筑 波 技 術 短 期 大 学 テクノレポートVoI9(2)Nov2002 大 学 生 におけるビタミン ミネラルの 認 知 度 調 査 一 筑 波 技 術 短 期 大 学 学 生 栄 養 学 科 学 生 その 他 一 般 大 学 生 との 比 較 一 跡 見 学 園 女 子 大 学 短 期 大 学 部 家 政 科 ') 筑 波 技 術 短 期 大 学 鍼 灸 学 科 2) 栗 畑 亜 j 紀 子 ') 今 中 正 美 ') 道 本 千 衣 子 ')- 幡 良 利 2) 要 旨 : 今 回 筑 波 技 術 短 期 大 学 学 生 栄 養 学 科 学 生 その 他 一 般 大 学 生 を 対 象 として 11 種 類 の 栄 養 素 について 認 知 度 や 必 要 度 に 関 する 項 目 を 中 心 にアンケート 調 査 を 行 い 健 康 栄 養 関 係 の 情 報 はどの 程 度 認 知 され 日 常 の 食 生 活 に 影 響 を 及 ぼしているのかなどを 検 討 した その 結 果 顕 著 な 差 は 見 られな かったものの 筑 波 技 術 短 大 の 学 生 栄 養 学 を 専 攻 する 学 生 他 の 学 生 の 順 に 栄 養 に 関 する 意 識 や 知 識 が 高 くなっており 食 品 の 摂 取 頻 度 も 多 い 傾 向 にあることがわかった キーワード:ビタミンミネラル 認 知 度 食 事 調 査 大 学 生 1.はじめに わが 国 の 食 生 活 は 戦 後 急 激 に 変 化 した それまで 主 な エネルギー 源 は 炭 水 化 物 がであったカミ 脂 質 動 物 ` 性 たん ぱく 質 の 割 合 が 増 加 し 理 想 的 とされた 日 本 型 食 生 活 から 欧 米 型 へと 移 行 してきた これに 伴 って 日 本 人 の 平 均 的 体 格 は 向 上 したカミー 方 で 生 活 習 慣 病 が 深 刻 になり 医 療 制 度 の 改 定 にまで 発 展 するなど 多 くの 問 題 を 抱 えている この 対 策 として 近 年 では = 次 予 防 の 動 きが 活 発 にな り 病 気 になってから 治 療 するのではなく 病 気 にならな い 生 活 を 心 がけるよう 一 般 大 衆 に 広 く 呼 びかけている その 結 果 新 聞 雑 誌 テレビなどのマスメディアを 通 し て 日 常 的 に 健 康 増 進 健 康 總 寺 に 関 する 食 情 報 が 得 られる ようになった また 市 場 では 食 品 に 特 定 の 栄 養 素 を 強 化 し てその 栄 養 素 を 大 々 的 に 宣 伝 したり 食 品 を 摂 取 すること によって 期 待 される 効 果 を 表 示 したりするものも 多 く 見 受 けられるようになった 2001 年 度 に 行 った 先 の 調 査 では この 社 会 的 な 状 況 を 受 けて どのような 栄 養 素 に 関 する 情 報 が 最 も 認 知 されているのか またそれらの 情 報 は 食 事 の 摂 取 状 i 兄 に 実 際 に 影 響 を 及 ぼしているのかなどについて 10 代 から70 代 までの 首 都 圏 在 住 者 歓 橡 にアンケート 調 査 を 行 い 考 察 を 試 みた 結 果 40 代 50 代 女 性 は 特 に 食 事 が 健 康 に 及 ぼす 効 果 に 対 して 興 味 があり 栄 養 素 に 対 する 認 識 率 も 高 く 実 際 の 食 事 も 比 較 的 バランスのとれたもの を 摂 取 しているのに 対 して 10 代 20 代 の 学 生 では 認 識 率 食 事 状 況 とも 低 い 結 果 となった これは10 代 20 代 で は 健 康 よりも 見 た 目 の 美 しさなどに より 関 心 が 置 かれ ているためではないかと 考 察 した 今 回 は 新 たに 生 活 環 境 の 異 なった 筑 波 技 術 短 大 の 学 生 を 加 え 前 回 と 同 様 ビタミ ン 及 びミネラルの 必 要 度 や 認 知 度 を 中 心 にしたアンケート 調 査 を 実 施 し 認 知 度 と 食 事 の 繍 j( 頻 度 の 関 係 を 中 心 に 検 討 した 2. 調 査 方 法 および 内 容 時 期 : 栄 養 学 科 の 学 生 ( 以 下 栄 養 学 科 学 生 とする)およびそ の 他 一 般 大 学 生 ( 以 下 一 般 学 生 とする)は2001 年 7 月 ~9 月 に 行 い 筑 波 技 術 短 期 大 学 視 覚 部 の 学 生 ( 以 下 筑 波 学 生 とする)は2002 年 5 月 に 行 った ス 橡 : 栄 養 科 学 生 130 名 一 般 学 生 132 名 および 筑 波 学 生 24 名 方 法 : 授 業 時 にアンケート 用 紙 を 配 布 し 自 記 記 入 式 で 行 った 内 容 : 第 六 次 改 定 日 本 人 の 栄 養 所 要 量 で 新 たに 策 定 され たミネラルのうち 亜 鉛 銅 マンガン 以 前 から 所 要 量 が 策 定 されていた カルシウム 鉄 また 同 時 に ビタミンから ビタミンA ビタミ ンB, ビタミンB2 ビタミンq ビタミンD ビタミンE のあわせて11 種 類 の 栄 養 素 に 関 して その 認 知 度 と 食 事 の 摂 取 状 況 を 中 心 にアンケート 調 査 を 実 施 した 調 査 預 目 1 脇 U2 家 族 構 成 3 身 長 体 重 ダイエット 実 施 状 況 4 主 観 的 健 康 感 および 日 頃 の 健 康 状 況 5 栄 養 に 関 する 情 報 源 6ビタミン ミネラルの 必 要 度 7ビタ ミン ミネラルの 認 知 度 8 食 品 群 別 摂 取 頻 度 9サプリ メントの 摂 取 状 況 3. 結 果 および 考 察 1 性 別 家 族 構 成 筑 波 学 生 は 男 子 16 名 女 子 8 名 全 員 が 一 人 暮 らしであ った 栄 養 学 科 学 生 は 女 子 130 名 で このうち121 名 が 家 族 同 居 9 名 が 一 人 暮 らしである 一 般 学 生 は 男 子 3 名 女 子 129 名 で 112 名 が 同 居 17 名 が 一 人 暮 らしであった 今 回 の 調 査 ではサンプル 数 の 大 幅 な 相 違 が 見 られる 爪 この 影 響 を 考 慮 し 検 討 した 59
2 身 長 体 重 BM 身 長 体 重 からBMを 算 出 した 結 果 を 図 lに 示 した BIVu18.5 以 上 25 未 満 は 日 本 肥 満 学 会 が 定 義 する 肥 満 度 で 普 通 とされている 筑 波 学 生 は この 分 類 に 属 する 者 が 約 80%となっており 栄 養 学 科 学 生 の 約 60% 一 般 学 生 の70%に 比 べて 割 合 が 多 くなっている 爪 先 の 調 査 による と 男 性 は 一 般 にBMが 高 い 傾 向 にあったため 今 回 の 調 査 で 男 子 学 生 の 割 合 が 多 かった 筑 波 学 生 のBIImも 高 くな ったと 考 えられる 近 年 若 い 女 性 のやせ 願 望 力 澗 題 になっているカミ 今 回 の 調 査 でも 女 子 学 生 の やせ に 属 する 割 合 は 非 常 に 高 くなっている ユ 円 5K 雁 HUXUUL ロ0 個 1.2 個 3,4 個 5 個 以 上 図 2 日 頃 の 身 体 状 況 ( 不 定 愁 訴 数 ) 5 栄 養 に 関 する 情 報 源 栄 養 に 関 する 情 報 源 をどこから 得 ているかとの 問 いに 対 して どの 群 も テレビ の 割 合 が 多 く ついで 授 業 家 族 や 友 達 から 聞 いた という 回 答 が 多 かった( 図 3) 筑 波 学 生 では インターネット と 回 答 している 割 合 が 8.5%と 他 の 学 生 が0.6%や0.7%となっているのに 比 べて 有 意 に 多 くなっている p<0.01**, 疵 フ 氏 q[ 廃 Ⅸ 児 H 庇 ⅢRn 3ダイエット 実 施 状 況 ダイエットをしているかとの 問 いに 対 して 栄 養 学 科 学 生 で 約 33.1% 一 般 学 生 で43.2%が 実 施 していると 回 答 し た 一 方 筑 波 学 生 は16.7%にとどまった これも 男 子 学 生 の 割 合 が 多 いことが 考 えられる 4 主 観 的 健 康 感 および 日 頃 感 じている 不 定 愁 訴 主 観 的 健 康 感 については 非 常 に 健 康 まあまあ 健 康 ふつう あまり 健 康 でない まったく 健 康 でない の 5 段 階 に 分 類 した 健 康 を 感 じている 割 合 は 一 般 学 生 に 多 少 多 くなっていたものの どの 群 もほぼ 同 じ 割 合 となって おり 非 常 に 健 康 ]が 約 10% まあまあ 健 康 と 回 答 した 者 力 豹 30% 普 通 と 回 答 した 者 力 豹 30% あまり 健 康 でない まったく 健 康 でない と 回 答 した 者 があわせて 30%であった さらに 日 頃 感 じている 不 定 愁 訴 について 聞 いたところ 図 2に 示 すように 筑 波 学 生 は 不 定 愁 訴 の 数 が 少 なかった 不 定 愁 訴 の 項 目 としては 全 体 では 疲 労 がたまりやすい (50.0%) いらいらする (31.8%) 体 力 減 退 (43.7%) 晴 こり (50.4%) Ⅲ 荒 れ (42.0%)など の 割 合 が 多 くなっているが 筑 波 学 生 では 肩 こり の 割 合 が 他 に 比 べて 多 く HL 荒 れ や いらいらする の 割 合 は 少 なくなっていた 養 般 栄 一 F-D 圏 ヅHI- Ⅶ 0%20%40%60%80%100% ロ 授 業 圏 雑 誌 ラジオ 曰 友 人 や 家 族 から 聞 いた 新 聞 ロテレピ インターネット ロその 他 図 3 栄 養 に 関 する 情 報 源 6ビタミン ミネラルの,12 要 度 ビタミンA ビタミンB, ビタミンB2 ビタミン C ビタミンD ビタミンE カルシウム 鉄 亜 鉛 開 マンガン の11 種 類 の 栄 養 素 についてその 必 要 性 をたずねた 非 常 に 必 要 を5, まあまあ 必 要 を4 普 通 を3, あまり 必 要 でない を2 まったく 必 要 でない をlとして 集 計 した その 結 果 は 剛 に 示 した ど の 群 もIZ 要 と 感 じている 割 合 が 最 も 高 いのは カルシウ ム で ついで ビタミンc 鉄 となっている 新 た に 所 要 量 が 策 定 された 亜 鉛 駒 マンガン などは 後 述 するように 認 知 度 も 比 轍 ウ 低 くなっているが 同 様 に 必 要 と 感 じている 割 合 も 低 くなっている 筑 波 学 生 において ビタミンA にス Iする412 要 度 が 他 に 比 べて 多 くなっているのは ビタミンA が 視 機 能 に 関 与 するといわれており 視 機 能 の 維 持 のために 必 要 と 考 えて いる 学 生 が 多 いためと 考 えられる ビタミンC の 必 要 度 が 高 いのは ビタミンC の 美 肌 効 果 を 期 待 するものが 多 いためではないかと 推 察 した } 60
八 - 大 学 生 におけるビタミン ミネラルの 認 知 度 調 査 ビタミン 広 報 センターによる 調 査 の 結 果 によると ビタミ ンCの 効 果 として 肌 を 白 くする という 項 目 の 認 知 度 が 風 邪 の 予 防 に 次 いで 多 くなっている[1] そのため 特 に 女 子 学 生 の 多 い 栄 養 学 科 学 生 と 二 股 学 生 の 必 要 度 が 高 い 割 合 になったと 考 えられる 4.5 3.5 3 2.5 2 1.5 E 0.5 0 - --, ベハ 師 年 国 八 W 午 凹 印 画 八 W 年 幻 八 午 型 ロハ 午 型 四 八 いⅢ ぐく ハムヘ 侯 繕 鴛 悪 図 4ビタミン ミネラルの 必 要 度 7ビタミン ミネラルの 認 知 度 必 要 度 と 同 じく11 種 類 の 栄 養 素 について 各 5つの 設 問 を 設 定 し それらについて 知 っているものには 印 をつける という 方 法 で 行 った 5つの 設 問 の 内 容 はそれぞれの 栄 養 素 の 体 内 での 働 き 多 く 含 まれている 食 品 欠 乏 症 につい てなどである 全 体 を 見 てみると 結 果 は 必 要 度 と 同 じく カルシウム が 最 も 高 くなっており 5 個 の 設 問 中 平 均 4 個 について 知 っていると 答 えていた 次 に 鉄 の 認 知 度 が 高 くなって いた カルシウムは 成 長 期 の 骨 の 形 成 に 欠 かせない 物 質 であること 鉄 は 特 に 女 性 の 貧 血 に 深 くかかわりがある ことが 広 く 知 られており 欠 乏 症 力 顕 著 に 表 れるため 特 に 意 識 している 人 が 多 いと 考 えられる また 必 要 度 と 同 様 亜 鉛 銅 マンガン の 認 知 度 は 低 くなっていた( 図 5) これらの 栄 養 素 は 近 年 になってよ うやく 人 体 での 生 理 作 用 やその 欠 乏 症 などiが 解 明 され 第 六 次 改 定 日 本 人 の 栄 養 所 要 量 に 正 式 な 値 が 示 されるように なった これを 受 けて 新 聞 や 雑 誌 市 販 食 品 の 栄 養 表 示 などにもミネラル 類 が 多 く 取 り 上 げられるようになってき ている 今 後 これらの 栄 養 素 の 認 知 度 も 次 第 に 増 加 する ことが 考 えられる / - 所 属 別 では 筑 波 学 生 と 栄 養 学 科 学 生 は 一 般 学 生 に 比 べてどの 栄 養 素 に 関 してもやや 認 知 度 が 高 く 総 合 すると 筑 波 学 生 の 認 知 度 が 最 も 高 かった これらの 学 生 は 健 康 に 対 する 意 識 がより 高 いと 推 察 することができる またここ でも 筑 波 学 生 は ビタミンAlの 認 知 度 が 高 くなっており 必 要 度 と 同 様 の 考 察 をすることができる 入 嶺 ハド 5545352 4 32 ベハw 午 国 人 年 三 jjlu 図 5ビタミン ミネラルの 認 知 度 3 食 品 群 別 摂 取 頻 度 印 八 W 午 A 年 ロハ 岬 早 四 八 年 凶 到 おふ 当 枳 撹 露 辱 悪 八. 徳 ふか0 E 三 雲 食 品 を16の 群 に 分 類 し 摂 取 する 頻 度 を 質 問 した 集 計 は 毎 日 食 べる を5, 週 2~3 回 食 べる を4, 個 1 回 食 べる を3, 月 1 回 食 べる を2 ほとんど 食 べな い を1として 合 計 し 平 均 値 を 示 した 全 体 を 見 ると どの 群 も 同 じ 傾 向 を 示 し 白 飯 卵 類 精 肉 類 野 菜 類 の 摂 取 頻 度 が 高 く いも 類 魚 介 類 豆 類 牛 乳 や 乳 製 品 果 物 海 藻 類 の 摂 取 頻 度 は 低 くなっていた ( 図 6) ニヒ 今 --ユノノ2 Ⅱ 己 ~5 房 ろ. 泊 = 所 属 別 に 見 てみると 栄 養 学 科 学 生 と 一 般 学 生 に 比 べて 筑 波 学 生 の 摂 取 頻 度 はやや 低 くなっている これは 栄 養 学 科 学 生 や 司 股 学 生 は 家 族 と 同 居 し 食 事 を 作 ってもら える 環 境 にあるのに 対 して 筑 波 学 生 は 一 人 暮 らしが100% を 占 めていることが 影 響 していると 考 えられる 先 の 調 査 で 10 代 から70 代 までの 調 査 結 果 を 分 析 した 結 果 10 代 よりも40 代 50 代 の 方 が 健 康 に 対 しても 食 生 活 に 対 しても 関 心 を 持 ち 認 知 度 も 高 く 食 品 の 摂 取 頻 度 も 高 く なっていた また 一 人 暮 らしよりも 家 族 と 同 居 している 者 の 方 が 食 品 の 摂 取 頻 度 も 高 くなっていた 海 外 の 調 査 で も 同 様 に 家 族 で 食 事 をすることが 子 供 の 食 の 質 を 高 める と 述 べられている[2] このことを 考 慮 に 入 れて 考 えると 筑 波 学 生 の 摂 取 頻 度 が 一 般 学 生 に 比 べて 低 くなっていたの ではないかという 推 測 ができる この 仮 定 から 次 に 一 人 暮 らし 者 のみを 抽 出 してみた 結 果 を 図 7に 示 した 一 人 暮 らしの 場 合 では 筑 波 学 生 と 栄 養 学 科 学 生 は 一 般 学 生 に 比 べて 食 事 摂 取 頻 度 が 高 い 傾 向 にあり 特 に 筑 波 学 生 はどの 食 品 群 についても 平 均 的 に やや 摂 取 頻 度 が 高 くなっている この 結 果 から 栄 養 素 に 関 する 認 知 度 が 高 いだけでなく 型 舌 の 中 に 根 付 いているこ とがわかる = グラフには 示 していない 力 ミサプリメントの 摂 取 頻 度 は 筑 波 学 生 が 最 も 低 くなっている 栄 養 は 食 品 から 摂 取 し サプリメントには 頼 らないという 傾 向 がうかがえる 家 族 と 同 居 の 場 合 と 一 人 暮 らしの 場 合 で 摂 取 頻 度 に 大 きな 差 があるのは 魚 介 類 や 加 工 魚 介 類 果 物 である 魚
介 類 は 精 肉 類 に 比 べて 調 理 操 作 が 煩 雑 だったり 調 理 法 にレパートリーがないなどの 理 由 で 摂 取 頻 度 が 低 くなる と 考 えられる その 他 一 般 学 生 では 一 人 暮 らし 者 の 白 飯 摂 取 頻 度 は 減 少 し かわりにパンの 摂 取 頻 度 は 増 加 して いる これは パンはさまざまな 種 類 があり そのまま 手 軽 に 食 べられるという 理 由 からではないかと 考 えられる またこの 群 では 精 肉 類 仰 類 がほかに 比 べて 摂 取 頻 度 が 低 くなっている これはこの 群 の 学 生 にダイエット 実 施 者 が 多 いことも 関 係 しているのではないかと 思 われる この 結 果 を 考 え 合 わせると 筑 波 学 生 は 健 康 に 対 する 意 識 が 高 く 栄 養 に 関 する 知 識 度 も 他 の 群 に 比 べて 高 い 傾 向 にあり 日 常 生 活 の 面 でさまざまな 栄 養 素 を 摂 取 しようと 実 践 していると 考 えられる 図 6 食 品 群 別 摂 取 頻 度 ( 全 体 ) とが 多 くなり 健 康 管 理 に 対 して 若 年 者 以 上 に 関 心 が 高 い ためと 考 えることができる しかしながら 筑 波 学 生 は 健 康 に 関 する 意 識 が 高 く ビタミンA にi Iする 必 要 度 認 知 度 が 特 に 高 い 割 合 になっていたことや どの 群 の 学 生 も カルシウム や 骨 に 対 する 認 識 が 高 いこと 女 子 学 生 に 特 に ビタミンC に 対 する 認 識 が 高 いことなどを 考 える と 現 在 の 自 分 にとって 特 に 必 要 な 栄 養 素 に 関 しては 認 知 度 が 高 いことがわかる これは 当 然 のことといえるが 人 体 に 必 要 な 栄 養 素 は 数 十 種 類 にも 上 っており これらが 複 雑 に 絡 み 合 ってわれわれの 生 命 活 動 を 維 持 しているのであ るにもかかわらず それらには 関 心 が 払 われていないこと が 今 回 の 調 査 から 読 み 取 ることができる とくに 一 部 を 除 くミネラル 類 は 認 知 度 も 非 常 に 低 い ミ ネラルは 多 くの 酵 素 合 成 に 必 要 とされ 代 謝 に 欠 かせない 物 質 であるため 欠 乏 すると 成 長 障 害 などを 引 き 起 こす 特 に 新 陳 代 謝 の 激 しい 若 年 者 には 必 要 不 可 欠 な 栄 養 素 であ る 日 常 の 食 生 活 ではこれらの 栄 養 素 の 欠 乏 症 は 現 れない とされているカミ 年 々ミネラルの 主 な 給 源 である 穀 類 の 摂 取 量 は 減 少 しており[3] さらに 吸 収 阻 害 物 質 を 多 く 含 む 加 工 食 品 の 摂 取 量 が 増 えていることなどから 欠 乏 症 のリス クは 高 くなっている 個 人 個 人 が 人 体 に 必 要 な 栄 養 素 を 意 識 して 考 えて 摂 取 しなければ 欠 乏 することも 考 えられる 栄 養 素 の 認 知 度 と 摂 取 度 の 関 係 についてみると 認 知 度 が 高 いほど 食 品 の 摂 取 頻 度 も 有 意 に 高 くなっていること がわかった( 図 8) さらに 食 品 の 摂 取 頻 度 の 高 率 な 群 の 方 がやや 日 頃 の 不 定 愁 訴 数 力 沙 なくなっていた ( 図 9) われわれの 食 事 は 一 日 3 回 - 年 365 日 繰 り 返 されている 毎 日 の 良 好 な 食 生 活 の 積 みかさねカミ 重 要 であることは 言 うまでもない 今 回 の 調 査 は 丈 橡 者 の 健 康 及 び 栄 養 に 関 する 意 識 及 び 知 識 をさらに 高 め 実 践 するためのきっかけ となったのではないだろうか われわれは 健 康 栄 養 そ の 実 践 に 関 する 正 しい 情 報 の 重 要 性 について 再 確 認 した XU-L 図 7 食 品 群 別 摂 取 量 ( 一 人 暮 らし) 4.まとめ 今 回 の 調 査 結 果 から 必 要 度 認 知 度 食 品 の 摂 取 状 況 について 筑 波 学 生 栄 養 学 科 学 生 一 般 学 生 の 間 で 顕 著 な 差 は 認 められなかった 先 の10 代 から70 代 までに 行 った 同 様 のアンケートでは 年 代 間 にこれらの 有 意 差 が 見 られ たことから 栄 養 に 関 する 知 識 や 関 `し 度 の 違 いは 生 活 環 境 の 違 いよりも 年 齢 によって 決 まる 傾 向 にあることがわ かった これは 年 齢 が 高 くなるにつれ 体 の 不 調 が 増 すこ Zu5fGH 刀 Ⅲ 10m 図 8 栄 養 素 の 認 知 度 別 食 品 摂 取 頻 度 62
大 学 生 におけるビタミン ミネラルの 認 知 度 調 査 図 9 食 品 摂 取 頻 度 と 日 頃 の 健 康 状 況 ( 不 定 愁 訴 の 勤 参 老 巧 if [1]ビタミン 広 報 センター ビタミン 認 知 調 査 2001 [2]GillmanMWetal.,Familydinneranddietqualm/among olderchildlmandadolescents AIdDivesofFamily Medicine9235-240,2000 [3] 戦 後 昭 和 の 栄 養 動 向 国 民 栄 養 調 査 40 年 を 振 り 返 る 第 一 出 版 東 京, 63
Tsukuba College of Technology Techno Report, 2002 Vol. 9 (2) A Survey about the Knowledge and usage of Vitamins and Minerals for College Students The differences among the three groups of students, those of Tsukuba College of Technology, those who are majoring nutrition and other students KURIHATAAkiko1), MANAKAMasami1), DOMOTOChieko1), ICHIMANYoshitoshi2) 1) Department of Home Economics, Atomi Junior College 2) Department of Acupuncture, Tsukuba College of Technology Abstract'. In order to clarify how well students understand information regarding health and nutrition, and how they apply the knowledge in their daily eating habits, we conducted a survey by sending out questionnaires to three groups of students; those of Tsukuba College of Technology (TCT), those who are majoring nutrition and other students. In the questionnaires, we tried to clarify the depth of the knowledge and usage of 11 kinds of nutrients, such as vitamins and minerals. As a result, although there are not remarkable differences among the three groups, it can be said that students of TCT are the best, both in the knowledge and the intake of those nutrients, and students who are majoring in nutrition are the second. Key Words : Vitamins, Minerals, Knowledge, Questionnaires, College Students 64