高 齢 者 等 の 居 室 内 での 死 亡 事 故 等 に 対 する 賃 貸 人 の 不 安 解 消 に 関 する 調 査 < 概 要 版 > 1. 調 査 目 的 民 間 賃 貸 住 宅 において 賃 貸 人 が 高 齢 者 等 の 入 居 を 制 限 する 実 態 が 見 られ その 理 由 として 家 賃 の 支 払 い 居 室 内 での 死 亡 事 故 等 等 への 賃 貸 人 の 不 安 が 挙 げられている 今 後 増 加 が 見 込 まれる 高 齢 単 身 世 帯 等 の 民 間 賃 貸 住 宅 への 円 滑 な 入 居 を 促 進 する 上 では 上 記 賃 貸 人 の 不 安 を 解 消 する 必 要 がある 本 調 査 では 賃 貸 人 の 不 安 とその 要 因 を 分 析 するとともに 賃 貸 人 の 不 安 解 消 のための 対 応 策 として 保 証 保 険 や 見 守 りが 有 効 との 仮 説 を 設 定 し これらの 利 用 に 関 するニーズや 実 態 を 把 握 課 題 を 整 理 し その 普 及 促 進 方 策 を 検 討 した 2. 論 点 資 産 収 入 が 限 られ かつ 身 寄 りのない 高 齢 者 が 民 間 賃 貸 住 宅 に 入 居 する 際 の 賃 貸 人 にとっ ての 不 安 は 具 体 的 に 何 か 特 に 死 亡 事 故 そのものへの 心 理 的 不 安 と 死 亡 事 故 等 に 伴 う 金 銭 的 不 安 なかでも 残 置 物 の 処 分 や 居 室 内 修 繕 その 後 の 空 室 期 間 の 発 生 等 の 何 が 問 題 か 上 記 への 対 応 策 として 保 証 保 険 見 守 り 等 のサービスが 考 えられるが これらの 利 用 の 現 状 改 善 すべき 課 題 は 何 か 3. 前 提 1( 検 討 の 対 象 とするサービスとその 提 供 主 体 ) 高 齢 者 の 住 宅 確 保 を 取 り 巻 くサービスとして 住 宅 高 齢 者 支 援 金 融 的 商 品 の 大 きく3 分 野 が 存 在 する 本 調 査 では 民 間 賃 貸 住 宅 を 対 象 とし そこでの 高 齢 者 の 入 居 に 関 わるサービス 関 係 主 体 の 現 状 について 居 室 内 での 死 亡 事 故 との 関 わりの 深 い 家 賃 債 務 保 証 保 険 等 と 見 守 りに 着 目 して 把 握 する その 際 公 営 住 宅 やサービス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 とは 異 なる 民 間 賃 貸 住 宅 の 特 性 を 考 慮 することが 必 要 である 住 宅 公 的 住 宅 民 間 賃 貸 住 宅 サービス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 その 他 行 政 公 的 事 業 者 ( 公 営 UR 公 社 ) 賃 貸 人 管 理 業 者 仲 介 業 者 入 居 者 金 融 的 商 品 家 賃 債 務 保 証 ( 死 亡 事 故 対 応 ) 保 険 ( 死 亡 事 故 対 応 ) 等 高 齢 者 支 援 配 食 サービス 見 守 り( 訪 問 センサーほか) 訪 問 介 護 診 療 看 護 生 活 支 援 サービス その 他 行 政 介 護 等 事 業 者 NPO 等 家 賃 債 務 保 証 会 社 保 険 会 社 図 検 討 の 対 象 とするサービスとその 提 供 主 体 1
4. 前 提 2( 死 亡 事 故 に 対 応 したサービス 商 品 の 概 要 ) 賃 貸 住 宅 における 死 亡 事 故 を 対 象 にした 保 険 及 び 家 賃 債 務 保 証 の 商 品 死 亡 事 故 の 防 止 や 発 見 に 効 果 が 見 込 まれる 見 守 りサービスの 現 状 を 整 理 した 保 険 保 険 は 賃 貸 人 や 管 理 会 社 が 契 約 し 入 居 者 の 死 亡 によって 発 生 する 住 戸 の 汚 損 等 の 原 状 回 復 費 用 や 残 置 物 処 理 費 用 を 補 償 する 商 品 ( 次 表 A)と 家 財 保 険 の 特 約 として 賃 借 人 が 契 約 する 商 品 ( 次 表 B)と 契 約 主 体 から 見 て2 通 りの 損 害 保 険 がある これに 加 えて 生 命 保 険 のスキー ムを 活 用 して 賃 貸 人 や 管 理 会 社 が 契 約 し 入 居 者 の 死 亡 時 に 葬 儀 費 用 も 含 めて 賃 貸 人 に 支 払 わ れる 商 品 ( 次 表 A2)も 存 在 する ただし 全 ての 種 類 のリスクを 対 象 とする 商 品 は 存 在 せず それぞれ 以 下 の 特 徴 がある A1 賃 貸 人 管 理 会 社 が 契 約 する 損 害 保 険 は 原 状 回 復 費 用 に 加 えて 事 故 後 の 空 室 家 賃 家 賃 減 額 分 を 補 償 するものが 多 い 賃 貸 人 等 が 自 らのリスク 判 断 に 基 づいて 保 険 に 加 入 するため リスクの 認 識 が 低 い 場 合 には 加 入 する 動 機 付 けが 弱 くなる A2 賃 貸 人 管 理 会 社 が 契 約 する 生 命 保 険 は 原 状 回 復 費 用 及 び 葬 儀 費 用 を 補 償 するものであ り 商 品 はまだ 少 ない 賃 貸 人 等 のリスク 認 識 に 基 づく 加 入 判 断 に 加 え 賃 借 人 の 同 意 が 必 要 になり 加 入 のハードルは 高 くなる B3 賃 借 人 が 契 約 する 家 財 保 険 は 家 財 に 加 えて 特 約 として 死 亡 事 故 に 伴 う 原 状 回 復 の 修 繕 残 置 物 処 理 を 補 償 対 象 としており 保 険 金 の 上 限 額 は1 2と 比 べて 低 い 傾 向 にある また 賃 借 人 にとって 死 亡 事 故 にかかる 補 償 については 事 故 後 に 賃 借 人 の 相 続 人 等 が 支 払 うことにな る 賃 貸 人 への 損 害 賠 償 に 備 える 保 険 であり 加 入 する 動 機 付 けは 弱 いと 考 えられる また 賃 借 人 の 相 続 人 が 賃 借 人 が 生 前 に 契 約 していた 保 険 を 把 握 していないことにより 保 険 金 の 請 求 を しない 恐 れもある 家 賃 債 務 保 証 家 賃 債 務 保 証 は 賃 借 人 と 家 賃 債 務 保 証 会 社 と 賃 貸 人 の3 者 で 契 約 し 賃 貸 借 契 約 期 間 中 ( 契 約 から 明 渡 しまで)の 家 賃 不 払 いを 家 賃 債 務 保 証 会 社 が 立 て 替 え 後 日 入 居 者 または 入 居 者 死 亡 時 の 相 続 人 に 求 償 することを 主 サービスとするが 入 居 者 の 死 亡 によって 発 生 する 住 戸 の 汚 損 等 の 原 状 回 復 費 用 や 残 置 物 処 理 費 用 を 立 て 替 える 商 品 も 存 在 する こうした 死 亡 事 故 に 対 応 した 家 賃 債 務 保 証 商 品 は 死 亡 事 故 後 の 明 渡 しまでの 滞 納 家 賃 についても 保 証 される 家 賃 債 務 保 証 会 社 は 賃 借 人 及 び 相 続 人 への 求 償 を 行 うため 保 証 料 は 賃 借 人 が 負 担 するが その 水 準 は 保 険 と 比 べると 相 対 的 に 抑 えられる ただし 汚 損 の 度 合 いや 明 渡 しまでの 期 間 によって 求 償 額 が 左 右 される 2
補 家 償 ( 保 証 ) 対 象 契 約 者 賃 滞 納 契 約 中 表 保 険 家 賃 債 務 保 証 商 品 の 比 較 保 険 家 賃 債 務 保 証 ( 賃 借 人 と 保 証 会 社 A: 賃 貸 人 管 理 会 社 が 契 約 B: 賃 借 人 が 契 約 賃 貸 人 の 三 者 契 約 ) 入 居 者 の 死 亡 を 補 償 条 件 とする 場 上 限 は 家 賃 6ヶ 月 分 ~48ヶ 月 分 合 がほとんどなので 存 命 中 の 滞 - まで 多 様 納 は 補 償 無 し 滞 納 契 約 解 除 事 故 発 生 日 から3~6ヶ 月 まで 等 - 上 記 の 上 限 に 含 まれる ~ 明 渡 し 空 室 賃 料 低 下 明 渡 し 後 事 故 発 生 日 から3~6ヶ 月 まで 等 - 被 保 険 者 の 居 室 に 加 え 隣 室 も 対 原 状 回 復 費 用 象 とする 場 合 あり 残 置 物 処 理 費 用 居 室 の 修 復 費 用 家 賃 債 務 保 証 の 期 間 は 賃 貸 借 契 約 期 間 中 又 は 明 渡 しまで の 場 合 のみ 契 約 者 の 居 室 のみ 対 象 外 の 商 品 あり 家 財 保 険 の10% 等 上 限 は 家 賃 1ヶ 月 分 が 多 い 訴 訟 費 用 - - - 1 損 害 保 険 : 賃 貸 人 ( 管 理 会 社 )/ 賃 3 損 害 保 険 ( 家 財 系 ): 賃 借 賃 借 人 / 賃 借 人 被 保 険 者 / 受 取 貸 人 ( 管 理 会 社 ) 人 / 賃 借 人 ( 賃 貸 人 受 取 オ( 賃 貸 人 が 家 賃 債 務 保 証 会 社 から 人 2 生 命 保 険 : 賃 借 人 / 賃 貸 人 ( 管 理 プションあり) 代 位 弁 済 を 受 ける) 会 社 ) 補 償 ( 保 証 ) 期 間 1 年 もしくは2 年 ( 更 新 可 ) 1 年 もしくは2 年 ( 更 新 可 ) 上 限 保 険 金 ( 上 限 商 品 条 件 により15~300 万 円 等 保 証 額 ) 入 居 期 間 中 1 年 ( 更 新 可 ) 2 年 ( 更 新 可 )と 多 様 商 品 条 件 により20~100 万 商 品 により 家 賃 12ヶ 月 ~48ヶ 月 円 家 財 保 険 の10% 等 分 原 状 回 復 1ヶ 月 分 ~ 等 保 険 料 ( 保 証 料 ) 1 千 円 ~2 万 円 / 年 と 多 様 9 千 円 ~2 万 円 / 年 と 多 様 一 括 初 回 2 万 円 ~6 万 円 / 年 と 多 様 求 償 求 償 しない 求 償 しない 本 人 又 は 相 続 人 へ 求 償 契 約 時 審 査 補 償 相 対 的 に 簡 便 ( 損 害 保 険 は 実 費 を 査 定 生 命 保 険 は 定 額 支 払 ) 相 対 的 に 複 雑 ( 実 費 支 払 + 求 償 ) 請 求 根 拠 法 保 険 業 法 民 法 等 見 守 り 本 調 査 では 見 守 り を 単 身 の 高 齢 者 等 が 居 室 内 で 倒 れるなどの 事 態 の 防 止 早 期 発 見 のため のサービスとする その 手 法 は 多 様 であるが 低 所 得 者 の 利 用 を 想 定 し 公 的 な 団 体 が 中 心 となっ て 提 供 する 安 価 な 見 守 りを 例 示 した ボランティア 等 を 活 用 して 定 期 不 定 期 に 声 かけ 等 を 行 う 例 新 聞 配 達 等 と 連 携 して 異 常 があった 際 の 緊 急 通 報 を 行 う 例 センサー 等 を 活 用 して 異 常 時 に 緊 急 通 報 を 行 う 例 などが 存 在 する これらに 加 え 生 活 困 窮 者 等 に 対 する 住 居 と 生 活 サポートを 一 体 で 提 供 する 例 などがある また 孤 独 死 の 際 の 家 財 片 付 等 に 対 応 した 保 険 と 組 み 合 わせて 提 供 される 例 も 存 在 する ボランティアによる 無 償 で 利 用 できるものから 年 間 数 万 円 以 上 を 要 するものまで その 費 用 内 容 につき 多 様 なサービスが 存 在 する 3
表 見 守 りサービスの 例 実 施 主 体 例 概 要 対 象 者 費 用 課 題 例 社 会 福 祉 協 議 会 等 東 大 和 市 社 会 福 祉 協 議 会 住 宅 関 連 協 会 等 N P O 団 体 等 東 京 都 防 災 建 築 まちづく りセンター かながわ 住 まいまちづく り 協 会 ( 団 地 の 見 守 り 活 動 等 ) NPO 法 人 お 互 いさまねっ と 公 田 町 団 地 安 心 セン ター (ホームレス 等 支 援 ) ふるさとの 会 ( ふるさと) 近 隣 の 在 住 の 協 力 員 ( 民 生 委 員 自 治 会 員 等 がボランティアとして 参 加 )が 高 齢 者 の 居 宅 を 訪 問 して 1 声 かけ 2 見 守 りを 行 う 1 声 かけは 月 1~4 回 の 頻 度 で 訪 問 声 かけ やお 話 を 伺 ったりする 2 見 守 りは 普 段 の 生 活 で 気 に 掛 けたり 外 から 様 子 を 伺 ったりするもの 本 人 等 からの 申 告 による 登 録 制 だが 登 録 しない 市 民 でも 孤 独 死 の 危 険 がある 方 等 は 協 力 員 等 からの 推 挙 で 見 守 り 対 象 とな る ( 公 財 ) 東 京 都 防 災 建 築 まちづくりセンター がエイ ワン 少 額 短 期 保 険 ( 株 )と 連 携 して 提 供 する あんしん 居 住 制 度 は センサー 見 守 り 葬 儀 家 財 片 付 サービスを 提 供 ( 社 )かながわ 住 まい まちづくり 協 会 がエイ ワン 少 額 短 期 保 険 ( 株 ) 神 奈 川 新 聞 と 連 携 した あんしんすまい 保 証 制 度 では 新 聞 配 達 と 緊 急 通 報 等 の 見 守 りと 高 齢 の 入 居 者 死 亡 時 の 葬 儀 家 財 片 付 を 提 供 1 人 的 見 守 り 2センサー 見 守 りを 組 み 合 わせた 見 守 り 活 動 メンバーによる 状 況 確 認 は 安 心 センターが 稼 働 する10:00-17:00のうち 朝 夕 の2 回 24 時 間 の 人 的 見 守 りは 難 しいため センサー 管 理 含 め 無 理 のないペースでUR 都 市 機 構 の あんしん 登 録 カード 等 を 活 用 した 見 守 り 活 動 を 実 施 生 活 保 護 世 帯 等 家 賃 債 務 保 証 会 社 の 審 査 に 落 ちてしまう 入 居 希 望 者 層 に 対 しての 生 活 サポート 付 きの 賃 貸 借 保 証 事 業 を 実 施 併 せて 各 種 行 事 やルームシェア 等 で 入 居 高 齢 者 同 士 の 交 流 を 促 進 市 町 村 内 在 住 の 高 齢 者 賃 貸 住 宅 居 住 の 高 齢 者 UR 等 団 地 在 住 の 高 齢 者 ホームレ ス 等 の 要 生 活 支 援 状 態 の 高 齢 者 ボランティ ア センサー 見 守 り 53,300 円 / 年 葬 儀 家 財 片 付 3,980 円 / 月 新 聞 配 達 による 見 守 り 入 居 者 死 亡 時 の 葬 儀 家 財 片 付 で 7,090 円 / 月 センサー 見 守 りの 設 備 はURが 補 助 安 心 サ ポート ( 薬 の 受 取 など 人 的 見 守 り 分 ) 500 円 /30 分 1 万 円 / 年 ボランティア であり 取 りう る 責 任 に 限 界 があるとと もに 人 員 確 保 が 必 要 外 から 様 子 を 伺 うことで 得 られる 情 報 に は 限 りがあ る 家 賃 以 外 の 追 加 負 担 が 生 じる 設 備 の 導 入 には 初 期 投 資 の 負 担 が 大 きい 人 的 見 守 り の 担 い 手 の 確 保 が 必 要 生 活 保 護 費 等 の 財 源 確 保 及 び 生 活 サポートのた めの 人 員 確 保 が 必 要 4
5. 高 齢 者 入 居 への 不 安 と 死 亡 事 故 に 対 応 したサービス 利 用 の 現 状 1) 概 要 高 齢 者 が 民 間 賃 貸 住 宅 に 円 滑 に 入 居 できていない 現 状 とその 要 因 把 握 のため 賃 貸 人 管 理 会 社 サブリース 会 社 仲 介 従 業 者 に 対 して 高 齢 者 の 入 居 にかかる 意 識 に 関 するアンケート 調 査 を 実 施 した 管 理 会 社 279 社 サブリース 会 社 86 社 仲 介 従 業 者 700 人 賃 貸 人 1000 人 ( 賃 貸 住 宅 を 所 有 するに 至 った 経 緯 により 相 続 による 方 と 自 己 資 金 で 取 得 した 方 それぞれ 500 人 ずつ)から 回 答 を 得 た アンケートの 結 果 を 整 理 すると 不 安 の 対 象 として 死 亡 事 故 に 伴 う 費 用 負 担 減 収 の 懸 念 が 存 在 し 対 策 としての 保 証 保 険 に 対 しても その 認 知 度 の 低 さと 費 用 負 担 等 を 懸 念 した 利 用 の 低 迷 があることが 分 かった また 死 亡 事 故 の 経 験 によって 高 齢 者 の 入 居 制 限 死 亡 事 故 に 対 応 する 保 証 保 険 商 品 の 認 知 が 高 まる 傾 向 が 見 られた 以 下 に 主 な 項 目 ごとの 概 要 を 記 載 した( 対 応 する 本 編 のアンケート 結 果 を に 記 載 ) 2) 入 居 制 限 の 状 況 入 居 制 限 高 齢 者 の 入 居 制 限 を 行 っている(= 高 齢 者 に 貸 さない 物 件 がある) 管 理 会 社 サブリー ス 会 社 仲 介 従 業 者 は 各 母 集 団 の 3 割 ~5 割 程 度 である 4.2.2 (1) ( 注 : 各 会 社 で 入 居 制 限 を 行 っている 物 件 数 や 割 合 は 不 問 ) 入 居 制 限 されている 物 件 は 築 年 次 が 浅 い 物 件 空 室 率 が 低 い 物 件 が 多 い 4.2.2 (2) 賃 貸 人 が 発 意 審 査 賃 貸 人 が 発 意 して 管 理 会 社 が 審 査 するパターンが3~4 割 と 高 い 割 合 を 示 す 一 方 管 理 会 社 が 発 意 審 査 仲 介 会 社 が 発 意 審 査 する 割 合 も 高 い 4.2.2 (3) 入 居 審 査 の 条 件 として 年 齢 連 帯 保 証 人 の 有 無 緊 急 連 絡 先 の 有 無 が 高 い 割 合 を 占 める が 次 いで 介 護 の 必 要 性 とその 程 度 が 示 されている 4.2.2 (4) 入 居 制 限 の 理 由 死 亡 事 故 に 伴 う 原 状 回 復 や 残 置 物 処 分 等 の 費 用 への 不 安 空 室 期 間 が 続 くことに 伴 う 家 賃 収 入 減 少 への 不 安 が 高 い 割 合 である また 死 亡 事 故 そのものへの 漠 然 とした 不 安 の 割 合 も 高 い 一 方 で 家 賃 不 払 いの 不 安 は 相 対 的 に 低 いが 3 割 程 度 に 達 する 4.2.2 (5) 死 亡 事 故 経 験 死 亡 事 故 経 験 は 管 理 会 社 サブリース 会 社 で 6 割 個 人 賃 貸 人 で 5% 前 後 である ( 注 : 死 亡 事 故 の 経 験 数 割 合 は 不 問 ) 4.2.3 (1) 死 亡 事 故 への 不 安 要 因 として 費 用 負 担 への 不 安 ( 原 状 回 復 空 室 家 賃 )がそれぞれ 4 割 程 度 だが 何 をすべきか 分 からないとの 回 答 も 3 割 に 迫 る 4.2.3 (2) また 死 亡 事 故 との 経 験 とのクロス 集 計 を 行 うと どの 主 体 についても 高 齢 者 の 死 亡 事 故 に 遭 遇 経 験 があるほど 高 齢 者 の 入 居 制 限 を 行 っている 4.2.3 (2) 5
3) 保 険 等 の 実 態 認 知 利 用 状 況 死 亡 事 故 に 対 応 した 家 賃 債 務 保 証 少 額 短 期 保 険 等 を 認 知 しているのは 管 理 会 社 サ ブリース 会 社 仲 介 従 業 者 で 5 割 ~6 割 個 人 賃 貸 人 で 1 割 程 度 である 4.2.3 (3) 死 亡 事 故 に 対 応 した 少 額 短 期 保 険 家 賃 債 務 保 証 は いずれも 利 用 していないとする 割 合 が 8 割 前 後 に 達 する 4.2.3 (4)1) 利 用 しない 理 由 は 利 用 したいが 商 品 内 容 がよく 分 からないとする 割 合 が 管 理 会 社 サ ブリース 会 社 個 人 賃 貸 人 ともに 2 割 前 後 である 4.2.3 (4)2) その 他 保 険 料 が 高 い 1 戸 単 位 で 利 用 できないといった 商 品 改 善 によって 使 い 勝 手 がよ くなれば 利 用 される 可 能 性 が 伺 われる 回 答 も 1 割 ~4 割 程 度 存 在 する 4.2.3 (4)2) 希 望 する 保 証 保 険 商 品 が 提 供 されれば その 商 品 を 利 用 することで 2~3 割 の 方 は 高 齢 者 の 入 居 制 限 をしなくなると 回 答 している 4.2.3 (7)2) 見 守 りとの 組 み 合 わせ 等 見 守 りサービスを 利 用 していないとの 回 答 が 7 割 ~9 割 である 4.2.3 (6) 見 守 りサービスが 付 属 している 等 のリスク 低 減 がなされていれば 保 証 保 険 を 利 用 したい との 割 合 が 4 割 程 度 存 在 する 4.2.3 (7)1) 4) 仲 介 の 実 態 高 齢 者 に 物 件 を 紹 介 しなかったときに それ 以 後 の 対 応 をしていないケースは 5 割 を 超 え 福 祉 部 局 や 住 宅 部 局 に 連 絡 するのは 2 割 前 後 である 4.2.4 (1) 保 証 保 険 商 品 の 利 用 を 高 齢 者 の 賃 借 人 賃 貸 人 に 推 奨 をしていないという 回 答 がそれ ぞれ 5 割 を 超 える 4.2.4 (2)1) その 理 由 として 商 品 の 特 徴 や 効 果 がよく 分 からないという 回 答 が 6 割 を 超 える 4.2.4 (2)2) 6. 現 状 に 対 する 意 見 の 整 理 実 務 者 ワーキング 及 び 事 業 者 へのヒアリングでの 意 見 を 集 約 整 理 した 結 果 から 高 齢 者 が 民 間 賃 貸 住 宅 に 入 居 する 際 の 特 に 死 亡 事 故 に 関 わる 賃 貸 人 の 不 安 やこれに 対 応 するサービスとしての 保 証 保 険 等 の 利 用 に 際 しての 課 題 について 3つの 段 階 別 に 以 下 の 通 り 抽 出 した 1 契 約 時 保 険 等 の 商 品 の 認 知 理 解 不 足 賃 借 人 の 保 証 委 託 契 約 における 緊 急 連 絡 先 の 確 保 2 入 居 中 死 亡 の 早 期 発 見 による 原 状 回 復 負 担 の 軽 減 3 死 亡 時 残 置 物 処 理 明 渡 し 等 の 手 続 の 円 滑 化 6
上 記 抽 出 の 元 となった 主 な 意 見 を 次 表 に 示 す( 内 は 意 見 の 発 言 者 の 属 性 ) 時 点 1 契 約 時 2 入 居 中 主 な 意 見 保 証 保 険 商 品 a. 保 証 人 自 ら 物 件 を 探 すことが 困 難 な 高 齢 者 や 判 断 能 力 の 低 い 高 齢 者 の 場 合 に 物 件 探 しは 福 祉 職 員 が 支 援 できるが 保 証 人 問 題 への 対 応 は 困 難 である 見 守 り 緊 急 連 絡 先 を 確 保 できない 賃 借 人 への 対 応 は 困 難 保 証 居 住 支 援 団 体 b. 認 知 理 解 賃 貸 住 宅 を 経 営 する 個 人 投 資 家 は 高 齢 者 をターゲットにしておらず 商 品 の 認 知 度 は 低 い 賃 貸 人 団 体 商 品 利 用 の 選 択 権 は 管 理 仲 介 業 者 賃 貸 人 にある 保 証 (アンケート 結 果 によると これらの 主 体 でも 認 知 度 は 低 い ) 保 証 の 範 囲 ( 滞 納 家 賃 空 室 家 賃 原 状 回 復 等 )をめぐって 家 賃 債 務 保 証 会 社 と 賃 貸 人 が 契 約 の 理 解 不 足 によりトラブルになる 例 がある 保 証 c. 負 担 公 営 住 宅 に 入 居 する 収 入 水 準 では 保 険 加 入 は 難 しい 公 的 住 宅 賃 借 人 が 保 険 に 加 入 する 場 合 は 家 賃 と 保 険 料 を 支 払 うが 賃 貸 人 加 入 の 場 合 で も 保 険 料 が 家 賃 に 上 乗 せされて 賃 借 人 が 負 担 する 可 能 性 がある 保 険 家 賃 債 務 保 証 は 求 償 が 前 提 であり 低 所 得 な 高 齢 者 の 場 合 遺 産 が 負 で 相 続 放 棄 により 相 続 人 に 求 償 できないケースが 多 いため これを 避 けるには 連 帯 保 証 人 を 要 求 するか 審 査 時 点 で 断 らざるを 得 ない 保 証 死 亡 事 故 に 伴 う 空 室 家 賃 や 原 状 回 復 等 のリスクを 抑 え 高 齢 者 の 民 間 賃 貸 住 宅 への 入 居 を 促 進 する 施 策 を 講 じる 場 合 その 受 益 者 は 賃 貸 人 であり 賃 貸 人 が リスクを 負 担 することを 前 提 とした 支 援 制 度 とすべきである 大 家 団 体 低 所 得 者 のみを 対 象 にしてはビジネスとして 成 立 しない 可 能 性 があるため 多 様 な 所 得 層 等 を 対 象 にした 仕 組 みが 必 要 ではないか 有 識 者 d. 商 品 改 善 死 亡 事 故 のデータが 蓄 積 されておらず 商 品 開 発 途 上 にある 保 証 保 険 高 齢 者 で 民 間 賃 貸 住 宅 に 入 りたくても 入 居 できない 例 がどの 程 度 存 在 するか 把 握 したい 保 証 保 険 商 品 は 数 理 計 算 に 基 づき 保 険 料 を 設 定 しており 利 用 者 にとって 保 険 料 が 高 いとすれば 政 策 的 措 置 なしに 企 業 努 力 で 低 減 させるのは 困 難 である 保 険 その 他 保 険 の 導 入 で 入 居 制 限 を 解 除 しようとする 者 は 2 割 に 過 ぎず 保 証 保 険 以 外 の 対 策 も 必 要 である 居 住 支 援 団 体 見 守 り a. 地 域 での 見 守 りの 有 効 性 見 守 り 駆 けつけサービスがあると 入 居 者 の 安 心 につながるが 入 居 者 の 負 担 が 大 きい 賃 貸 人 団 体 保 険 7
時 点 3 死 亡 時 主 な 意 見 常 時 監 視 でなくとも 死 亡 事 故 の 早 期 発 見 につながる 見 守 りがあれば 原 状 回 復 の 負 担 は 軽 減 される そのためには 多 様 な 関 係 者 が 連 携 する 仕 組 みが 必 要 管 理 団 体 居 住 支 援 団 体 b. 地 域 での 見 守 りの 限 界 ボランティアによる 安 否 確 認 には 限 界 もあるため 最 終 的 な 責 任 は 社 会 福 祉 協 議 会 が 持 つようにしている 通 報 があったときのために 予 め 自 治 体 福 祉 部 門 や 地 域 包 括 支 援 センターとの 連 携 が 重 要 である 見 守 り 地 域 コミュニティによる 見 守 りは 地 域 の 自 主 性 に 委 ねられており 保 証 保 険 が 対 象 とするリスクの 軽 減 には 馴 染 まないのではないか 保 険 賃 貸 住 宅 は 建 物 が 建 て 込 んでいるなど 外 から 見 るだけでは 内 部 の 様 子 を 確 認 できない 住 戸 も 多 い 見 守 り 見 守 りには 自 助 から 互 助 共 助 まで 幅 広 い 担 い 方 があるため 賃 借 人 の 負 担 能 力 や 地 域 コミュニティの 取 り 組 み 状 況 等 に 応 じた 選 択 が 必 要 有 識 者 その 他 センサーで 異 常 を 検 知 しても 緊 急 連 絡 先 に 連 絡 を 取 って 同 意 を 得 た 上 でない と 部 屋 に 入 れない 連 絡 が 取 れない 場 合 は 警 察 の 判 断 に 委 ねている 見 守 り 低 所 得 の 高 齢 者 には サービス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 よりも 安 価 で 既 存 住 宅 にも 適 用 可 能 な 見 守 り 付 きの 住 宅 が 望 まれる 見 守 り 高 齢 者 に 限 らないが 入 居 中 の 家 賃 の 滞 納 への 備 えも 必 要 である 見 守 り 残 置 物 処 理 明 渡 し 手 続 の 円 滑 化 死 亡 事 故 があった 物 件 の 宅 建 業 法 上 の 重 要 事 項 説 明 の 際 の 告 知 のルールが 明 確 でない 賃 貸 人 団 体 残 置 物 の 処 理 明 渡 しの 手 続 きが 煩 雑 であり 要 するコストや 期 間 等 を 鑑 みる と 現 実 的 でない 保 証 保 険 相 続 人 等 が 不 明 の 場 合 にいつまでも 残 置 物 を 保 管 し 続 けることは 困 難 であり 一 定 期 間 経 過 後 の 処 分 等 に 関 するガイドラインが 欲 しい 保 証 管 理 団 体 公 的 住 宅 賃 貸 人 団 体 自 力 救 済 は 原 則 として 禁 止 されているが 一 定 の 場 合 に 限 り 事 故 時 の 対 応 を 賃 貸 人 が 行 える 権 利 があれば 事 故 対 応 のリスクと 負 担 の 軽 減 になる 保 険 借 地 借 家 法 上 借 家 人 が 死 亡 しても 相 続 人 全 員 の 同 意 がなければ 契 約 解 除 はで きない 有 識 者 8
7. 課 題 の 整 理 と 対 応 の 方 向 性 関 係 者 へのアンケート 保 証 保 険 商 品 の 提 供 状 況 の 調 査 実 務 者 との 意 見 交 換 から 賃 貸 人 の 死 亡 事 故 に 対 する 不 安 の 要 因 とその 対 応 の 課 題 に 関 して 以 下 の 結 果 が 得 られた 賃 貸 人 の 不 安 の 要 因 1) 死 亡 事 故 に 伴 う 賃 貸 人 等 の 金 銭 的 負 担 への 懸 念 と 事 故 への 対 応 方 法 の 情 報 不 足 民 間 賃 貸 住 宅 の 賃 貸 人 にとって 死 亡 事 故 後 の 原 状 回 復 費 用 の 負 担 空 室 期 間 の 長 期 化 等 による 家 賃 収 入 の 減 少 が 高 齢 者 の 入 居 制 限 の 最 も 大 きな 理 由 であった これらに 続 い て 漠 然 とした 不 安 や 死 亡 事 故 発 生 時 の 対 応 方 法 が 分 からないとの 理 由 が 挙 げられた 賃 貸 人 の 高 齢 者 の 入 居 に 対 する 不 安 は 死 亡 事 故 に 伴 う 金 銭 的 負 担 が 最 も 大 きな 要 因 で あり 続 いて 高 齢 者 の 入 居 に 伴 ってどのようなリスクが 存 在 し リスク 事 象 が 発 生 した ときにどのような 対 応 をとればよいのか 分 からないこと つまりは 高 齢 者 の 入 居 に 対 応 した 情 報 の 不 足 が 要 因 と 考 えられる 一 方 で 高 齢 者 の 死 亡 事 故 を 経 験 した 賃 貸 人 管 理 会 社 では 高 齢 者 の 入 居 を 制 限 する 傾 向 が 高 く 保 証 や 保 険 等 の 対 策 の 認 知 状 況 も 相 対 的 に 高 い 状 況 が 見 られた したがって 今 後 単 身 高 齢 者 の 増 加 に 伴 い 高 齢 者 の 居 室 内 死 亡 事 故 が 増 加 すると 高 齢 者 の 入 居 制 限 が 一 層 増 加 する 恐 れがあり 死 亡 事 故 に 対 する 適 切 な 情 報 提 供 や 金 銭 的 負 担 を 抑 制 する 取 り 組 みが 必 要 になると 考 えられる また 死 亡 事 故 後 には 相 続 人 の 探 索 賃 貸 借 契 約 の 解 除 残 置 物 の 撤 去 建 物 明 渡 し 等 の 多 くの 手 続 を 必 要 とし その 処 理 が 賃 貸 人 や 管 理 会 社 の 負 担 となっている 高 齢 者 の 入 居 への 賃 貸 人 等 の 不 安 を 抑 制 するには これらの 手 続 に 要 する 金 銭 的 負 担 の 抑 制 も 有 効 である 例 えば 死 亡 時 に 身 寄 りのない 賃 借 人 に 係 る 残 置 物 の 円 滑 な 処 理 方 法 について 地 域 の 実 情 に 応 じ 居 住 支 援 協 議 会 等 でガイドラインを 策 定 することも 一 案 と 考 えられる 保 証 保 険 の 課 題 2) 死 亡 事 故 への 対 策 としての 保 証 保 険 の 認 知 理 解 不 足 原 状 回 復 等 の 費 用 や 空 室 期 間 の 長 期 化 等 による 家 賃 収 入 減 少 への 対 策 として 保 証 保 険 による 死 亡 事 故 後 の 金 銭 的 負 担 の 抑 制 見 守 りによる 死 亡 事 故 の 早 期 発 見 による 原 状 回 復 費 用 の 抑 制 等 がある しかし 死 亡 事 故 に 対 応 した 保 証 保 険 の 認 知 は 管 理 会 社 サブリース 会 社 仲 介 業 従 事 者 で 5 割 程 度 個 人 賃 貸 人 で 1 割 程 度 に 留 まり 認 知 されていない 現 状 にある また 商 品 を 認 知 していても 利 用 していない 者 が 8 割 に 達 する 利 用 しない 理 由 として 料 金 の 高 さがいずれの 主 体 でも 挙 げられているが 商 品 内 容 がよく 分 からないとの 回 答 が 商 品 を 知 っていながら 利 用 しない 者 の 2 割 前 後 存 在 し 商 品 内 容 の 周 知 が 不 足 して いる 状 況 にある 死 亡 事 故 に 対 応 した 保 険 商 品 には 賃 貸 人 や 管 理 会 社 が 契 約 して 入 居 者 の 死 亡 によっ て 発 生 する 住 戸 の 汚 損 等 の 原 状 回 復 費 用 や 残 置 物 処 理 費 用 事 故 後 の 家 賃 収 入 減 少 を 補 償 する 商 品 と 家 財 保 険 の 特 約 として 賃 借 人 が 契 約 して 原 状 回 復 及 び 残 置 物 処 理 を 保 証 する 商 品 生 命 保 険 のスキームを 活 用 して 賃 貸 人 や 管 理 会 社 が 契 約 し 入 居 者 の 死 亡 9
時 の 原 状 回 復 費 用 及 び 葬 儀 費 用 を 補 償 する 商 品 の 大 きく 3 種 類 存 在 する 家 賃 債 務 保 証 は 賃 借 人 の 負 担 により 家 賃 債 務 保 証 会 社 と 賃 貸 人 の 3 者 で 契 約 される が 死 亡 事 故 後 の 明 渡 しまでの 家 賃 や 原 状 回 復 費 用 残 置 物 処 理 費 用 を 保 証 するものも 存 在 する このように 死 亡 事 故 に 対 応 した 保 証 保 険 商 品 には 複 数 の 類 型 が 存 在 し その 対 象 と する 損 害 や 求 償 の 有 無 などによって 複 雑 な 商 品 体 系 であるため 理 解 が 難 しい 状 況 にあ る 加 えていずれの 商 品 も 提 供 が 開 始 されてから 数 年 程 度 しか 経 過 していないため 各 商 品 の 特 性 等 についての 情 報 提 供 を 通 じた 認 知 理 解 の 向 上 が 必 要 となっている 3) 保 証 保 険 等 の 商 品 特 性 に 伴 う 課 題 高 齢 者 の 入 居 は 賃 貸 人 だけでなく 管 理 会 社 が 判 断 しているケースも 存 在 する 賃 貸 人 管 理 会 社 が 加 入 する 保 証 保 険 が 利 用 されるか 否 かは 賃 貸 人 管 理 会 社 の 死 亡 事 故 に 対 するリスク 判 断 次 第 となり 現 在 高 齢 者 の 入 居 に 積 極 的 でない 者 の 利 用 は 限 定 的 なも のとなる 賃 借 人 が 加 入 する 保 険 は 相 続 人 の 支 払 いに 対 する 備 えであるため 賃 借 人 の 加 入 動 機 は 弱 く 加 入 したとしても 相 続 人 が 契 約 の 存 在 を 知 らない 場 合 には 保 険 金 が 請 求 され ない 恐 れがある 家 賃 債 務 保 証 は 賃 借 人 が 負 担 するものであるが 賃 借 人 及 び 相 続 人 への 求 償 が 前 提 で あり 保 証 料 は 保 険 と 比 べると 相 対 的 に 抑 えられるとしても 賃 借 人 の 負 担 能 力 相 続 人 への 求 償 の 実 現 性 緊 急 連 絡 先 の 確 保 等 を 含 む 加 入 の 審 査 を 通 過 することが 必 要 とな る したがって 収 入 や 資 産 が 限 られる 高 齢 者 の 場 合 には 保 証 保 険 商 品 の 利 用 が 難 しく なる こうした 負 担 能 力 の 低 い 高 齢 者 の 民 間 賃 貸 住 宅 への 入 居 に 対 し 賃 貸 人 がリスク を 担 うことを 支 援 する 取 り 組 み( 例 : 死 亡 事 故 の 発 生 状 況 やその 対 応 に 関 する 情 報 提 供 高 齢 者 入 居 や 賃 貸 人 が 負 担 する 死 亡 事 故 に 対 する 保 証 保 険 への 税 制 優 遇 等 )や 死 亡 事 故 のリスク 低 減 策 について 検 討 していく 必 要 がある 対 応 の 方 向 性 4) 保 証 保 険 と 見 守 りサービスの 組 み 合 わせによる 死 亡 事 故 のリスク 低 減 保 証 保 険 を 活 用 している 賃 貸 人 は 限 定 的 であるが 見 守 り 等 の 活 用 によりリスク 低 減 がなされていれば 保 証 保 険 を 利 用 したいとの 回 答 が 見 られるなど 賃 貸 人 にとって 見 守 りを 活 用 することで 高 齢 者 の 入 居 に 対 するリスクを 軽 減 することに 一 定 の 期 待 が 存 在 する 原 状 回 復 等 に 多 額 の 費 用 を 要 する 場 合 には 保 証 保 険 では 担 いきれないケースが 生 じる 恐 れがあり 保 証 保 険 と 見 守 りを 組 み 合 わせることで 死 亡 事 故 の 早 期 発 見 による 賃 貸 人 のリスク 低 減 さらには 保 証 保 険 のコスト 抑 制 にも 寄 与 するものと 考 えられる ただし 現 状 では いずれの 主 体 でも 見 守 りを 活 用 していないとの 回 答 が 7~9 割 に 達 す る 賃 貸 人 管 理 会 社 等 が 見 守 りを 利 用 している 実 態 を 把 握 していない 可 能 性 もありう るが 民 間 賃 貸 住 宅 において 見 守 りサービスの 利 用 は 進 んでいない 現 状 にある また 所 得 等 が 限 られる 高 齢 者 が 入 居 する 場 合 賃 貸 人 と 賃 借 人 のいずれが 負 担 すると 10
しても 保 証 保 険 及 び 見 守 りに 掛 けられる 費 用 は 限 られる したがって 特 に 所 得 等 が 限 られる 高 齢 者 の 入 居 に 対 する 賃 貸 人 の 不 安 を 抑 制 するには 行 政 の 福 祉 部 局 との 連 携 の 下 で 社 会 福 祉 協 議 会 等 によるボランティアの 巡 回 や 新 聞 配 達 と 連 携 した 緊 急 通 報 サービス 等 地 域 と 連 携 した 廉 価 な 見 守 りと 保 証 保 険 を 組 み 合 わせ できるだけ 廉 価 に 死 亡 事 故 に 伴 う 賃 貸 人 のリスクを 抑 制 していくことが 考 えられ る その 際 には ボランティア 等 による 見 守 りには 責 任 を 担 える 範 囲 等 の 限 界 も 存 在 す ることから 先 行 的 な 取 り 組 みの 実 施 とその 蓄 積 を 通 じた 検 証 をあわせて 行 っていくこ とが 必 要 と 考 えられる 8. 参 考 ( 実 務 者 ワーキング 及 び 事 業 者 ヒアリングで 挙 げられたその 他 の 課 題 ) 本 調 査 の 目 的 と 直 接 関 係 はないが 実 務 者 ワーキングや 事 業 者 ヒアリングにおいて 高 齢 者 の 民 間 賃 貸 住 宅 の 入 居 の 課 題 について 下 記 の 意 見 が 挙 げられた( 内 は 意 見 の 発 言 者 の 属 性 ) これら 高 齢 者 の 入 居 に 係 る 体 制 構 築 等 についても 別 途 検 討 していくことが 必 要 である 主 な 意 見 体 制 福 祉 部 門 でも 住 まい 探 しを 支 援 する 意 識 はあるが 福 祉 部 門 と 住 宅 部 門 で 相 互 の 取 り 組 み 状 況 等 の 情 報 が 共 有 されていないため 相 談 者 に 適 切 な 対 応 ができない 状 況 にあ る 居 住 支 援 団 体 住 宅 福 祉 の 情 報 共 有 と 地 域 レベルでの 顔 の 見 える 関 係 の 構 築 ができれば より 円 滑 な 対 応 が 可 能 となる 居 住 支 援 団 体 不 動 産 業 界 としても 高 齢 者 の 住 み 替 えを 支 援 する 専 門 家 の 育 成 資 格 制 度 を 設 けて 高 齢 化 への 対 応 を 進 めていく 必 要 がある 管 理 団 体 住 宅 福 祉 の 担 当 をまとめて 組 織 化 するには 労 力 が 必 要 居 住 支 援 団 体 居 住 支 援 協 議 会 には 福 祉 と 住 宅 の 調 整 機 能 が 期 待 されているが 継 続 的 に 活 動 してい くためには 財 源 確 保 策 が 必 要 である 賃 貸 人 団 体 入 居 者 の 体 調 悪 化 認 知 症 発 症 等 の 場 合 の 対 応 その 後 の 契 約 更 新 時 に 転 居 を 迫 られ る 場 合 の 対 応 が 必 要 賃 貸 人 団 体 見 守 り 居 住 支 援 団 体 情 報 提 供 空 き 家 の 有 効 活 用 を 考 えるにも どのような 住 宅 が 空 き 家 になっているのか 明 確 な 統 計 データがない 有 識 者 その 他 公 営 住 宅 を 整 備 するよりも 空 いている 民 間 賃 貸 住 宅 を 活 用 していくべきである 賃 貸 人 団 体 11