愛 知 県 高 等 学 校 数 学 研 究 会 数 学 科 教 育 情 報 委 員 会 Word 2007 による 数 式 入 力 マニュアル (H20.10.31 版 ) はじめに P.01 基 本 操 作 入 力 形 式 の 相 互 変 換 P.02 文 中 の 数 式 のサイズについて P.03 数 式 の 位 置 調 整 P.04 数 学 記 号 の 入 力 P.08 記 号 の 追 加 登 録 Unicode による 入 力 斜 体 について Chips ショートカットキーについての 補 足 P.09
はじめに Microsoft Word 2007 以 降 では 以 前 のバージョンの Word と 比 べて 数 式 入 力 の 機 能 が 格 段 に 強 化 されています 入 力 できる 記 号 の 種 類 が 増 えた (Unicode 文 字 コードのサポート) マウスを 使 わずに キーボードのみの 操 作 でも 数 式 を 入 力 できるようになった 独 自 の 記 号 を 追 加 登 録 できるなど 拡 張 性 が 向 上 した 数 式 入 力 に 用 いるソフトウェアとしては 他 に LaTeX などが 有 名 ですが それと 似 た 操 作 感 覚 で キーボードで 打 ち 込 んだコマンドを 数 学 記 号 に 変 換 することができます リアルタイムに 画 面 上 で 確 認 できるという 点 では LaTeX よりも 気 軽 に 使 えるソフトウェアだと 言 えるでしょう このように 素 晴 らしい 機 能 を 持 つ Word 2007 の 数 式 ツールですが 残 念 ながら 付 属 のヘルプには 詳 しい 説 明 が 載 っていません このレポートではその 使 い 方 を 調 べてまとめてみました 慣 れないう ちは 操 作 に 戸 惑 うかもしれませんが キーボードだけで 数 式 を 入 力 できるようになると 学 習 プリント の 作 成 能 率 が 飛 躍 的 に 向 上 します 各 学 校 に 配 備 されたノートパソコンでも 利 用 できますので この 機 会 に 活 用 されてみてはいかがでしょうか 基 本 操 作 機 能 数 式 入 力 の 開 始 終 了 行 形 式 で 入 力 した 数 式 の 変 換 プレースホルダ 間 の 移 動 キー 操 作 マウス 使 用 時 挿 入 から 記 号 と 特 殊 文 字 をクリックし π を 選 択 する 日 本 語 キーボード 使 用 時 Alt キーと Shift キーを 押 したまま = キーを 押 す 英 語 キーボード 使 用 時 Alt キーを 押 したまま = キーを 押 す space キーを 押 す 矢 印 キーで 移 動 pg. 1
数 式 を 入 力 するには まず 通 常 の 文 字 入 力 から 数 式 入 力 へ 切 り 換 える 必 要 があります マウス 操 作 で 切 り 換 える 場 合 は メニューの 挿 入 から 記 号 と 特 殊 文 字 数 式 をクリックします キーボード 操 作 で 数 式 入 力 へ 切 り 換 える 場 合 は Alt キーと Shift キーを 押 したまま = キーを 押 してください 次 のような 入 力 欄 が 表 示 されます この 状 態 でキーボードから 1/(1+x^2) と 入 力 してみます 日 本 語 入 力 ではなく 半 角 文 字 で 入 力 します x^2 は 入 力 後 自 動 的 に x へ 変 換 されます 続 けて space キーを 押 すと それまでに 入 力 した 内 容 が 整 った 数 式 に 変 換 されます 入 力 した 数 式 を 修 正 するには 矢 印 キーで 入 力 位 置 を 指 定 して 行 ってください 数 式 入 力 を 終 えるに は もう 一 度 Alt キーと Shift キーを 押 したまま = キーを 押 す またはマウス 矢 印 キー を 使 って 入 力 欄 の 外 に 入 力 位 置 を 移 動 させます 1 1x これで 入 力 完 了 です x を のような 書 体 で 表 示 したい 場 合 は 書 式 を 斜 体 に 変 更 します 1 1 入 力 形 式 の 相 互 変 換 メニューの 挿 入 から 記 号 と 特 殊 文 字 π を 選 択 し 積 分 記 号 のボタンを 押 してください 定 積 分 を 選 択 すると 積 分 記 号 とプレースホルダ( 四 角 い 入 力 欄 )が 表 示 されます 矢 印 キーまたはマウスを 使 って 入 力 欄 を 選 択 し 式 を 入 力 します pg. 2
入 力 欄 の 右 枠 にある 下 向 き 矢 印 をマウスでクリックすると メニューが 表 示 されます 2 次 元 形 式 とは レイアウトの 整 った 数 式 の 表 示 形 式 のことです これに 対 して 行 形 式 と は 数 式 入 力 のコマンドをそのまま 表 示 する 形 式 のことを 指 します この2 種 類 の 表 示 形 式 は 互 いに 変 換 することができます 今 画 面 上 に 表 示 されている 積 分 記 号 は 2 次 元 形 式 で 表 示 されています これを 行 形 式 に 切 り 換 えてみます 先 程 のメニューから 行 形 式 を 選 択 してください 行 形 式 で 見 ると 積 分 区 間 は _(-1)^1 と 入 力 されていることが 分 かります 積 分 記 号 は int を space キーで 変 換 すると 入 力 できますから この 式 を 表 示 するには int space キー _(-1)^1 space キー (2x+3)dx と 入 力 すれば 良 いことが 分 かります 文 中 の 数 式 のサイズについて 数 式 には 独 立 数 式 と 文 中 数 式 があります 独 立 数 式 とは 行 の 中 に 単 独 で 記 述 されてい る 数 式 のことを 言 います 例 えば 次 のものは 独 立 数 式 です 2k 1 この 数 式 を 他 の 文 章 と 混 在 させて1 行 に 表 示 すると 次 のようになります 数 列 の 和 2k 1 日 本 語 の 文 字 の 高 さに 合 わせて 数 式 が 小 さく 表 示 されています この 状 態 の 数 式 を 文 中 数 式 と 呼 びます 独 立 数 式 と 文 中 数 式 の 切 り 換 えは 自 動 的 に 行 われますが 数 式 入 力 枠 の 下 向 き 矢 印 をクリックして 切 り 換 えることも 出 来 ます では 日 本 語 と 数 式 を 混 在 させた 状 態 で 数 式 を 大 きく 表 示 するにはどのようにすれば 良 いのでしょ うか 最 も 簡 単 な 方 法 は 数 式 入 力 の 枠 の 中 へ 日 本 語 も 一 緒 に 入 力 してしまうことです これで 数 式 が 縮 小 されずに 表 示 されます pg. 3
数 列 の 和 2k 1 数 式 の 位 置 調 節 字 下 げを 行 う 方 法 には space キーや Tab キーで 空 白 を 入 れる 方 法 と インデントを 下 げる 方 法 が あります space や Tab キーで 字 下 げを 行 うと 数 式 は 強 制 的 に 文 中 数 式 に 変 換 されます 独 立 数 式 で 字 下 げを 行 いたい 場 合 は ページレイアウト>インデント や ホーム> 中 央 揃 え などを 利 用 してください 複 数 行 に 対 して 字 下 げを 行 う 場 合 は 行 を 範 囲 選 択 (Shift キーを 押 したまま 矢 印 キーで 選 択 も しくはマウスでドラッグして 選 択 )してから Tab キーを 押 すと まとめて Tab を 挿 入 し 数 式 の 位 置 を 下 げることができます 逆 に Shift+Tab キーを 押 すと 挿 入 された Tab を 削 除 できます タブ の 幅 は ホーム> 段 落 >タブ 設 定 から 調 節 できます 同 様 に 行 を 範 囲 選 択 してから ページレイアウト>インデント を 利 用 することで まとめてイ ンデントを 下 げることができます 数 学 記 号 の 入 力 数 式 モードにおいて 数 学 記 号 をキーボードから 直 接 入 力 する 場 合 から 始 まるコマンドを 打 ち 込 む 必 要 があります 例 えば sqrt と 入 力 して space キーで 変 換 すると 根 号 が 表 示 されます 続 けて pi と 入 力 し space キーを2 回 押 すと 根 号 の 中 にπが 表 示 されます π 数 式 ツールには 数 多 くの 数 学 記 号 が 用 意 されていますが そのうち 高 校 数 学 で 頻 繁 に 用 いるものを 表 にまとめました pg. 4
演 算 子 関 係 子 等 号 = not equal ne または neq 不 等 号 >= 不 等 号 未 確 認 日 本 語 入 力 で > を 変 換 して 代 用 できる 和 + 差 積 times 商 div 分 数 / または over 分 数 ( 斜 め 線 ) sdiv 累 乗 x ^ x^2 のように 入 力 する 根 号 sqrt 複 号 +- または pm 複 号 -+ または mp 文 字 位 置 の 指 定 添 え 字 a a_n C (_5^)C_2 上 に 配 置 a a above b 下 に 配 置 a a below b 下 線 abc 上 線 abc 枠 abc underbar(abc) overbar(abc) rect(abc) pg. 5
数 学 記 号 連 立 記 号 マウスで 単 一 かっこ または 場 合 分 けと 積 み 重 ね を 挿 入 する プレースホルダに 入 力 位 置 を 合 わせて Enter キーを 押 すと プレースホルダの 数 が 増 えます 積 分 定 積 分 右 矢 印 左 矢 印 右 矢 印 左 矢 印 北 東 矢 印 南 東 矢 印 無 限 大 int int_a^b -> または rightarrow leftarrow Rightarrow Leftarrow nearrow searrow infty ベクトル vec 入 力 後 に space キーを2 回 押 す 和 すべての 存 在 する x b b 4ac 2a または (AB) vec などのように 入 力 する sum_(k=1)^n therefore because cdot cdots forall exists quadratic 入 力 後 に space キーを2 回 押 す 集 合 演 算 子 積 集 合 和 集 合 含 む 含 まれる 集 合 に 属 する 要 素 にもつ cap cup superset subset in ni pg. 6
ギリシア 文 字 など α β γ θ π ω Ω alpha beta gamma theta pi phi omega Omega doublez doublen 幾 何 学 記 号 角 三 角 形 度 合 同 相 似 平 行 弧 AB angle inc degree equiv 未 確 認 日 本 語 入 力 で を 入 力 して 代 用 parallel 斜 めの 記 号 は 未 確 認 overparen(ab) pg. 7
記 号 の 追 加 登 録 Word2007 では 新 たに 独 自 の 数 学 記 号 を 登 録 したり 既 存 の 記 号 を 修 正 したりすることもできま す 数 式 入 力 中 の 画 面 で 数 式 ツール>デザイン のリボンから ツール を 選 択 し 表 示 される 数 式 オプションのダイアログで 数 式 オートコレクト を 選 択 し 登 録 してください 頻 繁 に 用 いる 記 号 を 登 録 して 使 いやすい 環 境 を 構 築 されてはいかがでしょうか 記 号 行 形 式 での 入 力 値 登 録 例 不 等 号 全 角 文 字 で >== 不 等 号 全 角 文 字 で <== 極 限 lim 入 力 ボタンで 作 成 してコピーlim lim 行 列 入 力 ボタンで 作 成 してコピー&@& m22 Unicode による 入 力 数 式 ツールの 機 能 ではありませんが Word 2007 では Unicode 文 字 コードを 使 って 記 号 を 入 力 する ことができます 入 力 値 は4 桁 の16 進 数 で 表 します 例 えば 226e と 入 力 して Alt キーを 押 したまま X キーを 押 すと に 変 換 されます 斜 体 について 数 式 を 斜 体 で 入 力 すると のような 書 体 で 印 字 できます 斜 体 ボタンは ホーム タブの フォント の 中 に 有 ります ボタンが 押 された 状 態 で 入 力 した 文 字 はすべて 斜 体 になります 文 字 列 を 範 囲 選 択 した 状 態 で 斜 体 ボ タンを 押 すと 選 択 された 文 字 の 書 体 が 切 り 替 わります Chips プリント 作 成 などの 際 に 用 紙 を 左 右 2 面 に 分 割 したいことがあります これは ページレイアウ ト> 段 組 で 行 うことができます 生 徒 氏 名 の 記 入 欄 の 作 成 は 挿 入 >ヘッダーとフッター>ヘッダ ー>ヘッダーの 編 集 で 行 えます 行 頭 のπなどが 大 文 字 で 表 示 されてしまう 場 合 は 挿 入 > 数 式 から 数 式 ツール>デザイン> ツール の 右 下 矢 印 をクリックし 数 式 オートコレクト>オートコレクト の 文 の 先 頭 文 字 を 自 動 的 に 大 文 字 にする のチェックを 外 します pg. 8
ショートカットキーについての 補 足 日 本 語 キーボードを 使 用 する 場 合 数 式 入 力 の 切 り 換 え 操 作 には Alt+Shift+= を 押 さなければ ならないため 煩 雑 です このキーの 組 み 合 わせを 自 分 で 新 しいものに 変 更 することもできます 手 順 1 まず 左 上 の Oficce ボタン>Word のオプション>ユーザー 設 定 >ショートカットキー: ユーザー 設 定 からキーボードのユーザー 設 定 ダイアログを 開 きます 手 順 2 次 に 分 類 > 挿 入 と コマンド>EquationInsert を 選 択 します 手 順 3 割 り 当 てるキーを 押 してください の 入 力 欄 が 選 択 された 状 態 で Alt キーを 押 した まま Z キーなどを 押 します 使 いやすいキーを 設 定 してください 手 順 4 入 力 欄 に Alt+Z などが 表 示 されたのを 確 認 して 割 り 当 て ボタンを 押 してください Word における 代 表 的 なショートカットキーの 一 覧 作 業 内 容 Alt+Shift+= 数 式 入 力 の 切 り 換 え Ctrl+I 斜 体 入 力 の 切 り 換 え Ctrl+B 太 字 入 力 の 切 り 換 え Shift+ 矢 印 キー 範 囲 選 択 Ctrl+A すべて 選 択 Ctrl+C 選 択 範 囲 をコピー Ctrl+X 選 択 範 囲 を 切 り 取 り Ctrl+V 貼 り 付 け Ctrl+Shift+P フォントサイズの 変 更 Ctrl+L 文 字 列 の 左 揃 え Ctrl+E 文 字 列 の 中 央 揃 え Ctrl+R 文 字 列 の 右 揃 え Ctrl+J 文 字 列 の 両 端 揃 え 表 中 の + は 左 側 のキーを 押 したまま 右 側 のキーを 押 すことを 表 します pg. 9