乳 児 期 ( 出 生 後 1 年 )の) の 特 徴 体 重 は3 倍 身 長 は1.5 倍 体 重 あたりの 必 要 栄 養 量 は 成 人 の3 倍 寝 たきり 状 態 から 二 足 歩 行 へ 原 始 反 射 に 支 配 された 爬 虫 類 状 態 から 立 ち 直 り 反 応 平 衡 反 応 を 獲 得 した 人 間 へ 反 射 性 把 握 から 支 える 手 そして 巧 緻 動 作 へ 原 始 反 射 からの 離 脱 と 手 指 分 離 運 動 の 獲 得 反 射 による 吸 啜 から 意 図 的 な 摂 食 嚥 下 へ 口 腔 機 能 の 原 始 反 射 からの 離 脱 と 分 離 運 動 の 獲 得 言 語 の 獲 得 対 人 関 係 の 発 達 とコミュニケーション 能 力 の 獲 得 原 始 反 射 と 正 常 姿 勢 反 応 一 般 的 な 反 射 の 定 義 : 感 覚 器 官 の 受 ける 刺 激 に 対 して 意 識 や 意 志 とは 無 関 係 に 自 動 的 に 筋 肉 や 分 泌 腺 に 一 定 の 反 応 を 起 こさせる 現 象 神 経 生 理 学 における 反 射 と 反 応 反 射 reflex 脊 髄 - 脳 幹 レベルの 反 射 活 動 人 の 一 生 のごく 初 期 に 存 在 し 発 達 成 長 に 伴 って 統 合 され 消 失 するように 見 える 反 応 reaction 中 脳 レベル 以 上 の 反 射 活 動 反 射 よりやや 遅 れて 顕 在 化 し 一 生 を 通 じて 協 調 化 され た 運 動 をつくり 出 す 交 叉 伸 展 反 射 Moro 反 射 Galant 反 射 A-TNR 探 索 反 射 吸 啜 反 射 手 の 把 握 反 射 足 の 把 握 反 射 立 ち 直 り 反 応 パラシュート 反 応 ステッピング 反 応 反 射 反 応 : 消 失 と 発 現 の 時 期 1M 2M 3M 4M 5M 6M 7M 8M 9M 10M 11M 12M 呼 吸 に 関 する 新 生 児 乳 児 の 解 剖 生 理 学 的 特 徴 喉 頭 の 位 置 が 高 い 口 腔 に 比 べ 大 きな 舌 小 さな 外 鼻 孔 による 鼻 呼 吸 肋 骨 は 水 平 位 で 肋 間 筋 の 活 動 が 弱 く 横 隔 膜 呼 吸 も 未 熟 気 管 は 非 常 に 細 く 咳 嗽 反 射 も 未 熟 肺 胞 数 は 少 なく 未 熟 呼 吸 パターンが 不 規 則 で 無 呼 吸 を 起 こしやすい 換 気 量 の 増 加 には 呼 吸 の 深 化 ではなく 呼 吸 数 の 増 加 で 対 応 横 隔 膜 はⅠ は 型 線 維 が 少 なく 疲 労 しやすい 1
運 動 発 達 と 呼 吸 機 能 の 発 達 1 頚 定 と 呼 吸 機 能 口 呼 吸 と 鼻 呼 吸 の 分 離 鼻 咽 腔 閉 鎖 能 開 鼻 声 の 消 失 体 幹 の 伸 展 回 旋 と 呼 吸 機 能 生 後 4ヶ ヶ 月 腹 臥 位 での 胸 腰 椎 移 行 部 の 伸 展 横 隔 膜 付 着 部 の 安 定 生 後 7ヶ ヶ 月 体 幹 の 伸 展 ( 座 位 の 安 定 )と) と 回 旋 ( 寝 返 り) 胸 郭 の 発 達 ( 肋 骨 の 下 制 )と) と 横 隔 膜 の 高 位 化 背 筋 と 腹 筋 の 発 達 が 不 欠 座 位 機 能 と 呼 吸 機 能 の 発 達 < 新 生 児 期 ~ 座 位 未 確 立 の 時 期 > 肋 骨 ( 水 平 ) 脊 柱 ( 不 安 定 ) 横 隔 膜 ( 平 坦 ) 肋 骨 の 運 動 の 基 点 となる 脊 柱 が 不 安 定 肋 骨 は 脊 柱 に 対 して 直 角 ( 水 平 ) 胸 郭 の 前 後 径 は 厚 い 横 隔 膜 は 平 坦 < 座 位 の 確 立 以 後 > 脊 柱 の 伸 展 と 安 定 腹 筋 の 活 動 肋 骨 の 下 制 横 隔 膜 の 高 位 化 肋 骨 ( 下 制 ) 脊 柱 ( 伸 展 ) 横 隔 膜 ( 高 位 化 ) 運 動 発 達 と 呼 吸 機 能 の 発 達 2 座 位 の 安 定 脊 柱 の 伸 展 骨 盤 の 固 定 ( 安 定 ) 上 肢 の 運 動 頭 部 の 運 動 腹 筋 の 活 動 が 弱 いと 肋 骨 の 下 制 が 起 こらない 横 隔 膜 が 平 坦 のまま 胸 式 呼 吸 が 発 達 しない 腹 式 呼 吸 が 浅 い フレアー 状 肋 骨 胸 腹 式 呼 吸 の 確 立 脳 性 麻 痺 定 義 (1968 年 厚 生 省 研 究 班 ) 受 胎 から 新 生 児 期 ( 生 後 4 週 以 内 )までに 生 じた 脳 の 非 進 行 性 病 変 に 基 づく 永 続 的 だが 変 化 しうる 運 動 および 姿 勢 の 異 常. 進 行 性 疾 患 や 一 過 性 の 運 動 障 害 将 来 正 常 化 するであろうと 思 われる 運 動 発 達 遅 滞 は 除 外 する. 脳 性 麻 痺 の 異 常 発 達 一 次 的 障 害 脳 の 障 害 による 筋 緊 張 の 異 常 原 始 反 射 ( 異 常 姿 勢 反 応 )の 残 存 と 正 常 姿 勢 反 応 の 遅 滞 二 次 的 障 害 一 次 的 障 害 を 基 盤 として 発 達 する 過 程 で 異 常 な 中 枢 プログラム 身 体 図 式 を 形 成 する 三 次 的 障 害 変 形 拘 縮 脱 臼 などの 進 行 脳 性 麻 痺 の 完 成 姫 路 市 における 脳 性 麻 痺 発 症 率 の 推 移 在 胎 週 数 ~27W 28~31W 32~36W 37W~ 計 26/2704227042 40/ 28,246 脳 性 麻 痺 児 / 出 生 数 83~87 1/62 5/111 8/1031 88~92 7/40 15/99 10/10071007 19/24246 51/ 25,410 93~97 9/48 15/105105 10/10131013 25/2549425494 59/ 26,660 98/ 00~03 11/75 24/113 14/12621262 24/2511825118 73/ 26,568 脳 性 麻 痺 発 症 率 ( 出 生 1000 人 ) 83 ~87 16.1 45.0 7.8 1.0 1.4 p<0.005 p<0.01 88 ~92 175.0 151.5 9.9 0.8 2.0 93 ~97 187.5 142.9 9.9 1.0 2.2 98/ 00~03 146.7 212.4 11.1 1.0 2.7 注 ) 脳 性 麻 痺 の 診 断 は3 歳 以 後 とし 厚 生 省 脳 性 麻 痺 研 究 班 の 定 義 (1968 年 ) を 用 いた. 小 寺 澤, 宮 田 ら. 姫 路 市 における15 年 間 の 脳 性 麻 痺 発 生 の 動 向. 脳 と 発 達 2007;39:32-36 を 一 部 参 照 ns p<0.001 p<0.05 ns 2
知 的 障 害 てんかん 肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 受 診 児 の 状 況 ~ 肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 入 園 児 の 重 度 重 複 化 ~ 肢 体 不 自 由 児 通 園 施 設 措 置 児 の 合 併 症 の 状 況 ( 平 成 16 年 度 総 数 :2,609 人 ) 合 併 障 害 自 閉 性 障 害 視 覚 障 害 聴 覚 障 害 重 度 中 軽 度 コントロール できている コントロール できてない 人 数 1,460 797 226 443 408 377 164 割 合 56.0% 30.6% 8.7% 17.0% 15.6% 14.5% 6.3% 療 育 や 保 育 現 場 での 日 常 的 な 医 療 的 支 援 が 必 要 介 護 家 族 への 生 活 レベルでの 支 援 が 必 要 内 部 障 害 呼 吸 器 系 消 化 器 系 循 環 器 系 人 工 呼 吸 器 気 管 切 開 ネブライザー 使 用 酸 素 使 用 吸 引 器 使 用 胃 ろう 経 管 栄 養 誤 えんが 多 い 泌 尿 器 系 ( 導 尿 など) その 他 106 14 58 139 46 248 67 211 195 54 76 4.1% 0.5% 2.2% 5.3% 1.8% 9.5% 2.6% 8.1% 7.5% 2.1% 2.9% 重 症 心 身 障 害 児 行 政 用 語 であり 医 学 的 な 概 念 ではない 運 動 機 能 的 には 座 位 レベル 以 下 ( 障 害 者 手 帳 1 2 級 ) ) 知 的 能 力 は IQ IQ>35 ( 療 育 手 帳 A) の 状 態 大 島 の 分 類 21 20 19 18 17 走 れる 22 13 12 11 10 歩 ける 23 14 7 6 5 歩 行 障 害 24 15 座 れる 寝 たきり Ⅰ. 重 症 心 身 障 害 児 ( 狭 義 ): 区 分 1~4に 該 当 するもの Ⅱ. 重 症 心 身 障 害 周 辺 児 ( 重 症 児 施 設 入 所 対 象 として 考 慮 すべきもの) a. 区 分 5~9に 該 当 するが 以 下 の 条 件 をもつもの 1 絶 えず 医 療 管 理 下 におくべきもの 2 障 害 の 状 態 が 進 行 的 と 思 われるもの 3 合 併 症 のあるもの( 視 覚 障 害 聴 覚 障 害 など) b. 区 分 10 17に 該 当 する 強 度 行 動 障 害 児 ( 動 く 重 症 児 )など 8 3 2 25 16 9 4 1 80 70 50 35 20 0 IQ E6 D6 C6 B6 E5 D5 C5 B5 改 訂 大 島 分 類 ( 横 地 案 E4 D4 C4 B4 E3 D3 C3 B3 E2 D2 C2 B2 E1 D1 C1 B1 ( 横 地 案 2007 年 3 月 ) 簡 単 な 計 算 簡 単 な 文 字 数 字 の 理 解 簡 単 な 色 数 の 理 解 簡 単 な 言 語 理 解 A6 A5 A4 A3 A2 A1 言 語 理 解 不 屋 外 歩 室 内 歩 室 内 移 座 位 保 寝 返 り 寝 返 り 行 行 動 持 不 < 記 載 例 > C2-B : 寝 返 り で 座 位 不 簡 単 な 色 数 の 理 解 < 特 記 事 項 > 盲 を 合 併 C: 眼 瞼 固 定 で 睡 眠 覚 醒 リズムなし B: 盲 ( 有 意 な 視 覚 行 動 がない 中 枢 性 視 覚 障 害 は 除 く A1 A1では 省 略 ) D: 聾 ( 有 意 な 聴 覚 行 動 がない 中 枢 性 聴 覚 障 害 は 除 く A1 A1では 省 略 ) U: 両 上 肢 機 能 全 廃 相 当 ( 全 面 的 介 助 知 的 障 害 によるものは 除 く) 運 動 機 能 : 呼 吸 管 理 : 他 の 項 目 : 超 重 度 障 害 児 ( 超 重 障 児 ) 座 位 まで 1.レスピレーター 管 理 6.ネブライザー.ネブライザー3 回 / 以 上 使 用 7.IVH 10.. 透 析 ( 胃 腸 十 二 指 腸 チューブなどを 含 める) 11.. 定 期 導 尿 (3 回 / 日 以 上 ) 人 工 肛 門 ( 各 ) 12.. 体 位 交 換 ( 全 介 助 ) 6 回 / 日 以 上 ( 超 重 障 児 )スコア ( 鈴 木 ら) 2.. 気 道 処 置 ( 気 管 内 挿 管 気 管 切 開 鼻 咽 頭 エアウエイ CPAPなど) 3.. 酸 素 療 法 4.1 回 / 時 以 上 の 頻 回 の 吸 引 5.ネブライザー 常 時 使 用 (インスピロンの 場 合 を 含 む) 8.. 咀 嚼 嚥 下 に 障 害 があり 経 管 経 口 全 介 助 を 要 する 9.. 姿 勢 制 御 手 術 内 服 剤 等 でも 抑 制 できぬコーヒー 様 の 嘔 吐 スコア =10 = 8 = 8 = 3 =10 =10 = 3 スコア 合 計 25 点 以 上 を 超 重 障 児 とする 閉 塞 性 換 気 障 害 ( 上 気 道 狭 窄 ) 呼 吸 障 害 の 分 類 とその 要 因 機 能 的 狭 窄 構 造 的 狭 窄 筋 緊 張 低 下 筋 緊 張 亢 進 下 顎 後 退 舌 根 沈 下 披 裂 部 陥 入 喉 頭 軟 化 気 管 気 管 支 の 狭 窄 扁 桃 アデノイド 肥 大 誤 嚥 分 泌 物 貯 留 拘 束 性 換 気 障 害 ( 胸 郭 呼 吸 運 動 障 害 ) 呼 吸 関 連 筋 活 動 異 常 筋 緊 張 亢 進 による 呼 吸 運 動 制 限 呼 吸 筋 ( 横 隔 膜 肋 間 筋 ) 活 動 低 下 呼 吸 筋 - 補 助 呼 吸 筋 協 調 運 動 障 害 中 枢 性 低 換 気 変 形 拘 縮 肋 骨 突 出 脊 柱 側 弯 胸 郭 扁 平 化 3
呼 吸 障 害 への 対 応 の 基 本 気 道 が 開 いていること 胸 郭 横 隔 膜 の 運 動 がしっかり 出 来 ること 分 泌 物 が 呼 吸 を 阻 害 しないこと のどを 広 げる ( 上 気 道 狭 窄 への 対 応 ) 胸 郭 を 広 げる 動 かす ( 胸 郭 呼 吸 運 動 への 対 応 ) 姿 勢 を 整 える:あご くび 全 身 胸 郭 周 辺 の 緊 張 を 和 らげる 呼 吸 運 動 への 援 助 加 湿 吸 入 (ネブライザー) 充 分 な 水 分 摂 取 吸 引 痰 が 出 やすくする 痰 がたまりにくくする 痰 があっても 苦 しくないようにする 吸 引 する 呼 吸 障 害 の 管 理 姿 勢 の 管 理 姿 勢 変 換 坑 重 力 姿 勢 の 工 夫 胸 郭 脊 柱 の 動 性 維 持 呼 吸 介 助 排 痰 気 道 吸 引 ( 口 腔 咽 頭 喉 頭 気 管 ) 誤 嚥 の 有 無 の 確 認 食 事 形 態 食 事 方 法 の 見 直 し 経 管 栄 養 とその 考 え 方 ~ 食 べる 楽 しみ と 必 要 カロリーの 摂 取 ~ 医 学 的 管 理 経 鼻 咽 頭 エアウエイ 気 管 切 開 ( 喉 頭 気 管 分 離 術 ) 酸 素 投 与 人 工 呼 吸 器 呼 吸 障 害 に 対 する 姿 勢 の 影 響 1 ~ 背 臥 位 と 腹 臥 位 の 比 較 ~ 下 顎 後 退 舌 根 沈 下 が 起 こりやすい 顎 や 肩 を 後 退 させるような 緊 張 が 出 やすい 痰 唾 液 がのどに 溜 まりやすい 呼 気 を 出 しにくい 背 臥 位 背 側 の 胸 郭 の 運 動 が 制 限 される 胃 食 道 逆 流 が 起 こりやすい 誤 嚥 物 が 肺 下 葉 に 貯 留 しやすい 胸 郭 の 扁 平 化 をきたしやすい 腹 臥 位 下 顎 後 退 舌 根 沈 下 が 起 こりにくい 設 定 次 第 で 緊 張 が 緩 みやすい 痰 唾 液 がのどに 溜 まらない 呼 気 を 出 しやすい 背 側 の 胸 郭 が 動 きやすく 肺 が 広 がり やすい 胃 食 道 逆 流 が 起 こりにくい 誤 嚥 物 が 肺 下 葉 に 貯 留 するのを 防 止 できる 胸 郭 の 扁 平 化 をきたしにくい 口 - 鼻 部 分 に 注 意 しないと 窒 息 の 危 険 がある 腹 臥 位 保 持 具 の 利 用 保 持 具 使 用 前 の 背 臥 位 腹 臥 位 保 持 後 の 背 臥 位 腹 臥 位 保 持 5 分 後 腹 臥 位 保 持 20 分 後 < 腹 臥 位 保 持 具 の 利 点 > 頭 部 が 安 定 して 保 持 され 気 道 を 確 保 しやすい 支 持 面 が 増 大 し 安 定 するため 緊 張 が 緩 和 する ウレタンの 形 状 と 柔 軟 性 によるストレッチ 効 果 が 期 待 できる 呼 吸 障 害 に 対 する 姿 勢 の 影 響 2 ~ 側 臥 位 の 利 点 欠 点 ~ 呼 吸 障 害 に 対 する 姿 勢 の 影 響 3 ~ 座 位 の 利 点 欠 点 ~ 利 点 舌 根 沈 下 を 予 防 できる 筋 緊 張 を 抑 制 できる 胸 郭 の 前 後 運 動 を 促 通 できる 欠 点 右 側 臥 位 は 胃 食 道 逆 流 を 誘 発 す ることがある 利 点 前 傾 座 位 では 腹 臥 位 と 同 様 の 利 点 がある 吸 気 時 の 横 隔 膜 の 動 きが 良 くなる 欠 点 リクライニング 座 位 は 下 顎 後 退 舌 根 沈 下 喉 頭 部 狭 窄 を 悪 くする ことがある 嚥 下 障 害 が 重 度 な 場 合 唾 液 が 気 管 に 誤 嚥 される 危 険 がある 痰 唾 液 の 咽 頭 ~ 喉 頭 貯 留 を 防 止 できる 胃 食 道 逆 流 が 起 きにくい 4
脳 性 麻 痺 児 の 呼 吸 の 特 徴 脳 性 麻 痺 における 呼 吸 と 全 身 機 能 の 相 関 呼 吸 周 期 が 不 規 則 で 浅 く 速 い 呼 吸 横 隔 膜 - 腹 筋 と 胸 筋 群 の 奇 異 運 動 (シーソー 呼 吸 ) 随 意 的 呼 吸 ( 深 呼 吸 呼 気 延 長 など)の の 調 整 が 困 難 未 熟 な 乳 児 呼 吸 パターン( ( 腹 式 呼 吸 ) 口 - 鼻 呼 吸 の 分 離 困 難 姿 勢 変 換 時 の 呼 吸 調 整 が 困 難 胸 郭 脊 柱 の 変 形 頭 部 不 安 定 頚 部 緊 張 呼 吸 パターン 言 語 発 達 の 遅 れ 胸 腹 部 変 形 座 位 不 安 定 の 未 発 達 低 酸 素 状 態 全 身 の 筋 緊 張 亢 進 腹 直 筋 緊 張 斜 腹 筋 弛 緩 呼 吸 パターンの 異 常 は 単 に 呼 吸 の 問 題 にとどまらず 頚 定 や 座 位 言 語 発 達 などと 密 接 な 相 互 関 係 がある. 脳 性 麻 痺 の 随 伴 症 状 とその 相 互 関 係 ( 舟 橋 ら) てんかん 発 作 中 枢 性 低 換 気 摂 食 障 害 など 呼 吸 障 害 閉 塞 性 拘 束 性 呼 吸 不 全 肺 性 心 心 不 全 筋 緊 張 異 常 側 弯 等 の 変 形 コミュニケーション 障 害 心 理 的 ストレス 胃 食 道 逆 流 横 隔 膜 ヘルニア 消 化 管 出 血 潰 瘍 形 成 栄 養 障 害 貧 血 易 感 染 性 生 活 リズムの 乱 れ 生 活 機 能 の 低 下 呼 吸 障 害 への 対 応 の 実 際 1 上 気 道 の 確 保 後 頚 部 の 過 緊 張 による 下 顎 の 後 退 後 頚 部 の 緊 張 緩 和 背 臥 位 による 舌 根 沈 下 腹 臥 位 経 鼻 咽 頭 エアウエイ 扁 桃 アデノイドの 肥 大 への 対 応 痰 唾 液 の 咽 頭 貯 留 には 適 切 な 吸 引 ( 叩 打 法 やバイブレーターの 使 用 は 小 児 では 危 険 とされている) 全 身 のリラクゼーション 姿 勢 変 換 (2 時 間 以 内 が 基 本 )と) と 安 定 した 姿 勢 の 工 夫 胸 郭 のモビリゼーション 胸 郭 周 囲 のROMの 訓 練 ポジショニング 体 位 排 痰 法 ( 聴 診 器 で 痰 のたまっている 位 置 を 確 認 してその 部 分 を 上 にする) 姿 勢 の 基 本 脊 柱 伸 展 / 頭 部 体 幹 中 間 位 ( 腹 部 のリラックス)/ 上 下 肢 の 位 置 工 夫 背 臥 位 は 一 般 的 に 望 ましくないことが 多 い 重 度 重 複 障 害 児 のポジショニングの 意 義 筋 緊 張 の 緩 和 ( 遊 びなどの) ) 活 動 援 助 上 肢 運 動 の 促 通 呼 吸 が 楽 になる 嚥 下 障 害 の 緩 和 誤 嚥 の 軽 減 胃 食 道 逆 流 などの 上 部 消 化 管 障 害 の 軽 減 予 防 循 環 機 能 を 阻 害 しない 変 形 拘 縮 の 予 防 進 行 防 止 呼 吸 障 害 への 対 応 の 実 際 2 呼 吸 ( 肺 ) 理 学 療 法 呼 吸 介 助 呼 期 : 呼 吸 介 助 ( 呼 吸 のリズムと 方 向 に 合 わせて 呼 気 の 介 助 ) 吸 期 :スプリング 法 ( 呼 期 時 に 胸 郭 を 圧 迫 し 急 に 離 す す 胸 郭 / 肺 の 拡 張 ) 胸 郭 動 性 の 改 善 肋 骨 肋 椎 関 節 モビリゼーション 肋 間 筋 伸 張 マッサージ ストレッチ 排 痰 ( 咳 嗽 と 吸 引 ) 咳 嗽 のタイミングに 合 わせた 呼 吸 介 助 呼 気 の 流 量 を 増 して 排 痰 を 援 助 自 力 排 痰 が 困 難 な 場 合 に 吸 引 5
脳 性 麻 痺 児 の 呼 吸 ( 肺 ) 理 学 療 法 の 原 則 異 常 反 射 の 抑 制 筋 緊 張 のコントロール 頚 部 - 体 幹 の 正 しい 位 置 関 係 を 保 つ 異 常 呼 吸 パターンの 抑 制 と 正 常 呼 吸 パターン( 協 調 した 胸 腹 式 呼 吸 )の 確 立 体 位 排 痰 法 や 吸 引 などによる 気 道 分 泌 物 の 除 去 胸 郭 脊 柱 の 変 形 拘 縮 の 予 防 と 治 療 睡 眠 時 や 呼 吸 器 疾 患 罹 患 時 の 呼 吸 管 理 正 常 な 座 位 の 基 盤 となる 発 達 を 促 す 嚥 下 機 能 の 発 達 を 促 す 言 語 機 能 の 発 達 を 促 す 喀 痰 への 対 応 痰 がでやすい 姿 勢 を 保 持 する 腹 臥 位 体 位 ドレナージ 痰 が 貯 留 しても 苦 しくならないように 上 気 道 を 広 げる 痰 を 軟 らかくし 切 れやすく 出 やすくする 全 身 的 な 水 分 補 給 空 気 の 加 湿 吸 入 薬 剤 ( 去 痰 剤 など) 体 を 動 かして 痰 が 出 やすくする 呼 吸 運 動 を 介 助 し 換 気 を 促 進 する 適 切 な 吸 引 排 痰 を 補 助 する 薬 剤 重 度 重 複 障 害 児 は 慢 性 気 管 支 炎 や 気 管 支 喘 息 などの 慢 性 呼 吸 器 障 害 を 有 することが 多 く 肺 理 学 療 法 と 併 行 して 薬 物 療 法 が 必 要 になることが 多 い. よく 用 いられる 去 痰 剤 粘 液 溶 解 剤 : ビソルボンなど 痰 の 粘 稠 度 を 低 下 させる 粘 液 修 復 剤 : ムコダインなど 喀 痰 の 構 成 成 分 のバランスを 改 善 して 生 理 的 気 道 液 に 近 づける 粘 液 潤 滑 剤 : ムコソルバンなど 肺 サーファクタントの 産 生 を 促 し 喀 痰 の 粘 着 性 を 低 下 させる 気 道 分 泌 細 胞 正 常 化 薬 : スペリア クリアナールなど 慢 性 の 気 道 炎 症 で 起 こる 杯 細 胞 の 増 生 を 抑 制 して 喀 痰 の 過 剰 産 生 を 押 さえ 喀 痰 の 粘 弾 性 を 改 善 する 必 要 に 応 じて β2 刺 激 剤 やテオフィリン 製 剤 などの 気 管 支 拡 張 剤 も 用 いる. 誤 嚥 を 疑 わせる 症 状 食 事 中 のむせが 多 い 食 事 中 や 食 後 に 喘 鳴 や 痰 が 増 加 する 嚥 下 運 動 が 確 認 できない 肺 炎 や 熱 発 を 繰 り 返 し 体 調 が 安 定 しない 体 重 増 加 不 良 食 事 の 所 要 時 間 が 長 い < 以 下 の 症 例 にも 注 意 が 必 要 > 口 腔 機 能 や 摂 食 嚥 下 機 能 の 低 下 をもたらす 進 行 性 疾 患 症 例 経 管 栄 養 を 併 用 していても 上 記 の 症 状 がある 場 合 嚥 下 造 影 検 査 (VF) videofluoroscopic examination of swallowing 喉 頭 気 管 分 離 + 気 管 食 道 吻 合 気 管 - 食 道 吻 合 喉 頭 - 気 管 分 離 永 久 気 管 孔 の 造 設 通 常 の 気 管 切 開 では 唾 液 の 誤 嚥 が 多 く 頻 回 の 吸 引 が 必 要 で 肺 炎 を 繰 り 返 すなどの 症 例 に 適 用. 吸 引 が 減 り QOL QOLの の 改 善 や 介 護 負 担 の 軽 減 につな がる. 経 口 摂 取 が 能 になる. 発 声 ができなくなる. 6
ま と め 重 度 重 複 障 害 児 は 呼 吸 障 害 の 合 併 が 多 く 死 亡 原 因 の 約 70%が が 肺 炎 を 中 心 とする 呼 吸 器 疾 患 である. 呼 吸 障 害 に 対 する 日 常 的 な 処 置 ( 体 位 変 換 や 痰 の 吸 引 など)が 家 族 の 介 護 負 担 を 重 くしている. 呼 吸 障 害 はさまざまな 合 併 症 の 原 因 にもなるため 呼 吸 障 害 を 軽 減 するさまざまな 工 夫 や 処 置 は 重 度 重 複 障 害 児 の 健 康 を 守 り QOL QOLを を 向 上 させるために 不 欠 であり 介 護 負 担 を 軽 減 するためにも 重 要 である. 養 護 学 校 ( 特 別 支 援 学 校 )における) 看 護 師 の 活 動 は 子 ども 達 の 健 康 を 守 ることによって 教 育 を 受 ける 権 利 を 保 障 し 教 員 や 家 族 による 健 康 管 理 体 制 の 基 盤 となる 重 要 な 役 割 を 担 っ ている. 7