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My Learning Mate 活 用 の 手 引 き

言 語 学 習 ポートフォリオとはどのようなものか 世 界 で 活 躍 できる 人 材 ための 英 語 教 育 といったスローガンを, 最 近 よく 耳 にします しかし, 学 校 の 授 業 の 現 状 はいかがでしょうか 学 習 者 にとっては 定 期 試 験 や 受 験 のため の 一 教 科 で, 自 分 のニーズに 合 ったコミュニケーション ツールとしての 言 語 学 習 である と 意 識 されていないのではないでしょうか 本 来, 学 校 の 英 語 学 習 もそれぞれの 生 徒 のニ ーズや 適 性 に 還 元 できるものにすべきで,そこから 学 習 の 継 続 性 も 生 まれるはずです さ らに, 指 導 する 教 員 も, 学 習 者 の 個 人 的 な 継 続 性 に 対 してそれほど 注 意 を 払 って 来 ません でした 言 い 換 えれば, 学 習 者 個 人 の 将 来 のために, 自 分 に 適 した 学 習 を 追 求 するという, 自 律 的 な 学 習 意 識 を 育 成 する 視 点 が 十 分 ではありませんでした 現 在, 文 科 省 によって, 各 中 学 高 等 学 校 で CAN-DO リストの 形 式 で 達 成 目 標 を 作 成 し, 達 成 度 を 検 証 することが 求 められています CAN-DO リストの 形 式 で 達 成 目 標 を 作 成 する ことは, 言 語 の 働 き という 観 点 から 達 成 目 標 を 可 視 化 し, 教 師 が 生 徒 と 共 有 できるので, 従 来 の 文 法 訳 読 式 の 授 業 を 変 える 可 能 性 があります しかし, 現 時 点 では,CAN-DO リス トの 作 成 とそれを 活 用 した 指 導 はまだ 一 般 化 しているとは 言 えません CAN-DO リスト 自 体 は, 基 本 的 には 達 成 目 標 のリストにすぎません 重 要 なことは, 生 徒 が CAN-DO リスト を 活 用 して, 自 分 のニーズに 合 った 学 習 を 確 立 することにあります 日 本 における CAN-DO リスト 導 入 のモデルとなっているヨーロッパ 言 語 共 通 参 照 枠 (Common European Framework of Reference for Languages, 略 称 CEFR)には,その 個 人 の 学 習 記 録 のツールとして 開 発 されたポートフォリオがあります これは, 欧 州 評 議 会 が 開 発 し た European Language Portfolio という 言 語 学 習 ポートフォリオで,CEFR の 自 律 的 な 言 語 学 習 を 支 援 する 個 人 用 ツールとして 実 践 されています このような 個 人 ツールを 使 用 し て, 自 分 の 言 語 学 習 を 記 録 し, 生 涯 学 習 的 な 観 点 から,その 学 習 内 容 を 自 分 自 身 で 振 り 返 ることができます つまり 自 律 的 な 学 習 者 になる 支 援 ができるのです さらに, 言 語 学 習 ポートフォリオは, 言 語 学 習 の 共 通 目 標 を 通 じて, 学 習 者 と 教 師 をつなぐことができます また, 教 師 にとっては 担 当 者 同 士 の 連 携 を 促 進 するツールになります 生 徒 との 連 携 学 習 者 ポートフォリオ ( 共 通 目 標 ) 教 師 教 師 同 士 の 連 携 同 僚 ポートフォリオ ( 共 通 目 標 ) 同 僚

MY LEARNING MATE の 開 発 上 記 の 観 点 から, 自 律 的 な 学 習 を 継 続 することを 支 援 する 言 語 学 習 ポートフォリオの 活 用 が 有 効 であると 考 え, 高 校 生 用 のポートフォリオ,MY LEARNING MATE( 以 下,MLM) の 開 発 に 取 り 組 みました MLM の 一 番 の 目 的 は, 学 習 者 の 英 語 学 習 への 意 識 を 変 え,そ の 結 果, 意 欲 を 向 上 させることにあります 表 現 活 動 を 中 心 にした 学 習 と,その 後 の 自 己 評 価 活 動 を 通 じて, 自 分 自 身 との 対 話 を 促 進 します 具 体 的 には, 自 分 の 英 語 学 習 へのニ ーズや 学 習 目 標 を 確 かめ,それをふまえて, 取 り 組 んだ 結 果 を 自 己 評 価 することによって, 自 分 に 適 した 学 習 サイクルの 確 立 を 目 指 すことにあります MLM の 構 成 の 大 枠 は 以 下 の 通 りです 自 分 の 興 味 や 卒 業 後 の 進 路 から 自 分 の 英 語 学 習 へのニーズを 考 える 項 目 CAN-DO リストによる 自 己 評 価 の 項 目 自 分 の 興 味 や 卒 業 後 の 進 路 から 自 分 の 英 語 学 習 へのニーズを 考 える 項 目 に 関 しては, 自 分 の 木 というページで, パティシエになるために 留 学 したい といった, 将 来 実 現 したい 目 標 を 木 の 枝 の 中 に 記 入 し,さらに,それを 実 現 するための 日 々の 努 力 を 料 理 に 関 する 英 語 表 現 を 学 ぶ といった 内 容 で 根 の 部 分 に 記 入 する 取 り 組 みを 行 います CAN-DO リストは 一 般 的 に, 特 定 の 教 材 に 連 動 していませんが,MLM は 教 科 書 ベース で, 学 習 者 が 単 元 毎 に 目 標 とされた 言 語 の 働 きをどれだけ 習 得 したか 評 価 できるように 設 定 されています 最 終 的 には, 短 期 目 標 として 各 単 元 の 学 習 に 取 り 得 組 むことで, 長 期 目 標 である 年 間 の 目 標 として 実 際 の 英 語 力 の 伸 張 につながることに 気 づかせることを 目 指 し ています MY LEARNING MATE の 実 践 結 果 MLM の 開 発 にあたり, 試 用 版 を 使 った 取 り 組 みを 行 いました 蒲 田 女 子 高 校 の 先 生 方 の 協 力 を 得 て, 同 校 の1 学 年 全 体 で 取 り 取 り 組 むことができました その 結 果, 学 習 者 と 指 導 者 に 関 して2つの 成 果 が 確 認 されました まず, 学 習 者 に 関 する 成 果 としては, 言 語 学 習 ポートフォリオの 自 己 評 価 活 動 や, 英 語 学 習 と 自 分 のニーズを 定 期 的 に 考 える 機 会 を 持 つことで, 英 語 学 習 に 対 する 意 識 が 深 まり, 意 欲 の 向 上 が 見 られました また, 指 導 者 側 の 成 果 として,CAN-DO リストの 目 標 設 定 に 沿 った 言 語 活 動 中 心 の 授 業 を 実 施 するため に,これまで 取 り 組 んできた 授 業 の 検 証 と 改 善,さらにそれに 沿 った 評 価 方 法 の 開 発 に 取 り 組 むなどの 変 化 が 見 られました この 取 り 組 みで 最 も 印 象 的 だったのは, 今 回 一 緒 に 取 り 組 んだ 先 生 方 の 意 識 や 指 導 方 法 の 変 化 です 例 えば,1 学 期 間 の 取 り 組 みの 後 のミーティングで,ある 先 生 から 以 下 のコ メントがありました 指 導 の 優 先 順 位 が 変 わりました 昨 年 は 文 構 造 の 理 解 が 最 も 大 切 だ と 思 っていたけれど, 今 年 は 使 うことを 前 提 とした 指 導 がそれよりも 大 切 だと 思 うように なりました もちろん, 文 構 造 の 理 解 も 大 切 ですが, 複 雑 な 構 造 のものは,もっと 詳 しい ことを 表 現 したいと 思 ったときに 必 要 な 学 習 をすればいいと 思 います 今 は, 学 んだこと

で 何 ができるかの 方 が 大 切 です また, 日 々の 指 導 においては, MLM に 沿 って 授 業 展 開 をしていくと, 生 徒 が 英 語 で 活 動 する 時 間 が 大 幅 に 増 えた これにより, 発 表 ペア 活 動 に 使 いやすいように 教 材 のプリントの 工 夫 を 考 えるようになった とコメントしていま す MLM の 構 成 自 体 については 後 述 しますが, 特 に 複 雑 なものではありません MLM を 使 った 取 り 組 みで 最 も 重 要 な 点 は, MLM をどのように 使 うか にあります MLM を 使 っ た 学 習 活 動 は 基 本 的 にコミュニケーションを 重 視 したものになるので, 指 導 方 法 と 評 価 の 準 備 をする 必 要 があります また, 同 僚 とその 方 針 についてよく 話 し 合 って, 共 通 理 解 を 深 める 必 要 があります 以 下 の 各 項 目 に 具 体 的 な 説 明 があるので,それを 参 考 にそれぞれ の 学 校 の 実 態 に 合 わせて, 準 備 をして 下 さい MY LEARNING MATE の 各 項 目 とそのねらい 1. 授 業 で 役 立 つ 英 語 表 現 集 授 業 中 に 使 う 英 語 表 現 集 です 先 生 に 質 問 したり, 指 示 を 求 めるときに 使 います MLM では 生 徒 になるべくたくさんの 英 語 を 使 わせる ことを 目 指 しているので, 生 徒 が 使 える 教 室 英 語 として, 年 度 の 最 初 に 確 認 させます 2. 私 の 英 語 学 習 プロフィール 生 徒 の 英 語 学 習 の 目 的 と 適 した 学 習 スタイルを 確 認 します 中 学 時 代 など,これ までの 英 語 学 習 を 振 り 返 り, 生 徒 自 身 が 自 分 の 外 国 語 学 習 のスタイルを 確 認 します 3. 英 語 学 習 の 目 標 と 自 己 評 価 この 1 年 間 の 英 語 学 習 の 達 成 目 標 です 4 月 の 授 業 開 始 時 と 各 学 期 終 了 後 に 確 認 します 5. 学 びの 記 録 の 各 単 元 の 学 習 の 蓄 積 がこの 年 間 の 目 標 を 達 成 につながる ことを 確 認 させます 4. 未 来 の 自 分 と 英 語 学 習, 自 分 の 木 この 項 目 を 利 用 して, 生 徒 は 自 分 のニーズに 適 した 英 語 学 習 を 考 えます こ れまで, 本 来, 生 徒 自 身 の 進 路 と 外 国 語 の 学 習 は 密 接 な 関 係 があるはずですが,こ れまでこの 点 に 関 しては, 進 路 と 学 科 の 学 習 としてそれぞれ 別 なものとして, 取 り 組 まれてきました 特 に 自 分 の 木 は 自 分 の 将 来 やそれに 向 けた 取 り 組 みを 考 えるものです 将 来 つきたい 職 業 や, 自 分 の 人 間 的 な 成 長 と 英 語 学 習 を 関 連 させ て, 自 分 のニーズに 適 した 英 語 学 習 を 1 本 の 木 のイメージで 考 えます 幹 や 枝 には 自 分 の 進 路, 人 間 的 成 長, 英 語 学 習 に 関 する 希 望 を 記 入 し, 根 にはそれらの 希 望 を 実 現 するための 努 力 を 記 入 します 努 力 は 希 望 を 実 現 するための 栄 養 と 考 える 訳 です また,これらの 根 を 妨 げる 要 素 として, 石 ころのイメージで 具 体

的 な 不 安 も 記 入 します 実 際 に 利 用 した 生 徒 の 例 を 掲 載 してあるので,それを 使 って 書 き 方 を 確 認 して 下 さい また, 年 度 の 当 初 に 最 初 の 記 入 を 行 いますが, 学 期 の 終 わりなど 定 期 的 に, 3. 英 語 学 習 の 目 標 と 自 己 評 価 の 確 認 する 際 に, 英 語 学 習 の 成 果 の 確 認 と 同 時 に 見 直 す 作 業 に 取 り 組 むようにしましょう 5. 学 びの 記 録 MLM の 中 心 的 な 取 り 組 みとなります 教 科 書 の 各 単 元 の 学 習 の 前 に 目 標 を 確 認 して, 終 了 後 に 生 徒 自 身 の 達 成 度 を 自 己 評 価 します 重 要 な 点 は, 学 習 後 だけでな く, 必 ず 学 習 前 にその 単 元 の 目 標 を 確 認 させ,その 目 標 を 意 識 して 学 習 活 動 に 取 り 組 ませることにあります 例 えば,Lesson4 では, ラーメン という 日 本 人 の 国 民 食 的 な 食 材 を 取 り 上 げますが,その 学 習 目 標 として 自 分 の 好 きな 料 理 や 食 べたい ものについて 述 べることができる という Can-Do の 記 述 があります この 単 元 の 最 後 には 自 分 の 表 現 活 動 として, 自 分 の 好 きな 料 理 や 食 べたいものについて 述 べる 活 動 を 行 うことを 意 識 して, 活 用 できる 英 語 表 現 や 文 法 項 目 などを 学 ぶわけです そして, 単 元 終 了 後 には, 実 際 にその 表 現 活 動 に 取 り 組 んだ 結 果 を 自 己 評 価 するわ けです 6. これからの 課 題 この 冊 子 を 使 ってみて, 自 分 の 将 来 と 英 語 学 習 について 気 づいたことを 記 入 させ ます 年 間 の 学 習 を 通 じて 気 づいたことを 記 録 させることで, 学 習 の 継 続 につなげ ます MLM を 使 った 取 り 組 みの 準 備 MLM を 使 用 する 際 に 必 要 な 準 備 について 説 明 します 1. 学 習 目 標 としての Can-Do リストの 確 認 MLM は, 東 京 書 籍 のコミュニケーション 英 語 の 教 科 書,All Aboard! Communication EnglishⅠに 準 拠 して 作 られています 各 単 元 の Can-Do リストの 記 述 は,この 教 科 書 を 取 り 組 む 際 に 考 えられる 学 習 目 標 を 掲 げてあります 特 に, 題 材 に 関 連 したコミュニ ケーション 活 動 を 重 視 した 目 標 となっています しかし,これらの 目 標 は 必 ずしも 全 て そのまま 使 う 必 要 はなく,それぞれの 担 当 の 教 師 がその 学 校 に 実 態 に 合 わせて, 取 捨 選 択 して 使 うことができます また, 追 加 することもできます 重 要 な 点 は, 担 当 者 同 士 で 事 前 に 共 通 の 目 標 として, 確 認 してから 生 徒 に 提 示 するという 点 になります 2. 学 習 目 標 に 沿 った 授 業 計 画 前 述 したように,MLM は, 題 材 に 関 連 したコミュニケーション 活 動 を 重 視 した 学 習 目 標 を 掲 げてあります そのため, 授 業 もその 目 標 を 実 現 する 方 向 で 実 践 する 必 要 があ ります 例 えば,Lesson6 の Funny Picture from the Edo Period では, 江 戸 の 浮 世

絵 師 に 関 するスピーチが 題 材 となっています MLM の Can-Do リストには,コミュニ ケーション 活 動 として, 次 のような 記 述 があります 写 真 や 絵 を 描 写 することができる 自 分 の 好 きな 絵 や 写 真 についてスピーチを 行 うことができる 上 記 の 目 標 を 達 成 するために, 例 えば 次 のような 取 り 組 みを 行 うこともできます ハンドアウトを 使 って, 教 師 が 用 意 した 絵 や 写 真 の 特 徴 から, 思 いつく 英 語 表 現 を 引 き 出 す グループで 好 きな 絵 を 話 し 合 わせる 留 意 点 として 以 下 の 要 点 が 考 えられます グループごとにスクリーンに 投 影 するか, 絵 のコピーを 持 って 紹 介 する Lesson 6 で 学 習 した 受 動 態 の 文 章 を 必 ず 入 れるようにして, 使 えるようにする 発 表 以 外 のグループには 発 表 を 聞 き,その 発 表 にもう 1 文 加 える などの 課 題 を 与 える 教 科 書 の 表 現 5~7 文 でその 絵 を 紹 介 する この 手 引 きに 実 践 例 として,All Aboard! Communication EnglishⅠ 全 科 の 指 導 例 を 掲 載 しておきますので, 参 考 にして 下 さい 3. 学 習 目 標 に 沿 った 評 価 方 法 の 確 認 授 業 で 題 材 に 関 連 したコミュニケーション 活 動 を 行 った 場 合,その 学 習 の 成 果 を 評 価 す る 必 要 があります つまり, 語 彙 や 文 法 事 項 の 知 識 を 問 うテストだけでなく, 学 習 活 動 の 結 果,どのような 言 語 の 働 きを 身 に 付 けることができたのかを 問 うパフォーマンス テス トを 実 施 する 必 要 があります 例 えば, 蒲 田 女 子 高 校 の 実 践 例 を 以 下 に 示 します パフォーマンス テストはペアで 行 う このテストは 平 常 点 の 10 点 分 になるため,テ スト 会 場 は 別 室 を 用 意 し, 録 画 したものを 担 当 者 全 員 で 評 価 する 生 徒 たちがパフォーマンス テストの 評 価 基 準 を 理 解 できるようにするため, 上 級 生 が 会 話 している 映 像 を 各 クラスに 見 せ, 評 価 をさせる 教 師 はコメントせず, 生 徒 間 で 意 見 を 出 し 合 い,テストのときに 使 用 する 評 価 シートに 記 入 させる 1 学 期 のテストでは, 授 業 で 学 習 した 疑 問 文 やその 答 え 方 が 定 着 しているかを 確 認 する ことを 目 指 した 疑 問 文 の 書 いてあるカードを 5 枚 机 上 に 裏 返 して 置 いておき,ペアの 一 人 がその 中 の 1 枚 をめくり, 書 いてある 疑 問 文 から 1 分 間 会 話 を 続 けるという 方 法 で 実 施 した ( 会 話 が 続 かなくなったら 残 りのカードを 何 枚 でもめくることができる) 重 要 なことは,MLM の 自 己 評 価 の 結 果 をそのまま 成 績 に 反 映 させてはいけません も し, 自 己 評 価 の 結 果 を 学 期 や 年 間 の 成 績 に 反 映 させると, 生 徒 はきちんとした 自 己 評 価 で はなく, ウソ を 書 くようになってしまうからです ポートフォリオの Can-Do の 記 述 に 沿 った 目 標 の 評 価 は,それに 関 連 した 学 習 結 果 から 行 わなくてはいけません

最 後 に 言 語 学 習 ポートフォリオを 導 入 することは, 生 徒 を 引 率 して 山 登 りを 行 うことに 似 てい ます CAN-DO リストの 作 成 だけでは, 行 程 表 作 りという 計 画 段 階 にとどまります しか し,ポートフォリオを 使 った 取 り 組 みでは, 一 人 一 人 の 生 徒 に 配 布 して 授 業 実 践 をするこ とで, 生 徒 と 一 緒 に 目 指 す 山 登 りを 始 めることになります 生 徒 が 遭 難 しないように, 引 率 者 は 連 携 を 密 にして 指 導 計 画 という 行 程 表 を 検 討 しながら, 協 力 し 合 って 目 標 に 向 かっ て 行 かなければなりません 言 語 学 習 ポートフォリオの 実 践 では, 生 徒 との 連 携 はもちろ んですが, 同 僚 と 密 に 意 見 交 換 をしながら, 互 いに 効 果 的 な 授 業 のアイデアを 交 換 し 合 う などの 連 携 が 大 切 なポイントとなります