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顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 の 整 理 及 び 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 ) について 第 1 回 : 収 益 認 識 に 関 する 検 討 状 況 の 背 景 2011.06.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 ナレッジセンター 公 認 会 計 士 井 澤 依 子 I.はじめに 平 成 20 年 12 月 に 国 際 会 計 基 準 審 議 会 (IASB)および 米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 (FASB)から ディスカッション ペーパー 顧 客 との 契 約 における 収 益 認 識 についての 予 備 的 見 解 ( 以 下 DP)が 公 表 されたことを 契 機 として 企 業 会 計 基 準 委 員 会 (ASBJ)では 平 成 21 年 9 月 に 収 益 認 識 に 関 する 論 点 の 整 理 ( 以 下 平 成 21 年 論 点 整 理 )を 公 表 しました ASBJ では 平 成 21 年 論 点 整 理 に 対 して 寄 せられた 意 見 を 踏 まえ さらに 平 成 22 年 6 月 に IASB 及 び FASB か ら 公 表 された 公 開 草 案 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 ( 以 下 ED)で 提 案 されているモデル( 以 下 提 案 モデル) について 包 括 的 に 検 討 を 行 いました そこで 今 後 のわが 国 の 収 益 認 識 に 関 する 会 計 基 準 の 方 向 性 を 示 した 上 で 広 く 関 係 者 からの 意 見 を 募 集 することを 目 的 として 平 成 23 年 1 月 に 顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 整 理 ( 以 下 本 論 点 整 理 )を 公 表 しました 本 稿 では 本 論 点 整 理 のうち IASB 及 び FASB の ED において 提 案 されている 収 益 認 識 モデルの 概 要 と ASBJ の 見 解 を 中 心 に 解 説 するとともに 平 成 21 年 7 月 に 日 本 公 認 会 計 士 協 会 から 公 表 された( 平 成 21 年 12 月 に 改 正 ) 会 計 制 度 委 員 会 研 究 報 告 第 13 号 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 )-IAS 第 18 号 収 益 に 照 らした 考 察 - ( 以 下 研 究 報 告 )についても 解 説 します なお 文 中 の 意 見 に 係 る 部 分 は 筆 者 の 私 見 であることをお 断 りします 収 益 認 識 に 係 るこれまでの 公 表 物 本 稿 の 解 説 の 対 象 は 研 究 報 告 と 本 論 点 整 理 ( 網 掛 部 分 )になります II. 背 景 ( 収 益 認 識 に 関 する 検 討 状 況 ) 1.IASB と FASB との 共 同 プロジェクトにおける 検 討 状 況 IASB と FASB は 平 成 18 年 2 月 に 合 意 した 覚 書 (MOU)において 今 後 両 者 が 共 同 で 会 計 基 準 の 開 発 を 行 うこと によりコンバージェンスを 進 めることとしており 収 益 認 識 は MOU のアップデートで 新 たに 共 同 で 完 成 させるべき プロジェクトに 含 まれました 1

収 益 は 財 務 諸 表 における 極 めて 重 要 な 要 素 と 考 えられますが 国 際 財 務 報 告 基 準 (IFRS)および 米 国 会 計 基 準 のそれぞれに 問 題 点 があり 共 同 プロジェクトにおいては さまざまな 取 引 に 対 して 一 貫 して 適 用 可 能 な 単 一 の 収 益 認 識 モデルを 開 発 することを 目 的 としています IASB 及 び FASB は 平 成 20 年 12 月 に DP を 公 表 した 後 これに 対 して 寄 せられた 意 見 を 踏 まえてさらなる 検 討 を 行 い 平 成 22 年 6 月 に ED を 公 表 しています(ED の 詳 細 については 第 75 号 2010 年 6 月 IFRS outlook 増 刊 号 をご 参 照 ください) また ED については 平 成 22 年 10 月 22 日 までコメントを 募 集 しており その 後 平 成 23 年 の 年 末 までに 新 たな 会 計 基 準 を 公 表 する 予 定 とされています 現 行 IFRS 米 国 会 計 基 準 の 問 題 点 と 単 一 モデルの 開 発 2.わが 国 における 検 討 状 況 ASBJ においては このような 国 際 的 な 流 れを 踏 まえて 平 成 20 年 1 月 に 収 益 認 識 専 門 委 員 会 を 設 置 し IASB 及 び FASB の DP における 提 案 モデルの 検 討 を 行 い 提 案 モデルを 紹 介 するとともに これまでの 収 益 認 識 専 門 委 員 会 における 議 論 を 平 成 21 年 論 点 整 理 として 公 表 しました さらに IASB 及 び FASB が 平 成 22 年 6 月 に ED を 公 表 したことを 契 機 に 平 成 23 年 1 月 に 再 び 本 論 点 整 理 を 公 表 しています 一 方 日 本 公 認 会 計 士 協 会 からは 収 益 認 識 に 関 する 個 別 論 点 を 洗 い 出 し 具 体 的 な 会 計 処 理 および 開 示 全 般 について IAS 第 18 号 ( 以 下 IAS18) 収 益 に 照 らした 検 討 等 を 行 ってきた 成 果 として 平 成 21 年 7 月 に 研 究 報 告 が 公 表 されています( 平 成 21 年 12 月 に 改 正 ) 当 該 研 究 報 告 の 目 的 として 1わが 国 の 実 務 においては 依 然 として 収 益 認 識 に 関 して 不 適 切 な 会 計 処 理 がみられることから 実 現 主 義 の 二 つの 要 件 ( 財 貨 の 移 転 又 は 役 務 の 提 供 の 完 了 対 価 の 成 立 )をより 厳 格 に 解 釈 した 場 合 の 考 え 方 を 示 すこと 2IFRS の 任 意 適 用 強 制 適 用 の 流 れを 受 け IAS18 を 適 用 した 場 合 の 現 時 点 の 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 考 え 方 を 示 すことが 挙 げられて います 2

III. 本 稿 における 解 説 内 容 図 表 でまとめているとおり 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 研 究 報 告 ではわが 国 の 基 準 実 務 と 現 行 IFRS である IAS18 との 比 較 を 行 っており ASBJ の 本 論 点 整 理 では 将 来 の IFRS となる 提 案 モデルの 検 討 を 行 っています わが 国 では 平 成 22 年 3 月 期 から 一 部 企 業 について IFRS の 任 意 適 用 が 認 められたことから 任 意 適 用 を 検 討 している 会 社 にとってこの 研 究 報 告 は 非 常 に 有 用 なものといえます また 平 成 27 年 または 平 成 28 年 から 上 場 企 業 において IFRS が 強 制 適 用 される 可 能 性 があり その 場 合 は 将 来 の IFRS が 適 用 されることが 想 定 されます が ED においては 提 案 モデルを 適 用 しても 契 約 によっては( 例 えば 多 くの 小 売 取 引 ) 本 基 準 案 が(たとえあ るにしても)ほとんど 現 行 の 実 務 に 影 響 を 与 えないものがある としており やはり 研 究 報 告 が 参 考 になるものと 考 えられます 従 って 本 稿 においては まず 研 究 報 告 を 基 に 現 行 IFRS(IAS18)とわが 国 の 取 扱 いの 異 同 について 解 説 した 上 で 次 に 将 来 の IFRS となる 提 案 モデルについて 検 討 されている 本 論 点 整 理 について 解 説 を 行 うこととします 本 論 点 整 理 研 究 報 告 の 対 象 範 囲 3

顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 の 整 理 及 び 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 ) について 第 2 回 : 研 究 報 告 1~ 収 益 の 表 示 方 法 収 益 の 測 定 ~ 2011.06.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 ナレッジセンター 公 認 会 計 士 井 澤 依 子 IV. 日 本 公 認 会 計 士 協 会 による 研 究 報 告 の 概 要 1. 研 究 報 告 の 位 置 付 け 本 研 究 報 告 は あくまで 研 究 報 告 として 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 考 え 方 を 示 したものであり この 公 表 により 収 益 認 識 に 関 し これまでの 実 現 主 義 の 解 釈 の 下 で 認 められてきた 会 計 処 理 から 研 究 報 告 に 記 載 された 会 計 処 理 への 変 更 が 強 制 されることはありません このため 研 究 報 告 に 記 載 された 会 計 処 理 を 採 用 しても 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 採 用 又 は 変 更 には 該 当 しません なお 研 究 報 告 に 記 載 された 会 計 処 理 を 任 意 で 新 たに 採 用 するに 当 たっては 以 下 の 二 つのケースが 考 えられ るとしています 会 計 方 針 の 変 更 に 当 たっては 適 時 性 が 求 められますが 研 究 報 告 の 公 表 が 背 景 の 一 つにな るのではないかとの 意 見 があります 2. 研 究 報 告 の 構 成 I 総 論 において 研 究 報 告 の 性 格 等 を 説 明 した 上 で わが 国 の 実 現 主 義 の 下 での 収 益 認 識 要 件 をより 厳 格 に 解 釈 した 場 合 の 考 え 方 と IAS18 とを 比 較 した 考 察 を 行 っています また II 付 録 においては 67 の 事 例 につい て IAS18 に 照 らした 具 体 的 な 考 察 等 を 行 っています 本 稿 では 総 論 の 概 要 と 付 録 の 一 部 についてご 紹 介 しま す 3. 収 益 認 識 要 件 の 関 係 わが 国 では 収 益 認 識 に 関 する 包 括 的 な 会 計 基 準 は 存 在 しませんが 企 業 会 計 原 則 において 収 益 の 認 識 は 実 現 主 義 によることが 示 されています 一 般 には 財 貨 の 移 転 又 は 役 務 の 提 供 の 完 了 とそれに 対 する 現 金 また は 現 金 等 価 物 その 他 の 資 産 の 取 得 による 対 価 の 成 立 の 二 つが 収 益 認 識 要 件 とされているものと 考 えられま す 一 方 IAS18 においては 具 体 的 な 収 益 認 識 の 要 件 が 物 品 の 販 売 役 務 の 提 供 企 業 資 産 の 第 三 者 による 利 用 の 三 つの 取 引 形 態 に 分 けて 定 められています 両 者 の 主 な 関 連 性 を 表 したのが 次 の 図 表 となりますが このように わが 国 における 実 現 主 義 の 考 え 方 と IAS18 が 定 める 収 益 認 識 の 要 件 との 間 には 本 質 的 な 相 違 はないと 考 えられるため 実 務 上 実 現 主 義 の 具 体 的 な 適 4

用 に 当 たっては IAS18 の 収 益 認 識 の 要 件 が 参 考 になると 考 えられます なお 研 究 報 告 では わが 国 の 実 現 主 義 の 考 え 方 のみでは IAS18 を 適 用 した 場 合 と 同 様 の 結 果 が 得 られるとは 限 らない 項 目 として 売 上 の 総 額 表 示 と 純 額 表 示 (Ⅳ4. 参 照 ) 複 合 取 引 (Ⅳ6. 参 照 )の 二 つを 挙 げています IV. 日 本 公 認 会 計 士 協 会 による 研 究 報 告 の 概 要 4. 収 益 の 表 示 方 法 ( 総 額 表 示 と 純 額 表 示 ) (1) 要 点 実 務 対 応 報 告 第 17 号 ソフトウェア 取 引 の 収 益 の 会 計 処 理 に 関 する 実 務 上 の 取 扱 い ( 平 成 18 年 3 月 30 日 ASBJ 公 表 ) (2) 事 例 商 社 の 収 益 の 表 示 方 法 (ケース 1) 商 社 は 国 内 外 の 企 業 間 取 引 の 中 で 情 報 提 供 事 務 代 行 決 済 代 行 および 信 用 補 完 などのさまざまな 機 能 を 発 揮 しているが 契 約 上 取 引 の 当 事 者 として 行 われる 取 引 と 代 理 人 として 行 われる 取 引 がある 商 社 にお いては 果 たした 役 割 を 総 量 で 表 すため 取 引 の 当 事 者 としての 取 引 だけではなく 代 理 人 としての 取 引 につ いても 総 額 で 収 益 を 表 示 している 場 合 が 少 なくない 5

1 わが 国 の 実 現 主 義 の 下 での 収 益 認 識 要 件 をより 厳 格 に 解 釈 した 場 合 の 考 え 方 2 IAS18 を 適 用 した 場 合 の 現 時 点 における 日 本 公 認 会 計 士 協 会 における 考 え 方 ( 以 下 の 事 例 においても 同 様 ) リベートの 会 計 処 理 ( 販 売 費 および 一 般 管 理 費 処 理 の 適 否 )(ケース 3) わが 国 の 商 取 引 において メーカーや 卸 売 業 を 営 む 企 業 等 が 期 間 量 および 金 額 などさまざまな 契 約 条 件 ( 算 定 根 拠 )により 顧 客 に 対 してリベートを 支 払 うことがある このような 取 引 において リベートを 売 上 高 から 控 除 している 場 合 と 販 売 費 および 一 般 管 理 費 として 処 理 して いる 場 合 がある 6

(3) 収 益 の 総 額 表 示 と 純 額 表 示 に 関 する 指 針 企 業 が 本 人 として 行 為 を 行 っているのか( 総 額 表 示 ) 代 理 人 として 行 為 を 行 っているのか( 純 額 表 示 )の 判 断 指 針 は IAS18 の 付 録 第 21 項 で 示 されています その 中 で 企 業 が 財 貨 の 移 転 または 役 務 の 提 供 に 関 する 重 要 なリスクと 経 済 価 値 にさらされている 場 合 には 本 人 として 行 為 を 行 っており そうでない 場 合 は 代 理 人 として 行 為 を 行 っているものとしています 5. 収 益 の 測 定 (1) 要 点 7

(2) 事 例 割 賦 販 売 の 会 計 処 理 (ケース 6) わが 国 では いわゆる 割 賦 販 売 の 会 計 処 理 として 販 売 基 準 により 商 品 等 を 引 き 渡 した 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 としている 場 合 と 割 賦 基 準 により 割 賦 代 金 の 回 収 期 限 の 到 来 の 日 または 入 金 の 日 をもって 売 上 収 益 の 実 現 の 日 としている 場 合 がある また 販 売 基 準 の 場 合 でも 契 約 上 販 売 代 価 と 賦 払 期 間 中 の 利 息 に 相 当 する 金 額 とが 明 確 かつ 合 理 的 に 区 分 されているときは 割 賦 販 売 の 金 利 的 な 要 素 を 考 慮 し 商 品 等 を 引 き 渡 した 時 点 で 収 益 を 販 売 代 価 で 測 定 し 賦 払 期 間 に 対 応 して 利 息 相 当 額 を 収 益 として 認 識 する 実 務 と 割 賦 販 売 の 金 利 的 な 要 素 を 考 慮 せず に 商 品 等 を 引 き 渡 した 時 点 で 収 益 を 現 金 回 収 総 額 で 測 定 する 実 務 がある 8

9

顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 の 整 理 及 び 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 ) について 第 3 回 : 研 究 報 告 2~ 取 引 の 識 別 物 品 の 販 売 労 務 の 提 供 その 他 ~ 2011.06.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 ナレッジセンター 公 認 会 計 士 井 澤 依 子 IV. 日 本 公 認 会 計 士 協 会 による 研 究 報 告 の 概 要 6. 取 引 の 識 別 ( 複 合 取 引 ) (1) 要 点 企 業 会 計 基 準 第 15 号 工 事 契 約 に 関 する 会 計 基 準 ( 平 成 19 年 12 月 27 日 ASBJ 公 表 ) (2) 事 例 機 械 の 販 売 契 約 と 保 守 サービス 契 約 との 複 合 契 約 に 係 る 会 計 処 理 (ケース 9) 標 準 型 の 機 械 の 販 売 契 約 と 保 守 サービス 契 約 ( 役 務 提 供 契 約 )とを 一 体 で 契 約 するが 顧 客 との 間 で 機 械 の 販 売 代 金 と 保 守 サービス 料 の 内 訳 は 明 らかにされていないことがある このような 取 引 において 機 械 の 販 売 代 金 と 保 守 サービス 料 との 金 額 を 合 理 的 に 区 分 または 配 分 できる 場 合 には それらの 区 分 または 配 分 金 額 を 基 礎 に 契 約 上 の 引 渡 条 件 に 従 って 機 械 の 販 売 については 納 入 時 点 で 保 守 サービスについてはその 履 行 に 応 じてそれぞれ 収 益 を 認 識 している 場 合 がある 10

ポイント 引 当 金 に 係 る 会 計 処 理 (ケース 11) 小 売 業 の 中 には 売 上 金 額 が 一 定 額 以 上 の 顧 客 に 対 して 永 久 ポイントを 付 与 し 顧 客 はそのポイントを 商 品 と 交 換 することができるというポイント 制 度 を 採 用 している 場 合 がある わが 国 では ポイントと 交 換 される 商 品 または 役 務 に 対 応 するコストを 販 売 費 および 一 般 管 理 費 として 見 積 も り 負 債 計 上 している 実 務 が 多 いと 考 えられる 11

IFRIC13 カスタマー ロイヤルティー プログラムの 会 計 処 理 を 定 めた 解 釈 指 針 カスタマー ロイヤルティー プログラムとは 顧 客 が 商 品 または 役 務 を 購 入 した 場 合 に 企 業 は 売 上 取 引 の 一 環 として 顧 客 に 対 して 一 定 のポイントを 付 与 し 顧 客 が 一 定 の 条 件 を 満 たすことを 条 件 に そのポイントと 交 換 に 商 品 または 役 務 を 無 料 または 割 引 額 で 購 入 できるようにすることにより 企 業 が 自 社 の 商 品 または 役 務 を 購 入 するよう 顧 客 に 対 してインセンティブを 与 えるために 利 用 するプロ グラムのこと 7. 物 品 の 販 売 (1) 要 点 12

(2) 事 例 返 品 の 可 能 性 がある 取 引 形 態 の 場 合 の 会 計 処 理 (ケース 17) 音 楽 用 ソフト 等 の 制 作 販 売 を 行 うレコード 会 社 等 は 音 楽 用 ソフト 等 をレコード 販 売 店 等 に 販 売 するが 後 日 レコード 販 売 店 等 から 音 楽 用 ソフト 等 の 返 品 を 当 初 の 販 売 価 格 で 受 け 入 れる 慣 行 がある 予 想 される 返 品 の 額 は 過 去 の 実 績 等 から 合 理 的 に 見 積 もることができる このような 取 引 において 販 売 当 初 の 時 点 ですべての 音 楽 用 ソフト 等 について 売 上 計 上 し 将 来 の 返 品 に 対 応 する 売 上 総 利 益 相 当 額 を 返 品 調 整 引 当 金 として 計 上 している 実 務 が 多 い 13

直 送 取 引 (ケース 28) 企 業 は 顧 客 からの 注 文 に 基 づき 継 続 的 に 一 般 消 費 財 等 の 量 産 品 をメーカーである 仕 入 先 から 顧 客 へ 直 送 する 取 引 を 担 っている このような 取 引 において 仕 入 先 の 出 荷 日 で 収 益 を 認 識 している 場 合 と 顧 客 への 引 渡 日 で 収 益 を 認 識 して いる 場 合 がある 8. 役 務 の 提 供 (1) 要 点 14

役 務 の 提 供 の 完 了 要 件 をより 厳 格 に 解 釈 すると 受 領 した 対 価 に 対 応 する 役 務 の 内 容 条 件 の 識 別 が 必 ずしも 十 分 ではない 場 合 もあると 考 えられ その 場 合 には IAS18 と 相 違 が 生 ずるも のと 考 えられる (2) 事 例 人 材 紹 介 コンサルティング 業 務 (ケース 45) 人 材 紹 介 コンサルティング 会 社 においては 契 約 書 上 報 酬 が A 顧 客 企 業 と 自 社 で 人 材 紹 介 サービス 提 供 契 約 を 締 結 した 時 点 B 候 補 者 の 顧 客 企 業 への 紹 介 時 点 C 候 補 者 の 顧 客 企 業 への 内 定 時 点 の 三 つの 段 階 に おいて 支 払 われるものとされている 場 合 がある このような 取 引 において C が 完 了 した 時 点 ですべての 収 益 を 認 識 している 場 合 と A から C の 各 段 階 におい て 対 応 するそれぞれの 報 酬 を 収 益 として 認 識 している 場 合 がある 15

9. 企 業 資 産 の 第 三 者 の 利 用 ( 受 取 ロイヤルティーなど) (1) 要 点 受 取 ロイヤルティーの 収 益 認 識 に 当 たっては 特 に 権 利 義 務 関 係 を 勘 案 して 財 貨 の 移 転 又 は 役 務 の 提 供 の 完 了 要 件 に 照 らして 判 断 することになる 当 該 要 件 をより 厳 格 に 解 釈 すると 受 領 した 対 価 に 対 応 する 契 約 の 内 容 条 件 の 識 別 が 必 ずしも 十 分 ではない 場 合 もあると 考 えられ そ の 場 合 には IAS18 と 相 違 が 生 ずるものと 考 えられる (2) 事 例 前 受 使 用 許 諾 料 およびロイヤルティー 1 返 還 不 要 の 使 用 許 諾 料 またはロイヤルティーが 入 金 されたが 重 要 な 履 行 義 務 を 負 っている 場 合 (その 1)(ケース 65) ライセンス 契 約 に 基 づき レコード 原 盤 映 画 フィルムなどの 作 品 完 成 前 に 使 用 許 諾 者 ( 売 手 )は 使 用 許 諾 を 16

受 ける 者 から 返 還 不 要 の 使 用 許 諾 料 またはロイヤルティー( 固 定 額 )を 前 受 けすることがある 権 利 許 諾 者 は その 権 利 許 諾 時 点 において ライセンスの 前 提 となる 作 品 を 完 成 させる 重 要 な 義 務 が 存 在 する なお 権 利 許 諾 者 は 作 品 を 完 成 させ 使 用 権 取 得 者 にマスターを 引 き 渡 す 以 外 には 重 要 な 履 行 義 務 は 存 在 しない このような 取 引 において 使 用 許 諾 料 またはロイヤルティーの 入 金 時 に 収 益 を 認 識 している 場 合 と 重 要 な 義 務 を 履 行 した 時 点 で 収 益 を 認 識 している 場 合 がある 17

顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 の 整 理 及 び 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 ) について 第 4 回 : 本 論 点 整 理 で 取 り 上 げている 収 益 認 識 のモデル 2011.06.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 ナレッジセンター 公 認 会 計 士 井 澤 依 子 V. 提 案 モデルの 概 要 1. 現 行 実 務 への 影 響 I.はじめに で 記 載 したとおり ASBJ では 平 成 22 年 6 月 に IASB 及 び FASB から 公 表 された ED について 包 括 的 に 検 討 を 行 い 今 後 のわが 国 の 収 益 認 識 に 関 する 会 計 基 準 の 方 向 性 を 示 した 上 で 広 く 関 係 者 からの 意 見 を 募 集 することを 目 的 として 平 成 23 年 1 月 に 本 論 点 整 理 を 公 表 しました 本 論 点 整 理 (8 項 )においては 現 行 実 務 に 影 響 を 与 えると 考 えられる 点 として 以 下 1~11の 11 項 目 が 例 示 列 挙 されています このうち IASB 及 び FASB の ED(IN25 項 )においても 現 行 実 務 と 異 なる 点 として 取 り 上 げられて いるのは 1 2 6 8~11の 7 項 目 であり 本 稿 ではそのうち 一 般 的 に 重 要 な 論 点 と 考 えられる1 財 又 は サービスの 移 転 からのみ 収 益 を 認 識 する 2 複 数 要 素 契 約 ( 別 個 の 履 行 義 務 の 識 別 ) 8 回 収 可 能 性 ( 信 用 リ スク)の 収 益 への 反 映 9 取 引 価 格 の 算 定 に 当 たっての 見 積 りの 使 用 の 4 項 目 について 解 説 を 行 います なお 本 論 点 整 理 においてのみ 列 挙 されている 項 目 (3~5 7)のほとんどは 現 行 IFRS と 提 案 モデルに 基 づ く 取 扱 いにさほど 大 きな 相 違 はなく わが 国 の 会 計 基 準 と 現 行 IFRS との 相 違 による 影 響 が 大 きい 項 目 と 考 えら れます 3 総 額 表 示 と 純 額 表 示 5カスタマー ロイヤルティー プログラム 7 返 品 権 付 きの 製 品 の 販 売 につい ては 本 稿 第 2 回 ~ 第 4 回 の 解 説 で 日 本 公 認 会 計 士 協 会 の 研 究 報 告 を 紹 介 していますのでご 覧 ください(なお 研 究 報 告 は 現 行 IAS18 号 に 係 る 解 説 のため 提 案 モデルとは 必 ずしも 同 一 ではない 点 についてご 留 意 くださ い) 現 行 実 務 に 影 響 を 与 える 論 点 18

太 文 字 (1289)は 本 稿 において 取 り 上 げる 四 つの 論 点 です 19

2. 提 案 モデルの 概 要 提 案 モデルにおいては 収 益 認 識 は 以 下 のとおり 五 つのステップで 検 討 されるとしています 本 稿 において 取 り 上 げる 四 つの 論 点 については 1 財 又 はサービスの 移 転 からのみ 収 益 を 認 識 する は Step5 に 2 複 数 要 素 契 約 ( 別 個 の 履 行 義 務 の 識 別 ) は Step2 に 8 回 収 可 能 性 ( 信 用 リスク)の 収 益 への 反 映 及 び 9 取 引 価 格 の 算 定 に 当 たっての 見 積 りの 使 用 は Step3 に 関 連 しています 20

顧 客 との 契 約 から 生 じる 収 益 に 関 する 論 点 の 整 理 及 び 我 が 国 の 収 益 認 識 に 関 する 研 究 報 告 ( 中 間 報 告 ) について 第 5 回 : 収 益 認 識 のモデルにおける 個 別 論 点 2011.06.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 ナレッジセンター 公 認 会 計 士 井 澤 依 子 VI. 個 別 論 点 の 解 説 1. 論 点 1 財 又 はサービスの 移 転 からのみ 収 益 を 認 識 する について a. 提 案 モデルの 概 要 <ポイント> 財 又 はサービスは 顧 客 が 財 又 はサービスに 対 する 支 配 を 獲 得 したとき すなわち 財 又 はサービス の 使 用 を 指 図 し 当 該 財 又 はサービスから 便 益 を 享 受 する 能 力 を 有 する 場 合 に 顧 客 に 移 転 する 顧 客 が 財 又 はサービスの 支 配 を 獲 得 している 指 標 には 次 のものが 含 まれるが これらの 指 標 はいず れも 単 独 で 顧 客 が 財 又 はサービスの 支 配 を 獲 得 したかどうかを 決 定 するものではなく また 一 部 の 指 標 は 特 定 の 契 約 と 関 連 性 がない 場 合 がある( 例 えば 物 理 的 な 占 有 (3) 及 び 法 的 所 有 権 (2) は サービスには 関 連 しない) 顧 客 が 財 又 はサービスの 支 配 を 獲 得 している 指 標 工 事 契 約 に 関 して 約 束 した 財 又 はサービスを 建 設 中 に 受 け 取 る 場 合 すなわち 資 産 が 製 作 製 造 又 は 建 設 されるにつれて 顧 客 が 仕 掛 品 に 対 する 支 配 を 獲 得 する 場 合 には 連 続 的 な 移 転 と 判 断 され 作 業 が 完 成 するまで 顧 客 が 財 又 はサービスを 受 け 取 らない 場 合 には 企 業 は 完 成 時 まで 収 益 を 認 識 しないこととなる 顧 客 への 連 続 的 な 財 又 はサービスの 移 転 を 描 写 するための 適 切 な 収 益 認 識 の 方 法 には 次 の 方 法 が 含 まれる 連 続 的 な 移 転 における 収 益 認 識 方 法 21

b. 提 案 モデルに 係 る 設 例 検 討 過 程 22

c.わが 国 の 基 準 の 今 後 の 方 向 性 (ASBJ の 見 解 ) 顧 客 が 財 又 はサービスの 支 配 を 獲 得 した 時 点 で 収 益 認 識 を 行 うことにより 財 又 はサービスの 移 転 を 忠 実 に 描 写 することができると 考 えられるため わが 国 においても 支 配 の 移 転 に 着 目 して 収 益 認 識 を 行 うという 考 え 方 を 取 り 入 れていくことが 適 当 であると 考 えられる なお 実 態 に 応 じた 判 断 が 行 われるよう 支 配 の 考 え 方 や 指 標 について 引 き 続 き 検 討 を 行 う 必 要 があ ると 考 えられる また 一 時 的 な 移 転 の 場 合 と 連 続 的 な 移 転 の 場 合 の 考 え 方 や 指 標 が 区 別 されていな いため それぞれの 場 合 の 考 え 方 や 指 標 を 検 討 することが 考 えられる 2. 論 点 2 複 数 要 素 契 約 ( 別 個 の 履 行 義 務 の 識 別 ) について a. 提 案 モデルの 概 要 <ポイント> 収 益 の 認 識 単 位 は 契 約 における 履 行 義 務 ( 財 又 はサービスを 顧 客 に 移 転 するという 当 該 顧 客 との 契 約 における 強 制 可 能 な 約 束 )である 企 業 が 複 数 の 財 又 はサービスを 移 転 することを 約 束 している 場 合 は 財 又 はサービスが 区 別 できると きのみ 約 束 した 財 又 はサービスのそれぞれを 別 個 の 履 行 義 務 として 会 計 処 理 しなければならない 企 業 が 複 数 の 約 束 した 財 又 はサービスを 同 時 に 顧 客 に 移 転 する 場 合 において これらの 履 行 義 務 を 一 緒 に 会 計 処 理 しても 収 益 認 識 の 金 額 と 時 期 がこれらの 履 行 義 務 を 別 個 に 会 計 処 理 したときと 同 じ 結 果 になる 場 合 は 別 個 の 履 行 義 務 として 会 計 処 理 する 必 要 はない 財 又 はサービスが 区 別 できる 場 合 23

b. 提 案 モデルに 係 る 設 例 c.わが 国 の 基 準 の 今 後 の 方 向 性 (ASBJ の 見 解 ) わが 国 の 現 行 実 務 では ソフトウェア 取 引 に 関 する 特 定 の 複 合 取 引 以 外 については 契 約 を 収 益 認 識 の 単 位 とすることが 一 般 的 であるが 提 案 モデルでは 契 約 に 含 まれる 履 行 義 務 単 位 で 収 益 認 識 を 行 うこととなる わが 国 においても 財 又 はサービスが 区 別 できる 場 合 には 識 別 された 別 個 の 履 行 義 務 を 収 益 認 識 の 単 位 として 検 討 していくことが 適 当 であるが 財 又 はサービスが 区 別 できる 場 合 のガイダンスは 顧 客 への 財 又 はサービスの 移 転 を 忠 実 に 描 写 する 方 法 であるとともに 実 務 上 可 能 な 方 法 で 行 われるよう 引 き 続 き 明 確 化 の 検 討 が 必 要 である 3. 論 点 8 回 収 可 能 性 ( 信 用 リスク)の 収 益 への 反 映 について a. 提 案 モデルの 概 要 <ポイント> 取 引 価 格 の 算 定 に 当 たり 企 業 は 約 束 した 対 価 の 金 額 を 顧 客 の 信 用 リスクを 反 映 するように 減 額 し なければならない 従 って 履 行 義 務 を 充 足 した 時 に 企 業 は 受 け 取 ると 見 込 まれる 対 価 を 確 率 で 加 重 平 均 した 金 額 で 収 益 を 認 識 する 企 業 が 対 価 に 対 する 無 条 件 の 権 利 (すなわち 受 取 債 権 )を 取 得 し た 後 は 当 該 対 価 への 権 利 に 係 る 信 用 リスクの 評 価 の 変 動 による 影 響 は 収 益 以 外 の 損 益 として 認 識 する IASB 及 び FASB の ED では 多 くの 契 約 については 顧 客 の 信 用 リスクの 影 響 に 重 要 性 がないので 企 業 は 約 束 した 対 価 の 全 額 を 回 収 すると 予 測 することになる( 約 束 した 対 価 で 収 益 認 識 する)としてい 24

る b. 提 案 モデルに 係 る 設 例 c.わが 国 の 基 準 の 今 後 の 方 向 性 (ASBJ の 見 解 ) 提 案 モデルでは 信 用 リスクの 影 響 を 取 引 価 格 に 反 映 する( 収 益 を 減 額 する)としているが 契 約 に 重 要 な 財 務 要 素 が 含 まれる 場 合 を 除 き 収 益 は 約 束 した 対 価 で 認 識 し( 収 益 を 減 額 せず) 信 用 リスクの 影 響 は 収 益 とは 別 の 損 益 ( 貸 倒 引 当 金 繰 入 額 )として 認 識 することが 適 当 であると 考 えられる 現 行 のわが 国 の 実 務 では 商 品 の 割 賦 販 売 について 原 則 的 な 商 品 などの 引 渡 時 に 収 益 認 識 を 行 う 方 法 のほかに 割 賦 金 の 回 収 期 限 到 来 時 や 入 金 時 に 収 益 認 識 を 行 う 方 法 も 認 められている しかし 現 行 の 国 際 的 な 会 計 基 準 や 提 案 モデルではこのような 取 扱 いは 認 められていないため 本 論 点 整 理 の 認 識 及 び 測 定 の 原 則 に 基 づき 収 益 を 認 識 する 方 向 で 検 討 を 行 うことが 考 えられる 4. 論 点 9 取 引 価 格 の 算 定 に 当 たっての 見 積 りの 使 用 について a. 提 案 モデルの 概 要 <ポイント> 25

顧 客 が 固 定 額 の 対 価 を 支 払 うことを 約 束 し その 支 払 いが 約 束 した 財 又 はサービスの 移 転 と 同 時 又 は ほぼ 同 時 に 発 生 する 場 合 取 引 価 格 は 約 束 された 固 定 額 となる 一 方 割 引 リベート 返 金 クレジット インセンティブ 業 績 ボーナス/ペナルティー 偶 発 事 象 値 引 き 顧 客 の 信 用 リスク 又 はその 他 の 類 似 の 要 因 により 対 価 の 金 額 が 変 動 する 場 合 には 取 引 価 格 は 財 又 はサービスの 移 転 と 交 換 に 企 業 が 顧 客 から 受 け 取 ると 見 込 まれる 対 価 を 確 率 で 加 重 平 均 し た 金 額 を 反 映 したものとなる 企 業 は 取 引 価 格 を 合 理 的 に 見 積 ることができる 場 合 にのみ 履 行 義 務 を 充 足 した 時 に 収 益 を 認 識 し なければならない 取 引 価 格 を 合 理 的 に 見 積 ることができない 場 合 には 状 況 が 変 化 して 取 引 価 格 を 合 理 的 に 見 積 ることができるようになったときに 充 足 済 みの 履 行 義 務 について 収 益 を 認 識 しなければ ならない b. 提 案 モデルに 係 る 設 例 26

c.わが 国 の 基 準 の 今 後 の 方 向 性 (ASBJ の 見 解 ) わが 国 においても 取 引 価 格 ( 顧 客 と 約 束 した 対 価 ではなく 顧 客 から 受 け 取 ると 見 込 まれる 対 価 の 金 額 )に 基 づき 収 益 認 識 を 行 うという 基 本 的 な 考 え 方 については 国 際 的 な 会 計 基 準 とほぼ 同 様 であると 考 えられる 対 価 の 金 額 が 変 動 する 場 合 企 業 は 取 引 価 格 を 合 理 的 に 見 積 れる 場 合 にのみ 履 行 義 務 の 充 足 から 収 益 を 認 識 することは 適 当 であると 考 えられる しかし 生 じ 得 る 対 価 の 金 額 を 確 率 加 重 した 見 積 りは 契 約 に 従 って 生 じ 得 る 結 果 ではない 取 引 価 格 になる 場 合 があると 考 えられるため 全 ての 状 況 において 確 率 加 重 した 金 額 で 測 定 するかどうかに ついては 検 討 を 行 う 必 要 があると 考 えられる 27