住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 について ~ 商 品 性 市 場 動 向 今 後 の 課 題 ~ 平 成 28 年 8 月 総 務 省 自 治 財 政 局 地 方 債 課
住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 とは 債 券 発 行 によって 資 金 を 調 達 する 市 場 公 募 地 方 債 の 一 類 型 購 入 者 を 当 該 債 券 の 発 行 団 体 内 に 居 住 する 個 人 法 人 に 限 定 する 銘 柄 が 多 い 点 が 特 徴 第 1 号 案 件 は 平 成 14 年 3 月 に 群 馬 県 が 発 行 した 愛 県 債 毎 年 度 一 定 規 模 の 発 行 があり 地 方 公 共 団 体 の 資 金 調 達 手 法 として 定 着 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 の 制 度 目 的 住 民 の 行 政 参 加 意 識 高 揚 住 民 に 対 する 施 策 のPR 資 金 調 達 手 法 の 多 様 化 個 人 金 融 資 産 の 有 効 活 用 市 場 公 募 化 のためのノウハウ 習 得 など 1
発 行 額 発 行 団 体 数 の 推 移 発 行 額 発 行 団 体 数 は18 年 度 でピークを 付 けたのち 減 少 傾 向 を 辿 っ ている 平 成 27 年 度 は1,486 億 円 61 団 体 が 発 行 発 行 額 の 推 移 ( 億 円 ) 年 度 都 道 府 県 政 令 市 市 区 町 村 合 計 13 10 10 14 1,420 140 76 1,636 15 2,195 310 177 2,682 16 2,697 360 219 3,276 17 2,769 360 316 3,445 18 2,428 728 358 3,513 19 2,012 742 329 3,083 20 1,678 710 262 2,650 21 1,550 704 234 2,488 22 1,491 714 236 2,441 23 1,348 554 235 2,137 24 1,331 523 174 2,028 25 1,217 509 138 1,864 26 1,067 539 140 1,746 27 982 394 110 1,486 発 行 団 体 数 の 推 移 ( 団 体 ) 年 度 都 道 府 県 政 令 市 市 区 町 村 合 計 13 1 1 14 17 5 12 34 15 30 9 40 79 16 31 8 55 94 17 32 8 66 106 18 31 10 83 124 19 27 11 85 123 20 25 12 65 102 21 21 11 56 88 22 22 12 57 91 23 17 12 51 80 24 18 11 49 78 25 17 11 47 75 26 15 11 40 66 27 16 9 36 61 出 所 : 総 務 省 地 方 債 協 会 2
商 品 性 1 購 入 対 象 者 制 度 目 的 である 住 民 の 行 政 参 加 意 識 高 揚 という 観 点 から 発 行 団 体 内 に 居 住 通 勤 勤 務 している 個 人 発 行 団 体 内 に 拠 点 のある 法 人 団 体 等 を 購 入 対 象 者 として 発 行 された 銘 柄 が 多 い 最 近 では 安 定 的 な 消 化 を 促 す 観 点 から 購 入 対 象 者 を 制 限 し ない 銘 柄 ( 全 国 での 販 売 )も 一 部 見 受 けられる いずれの 場 合 であっても 購 入 対 象 者 の 範 囲 については 各 団 体 の 裁 量 で 決 定 される 3
商 品 性 2 発 行 ロット 発 行 ロットは 団 体 規 模 によって 異 なる 都 道 府 県 が 平 均 60 億 円 程 度 で あるのに 対 し 一 般 市 区 町 村 では5 億 円 に 満 たない 規 模 となってい る 県 市 町 村 間 での 共 同 発 行 形 式 を 採 用 する 銘 柄 もあり 発 行 ロッ ト 確 保 の 観 点 からは 有 益 な 取 組 みと 考 えられる 60 50 40 30 1 銘 柄 あたりの 平 均 発 行 ロット( 平 成 13 年 度 ~ 平 成 27 年 度 ) ( 億 円 ) 55.8 45.8 33.8 20 10 4.6 0 都 道 府 県 政 令 市 市 区 町 村 共 同 発 行 出 所 : 地 方 債 協 会 4
商 品 性 3 販 売 方 法 販 売 方 法 は 窓 口 販 売 方 式 と 抽 選 販 売 方 式 の2 種 類 窓 口 販 売 方 式 は 取 扱 金 融 機 関 の 窓 口 に 直 接 出 向 いた 購 入 者 に 対 して 販 売 する 方 法 発 行 体 にとって 事 務 負 担 が 少 ないメリットがある 一 方 先 着 販 売 となるケース が 多 いため 公 平 な 購 入 機 会 の 確 保 が 難 しいというデメリットもある 抽 選 販 売 方 式 は インターネットやハガキ 等 で 発 行 体 または 金 融 機 関 に 対 して 応 募 してもらい 抽 選 の 結 果 当 選 した 人 に 販 売 する 方 法 購 入 者 にとって 購 入 機 会 の 公 平 性 が 確 保 されるメリットがある 一 方 抽 選 事 務 については 発 行 体 が 行 うことが 多 く 事 務 負 担 が 大 きくなるというデメリットもある 販 売 方 法 の 傾 向 としては 窓 口 販 売 方 式 が8 割 程 度 となっている 住 民 参 加 型 公 募 債 の 販 売 方 法 ( 平 成 27 年 度 ) ( 参 考 ) 平 成 26 年 度 15.63% 1.56% 15.28% 1.39% 82.81% 窓 口 販 売 抽 選 販 売 併 用 販 売 83.33% 窓 口 販 売 抽 選 販 売 併 用 販 売 出 所 : 地 方 債 協 会 5
商 品 性 4 購 入 限 度 額 より 多 くの 住 民 に 購 入 を 促 す 観 点 から 購 入 限 度 額 を 設 定 する 銘 柄 が 多 くなっている ただし 安 定 的 に 消 化 されるよう 法 人 など 大 口 投 資 家 の 要 望 に 応 え て 購 入 限 度 額 を 引 き 上 げる あるいは 購 入 限 度 額 を 設 定 しない 銘 柄 も 存 在 する 購 入 限 度 額 ( 平 成 27 年 度 発 行 分 )の 状 況 出 所 : 地 方 債 協 会 共 同 発 行 形 式 を 採 用 している 市 町 村 については 都 道 府 県 分 として 分 類 している 6
商 品 性 5 特 典 ( 購 入 プレミアム)の 付 与 購 入 者 に 対 して 各 種 イベントのチケットや 施 設 招 待 券 など 特 典 (いわゆる 購 入 プレミアム)を 付 与 している 銘 柄 もある 平 成 27 年 度 は 64 銘 柄 (1486.3 億 円 ) 中 14 銘 柄 (527.3 億 円 )で 特 典 付 与 ( 全 銘 柄 中 約 22% 金 額 ベース 約 35%) 購 入 者 に 対 して 特 典 を 付 与 することは 銘 柄 の 商 品 的 魅 力 を 高 める 等 安 定 消 化 や 施 策 PRの 手 段 として 有 益 と 捉 えられている 特 典 を 付 与 している 銘 柄 の 例 団 体 対 象 事 業 特 典 網 走 市 ( 北 海 道 ) 天 都 山 展 望 台 オホーツク 流 氷 館 の 建 設 新 施 設 の 年 間 パスポートとお 楽 しみ 券 を 進 呈 ( 全 員 ) 東 京 都 港 湾 堤 防 や 橋 梁 の 整 備 等 船 上 見 学 会 に 招 待 ( 抽 選 ) 鯖 江 市 ( 福 井 県 ) 宮 崎 市 ( 宮 崎 県 ) 公 民 館 改 築 小 中 学 校 整 備 等 特 産 品 の 進 呈 ( 抽 選 ) フェニックス 自 然 動 物 園 の 整 備 等 フェニックス 自 然 動 物 園 またはフローランテ 宮 崎 の 無 料 入 場 券 を1 名 につき2 枚 進 呈 ( 全 員 ) 出 所 : 地 方 債 協 会 7
商 品 性 6 発 行 年 限 発 行 年 限 は5 年 債 が 主 流 5 年 債 が 主 流 となっている 理 由 としては 以 下 のような 指 摘 がされている 1 購 入 者 に 占 める 高 齢 者 の 割 合 が 高 い(= 長 期 保 有 を 好 まない) 2 初 発 行 事 例 ( 群 馬 県 愛 県 債 )が5 年 債 であった 年 限 別 発 行 実 績 ( 件 数 ) 年 度 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 10 年 5 年 債 シェア 13 1 100.0% 14 4 35 2 85.4% 15 6 2 73 4 1 84.9% 16 8 1 79 4 2 84.0% 17 9 1 93 4 2 85.3% 18 9 1 102 1 3 5 84.3% 19 13 95 1 5 83.3% 20 11 85 1 87.6% 21 11 78 87.6% 22 11 79 87.8% 23 13 71 84.5% 24 11 69 1 85.2% 25 10 67 1 1 84.8% 26 8 64 88.9% 27 9 55 85.9% 合 計 133 5 1046 2 19 17 出 所 : 地 方 債 協 会 8
商 品 性 7 利 率 の 設 定 利 率 の 設 定 については 平 成 28 年 1 月 29 日 の 日 本 銀 行 によるマイナス 金 利 政 策 導 入 公 表 以 前 は 同 年 限 の 国 債 ( 個 人 向 け 国 債 含 む) あるい は 全 国 型 市 場 公 募 債 の 利 率 に 上 乗 せ 金 利 (スプレッド)を 加 算 して 設 定 する 銘 柄 がほとんどであった しかし マイナス 金 利 政 策 導 入 後 はベースとなる 国 債 金 利 が 大 きく 低 下 し 従 来 の 上 乗 せ 金 利 (スプレッド)を 加 算 して 設 定 する 方 法 では マイナス 金 利 となり これを 解 消 するためには 多 大 な 上 乗 せ 金 利 (ス プレッド)を 乗 せることとなるため 正 常 なスプレッドプライシング 機 能 を 発 揮 できない このため 市 場 金 利 情 勢 等 を 参 考 に 絶 対 値 で 決 定 する 銘 柄 が 多 くなっていると 見 込 まれる 9
( 参 考 1) 対 象 事 業 調 達 した 資 金 を 充 当 する 事 業 について 具 体 的 に 提 示 して 起 債 され ることが 多 い - A 地 区 に 病 院 を 建 設 するために 起 債 します 等 公 共 事 業 が 例 年 最 も 多 く 次 いで 教 育 関 連 事 業 や 防 災 関 連 事 業 と なっている 充 当 事 業 の 推 移 ( 銘 柄 数 ) 90 80 70 60 50 40 30 20 充 当 事 業 の 一 例 教 育 防 災 福 祉 一 般 公 共 小 中 学 校 施 設 整 備 特 別 支 援 学 校 整 備 避 難 防 災 拠 点 耐 震 化 消 防 緊 急 通 信 指 令 システム 更 新 保 健 福 祉 センター 整 備 子 供 発 達 支 援 センター 整 備 道 路 河 川 公 園 整 備 市 民 利 用 施 設 整 備 10 0 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27( 年 度 ) 教 育 防 災 福 祉 一 般 公 共 環 境 出 所 : 地 方 債 協 会 10
( 参 考 2) 共 同 発 行 の 事 例 : 平 成 27 年 度 起 債 分 発 行 団 体 名 称 発 行 日 発 行 額 ( 億 円 ) 償 還 期 間 発 行 条 件 表 面 利 率 発 行 価 格 対 象 事 業 茨 城 県 土 浦 市 石 岡 市 平 成 26 年 度 茨 城 県 市 町 常 陸 太 田 市 村 共 同 公 募 債 鹿 嶋 市 ( 大 好 きいばらき 県 民 債 ) かすみがうら 市 つくばみらい 市 H27.5.12 40.0 5 年 満 括 0.10% 100 円 00 銭 茨 城 県 : 道 路 整 備 事 業 等 土 浦 市 : 道 路 整 備 事 業 石 岡 市 : 道 路 整 備 事 業 常 陸 太 田 市 : 複 合 型 交 流 拠 点 施 設 整 備 事 業 等 鹿 島 市 : 保 健 センター 整 備 事 業 かすみがうら 市 : 道 路 整 備 事 業 等 つくばみらい 市 : 小 学 校 空 調 整 備 事 業 兵 庫 県 姫 路 市 尼 崎 市 豊 岡 市 川 西 市 朝 来 市 平 成 27 年 度 兵 庫 県 市 町 共 同 公 募 債 ( 兵 庫 のじぎく 債 ) H27.5.28 23.0 5 年 満 括 0.12% 99 円 97 銭 兵 庫 県 : 県 立 高 校 耐 震 改 修 事 業 等 姫 路 市 : 公 園 等 整 備 事 業 尼 崎 市 : 学 校 施 設 整 備 事 業 豊 岡 市 : 放 課 後 児 童 クラブ 整 備 事 業 幼 児 教 育 施 設 整 備 事 業 川 西 市 : 小 学 校 耐 震 対 策 事 業 朝 来 市 : 給 食 共 同 調 理 施 設 整 備 事 業 出 所 : 地 方 債 協 会 11
( 参 考 3) 起 債 に 係 る 手 数 料 起 債 に 係 る 手 数 料 は 以 下 のとおり 1 受 託 手 数 料 2 引 受 募 集 取 扱 手 数 料 3 元 利 金 支 払 手 数 料 手 数 料 の 水 準 は 団 体 銘 柄 によって 区 々 手 数 料 は 発 行 団 体 のコストであるため 適 切 な 手 数 料 水 準 については 下 記 データを 参 考 にしつつ 受 託 銀 行 等 と 協 議 を 行 うことが 必 要 手 数 料 等 比 較 ( 平 成 23 年 度 ~ 平 成 27 年 度 の 平 均 ) ( 手 数 料 銭 /100 円 ) 受 託 手 数 料 元 利 金 支 払 手 数 料 引 受 手 数 料 合 計 都 道 府 県 1.52 18.22 25.63 45.37 政 令 指 定 市 1.51 25.83 30.53 57.87 市 区 町 村 (10 億 以 上 ) 2.78 19.57 34.88 57.23 市 区 町 村 (3 億 ~10 億 ) 8.05 17.98 51.94 77.97 市 区 町 村 (~3 億 ) 8.71 16.73 51.29 76.73 共 同 発 行 1.00 10.48 28.15 39.63 都 道 府 県 について 平 成 26~27 年 度 発 行 の 東 京 グローバル 都 債 ( 外 債 ) は 除 く 出 所 : 地 方 債 協 会 12
( 参 考 4) 個 人 向 け 国 債 との 比 較 発 行 目 的 償 還 年 限 中 途 換 金 売 却 時 の 元 本 保 証 金 利 設 定 方 法 個 人 向 け 国 債 国 債 の 個 人 保 有 を 促 進 し 保 有 者 を 多 様 化 させること 10 年 物 変 動 金 利 ( 毎 月 )<H15.3~> 5 年 物 固 定 金 利 ( 毎 月 )<H18.1~> 3 年 物 固 定 金 利 ( 毎 月 )<H22.7~> 元 本 保 証 あり( 中 途 換 金 は 発 行 から1 年 経 過 以 降 可 能 ) 10 年 物 10 年 国 債 利 回 り 0.66 5 年 物 10 年 国 債 利 回 り-0.05% 3 年 物 10 年 国 債 利 回 り-0.03% 金 利 の 下 限 0.05% 住 民 参 加 型 公 募 債 住 民 の 行 政 参 加 意 識 高 揚 住 民 に 対 する 施 策 のPR 資 金 調 達 手 法 の 多 様 化 5 年 物 が 一 般 的 <H14.3に 第 1 号 案 件 > 通 常 元 本 保 証 なし 各 団 体 が 発 行 のタイミングで 決 定 購 入 対 象 者 個 人 個 人 および 法 人 発 行 した 自 治 体 の 域 内 に 所 在 していること を 購 入 の 要 件 とし ている 例 が 多 い 資 金 の 使 途 特 段 の 限 定 は 無 し 充 当 する 事 業 を 事 前 に 特 定 13
市 場 動 向 1 販 売 状 況 制 度 開 始 当 初 は 商 品 性 の 目 新 しさやペイオフ 対 策 といった 点 が 評 価 され 地 域 住 民 の 購 入 意 欲 も 高 く 良 好 な 販 売 状 況 にあった 近 年 では ベースとなる 国 債 金 利 の 低 下 により 投 資 家 の 投 資 ニーズが 減 退 してい る 等 の 声 も 聞 かれており 一 部 銘 柄 では 募 集 額 が 発 行 総 額 に 満 たない 募 集 残 も 生 じている 販 売 状 況 が 芳 しくない 背 景 として 指 摘 されているポイント 競 合 する 個 人 向 け 国 債 が 下 限 金 利 を0.05%に 設 定 しており また 中 途 換 金 可 能 で 商 品 性 が 高 いため 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 の 優 位 性 が 低 下 している 市 場 金 利 の 低 下 に 伴 い 絶 対 金 利 重 視 の 個 人 投 資 家 の 購 入 意 欲 が 減 退 商 品 としての 目 新 しさがなくなり 市 民 にとって 魅 力 が 薄 れた 14
市 場 動 向 2 5 年 国 債 利 回 りの 推 移 % 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0-0.2-0.4 15
発 行 の 是 非 に 関 する 留 意 事 項 以 下 の 事 情 を 背 景 に 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 の 発 行 団 体 数 は 減 少 傾 向 にあ る 販 売 状 況 が 芳 しくない 市 場 金 利 の 低 下 に 伴 い 全 国 型 市 場 公 募 地 方 債 や 銀 行 等 引 受 債 で 有 利 に 資 金 調 達 が 行 える 状 況 である 建 設 投 資 の 縮 減 から 充 てるべき 事 業 自 体 が 減 少 している この 超 低 金 利 の 中 にあって 特 に 調 達 コストの 面 から 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 を 発 行 するインセンティブが 数 年 前 と 比 較 して 小 さくなっていることは 事 実 一 方 資 金 調 達 の 効 率 性 だけでなく 長 期 的 な 安 定 調 達 のための 多 様 な 投 資 家 層 の 確 保 という 観 点 からの 検 討 も 必 要 また 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 が 有 する 1 住 民 の 行 政 参 加 意 識 の 醸 成 2 対 象 事 業 に 係 る 住 民 へのPR といった 他 の 地 方 債 にはない 長 所 を 重 視 する 観 点 も 引 き 続 き 重 要 である 16
今 後 の 課 題 1 前 述 のとおり 販 売 が 低 下 している 背 景 には 1 個 人 向 け 国 債 と 比 べた 優 位 性 の 低 下 2 絶 対 金 利 の 低 下 3 新 規 性 の 低 下 があると 考 えられ る 住 民 公 募 債 の 販 売 を 円 滑 に 進 める 手 段 として 以 下 のようなポイントに ついて 検 討 することが 有 効 か (1) 地 域 住 民 の 関 心 を 引 く 対 象 事 業 の 選 定 (2) 販 売 金 融 機 関 の 選 定 販 売 体 制 等 の 工 夫 (3) 値 頃 感 のある 発 行 条 件 等 の 設 定 (4) 特 典 の 付 与 等 購 入 者 満 足 度 の 向 上 (5) 住 民 説 明 商 品 PRの 充 実 (6) 共 同 形 式 での 起 債 の 検 討 17
今 後 の 課 題 2 (1) 地 域 住 民 の 関 心 を 引 く 対 象 事 業 の 選 定 住 民 の 購 入 意 欲 を 高 めるような 事 業 を 優 先 的 に 充 当 し 購 入 を 促 す 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 新 幹 線 全 線 開 業 後 の 観 光 地 整 備 事 業 を 対 象 とした 地 元 の 観 光 資 源 である 水 族 館 の 改 築 事 業 を 対 象 とした 市 政 の 記 念 周 年 を 踏 まえ 記 念 事 業 である 市 民 太 陽 光 発 電 所 事 業 を 対 象 とした 公 園 や 総 合 体 育 館 など 世 代 を 問 わず 区 民 が 利 用 できる 施 設 を 対 象 事 業 とした 高 齢 者 の 方 々をターゲットとし 孫 の 世 代 のための 給 食 施 設 整 備 等 を 対 象 とした 学 校 や 病 院 など 多 くの 市 民 が 利 用 する 施 設 を 対 象 事 業 とした 学 校 施 設 等 の 耐 震 化 など 地 震 防 災 対 策 安 心 安 全 を 推 進 する 事 業 に 活 用 18
今 後 の 課 題 3 (2) 販 売 金 融 機 関 の 選 定 販 売 体 制 等 の 工 夫 販 売 取 扱 い 金 融 機 関 の 開 拓 や 販 売 実 績 のモニタリングを 継 続 的 に 行 うことを 通 じ 販 売 力 を 強 化 する 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 取 扱 金 融 機 関 数 を 増 やし 購 入 者 の 利 便 性 を 向 上 させた 住 民 参 加 型 市 場 公 募 地 方 債 の 取 扱 いのない 金 融 機 関 に 対 し 取 扱 いを 打 診 している シ 団 説 明 会 を 実 施 し 積 極 的 な 販 売 体 制 を 構 築 した 区 内 金 融 機 関 以 外 に 交 通 接 続 駅 の 支 店 で 取 扱 が 可 能 な 証 券 会 社 を 選 定 した インターネットによる 抽 選 方 式 を 採 用 し 購 入 者 の 利 便 性 を 向 上 させた 募 集 残 に 対 応 するため 購 入 限 度 額 の 引 き 上 げを 検 討 している 19
今 後 の 課 題 4 (3) 値 頃 感 のある 発 行 条 件 等 の 設 定 許 容 できる 範 囲 で 金 利 を 高 めに 設 定 し 投 資 需 要 を 喚 起 する - 個 人 向 け 国 債 等 に 一 定 程 度 のスプレッドを 上 乗 せして 金 利 を 設 定 する 場 合 には 国 債 対 比 有 利 な 投 資 であることについてアピールする ことが 重 要 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 募 集 ポスター チラシに 発 行 条 件 は 国 債 の 利 回 りを 参 考 に 若 干 上 乗 せし て 決 定 する 旨 を 記 載 し 他 の 商 品 に 対 する 優 位 性 をアピール 全 国 型 の 市 場 公 募 地 方 債 の 流 通 利 回 りを 参 考 としつつ 競 合 商 品 や 個 人 投 資 家 のマインドについて 幹 事 会 社 より 提 案 を 受 け 条 件 を 決 定 している 20
今 後 の 課 題 5 (4) 特 典 の 付 与 等 購 入 者 満 足 度 の 向 上 地 域 の 特 色 をアピールしつつ 投 資 需 要 を 喚 起 する ような 仕 組 みを 導 入 する 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 購 入 者 に 対 して 購 入 感 謝 カード を 進 呈 水 族 館 博 物 館 動 物 園 サッカースタジアムなど 起 債 対 象 事 業 施 設 への 無 料 入 場 券 を 進 呈 対 象 施 設 敷 地 内 の 表 示 板 への 記 銘 権 を 付 与 特 産 品 の 進 呈 21
今 後 の 課 題 6 (5) 住 民 説 明 商 品 PRの 充 実 主 たる 投 資 家 である 住 民 に 対 し 起 債 アナウンスを 漏 れなく 伝 え 丁 寧 な 需 要 捕 捉 を 行 う 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 市 民 に 愛 称 の 募 集 を 行 うことで 公 募 債 発 行 に 関 する 早 期 のPRを 実 施 市 広 報 HP 及 びコミュニティFMで 取 り 上 げることで PR 活 動 を 行 って いる 市 民 債 発 行 の 趣 旨 と 対 象 事 業 の 内 容 市 の 財 政 状 況 等 についての 説 明 会 を 市 内 4ヶ 所 ( 午 前 午 後 各 1 回 )で 開 催 している 地 域 の 会 合 イベント 等 に 出 向 き 市 民 債 について 積 極 的 なPR 活 動 を 行 っ ている 22
今 後 の 課 題 7 (6) 共 同 形 式 での 起 債 の 検 討 共 同 形 式 の 起 債 とすることで 小 規 模 団 体 において 発 行 条 件 等 で 有 利 な 市 場 調 達 が 期 待 されるほか 市 場 公 募 債 発 行 の 実 務 経 験 の 積 み 上 げにも 繋 がる 具 体 的 な 取 り 組 み 事 例 共 同 発 行 を 行 うことで 宣 伝 効 果 を 狙 った 一 定 規 模 以 上 のロットを 確 保 する 目 的 で 県 との 共 同 発 行 を 継 続 している 資 金 調 達 の 多 様 化 また 小 規 模 団 体 でも 有 利 な 市 場 調 達 を 行 うべく 県 内 市 町 村 との 共 同 発 行 を 継 続 している 23