JA上伊那における米穀施設の収支構造改革

Similar documents
** M1J_02-81

大分県農業共済組合 大分県農業共済組合作成 収入保険と既存制度の掛金及び補てん金の比較 ( 大分県 ) 品目 : 米 平均収入 100 万円作付面積 83a 単収 504kg/10a シナリオ 1 販売価格が 地域平均で シナリオ 2 販売価格が 個人のみで シナリオ 3 自然災害により 地域全体が

14 現行のナラシ対策では 集落営農が加入するには 法人化計画 (5 年以内の法人化 ) が必須であるが 意欲があっても法人化に時間を要するものもある 法人化はさせたいが 現在の法人化計画は実態に合っていないのではないか 15 平成 27 年度からの経営所得安定対策では 集落営農の法人化等については

石川県水田フル活用ビジョン 1 地域の作物作付の現状 地域が抱える課題 水稲作付面積については 昭和 60 年の 37,700ha から 平成 25 年では 26,900ha と作付 面積で約 10,000ha 作付率で約 30% と大きく減少したものの 本県の耕地面積に占める水稲作 付面積の割合は

2018 DISCLOSURE 経営方針と業績業績の概況貯金残高の推移貯金は 年金受給者層へのサービスの充実や各種キャンペーンを実施し 組合員の利用率向上と組合員貯金の安定確保を図るなど 利用者基盤の拡充 強化に取り組んだ結果 期中 22 億円増加し 期末残高は3,126 億円 ( 前年対比 100

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

めに必要な情報を提供するとともに 2 関係者一体となった契約栽培等の需要と直結した生産を推進していく また 生産者の収益性向上につながる地域の気候風土を活かした特色ある野菜等園芸作物への作付を促進し 産地づくりを進めていくため 生産者への作付誘導のインセンティブとなる産地交付金を戦略的に活用していく

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

ニュースリリース 農業景況調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 1 8 日 株式会社日本政策金融公庫 平成 30 年農業景況 DI 天候不順響き大幅大幅低下 < 農業景況調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫 ) 農林水産事業は 融資先の担い手農業者

Microsoft PowerPoint - 08economics4_2.ppt

2 作物ごとの取組方針 (1) 主食用米本県産米は 県産 ヒノヒカリ が 平成 22 年から平成 27 年まで 米の食味ランキングで6 年連続特 Aの評価を獲得するなど 高品質米をアピールするブランド化を図りながら 生産数量目標に沿った作付けの推進を図る また 平成 30 年からの米政策改革の着実な

収入保険制度と既存の類似制度と の比較のポイント 平成 30 年 6 月

平成17年5月18日 豊岡市国民健康保険運営協議会シナリオ

目 次 Ⅰ 集落営農数 Ⅱ 集落営農数 ( 詳細 ) 1 組織形態別集落営農数 2 農業経営を営む法人となる画の策定状況別集落営農数 3 設立年次別集落営農数 4 経営所得安定対策への加入状況別集落営農数 5 人 農地プランにおける位置づけ状況別集落営農数 (1) 中心経営体として位置づけの有無別

PowerPoint プレゼンテーション

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

fromJA51-2.indd

加賀市農業委員会農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 1 月 26 日制定 加賀市農業委員会 第 1 指針の目的 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の一部改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等

経営指標の概要 ( 電気事業 ) 1. 経営の状況 ( 電気事業全体で算出 ) 算出式 ( 法適用事業 ) 算出式 ( 法非適用事業 ) 1 経常収支比率 (%) 1 収益的収支比率 (%) 指標の意味 経常収益 100 経常費用 総収益 100 総費用 + 地方債償還金 法適用企業に用いる経常収支

みずほインサイト 政策 2013 年 12 月 19 日 減反廃止 の実情を読み解く農業の構造再編 競争力強化への効果には懸念も 政策調査部主任研究員堀千珠 政府は 2013 年 11 月に 1 いわゆる 減反廃止 2

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

平成 31 年度 新潟県農業再生協議会 ( 平成 31 年 4 月 17 日開催 ) 議事録

1c_本文118号.indb

はじめに 政府は 23 年度からの戸別所得補償制度に対して 8 月 31 日に概算要求案として 農業者戸別所得補償制度概算要求の骨子 を示した 国家戦略である新たな基本計画が大きな柱として位置づけた戸別所得補償制度は 農業者の経営安定と国内生産力の確保を図るための重要な政策であり 生産者の期待は大き

(Microsoft PowerPoint \201y\221\3461\216l\224\274\212\372_\225\361\215\220\217\221HP\224\305\201z.pptx)

岡山県農業研報 8:13-17(2017) 13 稲作経営の規模拡大過程とその対応 岡山県の事例から 河田員宏 Scale Expansion Process of Rice Farm Management and Its Response :A Case Study in Okayama Pref

新規前年度継続 ( 変更あり ) 前年度継続 加工用米助成 ( 基幹作物 ) 豊郷町農業再生協議会整理番号 2 加工用米 ( 基幹作物 ) 1,079 円 /10a 参考となる 3 1,300 円 /10a 豊郷町では加工用米を地域振興作物に位置付けている 一定品質を確保するために 種子更新を行って

資料 1 30 年産 生産の目安 の基本的な考え方に対する申し入れ事項 平成 29 年 9 月 15 日北海道農協米対策本部 1. 基本的な考え方 30 年産以降 急激な需給変動が発生した場合においても 生産者の経営安定と手取りの確保を図っていくことが重要であるが 一方で産地としての供給責任を果たし

スライド 1

<4D F736F F D C6F89638E CC8A B98E968BC6816A2E646F6378>

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

1. 病院経営の鍵となる指標 病床利用率の推移 1.1 病床稼働率は平均80 強 病院報告 病床稼働率と病床数の不思議な関係 は入院収益そのものに直結します人件費や設備投資などの固定費が多い病院 全病床 6 精神病床 5 は 病床稼働率が一定の水準を下回ると一気に赤字経営に陥りますそのた

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 28 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 28 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 29 年 1~3 月期 来期平成

農業者年金の資金運用に関するアンケート 次の各問について あなたのお考え ( 率直なご印象で結構です ) に最も近い回答を 1つだけ選び 同封の回答用はがきの回答欄に記入 ( 該当する記号 ( 英字 ) を 印で囲んで ) の上 11 月 30 日 ( 水 ) までに切手を貼らずにポストに投函いただ

PowerPoint プレゼンテーション

ニュースリリース 農業景況 : 景況 平成 27 年 3 月 26 日 株式会社日本政策金融公庫 農業の景況 DI 稲作をはじめ多くの業種で悪化 ~ 改善したのは養豚 ブロイラーなどの一部の業種に留まる ~ < 日本公庫 平成 26 年下半期農業景況調査 > 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公庫

日本基準基礎講座 資本会計

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

< F2D30325F90568B8C91CE8FC6955C81698AEE967B97768D6A816A2E6A7464>

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

1

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 30 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 30 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 30 年 1~3 月期 来期平成

2. 食料自給率の推移 食料自給率の推移 我が国の食料自給率 ( 総合食料自給率 ) は 長期的に低下傾向で推移してきましたが 近年は横ばい傾向で推移しています (%) (H5 ) 43 7

< E786C73>

81 82

Aさん : 何ですか 課税の繰り延べ課税の繰り延べって? 減税とは違うのですか? 税理士 : はい 買換特例には 根本的には税金は減らす効果はなく あくまで納税時期を遅らせることしかできないのです 課税の繰り延べの意味 税理士 : 今お持ちの駅前にある不動産を 2 億円で売却し 郊外の賃貸用マンショ

米及び畑作物の直接支払交付金を受ける方は 対象作物ごとに生産数量目標を必ず記入してください 経営所得安定対策の交付金に係る営農計画書 主食用水稲の生産数量目標 主食用水稲は 生産調整方針作成者等から通知された 生産数量目標 単収 作付面積 ( 換算値 ) を記入してください 単収 が通知されていない

『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

年末調整のしくみ

Jetstar-JapanとPeachの経営比較

東部地域の農業 農地の復旧 復興スケジュール 平成 23 年度平成 24 年度平成 25 年度平成 26 年度平成 27 年度 市復興ビジョン 復旧 再生期 発展 創出期 仙台の復興 仮設ポンプ設置 基盤整備対策 がれき撤去 排水機能復旧 ( 排水ポンプ場 排水路の改修等 ) 堆積土砂の除去 除塩事

<4D F736F F D2095BD90AC E AD48C888E5A8A E646F63>

公益目的支出計画実施報告

「中医協・医療経済実態調査(保険者調査)-平成19年6月実施-」について

27 年産以降のゲタ ナラシ対策の交付対象者 ゲタ ナラシ対策の交付対象者は 27 年産から認定農業者 集落営農に認定新規就農者を加えるとともに 規模要件は廃止しました また 交付対象となる集落営農の要件も 2 要件に緩和します 担い手の方が幅広く参加できるようになります また ナラシ移行の円滑化対

4 農業分野 (1) 規制改革の観点と重点事項競争力ある農業 魅力ある農業を創り 農業の成長産業化を実現するため 農地中間管理機構の創設を 国民の期待に応える農業改革の第一歩とし その上で 農業委員会 農地を所有できる法人 ( 農業生産法人 ) 農業協同組合の在り方等に関して これら3 点の見直しを

<4D F736F F D A6D92E8817A95BD90AC E937895EF8A87944E8E9F8DE096B195F18D908F912E646F63>

fromJA53.indd

DocHdl1OnPRS1tmpTarget

Taro-中期計画(別紙)

1 課題 目標 山陽小野田市のうち 山陽地区においては 5 つの集落営農法人が設立されている 小麦については新たに栽培開始する法人と作付面積を拡大させる法人があり これらの経営体質強化や収量向上等のため 既存資源の活用のシステム化を図る 山陽地区 水稲 大豆 小麦 野菜 農業生産法人 A 新規 農業

< F835A83938A6D95F12E786C73>

ニュースリリース 農業景況調査 : 設備投資 平成 2 9 年 3 月 24 日 株式会社日本政策金融公庫 農業者の設備投資意欲が過去最高 ~ 生産効率関連の農業機械投資が最多 後継者確保に課題も ~ < 平成 28 年下半期農業景況調査関連 > ( 注 1) 日本政策金融公庫 ( 略称 : 日本公

4-(1)-ウ①

四国地方 主要8行の預金・貸出金等分析(2017年第2四半期(中間期)決算)

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

「白神ねぎ」と園芸メガ団地の取組み

農業経営基盤強化準備金~農業者向けQ&A~

水田活用の直接支払交付金実施要領 農林水産省生産局長通知 制定平成 26 年 4 月 1 日付け 25 生産第 3561 号 第 1 趣旨 水田活用の直接支払交付金の実施については 経営所得安定対策等実施要綱 ( 平成 23 年 4 月 1 日付け22 経営第 7133 号農林水産省事務次官依命通知

1 秋田県の農地中間管理事業の実績及び利用権設定にかかる支障事例 2. 利用権の存続期間延長手続きの緩和について ( その 1) H26~H29 実績 H26 H27 H28 H29 計 借受面積 (ha) 1,730 3,629 2,619 2,044 10,022 借受 ( 契約 ) 件数 1,

流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

Microsoft PowerPoint 農業経営の未来戦略

スライド 1

29 宇農委第 227 号 平成 29 年 12 月 5 日 宇治市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 宇治市農業委員会 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) 第 7 条第 1 項の規定に基づき 宇治市農業委員会にかかる標記指針を下記のと

対象収入 所得税法上の農業所得として申告されているものの例 自ら生産した農産物の販売収入全体を対象 ( 所得ではない ) 加工品は原則として販売収入に含めない ( ただし 所得税法上の農業所得として申告されているものは含める このため 精米などの加工品であっても 農業者が自ら生産した農産物を加工して

リバノス5月号.indd

Microsoft Word - +朕絇盋;ï¼ı30年度 é£�挎ㅻ農æ¥�ㅻ農暂æfl¿ç�Œç¢ºç«‰ã†«éŒ¢ã†Žã‡‰æ‘’訕桋

金融円滑化に対する当金庫の取組状況 平成 27 年 11 月 13 日 高岡信用金庫

1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

米に関するマンスリーレポート 新潟県版 2018 年 12 月 今月の特集 1 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 の見直しについて 農林水産省は 11 月 28 日に 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針 ( 以下 国の基本指針 ) の変更を行い 平成 31/32 年の主食用米等需要量を

<4D F736F F D D F8C668DDA F090E BA90BF92868FAC8AE98BC690558BBB F4390B32E646F63>

<4D F736F F D B4B92F6976C8EAE A6D92E894C5816A2E646F63>

田原市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 30 年 3 月 23 日 田原市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地等の利

少額の資金であれば 融資の可否の判断を迅速に行います < 資金名 : スーパー L 資金 農業近代化資金 ( クイック融資制度 )> 認定農業者等 ( スーパー L 資金 ) 認定農業者等及び一定の要件を満たす集落営農組織 ( 農業近代化資金 ) スーパー L 資金 農業近代化資金について 500

PowerPoint プレゼンテーション

進行表 1 委嘱状交付 2 副市長あいさつ 3 委員紹介 ( 自己紹介 ) 事務局紹介 ( 自己紹介 ) 4 委員長 副委員長の選出 南足柄市行政改革推進委員会規則 の概要について説明 委員長に矢野正雄氏 副委員長に喜多村享氏が互選により選出 5 委員長あいさつ 副委員長あいさつ 南足柄市行政改革推

2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は 96.6% 全回答企業 1,029 社のうち IR 活動を 実施している と回答した企業は 994 社 ( 全体の 96.6%) であり 4 年連続で実施比率は 95% を超えた IR 活動の体制 IR 専任者がいる企業は約 76% 専任者数は平

では もし企業が消費者によって異なった価格を提示できるとすれば どのような価格設定を行えば利潤が最大になるでしょうか その答えは 企業が消費者一人一人の留保価格に等しい価格を提示する です 留保価格とは消費者がその財に支払っても良いと考える最も高い価格で それはまさに需要曲線で表されています 再び図

第 7 章財政運営と世代の視点 unit 26 Check 1 保有する資金が預貯金と財布中身だけだとしよう 今月のフロー ( 収支 ) は今月末のストック ( 資金残高 ) から先月末のストックを差し引いて得られる (305 頁参照 ) したがって, m 月のフロー = 今月末のストック+ 今月末

Microsoft Word - 3 保険料の国庫補助

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

これは 平成 27 年 12 月現在の清掃一組の清掃工場等の施設配置図です 建替え中の杉並清掃工場を除く 20 工場でごみ焼却による熱エネルギーを利用した発電を行っています 施設全体の焼却能力の規模としては 1 日当たり 11,700 トンとなります また 全工場の発電能力規模の合計は約 28 万キ

第 1 四半期の売上収益は 1,677 億円となり 前年からプラス 6.5% 102 億円の増収となりました 売上収益における為替の影響は 前年 で約マイナス 9 億円でしたので ほぼ影響はありませんでした 事業セグメント利益は 175 億円となり 前年から 26 億円の減益となりました 在庫未実現

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

(1) 市税 1 個人市民税 12,, 9, 1,, 75, 8,, 6, 6,, 45, 4,, 3, 2,, 15, 4,518,685 4,345,532 4,24,78 4,425,177 4,542,579 4,451,591 4,548,613 4,83,99 5,245,539 6,1

Ⅰ JA いわて花巻の概要 ( 平成 28 年 2 月末現在 ) 1 事業エリア花巻市 北上市 西和賀町 遠野市 釜石市 大槌町 (4 市 2 町 ) 2 設立経過 平成 10 年 3 月 1 日 JA いわて花巻発足 ( 花巻 石鳥谷 大迫町 東和町の 4JA が合併 ) 平成 20 年 5 月

経営ダッシュボード 情報を知識に変え 知識を利益に変える データ情報知識利益キャッ シュ 経営者の視点と提供すべき会計データ 鳥の眼虫の眼魚の眼 思考と決断 ERPシステム. ( 現場業務 ) 人事 販売 生産 購買 受注 人事給与システム 販売システム 生産管理システム 購買システム 受注システム

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

Transcription:

[ 報告 4] JA 上伊那における米穀施設の収支構造改革 下村篤 (JA 上伊那常務理事 ) 1 JA 上伊那の概況米を基盤とした JA 今回の中身は第 34 回公開研究会でも若干触れている 今回は米穀施設 とくにカントリーエレベーター ( 以下 CE) ライスセンター(RC) に絞って収支構造改革の取り組みをご報告したい JA 上伊那の概況は下記のとおりだ 明治時代には養蚕の盛んな地域で 農業協同組合運動がその時代から盛んだった この姿は今も変わらないと自負している その一つの表れだと思うが TPP 参加反対の署名数は県下 1 3.11 震災募金も県の 4 分の 1 を集めて県下 1 だ JA 上伊那は米を基盤とした JA だ 米の集荷率は県下でいちばん高い 反収と 1 等米比率は全国トップだ (2014 年産では残念ながら両方とも 2 位になってしまったが ) ナラシ対策( 収入減少影響緩和対策 ) の加入率も 77% を超え 自給農家を除くと 100% に近い これは中央会によれば全国 1 ではないかとのことだ JA の販売高は 最盛期には 180 億円ほどあったが 現在は 138 億円にまで減っている これには米価下落の影響が非常に大きい 協同会社協同会社について簡単に触れておくと グレース オートパル上伊那 JA 菜園の 3 社がある グレースというのは冠婚葬祭 食堂 美容 貸衣装などをやる会社が コンビニ店舗の経営も始めた ファミリーマートを 10 店舗展開する計画で いま 9 店舗を展開している 米の販売力強化とセットで事業展開を図っている JA 菜園は 畑作地帯で野菜の栽培 販売を行なう会社だ これは大変な仕事で いま赤字の垂れ流しになってしまっていて非常に苦しい JA 上伊那の概況 (2015 年 2 月末日 ) 1. 地域 人口 18.4 万人 世帯 6.5 万世帯 (2.8 人 ) 耕地面積 9.344ha 2. 組織の概要 組合員 28,931 人 ( 正組合員 16,476 人 准組合員 12,455 人 ) 総代 530 人 資本金 204 億 4,384 万円 ( 出資金 82.052 億円 積立金 116 億円 自己資本比率 20.8%) 役員理事 34 人 ( うち常勤 4 人 ) 監事 7 人 ( うち常勤 1 人 ) 職員 979 人 ( 一般 442 人 営農指導 58 人 生活指導 12 人 出向 44 名 臨時 423 人 ) 3. 主な経営数値 貯金 2,453 億円 貸出金 693 億円 長期共済保有高 1 兆 1,732 億円 販売品 138 億円 生産購買品 58 億円 直売所 11 億円 生活購買品 52 億円 事業利益 338 百万円 経常利益 592 百万円 当期剰余金 212 百万円 4. 協同会社 ( 株 ) グレース役職員 143 人 冠婚葬祭 食堂 美容 他 31 億円 ( 株 ) オートパル上伊那役職員 59 人 自動車修理 販売 16 億円 ( 株 ) JA 菜園役職員 8 人 農畜産物の生産 販売 0.4 億円 - 1 -

2014 年度の販売事業実績 2014( 平成 26) 年度の販売事業実績は次表のとおりだ 2013( 平成 25) 年度からさらに下落している 販売高 138 億円のうち約 39 億円が米だ 一時期は 50 億円あったのがここまで下落してしまったのだ 販売高 1 億円を超える品目は次のとおり多彩だ そのうちアルストロメリアは生産量日本 1 を誇っている 1 米 34.65/2ブナシメジ 16.24/3アルストロメリア 9.57/4 生乳 6.9/5アスパラガス 4.41/6 肉牛 4.34/ 7 白ネギ 3.74/8ナメコ 3.48/9ブロッコリー 3.03/10 トルコギキョウ 2.8/11) エノキダケ 1.96/12ふじ 1.88 /13 素牛 1.64/14スイートコーン 1.63/15ソバ 1.59/ 16 肉豚 1.56/17 南水 1.47/18 鶏卵 1.27/19つがる 1.22 /20 採種籾 1.15/ 21キュウリ 1.12/ 22シナノスイート 1.07 ( 単位 : 億円 ) 営農指導事業の収支我々は JA 単体の農政対策委員会ではなく 上伊那地域の農政対策委員会を市町村議員 農業委員 土地改良区の皆さんとともに立ち上げている 全正組合員から 1 戸あたり 600 円を賦課金として拠出いただき 農政運動に使っている 営農指導事業の収支を見ると 繰入金が約 5 億 8,400 万円と非常に多く 信用 共済などの事業から非常に多額の繰入を行なっているのが特徴だ というのも 品目が米 キノコ 野菜 畜産 花卉等と非常にバラエティに富んでいるため 営農指導員を 60 人も擁していて費用がかかるからだ ちなみに JA 合併当時の営農指導員数は 100 人だった 多様な品目を販売できるという点では有利だが 人件費もかかっている 米の販売高の減少と交付金比率 2013 年度は水田経営所得安定対策交付金が総額 15 億 1,000 万円ほどあった 2014 年度は同交付金が 13 億 1,800 万円 これにナラシ対策が 3 億 5,000 万円ほど加わって 総額 16 億 7,000 万円ほど交付金が入った 米の販売高は 39 億円にまで落ち込んでいるから 販売高に対する交付金の比率がさらに大きくなっている 集落営農組織の推進 2006 年の品目横断的経営安定対策の受け皿として 集落営農組織の推進に非常に力を入れてきた 米 麦 大豆の生産面積のほぼ 90% という高い比率を集落営農組織がカバーしている 10 年以内に法人化する約束があるから 本年度中にはすべて集落営農法人になると思う 人 農地プランとあわせて JA で立てた 地域農業振興ビジョン でも 集落営農を基本にしていくことを方針としている 2 老朽化 収支悪化がすすむ米穀施設をどう再編するか当 JA の特徴は 農畜産物販売額に占める米の取扱いの割合が 4 分の 1 と非常に高いことだ 管内で生産された米の 70% について JA の CE RC が利用されている しかし これらの米穀施設は築 30~ 40 年になるものが多く 老朽化が大きな課題となっている 管内の米の生産量は 3 万 t 強 そのうち 3 割強 (1 万 t 弱 ) が管内消費 ( 生産者自給 ) 残り 2 万 t 強が販売流通量となる そのうち JA 扱い量 1 万 6 千 t 強 したがって JA 扱い比率は 8 割弱と非常に高い 昔からの協同組合運動がこういうところに表れている ただこれも 一時期は 9 割を超えていたのが徐々に下がってきている 隙間を狙う業者が年々増えている状況だ 米の販売先販売先はすでに特定している 2013 年産の JA 上伊那米 1 万 3,600t のうち 4,400t が伊藤忠食糧から弁当 おにぎり用にファミリーマートに出荷された いまはこの割合が半分近くにまで増えている 他に トーヨーライス 生活クラブ生協などが今期たいへん増えている - 2 -

すべての米について複数年契約を進めている 生活クラブ生協とは毎年契約しているが 徐々に複数年契約化を進めている 伊藤忠食糧からファミリーマートに行く米については 今年産も含めて 3 ヵ年の複数年契約を今月のうちに結ぶ方向で進めている したがって 主食用だけで米が足りなくなり 後ほどお話しする飼料用むけに出す米がなくなってしまっている状況だ 3 年後の需給調整の配分見直しのときにはどうなるか? へたをすると生産を増やさなければいけないかもしれないという心配がある 米穀施設の再編に踏み切る米穀施設の再編をやらなければいけないとなった 2010 年 現状と課題を次のようにまとめた 1 昭和 40~50 年代 (1965~1984) にかけて建設した施設が老朽化している 2 建設当時の部品が製造中止になっている 3 修理に数日間を要しロスが発生する 4 処理能力が低下し荷受時間がかかっている 5 粉塵 騒音も出る米穀施設の損益計算書を見ると 2008 年には上伊那全体で 1,647 万円 ( 施設平均 150 万円 ) の黒字が出ていた ところが 2009 年には 580 万円に黒字が減少し ついに 2010 年には 3,100 万円の赤字が出てしまった 何とかしなければいけない と検討を始め まとめたのが 2010 年の JA 上伊那 CE RC 施設の再編方向に関する基礎調査報告 だ JA 長野県地域開発機構という組織があり そこでコンサルを受けて今後どうしようかということを決めた 合併当時 80 億円だった米の販売額が 2010 年当時で 50 億円に下がっていた それが今では 39 億円にまで下がっているわけだ これはひとつには 販売単価の減少によるところが大きい それから 転作がどんと増えたのも一因だ 1996 年に乾籾換算で約 2 万 4,000t だった米の受入数量が 2009 年には 1 万 t を切った 既存 11 施設の稼働状況 収支など経営実態を明確化したうえで 1 現行体制の維持と2 統廃合による再編の 2 パターンで収支のシミュレーションをつくった また 職員体制 集荷体制などの 施設運営の合理化にむけた課題を整理した 管内の CE RC の経営動向を見ると まず 総農家数が大きく減少していた そのため水稲作付が大きく減少し 転作の麦とソバは増加しても補えない状況にあった こうして 稼働率が 50% 台まで落ち込み赤字となる施設も出てきたのだ (2009 年の段階では 上伊那全体では黒字 ) 全農 CE 総合コンサルの導入この段階で 将来大変なことになる と全農全国本部のコンサルを受けることを決定し 翌年から体制を組んだ 米穀施設再編特別検討委員会 を理事会の中に設け 各部会の皆さんと職員にはそれぞれ 作業部会 と 事務局 を立ち上げてもらった 2011 年 5 月の通常総代会でこのことについて提案し了承を得た 全国でいくつかの JA が全農の CE 総合コンサルを受けていると聞いているが なかでも当 JA は 2 番目とかなり早くからコンサルを入れている 廃止や導入機器等のシミュレーションをいくつか策定し 最終的に 2 つの再編案に絞った これに現状維持の場合を加えた 3 パターンで 2009( 平成 21) 年から 2023( 平成 35) 年までの 15 年間の収支をシミュレーションした ( 次ページ図参照 ) たとえ再編案 B をとっても 15 年間累計で 2 億 3,700 万円の赤字になってしまい 黒字転換できるわけではない しかし 現状維持では 11 億 2,700 万円余の赤字となり これでは到底やっていけない これしかない と B 案での再編に取り組んだのだ 再編案 B は 拠点施設 周辺施設 廃止施設を決め いくつかを廃止 統合した 改善効果として 一定の収支改善が期待される 米穀施設 強い農業づくり交付金 を活用し 約 10 億円をかけて再編を実施した この状況では 施設をフル稼働させることがもうできない そこで 統廃合を含めて再編方向を模索しはじめたのだ - 3 -

JA-IT 研究会第 18 回公開研究会報告 (2007 年 2 月 日 ) 再編案 B の場合における経営シミュレーション (15 年間の推移 ) CE RC 施設会計の改善実際の数字がどうなったか 再編の翌年 2010 ( 平成 22) 年と昨年 2014( 平成 26) 年を比較した 事業損益だけ見てみると 2010 年には 3,000 万円のマイナスだったのが 2014 年にはマイナス 2,400 万円に抑えられた 個々の費目の推移を見ると たとえば運搬費は 4,500 万円が 3,900 万円に下がっている 燃料費は 再編と別の要因で 1,000 万円ほど上がってしまった 一時労務費 人件費は再編によって一定の効果があった このあたりが最終的な事業損益に反映されたと考えている もっと古い施設もあるので 今後さらに再編をやっていかなければならないと思う 米価下落と交付金削減による収入減少あとは 若干関連のある事項について説明する 2014 年で言えば 米価下落 (1 俵 10,200 円 ) と 1 万 5,000 円の戸別所得補償交付金が 7,500 円に減ったことで 上伊那全体で米生産者の収入が 16 億円減少した 1 俵あたり 2,600 円ほどナラシの交付金があり 全体で 3 億 5,000 万円ほどになったが これを加味しても 10 億円減少と非常に大きな影響があった 前年の 2013 年産コシヒカリ (CE RC を利用 ) の概算金は 1 万 2,000 円だった これに最終精算 1,180 円を足した 1 万 3,180 円がそれぞれ集落組織や個人の口座に入金された さらに水田経営所得安 - 4 -

定対策交付金を足すと 1 万 4,000 円 もっと遡ると 2003 年産米は概算金が 1 万 5,000 円超 さらに 3,000 円以上の追加精算があった いかに米価の下落が激しいかが分かる CE RC の利用料 CE の利用料は 生籾での利用の場合 1 俵あたり 1,627.5 円 半乾籾の場合は 817.5 円 さらに機械乾燥籾を持ち込んだ場合は 600 円をいただいている 出資金も増資していただくが これは JA 本体に対する出資ではなく 個人もち分としての出資金の増資に充てる 1 俵 36 円を出資であて 1,000 円になった段階で個人の出資金に繰入をしていくということで進めていく 米以外の品目の施設利用事業で 資料に 選果場 とあるのは 果実だけでなくキノコや野菜も含めた選果場の運営だ 2014 年度の選果場の事業利益は約 939 万円の黒字となっているが 繰り越し剰余金は出さないことにしているので 事業収益分は全額生産者に配分してお返ししている 新規需要米等の取り組みについて加工用米は 全農出荷分の複数年契約と 地元の関連企業との単年契約がある 単年契約は マルモ青木味噌醤油醸造場 内堀醸造といった会社に 味噌 酢の加工用原料として加工用米を出荷している 備蓄米は 2015 年産については 440t 落札できた 飼料用米は 管内の流通が 307t 実際に牛に給与して 栄養 吸収 消化などの試験をするのに約 4t ブロイラーのエサとして 24t 契約している 全農の全国共計に相当の量を出荷する予定だったが 主食用米の面積が減少し 昨年の米価下落で 米以外のものをつくったほうがいい と生産者は他の転作に行ってしまったため 先月キャンセルさせていただいた 先般も農水省の課長が見えて 飼料米をもっと増やすよう話をされていたが 現実はそれどころでない 米による 6 次産業化にも取り組んでいる JA そのものがやる 大きな 6 次産業化 と 個々の農家が主体で JA はそれを支援する 小さな 6 字産業化 というふうに我々は区分けしている 大きな 6 次産業化 のひとつとして GABA 米生産をいますすめている テスト販売を首都圏のスーパーや生協などでやっているが なかなか思うようには進まない 精神安定効果がある GABA(γ アミノ酢酸 ) が胚芽の部分にあり これを付加することによって 精米しても GABA 成分が米の中に残ることが立証されている 美味しさ 食べやすさと機能性とを兼ね備えているのが GABA 米の特徴だ これについての新しい商品化をすすめている 施設の設置には 1 億円以上かかるため 総代会で議決はいただいているが まだ踏ん切りができていない状況で テスト販売をやりながら進めていく 米穀施設の収支構造改革は今後もずっと続くと思うが 米の価格などいろいろと状況が変わるため ご助言をいただきながら再編や収支構造改革を進めていきたいと思う 質疑応答 Q.1カントリーエレベーター等の整備については JA も必要性を感じながらも手を出していないのが現状 長野県のようにコンサルを行なう機構がないことも原因のひとつ 中央会や全農が提起していない状況にある 施設再編の取り組みについて 中央会はどのように関係したか? 再編の過程で JA の人材育成をどのようにすすめるか? 2A 案と B 案の前提条件の違いは何か? ( 下村 ) 米穀施設再編のコンサルは JA 長野県開発機構がもともと中央会がらみなので そこで収支の面はコンサルいただいた 実際に施設のなかに入って ここが傷んでいる ここを直さなければいけない この機械はもうだめだ という専門的なコンサルは 全農全国本部の農協施設課に依頼しないとできない このコンサルで 普段気がつかない劣化部分まで発見してもらった 非常に成果が出たと思っている A 案 B 案というのは いろいろなパターンを想定して 再編をどの程度にするのかといったことによって 実際には A 案 B 案どころではなく もっとたくさんのパターンがあった そのなかで最終的な収支をつくるために B 案を採用した 現実にはも - 5 -

っともっとたくさんのシミュレーションをして 最終的に残ったのが A 案 B 案だ Q. 廃止施設の周辺水稲農家のフォロー策は? ( 下村 ) 当たり前だが 非常に反対された 中間的に受ける場所 フレコンを置く場所と 段階的な整備をしないと理解は得られないので そんなことをしている 廃止した施設ではソバや大豆を受け入れるとか 1 ヵ所で検討しているがエサ米の対応にするとか 廃止しても施設は残っており固定資産税を払っているので 活用しなければと考えている ある 1 ヵ所では 受け入れはしないが保管だけするとか そういう臨機応変な対応をしていくことにしている 将来的には 確実に壊さなければいけないことはわかっているが なかなかそこまで見通したフォロー策を立てられないのが現状だ Q.1 販売先について 全農流通でない JA 独自の契約を行なっているのか? 2 最終精算は約 2 年後になるようだが 生産者からの反応はどうか? 3 個体 ( 紙袋 ) とカントリーの価格差が生じていることについての反応はどうか? 4GABA 米の今後の市場性をどう判断しているか? ( 下村 )1 JA 上伊那米 の売り先はすべて JA として決めているし 全農県本部とも相談しながらやっている 代金回収だが JA が担当者を置くよりも全農に代金回収をしてもらう JA 上伊那としては 全農の手数料は保険料と思えば安いコストだという見方をしているので 代金回収などについては 当然ながら県本部 全国本部を含めてお願いしている 2 昔は 3 年くらいかけて精算していた つまり 3 年くらいかけて販売していたということだ いまはそれでは長いということで 2 年くらいで精算し 最終精算は 1 度で終わりにしたいということでやっている 6 月の田植えのあとに前年の米代金が入ると 農家にとっては購買代金の支払いなどの資金繰りが非常によくなるということで この方式は異論を言われることは非常に少なく 制度的には良いのではないかと思っている 3カントリーと個体 ( 紙袋 ) の価格差は 袋代の差だ もうひとつは カントリーに入れると歩留まりが増えるので 計算した量よりも出荷量が増える 共同でモミすりをすると ほとんど 1 等に精米できるので 非常に歩留まりが増えてくる 最終的にその分の差が 施設のほうが有利に売れるということだ 単価的には同じでも量が増えるので バラ集荷 バラ出荷したほうが最終的には目方が出てくる その全部を生産者に配分するので 施設のほうがお金が入る仕掛けになっている 4GABA 米については 今度法律が変わって いわゆる特保ではない機能性表示食品ということが書けるようになるので GABA 米の機能性を PR できればさらに売れるのではないかと思っている いまのところ米の売り場においてあるが 今後は健康食品コーナーへ置くとか そういう販売をしていくことも考えている ( 司会 ) 低タンパク米とか機能性食品は これから需要が増えるし現実に増えているが 6 次産業化の問題と同じで どこに売るかということをきちんとやらないと失敗する可能性がある 需要があるということと確実に売れるということは別問題だ Q. 管内の飯島町では役場 農協 農業委員会でワンフロア化を早くから実践し 農地利用調整をはじめ 担い手育成 法人化などをやってきたが 管内の他町村でも同じことをやっているか? ( 下村 ) 飯島町を参考に 管内の全市町村に同じ仕組みをつくりあげるということで 協調しながらやっている - 6 -