Taro-① 表紙.jtdc



Similar documents
Microsoft Word - H28第2回瀬戸内海シラス予報(確定版)

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

<4D F736F F F696E74202D204C C C835B A43976D90858E598B5A8F EF088E4816A2E707074>

【別紙】

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

●電力自由化推進法案

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

(5 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業 所 の 新 規 に 採 用 し た 全 て の 居 宅 介 護 従 業 者 に 対 し 熟 練 し た 居 宅 介 護 従 業 者 の 同 行 に よ る 研 修 を 実 施 し て い る こ と (6 ) 当 該 指 定 居 宅 介 護 事 業

<4D F736F F D F8DC4955D89BF92B28F915F8D4C93638DBB90E895942E646F63>

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

公表表紙

2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

m07 北見工業大学 様式①

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

●幼児教育振興法案

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

Taro-H19退職金(修正版).jtd

18 国立高等専門学校機構

一般競争入札について

<8C9A90DD94AD90B696D88DDE939982CC8DC48E918CB989BB82C98AD682B782E98E9696B18EE688B CC FC90B3816A2E786477>

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

32 向 井 哲 也 沖 野 晃 小 草 正 道 白 藤 拓 それぞれの 魚 種 の 海 域 別 の 漁 獲 量 と,2で 推 定 された 漁 獲 物 重 量 から, 両 者 の 重 量 比 を 乗 数 と して 計 算 し, 調 査 対 象 種 の 海 域 別 の 体 長 度 数 分 布 表 を

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

< E88E68F5A91EE8C7689E68F912E786C73>

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

Microsoft Word - 表紙(正)

文化政策情報システムの運用等

< F2D A C5817A C495B6817A>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

( の 復 旧 ) 3. 南 相 馬 市 エリアの 避 難 指 示 解 除 準 備 区 域 及 び 居 住 制 限 区 域 内 の 路 線 数 ( ) 10 路 線 うち 被 災 した 路 線 ( 工 区 ) 数 10 路 線 52 箇 所 うち 応 急 対 策 を 実 施 した 路 線 ( 工 区

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

平 成 26 年 度 第 3 回 農 商 工 等 事 業 計 画 認 定 事 業 一 覧 ( 別 紙 ) 農 商 工 等 事 業 計 画 :3 件 今 回 の 認 定 により 当 局 の 認 定 案 件 は121 件 ( 富 山 県 17 件 石 川 県 17 件 岐 阜 県 23 件 51 件 三

<4D F736F F D20328FCD5F8F5A82DC82A282DC82BF82C382AD82E882CC89DB91E8>

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

(5) 特 定 施 設 の 使 用 の 方 法 (6) 色 等 の 処 理 の 方 法 (7) 排 出 水 の 色 等 の 汚 染 状 態 及 び 量 2 一 の 施 設 が 特 定 施 設 となった 際 現 にその 施 設 を 設 置 している 者 ( 設 置 の 工 事 をしている 者 を 含

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

財政再計算結果_色変更.indd


<4D F736F F D208C6F D F815B90A BC914F82CC91CE899E8FF38BB582C982C282A282C42E646F63>

press

untitled

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

別紙3

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

01.活性化計画(上大久保)

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

<81696D373188A E58A77816A E93788D9191E5834B C8EAE82502E786C73>


東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

<947A957A8E9197BF C E786C73>

スライド 1

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

Microsoft Word


定款  変更

Ⅰ 平成14年度の状況

< CF6955C976C8EAE DE82C28E73816A2E786C73>

1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

 

16 日本学生支援機構

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

<4D F736F F D208DE3905F8D8291AC8B5A8CA48A948EAE89EF8ED0208BC696B18BA492CA8E64976C8F BD90AC E378C8E89FC92F994C5816A>

(\202g22\214\366\225\\.xls)

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

Taro-条文.jtd

<904588F582CC8B8B975E814592E888F58AC7979D82CC8CF6955C E348DEC90AC2E786C73>

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

(3) 小 単 元 の 指 導 と 評 価 の 計 画 小 単 元 第 11 章 税 のあらまし の 指 導 と 評 価 の 計 画 ( 四 次 確 定 申 告 制 度 抜 粋 ) 関 心 意 欲 態 度 思 考 判 断 技 能 表 現 知 識 理 解 小 単 元 の 評 価 規 準 税 に 関 す

該 介 護 休 業 が 終 了 する 日 までに, 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 が 死 亡 したとき 又 は 離 婚, 婚 姻 の 取 消, 離 縁 等 により 当 該 介 護 休 業 に 係 る 対 象 家 族 との 親 族 関 係 が 消 滅 した とき (3) 配 偶

10w.xdw

第1章 総則

Microsoft Word - 答申本文.doc

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

< FC90B E835A838B976C8EAE81698E7392AC91BA94C5816A81698F4390B394C5816A2E786C73>

Transcription:

第 339 号 平 成 25 年 11 月 使 用 漁 具 漁 獲 したマグロの 取 り 込 み 漁 獲 したマグロの 測 定 ( 魚 体 重 43kg) 同 時 に 漁 獲 した3 種 類 のマグロ 熱 帯 性 マグロ 類 有 効 活 用 調 査 11 月 7 日 から17 日 にかけて, 初 期 投 資 が 少 額 なため 奄 美 海 域 の 沿 岸 漁 業 者 が 取 り 組 みやすい 旗 流 し 漁 具 を 改 良 し, 漁 業 調 査 船 くろしお による 大 型 メバチを 主 体 としたマ グロ 類 の 漁 獲 調 査 を 行 いました 目 次 奄 美 の 海 にマグロを 求 めて 1 初 仕 事 は 赤 潮 調 査! 3 カンパチの 目 潰 れ 症 ( 仮 称 ) 4 スジアラ 養 殖 試 験 6 平 成 25 年 度 上 半 期 の 主 な 調 査 研 究 の 実 績 7 鹿 児 島 県 水 産 技 術 開 発 センター 891-0315 鹿 児 島 県 指 宿 市 岩 本 字 高 田 上 160-10 TEL;0993-27-9200 FAX;0993-27-9218 E-mail suigi-kisai@pref.kagoshima.lg.jp ホームヘ ーシ http://kagoshima.suigi.jp

奄 美 の 海 にマグロを 求 めて はじめに 日 本 でマグロの 漁 場 といえば, 東 北 の 海 ( 青 森 県 の 大 間 など)をイメージする 方 が 多 いと 思 いますが, 本 県 の 熊 毛 から 奄 美 にかけての 海 域 もマグロの 好 漁 場 となっており, 地 元 漁 船 を 始 め, 宮 崎 県 などの 近 海 マグロ 延 縄 漁 船 等 が 多 く 操 業 を 行 っています ただし マグロ といっても,クロマグロ ではなく, 熱 帯 性 のマグロ, キハダ, メ バチ が 多 く 漁 獲 されています し,メバチを 対 象 とした 操 業 が 可 能 か 調 査 を 行 っています 今 年 度 も11 月 7 日 から17 日 までの11 日 間 調 査 を 実 施 しましたので, 今 回 はその 結 果 を 報 告 したいと 思 います 漁 具 について メバチはキハダと 比 べ 深 い 水 深 帯 (300~5 00m)に 生 息 しているといわれていることか ら,その 水 深 帯 に 届 くよう, 幹 縄 の50mの 場 所 から50mおきに 針 を10 本 付 けました 50m コマセ 袋 写 真 1 キハダとメバチの 比 較 ( 上 :キハダ, 下 :メバチ) LEDライト 500m メバチはキハダに 比 べ 比 較 的 高 値 で 取 引 さ れていますが,その 漁 獲 は 他 県 の 延 縄 漁 船 に よるものがほとんどです 地 元 では, 旗 流 しによるキハダを 対 象 とし た 漁 業 は 行 われていますが,メバチはキハダ より 深 い 水 深 帯 に 生 息 するため, 同 漁 法 では メバチの 漁 獲 はなかなか 見 込 めません しかし, 他 県 船 のように 延 縄 漁 業 を 行 おう と 思 っても, 初 期 投 資 ( 船 から 替 える 必 要 が ある) や 高 度 な 知 識, 技 術 が 必 要 なことから, かなり 難 しいと 考 えられます そこで, 当 センターでは 平 成 21 年 度 から 現 在 地 元 漁 船 が 行 っている 旗 流 し 漁 具 を 改 良 図 1 本 調 査 で 使 用 している 漁 具 概 要 図 コマセ 袋 についても, 通 常 は 枝 縄 の 上 部 に 付 けるだけですが, 本 調 査 では,コマセ 袋 の 中 に 枝 縄 を 通 し, 餌 を 付 けた 針 と 束 ねた 枝 縄 を, コマセと 一 緒 に 袋 に 入 れ 込 むことにより, 目 的 とした 水 深 近 くでコマセを 撒 き,かつ 餌 取 りに 合 わないよう 工 夫 しました また, 深 - 1 -

場 の 枝 縄 には, 地 元 漁 業 者 の 間 で 利 用 され 一 定 の 効 果 があるといわれている 小 型 のLEDラ イトを 装 着 し 誘 因 効 果 向 上 を 図 りました 餌 については, 付 け 餌 には 冷 凍 のイワシ, ムロアジ,サバを 中 心 にし, 生 き 餌 として 当 センターにて 生 産 したサバヒーも 用 いまし た コマセには, 冷 凍 のカタクチイワシを 中 心 に,アジ,サバ,イワシ 類 をぶつ 切 りにし たものを 使 用 しました 操 業 操 業 は 奄 美 大 島 の 南 東 沖 の 浮 魚 礁 を 中 心 に に 行 いました 浮 魚 礁 の 潮 上 0.5マイル 付 近 を 目 安 に, 漁 具 を 投 入 し, 浮 魚 礁 を 通 過 した 後 に 回 収 します 全 長 約 600m 近 い 漁 具 ですので, 投 入 するの にかかる 時 間 は10 分 から15 分 程 度 回 収 にも 魚 が 何 も 釣 れていない 場 合 には, 同 じく10 分 ~15 分 程 度 かかります 29.0 マグロの 漁 獲 あり マグロの 漁 獲 なし 28.5 きました 目 的 としていたメバチも5 尾 漁 獲 すること ができ(サイズ 的 に メバチ じゃなくて, ダルマ かもしれませんが ),かつメ バチが 漁 獲 された 水 深 帯 が,すべて300mより 深 い 針 だったことからも, 本 漁 具 の 一 定 の 有 効 性 を 示 すことができたと 考 えております 表 1 操 業 結 果 ( 漁 獲 マグロ 一 覧 表 ) 漁 獲 日 魚 種 尾 叉 長 体 重 針 番 号 水 深 (cm) (kg) No. 水 深 (m) 2013/11/8 キハダ 90 13.7 4 200 2013/11/8 キハダ 42 1.5 2 100 2013/11/8 キハダ 79 8.6 4 200 2013/11/9 キハダ 124 35.5 5 250 2013/11/10 メバチ 88 15.0 8 400 2013/11/13 メバチ 83 12.8 7 350 2013/11/13 キハダ 136 43.0 3 150 2013/11/13 キハダ 135 48.0 6 300 2013/11/13 キハダ 134 44.5 9 450 2013/11/13 キハダ 142 53.0 3 150 2013/11/13 ビンナガ 108 21.0 3 150 2013/11/13 メバチ 74 9.0 6 300 2013/11/13 キハダ 126 39.0 8 400 2013/11/13 キハダ 136 46.5 6 300 2013/11/14 メバチ 77 10.0 8 400 2013/11/14 メバチ 73 8.0 9 450 また,キハダについては40kgを 超 えるサイ ズのものが5 尾 漁 獲 され,50kgサイズのマグ ロにも 十 分 通 用 することが 証 明 されました 28.0 27.5 27.0 128 129 130 131 図 2 調 査 実 施 位 置 図 漁 具 を 投 入 している 時 間 は, 投 入 位 置 や 潮 の 流 れによって 異 なりますが, 概 ね50 分 ~80 分 程 度 になりました 操 業 結 果 今 年 度 の 操 業 結 果 を 表 1に 示 します 操 業 日 数 6 日 間 の 総 計 で56 回 漁 具 投 入 を 行 いました その 結 果,メバチ5 尾 (8.0~15. 0kg ),キハダ10 尾 (1.5~53.0kg),ビンナ ガ1 尾 (21.0kg)の 計 16 尾 漁 獲 することがで 写 真 2 本 調 査 における 最 大 のキハダ ( 尾 叉 長 :142cm, 体 重 53kg) さいごに 本 調 査 は 今 年 度 で5カ 年 目 となり 終 期 をむ かえました 今 後 は 過 去 のデータ 等 の 整 理 を 行 い, 得 られた 結 果 等 については,とりまと めて 奄 美 群 島 をはじめとする 漁 業 者 の 方 々に 報 告 したいと 考 えております ( 資 源 管 理 部 野 元 ) - 2 -

初 仕 事 は 赤 潮 調 査! はじめに 4 月 から 当 センターに 配 属 されました 社 会 人 としても 研 究 員 としても1 年 目 の 若 輩 で すが,どうぞよろしくお 願 いします さて, 本 県 はブリ カンパチ 養 殖 生 産 量 全 国 1 位 を 誇 り, かごしまのさかな として ブランド 認 定 を 行 っているなど, 養 殖 業 がた いへん 盛 んな 県 です 県 外 出 身 の 私 は 漁 協 ご とに 異 なるブランドを 持 つ 養 殖 ブリ カンパ チや,それらを 目 玉 にしたイベントの 豊 富 さ には 本 当 に 驚 かされました そんな 養 殖 業 の 天 敵 とも 言 えるのが,プラ ンクトンの 異 常 増 殖 により 生 じる 赤 潮 であ り, 私 はこの 赤 潮 の 調 査 研 究 を 担 当 してい ます 今 回 は 赤 潮 調 査 を 中 心 に 私 の 業 務 内 容 について 紹 介 します 赤 潮 調 査 赤 潮 調 査 は 鹿 児 島 湾 と 八 代 海 の2カ 所 を 主 に 行 っています 現 場 では 多 項 目 水 質 計 を 用 いて 水 温, 塩 分, 溶 存 酸 素 量 などの 水 質 や 水 色, 透 明 度 などを 測 定 し, 採 水 した 海 水 は 水 技 センターへ 持 ち 帰 り, 顕 微 鏡 でのプランク トンの 同 定 計 数 と, 海 水 中 の 栄 養 塩 濃 度 の 分 析 を 行 っています 赤 潮 調 査 の 醍 醐 味 赤 潮 調 査 の 醍 醐 味 はなんといっても 船 上 で 行 う 調 査 であるという 点 です 海 から 見 る 鹿 児 島 の 街 並 みや 噴 煙 をあげる 桜 島 は, 陸 から 見 るそれとはひと 味 違 うように 思 われます また, 漁 業 者 の 方 からロープワークや 旬 の 魚 について 教 わることもあり, 毎 回 の 調 査 でい ろいろなことを 学 んでいます 業 務 の 難 しさ 採 水 した 海 水 中 のプランクトンの 同 定 計 数 を 行 いますが, 慣 れない 私 は 図 鑑 とにらめ っこしながら 作 業 をしています 顕 微 鏡 下 で 動 き 回 るプランクトンはなかなか 止 まらず, 少 し 目 を 離 した 隙 にどこかへ 行 ってしまい, 特 徴 どころか 形 すらわからずに, 同 定 の 間 違 いを 指 摘 されることが 多 々ありました また, 採 水 した 海 水 の 栄 養 塩 濃 度 の 分 析 に ついては, 分 析 に 必 要 な 試 薬 の 調 整 や 機 器 の 操 作 などに 時 間 がかかり, 調 査 1 回 分 の 分 析 に 丸 1 日 かかることもありました このプランクトンの 同 定 計 数 や 栄 養 塩 分 析 などの 結 果 を 漁 業 者 の 方 が 見 て, 赤 潮 対 策 の 判 断 材 料 にされることを 考 えると 業 務 への 責 任 を 感 じるとともに, 自 分 自 身 の 技 術 向 上 の 必 要 性 を 感 じました 写 真 1 調 査 器 材 最 後 に 配 属 されて 半 年 以 上 経 過 しましたが,まだ まだ 戸 惑 うことも 多 く, 周 りの 方 々に 迷 惑 を かけることが 多 くあります 上 司 の 指 導 や 自 分 のミスから 学 んだことを 一 つ 一 つ 身 に 着 け, 鹿 児 島 の 水 産 業 を 盛 り 上 げる 一 員 となれ るよう 努 力 していきたいと 考 えています ( 漁 場 環 境 部 保 科 ) - 3 -

カンパチの 目 潰 れ 症 ( 仮 称 ) はじめに 前 回 は カンパチのビルナウイルス 感 染 症 について 紹 介 しましたが, 今 回 は カンパチ の 目 潰 れ 症 ( 仮 称 ) について 紹 介 します 本 症 の 概 要 平 成 22 年 度 あたりから 南 九 州 や 西 四 国 等 で 顕 著 に 確 認 されている 疾 病 で,カンパチで 特 異 的 に 確 認 され, 病 魚 は 片 目 が 潰 れた 状 態 で, 摂 餌 が 困 難 な 状 況 に 陥 り, 次 第 に 衰 弱 養 殖 現 場 では 商 品 価 値 が 低 下 する 等 の 理 由 から, 選 別 時 に 処 分 されるケースが 多 いようです ( 外 観 症 状 ) 片 目 の 角 膜 が 白 濁 又 は 断 裂 して 中 央 がぽっ かりと 穴 が 開 いた 状 態 ( 欠 損 )が 顕 著 に 観 察 さ れ, 重 篤 な 場 合 は, 水 晶 体 が 欠 落 し, 眼 球 内 部 が 完 全 に 乾 酪 化 した 状 態 ( 病 巣 部 の 組 織 が 壊 死 し, 黄 色 みを 帯 びたチーズ 状 の 状 態 )が 確 認 されます( 図 1) 種 とは 考 えにくく2 次 的 な 感 染 の 可 能 性 が 高 いと 考 えられています 図 2 菌 の 培 養 状 態 ( 眼 球 部 位 から) ( 組 織 検 査 ) 独 立 行 政 法 人 水 産 総 合 研 究 センター 増 養 殖 研 究 所 が 実 施 した 組 織 検 査 では, 眼 球 の 乾 酪 巣 中 から 大 きさの 異 なる 様 々な 細 菌 ( 径 の の 細 い 長 桿 菌, 短 桿 菌, 径 の 太 い 長 桿 菌 )が 確 認 され( 図 3 ), 比 較 的 程 度 の 軽 い 眼 球 で は, 組 織 の 顕 著 な 崩 壊 は 角 膜 近 傍 に 見 られる ことから,これらの 細 菌 は 体 外 から 眼 球 内 に 侵 入 したものと 考 えられており, 眼 球 が 外 部 からの 何 らかの 物 理 的 障 害 を 受 けたことが 一 義 的 な 原 因 と 推 察 されています 図 1 カンパチ 目 潰 れ 症 ( 仮 称 )の 症 状 の 進 行 過 程 ( 細 菌 検 査, 菌 分 離 ) 乾 酪 化 した 眼 球 部 位 から 塗 抹 染 色 標 本 (メチレ ンフ ルー 染 色 ) により, 大 小 様 々な 形 状 の 細 菌 ( 短 桿 菌, 長 桿 菌, 球 菌, 雑 菌 等 )が 顕 微 鏡 で 確 認 され, TCBS 培 地 (ヒ フ リオ 分 離 用 )やHI 培 地 ( 一 般 細 菌 分 離 用 ) 等 でヒ フ リオ 属 の 細 菌 等 が 培 養 される 場 合 がありますが( 図 2), 本 症 の 優 占 図 3 眼 球 の 乾 酪 巣 中 に 見 られた 細 菌 群 ( 魚 病 診 断 カルテから 発 生 傾 向 を 分 析 ) カンパチの 目 潰 れ 症 ( 仮 称 )の 発 生 傾 向 を 探 るため, 当 センターの2010~2013 年 の 魚 病 診 断 カルテから, 斃 死 原 因 が 特 定 できなかっ - 4 -

た 個 体 ( 以 下, 不 明 個 体 と 表 記 )に 占 め る 目 潰 れ 症 の 割 合, 不 明 個 体 の 内, 目 潰 れ 症 の 症 状 が 確 認 された 個 体 を 年 齢 別, 月 別 に 集 計 して 傾 向 を 分 析 してみました その 結 果, 不 明 個 体 に 占 める 目 潰 れ 症 の 割 合 は20~45%と 年 々 増 加 傾 向 にあり( 図 4),そ の 大 半 が 当 歳 魚 で 診 断 されています ( 図 5) 年 度 2010 2011 2012 2013 2010 19.7 19.6 40.7 44.9 目 潰 れ 症 80.3 80.4 その 他 59.3 55.1 0 20 40 60 80 100 (%) 図 4 不 明 個 体 に 占 める 目 潰 れ 症 個 体 の 割 合 当 歳 96.8 越 年 以 上 3.2 検 査 件 数 ( 件 ) 16 14 12 10 8 6 4 2 0 2006 2007 2008 2009 2010 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 月 図 7 ネオベネデニア ギレレの 月 別 検 査 件 数 の 推 移 ( 環 境 の 変 化? 目 潰 れ 症 確 認 生 け 簀 の 写 真 ) 近 年, 水 温 の 上 昇 傾 向 に 伴 い 刺 胞 性 生 物 (イ ソギンチャク 類 )が 生 簀 内 で 多 数 見 られるよ うになった 等 の 声 が 寄 せられています 目 潰 れ 症 が 発 生 している 生 け 簀 の 潜 水 調 査 を 実 施 したところ, 生 け 簀 内 にはイソギンチャクの 姿 が 多 数 確 認 されました( 図 8 ) 年 度 2011 2012 68.6 82.8 31.4 17.2 2013 71.4 28.6 更 に, 月 別 の 診 断 割 合 では, 水 温 が 高 い7~10 月 頃 にピークとなっています( 図 6) ここで 注 目 したいのが, 本 症 の 発 生 時 期 がハダムシ の 一 種 であるネオヘ ネテ ニア キ レレNeobenedenia girellaeの 多 発 時 期 ( 図 7)と 重 なっていると いう 点 です この 傾 向 は, 養 殖 現 場 において 本 症 が 夏 場 の 高 水 温 時 期 に 多 いという 生 産 者 の 皆 さんの 声 とほぼ 一 致 しています 診 断 割 合 ( 60 50 40 30 % ) 20 10 0 0 20 40 60 80 100 図 5 年 齢 別 の 診 断 割 合 (%) 平 均 (2010~2013 年 ) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 月 図 6 不 明 個 体 に 占 める 目 潰 れ 症 個 体 の 月 別 診 断 割 合 図 8 刺 胞 性 生 物 の 生 け 簀 の 付 着 状 況 最 後 に 当 センターでは, 目 潰 れ 症 の 発 症 のメカニ ズムは 物 理 的 障 害 によるものと 考 えていま す すなわち,1 体 表 及 び 眼 球 にハダムシが 付 着 し(1 次 要 因 ),2 遊 泳 時 に 生 け 簀 に 身 体 を 擦 り 付 ける 際, 何 らかの 物 理 的 な 障 害 ( 外 傷 又 は 刺 胞 性 生 物 と 接 触 )を 受 け(2 次 要 因 ), 3その 後, 養 殖 場 内 の 各 種 病 原 細 菌 等 に 感 染 し(3 次 要 因 ), 眼 球 が 乾 酪 化 して 目 潰 れの 症 状 を 引 き 起 こしているのではないかという 仮 説 です 現 時 点 では 原 因 は 特 定 できていませ んが, 様 々な 情 報 を 集 約 しながら, 早 期 の 原 因 解 明 と 対 策 が 講 じられるよう 努 めていきた いと 思 います ( 水 産 食 品 部 柳 ) - 5 -

スジアラ 養 殖 試 験 はじめに スジアラは 沖 縄 や 奄 美 群 島 で 多 く 漁 獲 され るハタ 科 の 仲 間 で 最 高 級 魚 として 扱 われてい る 魚 種 です しかし, 奄 美 海 域 におけるスジアラの 水 揚 量 は 年 々 減 少 傾 向 にあり, 平 成 23 年 の 水 揚 量 は 約 6.4トンで, 平 成 10 年 (12.0トン)のおよ そ 半 分 になっています ( 大 島 支 庁 調 べ) そこで, 当 センターではスジアラの 種 苗 放 流 を 目 的 に 種 苗 生 産 技 術 開 発 試 験 を 行 ってき ました 平 成 19 年 度 には 数 万 尾 単 位 の 種 苗 生 産 が 可 能 になり 放 流 尾 数 も 増 加 しました し かし, 鰭 抜 去 等 の 標 識 放 流 を 行 いましたが 再 捕 報 告 が 少 なく, 放 流 効 果 がなかなか 見 えて いないのが 実 情 です そのため, 生 産 した 種 苗 を 各 海 域 に 放 流 す るとともに,その 種 苗 を 用 いてスジアラ 養 殖 の 可 能 性 を 探 るため, 養 殖 試 験 ( 予 備 試 験 ) を 実 施 しています き, 冬 季 は22 まで 加 温 することが 可 能 とな りました 平 成 25 年 6 月 17 日 には,スジアラの 成 長 に 伴 い,5klの 飼 育 槽,1klの 濾 過 槽 に 展 開 し, 同 条 件 で 飼 育 を 継 続 しました 養 殖 試 験 これまでのスジアラ 中 間 育 成 試 験 等 によ り, 海 面 生 け 簀 による 飼 育 ではハダムシ 症 や 網 スレ 等 による 滑 走 細 菌 症 などにより 大 量 斃 死 が 発 生 するリスクが 大 きいことがわかって います そこで, 今 回 の 試 験 の 養 殖 手 法 につ いては, 陸 上 水 槽 による 飼 育 を 行 うこととし ました 供 試 魚 は 平 成 24 年 度 に 生 産 した 種 苗 のう ち, 約 6cmまで 中 間 育 成 した 種 苗 360 尾 (65mm, 4g)を 同 年 11 月 28 日 に2klFRP 水 槽 に 収 容 し て, 養 殖 試 験 を 開 始 しました 飼 育 方 法 は,2kl 水 槽 を 飼 育 槽,0.7klの 角 形 水 槽 を 濾 過 槽 として 簡 易 濾 過 による 半 閉 鎖 循 環 飼 育 方 式 としました この 方 式 により 注 水 量 を 換 水 率 1 回 転 / 日 まで 抑 えることがで 図 1 5kl 飼 育 水 槽 ( 上 )と1kl 濾 過 槽 ( 下 ) 平 成 25 年 10 月 現 在 での 飼 育 状 況 は, 生 残 尾 数 が298 尾 ( 生 残 率 82.7%)で, 斃 死 理 由 は 水 槽 からの 飛 び 出 しによるものが 多 く, 疾 病 等 による 斃 死 は10 尾 程 度 でした 成 長 は, 全 長 172mm 体 重 77g 期 間 給 餌 量 は25.1kgでした ( 増 肉 係 数 1.15) さいごに およそ1 年 間 の 飼 育 結 果 をみるとまだまだ 成 長 速 度 に 課 題 がありそうですが, 効 率 のよ い 養 殖 手 法 の 検 討 やコスト 計 算 などを 行 い, 今 後 とも 養 殖 業 の 養 殖 対 象 となり 得 るか, 試 験 を 重 ねていきたいと 考 えています ( 企 画 栽 培 養 殖 部 神 野 ) - 6 -

平 成 25 年 度 上 半 期 の 主 な 調 査 研 究 の 実 績 漁 海 況 の 動 向 水 温 は,4~6 月 は 本 県 全 ての 海 域 で 平 年 並 みか,やや 高 めで 推 移,7~8 月 は 平 年 よ りやや 高 めか,かなり 高 めで 推 移 マアジの 漁 況 は, 4 月 以 降 低 調 で 推 移 し, サバ 類 は5 月 以 降 低 調 で 推 移 マイワシは4 月 以 降 好 調 で 推 移 し,カタクチイワシ,ウ ルメイワシは5 月 以 降 好 調 で 推 移 漁 業 情 報 の 提 供 漁 業 情 報 システムへのアクセス 件 数 は, 9 月 末 現 在 で,147,417 件 ( 前 年 同 期 134.2 %) 今 年 度 から, 県 設 置 の 浮 魚 礁 から 提 供 する 水 温 等 の 情 報 を 拡 充 資 源 調 査 漁 場 開 発 調 査 太 平 洋 クロマグロ 仔 稚 魚 分 布 調 査 に 参 画 し, 調 査 船 くろしお により, 奄 美 海 域 で 調 査 を 実 施 マチ 類 (アオダイ)の 標 識 放 流 を 実 施 栽 培 漁 業 技 術 の 研 究 開 発 スジアラは,6 月 27 日 に 採 卵 し,20トン 水 槽 2 面 で2 万 4 千 尾 を 生 産 かごしま 豊 か な 海 づくり 協 会 にて 中 間 育 成 後, 奄 美 海 域 に 放 流 シラヒゲウニは, 平 成 24 年 度 に 採 卵 した 種 苗 約 59 千 個 を 放 流 用 種 苗 として 出 荷 養 殖 技 術 の 研 究 開 発 八 代 海 での 赤 潮 予 察 のため 鹿 児 島 大 学 と 連 携 した 水 質 の 連 続 調 査 を5~9 月 に 実 施 また,シスト 発 芽 確 認 調 査, 赤 潮 防 除 剤 効 果 確 認 試 験 等 を 実 施 6 月 に 長 島 町 沿 岸 (カレニア ミキモトイ 等 ), 鹿 児 島 湾 (シャトラ マリーナ)で,8 月 に 長 島 町 沿 岸 (ヘテロシク マ アカシオ 等 )で 赤 潮 が 発 生 したもの の, 漁 業 被 害 は 無 し パンライト 水 槽 を 使 用 し,1 水 槽 当 たり 20 億 細 胞 以 上 (100,000cell/ml 以 上 )のシ ャトネラ アンティーカの 大 量 培 養 に 成 功 高 水 温 期 のブリ 養 殖 における 効 果 的 な 餌 止 めを 行 うことによる 無 駄 の 少 ない 給 餌 法 についての 飼 育 試 験 を 実 施 無 魚 粉 化 を 目 指 した 水 産 EP 飼 料 の 開 発 に 参 画 し,ブリを 対 象 とした 成 長 試 験, 抗 病 性 試 験 を 実 施 今 年 度 から 新 たな 養 殖 対 象 種 として,イ ワガキの 種 苗 生 産 試 験 を 開 始 藻 場 造 成 技 術 の 研 究 開 発 羽 島, 指 宿, 高 山, 奄 美 大 島 等 において, 藻 場 造 成 試 験, 藻 場 回 復 指 導 を 実 施 当 センターの 海 面 生 簀 水 面 において,ヒ ジキ 種 苗 量 産 化 試 験 を 実 施 水 産 加 工 品 質 管 理 に 関 する 研 究 開 発 水 産 加 工 利 用 棟 (オーフ ンラホ )を 活 用 し, トビウオ,レンコダイ,カンパチ 中 落 ち 等 を 活 用 した 加 工 品 開 発 支 援 等 を 実 施 水 産 加 工 利 用 棟 の 利 用 実 績 は,9 月 末 現 在 で35 団 体,118 名 イワシ 丸 干 のヒスタミン 抑 制 技 術 開 発 や イワシ 類 稚 魚 の 鮮 度 保 持 技 術 試 験 を 実 施 冷 凍 マグロの 血 合 肉 を 利 用 したすり 身 等 の 開 発 試 験 を 実 施 内 水 面 の 研 究 開 発 今 年 度 からニホンウナギ 資 源 の 維 持 増 大 を 図 るため, 鰻 生 息 状 況 等 緊 急 調 査 事 業, 放 流 用 種 苗 育 成 手 法 開 発 事 業, 内 水 面 資 源 生 息 環 境 改 善 手 法 開 発 事 業 の3 事 業 に 参 画 し, 各 種 調 査 を 実 施 中 漁 業 研 修 の 推 進 当 センターの 来 館 者 は,9 月 末 現 在 で36 団 体,1,178 人 うち 一 般 見 学 者 1,153 人, 研 修 視 察 者 101 人 ( 企 画 栽 培 養 殖 部 山 本 ) - 7 -