 では 有 機 質 肥 料 の 効 きが 悪 く 土 づくりの 進 んだ 圃 場 でないとアントシアンの 発 生 が 多 くな る < 農 家 事 例 > > 愛 知 県 のE 氏 は 定 植 30 日 ~40 日 前 に 米 ぬか 150kg/10a 油 かす140kg/10a 魚 かす70kg/10aを 草 質 堆 肥 2t/10aとともに 鋤 込 み 定 植 30 日 後 に 追 図 Ⅰ- Ⅰ- 春 キャベツの 窒 素 吸 収 量 () () の 推 移 ( 岡 本 ) ) 注 : 品 種 : 金 系 月 1 日 播 種 月 日 定 植 月 日 収 穫 ( 定 植 日 後 )

肥 として 米 ぬか65kg/10a 油 かす25kg/10a 魚 か す12kg/10aを 中 耕 除 草 に 合 わせて 施 用 している が やや 不 足 気 味 と 感 じている 5) 整 地 畝 作 り 堆 肥 や 有 機 質 肥 料 など 有 機 物 の 施 用 後 はトラク ター 等 で 整 地 し 畝 立 てを 行 う 圃 場 が 水 田 転 換 畑 の 場 合 や 大 型 機 械 による 耕 盤 があるときは 有 機 物 施 用 前 に 深 耕 や 心 土 破 砕 を 行 って 耕 盤 を 除 去 しておく 有 機 栽 培 では 畝 立 て 栽 培 を 行 うのがよく 夏 ま き 栽 培 では 太 陽 熱 処 理 が 雑 草 対 策 に 春 まき 栽 培 秋 播 栽 培 ではポリマルチが 生 育 促 進 と 雑 草 抑 制 に 有 効 である ポリマルチの 裾 は 土 中 に 埋 め ず マルチ 押 さえ 等 で 留 めておくと 追 肥 作 業 が 容 易 になる 畝 立 ての 方 法 は 慣 行 栽 培 に 準 じる 露 地 を1とした 指 数 マルチ 露 地 平 成 年 宇 都 宮 平 成 年 松 本 図 Ⅰ- 結 球 重 からみた 有 機 栽 培 キャベツに おけるポリマルチの 効 果 注 : 両 地 区 の 栽 培 条 件 1) 栽 培 場 所 栃 木 県 宇 都 宮 市 長 野 県 松 本 市 2) 標 高 150m 695m 3) 品 種 YR23 SE 4) 播 種 3/11 4/14 5) 定 植 4/17 5/14 6) 収 穫 6/28~7/20 7/17~8/9 資 料 :( 財 ) 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター1992 年 5) 1998 年 6. 定 植 1) 栽 植 密 度 キャベツは 栽 植 間 隔 が 狭 いと 結 球 重 が 小 さくな り 広 いと 大 きく 育 つ 肥 沃 な 圃 場 や 養 分 が 十 分 な 場 合 は 密 植 でも1.2~1.5kgの 結 球 重 となり 疎 植 にすると 結 球 重 が 大 きくなり 過 ぎる 土 づくりが 不 十 分 な 場 合 に 密 植 にすると 小 球 や 緩 球 が 多 くなる ので 慣 行 栽 培 より 栽 植 株 数 を10% 程 度 減 らすと よい 一 般 的 な 栽 植 密 度 を 以 下 に 示 すので これを 参 考 に 植 付 け 本 数 を 決 定 する o 夏 秋 どり( 標 準 ): 畝 幅 ~ 2 条 株 間 ~( 早 い 作 期 は 株 遅 い 作 期 は 株 ) o 夏 まき 年 内 どり: 畝 幅 条 又 は 2 条 株 間 ( 株 ) o 冬 どり 栽 培 : 畝 幅 株 間 ~(~ 株 ) o 春 どり 栽 培 ( 三 浦 半 島 ): 畝 幅 1 条 株 間 ( 株 ) 三 浦 半 島 ではマルチを 使 用 しない 2) 定 植 とその 後 の 管 理 定 植 作 業 は 曇 天 の 風 の 弱 い 時 間 帯 (10 時 から 15 時 頃 )が 最 も 適 しており 強 い 風 が 吹 く 日 や 春 先 の 遅 い 時 間 帯 盛 夏 の 日 中 は 避 ける セル 成 形 苗 は 覆 土 が1 程 度 になるようにや や 深 植 えとする 植 付 けが 浅 かったり 覆 土 をせず に 根 鉢 が 露 出 している 場 合 は 根 鉢 の 乾 燥 により 枯 死 株 が 多 くなり 結 球 の 倒 伏 程 度 が 増 し 結 球 重 が 小 さくなる 地 床 苗 は 予 め 植 え 穴 を 掘 って 潅 水 し 穴 の 水 が 浸 み 込 んだ 頃 に 定 植 して 周 囲 の 土 を 寄 せて 軽 く 鎮 圧 する 定 植 後 は 早 めに 防 虫 ネットをトンネル 掛 けする 特 に 晩 春 まき 栽 培 から 夏 まき 栽 培 では 定 植 期 の 気 温 が 高 く 害 虫 の 活 動 が 盛 んなので 抱 き 畝 で は1 畝 植 え 終 わるごとに 単 条 畝 では 弓 の 大 きさに 合 わせて 数 畝 植 えるごとに 防 虫 ネットをかける 必 要

がある 防 虫 ネットは 裾 までしっかり 押 さえなくては ならない 定 植 の 翌 朝 には 圃 場 を 巡 廻 し 地 際 で 切 れて いたり 食 害 を 受 けている 苗 は 速 やかに 補 植 を 行 う この 際 被 害 株 の 周 りの 土 を 指 で 掘 り ネキリム シがいれば 駆 除 する またトンネル 掛 けした 防 虫 ネット 内 に 蝶 や 蛾 がいれば トンネル 外 に 出 すか 捕 殺 する 移 植 後 の 数 日 間 は 乾 燥 に 気 をつけ 午 前 中 に 萎 れるようなら 必 要 に 応 じて 潅 水 を 行 う 特 にセ ル 成 型 苗 は 根 鉢 が 小 さく 乾 燥 しやすいので 注 意 が 必 要 である 活 着 すれば 原 則 として 潅 水 を 行 う 必 要 はない が 長 く 乾 燥 が 続 き 生 育 に 支 障 がでることが 予 測 さ れる 時 は まず 畝 間 に 潅 水 し 畝 に 水 がまわった 後 にスプリンクラー 等 で 散 水 する 散 水 は 暑 い 日 中 を 避 け 夕 方 の 気 温 が 下 がってきた 頃 に 行 う 7. 中 間 管 理 苗 の 活 着 以 降 の 必 要 な 管 理 は 作 型 によって 異 なる 特 にポリマルチ 栽 培 では 必 要 な 作 業 は 少 な い 本 作 型 ではトンネル 内 の 病 害 虫 に 特 に 注 意 し 発 生 が 見 られる 場 合 はすみやかに 捕 殺 または 有 機 JAS 許 容 資 材 ( 巻 末 有 機 農 業 で 使 用 可 能 な 資 材 等 参 照 以 下 同 じ )で 対 策 を 行 う 本 作 型 では 春 まき 栽 培 と 同 様 の 病 害 虫 対 策 の ほか 太 陽 熱 処 理 がうまく 行 えなかったり ポリマ ルチを 使 用 しない 栽 培 では 雑 草 対 策 が 必 要 にな る 雑 草 は 発 芽 したての 頃 が 最 も 弱 いので 草 かき でこまめに 畝 面 をかけば キャベツが 草 に 負 けるこ とは 少 ない この 場 合 は 中 耕 と 異 なり キャベツの 根 を 傷 めないように 地 表 面 のごく 浅 い 部 位 をかくだ けにして 決 して 耕 すようなことはしない 本 作 型 では 追 肥 が 重 要 な 管 理 になる ポリマル チ 栽 培 では マルチの 裾 を 上 げて 畝 の 肩 に 施 用 する そのためポリマルチの 裾 は 土 中 に 埋 めず マルチ 押 さえなどで 留 めておくとよい 8. 病 害 虫 対 策 キャベツで 問 題 となる 主 要 病 害 は 腐 敗 病 黒 腐 病 軟 腐 病 根 こぶ 病 であり 主 要 害 虫 はダイコ ンアブラムシなどのアブラムシ 類 コナガ モンシロ チョウ カブラヤガなどの 蝶 蛾 類 が 挙 げられる ま た その 他 の 害 虫 として 関 東 以 西 ではハイマダラ ノメイガ オオタバコガ シロイチモジヨトウ ハスモ 表 Ⅰ- 冬 どりキャベツの 植 付 け 条 件 と 生 育 収 量 ( 森 山 ら 一 部 略 ) 変 動 要 因 ** 植 付 け 深 さ 根 付 け 角 度 損 傷 程 度 根 鉢 露 出 処 理 浅 植 え 標 準 深 植 え 直 立 22.5 度 傾 斜 26.5 度 傾 斜 損 傷 なし 葉 1 枚 除 去 葉 2 枚 除 去 露 出 なし 25% 露 出 75% 露 出 結 球 重 (g) 915 937 1,081 965 975 994 968 1,012 974 1,045 982 907 枯 死 株 率 (%) 6.2 3.0 2.2 5.2 3.8 2.4 2.9 3.2 5.3 倒 伏 程 度 * 2.7 2.2 2.0 2.3 2.3 2.3 2.3 2.3 2.4 a 当 たり 収 量 (kg) 注 : 倒 伏 程 度 は 結 球 の 傾 きを1: 直 立 ~5: 90 度 傾 斜 浅 植 えは 根 鉢 上 面 がうね 面 より 1cm 高 い 標 準 は 根 鉢 上 面 とうね 面 が 同 じ 高 さ 深 植 えは 根 鉢 上 面 がう ね 面 より 1cm 低 い 3.8 2.7 8.0 2.1 2.4 2.5 365 386 444 387 396 412 389 414 393 438 403 354

ンヨトウ イラクサギンウワバなどが 高 冷 地 ではヨト ウガ タマナギンウワバなどが 問 題 となる 1) 主 要 な 病 害 とその 対 策 () 腐 敗 病 秋 まきで 越 冬 し 春 先 にかけて 結 球 する 作 型 で 発 生 が 多 い 耐 寒 性 の 強 い 品 種 は 耐 病 性 を 有 し ているので 作 型 に 合 わせて 品 種 を 選 ぶ 必 要 があ る 春 系 キャベツは 耐 寒 性 耐 病 性 ともに 弱 いの で 常 発 地 では 作 付 けを 避 ける 有 機 JAS 許 容 農 薬 による 防 除 は 無 機 銅 剤 によ る 殺 菌 剤 での 防 除 が 可 能 である () 黒 腐 病 春 季 秋 季 に 発 生 が 多 く 特 に 台 風 等 で 葉 が 傷 付 くと 多 発 する 抵 抗 性 品 種 があるので 常 発 地 ではできるだけ 抵 抗 性 品 種 を 栽 培 する 輪 作 を 行 う 場 合 はアブラナ 科 作 物 の 作 付 けを 2 年 以 上 控 え る 罹 病 種 子 が 一 次 伝 染 源 となり 苗 床 から 発 病 する 事 例 が 多 いので 健 全 種 子 の 利 用 と 苗 床 は 雨 よけ 施 設 を 利 用 して 降 雨 を 避 けるようにする 黒 腐 病 の 抵 抗 性 が 強 の 品 種 は 松 波 いろど り デリシャスが やや 強 の 品 種 としては YR 藍 宝 YR 錦 秋 秋 まさり 冬 王 彩 ひかり YR あおばが 挙 げられる 有 機 JAS 許 容 農 薬 による 防 除 は 無 機 銅 剤 によ る 殺 菌 剤 での 防 除 が 可 能 である 写 真 Ⅰ-4 黒 腐 病 ( 提 供 :HP 埼 玉 の 農 作 物 病 害 虫 写 真 集 ) () 軟 腐 病 平 均 気 温 が 27 を 越 えるような 高 温 が 続 くと 発 生 が 増 加 するので 初 夏 から 初 秋 に 結 球 する 作 型 に 発 生 が 多 い 耐 暑 性 の 強 い 品 種 は 抵 抗 性 を 持 つので 品 種 の 選 択 を 慎 重 に 行 う 病 原 菌 は 残 渣 や 泥 水 滴 で 伝 播 するので 発 病 株 は 早 めに 除 去 しておく 有 機 JAS 許 容 農 薬 による 防 除 は バイオキー パー 水 和 剤 エコメイトを 発 病 前 から 散 布 すること で 防 除 が 可 能 である 写 真 Ⅰ-5 軟 腐 病 ( 提 供 :HP 埼 玉 の 農 作 物 病 害 虫 写 真 集 ) () 根 こぶ 病 病 原 菌 は 連 作 によって 増 加 し 排 水 不 良 の 多 湿 条 件 で 発 生 が 助 長 される 秋 まき(11 月 以 降 の 定 植 )では 発 生 が 少 ない 圃 場 の 排 水 改 善 ph 矯 正 ( 目 標 ph6.5 以 上 )が 有 効 とされるが 過 度 の 酸 性 矯 正 は 逆 に 発 生 を 助 長 する 場 合 がある 多 発 圃 場 ではハクサイやコカブなどとの 連 作 を 避 ける 本 病 の 病 原 菌 は 水 によって 伝 播 するので 田 畑 輪 換 は 抑 制 に 効 果 がない 発 生 が 少 ない 場 合 は 短 期 の 輪 作 や 間 作 の 根 こぶ 病 に 抵 抗 性 のあるダイコンの 栽 培 葉 ダイコン の 栽 培 とその 鋤 込 みを 行 うことで 圃 場 の 菌 密 度 が 低 下 する 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 防 除 は 発 生 が 小 ない 場 合 には 太 陽 熱 消 毒 無 機 銅 剤 による 殺 菌 剤 で 防 除 可 能 である

()バーティシリウム 萎 凋 病 典 型 的 な 土 壌 伝 染 病 で 非 常 に 多 犯 性 である 作 物 によって 病 名 の 呼 び 名 が 異 なる 病 原 菌 は 比 較 的 冷 涼 な 気 候 を 好 み 発 病 適 温 は 20~24 土 壌 湿 度 はやや 低 い 方 を 好 み 湛 水 状 態 に 弱 い センチュウ 発 生 圃 場 では 本 病 の 被 害 が 助 長 さ れる 防 除 法 としては 発 病 適 温 期 の 収 穫 にならない 作 型 で 栽 培 したろ 抵 抗 性 品 種 を 用 いることであ る 地 床 育 苗 よりセル 育 苗 の 方 が 発 生 を 遅 らせる ことができる 2) 主 要 な 害 虫 とその 対 策 ()アオムシ 成 虫 のモンシロチョウは 窒 素 過 多 になったキャ ベツを 好 んで 飛 来 する 傾 向 が 見 られるので 栽 培 時 に 窒 素 過 多 にならないように 注 意 する 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 阻 止 o BT 剤 の 利 用 o アオムシサムライコマユバチ 顆 粒 病 ウイルスや 細 菌 など 天 然 の 天 敵 温 存 ()コナガ 圃 場 に 飛 び 回 っている 細 い 小 さな 蛾 が 成 虫 であ るが 幼 齢 期 は 極 小 なので 見 落 としやすい 食 害 痕 は 特 徴 がある コナガには 数 多 くの 天 敵 ( 寄 生 蜂 クモ 類 等 )がいるため キャベツの 単 一 栽 培 を 写 真 Ⅰ-6 コナガ( 幼 虫 による 被 害 葉 ) 提 供 :HP 埼 玉 の 農 作 物 病 害 虫 写 真 集 避 け バンカープランツ 等 により 天 敵 生 物 を 保 護 することで コナガの 大 発 生 を 防 ぐことができる 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 阻 止 o 性 フェロモンによる 交 信 攪 乱 (ある 程 度 の 面 積 か ないと 経 済 的 ではない 以 下 同 じ ) o BT 剤 の 利 用 ()ヨトウガ(ハスモンヨトウを 含 む) 産 卵 は 卵 塊 で 行 うので 見 つけて 捕 殺 すると 防 除 効 果 が 高 く 見 逃 すと 被 害 は 甚 大 になりやす い 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 産 卵 阻 止 o 捕 殺 ( 老 齢 幼 虫 ) o 性 フェロモンによる 交 信 攪 乱 o BT 剤 の 利 用 ()タマナギンウワバ 幼 虫 は 大 きく 生 長 するので 食 害 されると 被 害 は 大 きくなるが 集 団 発 生 はしにくく 大 きな 問 題 にはなりにくい 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 産 卵 阻 止 o 捕 殺 ( 老 齢 幼 虫 ) o 性 フェロモンによる 交 信 攪 乱 o BT 剤 の 利 用 ()ハイマダラノメイガ( 通 称 シンクイシ) 残 暑 が 厳 しい 時 期 に 発 生 が 多 く 生 長 点 を 食 べ られると 結 球 できないか 分 球 して 商 品 価 値 がなく なる 残 暑 を 避 けて 定 植 することがもっとも 回 避 効 果 が 高 い クレオメ(セイヨウフウチョウソウ)を 圃 場 の 端 に30 株 程 度 6 月 頃 に 植 え 付 け 発 生 程 度 を 調 査 することで 発 生 予 察 が 可 能 になり フェロモ ントラップの 代 用 として 利 用 できる 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである

o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 産 卵 阻 止 o BT 剤 の 利 用 ()アブラムシ 類 アブラムシは 有 翅 虫 が 飛 来 定 着 しやすい 山 ぎ わや 宅 地 付 近 などの 吹 きだまりで 初 期 発 生 しやす いので そのような 場 所 での 作 付 けを 避 けるか 風 通 しを 改 善 する 必 要 がある キャベツ 栽 培 で 問 題 になるアブラムシはダイコンアブラムシで 晩 春 か ら 初 夏 にかけて 多 く 発 生 し 幼 苗 期 に 加 害 されると 生 育 が 著 しく 遅 れ 致 命 的 になる また 収 穫 果 の 内 側 に 集 団 を 作 ると 商 品 価 値 が 低 下 する アブラムシは 黄 色 に 誘 引 され 銀 色 には 忌 避 反 応 を 示 すので 黄 色 粘 着 板 などで 発 生 予 察 を 行 い シルバーマルチ シルバーテープ 等 で 忌 避 さ せることができる また 越 冬 期 にムギ 等 を 植 えて おくと アブラムシとテントウムシ 等 が 住 み 着 き 多 発 を 抑 制 することができる なお アブラムシは 気 門 を 塞 ぐと 窒 息 するので そうした 方 法 がいくつ 注 か 提 案 されている 1 有 機 JAS 許 容 農 薬 等 による 主 な 防 除 方 法 は 以 下 の 通 りである o 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネットによる 飛 来 阻 止 oシルバーポリマルチ シルバーテープの 利 用 o 天 敵 製 剤 の 利 用 ()キスジノミハムシ 成 虫 は 葉 を 幼 虫 は 根 を 食 害 する 食 痕 は 葉 に 小 さな 穴 を 開 ける 程 度 であるが 多 発 すると 作 物 を 枯 死 させることもある 土 壌 中 に 未 熟 な 有 機 物 が 多 く 暑 い 時 期 に 発 生 が 多 いので 耕 起 後 十 分 な 時 間 を 空 けてから 定 植 するようにする また アブ ラナ 科 野 菜 の 連 作 を 避 ける 主 な 防 除 方 法 は 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネット による 侵 入 阻 止 である ()ダイコンサルハムシ 南 関 東 以 西 で 発 生 が 見 られ 発 生 が 多 い 時 に は 下 葉 から 結 球 葉 まで 食 害 される 圃 場 内 外 の 除 草 をこまめに 行 い 成 虫 の 潜 みやすい 草 むらなど の 雑 草 や 枯 れ 草 は 除 去 し 清 潔 にしておく また 株 間 を 広 くして 通 気 をよくすると 発 生 が 少 ない 主 な 防 除 方 法 は 不 織 布 や 寒 冷 紗 防 虫 ネット による 侵 入 阻 止 である 9. 収 穫 収 穫 作 業 は 慣 行 に 準 じて 行 うが 結 球 部 の 締 まり 具 合 を 手 で 押 して 確 認 しながら 選 択 収 穫 を 行 う 出 荷 調 製 に 際 して 蛾 の 幼 虫 が 内 部 まで 食 い 込 んでいることがあるので 切 り 口 側 からも 必 ず 確 認 する 有 機 栽 培 の 収 穫 期 は 概 して 慣 行 栽 培 のそれ より1 週 間 から 日 程 度 遅 れる 傾 向 がある( 図 Ⅰ- 6) 長 野 県 の 寒 冷 地 における 早 春 まき 初 夏 どり ( YR 春 空 定 植 5 月 7 日 )の 例 では 定 植 後 20 日 の 葉 齢 は 変 わらなかったが その16 日 後 には 有 機 栽 培 では 慣 行 栽 培 に 比 べ1 葉 程 度 少 なく 有 機 栽 培 の 収 穫 期 は10 日 程 度 遅 れ 外 葉 重 は 慣 行 栽 培 の70% 程 度 であった しかし 7~10 日 後 には 結 球 重 は 慣 行 栽 培 並 となった このため 収 穫 日 は 定 植 後 の 日 数 ではなく 試 し 切 りで 決 定 するが 収 穫 適 期 を 判 断 する 球 緊 度 は 一 般 に 図 Ⅰ-7のような 目 安 が 提 案 されている ので 参 考 にする 採 り 遅 れになると 裂 球 が 増 えるので 留 意 する 必 要 がある 球 緊 度 =( 結 球 重 g/( 球 径 cm+ 球 高 cm)/2) 1000 球 緊 度 70~90 が 収 穫 適 期 注 1: 本 法 は 農 薬 として 施 すと 農 薬 取 締 法 に 抵 触 する デンプン 糊 を 水 で 溶 いたもの または 牛 乳 に 酢 など 酸 性 のものを 加 えたものを アブラムシに 直 接 噴 霧 する いずれも 糊 化 過 程 で 気 門 を 塞 ぐため 効 果 があるとされている 要 点 は 濃 度 を 濃 くすること 乾 きやすい 時 間 帯 に 散 布 することであるが 葉 裏 の 気 孔 も 塞 がれるため アブラムシが 死 んだら 早 め に 水 をかけて 洗 い 流 す 必 要 がある

葉 長 () 葉 長 外 葉 数 有 機 慣 行 有 機 慣 行 月 日 月 日 月 日 月 日 外 葉 数 ( 枚 ) 株 ) 有 機 慣 行 外 葉 重 図 Ⅰ- 有 機 栽 培 と 慣 行 栽 培 のキャベツ 外 葉 発 育 と 結 球 重 の 相 違 7) 資 料 : 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター2010 年 結 球 重 140 120 球 緊 度 100 80 60 40 20 61 日 後 68 日 後 95 日 後 球 緊 度 の 変 化 慣 行 区 有 機 区 図 Ⅰ-7 有 機 栽 培 と 慣 行 栽 培 のキャベツの 球 緊 度 の 変 化 資 料 : 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター2010 年 長 野 県 松 本 市 標 高 695m 695m 耕 種 概 要 : 播 種 6/297/23 6/29 定 植 7/23 収 穫 調 査 9/22 29 9/2229. 栽 培 事 例 () 平 地 型 初 夏 どりキャベツ 栽 培 土 壌 診 断 に 基 づく 施 肥 設 計 で 大 規 模 経 営 ( 千 葉 県 富 里 市 氏 有 機 栽 培 暦 年 ) ニンジン ダイコン 等 の 根 菜 類 を 主 作 物 として 連 作 を 避 けるためにキャベツ リーフレタス 等 を 作 付 けている 有 機 転 換 当 初 はほとんど 収 穫 できな かったが 5 年 前 から 民 間 指 導 機 関 に 土 壌 分 析 を 依 頼 し 指 導 を 受 け 収 量 が 上 がった 栽 培 面 積 は 10ha で 実 習 生 を 受 け 入 れ 栽 培 管 理 を 行 っている 2000 年 に 有 機 JAS を 取 得 し 現 在 全 耕 地 を 有 機 JAS 認 定 圃 場 としている キャベツの 品 種 は 作 りやすい 寒 玉 系 の YR 藍 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 初 夏 どりキャベツ ニンジン : 土 づくり : 播 種 : 定 植 : 収 穫 期

宝 ( 株 日 本 農 林 社 )を 使 用 している キャベツ 苗 は 購 入 して3 月 中 旬 に 定 植 し 6 月 一 杯 収 穫 を 行 う マルチを 利 用 し 防 虫 ネットをトンネ ルがけしているため 潅 水 や 除 草 等 の 管 理 は 一 切 行 わない 周 辺 慣 行 栽 培 と 比 べ 収 量 は 約 80% 程 度 で 減 収 要 因 は 害 虫 の 侵 入 によるものである 民 間 指 導 機 関 の 指 導 により 資 材 の 種 類 と 投 入 量 を 決 めている 堆 肥 等 の 資 材 を3 月 上 旬 に 施 用 し 耕 起 を 行 う 定 植 直 前 の3 月 中 旬 に 再 度 耕 起 を 行 い マルチャーを 利 用 して 畝 立 て マルチ 張 りを 行 う 畝 は 幅 130cm で4 条 30cm30cm 穴 あき 透 明 ビニールマルチを 使 用 している 資 材 の 種 類 と 施 用 量 の 例 (2010 年 ) 堆 肥 ( 馬 フン) 2t/10a オーガニック 853 120kg/10a ハーモニーシェル 40kg/10a アイアンパワー 20kg/10a 硫 酸 マンガン 10kg/10a ベントナイト 80kg/10a 飛 来 害 虫 対 策 として 定 植 直 後 の 寒 い 時 期 に 防 虫 ネットをトンネルが 掛 けし 収 穫 時 まで 張 って 害 虫 の 侵 入 を 防 いでいる () 暖 地 型 冬 どり 早 春 どりキャベツ 栽 培 - 年 輪 作 で 土 をつくりながらの 作 付 体 系 - ( 神 奈 川 県 横 須 賀 市 S 氏 有 機 栽 培 暦 年 ) 三 浦 半 島 で 冬 どりキャベツ 早 春 どりキャベツの 栽 培 を 中 心 にして 夏 作 にカボチャ メロン 等 の 果 菜 類 との2 年 輪 作 を 行 っている 有 機 栽 培 は18 年 前 から 始 め 14 年 前 に 全 面 積 を 有 機 栽 培 に 切 り 替 えた ただし 圃 場 枚 数 が 多 いので 書 類 作 成 が 大 変 なことと 農 協 で 味 菜 ブランド 扱 いになってお り 有 機 JASのメリットが 無 く 認 定 は 取 得 していな い 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 年 目 太 陽 熱 処 理 冬 どりキャベツ 年 目 冬 どりキャベツ カボチャ メロン 早 春 どりキャベツ 年 目 早 春 どりキャベツ 裸 地 太 陽 熱 処 理 冬 どりキャベツ : 土 づくり : 播 種 : 定 植 : 収 穫 期

栽 培 品 種 は12~1 月 に 収 穫 する 作 型 では 春 春 丸 ( 日 本 アグリス 株 )( 冬 どりキャベツ)を 1 月 ~ 3 月 に 収 穫 する 作 型 では 春 系 305 ( 株 増 田 採 種 場 )( 早 春 どりキャベツ)を 用 い 品 種 の 選 択 は 早 晩 性 のほか 耐 病 性 味 抽 苔 性 も 考 慮 してい る 以 前 は 連 作 を 避 けていたが 有 機 栽 培 で 土 つく りが 進 んできたため 連 作 でも 年 々 生 育 がよくなって いる 栽 培 体 系 は 冬 どりと 早 春 どりのキャベツを 別 々の 圃 場 で 栽 培 する 体 系 のほか 同 一 圃 場 に 両 作 型 を 条 を 変 えて 交 互 に 混 植 する 場 合 もある 混 植 法 は 三 浦 半 島 の 一 般 農 家 でも 見 られる 独 特 の 栽 培 法 で 1 月 2 月 の 北 風 が 強 い 時 期 に 早 春 どりキャベツを 寒 さから 守 るため すでに 大 きくなっ ている 冬 キャベツを 風 除 けとして 利 用 する 方 法 で ある 別 の 圃 場 の 栽 培 体 系 では 冬 どりキャベツを 作 付 け 後 夏 にカボチャ メロン 等 の 果 菜 類 を 作 付 け 秋 から 早 春 どりキャベツを 入 れ 収 穫 後 は 裸 地 にして 圃 場 を 休 ませ 秋 から 再 び 冬 どりキャベツを 作 付 ける2 年 輪 作 体 系 である 2 種 類 の 栽 培 体 系 の 概 要 は 以 下 の 通 りである ⅰ) 育 苗 : 地 床 育 苗 で 播 種 は 播 種 機 またはシーダ テープを 利 用 している 苗 床 の 準 備 は 播 種 の1 カ 月 程 度 前 にEMボカシ200kg/10aを 施 用 して トラクターで 耕 起 する 播 種 直 前 に 管 理 機 で 表 層 (3~5cm)を 耕 起 し 雑 草 防 除 をする 育 苗 期 間 は 約 40 日 間 で 目 標 とする 苗 の 大 きさは 本 葉 3 枚 草 丈 10cm 程 度 である 播 種 時 期 は 冬 どり キャベツで8 月 中 旬 早 春 どりキャベツで9 月 上 旬 定 植 は 冬 どりキャベツで9 月 下 旬 早 春 どり キャベツで10 月 中 旬 である ⅱ) 平 畝 で 定 植 し 栽 植 密 度 は 以 下 のようにしてい る 冬 どりキャベツ : 畝 幅 53cm 株 間 35cm 早 春 どりキャベツ: 畝 幅 50cm 株 間 29cm ⅲ) 管 理 機 に 培 土 板 を 付 けて 中 耕 土 寄 せを 行 い 併 せて 雑 草 対 策 としている 生 育 が 遅 滞 し た 場 合 は 雑 草 が 大 きくなるが これ 以 上 の 除 草 は 行 わない 潅 水 は 冬 どりキャベツのみ 定 植 後 2 回 程 度 潅 水 チューブで 行 っている ⅳ) 収 量 は 周 辺 慣 行 栽 培 より20% 多 く 品 質 に 関 し ては 味 や 日 持 ち 性 に 高 い 評 価 を 得 ている 増 収 の 要 因 は 欠 株 が 少 なく 秀 品 率 が 高 いためであ る プラソイル 耕 によって 耕 盤 を 破 砕 し その 後 EM ボカシ300kg/10aを 施 用 し トラクターにより 通 常 耕 起 を 行 う この 作 業 を8 月 中 旬 に 行 い 冬 どりキャ ベツ 早 春 どりキャベツが 定 植 されるまでの 期 間 を 十 分 取 り 土 となじませている なお 冬 どりキャベ ツを 作 付 ける 圃 場 は 後 作 (カボチャ メロン)のた めに 太 陽 熱 処 理 を 行 っている その 後 定 植 前 に 海 水 25L/10aを10 倍 に 希 釈 して 施 用 する 地 表 面 が 乾 いたら 管 理 機 で 表 層 耕 起 して 除 草 を 行 う 問 題 となる 病 害 はないが 害 虫 ではモンシロチョ ウ コナガ ヨトウガ 等 が 問 題 となっている 特 に 冬 どりキャベツでは 生 育 初 期 が 害 虫 の 多 発 期 に 当 たるので BT 剤 を 使 用 している しかし 害 虫 の 発 生 が 多 い 場 合 は 他 の 資 材 も 利 用 している 引 用 文 献 ) 農 畜 産 業 推 進 機 構 ) 農 林 水 産 省 野 菜 試 験 場 研 究 資 料 第 号 ) 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 年 ) 農 業 技 術 体 系 野 菜 編 キャベツ 基 礎 編 ( 社 ) 農 山 漁 村 文 化 協 会 ) 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 試 験 成 績 書 年 年 ) 農 業 技 術 体 系 野 菜 編 キャベツ 基 礎 編 ( 社 ) 農 山 漁 村 文 化 協 会 ) 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 試 験 成 績 書 年 ) 財 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター 試 験 成 績 書 年

Ⅱ.ハクサイ 1.ハクサイの 有 機 栽 培 を 成 功 させるポイント... 106 2.ハクサイの 生 理 生 態 的 特 性... 107 1) 原 産 地 と 気 候 土 壌 的 特 性... 107 2) 生 理 生 態 的 特 性... 108 3. 作 型 品 種 の 選 択...110 1) 作 付 時 期 の 設 定...110 2) 品 種 の 選 択...110 4. 土 づくりと 施 肥 対 策...111 1) 肥 培 管 理 の 留 意 点...111 2) 圃 場 の 選 定...111 3) 輪 作 と 作 付 体 系...112 4) 堆 肥 と 石 灰 の 施 用...113 5) 有 機 質 肥 料 の 施 用 と 作 型 別 施 肥 例...113 6) 整 地 畝 作 り ポリマルチ...113 5. 移 植 栽 培......114 1)セル 成 形 育 苗 の 方 法 と 注 意 点...114 2) 連 結 ポット 育 苗 の 方 法 と 注 意 点...115 3) 定 植 と 栽 植 密 度...115 6. 直 播 栽 培......116 7. 中 間 管 理......117 8. 病 害 虫 対 策....117 1) 主 要 な 病 害 とその 対 策...117 2) 主 要 な 害 虫 とその 対 策...118 3) 主 な 生 理 障 害 とその 対 策... 120 8. 収 穫...... 120 9. 栽 培 事 例...... 120 引 用 文 献...... 122

1.ハクサイの 有 機 栽 培 を 成 功 させるポイント ハクサイは 冷 涼 な 気 候 が 適 し 耐 暑 性 は 低 い 繊 細 な 細 根 を 深 く 広 く 張 る 性 質 があるので 有 効 土 層 が 深 い 肥 沃 な 圃 場 では 栽 培 が 容 易 である 産 地 形 成 が 進 んでおり 全 国 の 生 産 の7 割 以 上 が 秋 冬 ハクサイで 占 められている ハクサイの 有 機 栽 培 は 作 付 けを 適 期 に 行 い 生 育 旺 盛 な 根 群 を 形 成 させ その 上 で 病 害 虫 の 防 除 を 徹 底 することが 成 功 のポイントとなる 有 機 栽 培 の 問 題 点 を 踏 まえた 栽 培 上 の 技 術 的 留 意 点 は 以 下 の 通 りである ()ハクサイの 生 理 生 態 的 特 性 に 合 わせ た 作 型 を 選 ぶ ハクサイは 冷 涼 な 気 候 を 好 み 外 葉 の 生 育 適 温 は18~22 前 後 であるが 結 球 開 始 以 降 は15~ 18 に 低 下 するので 有 機 栽 培 をしやすい 作 型 は 気 温 下 降 期 に 適 応 している 秋 まき 栽 培 である 結 球 期 の 平 均 気 温 が23 を 越 えると 軟 腐 病 の 発 生 が 急 増 し 生 産 が 著 しく 不 安 定 になるが 有 機 栽 培 では 発 生 した 病 害 を 抑 える 手 段 がないの で 地 域 の 播 種 適 期 を 順 守 し 早 播 きは 避 ける 方 がよい ンサルハムシやハイマダラノメイガなどに 生 育 初 期 から 結 球 期 はアオムシやヨトウムシによる 被 害 が 顕 著 である また アブラムシは 生 育 初 期 に 発 生 すると 生 長 を 阻 害 し 生 育 中 期 以 降 に 発 生 すると 商 品 性 を 著 しく 損 なう 原 因 になる そこで ハクサイの 有 機 栽 培 では 播 種 または 定 植 の 直 後 から 早 めに 害 虫 対 策 を 行 う 必 要 があ る 害 虫 対 策 には 捕 食 性 の 天 敵 が 多 い 圃 場 環 境 を 作 るほか 定 植 直 後 の 早 い 時 期 から 防 虫 ネット によるトンネル 被 覆 を 行 い 産 卵 を 防 ぐと 被 害 が 軽 減 する また 有 機 JASで 許 容 される 農 薬 等 を 利 用 して 害 虫 密 度 を 低 下 させることも 必 要 である () 作 付 規 模 や 作 付 時 期 によって 移 植 栽 培 と 直 播 栽 培 を 使 い 分 ける 移 植 栽 培 は 直 播 栽 培 に 比 べて 収 穫 期 が7~10 日 程 度 遅 くなるが 作 付 け 規 模 の 大 きい 栽 培 で は 幼 苗 期 の 管 理 や 病 害 虫 防 除 が 容 易 で 苗 の 揃 いを 確 保 しやすい 移 植 栽 培 が 適 している 特 に 低 温 期 の 春 まき 栽 培 では 低 温 感 応 による 不 時 抽 台 の 防 止 と 初 期 生 育 確 保 のため 移 植 栽 培 が 実 施 される しかし ハクサイの 根 は 繊 細 で 再 生 力 が 弱 いた め 秋 まきの 有 機 栽 培 では 断 根 の 少 ない 直 播 栽 培 が 実 施 される 場 合 もある () 有 効 土 層 の 深 い 肥 沃 な 圃 場 に 作 付 ける ハクサイは 根 群 域 が 広 く 発 達 するので 作 付 圃 場 は 土 層 の 深 部 まで 通 気 性 がよく 降 雨 時 に 水 が 停 滞 しないことが 重 要 で 有 効 土 層 が 深 いことが 求 められる 水 田 転 換 畑 や 造 成 畑 では 心 土 破 砕 や 深 耕 を 行 い 堆 肥 の 施 用 が 必 要 である また 結 球 開 始 期 以 降 は 短 期 間 ( 約 20~25 日 ) で 結 球 が 完 成 するので その 間 の 生 長 を 支 える 養 水 分 が 保 持 されている 肥 沃 な 圃 場 が 望 ましい () 総 合 的 な 害 虫 防 除 対 策 をとり 商 品 化 率 を 上 げる ハクサイの 低 収 の 最 も 大 きな 要 因 は 虫 害 による 可 販 率 の 低 下 であり 発 芽 から 生 育 初 期 はダイコ () 作 型 の 特 徴 に 合 わせた 栽 培 管 理 に 留 意 する 温 暖 地 では2~4 月 に 冷 涼 地 では3 月 ~4 月 にかけて 播 種 を 行 い 温 暖 地 では5~7 月 に 冷 涼 地 では6~7 月 頃 に 収 穫 を 行 う 本 作 型 は 春 の 生 育 適 温 期 の 栽 培 になる 播 種 期 が 早 いほど 抽 台 の 危 険 性 が 高 くなるので 晩 抽 性 の 極 早 生 品 種 を 用 い ポリマルチとべたが けフィルムを 利 用 して 初 期 生 育 を 確 保 する 播 種 が 遅 いと 結 球 期 が 高 温 になって 軟 腐 病 が 多 発 するの で 播 種 期 は 可 能 な 限 り 早 くし 耐 病 性 のある 品 種 を 選 択 して 防 虫 ネットをトンネル 掛 けしておく

盛 夏 の 気 温 が21を 越 えないような 寒 地 や 標 高 の 高 い 地 域 を 中 心 として5~7 月 に 播 種 を 行 い 8 ~9 月 の 盛 夏 に 収 穫 を 行 う 本 作 型 は 病 害 虫 の 発 生 の 多 い 時 期 に 当 たるので 耐 病 性 の 高 い 品 種 を 用 い 害 虫 防 除 を 徹 底 する 標 高 が 下 がって 夏 期 の 気 温 がこれより 高 い 地 域 では 生 産 が 著 しく 不 安 定 になるので この 時 期 の 有 機 栽 培 は 避 け る 温 暖 地 では8 月 上 中 旬 以 降 寒 冷 地 では7 月 下 旬 から8 月 中 旬 にかけて 播 種 し 寒 冷 地 では 年 内 に 温 暖 地 では 年 内 から 翌 年 にかけて 収 穫 する 本 作 型 は 幼 苗 期 は 高 温 であるがその 後 は 適 温 期 での 栽 培 になるので 有 機 栽 培 がもっとも 容 易 な 作 型 である 生 育 初 期 の 虫 害 秋 の 台 風 被 害 を 回 避 できれば 収 量 は 多 く 品 質 もすぐれたものが 生 産 できる 耐 病 性 の 品 種 を 用 いるとともに 早 まき 過 ぎると ウイルス 病 が 多 発 するので 地 域 の 慣 行 栽 培 を 参 考 に 適 期 播 種 を 行 う なお 温 暖 地 の 遅 出 し 栽 培 ではポリマルチを 使 用 し 耐 寒 性 の 強 い 晩 抽 性 品 種 を 選 んで8 分 結 球 程 度 で 越 冬 させるとよい 2.ハクサイの 生 理 生 態 的 特 性 1) 原 産 地 と 気 候 土 壌 的 特 性 ハクサイの 原 種 はバルト 海 周 辺 からロシア トル コ イランにかけて 自 生 している 野 生 ナバナ (Brassica campestris)と 考 えられ これがチベット コーカサス 地 方 を 経 由 して 中 国 に 伝 わり 華 北 地 方 ではカブに 華 南 地 方 ではチンゲンサイに 分 化 して 栽 培 されていた その 両 種 が 揚 州 辺 りで 交 雑 して 今 日 見 られるハクサイの 原 形 ( 不 結 球 の 牛 肝 菜 )となり その 後 に 結 球 性 品 種 が 生 まれたとされ ている 日 本 には 明 治 初 期 に 山 東 ハクサイ( 愛 知 白 菜 の 祖 )が 伝 来 したが 普 及 せず 日 清 日 露 戦 争 で 大 陸 に 渡 った 人 達 が 結 球 性 の 高 い 大 型 ハクサイ( 仙 台 白 菜 の 祖 )の 種 子 を 持 ち 帰 り 昭 和 初 年 頃 には 今 日 の 基 礎 となる 品 種 群 が 成 立 した( 図 Ⅱ-1) 今 日 日 本 で 栽 培 されているハクサイは 結 球 タイプ( 結 球 ハクサイ) 半 結 球 タイプ( 花 芯 ハクサ イ 関 東 地 方 で 漬 物 用 に 栽 培 ) 非 結 球 タイプ( 山 東 菜 )に 大 別 される 山 東 菜 は 結 球 タイプに 比 べ て 窒 素 要 求 度 が 低 く 比 較 的 やせ 地 でも 栽 培 が 可 能 なので 低 栄 養 型 の 有 機 栽 培 を 行 う 場 合 は 非 結 球 タイプを 選 択 するとよい 以 下 では 特 に 断 らない 限 り 結 球 タイプのハク サイについて 記 す 野 生 ナバナ 蕪 山 東 菜 牛 肝 菜 青 梗 菜 白 菜 図 Ⅱ- ハクサイの 仲 間 とその 分 化 のイメージ

ハクサイの 生 長 適 温 は 外 葉 生 長 期 で18 ~ 22 結 球 期 で15~18 であり 低 温 では 生 育 が 遅 れるが 結 球 の 生 育 は5 程 度 でも 徐 々に 進 行 する 低 温 限 界 は 気 温 が 徐 々に 低 下 する 秋 まき 栽 培 では-7~-8まで 耐 えるが 春 まき 栽 培 では -2~-3でも 低 温 害 が 発 生 する また 日 最 低 気 温 10 以 下 平 均 気 温 15 以 下 の 日 が1カ 月 以 上 続 くと 花 芽 が 形 成 される 耐 暑 性 は 低 く 結 球 開 始 以 降 に 平 均 気 温 が23 を 越 える 日 が 続 くと 生 育 が 停 滞 し 軟 腐 病 の 発 生 が 多 くなる ハクサイの 土 壌 適 応 性 は 広 くpH6.0~6.5の 弱 酸 性 土 壌 を 好 むとされるが phに 対 する 反 応 は 鈍 く 産 地 の 多 くは 酸 性 の 黒 ボク 土 地 帯 に 拡 がって いる 土 性 は 埴 壌 土 が 適 しているとされるが 黒 ボク 土 や 砂 質 土 壌 でも 十 分 生 育 する 石 灰 ホウ 素 に 対 する 要 求 度 は 他 のアブラナ 科 野 菜 に 比 べて 高 い 2) 生 理 生 態 的 特 性 () 発 芽 栄 養 発 育 段 階 の 生 理 ハクサイの 種 子 は 好 光 性 で 発 芽 の 適 温 は18 ~22であり 4~35 の 範 囲 で 発 芽 が 可 能 とさ れている 好 適 条 件 下 での 発 芽 に 要 する 期 間 は3 日 程 度 で 比 較 的 短 い 秋 まきの 露 地 直 播 栽 培 を 例 にすると ハクサイ は 播 種 2~3 日 後 に 発 芽 が 揃 う その 後 は1 日 に1 葉 弱 の 速 度 で 本 葉 を 分 化 して 18 葉 を 越 える 頃 に なると 株 の 中 心 の 葉 ( 心 葉 )が 立 ち 上 がり 始 める これ 以 降 本 葉 の 分 化 が 活 発 になり 分 化 速 度 は 日 に1.5~2 葉 と 倍 増 する その 期 間 は 包 被 ( 円 筒 ) 型 品 種 で 約 20 日 間 抱 合 ( 砲 弾 ) 型 品 種 で 約 30 日 間 とされており その 後 は 葉 の 分 化 速 度 が 低 下 する 結 球 性 野 菜 は 外 葉 で 同 化 した 栄 養 の 貯 蔵 器 官 として 結 球 を 利 用 すると 考 えられることから 結 球 が 始 まる45 日 頃 までに 大 きな 外 葉 を 多 数 形 成 した 草 姿 にもっていくことが 望 ましい () 根 の 発 育 ハクサイの 根 は 繊 細 で 吸 肥 力 は 弱 く 主 根 に 比 べて 細 根 ( 繊 維 根 )の 発 達 が 著 しい 条 件 が 良 ければ 縦 方 向 に 100~120cm( 通 常 は 60~70cm 程 度 ) 伸 長 するが 多 くの 根 は 酸 素 の 多 い 地 表 下 3~25cm に 分 布 する 横 方 向 には 株 を 中 心 に 50 ~60cm に 達 することもある 移 植 栽 培 は 直 播 栽 培 に 比 べて 概 して 根 群 が 浅 くなる 傾 向 がある () 結 球 開 始 期 の 生 理 結 球 期 の 適 温 は 平 均 気 温 15~18 で 4~5 以 下 になると 結 球 の 進 行 は 停 止 する 葉 の 立 ち 上 がりは 葉 裏 のオーキシン 濃 度 が 高 まり 細 胞 分 化 が 葉 の 表 面 より 進 むことによる ただしオーキシ ンの 濃 度 は 結 球 内 葉 へいくほど 減 少 するため 内 側 の 葉 ほど 自 立 しておらず 結 球 最 外 葉 が 壁 に なって 支 えていることになる そのため 結 球 初 期 の 結 球 最 外 葉 の 立 ち 上 がり の 強 弱 が 球 の 肥 大 充 実 を 左 右 することになるの で 播 種 後 45 日 頃 に 根 の 活 性 を 低 下 させる 土 壌 の 過 湿 や 締 まり 窒 素 不 足 を 回 避 することが 重 要 になる( 図 Ⅱ-2) 図 Ⅱ-2 葉 重 型 品 種 と 葉 数 型 品 種 の 葉 重 の 増 え 方 の 違 い( 板 木 ) () 花 芽 分 化 と 抽 台 ハクサイは 種 子 春 化 型 の 植 物 で 種 子 が 吸 水 し た 時 から 生 育 期 間 を 通 じて 低 温 に 感 応 して 花 芽 を 分 化 する その 温 度 や 感 応 日 数 は 品 種 によって 大 きく 異 なるが 実 際 の 栽 培 では 平 均 気 温 が15 ( 最 低 気 温 10 ) 以 下 の 日 が30 日 以 上 続 けば 花 芽 分 化 の 可 能 性 が 大 きくなり 長 日 高 温 条 件 で 抽 台 が 促 進 される

表 Ⅱ- ハクサイの 標 準 作 型 地 帯 区 分 基 本 作 型 播 種 期 ( 月 旬 ) 収 穫 期 月 旬 作 型 呼 称 備 考 寒 地 春 ま き ~ ~ 春 まきトンネル 温 冷 床 育 苗 夏 ま き ~ ~ 夏 まき 秋 ま き 下 ~ 上 ~ 秋 まき ( 早 出 し) 冬 ま き 中 ~ 中 翌 下 ~ 下 冬 まきハウス 寒 冷 地 春 ま き ~ ~ 春 まきトンネル 温 冷 床 育 苗 夏 ま き ~ ~ 夏 まき 秋 ま き 下 ~ 上 ~ 秋 まき ( 早 出 し) 上 ~ 中 ~ 秋 まき 冬 ま き 中 ~ 中 翌 下 ~ 下 冬 まきハウス 温 暖 地 春 ま き ~ ~ 春 まき 早 春 まきもある 夏 ま き ~ ~ 夏 まき 上 ~ 下 ~ 秋 まき ( 早 出 し) 秋 ま き 中 ~ 下 ~ 秋 まき 中 ~ 下 ~ 秋 まき ( 遅 出 し) 囲 いハクサイ 冬 ま き 中 ~ 下 ~ 冬 まき 温 床 育 苗 マルチもある 中 ~ 下 ~ 冬 まきトンネル 暖 地 春 ま き ~ ~ 春 まき 早 春 まきもある 夏 ま き ~ ~ 夏 まき 中 ~ 下 ~ 秋 まき ( 早 出 し) 秋 ま き 下 ~ 上 ~ 秋 まき 中 ~ 中 翌 ~ 秋 まき ( 遅 出 し) 囲 いハクサイ 冬 ま き 上 ~ 下 ~ 冬 まきハウス 注 1: 温 暖 地 以 外 は 作 型 呼 称 の 前 に 地 帯 区 分 を 付 けて 地 まき 栽 培 と 呼 ぶことがある 2: 野 菜 試 験 場 研 究 資 料 第 16 号 を 参 考 に 改 変 高 温 限 界 外 葉 生 長 期 結 球 生 長 期 抽 台 限 界 育 苗 期 間 播 種 定 植 収 穫 期 野 辺 山 水 戸 長 崎 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 図 Ⅱ-3 地 域 の 旬 別 平 均 気 温 と 生 育 適 温 の 関 係 注 : 野 菜 の 種 類 別 作 型 一 覧 及 び 気 象 庁 HP を 参 考 に 作 図 観 測 点 は 野 辺 山 地 域 気 象 観 測 所 : 北 緯 35.569 東 経 138.283 標 高 1350m 水 戸 地 方 気 象 台 : 北 緯 36.228 東 経 140.280 標 高 29m 長 崎 海 洋 気 象 台 : 北 緯 32.440 東 経 129.520 標 高 27m

春 まき 栽 培 は 早 まきによって 不 時 抽 台 の 危 険 が 大 きくなる また 秋 まき 栽 培 では 播 種 が 遅 れると 不 時 抽 台 によって 結 球 が 不 完 全 になりやすい 3. 作 型 品 種 の 選 択 1) 作 付 時 期 の 設 定 ハクサイの 作 型 は 表 Ⅱ-1のようである 標 高 の 高 い 地 域 などでは 一 般 的 な 気 候 区 分 からはずれ る 場 合 もあるので 地 域 の 慣 行 栽 培 に 準 じて 作 付 時 期 を 設 定 する ハクサイは 生 育 適 温 の 幅 が 狭 いので 標 準 的 な 作 付 時 期 は 地 域 の 平 均 気 温 によって 決 まる( 図 Ⅱ -3) その 際 秋 まき 栽 培 では 定 植 期 が 生 育 適 温 以 後 になるようにし 春 まき 栽 培 では 定 植 期 が 抽 台 限 界 以 後 で 収 穫 期 が 生 育 適 温 下 になるように 作 期 と 品 種 を 選 定 する 2) 品 種 の 選 択 ハクサイは 早 晩 性 耐 病 性 環 境 適 応 性 などの 面 から 地 域 や 作 型 に 適 応 した F 1 品 種 が 育 成 され に 近 いものであったが 近 年 は 消 費 の 動 向 から 黄 芯 系 品 種 が 主 流 になっている 有 機 栽 培 では 病 害 に 対 する 防 除 薬 剤 がほとん どないので 栽 培 期 間 が 生 育 適 温 下 になるように 早 晩 性 を 選 択 し 春 まき 秋 まきでは 晩 抽 性 品 種 を 選 ぶ また 石 灰 欠 乏 ホウ 素 欠 乏 に 強 い 品 種 が 好 ましい 耐 病 性 では 作 型 に 応 じてウイルス 病 軟 腐 病 に 強 い 品 種 を 用 いる 根 こぶ 病 抵 抗 性 の 品 種 は 品 種 名 に CR が 冠 されれている 場 合 が 多 いが 根 こぶ 病 菌 のレース 分 化 が 認 められているので 過 度 に 依 存 しないようにする なお 品 種 の 早 晩 性 は 播 種 から 収 穫 までの 日 数 ( 秋 まき)を 基 準 に 概 ね55~60 日 を 極 早 生 種 60~65 日 を 早 生 種 65~70 日 を 中 早 生 種 70~ 80 日 を 中 生 種 80~90 日 を 中 晩 生 種 90 日 以 上 を 晩 生 種 と 呼 んでいる 作 型 別 の 主 要 産 地 で 用 いられている 品 種 を 例 示 すれば 以 下 の 通 りである 幼 苗 期 は 高 温 であるが 結 球 肥 大 期 は 適 温 期 か ら 低 温 期 になるので 耐 病 性 品 種 を 用 い 遅 出 し 栽 培 では 耐 寒 性 のある 晩 抽 性 品 種 を 選 ぶ o 福 島 県 : 耐 病 60 日 (10 月 下 旬 ~12 月 上 旬 収 穫 ) など 生 育 の 進 み 方 平 均 気 温 外 葉 の 発 育 球 の 肥 大 30 日 前 22~23 23 以 下 13 以 上 幼 苗 期 外 葉 発 育 期 結 球 肥 大 期 播 種 後 日 数 ~ ~40 葉 数 栽 培 管 理 堆 肥 施 用 2~3t/10a 畝 立 て 畝 播 除 種 草 間 引 き 間 引 き 間 引 き 結 球 開 始 収 穫 開 始 収 穫 終 了 図 Ⅱ-4 秋 まきの 栽 培 暦

o 茨 城 県 : 晴 黄 60(10 月 下 旬 ) 新 理 想 (11 月 上 旬 ~12 月 中 旬 ) 黄 ごころ80(1 月 上 旬 ~ 下 旬 ) 初 笑 (1 月 上 旬 ~3 月 上 旬 )など o 愛 知 県 : 黄 さらぎ 改 良 千 両 (12 月 上 旬 ~1 月 上 旬 ) 黄 むすめ きらほし85(1 月 中 旬 ~3 月 中 旬 )など o 鹿 児 島 県 : 耐 病 60 日 無 双 (11 月 中 旬 ~2 月 上 旬 ) 大 福 (12 月 中 旬 ~2 月 上 旬 )など 低 温 期 に 播 種 して 高 温 期 になる 前 に 収 穫 しなく てはならないので 晩 抽 性 で 低 温 伸 長 性 のある 極 早 生 か 早 生 種 を 選 ぶ また ゴマ 症 やカルシウム 欠 乏 症 の 少 ないことも 重 要 である o 北 海 道 : 無 双 春 さかり(7 月 中 旬 収 穫 ) 春 笑 CR 清 雅 (7 月 中 下 旬 )など o 茨 城 県 : 菊 錦 幸 村 (トンネル4 月 中 旬 ~6 月 上 旬 )など o 群 馬 県 : 晴 黄 60 みねぶき505(6 月 下 旬 ~7 月 上 旬 ) 優 黄 (7 月 下 旬 ~8 月 上 旬 )など o 熊 本 県 : 耐 病 60 日 無 双 (6 月 下 旬 ~7 月 下 旬 ) など 4. 土 づくりと 施 肥 対 策 1) 肥 培 管 理 の 留 意 点 ハクサイは 吸 肥 力 が 弱 いので 多 肥 栽 培 になりや すいが 窒 素 過 剰 では 根 群 の 形 成 が 進 まず 石 灰 欠 乏 症 やゴマ 症 増 加 の 原 因 になる ハクサイの 窒 素 吸 収 は 結 球 開 始 頃 から 盛 んになり 最 終 的 に は 収 量 1t/10aに 対 して3.5~4.0kg/10a( 収 量 6t/10a として20~24kg/10a)を 吸 収 する したがって 有 機 栽 培 でハクサイの 生 産 を 成 立 させるには 初 期 生 育 を 施 用 有 機 物 由 来 の 窒 素 で 賄 い 結 球 期 以 降 を 土 壌 由 来 の 地 力 窒 素 で 賄 うことを 基 本 として 不 足 分 を 有 機 質 肥 料 の 追 肥 で 補 うことができるよう な 土 づくりが 必 要 である ハクサイは 根 傷 みの 回 復 が 遅 い 作 物 なので 堆 肥 は 全 層 に 混 和 し 有 機 質 肥 料 は 分 解 に 伴 って 根 に 障 害 を 生 じさせないよう 夏 期 でも30 日 以 上 前 に 施 用 しておく 必 要 がある 有 機 質 肥 料 を 予 め 微 生 物 により 発 酵 分 解 させたボカシ 肥 料 として 施 用 することも 大 切 である 2) 圃 場 の 選 定 作 付 け 圃 場 は 長 期 にわたって 堆 肥 が 施 用 され た 肥 沃 な 圃 場 が 望 まれる ハクサイは 過 湿 に 弱 い ので 圃 場 の 排 水 性 に 留 意 する 必 要 があり 地 形 的 に 多 雨 で 冠 水 しやすい 圃 場 は 避 けるか 予 め 明 渠 や 暗 渠 などの 排 水 施 設 を 設 置 しておく 必 要 があ る また 水 田 転 換 畑 等 では 心 土 破 砕 を 行 って 耕 盤 を 除 去 しておく 下 層 土 の 硬 さが 18mm( 山 中 式 硬 度 計 値 ) 以 上 の 場 合 は 30cm 以 上 の 深 耕 やサブ ソイラー 等 で 心 土 破 砕 を 行 っておく 必 要 がある 大 型 機 械 を 常 に 使 用 している 場 合 には プラウやプ ラソイラーによる 深 耕 や 心 土 耕 を 行 うようにする また ハクサイやコカブ 等 のアブラナ 科 野 菜 が 連 作 されている 圃 場 は 極 力 回 避 し 特 に 根 こぶ 病 や 軟 腐 病 の 常 発 圃 場 では 作 付 けは 止 める なお 土 づくりが 進 んだ 肥 沃 な 圃 場 におけるハ クサイの 有 機 栽 培 では 慣 行 栽 培 に 比 べて 同 等 な 収 穫 量 をあげることも 可 能 である 長 野 県 の 寒 冷 地 における 夏 まき 栽 培 ( 優 黄 8 月 中 旬 定 植 )の 例 では 有 機 栽 培 のハクサイ( 元 肥 のみ)の 結 球 重 は 慣 行 栽 培 ( 元 肥 追 肥 )のもの と 違 いが 見 られなかった( 図 Ⅱ-5) 結 球 重 有 機 慣 行 有 機 慣 行 平 成 年 平 成 年 図 Ⅱ-5 有 機 栽 培 と 慣 行 農 法 で 栽 培 した ハクサイの 結 球 重 (kg) 資 料 :( 財 ) 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター2001 2002 2) 年

栽 培 条 件 : 長 野 県 松 本 市 標 高 695m 品 種 優 黄 2001 年 播 種 7/23 定 植 8/10 収 穫 10/12 2002 年 播 種 7/19 定 植 8/12 収 穫 10/30 前 作 キャベツ 前 作 スイートコーン 有 機 栽 培 慣 行 栽 培 kg/10a 13 元 肥 : 元 肥 : ボカシ( 溝 施 用 ) 150 ボカシ ( 表 層 施 用 )250 スタートライン 084 100 BM 苦 土 重 焼 リン 40 マグゴールド 60 14 追 肥 :なし 追 肥 :BBN30 70 元 肥 : 元 肥 : ボカシ ( 全 層 施 用 )150 3) 輪 作 と 作 付 体 系 スタートライン 084 100 BM 苦 土 重 焼 リン 40 マグゴールド 60 追 肥 :なし 追 肥 :BBN30 70 ハクサイの 作 付 圃 場 では 根 こぶ 病 や 黄 化 病 など の 土 壌 病 害 が 発 生 し 生 産 が 不 安 定 となるので 理 想 的 には3~4 年 の 輪 作 を 組 むことが 望 ましく やむをえない 場 合 でも 少 なくとも1 年 おきの 作 付 けになるような 輪 作 が 必 要 である 前 作 にはイネ 科 のムギ 類 やスイートコーンを 作 付 けると 土 壌 病 害 が 減 少 し ハクサイの 生 育 が 比 較 的 安 定 する( 図 -6) 根 こぶ 病 発 病 率 着 生 した 根 こぶの 重 量 図 Ⅱ-6 前 作 にアブラナ 科 野 菜 とスイート コーンを 作 付 けたハクサイの 根 こぶ 病 の 発 生 程 度 3) 資 料 :( 財 ) 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター2005 年 栽 培 条 件 : 長 野 県 松 本 市 標 高 695m 耕 種 概 要 : 定 植 8/29 調 査 10/21 発 病 率 (%)=( 発 病 指 数 発 病 指 数 別 の 株 数 )100/3 調 査 株 数 発 病 指 数 は 4 段 階 で 評 価 し た また 根 こぶ 病 の 発 生 が 多 くない 圃 場 では 前 作 におとり 作 物 としてダイコンを 作 付 けることで 根 こぶ 病 の 発 病 が 抑 制 される( 図 Ⅱ-7) ただしこれは ダイコン 品 種 が 根 こぶ 病 に 抵 抗 性 のある 場 合 に 限 られ 激 発 圃 場 では 効 果 が 見 られないので 注 意 が 必 要 である 収 量 () 写 真 Ⅱ-1 根 こぶ 病 に 侵 されたハクサイの 根 ( 提 供 : 渡 邊 健 氏 ) 対 照 株 跡 株 間 株 跡 株 間 快 進 総 太 り 耐 病 総 太 り 図 Ⅱ-7 前 作 ダイコン 作 付 け 跡 地 における ハクサイ 収 量 4) 資 料 : 長 野 県 中 信 農 業 試 験 場 1994 年 栽 培 条 件 : 長 野 県 塩 尻 市 標 高 740m ダイコン 作 付 け 後 にハクサイを 定 植 し 収 量 を 測 定 株 跡 はダ イコンの 株 穴 に 定 植 株 間 はダイコンの 株 間 に 定 植

4) 堆 肥 と 石 灰 の 施 用 堆 肥 の 肥 効 は 連 用 年 数 によって 異 なり 長 期 に 連 用 するほど 地 力 として 発 現 する そのため 堆 肥 の 施 用 量 は 有 機 栽 培 への 転 換 当 初 は 年 間 で3 ~5t/10a と 多 目 にし 土 の 状 態 を 見 ながら 年 間 2 ~3t/10a 程 度 に 減 らしていく ハクサイは 堆 肥 の 施 用 効 果 が 大 きいので 秋 ま き 栽 培 では 作 付 け 前 に 春 まき 栽 培 では 前 年 の 秋 に 堆 肥 を 施 用 しておく 施 用 に 当 たっては 施 用 ムラができないように 注 意 し 土 壌 とよく 混 和 してお く 必 要 がある また ハクサイの 肥 料 吸 収 量 は 収 量 6t/10a の 場 合 に 加 里 25kg/10a 石 灰 25kg/10a 程 度 を 必 要 とする そこで カキやホタテ 等 の 貝 殻 を 粉 砕 処 理 した 石 灰 質 資 材 を 1 作 当 たり 150~200kg/10a 程 度 施 用 するとよい なお ハクサイの 生 育 には ph6.0 ~6.5 が 適 するとされるが 適 応 性 は 広 い 5) 有 機 質 肥 料 の 施 用 と 作 型 別 施 肥 例 有 機 質 肥 料 は 化 学 肥 料 と 異 なり 肥 効 が 現 れる までに 数 週 間 を 要 するので この 期 間 を 計 算 して 施 用 時 期 を 決 定 する 特 に ハクサイは 根 傷 みに よる 生 育 遅 延 の 影 響 が 大 きいので 有 機 質 肥 料 は 作 付 けの 30~40 日 前 までに 施 用 し 施 用 後 に 数 回 耕 起 して 無 機 化 をよく 進 めておく ハクサイへの 追 肥 は 根 域 が 横 方 向 にも 広 がっ ているので 畝 下 に 対 して 浅 く 行 う その 際 中 耕 に よって 根 を 切 らないように 注 意 する 各 作 型 における 有 機 質 肥 料 の 施 肥 例 は 以 下 の 通 りである () 秋 まき 栽 培 における 施 肥 例 本 作 型 は 前 半 の 生 長 が 早 いので 元 肥 施 用 量 は 有 機 質 肥 料 で60~100kg/10a 程 度 とし 必 ず 堆 肥 を 施 用 する 後 半 は 生 育 がゆっくり 進 むので 追 肥 はハクサイの 様 子 を 見 ながら 直 播 栽 培 では 最 終 間 引 きの 後 に 移 植 栽 培 では 定 植 20~30 日 後 に 発 酵 鶏 糞 かボカシを40~60kg/10a 程 度 施 用 する < 農 家 事 例 > 北 海 道 のA 氏 は 定 植 の 約 40 日 前 に 鶏 糞 40% を 含 む 牛 糞 馬 糞 堆 肥 2~2.5t/10aを 施 用 してい る 長 野 県 のB 氏 は 前 年 秋 に 牛 糞 堆 肥 4t/10aを 鋤 込 み 春 にレタスを 作 付 け そのマルチを 剥 がさ ずに 無 施 用 でハクサイを 定 植 している 千 葉 県 のC 氏 は 定 植 の40~50 日 前 に 豚 糞 堆 肥 2t/10a 魚 かす120kg/10a カキ 殻 40kg/10a その 他 ( 鉱 物 資 材 )を 施 用 している () 春 まき 栽 培 における 施 肥 例 本 作 型 は 気 温 の 上 昇 に 伴 って 生 育 が 速 まるの で 定 植 直 後 からテンポよく 生 育 させる 必 要 があ り 生 育 前 半 の 施 肥 効 果 が 大 きい 堆 肥 は 前 年 秋 に2~3t/10aを 施 用 し 有 機 質 肥 料 は 菜 種 油 かす や 魚 かすを100~150kg/10a 米 ぬか100kg/10aを 前 年 秋 に 堆 肥 と 同 時 に 施 用 する やむをえず 春 に 施 用 する 場 合 は 作 付 け 直 前 の 施 用 では 障 害 を 起 こす 危 険 があるので 発 酵 鶏 糞 かボカシを 用 いて 必 ず 定 植 の40 日 以 上 前 に 全 層 に 混 和 し ポリマルチをかけて 無 機 化 を 進 める 施 用 量 は100~150kg/10a 程 度 を 基 準 として 地 力 が 低 い 場 合 は 多 目 にする 6) 整 地 畝 作 り ポリマルチ 深 耕 や 心 土 破 砕 は 有 機 物 施 用 の 前 に 行 い 堆 肥 や 有 機 質 肥 料 の 施 用 後 はハローやロータリー 等 で 整 地 し 畝 立 てを 行 う 有 機 栽 培 では 株 元 の 通 気 性 を 良 好 にし 株 地 際 の 腐 敗 性 病 害 の 発 生 を 防 ぐためにも 畝 立 て 栽 培 を 行 うのがよく 畝 は 慣 行 栽 培 よりやや 高 畝 とす る 畝 の 形 状 は 抱 き 畝 の 方 が 作 業 性 は 高 いが 単 条 畝 の 方 が 排 水 性 通 気 性 に 優 れる ハクサイの 有 機 栽 培 では 雑 草 対 策 や 土 壌 の はね 返 り 防 止 の 観 点 からポリマルチを 利 用 した 方 が 生 産 が 安 定 する( 図 Ⅱ-8) 直 播 栽 培 では ポ リマルチを 利 用 すると 秋 まき 栽 培 では 無 マルチより 2 週 間 程 度 の 遅 まきが 春 まき 栽 培 では15~16 以 下 の 低 温 期 播 種 が 可 能 になる

マルチフィルムは 低 温 期 には 黒 色 を 高 温 期 の 栽 培 や 秋 まき 栽 培 では 地 温 上 昇 抑 制 やアブラム シ 忌 避 を 兼 ねて 白 やシルバー 色 を 利 用 する 結 球 重 () マルチ 裸 地 マルチ 裸 地 マルチ 裸 地 平 成 年 平 成 年 平 成 年 図 Ⅱ-8 結 球 重 からみた 有 機 栽 培 ハクサイに おけるポリマルチの 効 果 資 料 :( 財 ) 自 然 農 法 国 際 研 究 開 発 センター1998 年 ~ 2000 年 5) 栽 培 条 件 : 長 野 県 松 本 市 標 高 695m 品 種 優 黄 元 肥 施 用 量 は 10 年 11 年 がボカシ 100kg/10a 12 年 は 同 150kg/10a 10 年 11 年 12 年 播 種 4/14 4/22 4/18 定 植 6/9 6/3 5/16 収 穫 7/30 7/27 7/21 5. 移 植 栽 培 有 機 栽 培 での 育 苗 方 法 としては 土 の 量 が 多 い 練 り 床 (ソイルブロック)や 連 結 ポット 育 苗 の 方 が 健 苗 を 得 られやすく その 後 の 成 績 もよいとみられる が 近 年 はセル 成 形 育 苗 の 利 用 が 広 まっている 育 苗 に 当 たっては 苗 数 を1~2 割 多 目 に 用 意 し て 定 植 苗 の 揃 い 性 をよくするとよい 以 下 ではセル 成 形 育 苗 と 連 結 ポット 育 苗 につい て 説 明 するが 練 り 床 育 苗 は 慣 行 の 方 法 を 参 考 に されたい 1)セル 成 形 育 苗 の 方 法 と 注 意 点 ()セル 成 形 育 苗 の 概 要 ハクサイは 根 群 の 発 達 が 旺 盛 なので 苗 鉢 の 小 さいセル 成 型 苗 では 根 巻 きの 程 度 が 過 剰 にならな いように 注 意 が 必 要 である 育 苗 には 78~128 穴 ト レイを 用 い 夏 まき 栽 培 では 根 鉢 が 高 温 になるの で 白 色 のトレイか 発 泡 スチロール 製 のものを 利 用 することが 望 ましい 育 苗 日 数 は 春 まきで30 日 程 度 夏 まきで20 日 程 度 とする 灌 水 のやり 過 ぎや 乾 燥 に 注 意 し 子 葉 が 脱 落 ( 老 化 )したり 徒 長 していない 健 苗 の 育 成 に 努 める 育 苗 は 換 気 が 可 能 で 灌 水 設 備 のあるハウスで 行 う ハウスの 周 囲 は 防 虫 ネットで 囲 って 害 虫 の 侵 入 を 防 ぐ 必 要 がある () 育 苗 培 土 培 土 は 保 水 性 と 排 水 性 が 良 く 肥 料 分 の 保 持 力 が 高 いことが 求 められる 自 家 製 造 でもよいが 有 機 JAS に 適 応 した 資 材 が 販 売 されているので 適 宜 利 用 するとよい 市 販 される 培 土 の 多 くはピート モスを 素 材 としており 乾 燥 すると 撥 水 性 を 示 すよ うになるので 注 意 が 必 要 である () 播 種 夏 の 高 温 期 は 寒 冷 紗 等 で 遮 光 し 夕 方 地 温 が 下 がってから 播 種 をする 播 種 は コート 種 子 の 場 合 は1 穴 に1 粒 ずつ 播 く 裸 種 子 の 場 合 は2~3 粒 播 き 本 葉 0.5~1 枚 頃 に 先 の 尖 ったハサミ 等 で 間 引 く 播 種 後 は 新 聞 紙 等 をかけて 培 地 が 乾 かないよ うにし 原 則 として 出 芽 まで 灌 水 をしない また 出 芽 が 揃 ったら 早 めに 新 聞 紙 を 取 り 除 き 徒 長 させ ないように 注 意 する 特 に 低 温 期 は 加 温 保 温 を 行 って 20 前 後 を 保 ち 斉 一 に 発 芽 させるようにす る () 育 苗 中 の 管 理 ハクサイは 15 以 下 の 低 温 では 不 時 抽 台 の 危 険 が 大 きくなるので 低 温 期 は 最 低 気 温 16 以 上 を 維 持 しなくてはならない 高 温 期 は 換 気 等 で 夜 温 を 下 げ 22 以 上 の 高 温 を 避 ける 必 要 がある なお 定 植 期 に 圃 場 の 準 備 が 整 わない 場 合

は 直 径 6cm 程 度 のポリ 鉢 に 鉢 上 げ( 仮 植 )する 等 の 対 策 が 必 要 である () 病 害 虫 防 除 育 苗 中 は 育 苗 施 設 内 の 通 気 灌 水 温 度 に 注 意 して 健 全 な 生 育 を 心 がける 過 湿 状 態 では べと 病 苗 立 枯 病 の 発 生 が 増 加 するので 換 気 を 図 る 特 に 苗 立 枯 病 は 高 温 期 に 発 生 が 多 い 高 温 期 の 育 苗 ではアブラムシ コナガ アオム シの 発 生 が 多 いので 施 設 を 防 虫 ネット(0.6~ 0.8mm 目 )で 囲 って 侵 入 を 阻 止 することが 重 要 あ る その 際 出 入 口 も 含 めて きちんと 目 張 りをす る 目 合 いが 細 かすぎると ハウス 内 が 高 温 過 湿 になりやすく また 軟 弱 徒 長 した 苗 となるので 適 度 な 目 合 いのネットを 選 択 する 2) 連 結 ポット 育 苗 の 方 法 と 注 意 点 () 連 結 ポット 育 苗 の 概 要 連 結 ポットやポリポットを 利 用 した 育 苗 は セル 成 形 育 苗 より 土 の 量 が 多 く 根 群 の 発 達 が 旺 盛 な ハクサイでは 健 苗 を 得 やすく 特 に 加 温 が 必 要 に なるような 春 先 の 育 苗 に 適 している 本 育 苗 は 電 熱 温 床 を 利 用 し 温 度 は 日 中 23~ 25 夜 温 は13~15 を 保 つ 必 要 がある この 条 件 であれば 概 ね30 日 で 本 葉 が8 枚 程 度 になる () 用 土 用 土 は 自 家 製 造 する 場 合 が 多 く 前 年 夏 から 秋 にかけて 土 と 完 熟 堆 肥 を1:1~2:1に 混 ぜて 準 備 しておく 土 は 真 砂 土 が 望 ましいが 水 田 土 壌 や 購 入 土 で 代 用 しても 良 い ただし アブラナ 科 の 作 付 け 圃 場 の 表 土 は 絶 対 に 使 用 しない 土 は 予 めフルイで 夾 雑 物 を 取 り 除 き 重 量 の 3% 程 度 の 米 ぬかを 加 え 水 分 を 60%に 調 整 して から 40 日 間 程 度 の 太 陽 熱 消 毒 を 行 う その 後 土 と 堆 肥 を 混 ぜ 合 わせ 発 酵 鶏 糞 か 油 かすを 全 体 の 0.5~1%になるように 添 加 し 水 分 を 加 えてよく 撹 拌 し 菌 糸 が 出 なくなるまで 切 返 しを 数 回 行 う () 播 種 ポットに 土 を 詰 めた 後 温 床 に 並 べ たっぷりと 灌 水 を 行 う 表 面 が 軽 く 乾 いた 頃 を 見 はからって 指 (もしくはビールビンの 口 )で 押 してまきつぼを 作 り 2~3 粒 ずつ 播 種 を 行 う 播 種 後 はフルイでふ るった 土 で 種 子 が 隠 れる 程 度 の 覆 土 を 行 い 新 聞 紙 をかけて 乾 燥 を 防 ぐ 発 芽 適 温 は20 前 後 であるので ビニールでト ンネルがけをして 保 温 する なお 連 結 ポットの 隙 間 は くん 炭 や 床 土 を 充 填 しておくと 地 温 が 上 がり やすい 発 芽 が 見 られたら 速 やかに 新 聞 紙 を 取 り 除 く () 育 苗 中 の 管 理 苗 が 生 長 して 混 み 合 ってきたときは 適 宜 ずらし を 行 って 通 気 をよくする 混 み 合 ったままでは 徒 長 しやすいだけでなく 灌 水 ムラの 原 因 になる 夜 温 は 必 ず13 以 上 を 保 つ 必 要 があり 葉 色 が 濃 くずんぐりした 草 姿 をしている 株 は 花 芽 分 化 した 危 険 性 がかなり 高 い と 言 われている 暖 かい 日 中 は 換 気 を 行 って 硬 い 苗 を 育 てるようにし 特 に 定 植 の 数 日 前 から 低 温 に 遭 わないようにして 外 気 に 慣 れさせる 順 化 を 行 う なお この 時 期 の 育 苗 は 温 度 とともに 灌 水 が 重 要 である 灌 水 は 午 前 10 時 頃 までに 行 い 夕 方 ( 午 後 3 時 頃 )には 土 の 表 面 が 乾 いている 程 度 に する 特 に 連 結 ポットは 土 の 量 が 少 ないので 保 水 量 が 少 なく 乾 燥 過 湿 に 注 意 する 電 熱 温 床 は 床 土 が 乾 くと 温 度 の 伝 達 が 悪 くなるので 時 々 床 にも 灌 水 を 行 う () 病 害 虫 防 除 低 温 期 なのでアオムシやコナガは 少 ないが ア ブラムシの 発 生 には 注 意 する アブラムシは 苗 床 が 乾 燥 したときに 発 生 しやすいので 暖 かい 日 の 午 前 中 を 見 計 らい 苗 床 内 が 過 湿 にならない 程 度 にポットと 床 面 灌 水 する 3) 定 植 と 栽 植 密 度 セル 成 形 苗 は 覆 土 が1cm 程 度 になるようやや

深 植 えとする 植 付 けが 浅 かったり 覆 土 をせずに 根 鉢 が 露 出 している 場 合 は 根 鉢 の 乾 燥 により 枯 死 株 が 多 くなる 連 結 ポット 苗 は 予 め 植 え 穴 を 掘 って 灌 水 し 穴 の 水 が 浸 み 込 んだ 頃 に 定 植 し 周 囲 の 土 を 寄 せて 軽 く 鎮 圧 する 秋 の 定 植 では 台 風 や 強 風 による 根 鉢 の 浮 き 上 がりを 防 止 する 意 味 でも 土 寄 せと 鎮 圧 は 重 要 で ある 定 植 後 は 早 めに 防 虫 ネットをトンネル 掛 けす る 定 植 期 の 気 温 が 高 く 害 虫 の 活 動 が 盛 んなの で 1 畝 植 え 終 わるごとに 防 虫 ネットをかける 必 要 がある 防 虫 ネットは 裾 までしっかり 押 さえなくては ならない 春 の 定 植 は 風 のない 日 を 選 んで10 時 頃 から 始 め 午 後 3 時 前 には 終 了 する 定 植 が 終 わった 数 畝 ごとにべたがけ 資 材 などをかけて 保 温 に 努 め る なお 強 い 低 温 が 来 る 場 合 は さらに 保 温 資 材 をかけて 苗 を 低 温 から 保 護 する 必 要 がある 定 植 の 翌 朝 には 圃 場 を 巡 廻 し 地 際 で 切 れて いたり 食 害 を 受 けている 苗 は 速 やかに 補 植 を 行 う その 際 被 害 株 の 周 りの 土 を 指 で 掘 り ネキリム シがいれば 駆 除 する また トンネル 掛 けした 防 虫 ネット 内 に 蝶 や 蛾 がいれば トンネル 外 に 出 すか 捕 殺 する 移 植 後 の 数 日 間 は 乾 燥 に 気 をつけ 午 前 中 に 萎 れるようなら 必 要 に 応 じて 灌 水 を 行 う 特 にセ ル 成 型 苗 は 根 鉢 が 小 さく 乾 燥 しやすいので 注 意 が 必 要 である ハクサイの 収 量 性 は 栽 植 株 数 に 左 右 され 栽 植 間 隔 が 広 くても 結 球 重 が 増 大 することはない した がって 栽 植 密 度 は 地 域 の 慣 行 栽 培 に 準 じる ただ し 結 球 期 に 過 湿 が 想 定 される 場 合 は 栽 植 株 数 を 多 少 減 らして 風 通 しを 良 くする 方 が 健 全 な 株 を 得 やすく 結 果 として 収 量 が 高 くなる 一 般 的 な 栽 植 密 度 は 以 下 の 通 りであり これを 参 考 にして 植 付 本 数 を 決 定 する o 早 生 種 : 畝 幅 60cm(55cm~70cmの 範 囲 で 加 減 ) 株 間 45~50cm o 中 生 種 :70~75cm 株 間 45~50cm o 晩 生 種 :75cm 以 上 株 間 55~60cm 抱 き 畝 栽 培 の 場 合 は 床 幅 80~90cm( 通 路 30 ~40cm) 条 間 は45~55cmの2 条 植 えとし 春 まき 栽 培 や 高 冷 地 の 極 早 生 種 では これより20% 程 度 株 間 を 狭 くする 6. 直 播 栽 培 () 直 播 栽 培 の 概 要 生 育 適 温 期 に 圃 場 に 直 播 し 間 引 きを 行 いなが ら1 本 立 ちさせる 栽 培 法 である 播 種 量 は 慣 行 栽 培 より 若 干 多 目 にして 間 引 き 時 の 揃 い 性 を 高 め る ハクサイは 揃 い 性 がよいとは 言 え 直 播 栽 培 は 育 苗 方 式 に 比 べると 個 体 間 のばらつきを 生 じやす いので 発 芽 揃 いを 良 くし 間 引 きで 生 育 を 揃 える ことが 重 要 になる 一 斉 に 発 芽 させるには 圃 場 の 準 備 段 階 で 作 土 表 面 の 砕 土 を 十 分 に 行 なって おくことが 肝 要 である () 播 種 時 期 地 域 の 慣 行 栽 培 に 準 じ 気 温 の 推 移 とハクサイ の 適 温 を 考 慮 して 決 定 する 播 種 期 の 幅 は 狭 いの で 適 期 播 種 を 心 がける 播 種 期 の 目 安 は 以 下 の 通 りである 遅 まきの 限 界 は 早 生 種 (60~65 日 )を 使 う 場 合 旬 別 平 均 気 温 が13 以 下 に 下 がる65 日 前 頃 に 設 定 する 早 まきの 限 界 は 旬 別 平 均 気 温 が 22 に 下 がる 約 1カ 月 前 で これより 早 いとモザイ ク 病 が 多 発 するので 前 進 させてはならない 水 戸 を 例 にとると 直 播 時 期 は8 月 中 旬 から9 月 上 旬 であるが 有 機 栽 培 では8 月 下 旬 以 降 の 方 が 害 虫 が 少 なくて 栽 培 が 容 易 である 早 まきの 限 界 は 旬 別 平 均 気 温 が13 以 上 に なる 頃 で 23 になるまでに 収 穫 できるように 播 種 期 と 品 種 を 選 定 する 必 要 があり 直 播 可 能 な 期 間 が 短 い 概 ねその 地 方 でソメイヨシノが 開 花 する 頃 とされている () 播 種 有 孔 ポリは 孔 の 間 隔 で 無 孔 ポリでは 栽 植 株 間 に 合 わせて 孔 を 空 け 10cm 径 程 度 の 円 形 の 窪 み