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重 篤 副 作 用 疾 患 別 対 応 マニュアル 間 質 性 肺 炎 ( 肺 臓 炎 胞 隔 炎 肺 線 維 症 ) 平 成 18 年 11 月 厚 生 労 働 省

本 マニュアルの 作 成 に 当 たっては 学 術 論 文 各 種 ガイドライン 厚 生 労 働 科 学 研 究 事 業 報 告 書 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 保 健 福 祉 事 業 報 告 書 等 を 参 考 に 厚 生 労 働 省 の 委 託 により 関 係 学 会 においてマニュアル 作 成 委 員 会 を 組 織 し 社 団 法 人 日 本 病 院 薬 剤 師 会 とともに 議 論 を 重 ねて 作 成 されたマニュア ル 案 をもとに 重 篤 副 作 用 総 合 対 策 検 討 会 で 検 討 され 取 りまとめられたものであ る 社 団 法 人 日 本 呼 吸 器 学 会 マニュアル 作 成 委 員 会 石 坂 彰 敏 慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 呼 吸 器 内 科 教 授 金 澤 實 埼 玉 医 科 大 学 呼 吸 器 内 科 教 授 久 保 惠 嗣 信 州 大 学 医 学 部 内 科 学 第 一 講 座 教 授 河 野 修 興 広 島 大 学 大 学 院 分 子 内 科 学 教 授 酒 井 文 和 東 京 都 立 駒 込 病 院 放 射 線 診 療 科 医 長 榊 原 博 樹 藤 田 保 健 衛 生 大 学 医 学 部 呼 吸 器 内 科 アレルギー 科 教 授 谷 口 正 実 国 立 病 院 機 構 相 模 原 病 院 臨 床 研 究 センター 共 同 研 究 部 長 巽 浩 一 郎 千 葉 大 学 医 学 部 呼 吸 器 内 科 助 教 授 土 橋 邦 生 群 馬 大 学 医 学 部 保 健 学 科 基 礎 理 学 療 法 学 講 座 教 授 貫 和 敏 博 東 北 大 学 加 齢 医 学 研 究 所 呼 吸 器 腫 瘍 研 究 分 野 教 授 橋 本 修 日 本 大 学 医 学 部 呼 吸 器 内 科 講 師 福 田 悠 日 本 医 科 大 学 解 析 人 体 病 理 学 主 任 教 授 本 田 孝 行 信 州 大 学 医 学 部 病 態 解 析 診 断 学 講 座 助 教 授 ( 敬 称 略 ) 社 団 法 人 日 本 病 院 薬 剤 師 会 飯 久 保 尚 東 邦 大 学 医 療 センター 大 森 病 院 薬 剤 部 室 長 井 尻 好 雄 大 阪 薬 科 大 学 臨 床 薬 剤 学 教 室 助 教 授 大 嶋 繁 城 西 大 学 薬 学 部 医 薬 品 情 報 学 講 座 助 教 授 小 川 雅 史 大 阪 市 立 大 学 医 学 部 附 属 病 院 薬 剤 部 副 部 長 大 浜 修 医 療 法 人 医 誠 会 都 志 見 病 院 薬 剤 部 長 笠 原 英 城 日 本 橋 ファーマ 柳 屋 ビル 薬 局 小 池 香 代 名 古 屋 市 立 大 学 病 院 薬 剤 部 主 幹 後 藤 伸 之 名 城 大 学 薬 学 部 医 薬 品 情 報 学 研 究 室 教 授 鈴 木 義 彦 国 立 国 際 医 療 センター 薬 剤 部 副 薬 剤 部 長 高 柳 和 伸 財 団 法 人 倉 敷 中 央 病 院 薬 剤 部 濱 敏 弘 癌 研 究 会 有 明 病 院 薬 剤 部 長 林 昌 洋 国 家 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 虎 の 門 病 院 薬 剤 部 長 ( 敬 称 略 ) 1

重 篤 副 作 用 総 合 対 策 検 討 会 飯 島 正 文 昭 和 大 学 病 院 院 長 皮 膚 科 教 授 池 田 康 夫 慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 長 市 川 高 義 日 本 製 薬 工 業 協 会 医 薬 品 評 価 委 員 会 PMS 部 会 運 営 幹 事 犬 伏 由 利 子 消 費 科 学 連 合 会 副 会 長 岩 田 誠 東 京 女 子 医 科 大 学 病 院 神 経 内 科 主 任 教 授 医 学 部 長 上 田 志 朗 千 葉 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 院 医 薬 品 情 報 学 教 授 笠 原 忠 共 立 薬 科 大 学 薬 学 部 生 化 学 講 座 教 授 栗 山 喬 之 千 葉 大 学 医 学 研 究 院 加 齢 呼 吸 器 病 態 制 御 学 教 授 木 下 勝 之 社 団 法 人 日 本 医 師 会 常 任 理 事 戸 田 剛 太 郎 財 団 法 人 船 員 保 険 会 せんぽ 東 京 高 輪 病 院 院 長 山 地 正 克 財 団 法 人 日 本 医 薬 情 報 センター 理 事 林 昌 洋 国 家 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 虎 の 門 病 院 薬 剤 部 長 松 本 和 則 国 際 医 療 福 祉 大 学 教 授 森 田 寛 お 茶 の 水 女 子 大 学 保 健 管 理 センター 所 長 座 長 ( 敬 称 略 ) 2

本 マニュアルについて 従 来 の 安 全 対 策 は 個 々の 医 薬 品 に 着 目 し 医 薬 品 毎 に 発 生 した 副 作 用 を 収 集 評 価 し 臨 床 現 場 に 添 付 文 書 の 改 訂 等 により 注 意 喚 起 する 警 報 発 信 型 事 後 対 応 型 が 中 心 で ある しかしながら 1 副 作 用 は 原 疾 患 とは 異 なる 臓 器 で 発 現 することがあり 得 ること 2 重 篤 な 副 作 用 は 一 般 に 発 生 頻 度 が 低 く 臨 床 現 場 において 医 療 関 係 者 が 遭 遇 する 機 会 が 少 ないものもあること などから 場 合 によっては 副 作 用 の 発 見 が 遅 れ 重 篤 化 することがある 厚 生 労 働 省 では 従 来 の 安 全 対 策 に 加 え 医 薬 品 の 使 用 により 発 生 する 副 作 用 疾 患 に 着 目 した 対 策 整 備 を 行 うとともに 副 作 用 発 生 機 序 解 明 研 究 等 を 推 進 することにより 予 測 予 防 型 の 安 全 対 策 への 転 換 を 図 ることを 目 的 として 平 成 17 年 度 から 重 篤 副 作 用 総 合 対 策 事 業 をスタートしたところである 本 マニュアルは 本 事 業 の 第 一 段 階 早 期 発 見 早 期 対 応 の 整 備 (4 年 計 画 )として 重 篤 度 等 から 判 断 して 必 要 性 の 高 いと 考 えられる 副 作 用 について 患 者 及 び 臨 床 現 場 の 医 師 薬 剤 師 等 が 活 用 する 治 療 法 判 別 法 等 を 包 括 的 にまとめたものである 記 載 事 項 の 説 明 本 マニュアルの 基 本 的 な 項 目 の 記 載 内 容 は 以 下 のとおり ただし 対 象 とする 副 作 用 疾 患 に 応 じて マニュアルの 記 載 項 目 は 異 なることに 留 意 すること 患 者 の 皆 様 へ 患 者 さんや 患 者 の 家 族 の 方 に 知 っておいて 頂 きたい 副 作 用 の 概 要 初 期 症 状 早 期 発 見 早 期 対 応 のポイントをできるだけわかりやすい 言 葉 で 記 載 した 医 療 関 係 者 の 皆 様 へ 早 期 発 見 と 早 期 対 応 のポイント 医 師 薬 剤 師 等 の 医 療 関 係 者 による 副 作 用 の 早 期 発 見 早 期 対 応 に 資 するため ポイ ントになる 初 期 症 状 や 好 発 時 期 医 療 関 係 者 の 対 応 等 について 記 載 した 副 作 用 の 概 要 副 作 用 の 全 体 像 について 症 状 検 査 所 見 病 理 組 織 所 見 発 生 機 序 等 の 項 目 毎 に 整 理 し 記 載 した 3

副 作 用 の 判 別 基 準 ( 判 別 方 法 ) 臨 床 現 場 で 遭 遇 した 症 状 が 副 作 用 かどうかを 判 別 ( 鑑 別 )するための 基 準 ( 方 法 ) を 記 載 した 判 別 が 必 要 な 疾 患 と 判 別 方 法 当 該 副 作 用 と 類 似 の 症 状 等 を 示 す 他 の 疾 患 や 副 作 用 の 概 要 や 判 別 ( 鑑 別 ) 方 法 につ いて 記 載 した 治 療 法 副 作 用 が 発 現 した 場 合 の 対 応 として 主 な 治 療 方 法 を 記 載 した ただし 本 マニュアルの 記 載 内 容 に 限 らず 服 薬 を 中 止 すべきか 継 続 すべきかも 含 め 治 療 法 の 選 択 については 個 別 事 例 において 判 断 されるものである 典 型 的 症 例 本 マニュアルで 紹 介 する 副 作 用 は 発 生 頻 度 が 低 く 臨 床 現 場 において 経 験 のある 医 師 薬 剤 師 は 少 ないと 考 えられることから 典 型 的 な 症 例 について 可 能 な 限 り 時 間 経 過 がわかるように 記 載 した 引 用 文 献 参 考 資 料 当 該 副 作 用 に 関 連 する 情 報 をさらに 収 集 する 場 合 の 参 考 として 本 マニュアル 作 成 に 用 いた 引 用 文 献 や 当 該 副 作 用 に 関 する 参 考 文 献 を 列 記 した 医 薬 品 の 販 売 名 添 付 文 書 の 内 容 等 を 知 りたい 時 は このホームページにリンクしてい る 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページの 添 付 文 書 情 報 から 検 索 することができます http://www.info.pmda.go.jp/ 4

間 質 性 肺 炎 英 語 名 :Interstitial pneumonia:ip 同 義 語 : 肺 臓 炎 (pneumonitis) 胞 隔 炎 (alveolitis) 肺 線 維 症 (pulmonary fibrosis) A. 患 者 の 皆 様 へ ここでご 紹 介 している 副 作 用 は まれなもので 必 ず 起 こるものではありません ただ 副 作 用 は 気 づかずに 放 置 していると 重 くなり 健 康 に 影 響 を 及 ぼすことがあるので 早 めに 気 づ いて 対 処 することが 大 切 です そこで より 安 全 な 治 療 を 行 う 上 でも 本 マニュアルを 参 考 に 患 者 さんご 自 身 またはご 家 族 に 副 作 用 の 黄 色 信 号 として 副 作 用 の 初 期 症 状 があるこ とを 知 っていただき 気 づいたら 医 師 あるいは 薬 剤 師 に 連 絡 してください はいほう えんしょう かんしつせいはいえん 肺 胞 の 炎 症 で 動 脈 中 に 酸 素 が 取 り 込 みにくくなる 間 質 性 肺 炎 は 医 薬 品 によって 引 き 起 こされる 場 合 もあります しょうさい こ とう 主 に 抗 がん 剤 抗 リウマチ 薬 漢 方 薬 ( 小 柴 胡 湯 など)などでみ そうごうかんぼうやく られ また 総 合 感 冒 薬 (かぜ 薬 )のような 市 販 の 医 薬 品 でもみられる ことがあるので 何 らかのお 薬 を 服 用 していて 次 のような 症 状 がみ られた 場 合 には 放 置 せずに 医 師 薬 剤 師 に 連 絡 してください 階 段 を 登 ったり 少 し 無 理 をしたりすると 息 切 れがする 息 苦 しく からせき なる 空 咳 が 出 る 発 熱 する などがみられ これらの 症 状 が 急 に 出 現 したり 持 続 したりする 5

かんしつせいはいえん とは? 1. 間 質 性 肺 炎 はいほう 肺 は 直 径 0.1~0.2 mm ほどの 肺 胞 と 呼 ばれる 小 さな 袋 がブドウ の 房 のように 集 まって 出 来 ているスポンジのような 臓 器 です ブド きかんし ウの 茎 が 空 気 を 吸 い 込 む 気 管 支 に 相 当 します 肺 胞 の 壁 はとても もうさいけっかん 薄 く 毛 細 血 管 が 網 の 目 のように 取 り 囲 んでいます 吸 い 込 んだ 空 気 中 の 酸 素 は 肺 胞 の 壁 から 血 液 中 に 取 り 込 まれます 間 質 性 肺 炎 えんしょう は この 肺 胞 の 壁 や 周 辺 に 炎 症 が 起 こり この 病 態 になると 血 液 どうみゃく ていさんそ に 酸 素 が 取 り 込 めず 動 脈 血 液 中 の 酸 素 が 減 少 した 状 態 ( 低 酸 素 けっしょう 血 症 )となり 呼 吸 が 苦 しくなります 症 状 が 一 時 的 で 治 る 場 合 も はいせんいしょう せんいか ありますが 進 行 して 肺 線 維 症 ( 肺 が 線 維 化 を 起 こして 硬 くなって しまった 状 態 )になってしまう 場 合 もあります からせき たん 主 な 症 状 として 息 切 れ( 呼 吸 困 難 ) 空 咳 ( 痰 のない 咳 ) 発 熱 の3つが 知 られています 息 切 れは 最 初 は 運 動 時 あるい は 坂 道 や 階 段 を 上 がる 時 にみられますが 進 行 すると 歩 くだけでも 息 切 れを 感 じるようになります 発 熱 はみられないことがあります ひふきんえん たはつせいきんえん きょうひしょう かんせつ 間 質 性 肺 炎 は 皮 膚 筋 炎 多 発 性 筋 炎 強 皮 症 関 節 リウマチな こうげんびょう どの 膠 原 病 アスベストの 吸 入 など 原 因 がわかっている 場 合 もあ とくはつせいかんしつせいはいえん りますが 特 発 性 間 質 性 肺 炎 といって 原 因 不 明 のものが 多 くみられ ます 間 質 性 肺 炎 は 医 薬 品 によっても 起 こります 多 くの 医 薬 品 が 原 因 になりますが 代 表 的 なものとしては 抗 がん 剤 ( 経 口 剤 点 滴 用 しょうさい こ とう な 剤 ) 抗 リウマチ 薬 インターフェロン 製 剤 漢 方 薬 ( 小 柴 胡 湯 げねつしょうえんちんつうやく こうせいぶっしつ ど) 解 熱 消 炎 鎮 痛 薬 (アスピリン サリチル 酸 など) 抗 生 物 質 こうふせいみゃくやく そうごうかんぼうやく 抗 不 整 脈 薬 (アミオダロン)などでみられます 総 合 感 冒 薬 (かぜ 薬 )のような 市 販 の 医 薬 品 でみられることもあります 6

医 薬 品 によって 間 質 性 肺 炎 が 起 こる 機 序 は 大 きく 2 つに 分 けられ ます 一 つは ある 種 の 抗 がん 剤 などのように 細 胞 を 直 接 傷 害 す る 医 薬 品 によって 肺 の 細 胞 自 体 が 傷 害 を 受 けて 生 じるもので 医 薬 品 を 使 用 してからゆっくり( 数 週 間 ~ 数 年 ) 発 症 するものです も めんえきはんのう う 一 つは 薬 に 対 する 一 種 のアレルギーのような 免 疫 反 応 が 原 因 と なるもので 多 くは 医 薬 品 の 使 用 後 早 期 (1~2 週 間 程 度 )に 発 症 するものです 多 くの 種 類 の 医 薬 品 がこのタイプとされていますが ゲフィチニブのように 発 症 機 序 がよく 分 かっていないものもありま す 2. 早 期 発 見 と 早 期 対 応 のポイント 階 段 を 登 ったり 少 し 無 理 をしたりすると 息 切 れがする 息 苦 し からせき くなる 空 咳 が 出 る 発 熱 する などがみられ これらの 症 状 が 急 に 出 現 したり 持 続 したりするような 場 合 で 医 薬 品 を 服 用 している 場 合 には 放 置 せずに 医 師 薬 剤 師 に 連 絡 をしてください 受 診 する 際 には 服 用 した 医 薬 品 の 種 類 服 用 からどのくらいた っているのか 息 切 れ 呼 吸 困 難 の 程 度 などを 医 師 に 知 らせてくだ さい なお 間 質 性 肺 炎 を 起 こす 可 能 性 がある 医 薬 品 すなわち 抗 が しょうさい こ とう ん 剤 抗 リウマチ 薬 インターフェロン 製 剤 小 柴 胡 湯 アミオダ ロンなどでの 治 療 を 受 ける 方 は あらかじめ 担 当 医 から 使 用 する 医 薬 品 の 種 類 その 特 徴 効 果 間 質 性 肺 炎 を 含 めた 副 作 用 とその 監 視 のための 検 査 計 画 などの 説 明 があると 思 いますので その 指 示 に 従 ってください 7

医 薬 品 の 販 売 名 添 付 文 書 の 内 容 等 を 知 りたい 時 は このホームページにリンクしてい る 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページの 添 付 文 書 情 報 から 検 索 することができます http://www.info.pmda.go.jp/ 8

B. 医 療 関 係 者 の 皆 様 へ 1. 早 期 発 見 と 早 期 対 応 のポイント 投 与 から 間 質 性 肺 炎 の 発 症 までの 期 間 は 一 般 的 には 抗 悪 性 腫 瘍 薬 など 細 胞 傷 害 性 薬 剤 では 数 週 間 から 数 年 の 慢 性 の 経 過 で 免 疫 反 応 の 関 与 が 考 えら れるその 他 の 製 剤 では 1~2 週 間 で 急 速 に 発 症 するとされる 抗 悪 性 腫 瘍 薬 を 用 いる 際 患 者 の 全 身 状 態 が 悪 い 場 合 や 肺 に 線 維 化 などの 障 害 がもともと 見 られる 場 合 は 間 質 性 肺 炎 発 症 のリスクが 高 いと 考 えて 慎 重 な 経 過 観 察 が 必 要 である 治 療 中 患 者 が 予 想 外 の 発 熱 息 切 れ 呼 吸 困 難 乾 性 咳 などを 訴 えた 場 合 は 血 液 検 査 (C 反 応 性 蛋 白 (CRP) LDH KL-6 SP-D) 胸 部 X 線 写 真 胸 部 CT 動 脈 血 ガス 分 析 などを 早 急 に 進 める (1) 副 作 用 の 好 発 時 期 投 与 から 間 質 性 肺 炎 の 発 症 までの 期 間 は 一 般 的 には 免 疫 反 応 の 関 与 が 考 えられる 抗 菌 薬 解 熱 消 炎 鎮 痛 薬 抗 不 整 脈 薬 (アミオダロン) 抗 リウ マチ 薬 ( 金 製 剤 メトトレキサート) インターフェロン 漢 方 薬 ( 小 柴 胡 湯 )などでは 1~2 週 間 細 胞 傷 害 性 薬 剤 である 抗 悪 性 腫 瘍 薬 では 数 週 間 か ら 数 年 で 発 症 することが 多 いとされる ただし これに 当 てはまらない 場 合 もあり 抗 悪 性 腫 瘍 薬 でも 早 期 に 発 症 する 場 合 がある 癌 分 子 標 的 治 療 薬 で あるゲフィチニブでは4 週 間 ( 特 に2 週 間 ) 以 内 にみられる 事 が 多 いことが 知 られている (2) 患 者 側 のリスク 因 子 抗 悪 性 腫 瘍 薬 を 用 いる 際 患 者 の 全 身 状 態 が 悪 い 場 合 や 肺 に 線 維 化 など の 所 見 があり 炎 症 の 素 地 があると 考 えられる 場 合 は 間 質 性 肺 炎 発 症 のリス クが 高 く 重 篤 な 病 像 を 取 りうるので 慎 重 な 経 過 観 察 を 要 する 免 疫 反 応 の 関 与 する 間 質 性 肺 炎 では 発 症 の 予 測 は 難 しいことも 多 い (3) 投 薬 上 のリスク 因 子 抗 悪 性 腫 瘍 薬 の 投 与 量 と 肺 毒 性 に 関 してはブレオマイシンやマイトマイ シン C で 報 告 がある 1) ブレオマイシン: 個 人 差 はあるが 全 投 与 量 が 450~500 mg/m 2 を 越 えると 9

毒 性 が 急 速 に 上 がるとされる 腎 排 泄 が 80% 以 上 なので 腎 機 能 評 価 も 重 要 である また 放 射 線 照 射 の 併 用 ある いは 既 往 もリスクを 上 昇 させる 高 濃 度 酸 素 投 与 や G-CSF の 併 用 もリスクであるとする 報 告 がある マイトマイシン C:ブレオマイシンほど 確 立 してはいないが 間 質 性 肺 炎 例 の 多 くが 全 投 与 量 10 mg/m 2 以 上 との 報 告 がある シクロホスファミドやブスルファンの 肺 毒 性 は 投 与 量 に 依 存 せず 少 量 の 場 合 でも 発 症 することがある パクリタキセルなどのタキサン 系 抗 腫 瘍 薬 や Ara-C 類 似 化 合 物 のゲムシタビンなどによる 間 質 性 肺 炎 も 良 く 知 られている が その 投 与 量 と 発 症 の 関 係 は 不 明 である 抗 不 整 脈 薬 のアミオダロン: 肺 毒 性 報 告 例 は 1 日 量 400 mg 以 上 の 場 合 が 多 いとされる 2) (4) 患 者 もしくは 家 族 等 が 早 期 に 認 識 しうる 症 状 治 療 中 患 者 が 予 想 外 の 発 熱 息 切 れ 呼 吸 困 難 乾 性 咳 ( 空 咳 )などを 訴 えた 場 合 は 間 質 性 肺 炎 の 発 症 を 考 える (5) 早 期 発 見 に 必 要 な 検 査 と 実 施 時 期 医 薬 品 の 服 用 後 1~2 週 程 度 で 患 者 が 予 想 外 の 発 熱 息 切 れ 呼 吸 困 難 乾 性 咳 などを 訴 えた 場 合 は ただちに 血 液 検 査 を 行 い CRP LDH KL-6 SP-D 等 のマーカーを 検 索 すると 同 時 に 胸 部 X 線 写 真 胸 部 CT 動 脈 血 ガス 分 析 などを 早 急 に 進 める 抗 悪 性 腫 瘍 薬 を 投 与 する 際 および 投 与 後 の 経 過 観 察 では 定 期 的 に 血 液 検 査 胸 部 X 線 写 真 を 撮 影 し 息 切 れ 咳 などの 症 状 が 出 現 した 場 合 には すぐに 動 脈 血 ガス 分 析 胸 部 CT を 行 う ことに HRCT を 含 む 胸 部 CT は 病 型 や 病 変 の 広 がりを 判 断 する 上 で 重 要 であ る 2. 副 作 用 の 概 要 薬 剤 性 間 質 性 肺 炎 は 1980 年 以 前 にはブレオマイシンや 金 製 剤 による 報 告 が 多 く それ 以 後 は 抗 菌 薬 解 熱 消 炎 鎮 痛 薬 漢 方 薬 インターフェロン 各 種 抗 悪 性 腫 瘍 薬 免 疫 抑 制 薬 など 多 くの 薬 剤 による 報 告 がなされた また 上 皮 成 長 因 子 受 容 体 (EGFR) チロシンキナーゼ 阻 害 を 機 序 とした 分 子 標 的 薬 ゲ 10

フィチニブなど 新 規 抗 悪 性 腫 瘍 薬 による 間 質 性 肺 炎 が 報 告 3) されている 薬 剤 性 間 質 性 肺 炎 は 直 接 的 細 胞 傷 害 作 用 ( 医 薬 品 自 体 他 の 医 薬 品 との 相 互 作 用 代 謝 の 異 常 などによる 医 薬 品 の 蓄 積 )や 間 接 的 細 胞 傷 害 作 用 ( 炎 症 やアレ ルギー)により 発 症 すると 考 えられている (1) 自 覚 症 状 咳 ( 特 に 乾 性 咳 空 咳 ) 息 切 れ 発 熱 などが 見 られる (2) 身 体 所 見 呼 吸 困 難 が 高 度 の 場 合 は 頻 呼 吸 補 助 呼 吸 筋 の 使 用 がみられる 胸 部 で fine crackles( 捻 髪 音 )を 聴 取 することがある (3) 検 査 所 見 白 血 球 数 ( 特 に 好 酸 球 )の 増 加 肝 機 能 障 害 や 低 酸 素 血 症 などがみられ る LDH CRP KL-6 SP-D などのびまん 性 肺 疾 患 の 診 断 に 用 いられる 血 清 マーカーが 有 用 である (4) 画 像 検 査 所 見 胸 部 CT とくに HRCT が 重 要 である 急 性 および 慢 性 のびまん 性 肺 疾 患 の 病 像 を 示 し 下 記 の 病 理 所 見 に 相 応 して 浸 潤 影 (EP OP) スリガラ ス 影 (DAD DIP NSIP) 蜂 巣 肺 (UIP) 等 多 彩 な 画 像 所 見 を 呈 する (5) 病 理 検 査 所 見 肺 の 病 理 所 見 は 主 に 好 酸 球 性 肺 炎 (eosinophilic pneumonia:ep) 器 質 化 肺 炎 (organizing pneumonia:op) びまん 性 肺 胞 傷 害 (diffuse alveolar damage:dad) 通 常 型 間 質 性 肺 炎 (usual interstitial pneumonia:uip) 剥 離 性 間 質 性 肺 炎 (desquamative interstitial pneumonia:dip) 非 特 異 性 間 質 性 肺 炎 (nonspecific interstitial pneumonia : NSIP ) 肺 胞 出 血 (plumonary hemorrhage) 非 心 原 性 肺 水 腫 (non-cardiogenic pulmonary edema) 肉 芽 腫 形 成 ( 過 敏 性 肺 ( 臓 ) 炎 (hypersensitivity pneumonitis) など 多 彩 な 所 見 が 報 告 4) されている (6) 発 生 機 序 大 きく 2 種 類 に 分 けられる 2) 一 つは 抗 悪 性 腫 瘍 薬 のような 細 胞 傷 害 性 薬 剤 によって 肺 の 細 胞 自 体 が 傷 害 を 受 けて 生 じるもので 使 用 してから 11

発 症 まで 慢 性 ( 数 週 間 ~ 数 年 )に 経 過 するタイプである もう 一 つは 医 薬 品 に 対 する 免 疫 反 応 が 原 因 と 考 えられるもので 医 薬 品 の 使 用 後 急 速 (1~2 週 間 程 度 )に 発 症 するとされる ただし 抗 悪 性 腫 瘍 薬 でも 後 者 の 発 症 様 式 をとるもの またゲフィチニブのように 発 生 機 序 がよくわかって いないものもある (7) 医 薬 品 ごとの 特 徴 抗 菌 薬 による 間 質 性 肺 炎 では pulmonary infiltrates with eosinophilia い わゆる PIE 症 候 群 の 形 をとるのが 典 型 とされる 非 ステロイド 性 抗 炎 症 薬 では 非 心 原 性 肺 水 腫 ないし 過 敏 性 肺 炎 の 形 をとるとされる (8) 副 作 用 発 現 頻 度 医 薬 品 による 間 質 性 肺 炎 の 頻 度 については 不 明 である その 理 由 として 所 見 が 非 特 異 的 で 他 のびまん 性 肺 疾 患 との 鑑 別 が 難 しいこと 複 数 の 医 薬 品 投 与 例 が 多 く 肺 病 変 の 原 因 医 薬 品 の 同 定 が 難 しいことが 挙 げられる 個 々の 医 薬 品 については ブレオマイシンで 8~10% マイトマイシン C で 2~12% シクロホスファミドで 1% 未 満 メトトレキサートで 7% ア ミオダロンで 5%などの 報 告 1) がある 3. 副 作 用 の 判 別 基 準 ( 判 別 方 法 ) 診 断 は 医 薬 品 投 与 期 間 と 臨 床 経 過 画 像 所 見 気 管 支 肺 胞 洗 浄 (BAL) 所 見 病 理 所 見 を 照 らし 併 せて 総 合 的 に 行 う 起 因 医 薬 品 の 同 定 に 関 しては 薬 剤 リ ンパ 球 刺 激 試 験 (drug lymphocyte stimulation test:dlst)や 白 血 球 遊 走 阻 止 試 験 (leukocyte migration inhibition test:lmit)などを 用 いるが 同 定 が 困 難 であることも 少 なくない 医 薬 品 の 投 与 歴 を 詳 細 に 検 討 し 服 用 中 止 による 改 善 を 確 認 することがもっとも 確 実 な 証 拠 となる 4. 判 別 が 必 要 な 疾 患 と 判 別 方 法 (1) 判 別 が 必 要 な 疾 患 1 原 疾 患 の 増 悪 もともと 存 在 する 特 発 性 間 質 性 肺 炎 (IIPs) 慢 性 関 節 リウマチ 皮 膚 筋 炎 多 発 筋 炎 全 身 性 エリテマトーデス 強 皮 症 混 合 性 結 合 組 織 病 シ ェーグレン 症 候 群 など 膠 原 病 および 関 連 疾 患 急 性 好 酸 球 性 肺 炎 慢 性 好 酸 球 性 肺 炎 肺 胞 蛋 白 症 肺 ランゲルハンス 細 胞 組 織 球 症 さらに 細 気 管 支 肺 胞 上 皮 癌 癌 性 リンパ 管 症 など 腫 瘍 性 肺 疾 患 などの 増 悪 と 判 別 ( 鑑 別 ) 12

する 必 要 がある 2 感 染 症 ニューモシスチス 肺 炎 真 菌 症 レジオネラ 肺 炎 マイコプラズマ 肺 炎 などと 鑑 別 する 必 要 がある 3 心 疾 患 心 不 全 による 肺 水 腫 との 鑑 別 が 必 要 である (2) 判 別 方 法 詳 細 な 問 診 や 身 体 所 見 のチェック( 環 境 曝 露 や 職 業 歴 膠 原 病 を 示 唆 する 症 状 身 体 所 見 の 有 無 服 薬 歴 感 染 症 状 ) 喀 痰 培 養 ( 一 般 細 菌 抗 酸 菌 ) 尿 中 抗 原 (レジオネラ) 胸 部 X 線 写 真 胸 部 CT(HRCT) 呼 吸 機 能 検 査 血 液 検 査 ( 血 算 白 血 球 分 画 β-d-グルカン サイトメガロアンチゲネミア KL-6 SP-D BNP 等 )を 行 う 可 能 であれば 気 管 支 鏡 検 査 にて 気 管 支 肺 胞 洗 浄 (BAL) 経 気 管 支 肺 生 検 (TBLB)を 行 う 気 管 支 肺 胞 洗 浄 液 (BALF)の 解 析 で ニューモシスチス 属 アスペルギルス 属 カンジダ 属 結 核 菌 非 結 核 性 抗 酸 菌 などの 感 染 症 の 鑑 別 や 確 定 診 断 のための 有 用 な 情 報 が 得 られる TBLB では 悪 性 腫 瘍 肺 感 染 症 リンパ 脈 管 筋 腫 症 肺 胞 蛋 白 症 サルコイドーシス 過 敏 性 肺 臓 炎 器 質 化 肺 炎 などの 鑑 別 や 確 定 診 断 につながる 有 用 な 情 報 が 得 られる 5. 治 療 方 法 治 療 としては まず 原 因 と 推 測 される 医 薬 品 を 中 止 することである 急 速 に 増 悪 する 場 合 や 重 症 例 では パルス 療 法 を 含 めたステロイド 剤 投 与 が 行 われる 処 方 例 : 1 メチルプレドニゾロン 1 g/ 日 3 日 間 ( 点 滴 静 注 ) 2 以 後 プレドニゾロン 1 mg/kg 体 重 / 日 症 状 が 安 定 したら 2 割 ずつ 2~4 週 ごとに 漸 減 6. 典 型 的 症 例 概 要 ゲフィチニブによる 肺 障 害 ( 症 例 1) ペグインターフェロンアルファ-2a 投 与 による 肺 障 害 ( 症 例 2) 小 柴 胡 湯 による 呼 吸 困 難 ( 症 例 3) 及 びアミオダロン による 肺 障 害 ( 症 例 4)の 臨 床 経 過 を 提 示 する 13

症 例 1 80 歳 代 の 男 性 7 年 前 に 高 血 圧 を 指 摘 され 降 圧 薬 を 内 服 中 である 喫 煙 歴 は 15 本 / 日 67 年 間 2001 年 5 月 頃 より 体 重 減 少 がみられ 9 月 に 胸 部 X 線 写 真 で 左 中 肺 野 に 異 常 陰 影 を 指 摘 され 検 査 加 療 目 的 で 9 月 に 入 院 した 超 音 波 下 経 皮 的 生 検 で 肺 扁 平 上 皮 癌 と 診 断 病 期 分 類 では ct2n1m0 stage IIB で heavy smoker 間 質 性 肺 炎 陳 旧 性 肺 結 核 腎 機 能 低 下 (24hrCcr. 38)であり 治 療 として 放 射 線 療 法 を 選 択 した 胸 部 照 射 60Gy を 施 行 し 治 療 効 果 は partial response(pr)であり 退 院 となった 外 来 通 院 中 に 腫 瘍 が 再 増 大 し 2002 年 8 月 よりゲフィチニブの 服 用 を 開 始 した しかし 下 痢 による 消 化 器 症 状 が 強 く 服 用 18 日 目 にはゲフィチニブの 服 用 を 中 止 していた 服 用 中 止 2 日 目 に 朝 方 のトイレ 歩 行 後 に 呼 吸 困 難 を 自 覚 し 服 用 中 止 3 日 目 には 呼 吸 困 難 が 増 悪 し 意 識 障 害 もみられ 救 急 車 で 来 院 し 入 院 となった 入 院 時 の 検 査 所 見 は WBC 10,800 /μl(neut 87% eos 1% lymph 10% mono 2%) RBC 264X10 4 /μl Hb 7.6 g/dl PLT 246X10 3 /μl TP 4.7 g/dl Alb 2.7 g/dl AST 246 IU/L ALT 245 IU/L LDH 1408 IU/L BUN 47 mg/dl Cr 1.4 mg/dl CRP 17.2 mg/dl 動 脈 血 液 ガス 分 析 は 酸 素 3L の 吸 入 下 で ph 7.319 Pao 2 74.0 Torr Paco 2 50.0 Torr HCO - 3 25.0 mmol/l Sao 2 91.5%で あり 低 酸 素 血 症 を 伴 う 多 臓 器 障 害 が 考 えられた また 肺 障 害 のパラメータ ーである 血 清 KL-6 は 770 U/mL から 1,488 U/mL へと SP-D は 362 ng/ml から 705 ng/ml(いずれも 7 月 上 旬 服 用 中 止 3 日 目 の 採 血 結 果 )へとゲフ ィチニブの 投 与 後 に 急 激 な 上 昇 を 示 した ゲフィチニブ 投 与 前 後 の 胸 部 X 線 写 真 と CT 画 像 を 図 1 と 図 2 に 示 したが 投 与 前 は 正 常 と 考 えられた 肺 野 を 含 めて 投 与 後 には 両 側 の 全 肺 野 にびまん 性 のスリガラス 陰 影 が 拡 がってい た ステロイドパルス 療 法 を 施 行 するも 呼 吸 不 全 が 進 行 し 入 院 3 日 目 に 死 亡 した 剖 検 により 得 られた 肺 の 病 理 組 織 では 右 上 葉 肺 にはびまん 性 肺 胞 障 害 (DAD)の 浸 出 期 ( 図 3A) 左 上 葉 肺 には DAD の 増 殖 期 ( 図 3B)が 主 にみられた また 両 側 下 葉 には 蜂 巣 肺 病 変 が 散 在 していた 当 症 例 は 肺 線 維 症 が 既 存 にあり ゲフィチニブによる 肺 障 害 を 来 したものである 病 理 的 には DAD が 局 所 的 にかつ 経 時 的 に 発 症 したものと 判 断 される ゲフィチニブ による 肺 障 害 は 重 篤 な 例 は DAD が 本 態 であるが 当 症 例 のように 臨 床 像 は かならずしも 典 型 的 な 急 性 呼 吸 窮 迫 症 候 群 (ARDS)を 示 さず 画 像 的 にも 間 質 性 肺 炎 的 なものがみられることも 多 い 14

図 1. 症 例 1の 胸 部 エックス 線 写 真 所 見 (A)ゲフィチニブ 投 与 前 (B)ゲフィチニブ 投 与 20 日 後 15

図 2. 症 例 1の 胸 部 CT 所 見 (A)ゲフィチニブ 投 与 前 (B)ゲフィチニブ 投 与 20 日 後 16

図 3. 症 例 1の 剖 検 肺 組 織 所 見 (A) 右 上 葉 肺 (B) 左 上 葉 肺 17

症 例 2 50 歳 代 の 男 性 2005 年 4 月 慢 性 C 型 肝 炎 治 療 のため 近 医 を 受 診 した 肝 機 能 障 害 は 軽 度 で ウイルスは 遺 伝 子 型 Ⅰ 型 で 低 ウイルス 量 であったため ペグインターフェロン アルファ-2a 180 µg 週 1 回 皮 下 注 48 週 の 予 定 で 治 療 を 開 始 された 2005 年 7 月 には HCV 量 も 正 常 化 した 2006 年 1 月 頃 から 咳 嗽 と 労 作 時 の 呼 吸 困 難 が 出 現 した 2 月 6 日 近 医 にて 胸 部 X 線 および 胸 部 CT の 撮 影 を 施 行 され 異 常 影 がありインターフェロンによる 間 質 性 肺 炎 を 疑 われて 同 剤 を 中 止 され 2 月 20 日 受 診 した 喫 煙 40 本 / 日 20 歳 から 発 症 3 ヶ 月 前 まで 身 長 166 cm 体 重 61 kg 体 温 36.0 両 側 肺 底 部 に fine crackles を 聴 取 した 検 査 所 見 では WBC 7,200/µL (neut 61.7%, eos 1.5%, lymph 21.7%, mono 14.4%) RBC 397 10 4 /µl Hb 12.7 g/dl Plt 26 10 4 /µl TP 7.8 g/dl AST 38 IU/L ALT 25 IU/L LDH 332 IU/L BUN 13 mg/dl Cr 0.80 mg/dl CRP <0.10 mg/dl KL-6 1,550 U/mL 動 脈 血 ガス( 室 内 気 吸 入 下 )Pao 2 65.4 Torr Paco 2 38.6 Torr ph 7.41 呼 吸 機 能 検 査 VC 2.24 L %VC 64% FEV 1 1.92 L FEV 1 % 86% %FEV 1 69% DLco 8.10 ml/min/torr %DLco 43% 気 管 支 肺 胞 洗 浄 総 細 胞 数 45 10 5 /ml マ クロファージ 64.7% リンパ 球 30.6% 好 中 球 0.3% CD4/CD8 比 1.60 受 診 時 の 胸 部 X 線 写 真 ( 図 4A)では 肺 野 の 容 積 は 減 少 し 両 側 下 肺 野 胸 膜 直 下 優 位 に 網 状 もしくは 線 状 の 間 質 性 陰 影 を 認 めた 胸 部 CT 像 ( 図 5) では 胸 膜 直 下 に 優 位 の 網 状 影 を 認 めたが 明 らかな 蜂 巣 肺 や 牽 引 性 気 管 支 拡 張 所 見 は 認 めなかった 臨 床 経 過 と 検 査 所 見 からインターフェロンによる 間 質 性 肺 炎 と 診 断 して 医 薬 品 の 中 止 のみで 経 過 を 見 た 次 第 に 咳 嗽 は 収 まり それに 伴 って 陰 影 も 次 第 に 消 失 し 労 作 時 の 呼 吸 困 難 も 軽 快 した 図 4B はインター フェロン 中 止 後 4 ヶ 月 の 胸 部 X 線 写 真 で 肺 容 積 の 減 少 を 残 すものの 胸 膜 直 下 優 位 に 見 られた 間 質 性 陰 影 はほぼ 消 失 した また 早 い 時 期 に 聴 診 所 見 も 軽 快 した 18

図 4. 症 例 2の 胸 部 エックス 線 写 真 (A)インターフェロン(IFN) 投 与 中 (B)IFN 投 与 中 止 後 図 5. 症 例 2の 胸 部 CT 所 見 19

症 例 3 70 歳 代 男 性 使 用 薬 剤 : 小 柴 胡 湯 5) 使 用 量 期 間 :7.5 g/ 日 27 日 間 概 要 : 肝 硬 変 の 患 者 ( 小 柴 胡 湯 の 服 薬 歴 あり)に 小 柴 胡 湯 の 投 与 開 始 投 与 22 日 後 に 咽 頭 痛 23 日 後 には 発 熱 (37~38 )を 認 め 食 欲 低 下 を 来 す 投 与 26 日 後 自 力 歩 行 にて 来 院 咽 頭 痛 発 熱 の 改 善 がみられな いため 小 柴 胡 湯 の 投 与 を 中 止 した ただし 咳 嗽 喀 痰 呼 吸 困 難 は 認 め なかった 投 与 27 日 後 早 朝 5 時 頃 より 自 宅 にて 強 い 呼 吸 困 難 があらわ れた 来 院 途 中 タクシー 内 で 意 識 消 失 し 呼 吸 停 止 した 救 急 車 にて 最 寄 りの 病 院 へ 搬 送 され 一 時 蘇 生 するも, 同 日 夕 刻 死 亡 した 症 例 4 70 歳 代 男 性 1991 年 から 洞 不 全 症 候 群 心 房 細 動 のため 加 療 開 始 した 心 不 全 や 発 作 性 心 房 細 動 のため 入 退 院 を 繰 り 返 していた 2003 年 3 月 より 難 治 性 の 発 作 性 心 房 細 動 に 対 してアミオダロン 1 日 200 mg の 内 服 を 開 始 し 不 整 脈 が 減 少 していた 2004 年 3 月 頃 より 乾 性 咳 漱 が 出 現 し 鎮 咳 薬 の 内 服 を 開 始 されたが 咳 漱 は 持 続 し 同 年 9 月 には KL-6 が 982 IU/L と 上 昇 した ため 内 服 を 中 止 した アミオダロンの 総 量 は 110 g であった 11 月 頃 より 労 作 時 息 切 れも 出 現 し 12 月 下 旬 にはさらに 増 悪 したため 入 院 した 既 往 歴 として 40 歳 十 二 指 腸 潰 瘍 61 歳 洞 不 全 症 候 群 64 歳 ペースメーカ ー 植 え 込 み 術 を 受 けた 入 院 時 アミオダロン 以 外 の 内 服 薬 は 塩 酸 ベプリジル シンバスタチン ワルファリンカリウム アロプリノール アルプラゾラム テプレノン スクラルファートであった 喫 煙 歴 は 30~60 歳 まで 1 日 20 本 30 年 であった 入 院 時 現 症 では 身 長 169 cm 体 重 66 kg 体 温 37.1 度 脈 拍 80/ 分 整 呼 吸 数 25/ 分 整 血 圧 136/86 mmhg Spo 2 93%(room air) 意 識 清 明 貧 血 黄 疸 なし 頭 頸 部 : 異 常 所 見 なし 胸 部 ; 心 音 異 常 なし 呼 吸 音 : 両 側 下 肺 野 に 捻 髪 音 聴 取 腹 部 : 平 坦 軟 圧 痛 なし 頸 静 脈 怒 張 下 腿 浮 腫 なし 神 経 学 的 異 常 なし 入 院 時 検 査 所 見 では 血 液 検 査 ; WBC 8600/μL(neut 75.7% eos 0.7% baso 0.3% mono 8.3% lymph 15.0%) RBC 424 10 4 /μl Hb 13.9 g/dl PLT 24 10 4 /μl AST 39 IU/L ALT 27 IU/L LDH 337 IU/L CRP 11.4 g/dl CK 96 IU/L PT INR 3.39 APTT 86.4 sec KL-6 1710 IU/L β-d-グルカン 2.7 20

pg/ml アミオダロンに 対 する DLST は 施 行 していない 動 脈 血 液 ガス 分 析 - ( 室 内 気 吸 入 下 ) PH 7.442 Paco 2 37.5 Torr Pao 2 63.6 Torr HCO 3 25.3 mmol/l BE 1.1 mmol/l AaDo 2 38.7 Torr Sao 2 93% 入 院 時 胸 部 X 線 写 真 ( 図 6)では CTR56% 両 中 下 肺 野 のスリガラス 状 陰 影 両 側 心 横 隔 膜 角 鈍 化 入 院 10 ヶ 月 前 のレントゲンに 比 し 横 隔 膜 挙 上 両 肺 の 収 縮 傾 向 を 認 める 入 院 時 胸 部 CT 所 見 ( 図 7)では 両 下 肺 野 背 側 に 蜂 巣 状 変 化 とその 周 囲 に 濃 度 上 昇 あり 両 肺 野 気 腫 性 変 化 著 明 入 院 時 画 像 所 見 と 血 液 検 査 臨 床 症 状 より 肺 炎 心 不 全 の 診 断 で 治 療 を 開 始 した 市 中 肺 炎 および 異 型 肺 炎 を 念 頭 に 抗 菌 薬 (トシル 酸 スルタミシリ ンの 点 滴 投 与 クラリスロマイシン 内 服 の2 剤 併 用 )と 心 不 全 に 対 して 利 尿 剤 (フロセミド 静 脈 注 射 )による 治 療 を 行 った その 後 炎 症 反 応 は 低 下 す るも 自 覚 症 状 や 画 像 上 スリガラス 陰 影 改 善 せず 高 濃 度 酸 素 吸 入 が 必 要 にな った 入 院 前 病 歴 画 像 所 見 KL-6(1710 IU/L)の 上 昇 から アミオダロン による 薬 剤 性 間 質 性 肺 炎 を 疑 い ステロイドパルス 療 法 を 開 始 した メチル プレドニゾロン 1000 mg/ 日 3 日 間 その 後 同 薬 500 mg/ 日 3 日 間 以 降 同 薬 80 mg/ 日 の 点 滴 投 与 を 行 った 治 療 開 始 後 10 日 程 で 画 像 上 改 善 が 見 ら れ 始 め 動 脈 血 液 ガスも 改 善 を 認 めた 気 腫 性 病 変 と 両 下 肺 野 の 蜂 巣 肺 様 の 所 見 を 認 めたが スリガラス 陰 影 は 消 退 傾 向 であった ( 図 8) 点 滴 投 与 のス テロイドを 漸 減 し プレドニゾロンの 内 服 に 変 更 した 離 床 開 始 後 労 作 時 の 息 切 れ(H-J2 度 程 度 )を 認 め 慢 性 心 不 全 の 存 在 も 考 慮 し 在 宅 酸 素 療 法 を 導 入 ( 安 静 時 酸 素 0.5 L/min 労 作 時 1.0 L/min)した 2005 年 3 月 中 旬 には プレドニゾロン 20 mg/ 日 まで 漸 減 し 退 院 した 2006 年 3 月 現 在 外 来 におい てプレドニゾロン 2 mg/ 日 で 経 過 観 察 中 であるが 再 燃 は 認 めていない 21

図 6. 症 例 4の 胸 部 エックス 線 写 真 2004 年 2 月 ( 入 院 10ヶ 月 前 ) 2004 年 12 月 ( 入 院 時 ) 図 7. 症 例 4の 入 院 時 胸 部 CT 所 見 22

図 8. 症 例 4の 副 腎 皮 質 ステロイド 剤 使 用 前 後 の 胸 部 CT 所 見 2005 年 1 月 (ステロイド 開 始 前 ) 2005 年 2 月 (ステロイド 投 与 6 週 間 後 ) 23

7.その 他 早 期 発 見 早 期 対 応 に 必 要 な 事 項 (1) 一 般 的 事 項 医 薬 品 による 間 質 性 肺 炎 は 場 合 によっては 死 に 至 ることもある 医 薬 品 投 与 前 に 十 分 な 全 身 評 価 を 行 い 抗 悪 性 腫 瘍 薬 などのような 間 質 性 肺 炎 の 発 症 が 予 想 される 場 合 には 投 与 前 に HRCT と 血 清 マーカーによる 評 価 が 必 要 で ある 定 期 的 な 検 査 で 早 期 に 発 症 を 捉 え 発 症 したときにはできるだけ 早 期 に 対 処 (まず 医 薬 品 を 中 止 )することが 大 切 である (2) 薬 剤 性 肺 障 害 の 人 種 差 以 前 より 副 作 用 モニターにおける 肺 障 害 頻 度 が 日 本 では 高 い 傾 向 にある と 指 摘 されていたが ゲフィチニブにおいて 日 本 人 ではその 肺 障 害 発 生 頻 度 が 2~4%で 死 亡 率 が 1~2%であるのに 対 し 欧 米 白 人 ではそれらの 頻 度 が 10 分 の 1 から 6 分 の1 程 度 であると 報 告 6) され 薬 剤 性 肺 障 害 の 人 種 差 が 初 めて 明 らかにされた こうした 人 種 差 は 他 の 医 薬 品 例 えばインター フェロン ドセタキセル ゲムシタビンにおいても 認 められる 可 能 性 がある 7) しかし 多 くの 医 薬 品 について 人 種 別 の 正 確 な 頻 度 は 不 明 である (3) 薬 剤 性 肺 障 害 の 危 険 因 子 増 悪 因 子 薬 剤 性 肺 障 害 には 危 険 因 子 や 増 悪 因 子 が 知 られている 非 特 異 的 な 危 険 因 子 として 年 齢 60 歳 以 上 既 存 の 肺 病 変 ( 特 に 間 質 性 肺 炎 肺 線 維 症 )の 存 在 肺 手 術 後 呼 吸 機 能 の 低 下 高 濃 度 酸 素 投 与 肺 への 放 射 線 照 射 抗 悪 性 腫 瘍 薬 の 多 剤 併 用 療 法 腎 障 害 の 存 在 など 患 者 側 の 因 子 が 挙 げられる 腎 機 能 の 低 下 は 医 薬 品 の 血 中 濃 度 を 高 める 意 味 で 危 険 因 子 となる また ア ミオダロン(1 日 量 400 mg 以 上 : 表 1 8) ) ブレオマイシン(BLM)( 総 量 と 肺 障 害 の 発 生 400~450U) ブスルファン( 総 量 と 肺 障 害 の 発 生 500 mg) ニトロソウレア 放 射 線 などでは 肺 障 害 発 生 に 量 反 応 関 係 が 認 められるた め 投 与 量 の 確 認 が 必 要 である 9) これらの 医 薬 品 は 一 般 に 細 胞 毒 性 を 呈 し 一 定 量 を 超 えると 細 胞 毒 性 が 発 生 する しかし 少 量 でも 肺 障 害 が 発 生 しう ることを 認 識 すべきである 多 くの 医 薬 品 は 使 用 量 期 間 と 肺 障 害 の 発 生 には 関 連 性 を 認 めない さらに 個 別 の 医 薬 品 でも 危 険 因 子 が 知 られている BLM では 総 投 与 量 450 単 位 以 上 に 加 え 70 歳 以 上 肺 疾 患 の 既 往 腎 障 害 で 発 生 が 増 し 放 射 線 療 法 や 高 濃 度 酸 素 吸 入 も 相 乗 的 に 肺 障 害 を 誘 発 する 10) メトトレキサート (MTX)では 糖 尿 病 低 アルブミン 血 症 リウマチの 肺 胸 膜 病 変 合 併 抗 リ ウマチ 薬 の 投 与 歴 高 齢 などが 危 険 因 子 として 報 告 されている( 表 2) 11) 24

ゲフィチニブによる 肺 障 害 の 予 後 不 良 因 子 は 男 性 喫 煙 歴 腺 癌 でないこ と performance status の 不 良 (2 以 上 ) 間 質 性 肺 炎 肺 線 維 症 の 存 在 ゲ ムシタビンによる 治 療 歴 がないことが 示 されている 12) (4) 漢 方 薬 による 間 質 性 肺 炎 わが 国 においては 約 140 種 類 の 漢 方 薬 が 保 険 診 療 のなかで 使 用 可 能 であ り 有 効 な 治 療 法 のない 慢 性 疾 患 等 に 対 して 多 くの 漢 方 薬 が 用 いられている 1996 年 慢 性 肝 炎 患 者 に 対 して 投 与 された 小 柴 胡 湯 による 間 質 性 肺 炎 が 報 告 されたことを 受 けて 緊 急 安 全 性 情 報 (ドクターレター)が 発 出 され 必 要 な 注 意 喚 起 が 行 われた また 小 柴 胡 湯 に 限 らず 広 く 薬 剤 性 肺 炎 の 報 告 のある 製 剤 についても これまで 添 付 文 書 の 改 訂 が 行 われ 注 意 喚 起 が 行 われてき ており 1998 年 には 医 薬 品 等 安 全 性 情 報 146 号 において 漢 方 製 剤 による 間 質 性 肺 炎 について として 医 療 関 係 者 に 対 し 注 意 喚 起 が 図 られたところで ある 5) 小 柴 胡 湯 単 独 による 薬 剤 性 肺 障 害 100 例 の 臨 床 像 13) では 年 齢 は 64.5±8.2 歳 男 女 比 69/31 例 小 柴 胡 湯 の 治 療 対 象 疾 患 は 慢 性 肝 炎 52 例 肝 硬 変 症 29 例 肝 機 能 障 害 18 例 特 発 性 血 小 板 減 少 症 1 例 であり HCV 抗 体 陽 性 率 は 76%であった 肺 障 害 発 症 までの 平 均 期 間 は 78.9 日 症 状 としては 咳 嗽 呼 吸 困 難 発 熱 がそろって 発 現 し 検 査 所 見 では LDH が 高 く 低 酸 素 血 症 が 高 度 であるのに 比 し 白 血 球 数 の 増 加 と CRP 上 昇 が 軽 度 であった 末 梢 血 の 薬 剤 リンパ 球 刺 激 試 験 では 実 施 された 症 例 の 55.7%が 陽 性 44.3% が 陰 性 であった 胸 部 の 画 像 所 見 ではスリガラス 影 と 肺 胞 性 浸 潤 影 が 主 体 で あった 治 療 に 対 する 反 応 は 小 柴 胡 湯 の 中 止 のみによって 12 例 が 軽 快 し 29 例 がステロイド 経 口 投 与 で 軽 快 し ステロイドパルス 療 法 が 50 例 になさ れた 全 体 で 90 例 が 速 やかに 治 癒 したが 10 例 が 死 亡 した 死 亡 例 を 生 存 例 と 比 較 すると 死 亡 例 では 発 症 から 服 用 中 止 までの 期 間 が 長 く(15.9 日 vs 5.8 日 ) 既 存 に 呼 吸 器 疾 患 を 合 併 (30% vs 2.2%)した 例 の 予 後 が 不 良 であ った 現 在 漢 方 製 剤 の 添 付 文 書 で 使 用 上 の 注 意 として 重 大 な 副 作 用 --- 間 質 性 肺 炎 と 記 載 されたものは 表 3 11 14) に 示 すように 13 剤 ある また 1992 年 に C 型 肝 炎 に 対 しインターフェロンの 保 険 適 応 が 認 められ た 後 に インターフェロンと 小 柴 胡 湯 の 併 用 により 間 質 性 肺 炎 による 死 亡 例 が 多 発 し 1994 年 両 者 の 併 用 療 法 は 禁 忌 となった なお 小 柴 胡 湯 の 投 与 指 針 や 漢 方 薬 による 薬 剤 性 肺 障 害 の 診 断 と 治 療 につ いての 詳 細 は 日 本 呼 吸 器 学 会 のガイドライン 15) を 参 照 されたい 25

8. 引 用 文 献 参 考 資 料 引 用 文 献 1) Zitnik RJ, Matthay RA : Drug-induced lung disease. In: Schwarz MI, King TE (eds) Interstitial Lung Disease., B.C. Decker, Hamilton: 423-449 (1998) 2) Pulmonary disease caused by toxins, drugs, and irradiation. In: Fraser and Pare s Diagnosis of Diseases of the Chest., WB Saunders, Philaderphia: 2517-2592 (1999) 3) Inoue A, Saijo Y, Maemondo M, et al : Severe acute interstitial pneumonia and gefitinib. Lancet. 361(9352): 137-139 (2003) 4) Myers JL : Pathology of drug-induced lung disease. In : Katzenstein and Askin s Surgical Pathology of Non-neoplastic Lung Disease, Katzenstein AA (ed), WB Saunders Company, Philaderphia: 81-111 (1997) 5) 漢 方 製 剤 の 間 質 性 肺 炎 について 医 薬 品 等 安 全 性 情 報 No.146 厚 生 省 医 薬 品 安 全 局 ( 平 成 10 年 3 月 ) 6) Cohen MH, Williams GA, Sridhara R, et al. : FDA drug approval summary: gefitinib (ZD1839) (Iressa) tablets. Oncologist. 8: 303-306 (2003) 7) Takeda K, Negoro S, Tamura T, et al. : Docetaxel (D) versus docetaxel plus gemcitabine (DG) for second-line treatment of non-small cell lung cancer (NSCLC): Results of a JCOG randomized trial (JCOG0104). J Clin Oncol. 22 (Supplement) #7034 (2004) 8) Kanji Z, Sunderji R, Gin K. : Amiodarone-induced pulmonary toxicity. Pharmacotherapy. 19: 1463-1466 (1999) 9) Camus P. : Drug induced infiltrative lung disease. In: Schwarz MI, King Jr TE (eds),interstitial lung disease. B.C. Decker, Hamilton: 485-534 (2003) 10) Jules-Elysee K, White DA. : Bleomycin-induced pulmonary toxicity. Clin Chest Med. 11: 1-20 (1990) 11) Alarcon GS, Kremer JM, Macaluso M, et al. : Risk factors for methotrexate induced lung injury in patients with rheumatoid arthritis. Ann Intern Med. 127:356-364 (1997) 12) 工 藤 翔 二, 吉 村 明 修, 弦 間 昭 彦 :ゲフィチニブによる 急 性 肺 障 害 間 質 性 肺 炎 の 発 生 状 況 日 胸 62: 489 (2003) 13) 鈴 木 宏, 熊 田 博 光, 佐 藤 篤 彦, 他 : 小 柴 胡 湯 による 副 作 用 検 討 班 報 告 : C 型 ウイルス 性 慢 性 肝 炎 患 者 への 小 柴 胡 湯 投 与 に 関 するガイドライン 和 漢 医 薬 誌 17: 95-100 (2000) 14) 寺 田 真 紀 子, 北 澤 英 徳, 川 上 純 一, 足 立 伊 佐 雄 : 漢 方 薬 による 間 質 性 肺 炎 と 肝 障 害 に 関 する 薬 剤 疫 学 的 検 討 医 療 薬 学 28: 425-434 (2002) 15) 日 本 呼 吸 器 学 会 薬 剤 性 肺 障 害 ガイドライン 作 成 委 員 会 ( 編 ): 薬 剤 性 肺 障 害 の 評 価 治 療 についてのガイドライン メディカルレビュー 社 (2005) 参 考 資 料 1) 日 本 病 院 薬 剤 会 編 : 重 大 な 副 作 用 回 避 のための 服 薬 指 導 情 報 集 ( 第 1 集 ) 薬 事 時 報 社 46-48(1997) 26

2) 清 水 直 容 他 編 : 有 害 事 象 の 診 断 学 - 医 薬 品 と 有 害 事 象 との 因 果 関 係 判 定 の 手 引 き- 臨 床 評 価 刊 行 会 151-155 (2003) 3) 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 (PMDA) 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ (http://www.info.pmda.go.jp/) 27

表 1 アミオダロンによる 肺 障 害 発 生 のリスクファクター 1. 性 別 男 性 2. 年 齢 40 歳 以 下 はまれ 3. 基 礎 病 変 1) 胸 部 X 線 写 真 上 の 何 らかの 異 常 の 存 在 2) 肺 手 術 COPD 低 呼 吸 機 能 3) 吸 入 酸 素 濃 度 の 上 昇 4)ヨード 系 造 影 剤 4. 用 量 1) 低 用 量 (200mg/ 日 以 下 )では 危 険 性 は 少 ない 2) 発 生 率 は 低 用 量 での 0.1% 程 度 から 高 用 量 ( 例 えば 1,200 mg/ 日 ) の 50%と 様 々である 3) 平 均 的 には 500 mg/ 日 あるいはこれ 以 上 で 治 療 を 受 けている 症 例 では 5~15%の 症 例 に 発 生 し 200 mg/ 日 の 投 与 を 受 けてい る 症 例 は 0.1~0.5%の 発 生 率 である 4) 低 用 量 では 発 生 率 は 低 いが 発 生 する 肺 障 害 の 程 度 には 関 係 な い (Camus P,et al: Clin Chest Med. 25:65-75,2004 より 引 用 改 変 ) 28

表 2 関 節 リウマチでのメトトレキサート(MTX)による 肺 障 害 発 生 のリスク ファクター リスクファクター オッズ 比 糖 尿 病 35.6 低 アルブミン 血 症 19.5 関 節 リウマチの 肺 病 変 7.1 以 前 の 治 療 薬 5.6 ( 金 製 剤 サラゾスルファピリジン ペニシラミン) 高 齢 5.1 (Lock BJ,et al: Clin Chest Med. 25:47-52,2004 より 引 用 改 変 ) 29

表 3 添 付 文 書 で 重 大 な 副 作 用 : 間 質 性 肺 炎 と 記 載 された 漢 方 薬 13 製 剤 ( 右 表 は 左 表 以 外 で 報 告 のある 製 剤 ) 処 方 名 医 薬 品 等 安 全 性 情 報 * 寺 田 ら** ( 疑 い 例 含 む) しょう さい こ 小 柴 胡 さいれいとう 柴 苓 湯 さいぼくとう 柴 朴 湯 だいさい こ 大 柴 胡 せいはいとう 清 肺 湯 はん 半 さい 柴 しん 辛 げ とう 湯 とう 湯 しゃ しんとう 夏 瀉 心 湯 こ 胡 い けい 桂 し かんきょうとう 枝 乾 姜 湯 せいはいとう 夷 清 肺 湯 おうれん げ どくとう 黄 連 解 毒 湯 せいしんれん し 清 心 蓮 子 さい 柴 こ 胡 けい 桂 りっ くん し 六 君 子 し 枝 とう 湯 だいけんちゅうとう 大 建 中 湯 いん 飲 とう 湯 138 21 39 4 12 1 7 1 5-5 2 4 4 4 1 1 5-2 - 1 1 1-1 (* 文 献 5;** 文 献 14) 30

参 考 1 薬 事 法 第 77 条 の4の2に 基 づく 副 作 用 報 告 件 数 ( 医 薬 品 別 ) 注 意 事 項 1) 薬 事 法 第 77 条 の4の2の 規 定 に 基 づき 報 告 があったもののうち 報 告 のあった 医 薬 品 ( 原 則 として 上 位 10 位 )を 列 記 したもの 注 ) 件 数 とは 症 例 数 ではなく 報 告 された 副 作 用 の 延 べ 数 を 集 計 したもの 例 えば 1 症 例 で 肝 障 害 及 び 肺 障 害 が 報 告 された 場 合 には 肝 障 害 1 件 肺 障 害 1 件 として 集 計 2) 薬 事 法 に 基 づく 副 作 用 報 告 は 医 薬 品 の 副 作 用 によるものと 疑 われる 症 例 を 報 告 する ものであるが 医 薬 品 との 因 果 関 係 が 認 められないものや 情 報 不 足 等 により 評 価 できな いものも 幅 広 く 報 告 されている 3) 報 告 件 数 の 順 位 については 各 医 薬 品 の 販 売 量 が 異 なること また 使 用 法 使 用 頻 度 併 用 医 薬 品 原 疾 患 合 併 症 等 が 症 例 により 異 なるため 単 純 に 比 較 できないことに 留 意 すること 4) 副 作 用 名 は 用 語 の 統 一 のため ICH 国 際 医 薬 用 語 集 日 本 語 版 (MedDRA/J)ver. 9.1 に 収 載 されている 用 語 (Preferred Term: 基 本 語 )で 表 示 している 年 度 副 作 用 名 医 薬 品 名 件 数 平 成 16 年 度 ( 平 成 17 年 7 月 集 計 ) 間 質 性 肺 疾 患 ゲフィチニブ メトトレキサート レフルノミド 塩 酸 ゲムシタビン 塩 酸 アミオダロン ドセタキセル 水 和 物 メシル 酸 イマチニブ パクリタキセル リツキシマブ( 遺 伝 子 組 換 え) インフリキシマブ ( 遺 伝 子 組 換 え) その 他 681 134 79 62 50 45 43 40 38 32 798 合 計 2002 31

平 成 17 年 度 ( 平 成 18 年 10 月 集 計 ) 間 質 性 肺 疾 患 ゲフィチニブ メトトレキサート パクリタキセル ペグインターフェロ ン アルファ-2a ( 遺 伝 子 組 換 え) 塩 酸 アミオダロン ドセタキセル 水 和 物 エタネルセプト( 遺 伝 子 組 換 え) リツキシマブ( 遺 伝 子 組 換 え) テガフール ギメラ シル オテラシルカ リウム メシル 酸 イマチニブ その 他 188 113 49 42 38 38 35 28 26 20 613 合 計 1190 医 薬 品 の 販 売 名 添 付 文 書 の 内 容 等 を 知 りたい 時 は このホームページにリンクし ている 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ の 添 付 文 書 情 報 から 検 索 することができます http://www.info.pmda.go.jp/ 参 考 2 ICH 国 際 医 薬 用 語 集 日 本 語 版 (MedDRA/J)ver. 9.1 における 主 な 関 連 用 語 一 覧 日 米 EU 医 薬 品 規 制 調 和 国 際 会 議 (ICH)において 検 討 され 取 りまとめられた ICH 国 際 医 薬 用 語 集 (MedDRA) は 医 薬 品 規 制 等 に 使 用 される 医 学 用 語 ( 副 作 用 効 能 使 用 目 的 医 学 的 状 態 等 )についての 標 準 化 を 図 ることを 目 的 としたものであり 平 成 16 年 3 月 25 日 付 薬 食 安 発 第 0325001 号 薬 食 審 査 発 第 0325032 号 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 安 全 対 策 課 長 審 査 管 理 課 長 通 知 ICH 国 際 医 薬 用 語 集 日 本 語 版 (MedDRA/J) の 使 用 につい て により 薬 事 法 に 基 づく 副 作 用 等 報 告 において その 使 用 を 推 奨 しているところであ る 32

名 称 PT: 基 本 語 (Preferred Term) 間 質 性 肺 疾 患 LLT: 下 層 語 (Lowest Level Term) RB-ILD びまん 性 間 質 性 肺 炎 リンパ 性 間 質 性 肺 炎 間 質 性 肺 炎 間 質 性 肺 炎 増 悪 間 質 性 肺 疾 患 間 質 性 肺 線 維 症 間 質 性 肺 臓 炎 急 性 びまん 性 浸 潤 性 肺 疾 患 呼 吸 細 気 管 支 炎 関 連 間 質 性 肺 疾 患 慢 性 間 質 性 肺 炎 英 語 名 Interstitial lung disease RB-ILD Pneumonia interstitial diffuse Lymphoid interstitial pneumonia Interstitial pneumonia Interstitial pneumonia aggravated Interstitial lung disease Interstitial pulmonary fibrosis Interstitial pneumonitis Acute diffuse infiltrative lung disease Respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease Chronic interstitial pneumonia 33