平 成 20 年 11 月 6 日 SMSワークショップ 我 が 国 の 航 空 安 全 行 政 の 取 組 み 国 土 交 通 省 航 空 局 技 術 部 運 航 課 安 全 推 進 室 山 本 光 一 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1. 航 空 輸 送 安 全 対 策 の 概 要
航 空 輸 送 安 全 対 策 ( 概 要 ) 2005 年 ~2006 年 にかけて 我 が 国 航 空 会 社 においてヒューマンエラー 等 に 起 因 する 安 全 上 のトラブルが 続 発 他 モードにおいても JR 福 知 山 線 脱 線 事 故 等 の 様 々な 重 大 事 故 トラブルが 多 発 運 輸 事 業 の 安 全 に 対 する 信 頼 が 損 なわれ 社 会 問 題 化 2006 年 3 月 運 輸 安 全 一 括 法 の 成 立 大 手 運 送 事 業 者 を 中 心 に 安 全 管 理 体 制 (SMS)の 導 入 を 義 務 付 け 予 防 的 な 安 全 対 策 の 実 施 航 空 運 送 事 業 者 に 対 するSMS 導 入 ( 航 空 法 第 103 条 の2) 客 席 数 30 以 上 又 は15トン 以 上 の 航 空 機 を 使 用 する 航 空 運 送 事 業 者 に 対 して SMSの 導 入 を 義 務 付 け 航 空 安 全 にかかわる 情 報 の 報 告 義 務 付 け( 航 空 法 第 111 条 の4) 航 空 事 業 者 に 対 して 事 故 重 大 インシデント 及 び 安 全 上 のトラブル に 関 する 情 報 の 報 告 を 義 務 付 け 航 空 会 社 に 対 する 厳 正 な 監 査 の 実 施 航 空 会 社 の 業 務 の 実 態 を 把 握 し 事 業 遂 行 に おける 安 全 確 保 の 取 り 組 み 状 況 不 具 合 事 項 や 潜 在 的 な 問 題 を 認 識 改 善 することを 目 的 と して 航 空 会 社 の 本 社 基 地 及 び 運 航 便 に 対 し て 施 設 要 員 規 程 を 含 む 業 務 全 般 に 対 し 立 入 検 査 を 実 施 これらの 取 組 みを 一 層 推 進 し 航 空 輸 送 における 高 い 安 全 性 を 確 保
航 空 安 全 にかかわる 情 報 の 調 査 分 析 活 用 航 空 輸 送 の 安 全 にかかわる 情 報 を 収 集 整 理 公 表 するとともに 予 防 的 な 安 全 対 策 に 活 用 航 空 法 第 111 条 の4(2006 年 10 月 1 日 施 行 ) 航 空 運 送 事 業 者 及 び 航 空 機 使 用 事 業 者 は 事 故 重 大 インシデント 及 び 安 全 上 のトラブルが 発 生 したときは 国 土 交 通 大 臣 に 事 態 の 概 要 不 具 合 の 要 因 分 析 再 発 防 止 策 等 を 報 告 しなければならない 航 空 法 第 111 条 の4に 基 づき 航 空 事 業 者 から 報 告 される 安 全 情 報 航 空 運 送 業 者 からの 安 全 情 報 (2007 年 度 ) 740 件 航 空 事 故 :5 件 重 大 インシデント:5 件 安 全 上 のトラブル:730 件 事 故 重 大 イン シデント( 件 ) 5 4 3 2 1 0 59 2007 年 度 月 別 事 故 等 件 数 ( 航 空 運 送 事 業 ) 安 全 上 の トラブル( 件 ) 90 59 49 61 64 66 1 1 1 11 1 1 1 1 1 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 59 航 空 事 故 重 大 インシデント 安 全 上 のトラブル 52 55 68 60 78 80 70 60 50 40 30 20 10 0 航 空 安 全 情 報 分 析 委 員 会 航 空 事 業 者 から 報 告 された 安 全 情 報 等 を 踏 まえ 安 全 性 向 上 のため 必 要 な 対 策 等 について 有 識 者 を 交 えて 審 議 検 討 安 全 情 報 等 の 分 析 必 要 な 対 策 の 審 議 検 討 ( 航 空 安 全 情 報 分 析 委 員 会 (2008.7) 審 議 結 果 ) 機 材 不 具 合 への 対 応 ヒューマンエラー 防 止 対 策 の 推 進 安 全 監 査 等 を 通 じた 監 視 監 督 の 強 化 関 係 者 間 の 情 報 の 共 有 の 促 進 航 空 事 業 者 ( 整 備 委 託 先 を 含 む)への 安 全 管 理 システム(SMS)の 導 入 促 進 航 空 安 全 情 報 の 公 表 予 防 的 な 安 全 対 策 の 推 進
異 物 吸 引 による 損 傷 回 避 操 作 235 件 航 空 機 衝 突 防 止 装 置 (TCAS) 又 は 対 地 接 近 警 報 装 置 (GPWS)の 作 動 安 全 上 のトラブルの 分 類 被 雷 26 件 その 他 6 件 43 件 2007 年 度 計 730 件 機 材 不 具 合 337 件 燃 料 ポンプの 不 具 合 前 脚 下 げ 機 構 の 不 具 合 プロペラカバーが 剥 離 し 胴 体 表 面 を 損 傷 等 ヒューマンエラー 83 件 誤 った 部 品 の 取 付 け 不 注 意 による 最 大 速 度 超 過 ドアモード 変 更 操 作 の 失 念 貨 物 の 荷 重 制 限 超 過 等
航 空 安 全 情 報 管 理 提 供 システムの 概 要 監 査 の 適 切 な 実 施 監 査 情 報 運 航 整 備 監 査 外 国 航 空 機 に 対 する 立 入 検 査 不 具 合 是 正 状 況 等 予 防 的 安 全 対 策 の 実 施 航 空 会 社 の 監 査 に 活 用 事 案 に 応 じた 分 析 を 実 施 分 析 例 : 1 発 動 機 の 使 用 時 間 と 不 具 合 の 相 関 10 8 6 4 2 0 2000 4000 6000 8000 新 規 発 動 機 中 古 発 動 機 時 間 航 空 会 社 情 報 を 提 供 し 自 発 的 予 防 安 全 対 策 を 促 進 航 空 安 全 情 報 管 理 提 供 システムの 整 備 2 整 備 作 業 の 管 理 と 遅 延 欠 航 の 相 関 0.2 0.15 0.1 0.05 0 空 港 A 空 港 B 空 港 C 空 港 D トラブル 情 報 基 礎 情 報 3 機 種 とヒューマンエラーの 相 関 事 故 インシデント ヒューマンエラー 機 材 トラブル 等 事 業 者 情 報 機 材 情 報 等 国 が 講 じる 予 防 的 安 全 対 策 7 6 5 4 3 2 1 0 機 種 A 機 種 B 機 種 C 機 種 D 2009 年 4 月 より 導 入 予 定
航 空 会 社 に 対 する 厳 正 な 監 査 の 実 施 航 空 会 社 に 対 する 監 視 監 督 体 制 の 抜 本 的 強 化 (2006 年 10 月 ~) 監 査 組 織 体 制 の 強 化 本 省 航 空 局 及 び 地 方 航 空 局 に 監 査 専 従 職 員 を 配 置 (2006 年 度 ( 本 省 19 名 ) 2007 年 度 ( 東 京 局 大 阪 局 各 4 名 )) 特 定 本 邦 航 空 事 業 者 に 対 して グループ 会 社 ごとに 担 当 の 監 査 チームを 編 成 監 査 担 当 職 員 の 高 度 化 専 門 化 監 査 担 当 職 員 に 対 する 体 系 的 な 教 育 訓 練 の 実 施 外 国 航 空 当 局 等 が 実 施 する 研 修 への 職 員 の 派 遣 及 びその 成 果 の 水 平 展 開 航 空 会 社 毎 に 編 成 された 担 当 チームが 専 門 的 かつ 体 系 的 な 監 査 を 実 施 航 空 会 社 の 本 社 基 地 及 び 運 航 便 に 対 して 抜 き 打 ち 検 査 を 含 め 高 頻 度 で 継 続 的 な 監 査 を 実 施 航 空 会 社 毎 に 重 点 事 項 を 定 め 航 空 会 社 の 施 設 要 員 規 程 類 を 含 む 業 務 全 般 に 対 し きめの 細 かい 監 査 を 実 施 安 全 上 のトラブルが 発 生 した 場 合 には 機 動 的 に 立 入 検 査 を 実 施 監 査 結 果 の 評 価 分 析 を 行 うとともに 指 摘 された 不 適 切 事 項 については 是 正 措 置 を 継 続 的 にフォローアップ 航 空 会 社 に 対 する 監 査 の 例 記 録 類 の 確 認 ヒアリングの 実 施 飛 行 前 の 業 務 の 確 認 飛 行 中 の 業 務 の 確 認 訓 練 状 況 の 確 認 飛 行 間 の 業 務 状 況 の 確 認
安 全 監 査 の 実 績 安 全 監 査 の 件 数 ( 特 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 の 本 社 基 地 ) 300 件 200 218 件 290 件 100 0 (うち 抜 打 ち35 件 ) 2006 年 度 2007 年 度 (うち 抜 打 ち66 件 ) 安 全 監 査 で 認 められた 不 適 切 事 項 等 の 内 訳 (2007 年 度 特 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 の 本 社 基 地 ) 不 適 切 事 項 内 訳 ( 全 体 ) 不 適 切 事 項 内 訳 ( 運 航 関 係 ) 不 適 切 事 項 内 訳 ( 整 備 関 係 ) 整 備 関 係 43% 安 全 管 理 関 係 22% 運 航 関 係 35% 2007 年 度 安 全 監 査 で 認 められた 不 適 切 事 項 等 ( 特 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 ) : 約 500 件 不 適 切 事 例 運 送 業 務 関 係 38% 運 航 乗 務 員 関 係 29% 客 室 乗 務 員 関 係 運 航 管 理 18% 業 務 関 係 15% 社 内 の 不 具 合 報 告 処 理 手 順 の 不 備 委 託 先 における 訓 練 の 管 理 の 不 備 地 上 取 扱 業 務 関 係 12% 整 備 施 設 部 品 関 係 32% 不 適 切 事 例 整 備 管 理 業 務 関 係 27% 整 備 従 事 者 整 備 作 業 関 係 29% 整 備 用 の 器 材 の 維 持 管 理 の 不 備 委 託 先 への 作 業 手 順 周 知 の 不 備
安 全 監 査 と 運 輸 安 全 マネジメント 評 価 安 全 監 査 ( 法 令 通 達 規 定 への 適 合 性 を 検 査 ) 運 輸 安 全 マネジメント 評 価 本 省 航 空 局 次 の 航 空 機 を 使 用 する 航 空 運 送 事 業 者 ( 特 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 ) 客 席 数 :100 席 超 最 大 離 陸 重 量 :50トン 超 地 方 航 空 局 ( 東 京 大 阪 ) 次 の 航 空 機 を 使 用 する 航 空 運 送 事 業 者 客 席 数 :100 席 以 下 最 大 離 陸 重 量 :50トン 以 下 大 臣 官 房 運 輸 安 全 監 理 官 次 の 航 空 機 を 使 用 する 航 空 運 送 事 業 者 客 席 数 :30 席 以 上 最 大 離 陸 重 量 :15トン 以 上 14 事 業 者 (2008 年 10 月 現 在 ) 63 事 業 者 (2008 年 10 月 現 在 ) 23 事 業 者 (2008 年 10 月 現 在 ) 航 空 機 使 用 事 業 者 航 空 法 に 基 づき 安 全 管 理 規 程 の 作 成 を 義 務 付 けられている 事 業 者 対 象 部 門 経 営 管 理 部 門 経 営 トップ 安 全 統 括 管 理 者 安 全 推 進 部 門 運 輸 安 全 マネジメント 評 価 経 営 トップを 含 む 経 営 管 理 部 門 を 対 象 にインタビュー 等 を 行 い 安 全 管 理 体 制 の 向 上 に 向 けた 助 言 等 を 実 施 ( 各 社 年 1 回 程 度 ) 運 航 部 門 整 備 部 門 運 送 部 門 客 室 部 門 安 全 監 査 管 理 部 門 主 基 地 地 方 基 地 管 理 部 門 主 基 地 地 方 基 地 管 理 部 門 主 基 地 地 方 基 地 管 理 部 門 現 業 部 門 安 全 推 進 運 航 整 備 等 の 各 部 門 基 地 に 立 ち 入 り 安 全 統 括 管 理 者 等 から 現 場 部 門 までを 対 象 に 年 間 を 通 じて 高 頻 度 に 監 査 を 実 施 問 題 が 認 められた 場 合 は 是 正 を 指 示 ( 行 政 処 分 行 政 指 導 )
2. 外 国 航 空 機 安 全 対 策
外 国 航 空 機 の 安 全 対 策 の 強 化 ( 背 景 ) 航 空 輸 送 の 増 大 に 伴 う 様 々な 外 国 航 空 機 の 乗 入 れ 外 国 航 空 会 社 による 航 空 輸 送 量 増 大 我 が 国 の 現 状 多 発 する 外 国 航 空 会 社 の 事 故 等 2007 年 8 月 20 日 那 覇 空 港 中 華 航 空 機 が 到 着 後 に 爆 発 炎 上 2 1 9 1.5 2 0 2 2 1 9 0 3 1 7 8 0.5 H 1 6 H 1 7 H 1 8 H 1 9 外 国 機 週 間 便 数 2007 年 9 月 20 日 佐 賀 空 港 中 華 航 空 機 の 胴 体 下 面 に77cmの 亀 裂 発 見 航 空 輸 送 量 の 増 大 の 見 込 み アジアゲートウェイ 構 想 等 による 交 流 人 口 の 拡 大 関 空 B 滑 走 路 共 用 羽 田 再 拡 張 成 田 B 滑 走 路 北 伸 等 による 空 港 容 量 拡 大 2007 年 3 月 7 日 ジョグジャカルタ 空 港 我 が 国 に 乗 り 入 れているガルーダインド ネシア 航 空 機 が 着 陸 失 敗 炎 上 (21 名 死 亡 ) 世 界 の 潮 流 航 空 安 全 確 保 に 係 る 世 界 の 潮 流 自 国 に 乗 り 入 れる 外 国 航 空 機 に 対 してもランプインスペクション 等 を 通 じ 安 全 対 策 の 強 化 が 求 められている 国 際 民 間 航 空 機 関 総 会 決 議 (2007 年 9 月 ) A36-6( 抄 ): 総 会 は 締 約 国 に 対 して 以 下 の 重 要 性 を 想 起 する 自 国 の 領 域 を 飛 行 する 外 国 の 運 航 者 が 当 該 外 国 から 十 分 な 監 督 を 受 けていることを 確 保 すること 安 全 確 保 のためには 必 要 な 措 置 を 実 施 すること 欧 州 におけるランプインスペクション 強 化 108.2 102 90 欧 米 ではすでに 対 策 を 強 化 129.4 126.4 100 147.4 170.5 米 国 による 格 付 け(1992 年 8 月 ~) インドネシアの 安 全 レベル 格 下 げ フィリピンの 安 全 レベル 格 下 げ (2007 年 4 月 16 日 ) (2008 年 1 月 4 日 ) 欧 州 委 員 会 によるフ ラックリスト 作 成 (2004 年 4 月 ~) イント ネシア 全 航 空 会 社 に 対 する 乗 入 禁 止 (2007 年 7 月 4 日 ) 99 104 101 219.4 H13 H14 H15 H16 H17 H18 欧 州 平 均 日 本
外 国 航 空 機 の 安 全 対 策 の 強 化 航 空 事 故 等 の 未 然 防 止 には 我 が 国 においても 外 国 航 空 機 の 運 航 に 係 る 安 全 対 策 の 強 化 が 喫 緊 の 課 題 外 国 航 空 機 等 に 対 する 安 全 監 視 の 強 化 駐 機 中 の 外 国 航 空 機 に 対 するランプイン スペクションの 強 化 に 必 要 な 体 制 の 確 保 ( 外 国 航 空 機 に 対 する 安 全 監 視 ) 新 規 乗 入 時 等 の 安 全 性 の 確 認 外 国 航 空 機 の 海 外 での 事 故 等 情 報 ラン プ インスペクションの 結 果 等 を 踏 まえて 外 国 航 空 会 社 に 対 する 指 導 の 実 施 連 携 外 国 当 局 に 監 督 責 任 を 果 たさせるための 国 際 調 整 業 務 の 強 化 ( 平 常 時 ) 安 全 情 報 安 全 確 保 措 置 に 関 する 情 報 交 換 要 請 予 防 安 全 対 策 に 関 する 意 見 交 換 要 請 等 ( 事 故 トラブル 発 生 不 適 切 事 案 発 覚 時 ) ランプ インスペクションの 結 果 を 踏 まえた 監 督 強 化 の 要 請 事 故 や 重 大 インシデントの 概 況 原 因 等 の 通 報 再 発 防 止 のための 監 督 強 化 の 要 請 改 善 状 況 のフォローアップ 連 携 改 し 改 善 て 善 の は の 申 航 認 し め 空 入 ら 交 れ れ 渉 な の い 場 外 等 国 も 当 活 局 用 等 し に た 対 外 国 航 空 機 監 督 外 国 航 空 当 局
3. 航 空 安 全 基 準 アップデイトプログラム
航 空 安 全 基 準 アップデイトプログラムの 概 要 燃 費 性 能 等 に 優 れた B787 等 の 新 機 材 航 空 輸 送 の 安 全 に 関 する 新 たな 国 際 的 技 術 基 準 新 たな 輸 送 サービス 形 態 や 社 会 的 なニーズ 現 行 の 航 空 安 全 基 準 40 項 目 を 総 合 的 に 評 価 分 析 し 28 項 目 については 早 急 に 措 置 を 決 定 するなど 新 たな 時 代 を 先 取 りしたものへと 転 換 航 空 輸 送 サービスの 競 争 力 向 上 1. 新 型 機 材 に 係 るメリットの 早 期 実 現 わが 国 航 空 会 社 が 世 界 に 先 駆 けて 導 入 するB787 型 機 のメリットを 早 期 に 発 揮 させるため 安 全 確 保 を 前 提 に 導 入 当 初 から 円 滑 な 機 材 運 用 を 可 能 とする 2. 将 来 にわたる 運 航 乗 務 員 の 確 保 育 成 いわゆる 団 塊 の 世 代 等 の 大 量 退 職 や 小 型 機 材 に 伴 う 運 航 頻 度 の 増 加 等 を 見 据 え わが 国 航 空 会 社 における 運 航 乗 務 員 の 確 保 及 び 育 成 を 推 進 するとともに 一 定 以 上 の 安 全 管 理 能 力 を 有 する 航 空 会 社 を 活 用 した 更 なる 安 全 性 向 上 を 図 る 3.ビジネスジェットによる 事 業 運 営 の 柔 軟 化 ビジネスジェット 機 を 用 いたチャーター 事 業 を 推 進 するため 安 全 確 保 を 前 提 に 事 業 者 における 柔 軟 な 路 線 設 定 が 可 能 となるよう 措 置 する 外 国 航 空 機 の 安 全 性 確 保 と 国 際 標 準 への 適 合 外 国 航 空 機 の 安 全 性 確 保 外 国 航 空 機 による 事 故 重 大 インシデント 等 の 発 生 状 況 にかんがみ わが 国 に 乗 り 入 れる 外 国 航 空 機 の 安 全 確 保 対 策 を 強 化 する 安 全 認 証 に 係 る 外 国 当 局 との 連 携 4. 諸 外 国 との 相 互 承 認 の 推 進 航 空 機 の 耐 空 性 の 証 明 や 運 航 乗 務 員 のライセンスに 係 る 訓 練 審 査 に 関 し 我 が 国 と 同 等 以 上 の 制 度 能 力 を 有 する 諸 外 国 との 間 での 相 互 承 認 (BASAの 締 結 等 )を 推 進 し 外 国 当 局 との 連 携 を 強 化 すること により 安 全 性 の 向 上 を 図 る 安 全 安 心 を 前 提 とした 事 業 者 等 のニーズへの 対 応 5. 捜 索 救 難 活 動 等 への 対 応 災 害 時 に 備 えてへリが 場 外 離 着 陸 場 を 使 用 して 訓 練 を 行 う 場 合 等 の 許 可 基 準 を 合 理 化 するとともに 救 難 機 関 が 夜 間 に 捜 索 救 難 訓 練 を 行 う 場 合 の 場 外 離 着 陸 に 係 る 許 可 基 準 を 明 確 化 する その 他 安 全 基 準 の 合 理 化 等 客 室 業 務 の 委 託 可 能 範 囲 の 見 直 しなど 安 全 性 が 確 保 される 範 囲 内 で 航 空 安 全 基 準 の 合 理 化 等 を 図 る
航 空 基 準 アップデイトプログラム 一 覧 1. 航 空 輸 送 サービスの 競 争 力 向 上 1~3 新 機 種 導 入 に 向 けた 基 準 の 見 直 し 4 長 距 離 進 出 運 航 (ETOPS) 承 認 のための 運 航 整 備 経 験 期 間 の 短 縮 5 飛 行 間 点 検 の 取 扱 いの 見 直 し 6~12 機 長 等 に 係 る 各 種 審 査 の 合 理 化 組 織 認 証 の 充 実 強 化 13 小 型 中 型 ビジネスジェット 機 のチャーター 事 業 に 係 る 基 準 の 見 直 し 2. 認 証 に 係 る 外 国 当 局 との 連 携 14 米 国 との 航 空 安 全 に 関 する 二 国 間 取 極 (BASA)の 締 結 の 推 進 15 米 国 以 外 の 国 との 間 での 相 互 承 認 の 推 進 16 整 備 に 関 する 相 互 承 認 の 推 進 等 による 予 備 品 証 明 の 見 なし 制 度 の 活 用 3. 外 国 航 空 機 の 安 全 確 保 と 国 際 標 準 への 適 合 17 外 国 航 空 機 安 全 対 策 の 中 核 となる 組 織 の 新 設 と 外 国 当 局 との 連 携 強 化 18 ランプ インスペクションの 充 実 強 化 19 新 たなRNAV 航 行 の 導 入 に 対 応 した 運 航 基 準 の 設 定 20 認 定 事 業 場 に 対 する 安 全 管 理 システム(SMS) 導 入 義 務 化 21 航 空 運 送 事 業 許 可 証 等 の 写 しの 航 空 機 への 搭 載 義 務 化 22 飛 行 データ 解 析 プログラムの 導 入 の 義 務 付 け 23 運 航 者 における 電 子 航 法 データの 品 質 保 証 の 義 務 付 け 24 地 上 支 援 業 務 に 係 る 手 順 等 の 規 程 化 の 義 務 付 け 25 モードCトランスポンダーの 装 備 義 務 空 域 の 拡 大 26 航 空 機 用 救 命 無 線 機 (ELT)の 装 備 義 務 の 拡 大 27 緊 急 用 フロートの 装 備 義 務 の 変 更 28 航 空 機 の 防 除 雪 氷 作 業 の 取 扱 いの 明 確 化 29 非 常 口 座 席 への 搭 乗 に 係 る 安 全 上 の 基 準 の 創 設 30 幼 児 の 搭 乗 に 関 する 安 全 上 の 基 準 の 見 直 し 31 長 距 離 進 出 運 航 (ETOPS)の 基 準 の 見 直 し 32 カテゴリー 航 行 に 関 する 許 可 基 準 の 見 直 し 33 わが 国 におけるMPLのあり 方 に 関 する 検 討 の 推 進 34 自 家 用 操 縦 士 の 技 量 維 持 のあり 方 に 関 する 検 討 の 推 進 4. 安 全 安 心 を 前 提 とした 事 業 者 等 のニーズへの 対 応 35 ヘリコプターの 場 外 離 着 陸 最 低 安 全 高 度 に 係 る 許 可 手 続 きの 合 理 化 36 救 難 機 関 等 の 夜 間 場 外 離 着 陸 訓 練 に 係 る 許 可 要 件 の 明 確 化 37 客 室 業 務 の 委 託 可 能 範 囲 の 見 直 し 38 連 続 式 耐 空 証 明 の 交 付 基 準 の 明 確 化 39 小 型 事 業 機 の 整 備 及 び 検 査 に 係 る 事 業 場 認 定 の 取 得 の 促 進 40 複 数 の 事 業 者 に 対 する 整 備 改 造 に 係 る 事 業 場 認 定 の 基 準 の 設 定
わが 国 航 空 会 社 が 世 界 に 先 駆 けて 導 入 するB787 型 機 等 のメリットを 早 期 に 発 揮 させるため 安 全 確 保 を 前 提 に 導 入 当 初 から 円 滑 な 機 材 運 用 を 可 能 とする 新 機 種 導 入 に 向 けた 技 能 証 明 機 長 認 定 査 察 指 名 等 基 準 の 見 直 し B787の 操 縦 系 統 の 機 器 システムは B777との 高 い 共 通 性 が 強 く 意 識 して 設 計 されている 機 長 がB777から B787に 移 行 する 際 の 技 能 証 明 機 長 認 定 等 に 当 たって 安 全 性 が 確 保 できる 範 囲 で 試 験 審 査 を 省 略 できることと することにより B787 導 入 当 初 からスムーズな 機 長 確 保 を 可 能 とする 長 距 離 進 出 運 航 承 認 のための 運 航 整 備 経 験 期 間 の 短 縮 必 要 な 技 能 訓 練 を 終 了 し ていることを 条 件 に 技 能 証 明 実 地 試 験 を 省 略 技 能 訓 練 一 週 間 程 度 で 実 施 可 能 技 能 証 明 取 得 長 距 離 進 出 運 航 (ETOPS)の 承 認 に 当 たって 従 来 承 認 を 受 けようとする 型 式 の 航 空 機 の 運 航 整 備 経 験 を 踏 まえて 審 査 を 行 ってきたが 技 術 設 計 の 類 似 性 の 高 い 航 空 機 を 用 いたETOPSの 運 航 整 備 経 験 も 考 慮 して 審 査 を 行 うことにより 承 認 に 必 要 な 運 航 整 備 経 験 期 間 を 大 幅 に 短 縮 可 能 と する 1. 新 型 機 材 に 係 るメリットの 早 期 実 現 機 長 認 定 技 能 審 査 口 述 審 査 のみ 実 施 ( 実 地 審 査 を 省 略 ) 路 線 慣 熟 訓 練 口 述 実 地 審 査 とも 省 略 機 長 認 定 取 得 機 長 認 定 路 線 審 査 査 察 操 縦 士 指 名 時 の 経 験 要 件 について B777の 経 験 をB787の 経 験 と 見 なす CAT-Ⅰ 航 行 を 行 う 機 長 の 経 験 要 件 について B777の 経 験 を B787の 経 験 と 見 なす 路 線 運 航 飛 行 間 点 検 の 取 扱 いの 見 直 し 飛 行 間 点 検 を 行 うこと 無 しに 耐 空 性 を 維 持 する 整 備 プログラムが 製 造 国 製 造 者 によって 構 築 されている 航 空 機 (B787 型 機 についても 飛 行 間 点 検 を 設 定 しない 方 向 で 検 討 中 )については 飛 行 間 点 検 を 省 略 可 能 とする B787 また 飛 行 間 点 検 を 省 略 する 場 合 の 所 要 の 整 備 体 制 ( 機 長 ( 出 発 前 確 認 を 実 施 )と 整 備 部 門 との 連 絡 体 制 不 具 合 発 生 時 の バックアップ 体 制 等 )に 関 する 基 準 を 策 定 する
2. 将 来 にわたる 運 航 乗 務 員 の 確 保 育 成 大 量 退 職 や 運 航 頻 度 の 増 加 等 を 見 据 え 運 航 乗 務 員 の 確 保 及 び 育 成 を 推 進 すると 共 に 一 定 以 上 の 安 全 管 理 能 力 を 有 する 航 空 会 社 を 活 用 した 安 全 性 の 向 上 を 図 るため 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 制 度 等 に 係 る 基 準 を 見 直 す 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 * 制 度 の 充 実 強 化 航 空 会 社 の 経 験 能 力 に 応 じ 査 察 操 縦 士 が 行 う 審 査 の 範 囲 を 限 定 した 仕 組 みを 構 築 し 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 の 取 得 を 促 進 する * 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 国 の 指 名 を 受 けた 査 察 操 縦 士 が 国 の 審 査 官 に 替 わり 機 長 の 定 期 審 査 等 を 行 える 制 度 航 空 身 体 検 査 不 適 合 者 の 活 用 一 定 の 技 能 経 験 等 を 有 する 者 について 航 空 身 体 検 査 に 適 合 しない 場 合 でも 1シミュレーターによる 定 期 技 能 審 査 に 係 る 査 察 操 縦 士 業 務 2LOFT 訓 練 * 教 官 業 務 等 を それぞれ 可 能 とする 仕 組 みを 新 設 する *LOFT 訓 練 シミュレーターを 使 用 して 路 線 運 航 における 通 常 状 態 異 常 状 態 及 び 緊 急 状 態 の 模 擬 を 行 い 乗 員 間 の 連 携 等 の 能 力 の 向 上 を 目 的 とした 訓 練 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 日 本 航 空 全 日 本 空 輸 エアーニッポン ジャルエクスプレス 日 本 貨 物 航 空 北 海 道 国 際 航 空 日 本 エアコミューター 等 シミュレーター 国 ( 運 航 審 査 官 ) 査 察 操 縦 士 機 指 名 審 査 指 名 定 期 審 査 定 期 審 査 認 定 審 査 臨 時 審 査 長 機 定 期 審 査 認 定 審 査 臨 時 審 査 長 * 機 長 の 定 期 審 査 機 長 は 国 の 審 査 官 又 は 査 察 操 縦 士 の 行 う 以 下 の 定 期 審 査 に 合 格 することが 必 要 年 1 回 の 路 線 審 査 ( 実 地 ) 年 2 回 の 技 能 審 査 (シミュレーター) ( 但 し 内 1 回 はLOFT 訓 練 で 代 用 可 ) * 指 定 本 邦 外 スカイマーク スカイネットアジア スターフライヤー 等 これまで シミュレーターを 使 用 して 行 う 1 定 期 技 能 審 査 を 行 う 査 察 操 縦 士 及 び 2LOFT 訓 練 の 教 官 には 実 機 運 航 と 同 様 に 航 空 身 体 検 査 に 合 格 していることを 要 件 としていた 機 長 の 定 期 審 査 の 実 施 方 法 の 合 理 化 等 機 長 の 定 期 路 線 審 査 について 片 道 で 行 う 範 囲 を 拡 大 することにより 効 率 的 な 審 査 を 可 能 にするとともに 査 察 操 縦 士 が 行 う 審 査 の 範 囲 を 拡 大 する 定 期 路 線 審 査 機 長 の 定 期 路 線 審 査 にあっては これ まで 往 復 で 実 施 することとしていた 指 定 本 邦 航 空 運 送 事 業 者 制 度 の 活 用 等 により 民 間 能 力 の 活 用 の 促 進 を 図 ると 同 時 に 事 業 者 の 組 織 認 証 に 係 る 国 の 監 督 を 強 化 し 更 なる 安 全 性 の 向 上 を 図 る
3.ビジネスジェットによる 事 業 運 営 の 柔 軟 化 ビジネスジェットに 係 るETOPS 規 制 について 航 空 機 の 性 能 向 上 国 際 標 準 諸 外 国 の 状 況 等 を 踏 まえ 承 認 が 必 要 となる 長 距 離 進 出 運 航 の 距 離 を1 発 動 機 不 作 動 時 の 巡 航 速 度 で60 分 の 距 離 から180 分 の 距 離 に 改 正 (2008 年 7 月 通 達 改 正 ) ( 注 )ETOPS 規 制 とは 着 陸 に 適 した 空 港 から1つの 発 動 機 が 不 作 動 時 の 巡 航 速 度 で 一 定 の 時 間 ( 現 在 は 航 空 機 の 大 きさ 等 にかかわらず60 分 )か かる 地 点 を 超 える 地 点 を 含 む 路 線 を 双 発 機 により 運 航 する 場 合 には 航 空 機 の 信 頼 性 整 備 体 制 運 航 体 制 等 について 国 土 交 通 省 による 審 査 承 認 を 受 けなければならないこととする 規 制 をいう 新 たに 効 率 的 な 運 航 が 可 能 (ETOPS 承 認 不 要 )となる 地 点 の 例 アンカレッジ ロンドン モスクワ パリ デリー 東 京 サンフランシスコ ロサンゼルス ドバイ ムンバイ ホノルル Cessna Citation シンガポール ジャカルタ Gulfstream
4. 諸 外 国 との 相 互 承 認 の 推 進 航 空 機 の 耐 空 性 の 証 明 や 運 航 乗 務 員 のライセンスに 係 る 訓 練 審 査 に 関 し わが 国 と 同 等 以 上 の 制 度 能 力 を 有 する 諸 外 国 との 間 での 相 互 承 認 を 推 進 し 安 全 審 査 に 係 る 業 務 の 効 率 化 を 図 るとともに 外 国 当 局 との 連 携 を 強 化 することにより 安 全 性 の 向 上 を 図 る 航 空 機 及 び 装 備 品 の 耐 空 性 に 関 する 相 互 承 認 による 効 果 の 一 例 米 国 とのBASA( 航 空 安 全 に 関 する 二 国 間 取 極 ) の 締 結 及 び 相 互 承 認 分 野 拡 大 の 推 進 航 空 機 及 び 装 備 品 の 耐 空 性 に 関 する 相 互 承 認 相 互 承 認 なし A 国 B 国 航 空 製 品 運 航 者 を 推 進 するため BASA 及 びこれに 基 づく 耐 空 性 安 全 性 に 関 する 実 施 取 決 めの 早 期 締 結 を 目 指 す 航 空 機 メーカー 審 査 検 査 等 航 空 製 品 航 空 当 局 三 菱 重 工 業 提 供 安 全 性 A 国 の 証 明 相 互 承 認 あり 審 査 検 査 等 C 国 A 国 の 証 明 に 基 づ き 審 査 検 査 等 を 一 部 省 略 航 空 当 局 航 空 製 品 航 空 当 局 安 全 性 B 国 の 証 明 運 航 者 C 国 の 証 明 相 互 承 認 分 野 の 拡 大 を 図 るため 耐 空 性 に 関 す る 実 施 取 決 めが 締 結 された 後 速 やかに 整 備 施 設 乗 員 ライセンス シミュレータ 等 の 分 野 に おける 実 施 取 決 めの 協 議 を 推 進 する 米 国 以 外 の 国 との 間 での 相 互 承 認 の 推 進 米 国 以 外 の 国 との 間 においても 米 国 との 二 国 間 取 極 及 び 実 施 取 決 めを 参 考 にしつつ 対 象 国 との 情 況 に 合 わせた 枠 組 みを 整 備 し 相 互 承 認 を 推 進 する
５ 捜索 救難活動等への対応 災害ヘリが場外離着陸場を使用して訓練を行う際などの許可基準について 合理化の要請が拡大 問題点 建物屋上を離着陸する訓練 災害時にのみ使用できる場外離着陸場での訓練が困難 消防 防災航空隊等の訓練機関が夜間に捜索救難訓練を行う場合の離着陸の許可基準が不明確 問題点 実業務に近い条件で行う訓練のための基準 例 灯火施設の基準 が不明確 警察 消防以外の機関は 夜間訓練実施のための要領が未整備 災害時に備え場外離着陸場 建物屋上等 で訓練を行う際の許可基準を合理化 救難機関が実業務に近い条件で行う捜索救難訓練に則して離着陸に係る許可基準を明確化 災害時の急患輸送 等の訓練が容易に 建物屋上の場外離着陸場での 訓練の許可基準を合理化 災害ヘリの活躍の場 が拡大 災害時にのみ使用する場所での 訓練の許可基準を合理化 夜間訓練がより実践 的になり 事故防止 へ 救難機関だけに認められた 夜間照明等の条件で訓練が可能
ご 清 聴 ありがとうございました