Pension&WI



Similar documents
プラス 0.9%の 年 金 額 改 定 が 行 われることで 何 円 になりますか また どのような 計 算 が 行 われているのですか A これまでの 年 金 額 は 過 去 に 物 価 が 下 落 したにもかかわらず 年 金 額 は 据 え 置 く 措 置 をと った 時 の 計 算 式 に 基

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

スライド 1

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

一 覧 表 ( 専 従 者 用 ) YES NOチャート( 専 従 月 額 単 価 用 ) (P.4)を 参 考 にしてください < 直 接 雇 用 者 > 一 覧 表 ( 専 従 者 用 )の 単 価 は 委 託 期 間 中 に 継 続 して 半 年 以 上 当 該 AMED 事 業

1. 前 払 式 支 払 手 段 サーバ 型 の 前 払 式 支 払 手 段 に 関 する 利 用 者 保 護 等 発 行 者 があらかじめ 利 用 者 から 資 金 を 受 け 取 り 財 サービスを 受 ける 際 の 支 払 手 段 として 前 払 式 支 払 手 段 が 発 行 される 場 合

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

p1.eps

スライド 1

Taro-H19退職金(修正版).jtd

資料2 年金制度等について(山下委員提出資料)

調査結果の概要

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

スライド 1

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

弁護士報酬規定(抜粋)

連合「改正高年齢者雇用安定法」に関する取り組みについて

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

< F2D8CFA944E8AEE8BE08BC696B195F18D908F B8C816A>

1 はじめに 財 政 の 役 割 資 源 配 分 ( 公 共 財 供 給 ) 所 得 再 分 配 経 済 安 定 化 ( 景 気 調 整 ) 地 方 自 治 体 の 役 割 は 資 源 配 分 ( 公 共 財 の 安 定 供 給 )とされる ( 所 得 再 分 配 や 経 済 安 定 化 は 国 の

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word - 目次.doc

所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 表 所 得 税 と 住 民 税 の 税 率 は 以 下 の 通 りです 退 職 所 得 の 場 合 も この 税 率 表 を 使 います 1. 平 成 19 年 1 月 1 日 以 降 ( 所 法 891) 課 税 所 得 所 得 税 率 控 除 額 ~195

[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日


2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

_ZEI-0329_特集(朝倉)_プ2.indd

 

FP知年金_-D-_[本文].indb

スライド 1

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

39_1

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

まえがき 高 齢 化 社 会 が 本 格 化 し 団 塊 の 世 代 の 退 職 時 期 を 向 かえ 高 年 齢 者 の 雇 用 継 続 を 義 務 付 けた 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 が 平 成 18 年 から 施 行 されます 豊 富 な 経 験 やノウハウを 持 つ 高 年 齢 者

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

Microsoft Word 消費税HP(案)


2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

Microsoft Word

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

別紙3

Microsoft Word - ☆f.doc

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

Taro-29職員退職手当支給規程

年 支 給 開 始 年 齢 図 特 別 支 給 の 老 齢 厚 生 年 ( 給 料 比 例 部 分 ) 昭 和 29 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 特 別 支 給 の 退 職 共 済 年 老 齢 厚 生 年 昭 和 25 年 10 月 1 日 生 まれ 以 前 ~ 退 職 共 済 年

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (


ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業

か 行 基 金 代 行 厚 生 年 金 基 金 が 国 に 代 わって 厚 生 年 金 の 事 務 の 一 部 を 行 うこと 基 本 月 額 ( 在 職 老 齢 年 金 ) 給 付 加 給 年 金 経 過 的 加 算 を 除 いた 年 金 月 額 加 算 部 分 を 除 いた 年 金 月 額 支

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

申 請 免 除 申 請 免 除 ( 学 生 以 外 ) 学 生 納 付 特 例 制 度 若 年 者 納 付 猶 予 制 度 法 定 免 除 世 帯 構 成 図 表 1 国 民 年 金 保 険 料 の 免 除 の 種 類 と 所 得 基 準 本 人 世 帯 主 配 偶 者 の 所 得 に 応 じて 免

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

基発第 号

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

Taro-iryouhoken

年 間 収 入 が 130 万 円 未 満 (60 歳 以 上 75 歳 未 満 の 人 や 一 定 障 害 者 の 場 合 は 180 万 円 未 満 )であって かつ 被 保 険 者 の 年 間 収 入 の 2 分 の 1 未 満 である 場 合 は 被 扶 養 者 となります ( 同 居 の

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

か 行 繰 上 げ/ 繰 上 げ 支 給 の 国 民 年 金 受 取 額 は 少 なくなるが 年 金 を 早 く 受 け 取 ること 早 期 ( 減 額 ) 支 払 い 65 歳 から 受 け 取 る 年 金 を 前 倒 しで 減 額 して 受 ける 年 金 繰 上 げ 請 求 早 期 に 受 け

< F31322D325F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 現 況 ( 平 成 22 1 号 給 の 給 料 月 額 137,9 188,9 226,7 266,4 294,3 最 高 号 給 の 給 料 月 額 247,9 314,9 362,8 399,9 415,1 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制



<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

公表資料02【案1】0806印刷用<厚生年金・国民年金の平成26年度収支決算の概要>

4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

事務連絡

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

越前米

5

減 少 率 ) と 平 均 余 命 の 伸 びを 勘 案 した 一 定 率 (0.3%) の 合 計 である スライド 調 整 率 を 差 し 引 いて 年 金 額 の 改 定 が 行 われる( 図 表 ) ただし マクロ 経 済 スライドが 完 全 に 実 施 されるのは 賃 金 や 物 価 があ

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

<4D F736F F D208EC096B18AEE8F D CF8D5882C882B5816A2E646F63>

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

退職手当とは

平成16年度

Microsoft PowerPoint a1.ppt

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 年 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

( 月 額 で 支 給 されるもの) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 ( 1 2) 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 等 1 傷 病 手 当 金 出 産 手 当 金 又 は 休 業 手 当 金 ( 以 下 傷 病 手 当 金 等 という ) と 報 酬 との 調 整 につい

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

Transcription:

年 金 と 高 齢 者 就 業 - 在 職 老 齢 年 金 と 高 齢 者 雇 用 継 続 給 付 - 指 導 教 員 1 はじめに 在 職 老 齢 年 金 のしくみ.1 60 代 前 半 本 節 では,60 歳 以 上 65 歳 未 満 の 在 職 老 齢 年 金 の 計 算 方 法 を 説 明 する. 働 かないときの 年 金 支 給 額 を a 万 円, 労 働 所 得 を y 万 円 とする.(a, y) の 組 合 せごとに, 年 金 支 給 をどのくらい 減 額 するのかは 次 の 計 算 式 で 定 められ ている 1. 0 a + y 8 a+y 8 a 8, 8 a y 46 y if a 8,y 46 46+a 8 + y 46 a 8,y 46 46 + y 46 a 8,y 46 ただし, 減 額 の 大 きさが 支 給 額 a を 上 回 るときは, 支 給 額 はゼロになる.マ イナスの 支 給 ( 課 税 ) はおこなわれない. [Figure 1 is here] 図 1 は, 上 の 5 通 りの 場 合 分 けを 図 示 したものである. 領 域 1 は 減 額 のな い 部 分,すなわち 労 働 に 対 するペナルティのない 部 分 を 表 している. 領 域, 3 は 労 働 所 得 が 46 万 円 を 超 えない 部 分 であり, 上 の 計 算 式 から 分 かるように, 労 働 の 限 界 損 失 は 0.5 である. 領 域 4,5 は 労 働 所 得 が 46 万 円 を 超 える 部 分 を 表 す.この 領 域 における 労 働 の 限 界 損 失 は 1 である. 以 下 では,(a, y) の 組 合 せごとに, 実 質 所 得 を 導 出 する. 労 働 のペナルティ が 支 給 額 を 上 回 るとき, 年 金 支 給 額 はゼロという 端 点 解 となるため, 領 域 ご とに 精 査 する 必 要 がある. 1 日 本 年 金 機 構 http://www.nenkin.go.jp/ 1

領 域 1 労 働 のペナルティがないため, 実 質 所 得 は, I 1 = y + a (1) である. 領 域 年 金 支 給 額 は, である. a a + y 8 = a y +8 (i) y a +8のとき, 年 金 支 給 額 はゼロである. 実 質 所 得 は, () I H = y +0=y (3) となる. 上 付 きの H は, 労 働 所 得 が 多 いことを 表 している. (ii) y a +8のとき, 実 質 所 得 は, I L = y + a y +8 = y + a +8 である. 上 付 きの L は, 労 働 所 得 が 少 ないことを 表 している. (4) 領 域 3 年 金 支 給 額 は, a y (5) である. 領 域 3 では,a 8 >y/ が 成 立 しており, 支 給 額 がゼロになるこ とはない. 実 質 所 得 は, ³ I 3 = y + a y = y + a (6) である. 領 域 4 年 金 支 給 額 は, ³ a 37 a + y = a y +37 (7) である. (i) y a/+37のとき, 支 給 額 はゼロになる. 実 質 所 得 は, I4 H = y (8) である. (ii) y a/+37のとき, 実 質 所 得 は, ³ a +37 I4 H = y + y = a +37 (9)

である. 領 域 5 年 金 支 給 額 は, a (y 3) = a +3 y (10) である. (i) y a +3のとき, 支 給 額 はゼロになる. 実 質 所 得 は, I5 H = y (11) である. (ii) y a +3のとき, 実 質 所 得 は, I5 L = y +(a +3 y) =a + 3 (1) である. [Figure is here] 図 は,(a, y) 平 面 上 に 実 質 所 得 を 図 示 したものである. 全 体 では 6 つの 領 域 に 分 割 される. 左 下 の 三 角 形 の 領 域 ではペナルティが 課 されないため, 実 質 所 得 は y + a で 与 えられる. 左 上 の 折 れ 線 を 境 界 とする 領 域 では 年 金 支 給 額 がゼロとなるため, 実 質 所 得 は 労 働 所 得 y である. 他 の 4 つの 領 域 では, 労 働 所 得 が 46 万 円 を 超 えるか 超 えないかにより 性 質 が 異 なっている.46 万 円 を 超 えない 領 域 では, 労 働 の 限 界 損 失 が 0.5 であるため, 労 働 所 得 が 1 万 円 増 えると 実 質 所 得 が 5 千 円 増 える. 他 方,46 万 円 を 超 える 領 域 では 労 働 の 限 界 損 失 が 1 であるため, 労 働 所 得 が 1 万 円 増 えると 年 金 支 給 額 が 1 万 円 減 ら されるため, 実 質 所 得 は 労 働 所 得 に 依 存 しない. 図 を 下 から 上 へと 見 ることにより, 決 められた 年 金 支 給 額 のもとで, 労 働 所 得 と 実 質 所 得 の 関 係 を 調 べることができる.たとえば, 年 金 支 給 額 が 18 ~8 万 円 の 範 囲 の 比 較 的 受 給 者 数 が 多 いと 思 われる 範 囲 に 注 目 しよう.この 範 囲 では, 労 働 所 得 が 増 えるにつれて,4 つの 領 域 をまたぐことが 分 かる. 一 番 下 の 領 域 では, 労 働 のペナルティが 課 されないため, 稼 いだ 分 だけ 実 質 所 得 が 増 加 する. 実 質 所 得 が 8 万 円 を 超 えると, 年 金 支 給 の 減 額 が 開 始 され る. 下 から 番 目 の 領 域 では, 労 働 所 得 が 1 万 円 増 えると, 実 質 所 得 が 5 千 円 増 加 する. 次 に, 労 働 所 得 が 46 万 円 を 超 えると, 労 働 の 限 界 損 失 が 1 で ある 領 域 に 入 るため, 実 質 所 得 は a/+37で 一 定 である. 最 後 に, 一 番 上 の 領 域 では 年 金 支 給 額 はゼロとなり, 労 働 所 得 と 実 質 所 得 が 一 致 する. 図 3 は, 労 働 所 得 の 実 質 所 得 の 関 係 を 図 示 したものである(18 a 8). [Figure 3 is here ] 3

. 65 歳 以 上 本 節 では,65 歳 以 上 の 在 職 老 齢 年 金 の 計 算 方 法 を 説 明 する. 年 金 支 給 の 減 額 ルールは,60 代 前 半 と 比 べシンプルである. 働 かないときの 年 金 支 給 額 を b 万 円, 労 働 所 得 を y 万 円 とすると, 減 額 ルールは 次 の 計 算 式 で 定 められて いる. ( b + y 46 if b + y 46 0 b+y 46 60 代 前 半 との 主 な 違 いは 次 の 3 つである. 第 1に, 対 象 となる 年 金 給 付 が 報 酬 比 例 部 分 に 限 られていること, 第 に, 労 働 のペナルティが 生 じる 総 所 得 の 上 限 が 46 万 円 と 拡 大 していること, 第 3 に, 労 働 の 限 界 損 失 が 1 となる 領 域 が 存 在 しないことである. 前 節 同 様,(b, y) の 組 合 せごとに 実 質 所 得 を 導 出 しよう. (i) b + y 46 のとき,ペナルティは 生 じない. 実 質 所 得 は,b + y である. (ii) b + y 46 のとき, 支 給 額 は, b b + y 46 = b +46 y (13) である.ただし,マイナス 支 給 はおこなわれないため, 場 合 分 けをおこなう. (ii-1) y 46 + b のとき,(13) 式 の 年 金 が 支 給 される. 実 質 所 得 は, である. y + b +46 y = b +46+y (ii-) y 46 + b のとき, 年 金 は 支 給 されない. 実 質 所 得 は y である. 以 上 をまとめると, 実 質 所 得 は 次 式 で 与 えられる. b + y b + y 46 b+46+y I = if 46 b y 46 + b y 46 + b y (14) [Figure 4 is here] 図 4 は,(b, y) 平 面 上 に 実 質 所 得 を 図 示 したものである. 左 下 の 三 角 形 の 領 域 では 総 所 得 が 46 万 円 を 下 回 っているため, 労 働 に 対 するペナルティはおこ なわれない. 左 上 の 領 域 は 年 金 支 給 が 停 止 される 領 域 である. 中 央 部 分 は 減 額 された 年 金 が 支 給 される 領 域 を 表 す.この 領 域 における 労 働 の 限 界 便 益 は 0.5 である. 図 4 を 下 から 上 へと 見 ることにより, 年 金 給 付 額 b が 与 えられたもとでの, 労 働 所 得 b と 実 質 所 得 I の 関 係 を 調 べることができる. 図 5 の 折 れ 線 が 労 働 4

所 得 と 実 質 所 得 の 関 係 を 表 している. 破 線 は 45 度 線 であり, 折 れ 線 と 破 線 の 間 が 年 金 支 給 額 を 表 している. 図 3 と 比 較 すると, 水 平 部 分 を 含 まないシン プルな 折 れ 線 であることが 分 かる. [Figure 5 is here] 3 高 年 齢 雇 用 継 続 給 付 のしくみ 本 節 では, 高 年 齢 雇 用 継 続 給 付 について 説 明 する.この 制 度 は,60 代 前 半 の 雇 用 を 促 進 するのが 主 な 目 的 である.60 歳 時 点 の 給 与 月 額 を 基 準 とし, 支 払 給 与 月 額 が 基 準 額 の 75 %を 下 回 る 場 合 に, 決 められた 支 給 率 のもとで 給 付 を 受 けることができる 3. 60 歳 時 点 の 給 与 月 額 を y 0 円, 支 払 給 与 月 額 を y 円 としよう.このとき, 所 得 置 換 率 ( 所 得 代 替 率 )は, x = y 100 (15) y 0 で 与 えられる. 高 年 齢 雇 用 継 続 給 付 の 支 給 率 t(パーセント) は 次 の 計 算 式 で 与 えられる 4. 15 0 x 60 60(75 x) t = if x 60 x 75 (16) 0 75 x [Figure 6 is here] 図 6 は, 所 得 置 換 率 x と 支 給 率 t の 関 係 を 図 示 したものである. 置 換 率 が 60% を 下 回 るときは, 支 払 給 与 額 の 15% の 給 付 を 受 けることができる. 置 換 率 が 60% を 超 えると, 支 給 率 は 双 曲 線 に 沿 って 低 下 し, 置 換 率 が 75% に なったところで 支 給 率 はゼロとなる. 次 に,(y 0,y) の 組 合 せごとに, 給 付 後 の 実 質 所 得 I がどのようになるかを 調 べよう. (i) x 75 のとき, 給 付 がないので I = y である. (ii) x 60 のとき,15% の 給 付 を 受 けるので I =1.15y である. 高 年 齢 雇 用 継 続 基 本 給 付 金 と 高 年 齢 再 就 職 給 付 金 の 種 類 がある( 雇 用 保 険 法 第 61 条 ). 本 稿 では, 前 者 のみを 扱 う. 3 支 払 給 与 月 額 には 上 限 が 設 けられている. 上 限 は 毎 年 8 月 1 日 に 改 訂 される.たとえば, 平 成 5 年 7 月 までの 上 限 は 343,396 円 であったが,8 月 以 降 は 341,54 円 に 引 き 下 げられた.ま た,60 歳 時 点 の 給 与 月 額 には 上 限 に 加 え, 下 限 も 設 けられている.たとえば, 平 成 5 年 8 月 以 降 の 上 限 は 448,00 円, 下 限 は 69,300 円 である.さらに, 算 出 された 給 付 月 額 が 一 定 額 を 下 回 るとき, 給 付 は 受 けられない.たとえば, 平 成 5 年 8 月 以 降 の 給 付 限 度 額 は 1,848 円 に 設 定 されている. 4 一 部 簡 略 化 しているが, 本 質 的 には 変 わらない. 5

(iii) 60 x 75 のとき,(15), (16) 式 から, µ I = 1+ t y 100 0.6(75 x) = 1+ y x " = 1+ 0.6(75 y # y 0 100) y y y 0 100 =0.45y 0 +0.4y となる. 以 上 をまとめると, 実 質 所 得 は 次 式 で 与 えられる. 1.15y y 0.6y 0 I = 0.45y 0 +0.4y if 0.6y 0 y 0.075y 0 (15) y y 0.75y 0 [Figure 7 and 8 are here] 図 7 は, 平 面 (y 0,y) 上 に 実 質 所 得 を 図 示 したものである. 図 7 を 下 から 上 に 見 ることにより, 与 えられた y 0 のもとでの 労 働 所 得 y と 実 質 所 得 I の 関 係 を 図 示 することができる. 図 8 の 折 れ 線 は, 労 働 所 得 y と 実 質 所 得 I との 関 係 を 図 示 したものである. 破 線 は 45 度 線 であり, 破 線 と 実 線 の 間 が 給 付 額 を 表 している. 置 換 率 が 60% を 下 回 るとき, 労 働 所 得 が 増 えるにつれて 比 例 的 に 給 付 が 増 加 する. 置 換 率 が 60% を 超 えると 給 付 額 は 逓 減 し,70% になった 時 点 で 給 付 額 はゼロにな る. 労 働 の 限 界 便 益 をみると, 左 から 順 に,1.15, 0.4, 1 である. 経 済 学 的 な 視 点 では,この 制 度 は 置 換 率 を 60% に 誘 導 するメカニズムであるように 思 わ れる. 4 理 論 4.1 労 働 余 暇 選 択 本 節 では,.1 節 で 説 明 した 65 歳 以 上 の 在 職 老 齢 年 金 をベースに 理 論 分 析 をおこなう. 労 働 所 得 が y のときの 年 金 給 付 を, T (y) = P 1 (ȳ + P y) 0 if y ȳ P ȳ P y ȳ + P ȳ + P y (16) で 定 義 する.ここで,P は 働 かない 場 合 に 受 け 取 る 年 金 給 付,ȳ は 労 働 のペ ナルティが 課 されない 総 所 得 の 上 限 を 表 す. 現 行 制 度 では,ȳ =46 万 円 であ 6

る.また, 図 4 と 同 様 に,y (ȳ P, ȳ + P ) の 範 囲 では 追 加 的 な 1 万 円 の 労 働 所 得 に 対 して 給 付 が 5 千 円 減 額 されると 仮 定 する. 労 働 者 の 効 用 関 数 を, u = u(x, y) =x y (17) と 特 定 化 する.ここで,x は 消 費 を 表 す. 第 項 は 労 働 の 負 効 用 を 表 す.(17) 式 は, >0 の 値 が 大 きい 個 人 ほど 労 働 の 負 効 用 が 小 さいことを 意 味 してい る.たとえば, 健 康 な 高 齢 者 ほど 余 暇 の 限 界 効 用 が 大 きいとすれば, の 値 が 大 きい 個 人 ほど 健 康 であることを 意 味 する. 労 働 者 の 予 算 制 約 式 は, y + T (y) =x (18) である.(16) 式 を (18) 式 に 代 入 すると, 予 算 制 約 式 は, y + P y ȳ P x = 1(y +ȳ + P ) if ȳ P y ȳ + P y ȳ + P y で 与 えられる. (19) [Figure 9 is here] 図 9 は, 労 働 余 暇 選 択 モデルにおける 主 体 的 均 衡 を 表 している.このケー スの 最 適 所 得 は y =ȳ P である. 通 常 のモデルとは 異 なり, 予 算 線 に 凹 凸 があるため, 均 衡 の 導 出 は 複 雑 になる.たとえば,y =ȳ P が 均 衡 である ための 条 件 は 無 差 別 曲 線 が 折 れ 線 の 角 に 接 することに 加 え,y ȳ + P の 部 分 で 線 分 の 上 方 に 位 置 する( 線 分 と 交 わらない)ことが 必 要 である. 以 下 で は 順 に 場 合 分 けをして 均 衡 を 求 める. (i) 区 間 (0, ȳ P ) に 均 衡 が 存 在 するための 条 件 は, 限 界 代 替 率 が y/ である ことから, 0 <y < ȳ P y =1 x = y + P である.これより, が 得 られる. y = if <ȳ P (0) (i) 区 間 (ȳ P, ȳ + P ) に 均 衡 が 存 在 するための 条 件 は, ȳ P<y < ȳ + P y = 1 x = 1 (y +ȳ + P ) x (y ) y y for y ȳ + P 7

である. 最 後 の 条 件 は, 無 差 別 曲 線 が 接 点 を 除 いて 予 算 線 の 上 方 にあること を 意 味 している.y = / が 均 衡 となるための 前 提 条 件 は, ( ȳ P< < ȳ + P y y + 8 + 1 (ȳ + P ) 0 for y ȳ + P である. 第 の 条 件 の 左 辺 を, f(y) = y y + 8 + 1 (ȳ + P ) とおく.f(y) は,y = を 軸 とする 下 に 凸 の 放 物 線 で 表 される.したがって, 第 の 条 件 は, ( f() 0 ȳ + P if f(ȳ + P ) 0 ȳ + P と 同 値 である.これを 解 くと,ȳ + P 3 4 を 得 る. 以 上 をまとめると, が 得 られる. y = if ( ȳ P< ȳ + P 3 4 (1) (iii) 区 間 (ȳ + P, ) に 均 衡 が 存 在 するための 条 件 は, ȳ + P<y y =1 x = y x (y ) 1 y (y +ȳ + P ) for ȳ P y ȳ + P である.y = が 均 衡 となるための 前 提 条 件 は, ( ȳ + P< である.ここで, y 1 (y +ȳ + P )+ 0 for ȳ P y ȳ + P f(y) = y 1 (y +ȳ + P )+ とおく.f(y) は,y = を 軸 とする 下 に 凸 の 放 物 線 で 表 される.したがって, 第 の 条 件 は, f( ) 0 ȳ P ȳ + P f(ȳ P ) 0 if ȳ P f(ȳ + P ) 0 ȳ + P と 同 値 である. 第 1 の 条 件 より, ȳ P ȳ + P 3 4 8

を 得 る. 第 の 条 件 より, ( ȳ P ȳ + P 1 (ȳ P ) + 3 4 を 得 る.f(ȳ + P ) 0 は 常 に 成 立 するため, 第 3 の 条 件 は,ȳ + P であ る. 以 上 をまとめると, ( y ȳ P< and ȳ + P 3 4 = if ȳ P< and ȳ + P 1 (ȳ P ) + 3 4 () が 得 られる. (iv) y =ȳ P が 均 衡 であるための 条 件 は, である. 整 理 すると, ( となる.ここで, x (y ) 1 y 1 x =ȳ y y ȳ P y y +ȳ 1 (ȳ P ) 0 for y ȳ + P for y ȳ + P f(y) = y y +ȳ 1 (ȳ P ) とおく.f(y) は,y = を 軸 とする 下 に 凸 の 放 物 線 で 表 される.したがって, 第 の 条 件 は, ( f() 0 ȳ + P if f(ȳ + P ) 0 ȳ + P と 同 値 である.これを 解 くことにより, ( y =ȳ P if ȳ P ȳ + P 1 (ȳ P ) + 3 4 (3) が 得 られる. [Figure 10 is here] (0)-(3) 式 をまとめて, 平 面 (ȳ P, ȳ + P ) 上 に 最 適 所 得 y を 図 示 した のが 図 10 である. 意 味 のある 領 域 は 45 度 線 の 上 部 の 領 域 である.45 度 線 に 近 い 部 分 では, 年 金 給 付 P が 少 ないため, 減 額 ルールはあまり 意 味 を 持 たな い.したがって, 給 付 が 一 定 であるときの 最 適 所 得 である y = が 選 択 され る.45 度 線 から 離 れた 領 域 では 通 りの 可 能 性 がある. 左 上 の 領 域 では, 給 9

付 の 一 部 が 減 額 される 状 況 が 均 衡 となる. 中 央 上 方 の 領 域 では, 端 点 解 が 均 衡 となり, 減 額 が 開 始 される 直 前 の 所 得 水 準 y =ȳ P が 選 択 される. 最 後 に, 変 数 変 換 をして, 平 面 (ȳ, P) 上 に 均 衡 を 図 示 しよう. 便 宜 上, ( a =ȳ P b =ȳ + P とおく.ȳ, P について 解 くと, Ã! Ã!Ã! Ã!Ã! ȳ = 1 1 1 a = 1 os( 45 ) sin( 45 ) a P 1 1 b sin( 45 ) os( 45 ) b (4) が 得 られる.(4) 式 から, 平 面 (a, b) 上 の 点 は,(i) 原 点 のまわりに 45 回 転 し, 次 に,(ii) 原 点 を 中 心 に 1/ 倍 相 似 拡 大 することにより, 平 面 (ȳ, P) 上 の 点 に 変 換 されることが 分 かる. [Figure 11 is here] 図 11 は, 図 10 を 変 数 変 換 したものである.ȳ P 0 を 仮 定 している ため,45 度 線 の 下 の 領 域 が 意 味 のある 領 域 である. 先 に 述 べたように, 横 軸 に 近 い 部 分 では 年 金 給 付 が 少 ないため, 給 付 が 一 定 であるときの 最 適 所 得 y = が 選 択 される. 相 対 的 に 年 金 給 付 が 多 いときは, 給 付 の 一 部 が 減 額 さ れる 状 況 での 最 適 所 得 y = / が 選 択 される. 中 程 の 帯 状 の 領 域 では, 端 点 解 y =ȳ P が 選 択 される. 図 を 左 から 右 に 見 ることにより, 所 与 の 年 金 給 付 P のもとで, 減 額 ルールの 政 策 変 数 ȳ を 引 き 上 げたときの 労 働 者 の 反 応 を 調 べることができる. [Figure 1 is here] 図 1 は, 年 金 給 付 が /8 <P <3/8 の 範 囲 にあると 仮 定 し,ȳ を P か らスタートして 順 に 引 き 上 げたときの 労 働 者 の 選 択 する 所 得 水 準 を 描 いたも のである. 図 から 明 らかなように, 個 人 の 選 択 する 所 得 水 準 は 単 調 ではない. 図 1 から, 現 行 制 度 の 問 題 点 を つ 指 摘 することができる. 第 1 に, 給 付 の 減 額 ルールが 働 くインセンティブを 引 き 出 せるのは,ȳ [P + /,P + ] の 範 囲 に 限 られているという 点 である.この 区 間 は, の 値 が 大 きいほど 長 く なる.これは, 健 康 な 労 働 者 ほど,ȳ の 引 き 上 げに 反 応 して 労 働 所 得 を 増 や そうとする 可 能 性 があることを 意 味 している.しかし, 裏 を 返 せば, 健 康 に 不 安 を 抱 える 労 働 者 にとっては, 減 額 ルールはあまり 労 働 インセンティブに 影 響 を 与 えないといえるだろう. 10

第 の 問 題 は,ȳ が 3/4 P を 超 えた 直 後 に 労 働 所 得 が 急 落 する 点 である. その 理 由 は, 図 9 を 用 いて 説 明 できる.ȳ が 小 さいということは, 少 し 働 い ただけで 年 金 給 付 がストップすることを 意 味 する.そのため, 労 働 者 は 年 金 給 付 をあきらめ, 働 けるだけ 働 く 点 (y >ȳ + P の 部 分 ) を 選 択 する.こうし た 状 況 で,ȳ が 増 加 して 減 額 ルールがより 高 所 得 の 労 働 者 にも 拡 大 されたと しよう.このとき,ȳ がある 閾 値 を 超 えると, 労 働 者 は 年 金 給 付 が 一 部 減 額 される 点 (ȳ P<y<ȳ + P ) に 選 択 を 変 更 する.この 結 果, 労 働 所 得 は から / へと 半 減 する. 急 落 のタイミングは に 依 存 しないから, 健 康 な 労 働 者 も 健 康 でない 労 働 者 も 一 律 に 働 かなくなる.ȳ の 変 更 を 在 職 老 齢 年 金 の 見 直 しと 解 釈 すれば,このような 労 働 に 対 する 負 のインセンティブ 効 果 につ いて 十 分 配 慮 しながら 制 度 改 革 をおこなう 必 要 があるだろう. 5 おわりに 11

図 1 在 職 老 齢 年 金 (60 代 前 半 ) 労 働 所 得 y 領 域 4 領 域 5 46 領 域 領 域 3 8 領 域 1 O 8 年 金 支 給 額 a

図 実 質 所 得 (60 代 前 半 ) 労 働 所 得 y y a3 51 46 8 37 14 a ya O 18 8 年 金 支 給 額 a

図 3 労 働 所 得 と 実 質 所 得 (60 代 前 半 ) (18a8) 実 質 所 得 a 37 8 a O 8 a 46 37 y

図 4 実 質 所 得 (65 歳 以 上 ) 労 働 所 得 y y 46 yb O 46 年 金 支 給 額 b

図 5 労 働 所 得 と 実 質 所 得 (65 歳 以 上 )(b 46) 実 質 所 得 I 46 b 46 b O 46 b 46 b y

図 6 高 年 齢 者 雇 用 継 続 給 付 支 給 率 t 15 O 60 75 所 得 置 換 率 x

図 7 実 質 所 得 労 働 所 得 y y 0.75y y y 0.6y 0.45y 0.4y 1.15y O 60 歳 時 点 の 所 得 y

図 8 労 働 所 得 と 実 質 所 得 実 質 所 得 I 0.75y 0.69y O 0.6y 0.75y y

図 9 労 働 余 暇 選 択 モデル 消 費 x y P y P O y P y P 労 働 y

図 10 均 衡 1 y P y P 3 4 O y P

図 11 均 衡 P y P O y

図 1 比 較 静 学 ( ) y O P P P P y