家 畜 ふん 堆 肥 の 適 正 利 用 に 向 けた 堆 肥 と 畑 土 壌 地 力 窒 素 の 簡 易 測 定 ( 独 ) 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 資 源 循 環 溶 脱 低 減 研 究 チーム 加 藤 直 人 1. はじめに 2008 年 に 高 騰 した 肥 料 価 格 は 180 尿 素 2009 年 になってやや 落 ち 着 きを 160 リン 鉱 石 塩 化 カリ 140 リン 酸 二 安 見 せ 窒 素 とリン 酸 については 120 2007 年 1 月 の 価 格 水 準 程 度 まで 100 低 下 した( 図 1) 1) 80 しかし 将 来 60 にわたって 持 続 的 な 作 物 生 産 を 40 おこなうためには 肥 料 原 料 を 安 20 0 定 して 確 保 する 必 要 があり 肥 料 自 給 率 の 向 上 と 省 資 源 の 推 進 は 重 要 な 課 題 である 我 が 国 で 使 用 1) 図 1 肥 料 原 料 輸 入 価 格 ( 財 務 省 貿 易 統 計 より 作 図 ) されている 化 学 肥 料 の 多 くは 石 油 石 炭 天 然 ガス リン カリ 鉱 石 などの 海 外 資 源 に 依 存 しており 肥 料 自 給 率 はゼロに 近 いといっても 過 言 ではない リン 鉱 石 の 埋 蔵 基 礎 量 ( 将 来 技 術 の 進 歩 があれば 採 掘 可 能 となる 量 )は 500 億 トンあり 単 純 に 現 在 の 採 掘 量 で 除 して 耐 用 年 数 を 求 めると 300 年 以 上 になるので すぐに 枯 渇 する わけではない 2) しかし 先 進 国 において リン 酸 過 剰 となった 農 耕 地 土 壌 での 施 肥 量 削 減 やリサイクル 利 用 の 推 進 などによってリン 酸 消 費 量 の 増 加 を 抑 制 しなければ 2060 年 代 に は 経 済 的 に 採 掘 可 能 なリン 鉱 石 は 枯 渇 すると 試 算 されている 3) また これまでに 鉱 石 中 の リン 酸 含 有 量 は 10 年 当 たり 1%の 割 合 で 低 下 する 傾 向 が 認 められており 将 来 的 にはリ ン 酸 の 抽 出 や 不 純 物 の 除 去 に 高 度 な 技 術 が 必 要 となるのでリン 酸 肥 料 の 製 造 コストが 増 す と 懸 念 されている 一 方 粒 状 硫 安 のように 製 鉄 産 業 や 繊 維 産 業 において 副 産 物 として 生 産 されている 肥 料 は 生 産 量 がそうした 産 業 の 動 向 に 左 右 されやすい そこで 家 畜 ふん 堆 肥 等 の 国 内 有 機 性 資 源 に 含 まれる 肥 料 成 分 を 有 効 に 利 用 して 肥 料 自 給 率 を 向 上 させ 海 外 資 源 の 需 給 状 況 や 他 産 業 の 動 向 による 影 響 を 低 減 させることが 必 要 である 一 方 家 畜 排 せつ 物 の 管 理 の 適 正 化 及 び 利 用 の 促 進 に 関 する 法 律 の 施 行 により 堆 肥 化 施 設 が 整 備 された 現 在 畜 産 業 では 家 畜 ふん 堆 肥 の 流 通 利 用 の 促 進 が 喫 緊 の 課 題 となって いる また 雨 よけによる 堆 肥 製 造 や 副 資 材 使 用 量 の 減 少 により 堆 肥 中 肥 料 成 分 含 量 は 増 加 傾 向 にあり 肥 料 代 替 資 材 としてのポテンシャルは 増 大 している 日 本 で 生 産 されて 肥 料 原 料 輸 入 価 格 ( 千 円 /トン) 2007 年 1 月 2007 年 3 月 2007 年 5 月 2007 年 7 月 2007 年 9 月 2007 年 11 月 2008 年 1 月 2008 年 3 月 2008 年 5 月 2008 年 7 月 2008 年 9 月 2008 年 11 月 2009 年 1 月 2009 年 3 月 2009 年 5 月 2009 年 7 月 2009 年 9 月 2009 年 11 月
いる 家 畜 ふん 堆 肥 中 の 肥 料 成 分 含 量 の 平 均 値 に 目 安 の 肥 効 率 を 乗 じて 試 算 した 有 効 成 分 量 は 化 学 肥 料 内 需 に 対 して 窒 素 で 約 1/4 リン 酸 で 1/3 加 里 では 2/3 に 相 当 する( 図 2) 4) しかし 耕 種 農 家 の 経 験 に 基 づいた 堆 肥 利 用 が 行 われている 現 状 では これらの 有 効 成 分 が 必 ずしも 効 率 的 に 利 用 されている 50 化 学 肥 料 内 需 45 家 畜 ふん 堆 肥 の 有 効 成 分 わけではない 堆 肥 の 施 用 当 作 期 間 40 35 中 の 窒 素 肥 効 はリン 酸 や 加 里 に 比 べ 30 て 低 いため 窒 素 肥 効 を 主 体 に 考 え 25 20 た 施 用 量 ではリン 酸 や 加 里 が 過 剰 に 15 67% 10 37% なりやすい また 土 壌 改 良 効 果 を 5 26% 0 主 目 的 とした 施 用 でも 養 分 過 剰 を 招 窒 素 リン 酸 加 里 きやすくなっている こうした 背 景 図 2 家 畜 ふん 堆 肥 の 肥 料 資 源 利 用 のポテンシャル のもと 平 成 20 年 10 月 16 日 には 地 4) ( 金 澤 中 央 農 セ 研 報 より 算 出 作 図 ) 力 増 進 基 本 指 針 が 改 正 され 稲 ワラ 堆 肥 牛 ふん 堆 肥 豚 ぷん 堆 肥 バーク 堆 肥 ごとに 施 用 基 準 が 示 された( 官 報 号 外 第 226 号 ) 化 学 肥 料 の 場 合 有 効 成 分 量 が 保 証 され また 効 果 の 遅 速 に 関 する 情 報 も 提 供 されてお り 資 材 の 選 択 や 養 分 投 入 量 の 調 整 が 容 易 である しかし 家 畜 ふん 堆 肥 は 堆 肥 とい う 一 つの 言 葉 で 括 られてはいるが 肥 料 成 分 含 量 に 大 きな 幅 がある 極 めて 個 性 的 な 資 材 で ある 特 に 作 物 生 産 に 大 きな 影 響 をおよぼす 施 用 当 作 期 間 中 の 窒 素 肥 効 は 畜 種 副 資 材 などの 原 料 や 堆 肥 化 の 方 法 期 間 によって その 大 小 や 発 現 パターンが 著 しく 異 なる したがって 堆 肥 ごとに 窒 素 肥 効 を 評 価 する 必 要 がある しかし これまで 研 究 現 場 で 使 用 されてきた 培 養 法 では 堆 肥 の 窒 素 肥 効 を 評 価 するのに 長 期 間 を 要 するので その 結 果 を 施 肥 に 反 映 させることはできなかった そこで 堆 肥 の 施 用 当 作 の 窒 素 肥 効 を 簡 易 迅 速 に 評 価 できる 分 析 法 を 開 発 し 評 価 結 果 に 基 づいた 適 切 な 堆 肥 施 用 法 を 耕 種 農 家 に 示 す 必 要 がある 成 分 量 ( 万 トン/ 年 ) 2. 堆 肥 の 施 用 当 作 の 窒 素 肥 効 1) 開 発 した 分 析 法 の 概 要 実 用 技 術 開 発 事 業 農 業 環 境 規 範 に 適 合 する 家 畜 ふん 堆 肥 の 肥 効 評 価 システムの 確 立 ( 平 成 18 年 度 ~ 平 成 20 年 度 課 題 番 号 18053) において ( 独 ) 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 新 潟 県 農 業 総 合 研 究 所 畜 産 研 究 センター 岐 阜 県 農 業 技 術 センター 三 重 県 農 業 研 究 所 が 連 携 し 各 機 関 の 開 発 した 要 素 技 術 や 研 究 蓄 積 をベースとしつつ 分 析 法 の 徹 底 した 簡 便 化 と 迅 速 化 を 行 うことにより 堆 肥 の 窒 素 肥 効 分 析 法 を 確 立 した 5~9) 高 価 な 分 析 機 器 を 必 要 とせず 2 日 以 内 に 実 施 できるので 堆 肥 センターや 技 術 普 及 指 導 機 関 など で 分 析 を 行 い その 評 価 結 果 を 生 産 現 場 での 施 肥 に 反 映 させることが 可 能 である また 普 及 促 進 のため 分 析 操 作 を 解 説 した 字 幕 ナレーション 付 きの 動 画 や 分 析 法 の 概 要 説 明 のためのスライドを 作 成 した 5 9)
この 分 析 法 は 家 畜 ふん 堆 肥 の 施 用 当 作 の 窒 素 肥 効 を 堆 肥 に 含 まれる 有 機 物 の 分 解 特 性 と 無 機 態 窒 素 の 存 在 形 態 に 基 づいて 評 価 しており 施 用 直 後 から1ヶ 月 までの 間 に 効 果 が 期 待 できる 速 効 性 窒 素 と 1ヶ 月 から3ヶ 月 の 間 に 効 果 が 期 待 できる 緩 効 性 窒 素 とに 区 別 して 評 価 できることが 最 大 の 特 徴 である これによって 基 肥 窒 素 だけでなく 追 肥 窒 素 か らも 適 正 量 を 削 減 できるようになった 以 下 に 速 効 性 窒 素 と 緩 効 性 窒 素 について その 分 析 方 法 の 概 略 を 述 べる 詳 細 は Web(http://150.26.216.19/doc/manual.html)でも 公 開 し ている 分 析 法 マニュアル 9) を 参 照 されたい 鶏 ふん 堆 肥 牛 ふん 堆 肥 豚 ぷん 堆 肥 酢 酸 緩 衝 液 抽 出 塩 酸 抽 出 小 型 反 射 式 光 度 計 ヘ ルオキソ 分 解 ( 圧 力 鍋 ) 0.2AD 抽 出 ( 圧 力 鍋 ) COD パックテスト 過 マンカ ン 酸 カリウム 法 電 子 レンジ 水 分 ph5 抽 出 アンモニア 態 窒 素 無 機 態 窒 素 リン 酸 カリ 他 AD 可 溶 窒 素 AD 可 溶 有 機 物 図 3 家 畜 ふん 堆 肥 の 肥 料 成 分 窒 素 肥 効 分 析 法 の 概 略 AD: 酸 性 デタージェント COD: 化 学 的 酸 素 消 費 量 牛 ふん 堆 肥 と 豚 ぷん 堆 肥 の 場 合 は まず 0.5M 塩 酸 で 堆 肥 から 無 機 態 窒 素 を 抽 出 する( 図 3) この 無 機 態 窒 素 にはアンモニア 態 窒 素 硝 酸 態 窒 素 MAP(リン 酸 マグネシウムアンモ ニウム) 態 窒 素 が 含 まれる 6) MAP 態 窒 素 は 塩 酸 抽 出 後 アンモニア 態 窒 素 の 一 部 として 測 定 される 次 に 簡 易 デタージェント 分 析 により AD 可 溶 有 機 物 を 測 定 する この 簡 易 デタージェント 分 析 は 飼 料 分 析 で 使 用 される 酸 性 デタージェント 分 析 法 を 改 変 簡 便 化 した 方 法 であり AD 可 溶 有 機 物 は 微 生 物 によって 分 解 されやすい 易 分 解 性 有 機 物 の 指 標 となる 8) この 値 が 乾 物 当 たり 250mg/g 以 上 となる 場 合 は 施 用 後 に 窒 素 の 有 機 化 が 起 こり 続 いて 有 機 物 分 解 に 伴 う 窒 素 の 無 機 化 が 進 む 7) このような 場 合 には 簡 易 デタージェント 分 析 で 可 溶 化 する AD 可 溶 窒 素 を 測 定 する 8) 得 られた3つの 分 析 値 すなわち 無 機 態 窒 素 AD 可 溶 有 機 物 AD 可 溶 窒 素 から 表 1にしたがって 速 効 性 窒 素 と 緩 効 性 窒 素 を 推 定 す る 9) AD 可 溶 有 機 物 が 乾 物 当 たり 250mg/g 以 上 の 豚 ぷん 堆 肥 は 窒 素 肥 効 が 高 く またそ の 発 現 速 度 が 地 温 の 影 響 を 受 けやすいので 地 域 と 施 用 時 期 に 応 じた 補 正 係 数 を 用 いる AD 可 溶 有 機 物 が 乾 物 当 たり 250mg/g 未 満 の 堆 肥 は 塩 酸 抽 出 で 測 定 した 無 機 態 窒 素 を 速 効
表 1 家 畜 ふん 堆 肥 の 速 効 性 窒 素 と 緩 効 性 窒 素 の 算 出 法 性 窒 素 として 評 価 でき 緩 効 性 窒 素 は 無 視 できるほど 少 ないので AD 可 溶 窒 素 を 測 定 する 必 要 はない 副 資 材 を 含 まない 鶏 ふん 堆 肥 には アンモニア 態 窒 素 MAP 態 窒 素 尿 酸 態 窒 素 尿 酸 と 結 合 したアンモニアが 含 まれ これらが 窒 素 肥 効 の 主 体 となる 堆 肥 の 全 窒 素 含 量 (T-N %) が 判 明 している 場 合 には 表 1の 経 験 式 により 速 効 性 と 緩 効 性 を 併 せた 窒 素 肥 効 を 推 定 で きる 全 窒 素 含 量 が 不 明 な 場 合 は 前 述 の4つの 形 態 の 窒 素 量 の 合 計 を 求 める 必 要 がある 尿 酸 を 直 接 測 定 するのは 手 間 がかかるので 塩 酸 抽 出 のアンモニア 態 窒 素 から 酢 酸 緩 衝 液 抽 出 のアンモニア 態 窒 素 を 差 し 引 いて 尿 酸 態 窒 素 を 推 定 する 塩 酸 抽 出 のアンモニア 態 窒 素 と 尿 酸 態 窒 素 の 合 計 が 速 効 性 窒 素 となる なお 副 資 材 を 含 まない 鶏 ふん 堆 肥 の 緩 効 性 窒 素 は 一 律 に 2kg/ton( 乾 物 当 たり)とした なお いずれの 畜 種 でも 塩 酸 抽 出 によって 堆 肥 に 含 まれるリン 酸 カリウム カルシ ウム マグネシウムのほぼ 全 量 が 抽 出 されるので これらの 成 分 量 を 併 せて 測 定 すること ができる 2) 栽 培 試 験 による 検 証 本 分 析 法 によって 堆 肥 の 窒 素 肥 効 とその 他 の 肥 料 成 分 量 を 把 握 し それに 相 当 す る 化 学 肥 料 を 削 減 して キャ 費 用 ( 円 /10a) 20,000 15,000 10,000 5,000 堆 肥 購 入 散 布 費 化 学 肥 料 費 結 球 重 1600 1200 800 400 結 球 重 (g/ 株 ) ベツや 水 稲 などを 農 家 圃 場 で 栽 培 した すなわち 堆 肥 の 有 効 成 分 を 利 用 した 減 化 学 肥 料 栽 培 を 実 証 し 本 分 析 0 0 化 学 肥 料 慣 行 牛 ふん 1トン 併 用 豚 ぷんA 0.5トン 併 用 豚 ぷんB 0.5トン 併 用 法 の 生 産 現 場 への 適 用 性 を 検 証 した その 結 果 キャベツでは 慣 行 栽 培 並 みの 収 量 が 維 持 図 4 堆 肥 の 窒 素 肥 効 評 価 に 基 づく 秋 作 キャベツの 減 化 学 肥 料 栽 培 化 学 肥 料 の 成 分 kg 当 たり 単 価 を 窒 素 220 円 リン 酸 450 円 加 里 190 円 堆 肥 1トンを 5000 円 散 布 費 用 を 3000 円 とした 場 合 ( 石 岡 ら H20 年 度 5) 研 究 成 果 情 報 より 作 図 )
され 施 肥 コストの 節 減 効 果 も 期 待 された( 図 4) 5) 従 来 のように 堆 肥 を 化 学 肥 料 に 上 乗 せして 施 用 すると 堆 肥 の 購 入 散 布 費 用 がかかり 増 しになり このことが 堆 肥 の 利 用 を 妨 げる 一 つの 要 因 となる しかし 有 効 成 分 量 を 明 確 にして 適 正 量 を 減 肥 すれば コスト 面 も 改 善 される キャベツよりも 精 緻 な 窒 素 制 御 が 要 求 されるコシヒカリなどの 水 稲 栽 培 においても 倒 伏 程 度 や 玄 米 タンパク 濃 度 を 高 めることなく 慣 行 と 同 等 の 収 量 が 得 られ ることが 確 認 されている 3) 窒 素 肥 効 の 特 徴 に 基 づく 堆 肥 の 選 択 本 分 析 法 の 開 発 により 堆 肥 の 施 用 当 作 期 間 中 の 窒 素 肥 効 の 特 徴 を 把 握 することが 可 能 となった そこで 窒 素 肥 効 の 大 小 や 発 現 パターンに 応 じて 堆 肥 を6つのグループに 仕 分 けし 2)で 述 べた 栽 培 実 証 結 果 などに 基 づき 窒 素 肥 効 の 有 効 利 用 と 環 境 保 全 の 観 点 から それぞれのグループごとに 推 奨 すべき 堆 肥 の 利 用 場 面 や 施 用 方 法 を 水 稲 と 露 地 野 菜 につい て 整 理 した( 図 5) 10) これにより 耕 種 農 家 が 対 象 作 物 や 施 用 時 期 に 応 じて 堆 肥 を 選 択 して 窒 素 肥 効 パターン 横 軸 : 施 用 後 日 数 縦 軸 : 無 機 態 窒 素 量 望 ましい 施 用 法 ADOM<250 緩 効 性 窒 素 がないので すべての 作 物 で 利 用 しやすい 塩 酸 抽 出 無 機 態 窒 素 が 多 い 場 合 は 基 肥 窒 素 を 削 減 ただし 水 稲 作 では 硝 酸 態 窒 素 は 脱 窒 により 損 失 するので 施 肥 設 計 時 に 考 慮 しない( 各 堆 肥 共 通 ) 堆 肥 毎 に 異 なる 窒 素 肥 効 パターン 分 析 に よ る グ ル ー プ 分 け 0 30 60 90 ADOM 250 C/N<18 0 30 60 90 ADOM 250 C/N 18 0 30 60 90 ADOM<250 0 30 60 90 ADOM 250 窒 素 肥 効 の 有 効 利 用 の 観 点 から 水 稲 作 での 秋 施 用 はなるべく 避 ける また 有 機 化 による 生 育 抑 制 が 起 きやすい 短 期 葉 菜 類 での 利 用 は 避 け る すぐには 再 無 機 化 しないので 水 稲 の 秋 施 用 や 中 長 期 野 菜 で 土 壌 物 理 性 改 善 に 利 用 する すべての 作 物 で 利 用 可 能 だが 速 効 性 窒 素 が 多 いので 基 肥 窒 素 を 削 減 する また 窒 素 肥 効 の 有 効 利 用 の 観 点 から 水 稲 作 での 秋 施 用 は なるべく 避 ける 短 期 葉 菜 類 での 利 用 は 避 け 中 長 期 の 葉 根 菜 に 利 用 する 水 稲 作 で 春 施 用 する 場 合 は 有 機 化 による 初 期 生 育 抑 制 を 防 ぐため 基 肥 窒 素 代 替 率 を 暖 地 でも50% 以 下 とする 秋 施 用 は 避 ける 0 30 60 90 副 資 材 なし すべての 作 物 で 利 用 可 能 であるが 速 効 性 窒 素 が 多 い 堆 肥 では その 有 効 利 用 と 環 境 保 全 の 面 から 水 稲 作 での 秋 施 用 は 避 ける 温 暖 条 件 で は 施 用 2ヶ 月 以 降 に 発 現 する 窒 素 肥 効 はない 0 30 60 90 図 5 窒 素 肥 効 評 価 結 果 に 基 づく 堆 肥 のグルーピングと 望 ましい 施 用 法 10) ADOM: 酸 性 デタージェント 可 溶 有 機 物 (mg/gdm) 利 用 することができるようになる また 畜 産 側 では 堆 肥 の 販 売 戦 略 への 活 用 が 期 待 され る 土 壌 養 分 状 態 と 対 象 品 目 に 適 した 資 材 の 選 択 は 施 肥 の 基 本 であり 家 畜 ふん 堆 肥 に ついても 肥 効 の 特 徴 に 応 じた 利 用 が 望 まれる
4) 適 正 施 肥 設 計 システム 3)で 述 べたように この 分 析 法 によって 堆 肥 の 有 効 成 分 を 利 用 した 減 肥 栽 培 が 可 能 と なるが 生 産 現 場 に 普 及 させるためには 併 用 する 化 学 肥 料 の 適 正 な 施 用 量 を 手 軽 に 計 算 できるシステムが 必 要 である また 堆 肥 の 所 在 情 報 と 窒 素 肥 効 などの 特 徴 やそれに 応 じ た 適 切 な 利 用 方 法 を 耕 種 農 家 に 伝 えることも 重 要 である そこで これらの 機 能 を 有 する 堆 肥 カルテシステム を 構 築 し 体 験 版 として Web 上 で 公 開 している 5) 筆 者 が 所 属 する 研 究 チームのホームページ(http://narc.naro.affrc.go.jp/soshiki/isfmrt/index.html) からアクセスできる このシステム には 全 国 から 収 集 した 約 600 点 の 堆 肥 分 析 データが 収 録 されており 堆 肥 を 選 択 し 施 用 量 を 入 力 すれば 有 効 成 分 の 投 入 量 が 表 示 され 施 肥 基 準 を 入 力 すると 併 用 すべき 化 学 肥 料 の 施 肥 量 が 自 動 計 算 される ただ し 体 験 版 であるため システムへ の 入 力 値 は 保 存 されず また 堆 肥 の 所 在 に 関 する 情 報 も 提 示 されない 今 後 各 地 域 で 品 目 毎 の 施 肥 基 準 や 堆 肥 の 所 在 情 報 地 温 などのデータ 写 真 1 堆 肥 カルテシステムのトップ 画 面 ベースを 含 む 実 用 的 システムを 構 築 することが 望 まれるが 堆 肥 カルテシステムをベースに 開 発 すれば 安 価 に 構 築 できる こ うしたシステムの 開 発 が 進 んでいる 三 重 県 では 県 が 実 用 化 した 土 壌 診 断 堆 肥 流 通 支 援 システムに 堆 肥 カルテシステムの 機 能 を 導 入 し 三 重 県 版 堆 肥 カルテシステム として 公 開 実 証 中 である(http://202.78.248.200/taihi/) 3. 連 用 に 伴 う 地 力 窒 素 の 増 加 堆 肥 には 施 用 当 作 期 間 中 に 肥 効 を 示 さず 土 壌 に 残 存 し 次 作 以 降 にゆっくりと 有 効 化 する 窒 素 ( 遅 効 性 窒 素 )が 多 く 含 まれる このため 堆 肥 施 用 は 地 力 窒 素 の 維 持 向 上 に 役 立 つが 地 力 窒 素 が 必 要 以 上 に 高 まると 過 繁 茂 倒 伏 などの 栽 培 上 の 問 題 や 硝 酸 による 地 下 水 汚 染 などの 環 境 面 の 問 題 が 生 じる 図 6に 黒 ボク 土 畑 で 年 2 作 の 露 地 野 菜 栽 培 を 10 年 間 継 続 した 場 合 の 深 さ 1m の 土 壌 水 中 の 硝 酸 態 窒 素 濃 度 を 示 した 11) 豚 ぷん 堆 肥 に 含 ま れる 窒 素 の 肥 効 を 化 学 肥 料 の 50%と 仮 定 して 施 肥 窒 素 の 全 量 を 堆 肥 で 賄 う 栽 培 を 続 けると 3 年 後 から 硝 酸 態 窒 素 濃 度 が 上 昇 し 6 年 目 以 降 は 化 学 肥 料 と 同 等 となる つまり 化 学 肥 料 と 同 様 に 家 畜 ふん 堆 肥 も 利 用 方 法 を 間 違 えば 地 下 水 汚 染 を 招 く 可 能 性 がある そこで 地 力 窒 素 の 多 少 に 応 じた 窒 素 施 肥 や 堆 肥 施 用 が 必 要 となる なお 堆 肥 を 施 用 した 場 合 に
も 硝 酸 態 窒 素 の 溶 脱 を 予 測 できるシミュレーションモデルを 開 発 しており 図 6に その 予 測 値 を 実 線 で 示 した 深 さ 1mの 土 壌 溶 液 硝 酸 態 窒 素 濃 度 (mg L -1 ) 80 60 40 20 化 学 肥 料 豚 ぷん 堆 肥 0 94/4/1 95/4/ 1 96/4/1 97/4/1 98/4/1 99/4/1 00/4/1 01/4/1 02/4/1 03/4/1 04/4/1 図 6 黒 ボク 土 畑 における 硝 酸 態 窒 素 の 地 下 浸 透 と は それぞれ 豚 ぷん 堆 肥 40kgN/10a 施 用 化 学 肥 料 20kgN/10a 施 用 の 場 合 の 実 測 値 赤 線 青 線 はモデルによる 予 測 値 トウモロコシ-ハクサイの 年 2 作 体 系 ( 前 田 ら 平 成 19 年 度 共 通 基 盤 研 究 成 果 情 報 より) 堆 肥 の 遅 効 性 窒 素 は 堆 肥 の 分 解 特 性 だけではなく 土 壌 条 件 気 象 条 件 等 の 影 響 を 受 けるため 堆 肥 の 分 析 値 から 予 測 することは 難 しい そこで 遅 効 性 窒 素 については 土 壌 診 断 で 対 応 することとし 土 壌 の 可 給 態 窒 素 ( 地 力 窒 素 の 指 標 )を 手 軽 に 測 定 できる 方 法 を 開 発 した 可 給 態 窒 素 は これまで 30 で4 週 間 土 壌 を 培 養 して 測 定 されていたため 分 析 に 時 間 と 手 間 がかかり 一 般 的 には 土 壌 診 断 の 分 析 項 目 に 含 まれていない そこで 土 壌 に 80 のお 湯 を 加 えて 16 時 間 保 温 し 有 機 物 を 抽 出 する 簡 便 な 方 法 を 開 発 した 12) 実 験 設 備 の 整 っていない 普 及 センター 等 では 抽 出 液 の 化 学 的 酸 素 消 費 量 (COD)を 市 販 の 水 質 検 査 用 簡 易 測 定 キットを 用 いて 反 応 色 で 可 給 態 窒 素 を 簡 易 判 定 する 13) 研 究 所 や 分 析 機 関 では 抽 出 液 のⅰ) 溶 存 有 機 態 炭 素 ⅱ) 有 機 態 窒 素 +アンモニア 態 窒 素 増 加 量 ⅲ)COD のいずれか を 測 定 して 推 定 する 12 13) 80 の 熱 処 理 によって 有 機 物 の 一 部 が 分 解 し アンモニア 態 窒 素 が 増 加 するので ⅱ)のケースではその 増 加 量 を 有 機 態 窒 素 抽 出 量 に 加 算 して 評 価 する 最 も 測 定 精 度 が 高 いのはⅰ)であるが COD 簡 易 測 定 でも 可 給 態 窒 素 の 多 少 を 判 定 できる この 簡 易 判 定 法 には 次 のような 特 徴 がある 1 理 化 学 薬 品 を 使 用 せず 身 近 な 道 具 のみで 実 施 できる( 写 真 2) 2 毒 劇 物 試 薬 を 使 用 しないので 薬 品 管 理 や 廃 液 処 理 の 必 要 がない
3 初 期 投 資 18,000 円 程 度 土 壌 1 点 当 たり 150 円 程 度 と 安 価 4 生 土 を 分 析 しても 風 乾 土 の 分 析 と 同 等 の 可 給 態 窒 素 分 析 値 ( 乾 土 換 算 )が 得 られる 5 一 晩 で 判 定 できる 6 畑 土 壌 であれば 広 範 な 種 類 の 土 壌 に 適 用 できる したがって 生 産 者 が 自 宅 で 簡 易 判 定 することも 可 能 と 考 えているが 普 及 センター 等 に 写 真 2の 道 具 と 恒 温 乾 燥 機 などを 整 備 し 分 析 結 果 に 基 づく 施 肥 指 導 を 受 けながら 実 施 する 方 式 が 望 ましい いずれにしても 生 産 者 自 らが 分 析 し 地 力 窒 素 の 多 少 や 肥 培 管 理 に 伴 う 変 化 を 実 感 していただくことが 重 要 と 考 えている 具 体 的 な 操 作 方 法 は 別 添 資 料 に 示 したが 同 一 資 料 (カラー 刷 り)を 前 出 の 研 究 チーム ホームページからダウンロードできる より 詳 細 なマニュアル 冊 子 の 配 付 も 計 画 中 である なお 本 法 は 転 換 畑 を 含 む 水 田 土 壌 では 推 定 精 度 が 低 くなるので 当 面 畑 土 壌 限 定 で 使 用 する 写 真 2 分 析 に 使 う 道 具 ( 普 及 センターや 生 産 者 向 け) ミネラルウォーター 電 子 天 秤 キッチンタイマー 簡 易 COD 測 定 キット ろ 紙 塩 抽 出 容 器 チャック 付 きポリ 袋 コップ スプーン 分 析 する 土 壌 4. 適 正 利 用 推 進 に 向 けた 今 後 の 課 題 以 上 で 述 べたように 堆 肥 の 窒 素 肥 効 については ある 程 度 の 評 価 ができる 分 析 体 系 を 構 築 できたと 考 えるが さらに 検 討 すべき 問 題 も 残 っている 1) 一 部 の 畜 産 農 家 で 製 造 されている 密 閉 縦 型 発 酵 装 置 による 牛 ふん 堆 肥 と 副 資 材 の 混 合 割 合 が 多 い 鶏 ふん 堆 肥 については 未 検 討 今 後 これらについても 対 応 できるようにす る 必 要 がある
2) 本 研 究 で 対 象 とした 作 物 種 品 種 作 型 や 土 壌 は 限 られているので 栽 培 試 験 によ る 検 証 を 各 地 域 で 実 施 する 必 要 がある 速 効 性 窒 素 を 施 用 直 後 から1ヶ 月 までの 間 に 効 果 が 期 待 できる 窒 素 とし 緩 効 性 窒 素 を1ヶ 月 から3ヶ 月 の 間 に 効 果 が 期 待 できる 窒 素 と 定 義 したが 施 肥 設 計 に 反 映 させる 際 には 各 作 物 の 追 肥 時 期 に 応 じて 柔 軟 に 対 応 する 必 要 がある すなわち 本 研 究 でも AD 可 溶 有 機 物 が 250mg/g 以 上 の 豚 ぷん 堆 肥 を 施 用 して 水 稲 を 栽 培 する 場 合 幼 穂 形 成 期 までに 堆 肥 から 発 現 する 窒 素 を 基 肥 窒 素 から 削 減 し 幼 形 期 から 収 穫 期 までに 発 現 する 窒 素 を 穂 肥 から 減 じて 栽 培 実 証 を 行 った こうした 対 応 方 法 を 含 めて 果 菜 類 など 未 検 討 の 作 物 での 栽 培 試 験 が 行 われることを 期 待 したい 3) 土 壌 可 給 態 窒 素 の 評 価 については 今 後 水 田 土 壌 用 の 簡 易 判 定 法 を 開 発 する 必 要 がある これについては 当 研 究 チームで 引 き 続 き 検 討 中 である 4) 堆 肥 のリン 酸 肥 効 についても 十 分 に 解 明 されていない リン 酸 肥 効 は 堆 肥 の 畜 種 副 資 材 製 造 方 法 などで 異 なり 畜 種 については 肉 用 牛 ふん 堆 肥 は 乳 用 牛 ふん 堆 肥 よりも 副 資 材 については 植 物 残 渣 は 木 質 系 資 材 よりも 水 や 重 炭 酸 ナトリウム 溶 液 に 可 溶 のリン 酸 割 合 が 多 いと 報 告 されているが 14) 実 際 の 肥 効 との 関 連 性 については さら に 検 討 が 必 要 である リン 酸 肥 効 は 土 壌 の 種 類 特 性 植 物 気 象 条 件 などによって 影 響 を 受 けやすいと 予 想 され また 有 機 物 による 土 壌 のリン 酸 固 定 の 抑 制 効 果 をどのように 整 理 すべきかなど 検 討 すべき 課 題 は 多 い また 最 近 では 飼 料 に 添 加 するリン 酸 量 が 減 少 したことが 背 景 となり 堆 肥 中 のリン 酸 含 有 率 に 低 下 傾 向 が 認 められると 報 告 されてお り 15) こうした 情 勢 も 含 めて 実 態 を 明 らかにする 必 要 がある 5) 速 効 性 窒 素 が 多 い 堆 肥 では 施 用 時 期 の 適 正 化 も 重 要 である 堆 肥 の 散 布 から 栽 培 開 始 までの 期 間 が 長 いと 堆 肥 中 の 窒 素 が 溶 脱 脱 窒 などによって 失 われ 期 待 通 りの 肥 効 が 得 られず また 環 境 負 荷 の 原 因 になる 可 能 性 がある 堆 肥 には 特 殊 肥 料 と 土 壌 改 良 資 材 の 二 面 性 があるが これまでは 土 壌 改 良 効 果 に 重 点 が 置 かれ 耕 種 農 家 にも 堆 肥 は 土 づくり 資 材 という 認 識 が 根 強 く 残 っている 窒 素 肥 効 の 高 い 堆 肥 では こうした 認 識 を 改 め 施 用 時 期 の 適 正 化 を 図 ることも 必 要 である 6) 肥 効 の 明 確 化 は 堆 肥 中 肥 料 成 分 の 有 効 利 用 に 向 けた 大 きな 一 歩 ではあるが それだ けでは 堆 肥 の 適 正 利 用 が 飛 躍 的 に 進 むとは 考 えにくい 養 分 バランスや 散 布 方 法 の 改 善 な ど 堆 肥 の 肥 料 的 価 値 を 高 め 耕 種 農 家 が 利 用 しやすい 資 材 に 改 良 することも 必 要 である 上 記 の 課 題 のうち 3)~6)については 昨 年 度 から 開 始 された 農 林 水 産 省 委 託 プロジ ェクト 研 究 地 域 内 資 源 を 循 環 利 用 する 省 資 源 型 農 業 確 立 のための 研 究 開 発 で 検 討 され ている 引 用 文 献 1) 財 務 省 貿 易 統 計 (2007~2009) http://www.customs.go.jp/toukei/info/index.htm 2) 原 田 靖 生 わが 国 におけるリンの 需 要 と 循 環 利 用 の 方 策 平 成 20 年 度 関 東 東 海 土 壌 肥 料 部 会 秋 季 研 究 会 資 料 リン 酸 肥 料 資 源 の 確 保 と 効 率 的 利 用 技 術 の 現 状 と 展 開 中 央
農 業 総 合 研 究 センター p.1-9 2008. 3) 黒 田 章 夫 リン 資 源 枯 渇 の 危 険 予 測 とそれに 対 応 したリン 有 効 利 用 技 術 開 発 環 境 バ イオテクノロジー 学 会 誌 4 p.87-94 2005. 4) 金 澤 健 二 都 道 府 県 の 施 肥 基 準 値 及 び 堆 肥 の 施 用 基 準 値 のデータベース 並 びに 作 物 の 収 穫 物 の 養 分 含 有 率 のデータベースとその 利 用 法 中 央 農 研 センター 研 究 報 告 12 号 p.27-50 2009. 5) 石 岡 厳 ら 新 たな 窒 素 肥 効 分 析 法 に 基 づいた 家 畜 ふん 堆 肥 の 施 用 支 援 ツール 平 成 20 年 度 共 通 基 盤 研 究 成 果 情 報 6) 棚 橋 寿 彦 ら 牛 ふん 堆 肥 豚 ぷん 堆 肥 中 のリン 酸 マグネシウムアンモニウムの 存 在 とそ の 評 価 のための 抽 出 法 土 壌 肥 料 学 雑 誌 81(4) p.329~335 2010 7) 棚 橋 寿 彦 ら 酸 性 デタージェント 可 溶 有 機 物 と 無 機 態 窒 素 を 指 標 とした 牛 ふん 堆 肥 豚 ぷん 堆 肥 の 窒 素 肥 効 評 価 土 壌 肥 料 学 雑 誌 81(4) p.329~335 2010 8) 小 柳 渉 ら 酸 性 デタージェント 可 溶 窒 素 による 牛 ふん 堆 肥 および 豚 ぷん 堆 肥 の 窒 素 肥 効 評 価 土 壌 肥 料 学 雑 誌 81(2) p.144~147 2010 9) 実 用 技 術 開 発 事 業 18053 マニュアル 作 成 委 員 会 家 畜 ふん 堆 肥 の 肥 料 成 分 窒 素 肥 効 評 価 マニュアル p.1~172 2010 10) 加 藤 直 人 ら 施 用 当 作 の 窒 素 肥 効 からみた 推 奨 すべき 家 畜 ふん 堆 肥 の 施 用 法 土 肥 学 会 講 要 55 p.156 2009. 11) 前 田 守 弘 ら 畑 地 における 窒 素 溶 脱 解 析 ツール SOILN-jpn の 開 発 平 成 19 年 度 共 通 基 盤 研 究 成 果 情 報 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 2007 12) 上 薗 一 郎 ら 日 本 の 畑 土 壌 に 対 する 80 16 時 間 水 抽 出 法 による 可 給 態 窒 素 簡 易 評 価 法 の 適 用 土 壌 肥 料 学 雑 誌 81(1) p.39-43 2010 13) 上 薗 一 郎 ら 80 16 時 間 水 抽 出 液 の COD 簡 易 測 定 による 畑 土 壌 可 給 態 窒 素 含 量 の 迅 速 評 価 土 壌 肥 料 学 会 誌 81(3) p.252~255 2010 14) 横 田 剛 ら 製 造 条 件 の 異 なる 牛 ふん 堆 肥 の 無 機 態 リン 酸 組 成 土 壌 肥 料 学 雑 誌 74(2) p.133-140 2003. 15) 村 上 圭 一 ら 三 重 県 内 で 生 産 された 鶏 ふん 堆 肥 の 成 分 特 性 土 壌 肥 料 学 雑 誌 80(2) p.165-167 2009.
別 添 資 料 はじめに 畑 土 壌 可 給 態 窒 素 の 簡 易 迅 速 評 価 法 ( 独 ) 農 研 機 構 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 資 源 循 環 溶 脱 低 減 研 究 チーム 施 肥 の 基 本 は 土 壌 に 不 足 する 養 分 を 適 切 な 時 期 に 適 切 な 方 法 で 適 量 施 用 することです したがって 土 壌 診 断 をおこなって 土 壌 の 養 分 状 態 を 知 ることが 適 正 施 肥 の 第 一 歩 となります なかでも 土 壌 からゆっくりと 作 物 に 供 給 される 窒 素 ( 地 力 窒 素 )は 土 壌 の 作 物 生 産 力 を 左 右 する 重 要 な 診 断 項 目 の 一 つです 堆 肥 などの 有 機 質 資 材 を 施 用 して 地 力 窒 素 を 維 持 向 上 させることは 大 切 ですが 地 力 窒 素 が 必 要 以 上 に 高 まると 過 繁 茂 倒 伏 などによって 食 味 品 質 の 低 下 を 招 いたり 硝 酸 による 地 下 水 汚 染 の 危 険 が 増 加 します そこで 地 力 窒 素 の 多 少 に 応 じた 窒 素 施 肥 や 有 機 物 施 用 が 必 要 になり ます 土 壌 診 断 をしてもらったけど... 地 力 窒 素 はわからない!? しかし 地 力 窒 素 の 指 標 として 使 用 されている 可 給 態 窒 素 ( 地 力 増 進 基 本 指 針 における 普 通 畑 の 目 標 値 : 乾 土 100g 当 たり5mg 以 上 )は 土 壌 を4 週 間 培 養 して 測 定 するので 結 果 を 得 るまでに 時 間 がかかり また 操 作 も 簡 単 ではありません そこで 多 くの 簡 易 推 定 法 が 提 案 されてきましたが 土 壌 の 種 類 によっ ては 使 用 できないことや 高 価 な 分 析 機 器 が 必 要 であるなど 汎 用 性 利 便 性 に 問 題 がありました このため 可 給 態 窒 素 を 分 析 項 目 に 含 めて いる 土 壌 分 析 機 関 は 少 なく 地 力 窒 素 を 知 りたいという 生 産 者 のニーズ に 応 えることができませんでした
そこで 土 壌 の 種 類 の 違 いや 堆 肥 を 連 用 した 土 壌 にも 適 用 でき また 普 及 センターや 土 壌 分 析 機 関 あるいは 生 産 者 自 らが 簡 単 に 操 作 できる 畑 土 壌 可 給 態 窒 素 の 簡 易 判 定 法 を 開 発 しました 開 発 した 分 析 法 の 概 要 土 壌 に80 のお 湯 を 注 ぎ 16 時 間 保 温 して 抽 出 した 有 機 物 量 から 可 給 態 窒 素 量 を 推 定 する 方 法 です 畑 から 土 壌 を 採 取 土 壌 ( 風 乾 土 3g あるいは 生 土 4g)を 容 器 に 量 り 取 る 80 のお 湯 を 加 える 80 で16 時 間 保 温 する 塩 を 加 えて ろ 過 し 土 壌 粒 子 を 除 いた 溶 液 を 得 る 生 産 者 むけ 土 壌 診 断 機 関 むけ ( 詳 細 は4ページ) ( 詳 細 は5ページ) 溶 液 の COD ( 化 学 的 酸 素 溶 液 中 の 窒 素 量 あるいは 消 費 量 ) を 市 販 の 簡 易 測 定 溶 存 有 機 態 炭 素 量 を 測 定 キットを 用 いて 色 で 判 定 COD 簡 易 測 定 キット TOC TN 測 定 機 器
開 発 した 分 析 法 の 特 徴 と 注 意 点 1この 方 法 は 広 範 な 種 類 の 土 壌 や 堆 肥 連 用 土 壌 にも 使 えます ただし 転 換 畑 を 含 む 水 田 土 壌 では 精 度 が 悪 くなりますので 畑 土 壌 限 定 で 使 用 して 下 さい 水 田 土 壌 については 現 在 検 討 中 です 2 温 度 や 抽 出 時 間 を 変 えると 結 果 も 異 なります 80 16 時 間 は できるだけ 正 確 に 守 って 下 さい 16 時 間 保 温 抽 出 は 可 能 であれば 温 度 調 節 機 能 付 きの 乾 燥 機 などをご 利 用 下 さい 電 気 ポットを 使 用 する 場 合 は 4ページの 注 意 書 きに 従 って 下 さい なお 電 気 ポット 製 造 メーカーでは 水 以 外 のものを 入 れた 場 合 に 火 傷 や 故 障 の 危 険 があると 注 意 して いますので ご 留 意 下 さい 3 未 風 乾 土 ( 生 土 )でも 風 乾 土 と 同 じ 結 果 が 得 られますので 急 ぐときに は 風 乾 調 整 をせずに 実 施 できます したがって 土 壌 を 採 取 した 翌 日 には 判 定 することができます ただし 土 壌 に 含 まれる 石 や 太 い 根 は 取 り 除 いてから 実 施 して 下 さい 4 理 化 学 機 器 を 使 わずに 身 近 な 道 具 のみで 行 うこともできます また 毒 劇 物 薬 品 を 使 用 しないので 廃 液 処 理 の 必 要 はありま せん COD 測 定 用 の 簡 易 測 定 キットや 遠 沈 管 は イ ンターネット 販 売 などで 入 手 可 能 です 簡 易 測 定 キットの 使 い 方 は その 取 り 扱 い 説 明 書 に 従 って 下 さい CODの 測 定 では 反 応 時 間 ( 溶 液 を 吸 入 してから 色 を 判 定 するまでの 時 間 )は 必 ず 守 って 下 さい また 直 射 日 光 の 当 たらない15~25 の 室 温 で 行 って 下 さい 5 抽 出 や 希 釈 には CODがゼロの 水 を 使 用 します 井 戸 水 や 水 道 水 は 使 用 できません CODがゼロの 水 としては 蒸 留 水 や 市 販 のミネラル ウォーターがあります ただし 使 用 する 前 に 必 ずCODがゼロであるこ とを 確 認 して 下 さい 6ろ 過 の 直 前 に 加 える 塩 化 カリは 食 卓 塩 で 代 用 できますが これも 使 用 する 水 に 溶 かしてCODがゼロになることを 事 前 に 確 認 して 下 さい 土 壌 診 断 機 関 の 方 へ 80 16 時 間 加 熱 処 理 しても 硝 酸 態 窒 素 量 は 変 化 しませんので この 方 法 で 得 られる 抽 出 液 を 用 いて 土 壌 の 硝 酸 態 窒 素 量 を 測 定 できます た だし アンモニア 態 窒 素 は80 の 処 理 によって 増 加 しますので 土 壌 の アンモニア 態 窒 素 は 別 途 塩 化 カリウム 抽 出 法 によって 測 定 して 下 さい
畑 の 地 力 を 家 で 測 ってみよう 生 産 者 むけ 6 1 2 測 定 に 必 要 な 道 具 9 7 10 3 8 5 4 80 保 温 機 能 付 き 電 気 ポット 1キッチンスケール( 最 小 表 示 0.1g) 2 時 計 (ストップウォッチ) 350ml 容 ネジ 蓋 付 き 抽 出 容 器 (80 耐 熱 性 目 盛 り 付 きが 良 い 写 真 は 遠 沈 管 ) 4カップ 5スプーン 6 水 (ミネラルウォーター) 7ろ 紙 1 枚 8チャック 付 ポリ 袋 1 枚 9COD 簡 易 測 定 キット チューブ2 本 10 塩 化 カリウム( 食 卓 塩 ) 0.3g 土 壌 初 期 投 資 18,000 1 点 当 たりの 分 析 費 用 150 1 日 目 ( 夕 方 5 時 頃 保 温 開 始 ) 1 電 気 ポッ トで 80 のお 湯 を 沸 かす 80 2 抽 出 容 器 に 測 定 する 試 料 の 名 前 を 書 く 3 土 壌 をはかり 抽 出 容 器 にいれる 風 乾 土 は3.0g, 生 土 なら4.0g やけどに 注 意! カップを 使 いましょう 450mlの 目 盛 りまで お 湯 を 注 ぐ 80 に 設 定 した 通 風 恒 温 乾 燥 機 でもOK 5しっかり 蓋 をし, 約 30 秒 間 激 しく 振 り 6 袋 に 入 れ, 空 気 を 抜 き,チャックを 混 ぜる した 後, 紐 でしばってお 湯 (80 ) の 入 ったポットにいれて 一 晩 おく よく 混 ぜないと, 測 定 値 が 低 く なります! チャック 確 認! ポット 内 汚 れ 防 止 満 水 目 盛 りを 超 えないように! 注 意 ポリ 袋 がポットの 蒸 気 口 をふさぐと, 不 意 に 湯 が 排 出 され,やけどや 故 障 のおそれがあります このため, 容 器 を 入 れたポリ 袋 の 空 気 を 抜 いた 後 に,ヒモで 縛 り, 電 気 ポットに 入 れたときにポリ 袋 の 上 端 が 満 水 目 盛 を 超 えないように 湯 量 を 調 整 してください 2 日 目 ( 翌 朝 9 時 頃 に 保 温 終 了 :16 時 間 ) 1ポットからとりだしてよく 振 り 混 ぜ 蓋 を 開 けて 室 温 になるまで 2 時 間 程 度 冷 ます 2 塩 ( 約 0.3g)を 入 れて 撹 拌 し しばらくしてから 上 澄 み 液 をろ 過 する 3 希 釈 容 器 に ろ 液 (10mL) COD 簡 易 測 定 キット と 室 温 の 水 (40mL)を 注 ぎ パックテストWAK/KR-COD ( 計 50mL) 蓋 をして 混 ぜる 株 ) 共 立 理 化 学 研 究 所 4COD 簡 易 測 定 キットとストップウォッチを 準 備 5 倍 に 希 釈 温 度 計 で 液 温 を 確 認 しておいたほうが 良 い 徳 用 (150 回 分 ) 加 塩 すると 濁 りが 軽 減 できます 10 回 分 手 の 汚 れは, 測 定 値 に 影 響 します! チューブ 内 の 粉 を 吸 い 込 まないように! むせます (>_<) 5チューブ 先 端 のラインを 引 き 抜 き 穴 を 上 にしてチューブの 下 半 分 を 強 くつまみ 中 の 空 気 を 追 い 出 す 1 2 3 4 5 可 給 態 窒 素 含 量 (mg/100g 風 乾 土 )= 測 定 値 希 釈 倍 率 (100/3) (50/1000) 0.034 1 標 準 色 版 で 読 み 取 った 値 2 抽 出 液 を 薄 めた 倍 数 5 倍,10 倍 3 土 3gを100g 当 たりに 換 算 する 係 数 6そのままの 状 態 で 希 釈 液 の 中 に 入 れる つま んだ 指 を 緩 め,チューブの 半 分 まで 液 を 吸 い 込 んだら すぐにストップウォッチを 押 す 5 6 回 軽 く 振 り 混 ぜて 待 つ 吸 液 量 が 多 いと 数 値 が 高 く, 少 ないと 低 くなります! チューブ 内 の 液 色 の 変 化 : 桃 紫 緑 黄 4 検 水 50mlを1l 当 たりに 換 算 する 係 数 5 判 定 色 の 数 値 を 可 給 態 窒 素 量 に 換 算 7 液 温 が25 の 場 合, 4 分 30 秒 後 に 標 準 色 版 に 照 合 し 数 値 を 読 み 取 る 液 温 によって 反 応 時 間 が 異 なるので 注 意 8 色 が 緑 を 帯 びてい たら(13 以 上 ),10 倍 希 釈 液 で 測 り 直 す 緑 色 になると, 数 値 の 判 定 が 難 しい 換 算 値 のめやす 5 倍 希 釈 液 で, 数 値 が13 可 給 態 窒 素 =4mg( 土 壌 100g 当 たり) 10 倍 8 20 倍 16
80 16 時 間 水 抽 出 -COD 簡 易 測 定 キットによる 畑 土 壌 可 給 態 窒 素 の 簡 易 判 定 土 壌 診 断 機 関 むけ 1 日 目 ( 夕 方 5 時 頃 保 温 開 始 ) 1 事 前 に 抽 出 用 のお 湯 を 沸 かす 80 2 風 乾 土 壌 を3.0g 秤 取 し,100ml 容 三 角 3 土 壌 込 み 三 角 フ フラスコに 入 れる ラスコの 重 量 (A) ( 別 途, 含 水 率 を 測 定 ) を 測 定 する 2 日 目 ( 翌 朝 9 時 頃 に 保 温 終 了 :16 時 間 ) 1 室 温 にな るまで2 時 間 程 度 放 冷 310% 硫 酸 カリウム 2 三 角 フラスコの 溶 液 5mlを 注 ぎ, 撹 重 量 (B)を 測 定 する 拌 する 抽 出 液 量 =(B)-(A) ( 液 の 懸 濁 除 去 と NH4-Nの 抽 出 ) 4ポットでお 湯 約 50mlを 注 ぎ, 撹 拌 した 後,ア ルミホイルで 蓋 をする 4No.5Cのろ 紙 で ろ 過 し 検 水 とする 5 予 め80 に 設 定 した 通 風 恒 温 乾 燥 機 で16 時 間 静 置 加 熱 する 測 定 ( 抽 出 N, 抽 出 C,COD) 80 16 時 間 水 抽 出 法 では,1 抽 出 窒 素 量, 写 真 はTOC-VCPH TNユニット 付 属 ( 島 津 製 作 所 ) 1 算 出 法 可 給 態 窒 素 含 量 ( mg/100g 乾 土 ) = 測 定 値 希 釈 倍 率 2 3 4 5 (100/3) ((B-A+5)/1000) (100/(100- 含 水 率 )) 換 算 係 数 1 Nの 場 合, 抽 出 有 機 態 N+NH4-N 増 加 量 Cの 場 合, 抽 出 有 機 態 炭 素 量 COD 簡 易 測 定 キットでは 標 準 色 版 による 読 み 取 り 値 2 土 3gを 乾 土 100g 当 たりに 換 算 する 係 数 3 抽 出 液 量 を1l 当 たりに 換 算 する 係 数 +5 は 添 加 した10% 硫 酸 カリウム 溶 液 の 量 土 壌 によってろ 液 の 色 が 異 なる また, 抽 出 液 は 腐 敗 しやすいため, なるべく 早 めに 測 定 する 2 抽 出 有 機 態 炭 素 量 および3 抽 出 液 の COD 値 から 可 給 態 窒 素 含 量 の 推 定 が 可 能 1 抽 出 窒 素 量 で 推 定 する 場 合, 抽 出 液 の 全 窒 素 量 を 測 定 し, 別 途 測 定 した 原 土 の 無 機 態 窒 素 量 を 差 し 引 いて 抽 出 有 機 態 窒 素 量 +アンモ ニア 態 窒 素 増 加 量 を 算 出 する 2 抽 出 有 機 態 炭 素 量 で 推 定 する 場 合, 抽 出 液 の 溶 存 有 機 態 炭 素 をTOC 計 で 測 定 する 3 抽 出 液 のCOD 値 で 推 定 する 場 合 の 測 定 法 は, 生 産 者 向 けの 頁 を 参 照 2 抽 出 有 機 態 炭 素 量 で 推 定 する 方 法 が 最 も 高 精 度 で, 操 作 も 楽! 4 別 途, 土 壌 の 含 水 率 を 測 定 しておく 5 換 算 係 数 は 測 定 の 種 類 によって 異 なる 抽 出 Nの 場 合,0.41 抽 出 Cの 場 合,0.046 COD 簡 易 測 定 キットの 場 合,0.034 各 測 定 値 の 推 定 精 度 1 抽 出 窒 素 量 からの 推 定 培 養 法 による 可 給 態 N 量 (mg/100g) 15 10 5 y = 0.41x R² = 0.75 *** (n=112) 0 10 20 30 抽 出 Org-N+NH4-N 増 加 量 (mg/100g) 2 抽 出 有 機 態 炭 素 量 からの 推 定 培 養 法 による 可 給 態 N 量 (mg/100g) 15 10 5 0 y = 0.046x R² = 0.83 *** (n=112) 100 200 300 抽 出 TOC 量 (mg/100g) 3 抽 出 液 のCOD 値 からの 推 定 培 養 法 による 可 給 態 N 量 (mg/100g) 15 10 5 0 y = 0.034x R 2 = 0.78 *** (n=112) 100 200 300 400 抽 出 液 のCOD (mg O/100g) 土 壌 の 硝 酸 態 窒 素 も 測 定 可 能 10%KCl 抽 出 NO3-N (mg/100g) 黒 ボク 土 堆 肥 なし 黒 ボク 土 堆 肥 連 用 非 黒 ボク 土 堆 肥 なし 非 黒 ボク 土 堆 肥 連 用 60 40 20 y = 0.97x + 8.3 R 2 = 0.97 *** (n=107) 0 20 40 60 80 16h 水 抽 出 NO3-N (mg/100g) 注 意 NH4-N 量 は 加 熱 によって 増 加 するため 異 なります