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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

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Transcription:

平 成 25 年 4 月 16 日 判 決 言 渡 平 成 24 年 ( 行 コ) 第 38 号 固 定 資 産 評 価 審 査 決 定 取 消 請 求 控 訴 事 件 主 文 1 原 判 決 を 次 のとおり 変 更 する (1) 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 控 訴 人 に 対 して 平 成 20 年 1 月 23 日 付 けでした 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 原 判 決 別 紙 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 に 係 る 平 成 18 年 度 の 価 格 に 対 する 審 査 申 出 を 棄 却 し た 決 定 のうち 価 格 248 億 2490 万 5100 円 を 超 える 部 分 を 取 り 消 す (2) 控 訴 人 のその 余 の 請 求 を 棄 却 する 2 訴 訟 費 用 は, 第 1,2 審 を 通 じてこれを20 分 し,その1を 被 控 訴 人 の 負 担 とし,その 余 を 控 訴 人 の 負 担 とする 事 実 及 び 理 由 第 1 控 訴 の 趣 旨 1 原 判 決 を 取 り 消 す 2 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 控 訴 人 に 対 して 平 成 20 年 1 月 23 日 付 け でした 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 原 判 決 別 紙 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 に 係 る 平 成 18 年 度 の 価 格 に 対 する 審 査 申 出 を 棄 却 した 決 定 のうち 価 格 178 億 977 0 万 9700 円 を 超 える 部 分 を 取 り 消 す 第 2 事 案 の 概 要 1 本 件 は, 原 判 決 別 紙 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 ( 以 下 本 件 家 屋 という )の 所 有 者 である 控 訴 人 が, 本 件 家 屋 についての 平 成 18 年 度 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 として 東 京 都 知 事 が 決 定 して 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 した 価 格 を 不 服 として, 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 対 して 審 査 の 申 出 をしたところ, 同 委 員 会 が これを 棄 却 する 旨 の 決 定 をしたため, 同 決 定 のうち 控 訴 人 が 相 当 と 考 える 価 格 を 超 える 部 分 の 取 消 しを 求 める 事 案 である -1-

控 訴 人 は, 上 記 取 消 しを 求 める 理 由 として, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りがあったこと( 具 体 的 には, 平 成 5 年 度 において 本 件 家 屋 の 価 格 を 評 価 する に 当 たり, 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 する 際 の 部 分 別 評 価 において 適 用 された 補 正 係 数 に 誤 りがあったこと)を 主 張 したところ, 原 判 決 は, 建 築 当 初 の 評 価 により 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 についての 審 査 申 出 期 間 や 出 訴 期 間 が 経 過 した 後 にあっては, 建 築 当 初 の 評 価 において 適 切 に 評 価 できな かった 事 情 がその 後 に 判 明 したような 場 合 や, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りが 重 大 で,それを 基 礎 にその 後 の 家 屋 の 評 価 をすることが 適 正 な 時 価 の 算 定 方 法 とし て 不 合 理 であると 認 められるような 場 合 に 限 って, 建 築 当 初 の 評 価 が 不 合 理 で あることを 理 由 として,その 後 の 基 準 年 度 の 価 格 を 争 うことも 認 められるが, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 により 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 に 関 し てそのような 事 情 を 認 めることはできないとして, 控 訴 人 の 請 求 を 棄 却 した そこで, 控 訴 人 がこれを 不 服 として 控 訴 をした なお, 控 訴 人 は, 本 件 家 屋 についての 平 成 18 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 価 格 につき, 原 審 では178 億 9770 万 9700 円 を 上 回 らないと 主 張 して いたが, 当 審 の 審 理 の 過 程 で,その 計 算 過 程 に 誤 りがあったとして,179 億 2460 万 7400 円 を 上 回 らないと 主 張 を 訂 正 した 2 法 令 の 定 め 等 及 び 争 いのない 事 実 等 は, 次 のとおり 補 正 するほか, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 2 事 案 の 概 要 の1 及 び2(2 頁 16 行 目 から1 2 頁 1 行 目 まで)に 記 載 のとおりであるから,これを 引 用 する ( 原 判 決 の 補 正 ) (1) 3 頁 7 行 目 の 固 定 審 査 を 固 定 資 産 に 改 める (2) 9 頁 13 行 目 から14 行 目 にかけての 当 該 補 正 項 目 について 定 められて いる 工 事 の 施 工 量 等 と 相 違 する 場 合 においては, を 削 る (3) 11 頁 19 行 目 の 乙 30 を 乙 31 に 改 める 3 争 点 及 び 争 点 に 関 する 当 事 者 の 主 張 の 概 要 は, 次 のとおり 原 判 決 を 補 正 し, -2-

後 記 4のとおり 当 事 者 の 主 張 ( 補 充 )を 付 加 するほか, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 2 事 案 の 概 要 の3 及 び4(12 頁 2 行 目 から56 頁 10 行 目 まで)に 記 載 のとおりであるから,これを 引 用 する ( 原 判 決 の 補 正 ) (1) 19 頁 4 行 目 の 別 紙 2 を 本 判 決 別 紙 1 計 算 書 ( 控 訴 人 被 控 訴 人 比 較 ) の A 補 正 係 数 及 び A 単 位 当 たり 評 点 数 欄 に 改 める (2) 21 頁 12 行 目 の コンクリート 造 である の 次 に し, 鉄 筋 及 びコン クリートの 標 準 評 点 数 に 含 まれる 労 務 費 分 と 二 重 計 上 することになる を 加 える (3) 26 頁 6 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える しかも, 本 件 家 屋 の 外 部 仕 上 げが 普 通 であることは, 本 件 家 屋 と 立 地 条 件, 規 模 及 び 外 観 のイメージ グレード 感 において 共 通 するBにおける 外 部 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからしても 明 らか である (4) 28 頁 14 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える しかも, 本 件 家 屋 の 内 部 仕 上 げが 普 通 であることは,1 階 ロビー 及 び 高 層 階 ロビーの 壁 面 において 統 一 された 模 様 の 花 崗 岩 による 仕 上 げがされて 本 件 家 屋 に 劣 らないグレード 感 を 感 じさせるBにおける 内 部 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからしても 明 らかである (5) 30 頁 18 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える しかも, 本 件 家 屋 の 床 仕 上 げが 普 通 であることは, 統 一 された 模 様 の 花 崗 岩 のほか 大 理 石 の 模 様 貼 などの 使 用 により 本 件 家 屋 に 劣 らないグレード 感 を 感 じさせるBにおける 床 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 され ていないことからしても 明 らかである (6) 33 頁 2 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える しかも, 本 件 家 屋 の 天 井 仕 上 げが 普 通 であることは,システム 天 井 が 採 用 -3-

され,また,ロビーの 天 井 などには 吹 き 抜 けがあるほか, 曲 線 を 描 いた 飾 り 天 井 が 採 用 され, 本 件 家 屋 に 劣 らないグレード 感 を 感 じさせるBにおける 天 井 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからしても 明 らかである 4 当 事 者 の 主 張 ( 補 充 ) ( 控 訴 人 の 主 張 ) (1) 最 高 裁 平 成 15 年 7 月 18 日 第 二 小 法 廷 判 決 ( 裁 判 集 民 事 210 号 28 3 頁 )は, 固 定 資 産 評 価 基 準 の 一 般 的 な 合 理 性 を 認 めた 上 で, 同 基 準 に 従 っ て 評 価, 決 定 をした 登 録 価 格 であっても, 評 価 基 準 が 定 める 評 価 の 方 法 に よっては 再 建 築 費 を 適 切 に 算 定 することができない 特 別 の 事 情 又 は 評 価 基 準 が 定 める 減 点 補 正 を 超 える 減 価 を 要 する 特 別 の 事 情 が 認 められる 場 合 に は 適 正 な 時 価 とは 認 められず,これらの 特 別 の 事 情 の 存 しない 限 り,その 適 正 な 時 価 であると 推 認 するのが 相 当 である と 判 示 した( 以 下, 上 記 最 高 裁 判 決 のいう 特 別 の 事 情 のことを 最 判 のいう 特 別 の 事 情 という ) そうすると,そもそも 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 った 固 定 資 産 の 評 価 がされて いるとはいえない 場 合,すなわち, 同 基 準 の 適 用 に 誤 りがある 場 合 には,そ の 評 価 価 格 を 適 正 な 時 価 と 推 認 することはできないのであり,そのことは, 同 基 準 の 適 用 の 誤 りが, 当 該 基 準 年 度 において 生 じたか,それ 以 前 の 基 準 年 度 において 存 在 したかにかかわらないというべきである 本 件 においては, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 誤 りがあるのであるから, 最 判 のいう 特 別 の 事 情 の 存 否 を 考 慮 するまでも なく, 平 成 18 年 度 価 格 が 適 正 な 時 価 であるということはできない (2) 在 来 の 非 木 造 家 屋 の 評 価 額 は, 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 求 める 評 点 数 に 損 耗 の 状 況 による 減 点 補 正 率 な どを 乗 じて 算 定 されるところ, 第 二 年 度 及 び 第 三 年 度 の 価 格 は 基 準 年 度 の 価 格 が 据 え 置 かれるため, 平 成 18 年 度 の 評 価 額 は, 前 基 準 年 度 である 平 成 1-4-

5 年 度 及 びそれ 以 前 の 各 基 準 年 度 におけるそれぞれの 再 建 築 費 評 点 数 が 正 しくなければ 適 切 に 算 定 することができない そのため,いくら 平 成 18 年 度 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 評 価 方 法 によって 算 定 しようとしても, 平 成 3 年 度 固 定 資 産 評 価 基 準 が 適 切 に 適 用 されて 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 が 算 出 されていなければ 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 自 体 が 誤 っているのであるから, 平 成 18 年 度 の 評 価 額 を 適 切 に 算 定 することはでき ない 本 件 においては, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 誤 りがあるのであるから,このような 事 情 は 最 判 のいう 特 別 の 事 情 に 当 た るというべきである (3) 非 木 造 家 屋 の 評 点 項 目, 補 正 係 数 及 びその 考 え 方 は, 平 成 3 年 度 から 平 成 18 年 度 まで 変 更 されていないにもかかわらず, 被 控 訴 人 は, 本 件 家 屋 と 同 種, 同 等, 同 規 模 の 建 物 で 平 成 12 年 度 以 降 の 比 較 的 近 時 に 建 設 された 建 物 (B,C,D,E,F 以 下,これらを 総 称 して 比 較 的 近 時 に 建 設 され た 建 物 という )については, 本 件 家 屋 には 一 律 1.30とした 補 正 係 数 を ほぼ 1.00として 増 点 補 正 をしていない 被 控 訴 人 は, 本 件 家 屋 について 補 正 係 数 1.30を 適 用 した 理 由 として, 本 件 家 屋 が 竣 工 した 平 成 5 年 当 時 は 20 階 建 以 上 の 高 層 ビルは 目 新 しかったこと を 挙 げているが,このような 主 観 的 判 断 の 前 提 となった 事 情 がその 後 変 遷 した 結 果, 比 較 的 近 時 に 建 設 さ れた 建 物 については 増 点 補 正 がされなかったものである このような 被 控 訴 人 の 増 点 補 正 に 関 する 主 観 的 判 断 の 存 在 は, 最 判 のいう 特 別 の 事 情 ( 評 価 基 準 が 定 める 減 点 補 正 を 超 える 減 価 を 要 する 特 別 の 事 情 )に 当 たるというべき である ( 被 控 訴 人 の 主 張 ) (1) 平 成 18 年 度 価 格 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 定 められた 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 求 める 方 法 に 従 -5-

って 決 定 されており, 最 判 のいう 特 別 の 事 情 の 存 しない 限 り,その 適 正 な 時 価 であると 推 認 されるというべきである (2) 最 判 のいう 特 別 の 事 情 があるというためには, 建 築 当 初 の 評 価 において 適 切 に 評 価 できなかった 事 情 がその 後 に 判 明 した 場 合 や, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りが 重 大 で,それを 基 礎 にその 後 の 家 屋 の 評 価 をすることが 適 正 な 時 価 の 算 定 方 法 として 不 合 理 であると 認 められるような 場 合 でなければならない というべきである (3) 控 訴 人 の 主 張 (3)については 争 う 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 争 点 (1)について (1) 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 家 屋 の 評 価 方 法 は, 前 記 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 2の1の(2),(3)のとおりであって, 家 屋 の 評 価 方 法 として 一 般 的 な 合 理 性 を 有 するということができ,これに 従 って 決 定 され た 家 屋 の 価 格 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 評 価 の 方 法 によっては 再 建 築 費 を 適 切 に 算 定 することができない 特 別 の 事 情 又 は 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 め る 減 点 補 正 を 超 える 減 価 を 要 する 特 別 の 事 情 の 存 しない 限 り,その 適 正 な 時 価 ( 地 方 税 法 341 条 1 号 )であると 推 認 するのが 相 当 である(この 点 につ いては 控 訴 人 も 肯 認 するところである なお, 最 高 裁 平 成 15 年 7 月 18 日 第 二 小 法 廷 判 決 裁 判 集 民 事 210 号 283 頁 参 照 ) (2) しかして, 前 記 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 2の1 及 び 2の 各 事 実 ( 以 下 前 提 事 実 という )によれば, 本 件 家 屋 の 平 成 18 年 度 価 格 は 平 成 18 年 度 評 価 基 準 ( 固 定 資 産 評 価 基 準 )に 従 って 決 定 されたこ とが 明 らかである すなわち, 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 ( 当 該 年 度 において 新 た に 課 税 の 対 象 となる 非 木 造 家 屋 以 外 の 非 木 造 家 屋 )であることから, 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 に 平 成 18 年 度 評 価 基 準 が 定 める 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 し,これに 基 づいて 決 定 されて -6-

いる そして, 上 記 の 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 についてみると, 基 準 年 度 の 翌 年 度 ( 第 二 年 度 ) 及 び 第 二 年 度 の 翌 年 度 ( 第 三 年 度 )の 家 屋 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 については 原 則 として 当 該 家 屋 の 基 準 年 度 の 価 格 と するものとされている( 地 方 税 法 349 条 2 項,3 項 )ところ, 前 提 事 実 に よれば, 平 成 5 年 に 新 築 された 本 件 家 屋 の 各 基 準 年 度 ( 平 成 6 年 度, 平 成 9 年 度, 平 成 12 年 度, 平 成 15 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 は,それぞれ,その 前 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 に 所 定 の 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じることによっ て 算 出 されてきたのであり, 例 えば 平 成 6 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 は, 平 成 5 年 に 新 築 された 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 に 平 成 6 年 度 において 適 用 される 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 算 出 されたといえる (3) ところで, 地 方 税 法 432 条 1 項 本 文 は, 固 定 資 産 税 の 納 税 者 は,その 納 付 すべき 当 該 年 度 の 固 定 資 産 税 に 係 る 固 定 資 産 について 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 について 不 服 がある 場 合 においては, 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 した 価 格 等 の 公 示 の 日 から 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 日 後 60 日 ま で 若 しくは 都 道 府 県 知 事 の 勧 告 を 受 けて 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 を 修 正 した 場 合 の 公 示 の 日 から 同 日 後 60 日 ( 固 定 資 産 の 価 格 の 修 正 によ る 更 正 に 基 づく 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 者 にあっては, 当 該 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 後 60 日 )までの 間 において, 又 は 登 録 価 格 等 の 公 示 の 日 以 後 における 価 格 の 決 定 修 正 の 通 知 を 受 けた 日 から60 日 以 内 において, 文 書 をもって, 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 審 査 の 申 出 をすることができる 旨 定 め, 同 法 434 条 は, 同 委 員 会 の 決 定 に 不 服 があるときは,その 取 消 しの 訴 えを 提 起 することができ, 登 録 価 格 についての 不 服 は, 上 記 審 査 の 申 出 又 は 上 記 取 消 しの 訴 えによることによってのみ 争 うことができることとしてい る また, 第 二 年 度 及 び 第 三 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 については 原 則 と して 当 該 家 屋 の 基 準 年 度 の 価 格 とするものとされていることは 上 記 (2)のと -7-

おりであるところ, 同 法 432 条 1 項 ただし 書 は, 第 二 年 度 及 び 第 三 年 度 に おける 家 屋 の 価 格 に 不 服 がある 場 合 には, 基 準 年 度 の 価 格 によることが 不 適 当 となる 特 段 の 事 情 を 主 張 する 場 合 に 限 り, 所 定 の 期 間 内 に, 審 査 の 申 出 が できるものとしている このように, 地 方 税 法 が, 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 である 固 定 資 産 税 課 税 台 帳 の 登 録 価 格 について 不 服 があるときは, 原 則 として 基 準 年 度 の 価 格 につい て 所 定 の 審 査 申 出 期 間 内 に 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 対 して 審 査 の 申 出 を すべきものとし, 第 二 年 度 及 び 第 三 年 度 における 価 格 については 審 査 の 申 出 をすることができる 場 合 を 限 定 し,これらの 方 法 及 び 固 定 資 産 評 価 委 員 会 の 決 定 に 対 する 取 消 訴 訟 によらなければ 価 格 を 争 うことができないこととし ているのは, 固 定 資 産 税 の 賦 課 処 分 の 前 提 問 題 である 課 税 標 準 となる 固 定 資 産 課 税 台 帳 の 登 録 価 格 を 早 期 に 確 定 させることにより, 固 定 資 産 税 に 関 連 す る 事 項 についての 法 的 安 定 性 を 確 保 する 趣 旨 であると 解 される (4) 上 記 (3)の 点 に 鑑 みると, 上 記 (2)の 後 段 のように 基 準 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 がその 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 を 基 礎 として 算 出 される 場 合,そ の 前 年 度 に 至 るまでの 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 は 各 年 度 における 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 ったもの( 適 合 するもの)と 推 認 するのが 相 当 である( 以 下,こ の 推 認 のことを 本 件 推 認 という ) そうである 以 上, 本 件 家 屋 の 平 成 18 年 度 価 格 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って 決 定 されたものということができ, 上 記 (1)のような 特 別 の 事 情 の 存 し ない 限 り,その 適 正 な 時 価 であると 推 認 されるというべきである (5) もっとも, 納 税 者 が 本 件 推 認 を 覆 すに 足 りる 事 情 が 存 在 することを 主 張 立 証 したときは, 上 記 (4)の 後 段 のようにいうことはできない なぜなら, 本 件 家 屋 の 平 成 18 年 度 価 格 は, 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 に 平 成 18 年 度 評 価 基 準 が 定 める 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 し,これに 基 づいて 決 定 されたものであるところ, 本 件 推 認 をす -8-

ることができないとすると, 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 が 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って 算 出 されたとは 直 ちにいうことができず,したがっ てまた, 平 成 18 年 度 価 格 が 全 体 として 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って 決 定 され たものとは 直 ちにいうことができないからである 控 訴 人 は, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 が 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 っておらず,その 算 出 に 誤 りがある 旨 主 張 するところ,この 主 張 は, 本 件 推 認 を 覆 すに 足 りる 事 情 が 存 在 する 旨 の 主 張 であると 解 される 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 が 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 っ ておらず,その 算 出 に 誤 りがあることの 主 張 立 証 がされたときは, 同 算 出 を 正 しくやり 直 し,これに 基 づいて 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 した 上 で,これに 平 成 18 年 度 評 価 基 準 が 定 める 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 し,これに 基 づいて 平 成 18 年 度 の 価 格 が 決 定 されるべきであり, 本 件 決 定 のうちその 価 格 を 超 える 部 分 は 違 法 なものと して 取 り 消 すべきことになる (6) 上 記 (5)の 点 について, 被 控 訴 人 は, 平 成 18 年 度 価 格 についての 不 服 と して, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 を 争 うことは 原 則 としてできず,その 評 価 を 争 うことができるのは, 建 築 当 初 の 評 価 において 適 切 に 評 価 できなかった 事 情 がその 後 に 判 明 した 場 合 や, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りが 重 大 で,それを 基 礎 に 評 価 をすることが 適 正 な 時 価 の 算 定 方 法 として 不 合 理 であると 認 めら れるような 場 合 に 限 られるとし,このように 解 さないと,1 建 築 当 初 の 評 価 額 についての 争 いをいつでも 蒸 し 返 すことができることになり, 固 定 資 産 税 の 賦 課 決 定 処 分 の 前 提 問 題 である 固 定 資 産 税 評 価 額 を 早 期 に 確 定 させるこ とによって 法 的 安 定 性 を 招 来 しようとする 地 方 税 法 の 趣 旨 に 反 する 結 果 と なる,2 当 初 の 評 価 から 時 間 が 経 過 するほど, 評 価 の 対 象 となった 建 物 には 経 年 変 化 が 生 じ,また, 補 修 や 増 改 築 等 による 変 更 が 生 じることが 当 然 に 予 想 され,そうなれば, 当 初 の 評 価 に 誤 りがあったかどうかを 的 確 に 判 断 する -9-

ことは 困 難 になっていくことが 当 然 に 予 想 される,などと 主 張 する しかし, 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 である 価 格 は 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 地 方 税 法 388 条 1 項 )によって 決 定 しなければならないが( 同 法 403 条 1 項 ),その 価 格 は,あくまでも 適 正 な 時 価 でなければならないので あり( 同 法 341 条 5 号 ), 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って(すなわち, 固 定 資 産 評 価 基 準 を 正 しく 適 用 して) 決 定 された 価 格 は 適 正 な 時 価 であると 推 認 されるというにすぎない 固 定 資 産 評 価 基 準 の 適 用 に 誤 りがあると 上 記 推 認 はされず,このことは,その 適 用 の 誤 りが, 前 記 のような 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 り である 場 合 であっても, 当 該 基 準 年 度 における 価 格 の 決 定 に 影 響 を 及 ぼすものである 限 り, 同 様 である 本 件 において, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 り は, 前 年 度 ( 平 成 17 年 度 )の 再 建 築 費 評 点 数 に 影 響 を 及 ぼし,ひいては 平 成 18 年 度 の 価 格 に 影 響 を 及 ぼ すことが 明 らかである 地 方 税 法 432 条 1 項 も, 基 準 年 度 の 登 録 価 格 に 関 して 審 査 の 申 出 をすることができる 場 合 について 何 らの 制 限 を 設 けていな いのであり, 被 控 訴 人 主 張 のような 制 限 をすることはできない 確 かに, 地 方 税 法 が, 固 定 資 産 税 の 賦 課 処 分 の 前 提 問 題 である 課 税 標 準 と なる 固 定 資 産 課 税 台 帳 の 登 録 価 格 を 早 期 に 確 定 させることにより, 固 定 資 産 税 に 関 連 する 事 項 についての 法 的 安 定 性 を 確 保 しようとしていると 解 され ることは, 前 記 (3)のとおりである しかし, 上 記 のように 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 りを 主 張 することができると 解 したとしても, 従 前 の 登 録 価 格 及 びこれに 基 づく 課 税 処 分 は 確 定 していてこれを 争 うことができ ないことに 変 わりはなく,その 意 味 での 法 的 安 定 性 を 害 することはない な お, 上 記 のように 解 すると, 納 税 者 は 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りをいつまでも 主 張 し 得 ることにはなるが,ひとたび 審 査 手 続 や 裁 判 手 続 を 通 じて 争 いが 決 着 すれば, 重 ねて 同 様 の 紛 争 が 繰 り 返 されることは 稀 であろうし, 同 様 の 紛 争 の 蒸 し 返 しと 見 られる 場 合 には, 信 義 則 上 の 主 張 制 限 という 対 処 も 考 えられ -10-

るのであり,いずれにせよ, 適 正 な 時 価 の 決 定 を 優 先 すべきである また, 建 築 当 初 の 評 価 から 時 間 が 経 過 すればするほど, 評 価 の 対 象 となっ た 家 屋 には 経 年 変 化 が 生 じ, 修 復 や 増 改 築 等 による 変 更 が 生 じることが 当 然 に 予 想 され,さらには, 建 築 当 初 の 建 築 関 係 書 類 が 廃 棄 又 は 紛 失 されること があることも 想 像 に 難 くなく,そうすると, 時 の 経 過 と 共 に 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りがあったかどうかを 的 確 に 判 断 することは 困 難 になることも 当 然 に 予 想 されるということはできる しかし, 上 記 のように 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 誤 りがあることについて 主 張 立 証 責 任 を 負 担 するのは,その 旨 を 主 張 して 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 の 相 当 性 を 争 う 納 税 者 で あるところ, 納 税 者 が 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 誤 りがあることを 主 張 立 証 することができた 以 上, 上 記 のような 事 情 は 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 の 誤 りに 基 づく 上 記 登 録 価 格 の 誤 りを 是 正 することを 否 定 する 理 由 にはならないというべきである 以 上 の 次 第 で, 被 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 することができない 2 争 点 (2)について 上 記 1のとおりであるから, 控 訴 人 主 張 のように 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 誤 りがあったか 否 か( 具 体 的 には,その 算 出 に 当 たり 各 評 点 項 目 の 補 正 項 目 に 対 して 適 用 された 補 正 係 数 に 誤 りがあったか 否 か)を 検 討 すべきことになるが, 当 裁 判 所 は, 根 切 り 工 事 の 補 正 項 目 地 盤 の 補 正 係 数 に 誤 りがあった( 増 点 補 正 をすべきではなかった )と 認 められるが,その 余 については 誤 りがあったとは 認 められないと 判 断 した その 理 由 は, 次 のとお り 補 正 するほか, 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 の 2(60 頁 5 行 目 から107 頁 6 行 目 まで)に 記 載 のとおりであるから,これ を 引 用 する( 原 判 決 は, 上 記 補 正 係 数 に 重 大 な 誤 りがあったかどうかを 検 討 し, いずれにも 重 大 な 誤 りがあったとは 認 められないと 判 断 したものである ) ( 原 判 決 の 補 正 ) -11-

(1) 60 頁 6 行 目 の 本 件 家 屋 から12 行 目 の まず までを 控 訴 人 主 張 のように に 改 め, 同 13 行 目 の 重 大 な を 削 り,61 頁 11 行 目 の 評 価 の 誤 りが 重 大 である を 評 価 に 誤 りがある に 改 め, 同 13 行 目 の 重 大 な を 削 る (2) 62 頁 14 行 目 から15 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 り,63 頁 2 行 目 の 4 の 次 に エントランス ロビー 部 分 には2か 所 の 吹 き 抜 けが 設 けられ,また, 住 宅 部 分 には24 階 に 中 庭 が 設 けられ, 中 庭 から 空 を 望 むこ とができるように24 階 から 最 上 階 の30 階 までを 中 空 にすることにより ロの 字 型 とするなど 複 雑 な 形 態 となっている 上, を 加 え, 同 8 行 目 から9 行 目 にかけての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるということはできな い を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 12 行 目 の 理 由 とならない の 次 に し, 鉄 筋 とコンクリートの 標 準 評 点 数 に は 労 務 費 分 が 含 まれているから 二 重 に 計 上 されることになる を, 同 17 行 目 の 家 屋 については の 次 に 高 度 で 複 雑 な 工 事 を 要 することとなり を それぞれ 加 え, 同 18 行 目 の 考 えられる を 考 えられ,しかも,この 分 は, 鉄 骨 等 の 標 準 評 点 数 に 含 まれる 労 務 費 分 では 評 価 されていないと 解 され る に, 同 23 行 目 の その 資 材 の 輸 送 運 搬 コスト 等 によりその 使 用 量 比 を 超 えて を 高 度 で 複 雑 な 工 事 を 要 することとなって に,64 頁 1 行 目 の 各 階 平 面 から3 行 目 末 尾 までを このことのみをもって 各 階 平 面 の 凹 凸 によって 主 体 構 造 部 の 労 務 費 が 増 すと 判 断 したことが 誤 りということはで きないし, 本 件 工 事 の 主 体 構 造 部 における 工 事 形 態 の 複 雑 さが 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべ き 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない にそれぞれ 改 め, 同 3 行 目 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そうすると, 主 体 構 造 部 の 評 価 上, 工 事 形 態 により 1.30の 補 正 をし たことが 誤 りであったということはできない -12-

(3) 64 頁 21 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 23 行 目 から65 頁 16 行 目 までを 次 のとおり 改 める (ウ) そこで, 本 件 家 屋 の 敷 地 の 地 盤 が 軟 弱 な 地 域 等 であるかどうかについ てみると, 証 拠 ( 甲 29)によれば, 本 件 家 屋 の 地 盤 の 根 切 り 対 象 部 位 の N 値 ( 標 準 貫 入 試 験 で 調 査 棒 を 深 さ30cmまで 貫 入 させるのに 必 要 な 打 撃 回 数 の 値 で, 数 値 が 大 きいほど 固 い 地 盤 と 評 価 される )は3ないし10 であり, 根 切 り 工 事 を 行 うに 当 たって 特 別 な 対 応 をする 必 要 はなかったこ と, 本 件 家 屋 の 敷 地 に 対 する 圧 密 試 験 を 実 施 した 結 果, 各 層 の 圧 密 降 伏 応 力 (その 土 が 過 去 に 受 けたことのある 最 大 の 上 載 荷 重 の 応 力 )が,いずれ も 有 効 土 被 り 応 力 (その 土 が 受 けている 上 載 荷 重 による 応 力 )に 比 べて 大 きく, 加 圧 密 状 態 と 評 価 されたこと, 本 件 家 屋 の 敷 地 のS 波 速 度 ( 地 盤 内 部 を 伝 わるS 波 ( 横 波,せん 断 波 )の 伝 搬 速 度 で, 速 度 が 速 いほど 固 い 地 盤 と 評 価 される )が0.21km/sec であったこと,したがって, 本 件 家 屋 の 敷 地 の 地 盤 は 軟 弱 なものではなく, 普 通 程 度 のものであったことが 認 められ,これを 覆 すに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 本 件 家 屋 の 敷 地 の 地 盤 について 増 点 補 正 をする 理 由 はない から, 根 切 り 工 事 の 評 価 上, 地 盤 により 1.50の 補 正 をしたことは 誤 りであった( 補 正 係 数 は1.00とすべきであった )といわざるを 得 な い (4) 66 頁 10 行 目 の, 重 大 な を, 同 12 行 目 の 証 拠 から22 行 目 の また, までをそれぞれ 削 り, 同 26 行 目 の さらには から67 頁 11 行 目 末 尾 までを しかも, 証 拠 ( 甲 11の6, 甲 17,18,28, 乙 32) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 本 件 家 屋 の 敷 地 は, 主 要 幹 線 道 路 に 面 しておらず, 周 辺 道 路 の 幅 員 も 広 くはないと 認 められる 上, 根 切 り 工 事 を 行 った 場 合 に 発 生 する 相 当 量 の 土 ( 総 掘 削 量 15 万 5400m3)を 都 心 部 から 郊 外 などの 離 れた 場 所 に 運 搬 しなければならないと 考 えられるか -13-

ら,トラックを 数 多 く 往 復 させる 必 要 が 生 じるなど 搬 出 すべき 土 の 運 搬 に は 多 額 の 費 用 を 要 するものと 考 えられる このような 事 情 を 考 慮 すれば, 本 件 家 屋 に 係 る 根 切 り 工 事 は, 多 くの 費 用 を 要 する 困 難 なものと 考 えるこ とは 何 ら 不 合 理 でないというべきであって, 根 切 り 工 事 の 敷 地 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められるというべき である 控 訴 人 は, 根 切 り 工 事 の 敷 地 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30とした ことが 誤 りであると 主 張 するが, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかか わらず, 本 件 家 屋 の 根 切 り 工 事 の 困 難 性 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のもので あると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 根 切 り 工 事 の 評 価 上, 敷 地 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできな い に 改 める (5) 68 頁 8 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 12 行 目 の 甲 4, の 次 に 28, を 加 え, 同 12 行 目 から13 行 目 にかけての プレキャストコ ンクリート 板 (100ミリメートル 厚 )に 花 崗 岩 を 打 ち 込 んだ を 重 量 のある 花 崗 岩 を 隙 間 なく 敷 き 詰 めた 型 にコンクリートを 流 し 込 んで 成 型 した に, 同 19 行 目 の 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるというこ とはできない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に, 同 24 行 目 から25 行 目 にかけての 原 告 は から69 頁 1 行 目 の 主 張 するのであり までを 上 記 のとおり, 外 周 壁 骨 組 に 使 用 されたプレキャ ストコンクリート 板 は, 重 量 のある 花 崗 岩 を 隙 間 なく 敷 き 詰 めた 型 にコン クリートを 流 し 込 んで 成 型 したものであるが にそれぞれ 改 め, 同 8 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 外 周 壁 骨 組 の 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであ るとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに -14-

足 りる 証 拠 はない そうすると, 外 周 壁 骨 組 の 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (6) 69 頁 18 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 26 行 目 の 前 記 (3) を 前 記 (1) に,70 頁 6 行 目 から7 行 目 にかけての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるということはできない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる にそれぞれ 改 め, 同 11 行 目 の 足 りる の 次 に, <ウ> 本 件 家 屋 の 外 部 仕 上 げが 普 通 であることは, 本 件 家 屋 と 立 地 条 件, 規 模 及 び 外 観 のイメージ グレード 感 において 共 通 するBにおける 外 部 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからも 明 らかで ある を, 同 21 行 目 の 不 合 理 とはいえない の 次 に さらに,<ウ> 本 件 家 屋 とBとが, 立 地 条 件, 規 模 及 び 外 観 のイメージ グレード 感 にお いて 共 通 するということができるかどうかについては 判 然 としないし, 本 件 家 屋 の 外 部 仕 上 げの 普 請 の 程 度 がBのそれと 同 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 もない をそれぞれ 加 え, 同 22 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 外 部 仕 上 げの 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであ るとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 外 部 仕 上 げの 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (7) 71 頁 5 行 目 から6 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 り, 同 24 行 目 から25 行 目 にかけての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるというこ とはできない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め,72 頁 9 行 目 の 明 らかである の 次 に また, 控 訴 人 は, 本 件 -15-

家 屋 の 内 部 仕 上 げが 普 通 であることは,1 階 ロビー 及 び 高 層 階 ロビーの 壁 面 において 統 一 された 模 様 の 花 崗 岩 による 仕 上 げがされ, 本 件 家 屋 に 劣 ら ないグレード 感 を 感 じさせるBにおける 内 部 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからも 明 らかである 旨 の 主 張 をするが, 本 件 家 屋 の 内 部 仕 上 げの 普 請 の 程 度 がBのそれと 同 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない を 加 え, 同 10 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 内 部 仕 上 げの 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであ るとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 内 部 仕 上 げの 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (8) 72 頁 19 行 目 の, 重 大 な 及 び 同 25 行 目 から26 行 目 にかけて の 高 層 階 にプールがあり, 防 水 加 工 がされた 床 工 事 がされていること, を 削 り,73 頁 11 行 目 から12 行 目 にかけての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるということはできない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 15 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える また, 控 訴 人 は, 本 件 家 屋 の 床 仕 上 げが 普 通 であることは, 統 一 された 模 様 の 花 崗 岩 のほか, 大 理 石 の 模 様 貼 などの 使 用 により 本 件 家 屋 に 劣 らな いグレード 感 を 感 じさせるBにおける 床 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 とし て 増 点 補 正 されていないことからも 明 らかである 旨 の 主 張 をするが, 本 件 家 屋 の 内 部 仕 上 げの 普 請 の 程 度 がBのそれと 同 程 度 のものであると 認 め るに 足 りる 証 拠 はないから,これを 採 用 することもできない そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 床 -16-

仕 上 げの 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものである とか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 床 仕 上 げの 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 を したことが 誤 りであったということはできない (9) 73 頁 24 行 目 から25 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 り,74 頁 13 行 目 の 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるということはできな い を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 1 8 行 目 から19 行 目 にかけての 二 重 評 価 になる の 次 に,<エ> 本 件 家 屋 の 天 井 仕 上 げが 普 通 であることは,システム 天 井 が 採 用 され,また,ロ ビーの 天 井 などには 吹 き 抜 けがあるほか, 曲 線 を 描 いた 飾 り 天 井 が 採 用 さ れ, 本 件 家 屋 に 劣 らないグレード 感 を 感 じさせるBにおける 天 井 仕 上 げの 施 工 の 程 度 が 普 通 として 増 点 補 正 されていないことからも 明 らかである を,75 頁 3 行 目 から4 行 目 にかけての ものではない の 次 に さら に,<エ> 本 件 家 屋 の 天 井 仕 上 げの 普 請 の 程 度 がBのそれと 同 程 度 のもので あると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない をそれぞれ 加 え, 同 4 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 天 井 仕 上 げの 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであ るとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 天 井 仕 上 げの 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (10) 75 頁 15 行 目 の, 重 大 な を 削 り,76 頁 3 行 目 の 1.30とした ことが 重 大 な 誤 りであるということはできない を 1.30としたことに は 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 17 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 -17-

のとおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 本 件 家 屋 の 屋 根 仕 上 げの 普 請 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 におけるそれと 同 程 度 のものであ るとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 屋 根 仕 上 げの 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (11) 77 頁 11 行 目 の, 重 大 な を 削 り,78 頁 2 行 目 から3 行 目 にかけ ての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りであるということはできない を 1. 30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 11 行 目 の し たがって から12 行 目 末 尾 までを 削 り, 同 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 の とおり 加 える そして, 上 記 のような 事 情 が 認 められるにもかかわらず, 建 具 の 施 工 の 程 度 が 普 通 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 建 具 の 評 価 上, 施 工 の 程 度 により 1.30の 補 正 をした ことが 誤 りであったということはできない (12) 78 頁 23 行 目 の, 重 大 な を 削 り,79 頁 1 行 目 から2 行 目 にかけ ての 1.30としたことが, 重 大 な 誤 りであるということはできない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 3 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える 控 訴 人 は,ルーバーの 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30としたことが 誤 りであると 主 張 し, 株 式 会 社 Aの 従 業 員 が 作 成 した 陳 述 書 ( 甲 28) 中 に は, 本 件 家 屋 のルーバーは 特 に 高 級 なものではないとの 陳 述 記 載 がある が,このような 陳 述 を 裏 付 ける 客 観 的 な 証 拠 はないし,その 他 の 証 拠 によ っても,ルーバーの 程 度 が 1.20の 補 正 に 止 めるべき 程 度 のものであると -18-

認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると,ルーバーの 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたこ とが 誤 りであったということはできない (13) 79 頁 11 行 目 から12 行 目 にかけての これまでに から20 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 既 成 間 仕 切 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 を すべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 22 行 目 の 重 大 な を 削 る (14) 80 頁 15 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 19 行 目 の 用 いられており, から23 行 目 末 尾 までを 用 いられている 一 方 で, 普 通 のもの に 該 当 するとされている 一 般 動 力 盤 モーター 用 配 線 用 遮 断 機 (モーターブレーカ ー)や 開 閉 用 マグネットスイッチが 用 いられていることが 認 められる( 甲 30)が, 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 動 力 配 線 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 を すべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 25 行 目 の 重 大 な を 削 る (15) 81 頁 14 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 20 行 目 の 認 められ から 82 頁 1 行 目 末 尾 までを 認 められるところであり, 本 件 全 証 拠 によって も, 本 件 家 屋 の 電 灯 コンセント 配 線 設 備 の 工 事 やその 仕 上 がりの 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 1 1 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える そうすると, 電 灯 コンセント 配 線 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30 の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (16) 82 頁 26 行 目 の, 重 大 な を 削 り,83 頁 12 行 目 の 1.30とし た から13 行 目 末 尾 までを 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 -19-

められるというべきである に 改 め, 同 14 行 目 から15 行 目 までを 次 のとおり 改 める これに 対 し, 株 式 会 社 Aの 従 業 員 が 作 成 した 陳 述 書 ( 甲 30) 中 には, 本 件 家 屋 全 体 の85.3%を 占 める 事 務 所 部 分 の 電 話 配 線 設 備 は 一 般 的 な 施 工 によっているとの 陳 述 記 載 があるが,これを 裏 付 ける 客 観 的 な 証 拠 は ないし,その 他 の 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 電 話 配 線 設 備 で 使 用 されて いる 資 材 やその 仕 上 がりの 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のもので あるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 める に 足 りる 証 拠 はない そうすると, 電 灯 コンセント 配 線 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30 の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (17) 84 頁 4 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 10 行 目 の これまでに から 14 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 照 明 器 具 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか, 被 控 訴 人 がした 1. 30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 15 行 目 の 重 大 な を 削 る (18) 85 頁 3 行 目 から4 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 り, 同 11 行 目 の これまでに から15 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 呼 出 信 号 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであると か,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 り る 証 拠 はない に 改 め, 同 16 行 目 の 重 大 な を 削 る (19) 86 頁 10 行 目 から11 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 り, 同 17 行 目 の これまでに から21 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 盗 難 非 常 通 報 装 置 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のもの であるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 め るに 足 りる 証 拠 はない なお, 前 記 陳 述 書 ( 甲 30) 中 には, 金 属 管 内 配 -20-

線 である 他 のオフィスの 仕 様 に 比 べて, 特 に 本 件 家 屋 の 盗 難 非 常 装 置 に 手 間 がかかったということはなかったとの 陳 述 記 載 があるが,これを 裏 付 け る 客 観 的 な 証 拠 はない に 改 め, 同 23 行 目 の 重 大 な を 削 る (20) 87 頁 9 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 14 行 目 の これまでに から 18 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 のインターホン 配 線 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はな い に 改 め, 同 20 行 目 の 重 大 な を 削 る (21) 88 頁 7 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 12 行 目 の これまでに から 16 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 拡 声 器 配 線 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 18 行 目 の 重 大 な を 削 る (22) 89 頁 12 行 目 の, 重 大 な, 同 19 行 目 の 重 大 な 及 び 同 21 行 目 の 重 大 な を 削 る (23) 90 頁 20 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 24 行 目 の 認 められる か ら91 頁 3 行 目 末 尾 までを 認 められるところ, 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 工 業 用 テレビ 配 線 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 の ものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 5 行 目 の 重 大 な を 削 る (24) 91 頁 25 行 目 の, 重 大 な を 削 り,92 頁 4 行 目 冒 頭 から5 行 目 の 認 められる までを 23 階 のシャワーや 住 宅 部 分 の 水 栓 の 計 上 漏 れが あることが 認 められる( 甲 30, 乙 11, 弁 論 の 全 趣 旨 ) に 改 め, 同 7 行 目 の 重 大 な を 削 る (25) 92 頁 25 行 目 の, 重 大 な を 削 り,93 頁 6 行 目 の されているこ と の 次 に や, 平 成 3 年 度 評 価 基 準 解 説 では, 排 水 設 備 は 給 水 設 備 -21-

及 び 衛 生 器 具 設 備 と 常 に 一 体 をなして 機 能 するものであり, 集 中 性, 設 備 の 多 少, 管 材 等 の 補 正 はこの 三 つの 評 点 項 目 を 通 して 見 た 場 合, 一 貫 性 があるものである (574 頁 )とされていること を 加 え, 同 9 行 目 の 重 大 な を 削 る (26) 94 頁 2 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 6 行 目 の 鋼 板 製 であり を 鋼 板 製 のものではあるが に, 同 9 行 目 の 不 合 理 ではなく から10 行 目 末 尾 までを 不 合 理 ではないところ, 中 央 式 給 湯 設 備 全 体 の 程 度 が 普 通 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであ ると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 中 央 式 給 湯 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはでき ない にそれぞれ 改 める (27) 94 頁 26 行 目 の 重 大 な を 削 り,95 頁 6 行 目 の これまでに か ら11 行 目 末 尾 までを 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 衛 生 器 具 設 備 の 程 度 が 標 準 的 な 建 物 のそれと 同 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そう すると, 衛 生 器 具 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたこと が 誤 りであったということはできない に 改 める (28) 96 頁 15 行 目 から16 行 目 にかけての しなかったことは 合 理 的 を しなかったことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる に 改 め, 同 16 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える これに 対 し, 前 記 陳 述 書 ( 甲 30) 中 には, 本 件 各 空 調 システムが 受 け 持 つ 面 積 は 広 範 囲 に 及 んでおり, 規 模 の 経 済 が 生 まれて 作 業 は 効 率 的 にな る 旨 の 陳 述 記 載 があるが,このような 陳 述 を 裏 付 ける 客 観 的 な 証 拠 はない し,その 他 の 証 拠 によっても, 吸 収 式 冷 凍 機,パッケージエアコンディシ ョナー2 設 備 について 減 点 補 正 をしなかったことが 誤 りであったと 認 め るに 足 りる 証 拠 はない -22-

そうすると, 吸 収 式 冷 凍 機,パッケージエアコンディショナー2 設 備 の 評 価 上, 規 模 による 減 点 補 正 をしなかったことが 誤 りであったという ことはできない (29) 97 頁 1 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 11 行 目 の すること から1 2 行 目 末 尾 までを することには 相 応 の 合 理 性 が 認 められるというべきで ある 控 訴 人 は, 吸 収 式 冷 凍 機,パッケージエアコンディショナー2 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30としたことが 誤 りであると 主 張 するが, 本 件 全 証 拠 によっても, 空 調 設 備 全 体 の 程 度 が 1.10の 補 正 に 止 めるべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 14 行 目 の 重 大 な を 削 る (30) 98 頁 6 行 目 から7 行 目 にかけての 1.30としたことが 重 大 な 誤 りと はいえない を 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められるとい うべきである 控 訴 人 は, 換 気 設 備 2 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1. 30としたことが 誤 りであると 主 張 するが, 本 件 全 証 拠 によっても, 換 気 設 備 2 設 備 の 程 度 が 1.10の 補 正 に 止 めるべき 程 度 のものであると 認 め るに 足 りる 証 拠 はない そうすると, 換 気 設 備 2 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない に 改 め, 同 15 行 目 から16 行 目 にかけての, 重 大 な を 削 る (31) 99 頁 16 行 目 の 評 価 することができる から18 行 目 の 採 用 でき ない までを 評 価 することができるところ, 本 件 全 証 拠 によっても, レンジフードファンの 程 度 が 普 通 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない に 改 め, 同 19 行 目 の 重 大 な を 削 る (32) 100 頁 14 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 21 行 目 の 1.30 から 22 行 目 末 尾 までを 1.30としたことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められると いうべきである に 改 め, 同 22 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 -23-

える 控 訴 人 は,スプリンクラー 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1. 30としたことが 誤 りであると 主 張 するが, 本 件 全 証 拠 によっても,スプ リンクラー 設 備 の 程 度 が 普 通 程 度 のものであるとか,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると,スプリンクラー 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (33) 101 頁 14 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 21 行 目 の したこと か ら 同 行 目 末 尾 までを したことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められるというべき である に 改 め, 同 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える 控 訴 人 は,エレベーター 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30とした ことが 誤 りであると 主 張 し, 前 記 陳 述 書 ( 甲 30) 中 には, 本 件 家 屋 より 多 くのステンレスが 使 用 されているCやBと 比 べて 補 正 係 数 が 著 しく 高 くなっているとの 陳 述 記 載 があるが,これを 裏 付 ける 客 観 的 な 証 拠 はない し, 仮 にそのような 事 実 が 認 められるとしても,ステンレスの 使 用 の 多 寡 によってのみエレベーター 設 備 の 程 度 が 判 断 されるものではないから,こ れを 理 由 としてエレベーター 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30とし たことが 誤 りであったということはできない そして,その 他 の 証 拠 によ っても, 本 件 家 屋 のエレベーター 設 備 の 程 度 が 普 通 程 度 のものであると か,1.30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 り る 証 拠 はない そうすると,エレベーター 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (34) 102 頁 20 行 目 の, 重 大 な を 削 り, 同 26 行 目 の したことが から103 頁 1 行 目 末 尾 までを したことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる というべきである に 改 め, 同 行 目 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える 控 訴 人 は,エスカレーター 設 備 の 程 度 に 係 る 補 正 係 数 を 1.30とし -24-

たことが 誤 りであると 主 張 するが, 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 のエ スカレーター 設 備 の 程 度 が 普 通 程 度 のものであるとか, 被 控 訴 人 がした 1. 30の 補 正 を 下 回 る 補 正 をすべき 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない そうすると,エスカレーター 設 備 の 評 価 上, 程 度 により 1.30の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (35) 103 頁 25 行 目 の, 重 大 な を 削 り,104 頁 13 行 目 の したこ とが から14 行 目 末 尾 までを したことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められる というべきである に 改 め, 同 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 え る 控 訴 人 は, 仮 設 工 事 の 工 事 の 難 易 に 係 る 補 正 係 数 を 1.50としたこ とが 誤 りであると 主 張 するが, 本 件 全 証 拠 によっても, 本 件 家 屋 の 仮 設 工 事 の 難 易 の 程 度 が 1.20の 補 正 に 止 めるべき 程 度 のものであると 認 める に 足 りる 証 拠 はない そうすると, 仮 設 工 事 の 評 価 上, 工 事 の 難 易 により 1.50の 補 正 を したことが 誤 りであったということはできない (36) 105 頁 6 頁 の その 他 の 行 為 を その 他 の 工 事 に 改 め, 同 12 行 目 の, 重 大 な を 削 り,106 頁 12 行 目 の 付 設 したこと から13 行 目 末 尾 までを 付 設 したことには 相 応 の 合 理 性 が 認 められるというべき である に 改 め, 同 20 行 目 の 末 尾 に 行 を 改 めて 次 のとおり 加 える また, 前 記 陳 述 書 ( 甲 28) 中 には, 原 判 決 別 紙 4には 主 体 構 造 部 から 仮 設 工 事 までの 部 分 別 工 事 に 該 当 するものか,もしくは 一 般 的 に 施 工 され るものが 含 まれており, 二 重 に 工 事 費 が 計 上 されているとの 陳 述 記 載 があ るが,これを 裏 付 ける 客 観 的 な 証 拠 はない そして,そのほかの 証 拠 によ っても, 本 件 家 屋 のその 他 の 工 事 の 施 工 状 況 が5.14の 補 正 に 止 めるべ き 程 度 のものであると 認 めるに 足 りる 証 拠 はない -25-

そうすると,その 他 の 工 事 の 評 価 上, 工 事 の 多 少 により20.00 の 補 正 をしたことが 誤 りであったということはできない (37) 106 頁 22 行 目 から107 頁 6 行 目 までを 次 のとおり 改 める 以 上 のとおり, 根 切 り 工 事 の 評 価 上, 地 盤 により 1.50の 補 正 をし たことは 誤 りであった( 補 正 係 数 は1.00とすべきであった )と 認 め ることができるが,その 余 の 点 については, 評 価 に 誤 りがあると 認 めるこ とはできない 3 控 訴 人 は, 比 較 的 近 時 に 建 設 された 建 物 については 補 正 係 数 をほぼ 1.00と して 増 点 補 正 がされていないにもかかわらず, 本 件 家 屋 についてはほぼ 一 律 に 補 正 係 数 を 1.30として 増 点 補 正 がされていること, 被 控 訴 人 が, 本 件 家 屋 に ついて 補 正 係 数 1.30を 適 用 した 理 由 として, 本 件 家 屋 が 竣 工 した 平 成 5 年 当 時 は20 階 建 以 上 の 高 層 ビルは 目 新 しかったこと を 挙 げていることを 根 拠 として, 被 控 訴 人 において 固 定 資 産 評 価 基 準 における 補 正 係 数 適 用 に 係 る 主 観 的 判 断 を 変 遷 させたとし,このような 事 情 は 固 定 資 産 評 価 基 準 が 定 める 減 点 補 正 を 超 える 減 価 を 要 する 特 別 の 事 情 に 当 たると 主 張 する しかし, 前 記 引 用 に 係 る 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 の 第 2の1(3)のとお り, 標 準 評 点 数 の 補 正 は, 標 準 評 点 数 が 標 準 的 な 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 別 の 単 位 当 たり 施 工 量 ( 標 準 量 )に 対 する 工 事 費 を 基 礎 として 算 出 されているため, 評 価 の 対 象 となった 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 の 工 事 の 施 工 量 等 が 補 正 項 目 及 び 補 正 係 数 欄 の 標 準 欄 に 定 められている 工 事 の 施 工 量 等 と 相 違 する 場 合 に, 当 該 家 屋 の 工 事 の 実 態 に 適 合 させるためにそれに 即 して 行 われるものであると ころ, 本 件 家 屋 の 工 事 の 実 態 と 比 較 的 近 時 に 建 設 された 建 物 の 工 事 の 実 態 とが 同 一 であると 認 めるに 足 りる 証 拠 はないから, 控 訴 人 が 主 張 するような 事 情 が 存 したからといって, 直 ちに 被 控 訴 人 が 補 正 係 数 適 用 にかかる 主 観 的 判 断 を 変 遷 させたということはできないし, 他 にそのような 事 情 を 認 めるに 足 りる 証 拠 もない -26-

したがって, 控 訴 人 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 4 結 論 以 上 によれば, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 に 当 たり, 根 切 り 工 事 の 評 価 上, 地 盤 により 1.50の 補 正 をしたことは, 誤 り である( 増 点 補 正 はすべきでない )ところ, 弁 論 の 全 趣 旨 によれば,この 点 の 補 正 をせずに 根 切 り 工 事 の 単 位 当 たり 評 点 数 を 算 出 すると6752 点 とな り,その 結 果, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 は30 万 96 00 点 (100 点 未 満 切 り 捨 て)となることが 認 められる そして, 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 上 記 のとおりの 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 前 提 として, 本 件 家 屋 の 平 成 18 年 度 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 すると, 別 紙 2 計 算 書 のとおり, 鉄 骨 造 部 分 については29 万 710 0 点 (100 点 未 満 切 り 捨 て), 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 部 分 は28 万 880 0 点 (100 点 未 満 切 り 捨 て)となり,これらに 基 づいて 平 成 18 年 度 におけ る 本 件 家 屋 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 価 格 を 算 定 すると, 同 計 算 書 のとおり24 8 億 2490 万 5100 円 となることが 認 められる そうすると, 本 件 決 定 のうち 価 格 248 億 2490 万 5100 円 を 超 える 部 分 は, 違 法 であり, 取 消 しを 免 れないというべきである よって, 控 訴 人 の 請 求 を 棄 却 した 原 判 決 を 上 記 趣 旨 に 従 って 変 更 することと し, 主 文 のとおり 判 決 する 東 京 高 等 裁 判 所 第 19 民 事 部 裁 判 長 裁 判 官 貝 阿 彌 誠 裁 判 官 生 島 弘 康 -27-

裁 判 官 土 田 昭 彦 -28-

( 原 裁 判 等 の 表 示 ) 主 文 1 原 告 の 請 求 を 棄 却 する 2 訴 訟 費 用 は 原 告 の 負 担 とする 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 原 告 に 対 して 平 成 20 年 1 月 23 日 付 けで した, 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 別 紙 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 に 係 る 平 成 18 年 度 の 価 格 に 対 する 審 査 申 出 を 棄 却 した 決 定 のうち, 価 格 178 億 9770 万 9700 円 を 超 える 部 分 を 取 り 消 す 第 2 事 案 の 概 要 本 件 は, 別 紙 物 件 目 録 記 載 の 家 屋 ( 以 下 本 件 家 屋 という )の 所 有 者 で ある 原 告 が, 本 件 家 屋 についての 平 成 18 年 度 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 として 東 京 都 知 事 が 決 定 して 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 した 価 格 を 不 服 として, 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 対 して 審 査 の 申 出 をしたところ, 同 委 員 会 がこれを 棄 却 する 旨 の 決 定 をしたため, 被 告 に 対 し, 同 決 定 のうち, 原 告 が 相 当 と 考 える 価 格 を 超 える 部 分 の 取 消 しを 求 める 事 案 である 原 告 は, 上 記 不 服 の 理 由 として, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りがあった こと, 具 体 的 には, 平 成 5 年 度 において 本 件 家 屋 の 価 格 を 評 価 するに 当 たり, 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 する 際 の 部 分 別 評 価 において 適 用 された 補 正 係 数 に 誤 りがあったことを 主 張 しているのに 対 し, 被 告 は, 建 築 当 初 の 評 価 の 誤 りを 平 成 18 年 度 の 価 格 に 対 する 不 服 として 主 張 することはできない 旨 主 張 するとともに,そもそも 建 築 当 初 の 評 価 に 誤 りはない 旨 主 張 している 1 法 令 の 定 め 等 (1) 地 方 税 法 ア 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 について -29-

地 方 税 法 349 条 1 項 は, 家 屋 に 対 して 課 する 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 は, 当 該 家 屋 の 基 準 年 度 に 係 る 賦 課 期 日 における 価 格 で 家 屋 課 税 台 帳 等 に 登 録 されたものとする 旨 定 め, 同 法 341 条 5 号 は, 価 格 とは 適 正 な 時 価 をいう 旨,また, 同 条 6 号 は 基 準 年 度 とは, 昭 和 31 年 度 及 び 昭 和 3 3 年 度 並 びに 昭 和 33 年 度 から 起 算 して3 年 度 又 は3の 倍 数 の 年 度 を 経 過 したごとの 年 度 をいう 旨 それぞれ 定 めている 地 方 税 法 388 条 1 項 は, 総 務 大 臣 は, 固 定 資 産 の 評 価 の 基 準 並 びに 評 価 の 実 施 の 方 法 及 び 手 続 ( 以 下 固 定 資 産 評 価 基 準 という )を 定 め, これを 告 示 しなければならない 旨 定 め, 同 法 403 条 1 項 は, 市 町 村 長 は, 固 定 資 産 評 価 基 準 によって, 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 しなければならない 旨 定 めている なお, 平 成 18 年 法 律 第 4 号 による 改 正 前 の 地 方 税 法 734 条 1 項 は, 東 京 都 の 特 別 区 の 存 する 地 域 においては, 固 定 資 産 税 を 東 京 都 が 課 する 旨 を 定 めているから, 上 記 の 固 定 資 産 の 価 格 の 決 定 は, 東 京 都 知 事 が 行 うことになる イ 固 定 審 査 の 価 格 に 関 する 不 服 審 査 等 について 地 方 税 法 432 条 1 項 は, 固 定 資 産 税 の 納 税 者 は,その 納 付 すべき 当 該 年 度 の 固 定 資 産 税 に 係 る 固 定 資 産 について 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 について 不 服 がある 場 合 においては, 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 した 価 格 等 の 公 示 の 日 から 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 日 後 60 日 まで 若 しくは 都 道 府 県 知 事 の 勧 告 を 受 けて 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 された 価 格 を 修 正 した 場 合 の 公 示 の 日 から 同 日 後 60 日 ( 固 定 資 産 の 価 格 の 修 正 による 更 正 に 基 づく 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 者 にあっては, 当 該 納 税 通 知 書 の 交 付 を 受 けた 後 60 日 )までの 間 において, 又 は 登 録 価 格 等 の 公 示 の 日 以 後 におけ る 価 格 の 決 定 修 正 の 通 知 を 受 けた 日 から60 日 以 内 に, 文 書 をもって, 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 審 査 の 申 出 をすることができる 旨 定 めている 同 法 434 条 1 項 は, 固 定 資 産 税 の 納 税 者 は, 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 -30-

の 決 定 に 不 服 があるときは,その 取 消 しの 訴 えを 提 起 することができると 定 め, 同 条 2 項 は, 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 審 査 を 申 し 出 ることができ る 事 項 について 不 服 がある 納 税 者 は, 審 査 の 申 出 又 は 上 記 取 消 しの 訴 えに よることによってのみ 争 うことができる 旨 定 めている (2) 平 成 18 年 度 評 価 基 準 平 成 18 年 度 において 適 用 される 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 平 成 17 年 総 務 省 告 示 第 1345 号 による 改 正 後 の 昭 和 38 年 12 月 25 日 自 治 省 告 示 158 号 以 下 平 成 18 年 度 評 価 基 準 という ) 第 2 章 は, 家 屋 の 評 価 につい て, 次 のように 定 めている ア 家 屋 の 評 価 ( 第 1 節 一 ) 家 屋 の 評 価 は, 木 造 家 屋 及 び 木 造 家 屋 以 外 の 家 屋 ( 以 下 非 木 造 家 屋 という )の 区 分 に 従 い, 各 個 の 家 屋 について 評 点 数 を 付 設 し, 当 該 評 点 数 に 評 点 1 点 当 たりの 価 額 を 乗 じて 各 個 の 家 屋 の 価 額 を 求 める 方 法 による ものとする イ 評 点 数 の 付 設 ( 第 1 節 二 ) 各 個 の 家 屋 の 評 点 数 は, 当 該 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 を 基 礎 とし,これに 家 屋 の 損 耗 の 状 況 による 減 点 を 行 って 付 設 するものとする この 場 合 にお いて, 家 屋 の 状 況 に 応 じ 必 要 があるものについては,さらに 家 屋 の 需 給 事 情 による 減 点 を 行 うものとする ウ 非 木 造 家 屋 の 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 一 ) (ア) 非 木 造 家 屋 の 評 点 数 は, 当 該 非 木 造 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 を 基 礎 と して,これに 損 耗 の 状 況 による 減 点 補 正 率 を 乗 じて 付 設 するものとし, 次 の 算 式 によって 求 めるものとする この 場 合 において, 当 該 非 木 造 家 屋 について 需 給 事 情 による 減 点 を 行 う 必 要 があると 認 めるときは, 当 該 非 木 造 家 屋 の 評 点 数 は, 次 の 算 式 によって 求 めた 評 点 数 に 需 給 事 情 によ る 減 点 補 正 率 を 乗 じて 求 めるものとする -31-

算 式 評 点 数 = 再 建 築 費 評 点 数 経 過 年 数 に 応 ずる 減 点 補 正 率 ( 括 弧 書 き 略 ) (イ) 市 町 村 長 は,( 中 略 ) 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 ( 当 該 年 度 において 新 た に 課 税 の 対 象 となる 非 木 造 家 屋 以 外 の 非 木 造 家 屋 をいう( 第 1 節 三 2(4) 参 照 ) )に 係 る 再 建 築 費 評 点 数 は 四 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 に 係 る 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 により 求 めるものとする エ 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 に 係 る 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 四 ) 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 に 係 る 再 建 築 費 評 点 数 は, 次 の 算 式 によって 求 める ものとする (ただし 書 略 ) ( 算 式 ) 再 建 築 費 評 点 数 = 基 準 年 度 の 前 年 度 における 再 建 築 費 評 点 数 再 建 築 費 評 点 補 正 率 オ 損 耗 の 状 況 による 減 点 補 正 率 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 五 ) 非 木 造 家 屋 の 損 耗 の 状 況 による 減 点 補 正 率 は, 経 過 年 数 に 応 ずる 減 点 補 正 率 によるものとし(ただし 書 略 ), 経 過 年 数 に 応 ずる 減 点 補 正 率 は, 通 常 の 維 持 管 理 を 行 うものとした 場 合 において,その 年 数 の 経 過 に 応 じて 通 常 生 ずる 減 価 を 基 礎 として 定 めたものであって, 非 木 造 家 屋 の 構 造 区 分 に 従 い, 非 木 造 家 屋 経 年 減 点 補 正 率 基 準 表 ( 別 表 第 13)に 示 されてい る 当 該 非 木 造 家 屋 の 経 年 減 点 補 正 率 によって 求 めるものとする なお, 別 表 第 13においては, 主 たる 用 途 が 事 務 所, 経 過 年 数 が13 年 で, 構 造 が 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 の 部 分 の 経 年 減 点 補 正 率 は0.84, 構 造 が 鉄 骨 造 ( 骨 格 材 の 肉 厚 が4ミリメートルを 超 えるもの)の 部 分 の 経 年 減 点 補 正 率 は0.7689とそれぞれ 定 められている カ 再 建 築 費 評 点 補 正 率 ( 第 4 節 一 ) 固 定 資 産 税 に 係 る 平 成 18 年 度 における 在 来 分 の 家 屋 の 評 価 に 係 る 再 建 -32-

築 費 評 点 補 正 率 は, 非 木 造 家 屋 については,0.95とする キ 評 点 1 点 当 たりの 価 額 ( 第 4 節 二 ) 平 成 18 年 度 における 家 屋 の 評 価 における 評 点 1 点 当 たりの 価 額 は, 物 価 水 準 による 補 正 率 ( 非 木 造 家 屋 については1.00)に 設 計 管 理 費 等 に よる 補 正 率 ( 非 木 造 家 屋 については1.10)とを 相 乗 して 得 た 額 を 基 礎 として 市 町 村 長 が 定 めるものとする (3) 平 成 3 年 度 評 価 基 準 平 成 3 年 度 において 適 用 される 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 昭 和 62 年 自 治 省 告 示 第 191 号 による 改 正 後 の 昭 和 38 年 12 月 25 日 自 治 省 告 示 158 号 以 下 平 成 3 年 度 評 価 基 準 という ) 第 2 章 は, 家 屋 の 評 価 について, 次 の ように 定 めている ア 家 屋 の 評 価 ( 第 1 節 一 ), 評 点 数 の 付 設 ( 第 1 節 二 ) 及 び 非 木 造 家 屋 の 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 一 )については, 前 記 (2)アからウまでと 同 じ イ 非 木 造 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 方 法 ( 第 3 節 二 ) 非 木 造 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 は, 当 該 非 木 造 家 屋 の 構 造 の 区 分 に 応 じ, 当 該 非 木 造 家 屋 について 適 用 すべき 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 によって 求 める ものとする 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 によって 非 木 造 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 を 求 める 場 合 においては, 各 個 の 非 木 造 家 屋 の 構 造 の 区 分 に 応 じ, 当 該 非 木 造 家 屋 に ついて 適 用 すべき 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 によって 当 該 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 別 に 標 準 評 点 数 を 求 め,これに 補 正 項 目 について 定 められている 補 正 係 数 を 乗 じて 得 た 数 値 に 計 算 単 位 の 数 値 を 乗 じて 算 出 した 部 分 別 再 建 築 費 評 点 数 を 合 計 して 求 めるものとする 非 木 造 家 屋 の 再 建 築 費 評 点 数 は, 次 の 非 木 造 家 屋 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 要 領 によって 算 出 するものとする 非 木 造 家 屋 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 要 領 -33-

(ア) 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 の 適 用 各 個 の 非 木 造 家 屋 の 構 造 の 相 違 に 応 じ, 当 該 非 木 造 家 屋 について 適 用 すべき 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 を 定 める 場 合 においては,その 使 用 状 況 の いかんにかかわらず, 当 該 非 木 造 家 屋 の 本 来 の 構 造 によりその 適 用 すべ き 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 を 定 めるものとする (イ) 床 面 積 の 算 定 ( 略 ) (ウ) 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 の 部 分 別 区 分 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 の 部 分 別 区 分 の 内 容 は, 次 のとおりである a 主 体 構 造 部 ( 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 ) 骨 組 を 鉄 骨 で 組 み,これを 鉄 筋 で 補 強 し,その 外 部 に 仮 枠 を 構 成 し, これにコンクリートを 打 込 んで 硬 化 して 構 築 した 基 礎, 柱, 梁, 壁 体, 床 版, 小 屋 組, 屋 根 版 等 の 主 体 構 造 部 分 をいう ( 鉄 筋 コンクリート 造 ) 骨 組 を 鉄 筋 で 組 み,その 外 部 に 仮 枠 を 構 成 し,これにコンクリート を 打 ち 込 んで 硬 化 して 構 築 した 基 礎, 柱, 梁, 壁 体, 床 版, 小 屋 組, 屋 根 版 等 の 主 体 構 造 部 分 をいう ( 鉄 骨 造 ) 形 鋼 と 鋼 板 とを 組 合 せ, 鋲 接 又 は 熔 接 によって 構 築 した 基 礎, 柱, 梁, 壁 体, 小 屋 組, 屋 根 版 等 の 主 体 構 造 部 分 をいう b 基 礎 工 事 建 物 の 荷 重 を 支 える 地 下 構 造 部 分 を 築 造 するための 根 切 り 工 事, 建 物 による 荷 重 と 地 盤 の 状 況 に 応 じて 施 工 する 杭 打 地 業, 潜 函 地 業 及 び 割 栗 地 業 等 をいう c 外 周 壁 骨 組 建 物 の 外 周 壁 の 骨 組 で 主 体 構 造 部 を 構 成 しないものをいう -34-

d 間 仕 切 骨 組 内 部 の 各 部 屋 を 区 画 する 間 仕 切 の 骨 組 をいう e 外 部 仕 上 げ 建 物 の 外 周 壁 の 仕 上 げ 部 分 とその 下 地 部 分 をいう f 内 部 仕 上 げ 建 物 の 内 周 壁 の 仕 上 げ 部 分 とその 下 地 部 分 をいう g 床 仕 上 げ 床 の 仕 上 げ 部 分 とその 下 地 部 分 をいう h 天 井 仕 上 げ 天 井 の 仕 上 げ 部 分 とその 下 地 部 分 をいう i 屋 根 仕 上 げ 建 物 の 覆 蓋 を 構 成 する 屋 根 部 分 のうち, 主 体 構 造 部 に 含 まれる 小 屋 組, 屋 根 版 等 を 除 いた 屋 根 葺 下 地, 仕 上 げ 部 分, 防 水 層 等 をいう j 建 具 窓, 出 入 口 等 の 建 具 及 びその 建 付 枠 並 びにスチールシャッター 等 を いう k 特 殊 設 備 劇 場 及 び 映 画 館 のステージ, 銀 行 カウンター, 金 庫 室 等 の 特 殊 な 設 備 及 び 階 段 の 手 摺 等 に 別 に 装 飾 を 施 したもの 等 をいう l 建 築 設 備 電 気 設 備,ガス 設 備, 衛 生 設 備, 給 排 水 設 備 等 家 屋 に 付 属 して 家 屋 の 機 能 を 発 揮 するための 設 備 をいう m 仮 設 工 事 敷 地 の 仮 囲, 水 盛 り, 遣 方, 足 場 等 の 建 物 の 建 築 に 必 要 な 準 備 工 事 又 は 工 事 中 の 保 安 のための 工 事 をいう n その 他 の 工 事 -35-

aからmまでのいずれの 部 分 にも 含 まれない 木 工 事, 金 属 工 事 等 を いう (エ) 評 点 項 目 及 び 標 準 評 点 数 a 評 点 項 目 は, 非 木 造 家 屋 の 構 造 に 応 じ, 非 木 造 家 屋 評 点 基 準 表 の 各 部 分 ごとに 一 般 に 使 用 されている 資 材 の 種 別 及 び 品 等, 施 工 の 態 様 等 の 区 分 によって 標 準 評 点 数 を 付 設 するための 項 目 として 設 けら れているものであり, 標 準 評 点 数 は, 評 点 項 目 の 区 分 に 従 い, 標 準 量 ( 標 準 的 な 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 別 の 単 位 当 たり 施 工 量 をいう ) に 対 する 工 事 費 を 基 礎 として 算 出 した 評 点 数 である 再 建 築 費 評 点 数 の 付 設 に 当 たっては, 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 を 調 査 し, 各 部 分 の 使 用 資 材 の 種 別, 品 等, 施 工 の 態 様 等 に 応 じ, 該 当 する 評 点 項 目 について 定 められている 標 準 評 点 数 を 求 めるものとする b 各 部 分 別 に 再 建 築 費 評 点 数 を 求 める 場 合 において, 各 部 分 の 使 用 資 材 等 の 数 量 が 明 確 なときは, 該 当 標 準 評 点 数 及 び 当 該 数 量 を 基 礎 とし て 当 該 部 分 の 当 該 部 分 の 再 建 築 費 評 点 数 を 求 めるものとする この 場 合 において, 下 記 (オ)に 基 づく 補 正 係 数 による 補 正 は, 施 工 の 程 度 に 応 ずる 必 要 な 補 正 を 行 うものとする (オ) 補 正 項 目 及 び 補 正 係 数 非 木 造 家 屋 の 各 部 分 の 工 事 の 施 工 量 等 が 補 正 項 目 及 び 補 正 係 数 欄 の 標 準 欄 に 定 められている 工 事 の 施 工 量 等 と 相 違 する 場 合 において は, 当 該 補 正 項 目 について 定 められている 工 事 の 施 工 量 等 と 相 違 する 場 合 においては, 当 該 補 正 項 目 について 定 められている 該 当 補 正 係 数 によ って 標 準 評 点 数 を 補 正 するものとする この 場 合 において, 補 正 項 目 について 定 められている 補 正 係 数 の 限 度 内 において 処 理 することができないものについては,その 実 情 に 応 じ 補 正 を 必 要 とする 範 囲 内 において,その 限 度 を 超 えて 補 正 係 数 を 決 定 する -36-

ものとする (カ) 再 建 築 費 評 点 数 再 建 築 費 評 点 数 は, 各 部 分 別 の 標 準 評 点 数 に 当 該 部 分 の 補 正 係 数 を 乗 じて 得 た 数 値 に,その 計 算 単 位 の 数 値 を 乗 じて 求 めた 各 部 分 別 の 再 建 築 費 評 点 数 を 合 計 して 求 めるものとする 2 争 いのない 事 実 等 ( 証 拠 等 により 容 易 に 認 められる 事 実 は, 末 尾 に 証 拠 等 を 掲 記 した ) (1) 本 件 家 屋 及 び 原 告 本 件 家 屋 は, 平 成 5 年 7 月 2 日 に 新 築 された 非 木 造 家 屋 であり, 原 告 は, 新 築 以 来 本 件 家 屋 を 所 有 している ( 甲 1) (2) 本 件 家 屋 についての 平 成 18 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 価 格 の 家 屋 課 税 台 帳 への 登 録 東 京 都 知 事 は, 平 成 18 年 3 月 31 日, 本 件 家 屋 についての 平 成 18 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 価 格 を251 億 48 万 2500 円 と 決 定 し( 以 下, この 価 格 を 平 成 18 年 度 価 格 という ),これを 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 した 平 成 18 年 度 価 格 は, 以 下 のようにして 算 出 されたものである ア 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 は, 平 成 3 年 度 評 価 基 準 によって 算 出 され,その 後 の 基 準 年 度 である 平 成 6 年 度, 平 成 9 年 度, 平 成 12 年 度 及 び 平 成 15 年 度 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 は,それぞれ の 各 前 基 準 年 度 の 評 点 数 に 非 木 造 家 屋 に 係 る 各 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 順 次 乗 じて 算 出 された ( 甲 6, 弁 論 の 全 趣 旨 ) イ 在 来 分 の 非 木 造 家 屋 の 平 成 18 年 度 の 評 価 替 えに 当 たっては, 平 成 18 年 度 評 価 基 準 により 平 成 17 年 度 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 0.95を 乗 じて 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 求 めるものとさ れているから( 前 記 1(2)カ), 本 件 家 屋 については, 地 下 1 階 及 び 地 下 2 階 部 分 を 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造, 地 上 階 部 分 を 鉄 骨 造 ( 骨 格 材 の 肉 厚 が -37-

4ミリメートルを 超 えるもの)に 区 分 し,それぞれの 構 造 別 に, 平 成 17 年 度 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 0.95を 乗 じて 再 建 築 費 評 点 数 ( 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 については292,000, 鉄 骨 造 については300,400)を 算 出 し,さらに,これらにそれぞれ 損 耗 の 状 況 による 減 点 補 正 率 ( 鉄 骨 鉄 筋 コンクリート 造 については0.84, 鉄 骨 造 については0.7689)を 乗 じて 単 位 当 たり 評 点 数 を 算 出 した 上, これらにそれぞれ 現 況 床 面 積 を 乗 じて 算 出 した 総 評 点 数 に, 評 点 1 点 当 た りの 価 額 (いずれも1.10)を 乗 じて 構 造 ごとの 価 格 を 算 出 し,これら を 合 算 して, 平 成 18 年 度 価 格 を 求 めた ( 甲 5,6) (3) 審 査 の 申 出 等 ア 原 告 は, 平 成 18 年 度 価 格 を 不 服 として, 平 成 18 年 7 月 28 日, 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 対 し, 地 方 税 法 432 条 1 項 に 基 づき, 審 査 の 申 出 をした 原 告 は,この 審 査 の 申 出 の 理 由 として, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 が, 補 正 係 数 が 不 当 に 高 いこと 等 により 不 適 切 である 旨 を 主 張 した ( 甲 3,5) イ 原 告 は, 前 記 アの 審 査 の 申 出 に 基 づく 審 査 手 続 が 係 属 中 であった 平 成 1 9 年 2 月 8 日, 東 京 都 港 都 税 事 務 所 長 に 対 し, 本 件 家 屋 の 価 格 の 再 調 査 を 申 請 した ウ 東 京 都 港 都 税 事 務 所 長 は, 平 成 19 年 4 月 26 日 に 本 件 家 屋 の 再 調 査 ( 以 下 本 件 再 調 査 という )をした 上 で, 本 件 家 屋 の 家 屋 評 価 計 算 書 の 一 部 を 修 正 したが, 平 成 18 年 度 の 固 定 資 産 課 税 台 帳 の 登 録 価 格 につい ては, 増 減 が 生 じなかったとして 修 正 はしなかった なお, 本 件 再 調 査 に おいては, 平 成 3 年 度 評 価 基 準 に 基 づき, 部 分 別 明 確 計 算 ( 各 部 分 の 使 用 資 材 等 が 明 確 な 場 合 の 計 算 )により 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 求 めた 上 で, 評 価 額 を 算 出 したものであるが,その 際 に 適 用 された 補 正 係 数 につい ては, 当 初 の 評 価 において 適 用 された 補 正 係 数 といずれも 変 わりがなかっ -38-

た ( 甲 4, 乙 30) エ 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 は, 平 成 20 年 1 月 23 日, 原 告 による 前 記 アの 審 査 の 申 出 を 棄 却 する 旨 の 決 定 ( 以 下 本 件 決 定 という )を したが, 原 告 がした 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 補 正 係 数 が 不 当 に 高 い 旨 の 主 張 ( 前 記 ア)については, 平 成 18 年 度 の 審 査 申 出 により 審 査 される べき 事 項 ではないとして,これを 判 断 しなかった ( 甲 5) (4) 本 件 訴 えの 提 起 原 告 は, 平 成 20 年 7 月 22 日, 本 件 訴 えを 提 起 した ( 当 裁 判 所 に 顕 著 な 事 実 ) 3 争 点 (1) 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 が 誤 っているこ とを 理 由 として 平 成 18 年 度 価 格 の 妥 当 性 を 争 うことが 許 されるか 否 か (2) 本 件 家 屋 の 平 成 18 年 度 価 格 は 適 切 であるか 否 か 具 体 的 には, 本 件 再 調 査 において 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 を 算 出 するに 当 たり, 各 評 点 項 目 の 補 正 項 目 に 対 して 適 用 された 補 正 係 数 は 適 正 であった か 否 か 4 争 点 に 関 する 当 事 者 の 主 張 の 概 要 (1) 争 点 (1)( 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 算 出 が 誤 っ ていることを 理 由 として 平 成 18 年 度 価 格 の 妥 当 性 を 争 うことが 許 されるか 否 か )について ( 原 告 の 主 張 ) ア 本 件 において, 原 告 は, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 違 法 を 主 張 しているが,これは, 平 成 18 年 度 価 格 が 違 法 であること の 理 由 として 主 張 しているのであり, 原 告 が 主 張 するのは, 平 成 18 年 度 価 格 の 違 法 である なお, 本 件 家 屋 については, 東 京 都 港 都 税 事 務 所 が 平 成 19 年 4 月 26-39-

日 に 本 件 再 調 査 を 行 い, 本 件 家 屋 の 家 屋 評 価 計 算 書 を 一 部 修 正 した 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 見 直 しがされ, 東 京 都 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 によ る 本 件 決 定 も 本 件 再 調 査 後 の 評 価 内 容 についての 原 告 の 主 張 について 判 断 したものであるから, 本 件 訴 訟 における 取 消 請 求 の 対 象 も, 本 件 再 調 査 後 の 評 価 内 容 に 対 する 本 件 決 定 である したがって, 本 件 訴 訟 において 原 告 が 主 張 しているのは, 建 築 当 初 の 時 点 で 算 出 された 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 違 法 ではなく, 平 成 19 年 の 再 調 査 評 価 により 算 出 され た 建 築 当 初 の 単 位 当 たり 再 建 築 費 評 点 数 の 違 法 である イ そして, 以 下 のとおり, 平 成 18 年 度 価 格 に 対 する 審 査 においても, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 を 争 うことができるというべきである (ア) 法 文 上 の 制 限 はないこと 地 方 税 法 432 条 1 項 は, 価 格 の 据 え 置 かれた 第 2 年 度 及 び 第 3 年 度 の 登 録 価 格 については, 審 査 を 申 し 出 ることができる 場 合 を 家 屋 の 改 築 その 他 特 別 の 事 情 がある 場 合 に 限 定 しているのに 対 し, 基 準 年 度 の 登 録 価 格 については, 審 査 を 申 し 出 ることができる 場 合 を 何 ら 制 限 していな いから, 審 査 において 争 うことができる 事 項 について 法 律 上 の 制 限 はな い したがって, 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 の 決 定 の 取 消 しの 訴 えにおい て 争 うことができる 事 由 についても, 法 律 上 何 らの 制 限 もないというべ きである そして, 一 般 に 在 来 家 屋 について 前 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 に 再 建 築 費 評 点 補 正 率 を 乗 じて 当 該 基 準 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 を 求 める 方 式 をとる ことが 不 合 理 でないとしても, 当 該 基 準 年 度 の 再 建 築 費 評 点 数 を 求 める 基 礎 となっている 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 に 違 法 があってもこれを 争 うことができないのであれば, 結 果 として 納 税 者 としては 建 築 当 初 の 価 格 を 対 象 にその 登 録 の 公 示 納 税 通 知 書 の 交 付 から60 日 以 内 に 審 査 の 申 出 をしなければそれ 以 降 は 一 切 争 えないこととなるから, 納 税 義 務 者 -40-

の 不 服 申 立 ての 機 会 を 失 わせるものであり, 明 らかに 不 当 である (イ) 固 定 資 産 の 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 ることは 許 されないこと 地 方 税 法 は, 家 屋 に 対 して 課 する 基 準 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 を, 当 該 家 屋 の 基 準 年 度 に 係 る 賦 課 期 日 における 価 格 で 家 屋 課 税 台 帳 等 に 登 録 されたものとすると 規 定 し( 同 法 349 条 1 項 ), 固 定 資 産 の 価 格 は 総 務 大 臣 が 定 める 評 価 基 準 によって 決 定 しなければならないとして いる( 同 法 403 条 1 項 )が, 同 法 349 条 1 項 にいう 価 格 については, 適 正 な 時 価 をいうものとしている( 同 法 341 条 5 号 )から, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って 固 定 資 産 の 価 格 が 決 定 されるとしても, 客 観 的 な 交 換 価 値 を 上 回 る 価 格 を 決 定 することはできず,したがって, 固 定 資 産 評 価 基 準 に 従 って 決 定 された 不 動 産 の 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 る 限 度 で, 当 該 価 格 の 決 定 は 違 法 となる そうすると, 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 の 評 価 を 誤 ったことにより 適 正 な 時 価 を 上 回 る 価 格 が 建 築 当 初 の 建 物 の 価 格 として 決 定 された 場 合 には, 当 該 価 格 決 定 は 違 法 となるが,その 審 査 申 出 期 間 を 経 過 したことや, 次 基 準 年 度 以 降 において 建 築 当 初 の 価 格 を 基 礎 に 当 該 基 準 年 度 の 価 格 が 決 定 されたことをもって,その 違 法 が 治 癒 されるというものではない ウ これに 対 し, 被 告 は, 建 築 当 初 の 評 価 を 無 制 限 に 争 うことができると すると, 建 築 当 初 の 評 価 額 についての 争 いをいつでも 蒸 し 返 すことがで き, 早 期 確 定 や 法 的 安 定 性 といった 地 方 税 法 の 趣 旨 に 反 する 結 果 となり, 当 初 の 評 価 から 時 間 が 経 過 するほど 評 価 対 象 建 物 に 経 年 変 化 や 補 修 等 に よる 変 更 が 生 じることが 予 想 され, 当 初 評 価 の 誤 りの 有 無 を 的 確 に 判 断 することが 困 難 になると 主 張 する しかし, 地 方 税 法 は3 年 ごとに 登 録 価 格 を 見 直 すこととしているので あるから, 見 直 しの 際 に 誤 りを 補 正 することができないとすることは, 3 年 ごとに 価 格 の 見 直 しを 行 うものとした 同 法 の 趣 旨 を 没 却 することと -41-

なる また, 法 的 安 定 性 確 保 を 理 由 に 適 正 な 時 価 を 上 回 る 価 格 が 決 定 さ れたことの 違 法 性 が 治 癒 されるものでもない また, 行 政 庁 が 価 格 を 決 定 してこれを 課 税 台 帳 に 登 録 し 公 示 をした 後 であっても, 行 政 庁 は, 再 調 査 を 行 い, 登 録 価 格 の 基 礎 となった 事 項 の うち 評 価 における 認 定 誤 りや 適 用 誤 りがあった 場 合 には, 登 録 価 格 を 修 正 することができるとされているのであるから, 法 的 安 定 性 確 保 を 理 由 に 審 査 において 建 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 を 争 うことができないとする のは 不 当 である さらに, 本 件 家 屋 の 建 築 当 初 の 固 定 資 産 課 税 台 帳 登 録 価 格 は, 固 定 資 産 税 課 税 台 帳 に 登 録 された 平 成 6 年 度 の 登 録 価 格 であり, 当 該 価 格 につ いては, 平 成 14 年 改 正 前 の 地 方 税 法 が 適 用 されるところ, 納 税 者 は 自 己 の 資 産 に 係 る 台 帳 部 分 のみを 縦 覧 することができ, 納 税 通 知 書 交 付 後 30 日 以 内 に 限 り 登 録 価 格 について 審 査 申 出 をすることができたにすぎ なかった 上, 納 税 通 知 書 や 課 税 台 帳 の 記 載 からは, 納 税 者 が 価 格 決 定 に おける 違 法 又 は 不 当 事 由 の 存 在 をうかがい 知 ることはできなかったので あるから, 納 税 者 が 建 築 当 初 の 登 録 価 格 について 審 査 申 出 をすることな く 短 期 間 の 審 査 申 出 期 間 を 経 過 したことを 強 く 非 難 できるような 実 態 は ない それにもかかわらず 納 税 者 がその 後 の 建 物 価 格 についての 不 服 を 申 し 立 てるに 当 たって, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 主 張 できないとす ることは, 課 税 庁 側 の 一 方 的 な 利 益 に 偏 した 解 釈 といわざるを 得 ない そして, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 理 由 として 特 定 の 基 準 年 度 の 建 物 価 格 が 争 われ, 確 定 した 審 査 決 定 又 は 判 決 により, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 理 由 としてその 後 の 特 定 基 準 年 度 の 建 物 価 格 が 改 められた 場 合 には, 審 査 決 定 又 は 判 決 により 当 該 基 準 年 度 の 登 録 価 格 が 将 来 に 向 か って 変 更 されることは 当 然 であるが, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 及 び 当 該 基 準 年 度 より 前 の 基 準 年 度 の 登 録 価 格 は 何 ら 変 更 を 受 けるものではなく,そ -42-

れらの 価 格 を 基 礎 として 既 に 形 成 された 法 律 関 係 に 何 らの 効 力 を 及 ぼす ものでもないから, 法 的 安 定 性 を 害 することにはならないし, 上 記 のよ うな 決 定 又 は 判 決 の 後 に, 納 税 者 が 再 度 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 別 の 違 法 事 由 を 主 張 して 更 に 次 回 以 後 の 基 準 年 度 の 価 格 を 争 うことは 既 判 力 によ り 許 されず, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 否 定 する 決 定 又 は 判 決 の 後 に, 納 税 者 が 再 度 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 主 張 して 次 回 以 後 の 基 準 年 度 の 価 格 を 争 うことも 許 されないであろうから, 建 築 当 初 の 価 格 を 巡 る 争 いを 何 度 も 蒸 し 返 すことにはならない したがって, 後 年 の 建 物 価 格 の 違 法 の 理 由 として 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 違 法 を 主 張 することが 法 的 安 定 性 を 害 することはない 被 告 は, 早 期 確 定 の 立 法 趣 旨 が 害 される 旨 の 主 張 をするが, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 に 関 わる 一 切 の 紛 争 を 封 じるという 意 味 での 建 築 当 初 の 登 録 価 格 の 早 期 確 定 が 生 じないのは, 建 築 当 初 の 登 録 価 格 を 基 礎 としてその 後 の 基 準 年 度 の 建 物 価 格 を 決 定 するという 価 格 決 定 方 法 を 採 用 している 制 度 の 構 造 上,やむを 得 ないというべきであり,また, 建 物 の 経 年 変 化 等 により 当 初 の 評 価 の 誤 りがあったかどうかを 的 確 に 判 断 することが 困 難 になるとの 点 については, 課 税 庁 が 自 ら 行 った 評 価 の 適 正 を 裏 付 ける 資 料 を 的 確 に 保 管 することにより 容 易 に 解 決 可 能 な 問 題 である ( 被 告 の 主 張 ) ア 原 告 の 主 張 は, 結 局 のところ 本 件 家 屋 の 新 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 に 対 する 不 服 であって, 平 成 18 年 度 価 格 に 対 する 不 服 ではないところ, 以 下 のとおり, 新 築 当 初 の 再 建 築 費 評 点 数 を 争 うことは 許 されないというべき である (ア) 地 方 税 法 432 条 1 項 本 文 や 同 法 434 条 の 規 定 の 趣 旨 は, 審 査 申 出 期 間 及 び 取 消 訴 訟 の 出 訴 期 間 に 制 限 を 設 けることにより, 固 定 資 産 税 の 賦 課 決 定 処 分 の 前 提 問 題 である 固 定 資 産 税 評 価 額 を 早 期 に 確 定 される -43-