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貧 血 とは 貧 血 とは 循 環 している 血 液 中 の 赤 血 球 数 が 少 ない 場 合 の 総 称 です 貧 血 になり 現 れる 症 状 として めまい 立 ちくらみ 顔 色 が 悪 い 動 悸 息 切 れ 頭 痛 食 欲 不 振 疲 れやすい などがあります 走 査 電 顕 で 見 た 赤 血 球 これらの 状 況 は 体 の 各 器 官 の 酸 素 不 足 によっておこる 症 状 で す 赤 血 球 は 酸 素 を 運 ぶ 大 事 な 役 割 をしていると 聞 いたことがある 方 は 多 いと 思 います 赤 血 球 内 に ヘモグロビン という 大 量 のタンパク 質 があり このヘモグロビンが 肺 を 通 過 するときに 酸 素 と 結 合 し 体 内 に 循 環 する 際 酸 素 が 足 りない 細 胞 に 酸 素 を 供 給 していま す 細 胞 組 織 に 酸 素 が 大 量 にあると 酸 素 は 供 給 せず 酸 素 が 少 ない 場 所 には 酸 素 量 が 十 分 になるように 供 給 します 細 胞 組 織 の 酸 素 量 は ヘモグロビンによって 調 整 されていま す ヘモグロビン 鉄 分 が 不 足 すると 貧 血 になる と 聞 かれた 方 も 多 いと 思 いますが ヘモグロビンの 中 には 鉄 分 (Fe²+)が 存 在 し この 鉄 分 が 酸 素 と 結 合 することにより 酸 をを 運 搬 す ることができています 貧 血 は 酸 素 を 各 器 官 へ 正 常 に 供 給 できていない 状 態 ですので 原 因 要 因 は 大 きく 分 けて 以 下 の 事 が 問 題 になります (1) 赤 血 球 が 正 常 に 作 られない (2)ヘモグロビンが 正 常 に 作 られない (3) 鉄 分 の 不 足 により 酸 素 供 給 機 能 が 正 常 ではない 大 きく 分 けると これらの 事 が 考 えられます -- - 1 - --
貧 血 の 原 因 とは 貧 血 の 原 因 は 赤 血 球 の 合 成 から 崩 壊 までの 間 多 くの 局 面 における 障 害 があるため 簡 単 にまとめます 鉄 欠 乏 性 貧 血 通 常 大 半 の 貧 血 と 診 断 される 場 合 は 鉄 欠 乏 性 貧 血 です ヘモグロビンを 生 成 するときの 鉄 分 が 不 足 して ヘモグロビンが 十 分 に 作 り 出 せな いために 場 合 です 体 内 の 鉄 の 総 量 は 4~5gであり その 約 3/4がヘモグロビン 内 の 鉄 約 1/4 が 肝 臓 脾 臓 骨 髄 腸 上 皮 等 で 貯 蔵 されており 残 りは 筋 肉 内 にあります 体 内 で 利 用 した 鉄 の 一 日 の 排 泄 量 は1mg 程 度 とわずかであり ほとんどは 再 生 利 用 されています そのため 一 日 の 鉄 の 吸 収 量 は 1mg 程 度 で 良 く 食 品 で 多 く 摂 取 しても 鉄 を 吸 収 する 速 度 は 遅 いため ほとんどは 吸 収 されないまま 排 出 されてしまいます 1mg 程 度 の 最 低 限 の 摂 取 量 が 足 りない 状 態 が 続 いた 場 合 に 貧 血 になります 失 血 性 貧 血 怪 我 などの 出 血 の 場 合 赤 血 球 自 体 が 減 少 しておこる 貧 血 です 女 性 は 月 一 回 の 月 経 で 約 20gの 鉄 を 失 うため 潜 在 的 な 鉄 の 欠 乏 状 態 にあるた めに 貧 血 になることがあります また 妊 娠 中 出 産 時 の 出 血 授 乳 のために 多 くの 鉄 分 が 無 くなるために 貧 血 にな ります 再 生 不 良 性 貧 血 血 液 は 骨 髄 で 作 られますが 骨 髄 の 欠 損 によりおこる 貧 血 です 例 えば 核 爆 弾 の 爆 発 によるγ 線 に 曝 露 (ばくろ)された 場 合 は 完 全 に 骨 髄 が 破 壊 をきたします γ 線 の 一 つに セシウムがなどがあります また 過 剰 なX 線 治 療 や 製 造 業 で 使 う 特 殊 な 薬 剤 でも 骨 髄 を 破 壊 することがあり ます 巨 赤 芽 球 性 貧 血 赤 血 球 やヘモグロビンの 生 成 に 欠 かせない 栄 養 素 ビタミンB12 や 葉 酸 等 が 不 足 し 赤 血 球 が 過 度 に 大 きくなるなるため 赤 血 球 の 必 要 数 が 作 られなくなり 極 度 の 赤 血 球 不 足 に 陥 り 貧 血 になります 胃 の 全 摘 手 術 後 の 貧 血 も 巨 赤 芽 球 性 貧 血 を 起 こします -- - 2 - --
溶 血 性 貧 血 赤 血 球 は 製 造 されてからの 寿 命 は 約 120 日 間 です この 赤 血 球 が さまざまな 理 由 で 早 く 寿 命 を 迎 える 場 合 です 製 造 の 早 さより 破 壊 される 早 さが 早 い 場 合 です 多 くは 遺 伝 的 なものになります これらのように 原 因 は 様 々ですが 先 天 性 や 事 故 怪 我 手 術 等 の 特 別 な 場 合 を 除 き 原 因 や 要 因 についてこの 書 籍 には 記 載 いたします 特 別 な 場 合 を 除 けば 貧 血 の 原 因 要 因 になるものがあります 鉄 分 不 足 ビタミンB12 葉 酸 不 足 肝 臓 の 機 能 低 下 ( 鉄 分 を 貯 蔵 する 機 能 の 低 下 を 招 く) 一 番 重 要 なことは 貧 血 の 症 状 は めまいやふらつきなど 各 器 官 細 胞 に 酸 素 が 正 し く 供 給 されていないためにおこっています 万 が 一 ヘモグロビン 量 が 足 りない 貧 血 の 状 態 でも 各 器 官 細 胞 に 酸 素 が 正 しく 供 給 されているのであれば めまいやふらつきの 症 状 は 発 症 しないことになります そのため 貧 血 と 診 断 されても 誰 が 見 ても 元 気 で 生 き 生 きしている 方 は 多 くいるこ とは 事 実 です 鉄 分 不 足 鉄 分 が 不 足 する 理 由 は 2 つあります 1 鉄 分 の 摂 取 不 足 2 鉄 分 の 吸 収 が 正 常 に 行 えない 1 鉄 分 の 摂 取 不 足 一 日 の 鉄 の 吸 収 量 は 1mg 程 度 なのですが 胃 からの 吸 収 速 度 が 遅 いために 男 性 で 7.0mg 女 性 で 6.0mgが 推 奨 されています -- - 3 - --
月 経 時 には 10.5mg 妊 娠 時 には 20mgが 推 奨 されています 鉄 を 含 む 食 品 を 取 り 入 れれば 良 いので 多 く 含 む 食 品 を 記 載 します レバー 卵 の 卵 黄 あおのり ひじき 等 が 多 く 含 まれます 味 噌 にも 含 まれていますので 好 き 嫌 いなく 和 食 を 食 べている 限 り 鉄 分 不 足 はおこ らないと 考 えていただければよいと 思 います 2 鉄 分 の 吸 収 が 正 常 に 行 えない 鉄 は 胃 から 吸 収 されますので 胃 の 機 能 が 正 常 ではない 場 合 吸 収 力 も 下 がります 胃 炎 や 胃 潰 瘍 など 頻 繁 に 胃 の 障 害 がある 場 合 は 胃 への 血 行 不 良 による 障 害 も 考 え られます 胃 への 血 行 不 良 障 害 については 後 で 記 載 します ビタミンB12 葉 酸 不 足 不 足 する 理 由 は 2 つあります 1 摂 取 不 足 2 吸 収 が 正 常 に 行 えない 1 摂 取 不 足 ビタミンB12 は 貝 類 を 始 め 魚 のり レバーなどに 多 く 含 まれます 葉 酸 は レバー ホウレンソウなどの 緑 野 菜 に 多 く 含 まれます 2 吸 収 が 正 常 に 行 えない ビタミンB12 は 胃 酸 の 働 きを 利 用 して 小 腸 で 吸 収 され 肝 臓 に 蓄 積 されます 葉 酸 は 小 腸 で 吸 収 され 肝 臓 に 蓄 積 されます 胃 の 障 害 腸 の 障 害 がある 場 合 吸 収 力 が 下 がります 肝 臓 の 機 能 低 下 ( 鉄 分 等 を 貯 蔵 する 機 能 の 低 下 を 招 く) 肝 臓 では 鉄 分 ビタミンB12 葉 酸 を 蓄 積 する 機 能 を 持 っています そのため 肝 臓 の 機 能 低 下 が 生 じた 場 合 貧 血 に 繋 がります 肝 臓 の 機 能 低 下 は 肝 臓 への 血 行 不 良 によりおこります 肝 臓 への 血 行 不 良 障 害 については 後 で 記 載 します -- - 4 - --
胃 小腸 肝臓の血行不良障害とは 人体の各器官は 酸素や栄養を必要とします 胃や小腸等は 食物を消化し栄養素を吸収する大事な役割を果たしています 食品を消化し栄養を吸収する際には 空腹時よりもさらに多くの血液を利用しますが 空腹時と同じ量の血液量では 栄養や酸素が足りないために十分な働きができないこ とになります また肝臓も同様 必要量の血液が供給されない場合は 機能を十分に果たせません 痛みやしびれの場合 筋肉が緊張すると筋肉内の血管が圧迫され 血行不良がおきる ことは周知のことと思います しかし 内臓の場合 筋肉の緊張により血管の圧迫がおこり 血行不良がおこってい ることは考えにくいことなのです 図 臨床のための解剖学 -- - 5 - -- より
食 事 について 食 生 活 に 大 きく 偏 りがある 場 合 筋 肉 への 栄 養 も 偏 り 代 謝 や 老 廃 物 の 排 出 が 正 常 に 行 えなくなります 貧 血 の 原 因 の 一 つとして 鉄 分 不 足 がありますが 鉄 分 だけ 大 量 に 摂 取 しても 吸 収 や ヘモグロビンの 生 成 が 正 常 になるわけではありません 数 多 くの 栄 養 素 が 関 係 して 各 臓 器 は 正 常 に 機 能 していることを 理 解 してください 健 康 的 でバランスの 良 い 食 事 とは 6つの 基 礎 食 品 群 をバランス 良 く 摂 取 するこ とです 6つの 基 礎 食 品 群 とは 第 1 群 魚 肉 卵 大 豆 大 豆 食 品 第 2 群 牛 乳 乳 製 品 海 藻 小 魚 類 第 3 群 緑 黄 色 野 菜 第 4 群 淡 色 野 菜 果 物 第 5 群 米 パン めん 穀 類 いも 類 砂 糖 第 6 群 油 脂 類 脂 肪 の 多 い 食 品 多 忙 な 毎 日 の 中 で これだけの 食 品 の 品 目 を 把 握 して 毎 日 バランスよく 食 べるのは とても 難 しいことだと 思 います 鉄 分 に 関 して 言 えば 多 くの 食 品 に 含 まれていますのでいろいろな 種 類 の 食 品 を 摂 取 すれば それほど 気 にする 必 要 はありません インスタント 食 品 や スナック 菓 子 等 偏 った 食 生 活 は 止 めて より 多 くの 食 品 をバ ランス 良 く 摂 るように 心 がけてください サプリメントに 頼 る 多 くの 方 は サプリメントだけで 十 分 だと 錯 覚 し 食 事 をおろそ かにしがちになり その 他 の 栄 養 素 を 摂 取 できないことが 多 く 病 気 になる 方 が 多 い ので 私 はお 勧 めはしていません -- - 7 - --
筋 肉 の 緊 張 とは 筋 肉 が 緊 張 しているときは 筋 肉 に 縮 む 力 が 働 くために 筋 肉 内 の 血 管 を 圧 迫 します 筋 肉 を 緊 張 させている 緊 張 成 分 が 筋 肉 から 排 出 されず 滞 るため いつまでも 筋 肉 は 緊 張 し 続 けます そして 緊 張 した 筋 肉 は 伸 縮 しづらいため その 周 辺 の 筋 肉 は 今 まで 以 上 の 運 動 を 必 要 とし さらに 緊 張 し 続 けます 緊 張 する 筋 肉 の 範 囲 ( 体 積 )は どんどん 大 きくなります まさに 悪 循 環 この 悪 循 環 を 繰 り 返 し 筋 肉 内 を 通 っている 神 経 の 圧 迫 がおこり 始 めます この 神 経 の 圧 迫 で 内 臓 へ 通 っている 神 経 の 伝 達 機 能 障 害 がおこります -- - 8 - --