平成22年度産業経済研究委託費,総合調査研究等委託費,高度人材受入の経済的効果及び外国人の社会生活環境に関する調査報告書

平 成 22 年 度 経 済 産 業 省 委 託 調 査 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 及 び 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 報 告 書 平 成 23 年 2 月

平 成 22 年 度 経 済 産 業 省 委 託 調 査 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 及 び 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 報 告 書 目 次 はじめに...1 1. 調 査 の 目 的... 1 2. 調 査 の 方 法... 2 第 1 部 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査...11 第 1 章 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 推 計 の 前 提...11 1.1 推 計 の 対 象 と 方 法... 11 1.2 高 度 人 材 の 定 義... 17 1.3 推 計 の 時 点... 17 第 2 章 高 度 人 材 の 人 数 所 得 の 推 計...19 2.1 現 状 での 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 分 布 の 推 計... 19 2.2 10 年 後 (2020 年 )における 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 分 布 の 想 定... 22 2.3 高 度 人 材 の 所 得 の 推 計... 23 第 3 章 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 影 響...25 3.1 経 済 波 及 効 果 ( 生 産 影 響 付 加 価 値 影 響 )... 25 3.2 雇 用 効 果... 28 第 4 章 高 度 人 材 受 入 れの 財 政 影 響...31 4.1 財 政 収 入... 31 4.2 財 政 支 出... 33 4.3 財 政 収 入 と 財 政 支 出 の 比 較... 36 第 5 章 諸 外 国 の 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 効 果 分 析 事 例 に 関 する 調 査...39 5.1 調 査 対 象 国 (9カ 国 )における 事 例 の 整 理 方 針... 39 5.2 調 査 対 象 国 (9カ 国 )の 事 例 情 報 収 集 方 針 と 手 順... 40 5.3 各 国 に 見 られる 事 例 の 特 徴... 41 5.4 調 査 結 果 ( 各 国 結 果 サマリー)... 42 5.5 調 査 結 果 ( 各 国 事 例 の 詳 細 )... 45 第 2 部 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査...61 第 1 章 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するヒアリング 調 査...61 1.1 教 育 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 61 1.2 医 療 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 67 1.3 住 宅 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 71 第 2 章 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するアンケート 調 査...75 2.1 主 なアンケート 集 計 結 果... 75 i

2.2 主 な 調 査 結 果 ( 自 由 回 答 )... 79 第 3 章 諸 外 国 の 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 整 備 の 状 況 に 関 する 調 査...89 3.1 シンガポール... 89 3.2 香 港... 95 3.3 英 国... 102 3.4 フランス... 108 3.5 ドイツ... 113 3.6 アメリカ... 117 3.7 中 国... 120 3.8 韓 国... 126 3.9 台 湾... 130 第 4 章 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 まとめ...137 4.1 教 育 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 137 4.2 医 療 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 140 4.3 住 宅 環 境 に 関 する 主 な 指 摘 事 項... 143 付 属 資 料 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するアンケート 調 査 票 一 式...147 ii

はじめに 1. 調 査 の 目 的 近 年 グローバル 競 争 の 中 で 各 国 ともに 希 少 な 高 度 人 材 を 自 国 に 受 入 れるため 世 界 規 模 での 高 度 人 材 の 獲 得 競 争 が 本 格 化 している 我 が 国 としても アジアの 成 長 を 取 り 込 むとともに 立 地 競 争 力 を 強 化 するため 高 度 人 材 の 受 入 れの 促 進 を 図 ることが 重 要 である 2010 年 6 月 に 閣 議 決 定 された 新 成 長 戦 略 や 規 制 制 度 改 革 に 係 る 対 処 方 針 の 中 でも 高 度 人 材 の 受 入 れの 促 進 が 重 要 施 策 として 位 置 づけられている また 産 業 構 造 審 議 会 産 業 競 争 力 部 会 報 告 書 産 業 構 造 ビジョン 2010 においても 高 度 人 材 の 必 要 性 を 述 べ さらに 高 度 人 材 受 入 れ 促 進 のための 一 方 策 として 高 度 人 材 の 在 留 の 安 定 化 を 図 るための 優 遇 措 置 や 入 国 の 円 滑 化 のための 措 置 を 速 やかに 講 じることが 重 要 である と 指 摘 している このような 高 度 人 材 の 受 入 れが 我 が 国 において 功 を 奏 すためには 下 記 項 目 を 分 析 検 討 した 上 で より 包 括 的 効 果 的 な 高 度 人 材 受 入 れ 促 進 施 策 を 企 画 実 施 して いくことが 重 要 である 高 度 人 材 の 受 入 れが 我 が 国 の 経 済 や 財 政 にどのような 効 果 を 及 ぼすのか ま た 諸 外 国 では 高 度 人 材 受 入 れによる 経 済 や 財 政 への 影 響 に 関 する 分 析 状 況 はど のようになっているのか 外 国 人 にとって 魅 力 的 な 社 会 生 活 環 境 はどういったものか また 解 決 すべき 課 題 は 何 か それが 制 度 や 規 制 に 関 連 するものは 何 か そこで 本 調 査 においては 1 高 度 人 材 の 受 入 れが 我 が 国 の 経 済 財 政 に 及 ぼす 効 果 に 関 する 調 査 及 び 諸 外 国 における 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 分 析 に 係 る 先 行 事 例 の 調 査 2 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 係 る 企 業 ニーズ 外 国 人 の 意 識 や 実 態 に 関 する 調 査 及 び 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 の 整 備 に 係 る 諸 外 国 の 先 進 事 例 の 調 査 を 行 うことにより 高 度 人 材 受 入 れ 施 策 の 検 討 に 当 たっての 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 的 とする 1

2. 調 査 の 方 法 2.1 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 2.1.1 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 影 響 財 政 影 響 の 推 計 高 度 人 材 の 受 入 れは 人 口 減 少 少 子 高 齢 社 会 の 中 でも 我 が 国 が 活 力 ある 経 済 を 維 持 していくために 必 要 な 施 策 として 位 置 づけられている その 際 高 度 人 材 の 受 入 れによる 正 の 効 果 は 高 度 人 材 の 能 力 を 活 用 した 新 たな 成 長 産 業 の 創 出 生 産 性 向 上 による 高 い 付 加 価 値 の 創 造 により 我 が 国 全 体 の 生 産 額 や 付 加 価 値 額 が 持 続 的 に 増 加 していくことと 期 待 されて いる 一 方 で 高 度 人 材 を 受 入 れ その 活 力 を 十 分 に 引 き 出 すためには 彼 らが 長 期 に 安 定 的 に 滞 在 できる 社 会 的 な 仕 組 みが 必 要 であり その 環 境 整 備 に 必 要 となる 社 会 的 コ ストを 負 担 していく 必 要 性 も 生 じる 本 調 査 では この 前 提 に 基 づき 高 度 人 材 の 受 入 れにより 期 待 される 効 果 である 経 済 及 び 財 政 面 における 効 果 及 び 受 入 れに 必 要 な 社 会 行 政 コストについての 推 計 を 行 った 具 体 的 な 手 法 については 第 1 部 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 に 記 載 したので そちらを 参 照 されたい 2

2.1.2 諸 外 国 の 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 効 果 分 析 事 例 に 関 する 調 査 本 調 査 では 諸 外 国 において 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 経 済 的 効 果 を 分 析 した 先 行 事 例 について 調 査 し その 分 析 手 法 結 果 を 整 理 した (1) 調 査 対 象 国 調 査 対 象 国 は 英 国 フランス ドイツ 米 国 韓 国 台 湾 シンガポール オース トラリア ニュージーランドの 9 カ 国 とした (2) 調 査 対 象 諸 外 国 における 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 経 済 的 効 果 分 析 事 例 については 学 術 面 から 相 当 の 研 究 事 例 があることが 推 察 されるが 本 調 査 においては 政 策 的 見 地 でまとめ られた 調 査 分 析 事 例 を 対 象 とすることとし 政 府 機 関 ( 中 央 省 庁 ) 政 府 機 関 ( 中 央 省 庁 )に 準 ずる 調 査 機 関 ( 管 轄 研 究 機 関 諮 問 機 関 など) から 公 開 されている 刊 行 物 を 調 査 対 象 とみなした その 際 に 下 記 の 2 つの 観 点 から 情 報 を 収 集 した 経 済 的 効 果 国 レベルの 生 産 量 に 基 づく 経 済 指 標 (GDP 等 )をもって 経 済 的 効 果 を 論 じている 事 例 を 対 象 とした 財 政 的 影 響 国 の 財 政 面 に 及 ぼす 影 響 を 正 の 効 果 ( 税 金 や 社 会 保 険 料 等 の 収 入 面 ) 及 び 負 の 効 果 ( 社 会 保 障 費 や 住 宅 費 等 の 支 出 面 )の 両 面 から 論 じている 事 例 を 対 象 とした (3) 調 査 方 法 原 則 として 公 開 情 報 を 対 象 とした 調 査 とし 下 記 の 2 つのフェーズで 調 査 作 業 を 進 め た 第 1 段 階 :インターネット(Web) 検 索 や 図 書 検 索 による 文 献 サーベイを 実 施 第 2 段 階 : 各 国 の 駐 日 大 使 館 に 対 して 自 国 における 当 該 事 例 の 有 無 あるいは 所 在 の 確 認 入 手 を 依 頼 3

2.2 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 2.2.1 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するヒアリング 調 査 既 存 調 査 によると 高 度 人 材 を 中 心 とした 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 問 題 として は 以 下 の 点 が 多 く 指 摘 されている 教 育 医 療 住 宅 環 境 福 祉 ( 保 育 介 護 等 ) 生 活 文 化 ( 食 文 化 宗 教 等 )に 係 る 施 設 サービス 等 の 確 保 外 国 語 による 情 報 提 供 本 人 及 び 家 族 の 社 会 参 加 これらのうち 本 調 査 では 制 度 改 正 により 対 応 可 能 な 課 題 であることや 関 連 する 産 業 の 育 成 振 興 によって 解 決 が 可 能 であるという 視 点 から 教 育 医 療 住 宅 環 境 を 重 点 課 題 と 捉 え ヒアリング 調 査 を 実 施 した ヒアリング 対 象 は 1 企 業 等 外 国 人 高 度 人 材 の 雇 用 者 側 と 2 社 会 生 活 環 境 ( 教 育 医 療 住 宅 )に 関 するサービス 提 供 主 体 側 の 双 方 とした また 社 会 生 活 環 境 は 地 域 によって 大 きく 異 なると 考 えられる すなわち 生 活 イ ンフラが 比 較 的 整 備 されている 東 京 都 や 横 浜 市 の 都 心 部 ( 以 下 東 京 都 市 圏 という) と それ 以 外 の 地 域 ( 以 下 東 京 都 市 圏 以 外 という)では 社 会 生 活 環 境 に 関 する 問 題 が 異 なると 考 えられる そこで ヒアリング 対 象 先 も 双 方 の 問 題 点 を 把 握 できるよう 配 慮 して 選 定 した ヒアリング 先 の 属 性 別 の 数 を 以 下 に 示 す 雇 用 者 側 には 15 機 関 サービス 提 供 主 体 側 には 18 機 関 に 対 して ヒアリングを 実 施 した 図 表 1 ヒアリング 対 象 機 関 数 東 京 都 市 圏 全 国 ( 東 京 都 市 圏 及 び 東 京 都 市 圏 以 外 の 双 方 ) 東 京 都 市 圏 以 外 雇 用 者 側 3 7 5 教 育 (インターナショナ 4 ル スクール 等 ) サービス 提 供 主 体 側 5 1 国 際 的 なインターナショナ ル スクール 団 体 関 係 者 医 療 ( 医 療 機 関 NPO 等 ) 2 1 - 住 宅 ( 不 動 産 業 等 ) 1 1 1 自 治 体 1-1 主 なヒアリング 項 目 は 外 国 人 高 度 人 材 の 社 会 生 活 環 境 に 係 る 実 態 と 我 が 国 制 度 に 関 する 見 解 であり 具 体 的 には 以 下 のとおりとした 図 表 2 主 なヒアリング 項 目 分 野 雇 用 者 側 サービス 提 供 者 教 育 インターナショナル スクールの 利 用 状 況 インターナショナル スクール 利 用 に 関 する 支 援 ( 情 報 提 供 資 金 支 援 手 続 代 行 等 ) 施 設 の 概 況 ( 定 員 と 学 生 数 外 国 人 高 度 人 材 子 弟 の 比 率 学 費 入 学 の 要 件 や 試 験 等 ) 政 府 自 治 体 NPO 企 業 等 からの 支 援 状 況 ( 補 助 金 通 学 への 支 援 グラ 4

分 野 雇 用 者 側 サービス 提 供 者 医 療 住 宅 環 境 入 学 に 関 する 問 題 卒 業 後 の 資 格 等 に 関 する 問 題 通 学 に 係 るコストに 関 する 問 題 就 学 環 境 に 関 する 問 題 インターナショナル スクール 以 外 の 学 校 への 就 学 に 関 する 問 題 外 国 人 高 度 人 材 の 医 療 機 関 の 利 用 状 況 医 療 に 関 する 支 援 ( 情 報 提 供 資 金 支 援 通 訳 派 遣 等 ) 医 療 機 関 利 用 のコストに 関 する 問 題 保 険 等 の 利 用 状 況 住 宅 の 確 保 の 際 の 問 題 点 住 宅 に 関 する 費 用 負 担 に 係 る 問 題 点 外 国 人 高 度 人 材 が 特 に 求 めている 住 宅 環 境 ウンド 等 施 設 の 貸 出 等 ) 卒 業 生 の 進 路 の 状 況 卒 業 後 の 資 格 に 関 する 問 題 点 経 営 運 営 面 での 課 題 就 学 環 境 に 関 する 課 題 施 設 の 概 況 ( 対 応 している 言 語 外 国 人 の 利 用 状 況 等 ) 政 府 自 治 体 NPO 企 業 等 からの 支 援 状 況 ( 通 訳 派 遣 等 ) 外 国 人 患 者 を 受 入 れる 際 の 課 題 外 国 人 患 者 特 有 のニーズ 外 国 人 患 者 を 受 入 れる 上 での 経 営 運 営 面 での 課 題 保 険 に 関 する 課 題 外 国 人 高 度 人 材 向 けの 住 宅 供 給 及 び その 利 用 の 状 況 外 国 人 高 度 人 材 に 提 供 している 住 宅 の 特 徴 外 国 人 利 用 者 を 受 入 れる 際 の 課 題 5

2.2.2 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するアンケート 調 査 高 度 人 材 の 社 会 生 活 環 境 に 係 る 教 育 医 療 等 我 が 国 制 度 に 関 する 見 解 を 中 心 として 高 度 人 材 へのアンケート 調 査 を 実 施 した (1) 調 査 方 法 社 会 生 活 環 境 に 対 する 見 解 は 外 国 人 の 国 籍 職 種 居 住 地 日 本 語 能 力 等 により 大 きく 相 違 することが 想 定 される そこで こうした 多 様 な 見 解 を 把 握 するため 本 調 査 においては 以 下 の 2 種 のアンケート 調 査 を 併 用 することとした なお 調 査 項 目 は 共 通 のものとした 1 インターナショナル スクール 保 護 者 向 けの 調 査 東 京 都 3 ヵ 所 神 奈 川 県 1 ヵ 所 茨 城 県 1 ヵ 所 兵 庫 県 1 ヵ 所 のインターナショ ナル スクールの 協 力 を 得 て 生 徒 の 保 護 者 合 計 約 800 人 に 紙 媒 体 の 調 査 票 を 送 付 した 学 校 を 通 じて 生 徒 に 手 渡 しで 配 布 し 郵 送 にて 回 収 する 方 法 を 用 いた 基 本 的 には 生 徒 1 人 につき 1 枚 配 布 しているが 兄 弟 共 に 通 っている 場 合 は 1 世 帯 につき 1 枚 の 回 答 とした 2 モニター 調 査 インターネット 調 査 会 社 の 登 録 モニターの 中 から 世 帯 年 収 500 万 円 以 上 で 日 本 に 在 住 の 外 国 人 約 100 人 を 対 象 に 実 施 した 調 査 は インターネットウェブサイト 上 で 回 答 する 方 法 を 用 いた (2) 調 査 期 間 調 査 期 間 は 両 調 査 ともに 2011 年 1 月 20 日 から 2011 年 1 月 31 日 とした 6

(3)アンケート 調 査 項 目 主 な 調 査 項 目 は 外 国 人 高 度 人 材 の 社 会 生 活 環 境 に 係 るニーズや 実 態 課 題 に 関 する 見 解 についてを 問 うものとした 具 体 的 には 以 下 のとおりである 分 野 教 育 環 境 医 療 環 境 住 宅 環 境 図 表 3 主 なアンケート 調 査 項 目 調 査 項 目 国 際 水 準 のインターナショナル スクールのが 海 外 赴 任 決 断 の 際 にどの 程 度 重 要 な 要 素 であるか 国 際 水 準 のインターナショナル スクールが 海 外 赴 任 先 にない 場 合 の 対 処 方 法 子 弟 の 就 学 状 況 子 弟 が 日 本 で 通 学 する 学 校 の 種 類 希 望 通 りの 学 校 に 入 学 できたか 否 か 我 が 国 の 外 国 人 子 弟 の 教 育 に 関 する 改 善 点 母 国 語 または 英 語 でコミュニケーションがとれ 十 分 な 時 間 をかけて 診 療 してくれる 医 療 機 関 が 海 外 赴 任 決 断 の 際 にどの 程 度 重 要 な 要 素 であるか 上 記 医 療 機 関 が 海 外 赴 任 先 にない 場 合 の 対 処 方 法 日 本 で 出 産 や 重 い 病 気 で 手 術 や 入 院 をする 場 合 の 対 処 方 法 我 が 国 の 外 国 人 向 け 医 療 に 関 する 改 善 点 母 国 語 または 英 語 で 買 い 物 ができるショッピングセンター 施 設 が 近 隣 にあ るような 住 環 境 が 海 外 赴 任 決 断 の 際 にどの 程 度 重 要 な 要 素 であるか 住 宅 を 賃 借 または 購 入 の 際 に 苦 労 した 点 国 際 的 認 証 を 受 けたインターナショナル スクールに 通 学 するのに 便 利 な 住 環 境 が 海 外 赴 任 決 断 の 際 にどの 程 度 重 要 な 要 素 であるか 我 が 国 の 外 国 人 の 住 環 境 に 関 する 改 善 点 (4) 有 効 回 収 数 有 効 回 収 数 は インターナショナル スクール 保 護 者 向 けの 調 査 は 299 件 インター ネットウェブサイトにて 実 施 したモニター 調 査 は 103 件 であった 7

2.2.3 諸 外 国 の 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 整 備 の 状 況 に 関 する 調 査 本 調 査 では 諸 外 国 において 実 施 されている 高 度 人 材 受 入 れ 政 策 のなかで インター ナショナル スクールに 関 する 政 策 的 位 置 づけと 整 備 状 況 について 把 握 するとともに 子 弟 の 教 育 以 外 の 面 についても 社 会 生 活 環 境 整 備 の 状 況 について 文 献 調 査 及 び 現 地 往 訪 調 査 を 実 施 した (1) 調 査 対 象 国 特 に 重 点 的 に 調 査 すべき 対 象 国 としてシンガポール 香 港 の 2 カ 国 それ 以 外 の 対 象 国 として 英 国 フランス ドイツ アメリカ 中 国 韓 国 台 湾 の 7 カ 国 合 計 9 カ 国 を 調 査 対 象 とした (2) 調 査 方 法 諸 外 国 に 関 する 調 査 は 下 記 の 2 つのフェーズで 実 施 した 1 文 献 調 査 下 記 に 示 す 文 献 等 を 取 得 収 集 し 調 査 実 施 内 容 に 即 して 情 報 整 理 を 行 った 国 内 各 種 機 関 の 調 査 報 告 書 ( 各 省 庁 JILPT JETRO NISTEP JST etc) 各 国 のホワイトペーパー グリーンペーパー 各 国 の 所 管 省 庁 のホームページ 各 国 のインターナショナル スクール HP など その 他 個 別 の 国 に 関 する 資 料 の 詳 細 については 関 連 箇 所 に 記 載 した また 文 献 調 査 の 補 強 あるいは 海 外 ヒアリング 調 査 のための 予 備 情 報 収 集 の 目 的 で 必 要 に 応 じ 各 国 の 人 材 政 策 に 精 通 する 国 内 の 研 究 者 や 有 識 者 を 対 象 としたヒアリング 調 査 を 行 った 2 海 外 ヒアリング 調 査 重 点 的 に 調 査 すべき 国 であるシンガポール 香 港 の 2 カ 国 については 海 外 ヒアリ ング 調 査 を 実 施 した 調 査 対 象 各 国 における 当 該 政 策 をめぐる 各 ステイク ホルダー を 選 定 し 現 地 訪 問 によりヒアリング 調 査 を 実 施 した 現 地 往 訪 対 象 先 は 以 下 のとお りである 1 インターナショナル スクールの 法 的 位 置 付 け 許 認 可 公 的 支 援 策 な ど インターナショナル スクールを 含 む 教 育 行 政 を 所 管 する 政 府 機 関 2 インターナショナル スクールの 実 態 インターナショナル スクールの 運 営 組 織 インターナショナル スクール 外 国 人 学 校 3 企 業 誘 致 産 業 振 興 におけるインターナショナル スクール 整 備 の 意 義 戦 略 など 企 業 誘 致 産 業 振 興 を 実 施 している 機 関 4 その 他 全 般 的 な 状 況 や 実 態 JETRO や 現 地 の 調 査 レポート 公 刊 機 関 など 8

2.3 有 識 者 による 調 査 委 員 会 の 開 催 本 調 査 の 進 め 方 とりまとめ 方 について 検 討 するため 有 識 者 による 調 査 委 員 会 を 開 催 した (1) 有 識 者 委 員 会 メンバー 委 員 長 佐 野 哲 法 政 大 学 経 営 学 部 教 授 社 会 学 博 士 委 員 ( 順 不 同 ) 川 口 晶 佐 々 木 和 行 芳 賀 日 登 美 社 団 法 人 日 本 経 済 団 体 連 合 会 産 業 政 策 本 部 副 本 部 長 株 式 会 社 トランサーチインターナショナル 代 表 取 締 役 会 長 マンパワー ジャパン 株 式 会 社 専 務 執 行 役 員 (2) 開 催 日 時 とアジェンダ (1) 第 1 回 委 員 会 平 成 22 年 9 月 16 日 1 調 査 実 施 計 画 スケジュール 2 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 実 施 方 針 3 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 実 施 方 針 (2) 第 2 回 委 員 会 平 成 22 年 10 月 22 日 1 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 の 進 捗 報 告 及 び 今 後 の 進 め 方 に ついて 2 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 する 調 査 の 進 捗 報 告 及 び 今 後 の 進 め 方 について (3) 第 3 回 委 員 会 平 成 22 年 12 月 1 日 1 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 波 及 効 果 財 政 波 及 効 果 社 会 行 政 コストに 関 する 調 査 の 結 果 報 告 と 今 後 の 進 め 方 2 諸 外 国 の 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 効 果 分 析 事 例 に 関 する 調 査 の 調 査 結 果 報 告 3 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 係 る 調 査 (ヒアリング 途 中 結 果 とアンケート) 4 諸 外 国 の 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 整 備 の 状 況 に 関 する 調 査 の 進 捗 報 告 と 今 後 の 進 め 方 (4) 第 4 回 委 員 会 平 成 23 年 1 月 20 日 1 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 係 る 調 査 (ヒアリング 調 査 のまとめ アンケートの 状 況 ) 2 諸 外 国 の 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 整 備 の 状 況 に 関 する 調 査 の 結 果 報 告 3 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 4 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 波 及 効 果 財 政 波 及 効 果 社 会 行 政 コストに 関 する 調 査 の 結 果 報 告 と 今 後 の 進 め 方 5 諸 外 国 の 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 効 果 分 析 事 例 に 関 する 調 査 の 調 査 結 果 報 告 (5) 第 5 回 委 員 会 平 成 23 年 2 月 17 日 1 我 が 国 における 外 国 人 の 社 会 生 活 環 境 に 関 するアンケート 調 査 結 果 報 告 2 最 終 報 告 書 ドラフト 案 の 検 討 9

( 以 下 余 白 ) 10

第 1 部 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 に 関 する 調 査 第 1 章 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 推 計 の 前 提 1.1 推 計 の 対 象 と 方 法 本 調 査 では 高 度 人 材 の 受 入 れにより 期 待 される 経 済 及 び 財 政 面 における 効 果 につい て 推 計 するとともに 受 入 れに 必 要 とされる 行 政 コストについて 推 計 を 行 った 経 済 的 効 果 推 計 の 流 れを 図 表 4 に 示 す (1) 人 数 及 び 所 得 額 の 推 計 経 済 及 び 財 政 面 の 効 果 及 び 行 政 コストの 各 推 計 の 基 本 情 報 となる 高 度 人 材 の 人 数 及 び 所 得 額 について 既 存 の 統 計 資 料 をもとに 推 計 を 行 った ( 結 果 は 第 2 章 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 の 分 布 所 得 の 推 計 に 掲 載 ) (2) 経 済 面 の 効 果 経 済 面 の 効 果 としては 高 度 人 材 による 生 産 活 動 が 産 業 全 体 に 及 ぼす 影 響 について 生 産 額 付 加 価 値 額 及 び 雇 用 数 の 各 量 を 産 業 連 関 分 析 の 手 法 により 求 めた ( 結 果 を 第 3 章 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 影 響 に 掲 載 ) (3) 財 政 面 の 効 果 財 政 面 の 効 果 については 高 度 人 材 による 税 収 及 び 社 会 保 険 料 収 入 について 所 得 額 をもとに 税 率 負 担 率 から 金 額 を 求 めた なお 税 収 については 所 得 税 住 民 税 を 社 会 保 険 料 については 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 を 対 象 とした ( 結 果 を 第 4 章 高 度 人 材 受 入 れの 財 政 影 響 (4.1 財 政 収 入 ) に 掲 載 ) (4) 行 政 コスト 行 政 コストについては 外 国 人 が 一 市 民 として 生 活 していく 上 で 必 要 となるコス ト と 外 国 人 として 生 活 していくにあたり 特 別 に 必 要 となるコスト を 推 計 した ( 結 果 は 第 4 章 高 度 人 材 受 入 れの 財 政 影 響 (4.2 財 政 支 出 ) に 掲 載 なお 財 政 収 支 については 同 章 (4.3 財 政 収 支 と 財 政 支 出 の 比 較 ) にまとめている ) 11

図 表 4 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 的 効 果 推 計 の 流 れ 第 1 章 経 済 的 効 果 推 計 の 前 提 ( 推 計 の 対 象 と 方 法 定 義 時 点 ) 平 成 17 年 産 業 連 関 表 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 第 2 章 人 数 所 得 の 推 計 登 録 外 国 人 統 計 (2009 年 ) 高 度 人 材 の 所 得 水 準 高 度 人 材 の 人 数 高 度 人 材 の 所 得 額 労 働 分 配 率 付 加 価 値 率 平 均 消 費 性 向 ( 平 成 21 年 家 計 調 査 年 報 ) 第 3 章 経 済 影 響 自 給 率 高 度 人 材 の 生 産 額 高 度 人 材 の 消 費 額 産 業 連 関 分 析 生 産 額 への 影 響 付 加 価 値 額 への 影 響 雇 用 への 影 響 第 4 章 財 政 影 響 4.1 財 政 波 及 効 果 税 収 額 の 影 響 社 会 保 険 料 収 入 の 影 響 平 成 22 年 度 地 方 財 政 白 書 4.2 行 政 コスト 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 現 状 と 社 会 的 費 用 (1992 年 労 働 省 ) 行 政 コスト 社 会 コスト 既 存 の 統 計 調 査 破 線 は 加 工 指 標 推 計 設 定 推 計 結 果 注 ) 既 存 の 統 計 調 査 資 料 については 主 なものを 記 載 12

1.1.1 経 済 波 及 効 果 推 計 の 方 法 経 済 波 及 効 果 については 高 度 人 材 受 入 れによる 生 産 活 動 への 影 響 額 の 推 計 結 果 から 産 業 連 関 分 析 により 日 本 国 内 の 全 産 業 を 対 象 とした 付 加 価 値 影 響 額 雇 用 者 所 得 影 響 額 等 を 算 定 することにより 把 握 した 生 産 活 動 への 影 響 額 の 推 計 は 高 度 人 材 に 支 払 われる 給 与 等 の 所 得 額 は それに 見 合 う 生 産 額 付 加 価 値 額 が 得 られていることを 意 味 するものである との 仮 定 に 基 づい て 以 下 の 手 順 により 推 計 を 行 った 推 計 の 手 順 1 既 存 の 統 計 資 料 をもとに 高 度 人 材 の 所 得 額 を 推 計 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 登 録 外 国 人 統 計 国 勢 調 査 から 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 人 数 を 推 計 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 から 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 年 間 給 与 等 を 設 定 全 体 を 合 計 して 高 度 人 材 の 所 得 額 ( 総 額 )を 推 計 2 既 存 の 統 計 資 料 から 生 産 額 付 加 価 値 額 及 び 雇 用 者 所 得 額 の 関 係 性 を 整 理 産 業 連 関 表 の 生 産 額 と 付 加 価 値 額 雇 用 者 所 得 額 の 比 率 を 算 定 計 算 は 次 式 による 労 働 分 配 率 = 雇 用 者 所 得 額 / 粗 付 加 価 値 額 付 加 価 値 率 = 粗 付 加 価 値 額 / 国 内 生 産 額 3 これらの 結 果 をもとに 高 度 人 材 の 所 得 額 から 高 度 人 材 による 生 産 額 を 推 計 生 産 額 は 以 下 計 算 式 による 生 産 額 = 所 得 額 /( 労 働 分 配 率 付 加 価 値 率 ) = 所 得 額 /( 雇 用 者 所 得 額 / 粗 付 加 価 値 額 ) ( 粗 付 加 価 値 額 / 国 内 生 産 額 ) 4 高 度 人 材 による 生 産 額 から 産 業 連 関 分 析 により 付 加 価 値 影 響 額 等 を 算 定 産 業 連 関 分 析 では 高 度 人 材 の 生 産 額 を 直 接 影 響 額 として 与 えた 直 接 影 響 ( 高 度 人 材 の 生 産 活 動 )による 関 連 産 業 の 生 産 影 響 を 第 一 次 間 接 影 響 直 接 影 響 と 第 一 次 間 接 影 響 の 対 象 となる 生 産 者 の 所 得 が 消 費 に 向 かうことに よる 効 果 を 第 二 次 間 接 影 響 として 整 理 5 雇 用 影 響 は 産 業 別 一 人 当 たり 生 産 額 から 算 定 産 業 連 関 表 の 生 産 額 と 雇 用 者 数 から 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 を 算 定 第 一 次 間 接 影 響 及 び 第 二 次 間 接 影 響 の 生 産 額 と 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 から 雇 用 影 響 数 を 算 定 計 算 は 次 式 による 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 = 生 産 額 / 雇 用 者 数 ( 各 産 業 別 ) 雇 用 者 数 は 雇 用 表 の 有 給 役 員 雇 用 者 を 適 用 雇 用 影 響 数 =( 第 一 次 間 接 影 響 生 産 額 + 第 二 次 間 接 影 響 生 産 額 )/ 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 13

なお ここでの 生 産 額 と 雇 用 者 所 得 額 の 関 係 性 については 例 えば 好 景 気 の 場 合 には 雇 用 者 所 得 への 配 分 率 は 低 下 し 逆 に 急 激 に 景 気 が 悪 化 した 場 合 には 同 率 が 高 まるこ とが 想 像 されるが このような 外 的 要 因 の 推 計 までは 実 際 には 不 可 能 であること また 企 業 個 々の 判 断 も 大 きな 変 動 要 因 となり 得 ることから 本 調 査 では 恣 意 的 又 は 一 時 的 な 状 況 に 拠 る 分 析 ではなく 一 般 的 な 姿 を 捉 える 方 法 として 既 存 統 計 に 示 される 実 績 値 から 得 られる 平 均 的 な 姿 を 根 拠 として 推 計 を 行 った 高 度 人 材 の 所 得 図 表 5 高 度 人 材 の 生 産 活 動 による 付 加 価 値 創 出 の 流 れ 労 働 分 配 率 付 加 価 値 率 で 割 戻 し 直 接 影 響 高 度 人 材 の 生 産 活 動 による 付 加 価 値 創 出 高 度 人 材 による 生 産 需 要 生 産 需 要 額 自 給 率 第 一 次 間 接 影 響 高 度 人 材 の 生 産 活 動 に 伴 う 関 連 産 業 の 付 加 価 値 創 出 関 連 産 業 の 生 産 付 加 価 値 付 加 価 値 企 業 の 利 潤 など 企 業 の 利 潤 など 高 度 人 材 の 所 得 従 業 者 の 所 得 所 得 平 均 消 費 性 向 消 費 所 得 平 均 消 費 性 向 消 費 需 要 額 自 給 率 第 二 次 間 接 影 響 高 度 人 材 及 び 関 連 産 業 従 業 者 の 消 費 活 動 に 伴 う 付 加 価 値 創 出 需 要 消 費 活 動 に 伴 う 生 産 付 加 価 値 企 業 の 利 潤 など 従 業 者 の 所 得 14

1.1.2 財 政 波 及 効 果 推 計 の 方 法 財 政 波 及 効 果 については 高 度 人 材 の 所 得 額 をもとにした 税 収 及 び 社 会 保 険 料 収 入 を 対 象 とした 税 収 については 所 得 税 と 住 民 税 については 年 間 所 得 に 各 税 額 計 算 方 法 ( 税 率 )によ り 算 定 し 消 費 税 については 年 間 所 得 から 消 費 に 向 けられる 額 に 対 して 消 費 税 率 を 適 用 して 算 定 した また 社 会 保 険 料 については 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 について 保 険 料 率 負 担 率 を 用 いて 算 定 した 推 計 の 手 順 1 既 存 の 統 計 資 料 をもとに 高 度 人 材 の 所 得 額 高 度 人 材 の 人 数 を 推 計 経 済 波 及 効 果 推 計 に 用 いた 所 得 額 及 び 人 数 ( 家 族 を 含 む)を 適 用 2 所 得 額 に 税 率 保 険 料 率 負 担 率 を 適 用 して 納 税 額 保 険 料 納 付 額 を 推 計 平 均 所 得 ( 一 人 当 たり)から 各 種 控 除 後 税 率 により 平 均 納 税 額 を 算 定 平 均 所 得 = 給 与 所 得 総 額 / 高 度 人 材 の 人 数 課 税 所 得 額 = 平 均 所 得 - 給 与 所 得 控 除 - 配 偶 者 扶 養 控 除 - 基 礎 控 除 平 均 納 税 額 = 課 税 所 得 額 所 定 税 率 納 税 総 額 = 平 均 納 税 額 高 度 人 材 の 人 数 社 会 保 険 料 納 付 額 は 平 均 所 得 ( 一 人 当 たり)に 対 する 保 険 料 率 により 算 定 平 均 社 会 保 険 料 納 付 額 = 平 均 所 得 保 険 料 率 社 会 保 険 料 納 付 総 額 = 平 均 社 会 保 険 料 納 付 額 高 度 人 材 の 人 数 3 消 費 税 は 所 得 額 に 平 均 消 費 性 向 を 乗 じて 消 費 額 を 推 計 し 税 率 5%により 算 定 以 下 算 定 式 による 平 均 消 費 性 向 = 平 均 消 費 支 出 / 実 収 入 ( 家 計 調 査 年 報 の 勤 労 者 世 帯 の 値 を 適 用 ) 消 費 税 納 税 額 = 給 与 所 得 総 額 平 均 消 費 性 向 5% 15

1.1.3 行 政 コスト 推 計 の 方 法 行 政 コストについては 以 下 の 2 面 からとらえた 外 国 人 が 一 市 民 として 生 活 していく 上 で 必 要 となるコスト 外 国 人 として 生 活 していくにあたり 特 別 に 必 要 となるコスト このうち 前 者 は 高 度 人 材 が 生 活 していく 上 で 必 要 となる 行 政 サービスは 一 般 的 な 日 本 国 民 が 通 常 受 けるサービスと 同 程 度 のものである と 仮 定 して 自 治 体 の 人 件 費 扶 助 費 の 歳 出 実 績 値 から 市 民 一 人 当 たりの 額 を 算 定 のうえ 高 度 人 材 本 人 及 びその 家 族 の 人 数 を 乗 じることで 算 定 した また 後 者 の 外 国 人 として 生 活 していくにあたり 特 別 に 必 要 となるコスト につい ては 高 度 人 材 の 家 族 への 日 本 語 習 得 に 対 する 支 援 など 外 国 からの 人 材 受 入 れに 際 し ての 情 報 提 供 や 教 育 支 援 などの 特 別 な 措 置 に 関 するコストを 対 象 とした 推 計 の 手 順 1 外 国 人 が 一 市 民 として 生 活 していく 上 で 必 要 となるコスト は 自 治 体 の 歳 出 実 績 額 から 国 民 一 人 当 たりの 行 政 コストを 算 定 し 高 度 人 材 の 人 数 から 必 要 コストを 推 計 高 度 人 材 の 人 数 は 経 済 波 及 効 果 推 計 に 用 いた 人 数 ( 家 族 を 含 む)を 適 用 国 民 一 人 当 たりの 行 政 コストは 機 関 費 地 方 財 政 費 社 会 保 障 関 係 費 と 教 育 費 を 対 象 とした 2 外 国 人 として 生 活 していくにあたり 特 別 に 必 要 となるコスト は 既 存 の 調 査 資 料 をもとに 外 国 人 一 人 当 たりの 必 要 コストを 想 定 し 高 度 人 材 の 人 数 か ら 全 体 額 を 推 計 既 存 調 査 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 現 状 と 社 会 的 費 用 の 結 果 を 使 用 調 査 時 点 が 古 いため GDP デフレーターによる 物 価 調 整 のうえ 適 用 16

1.2 高 度 人 材 の 定 義 本 調 査 では 高 度 人 材 について 在 留 資 格 から 以 下 のように 定 義 した 図 表 6 高 度 人 材 の 定 義 在 留 資 格 による 高 度 人 材 の 定 義 専 門 的 技 術 的 分 野 の 在 留 資 格 ( 教 授 芸 術 宗 教 報 道 投 資 経 営 法 律 会 計 業 務 医 療 研 究 教 育 技 術 人 文 知 識 国 際 業 務 企 業 内 転 勤 技 能 の 13 種 )を 有 する 者 1 1.3 推 計 の 時 点 経 済 波 及 効 果 の 推 計 は[A] 現 状 の 高 度 人 材 受 入 れによる 経 済 的 効 果 の 把 握 と[B] 将 来 の 高 度 人 材 受 入 れによる 経 済 的 効 果 の 予 測 の 2 つの 視 点 から 行 った [A] 現 状 の 高 度 人 材 受 入 れによる 経 済 的 効 果 の 把 握 高 度 人 材 受 入 れの 現 状 をできるだけ 正 確 に 把 握 し 現 状 (2009 年 )でどの 程 度 の 高 度 人 材 を 受 入 れ どの 程 度 の 経 済 効 果 が 生 じているかを 把 握 した [B] 将 来 の 高 度 人 材 受 入 れによる 経 済 的 効 果 の 予 測 我 が 国 では 今 後 長 期 的 に 高 度 人 材 の 受 入 れを 推 進 していくことが 展 望 されている そこで 今 後 高 度 人 材 の 受 入 れを 進 めた 際 の 効 果 を 推 計 するため 2020 年 における 高 度 人 材 受 入 れにともなう 経 済 効 果 の 推 計 を 行 った 1 経 済 財 政 改 革 の 基 本 方 針 2008 ( 平 成 20 年 6 月 27 日 閣 議 決 定 )で 受 入 れを 促 進 すべき 高 度 人 材 として 例 示 されている 専 門 的 技 術 的 分 野 の 在 留 資 格 の 者 とした 17

( 以 下 余 白 ) 18

第 2 章 高 度 人 材 の 人 数 所 得 の 推 計 2.1 現 状 での 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 分 布 の 推 計 (1) 高 度 人 材 の 人 数 の 推 計 法 務 省 登 録 外 国 人 統 計 によれば 2009 年 現 在 日 本 国 内 で 高 度 人 材 に 相 当 する 在 留 資 格 を 有 する 者 の 人 数 は 下 表 の 通 り 201,930 人 となった 図 表 7 高 度 人 材 に 相 当 する 在 留 資 格 の 者 の 人 数 (2009 年 ) 在 留 資 格 登 録 者 数 ( 人 ) 教 授 8,295 芸 術 490 宗 教 4,448 報 道 271 投 資 経 営 9,840 法 律 会 計 業 務 161 医 療 220 研 究 2,372 教 育 10,129 技 術 50,493 人 文 知 識 国 際 業 務 69,395 企 業 内 転 勤 16,786 技 能 29,030 合 計 201,930 出 典 : 登 録 外 国 人 統 計 (2009 年 ) ( 法 務 省 )より 日 本 総 研 作 成 (2) 高 度 人 材 の 産 業 ごとの 分 布 の 推 計 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 ( 平 成 22 年 10 月 末 現 在 )について ( 厚 生 労 働 省 ) 2 か ら 算 出 した 専 門 的 技 術 的 分 野 の 在 留 資 格 の 者 の 産 業 ごとの 分 布 率 3 に 基 づき 高 度 人 材 の 産 業 ごとの 分 布 を 推 計 した 推 計 結 果 は 下 図 表 の 通 りとなった 図 表 8 高 度 人 材 の 産 業 ごとの 分 布 人 数 (2009 年 ) 製 造 業 情 報 通 信 業 宿 泊 業 飲 サービス 業 卸 売 業 小 教 育 学 習 その 他 の 産 食 サービス ( 他 に 分 類 さ 売 業 支 援 業 業 業 れないもの) 産 業 計 技 術 11,035 19,112 2,695 355 163 6,644 10,489 50,493 人 文 知 識 国 際 業 務 11,478 6,170 12,532 2,469 13,143 5,551 18,051 69,395 その 他 7,154 4,499 4,845 8,092 30,614 3,828 23,011 82,042 合 計 29,667 29,781 20,072 10,916 43,920 16,023 51,551 201,930 出 典 : 登 録 外 国 人 統 計 (2009 年 ) ( 法 務 省 ) 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 ( 平 成 22 年 10 月 末 現 在 )について ( 厚 生 労 働 省 ) 推 計 方 法 : 登 録 外 国 人 統 計 (2009 年 ) ( 法 務 省 )で 把 握 した 高 度 人 材 の 総 数 を 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 ( 平 成 22 年 10 月 末 現 在 )について ( 厚 生 労 働 省 )に 示 されている 産 業 ご との 分 布 比 率 に 応 じて 按 分 した ( 按 分 は 技 術 人 文 知 識 国 際 業 務 それ 以 外 の 在 留 資 格 の 3 種 に 分 けて 行 った) (3) 高 度 人 材 の 年 齢 階 層 分 布 2 同 調 査 は 事 業 主 が 外 国 人 労 働 者 ( 特 別 永 住 者 及 び 在 留 資 格 外 交 公 用 の 者 を 除 く )の 雇 入 れ 又 は 離 職 の 際 に 当 該 外 国 人 労 働 者 の 氏 名 在 留 資 格 在 留 期 間 等 について 確 認 し 厚 生 労 働 大 臣 (ハローワーク)に 届 出 たものを 集 計 したものである 従 って 法 務 省 の 統 計 とは 異 なり 全 ての 外 国 人 が 調 査 対 象 とはなっていない 点 に 留 意 する 必 要 があるが 外 国 人 労 働 者 の 産 業 分 布 を 示 すようなデータが 他 には 無 いため 本 調 査 では 同 調 査 結 果 を 利 用 した 3 ( 別 表 6) 在 留 資 格 別 産 業 別 外 国 人 労 働 者 数 による 19

平 成 17 年 国 勢 調 査 における 外 国 人 に 関 する 特 別 集 計 ( 報 告 書 掲 載 表 ) から 算 出 し た 外 国 人 就 業 者 4 の 年 齢 分 布 5 に 基 づき 高 度 人 材 の 年 齢 階 層 ごとの 分 布 の 推 計 を 行 っ た 推 計 結 果 は 下 表 の 通 りとなった 20~24 歳 25~29 歳 30~34 歳 35~39 歳 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 製 造 業 図 表 9 高 度 人 材 の 産 業 年 齢 階 層 ごとの 分 布 人 数 (2009 年 ) 宿 泊 業 飲 サービス 業 卸 売 業 小 教 育 学 習 情 報 通 信 業 食 サービス ( 他 に 分 類 さ 売 業 支 援 業 業 れないもの) その 他 の 産 業 産 業 計 男 1,858 1,866 1,257 684 2,751 1,004 3,229 12,649 女 2,300 2,309 1,556 846 3,405 1,242 3,996 15,654 男 2,816 2,827 1,905 1,036 4,169 1,521 4,893 19,167 女 2,332 2,341 1,578 858 3,452 1,259 4,052 15,871 男 2,882 2,893 1,950 1,060 4,266 1,556 5,007 19,615 女 1,869 1,876 1,265 688 2,767 1,010 3,248 12,722 男 2,635 2,645 1,783 970 3,901 1,423 4,579 17,936 女 1,484 1,490 1,004 546 2,197 801 2,579 10,101 男 2,255 2,263 1,525 830 3,338 1,218 3,918 15,346 女 1,227 1,232 830 452 1,817 663 2,132 8,353 男 1,649 1,655 1,116 607 2,441 891 2,865 11,224 女 940 943 636 346 1,391 508 1,633 6,397 男 1,372 1,377 928 505 2,031 741 2,383 9,336 女 718 721 486 264 1,063 388 1,248 4,889 男 1,099 1,103 744 404 1,627 594 1,910 7,481 女 513 515 347 189 760 277 892 3,494 男 642 645 434 236 951 347 1,116 4,371 女 289 290 196 106 428 156 503 1,969 男 564 566 381 207 835 304 980 3,837 女 223 224 151 82 330 120 388 1,518 65 歳 ~ 年 齢 階 層 計 29,667 29,781 20,072 10,916 43,920 16,023 51,551 201,930 出 典 : 登 録 外 国 人 統 計 (2009 年 ) ( 法 務 省 ) 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 ( 平 成 22 年 10 月 末 現 在 )について ( 厚 生 労 働 省 ) 平 成 17 年 国 勢 調 査 ( 総 務 省 ) 推 計 方 法 : 上 記 で 推 計 した 産 業 ごとの 高 度 人 材 の 人 数 を 平 成 17 年 国 勢 調 査 ( 総 務 省 )にお ける 外 国 人 就 業 者 の 年 齢 分 布 に 応 じて 按 分 した 4 就 業 者 の 中 で ( 家 事 や 通 学 ではなく ) 就 労 を 主 としている 者 ( 集 計 結 果 における 就 業 者 の 内 訳 主 に 仕 事 に 分 類 される 者 )を 対 象 としている ( 参 考 : 就 業 者 の 分 類 では 他 に 家 事 のほか 仕 事 がある ) 5 高 度 人 材 に 相 当 すると 思 われる 在 留 資 格 の 中 にも 企 業 内 転 勤 や 技 能 など 学 歴 要 件 が 課 されない 資 格 もあるが 高 度 人 材 の 多 くは 大 卒 大 学 院 卒 と 考 えられるため ここでは 高 度 人 材 を 20 歳 以 上 とし 年 齢 構 成 の 推 計 を 行 った 20

(4) 高 度 人 材 の 家 族 の 受 入 れ 数 の 推 計 高 度 人 材 受 入 れにともなう 高 度 人 材 の 家 族 の 日 本 への 受 入 れ 数 の 推 計 を 行 った 高 度 人 材 の 家 族 構 成 を 直 接 示 す 統 計 資 料 は 見 当 たらなかったため 本 調 査 では 平 成 17 年 国 勢 調 査 の 外 国 人 に 関 する 特 別 集 計 ( 報 告 書 掲 載 表 ) から 算 出 した イギ リス 人 アメリカ 人 が 世 帯 主 となっており 外 国 人 のみで 構 成 されている 世 帯 の 構 成 比 6 が 高 度 人 材 一 般 の 世 帯 構 成 比 と 同 様 であると 仮 定 し 高 度 人 材 の 家 族 の 受 入 れ 数 を 推 計 した 同 調 査 によると イギリス 人 アメリカ 人 が 世 帯 主 となっており 外 国 人 のみで 構 成 されている 世 帯 の 8 割 は 単 身 世 帯 であり 残 りの 2 割 の 大 半 が 核 家 族 世 帯 とな っている 核 家 族 世 帯 のうちの 約 半 数 が 夫 婦 のみの 世 帯 となっており 残 りの 約 半 数 が 夫 婦 と 子 供 の 世 帯 ということが 想 定 される 上 記 の 調 査 結 果 を 基 に 高 度 人 材 の 家 族 の 受 入 れ 数 を 推 計 すると 下 図 表 のよう になった ただし 各 世 帯 の 子 供 の 人 数 は 一 人 と 仮 定 した 図 表 10 高 度 人 材 の 家 族 の 受 入 数 (2009 年 ) 推 計 人 数 ( 人 ) 推 計 方 法 高 度 人 材 201,930 該 当 する 在 留 資 格 の 者 配 偶 者 40,386 高 度 人 材 の 2 割 子 供 ( 幼 児 学 生 ) 20,193 高 度 人 材 の 1 割 資 料 : 外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 ( 平 成 22 年 10 月 末 現 在 )について ( 厚 生 労 働 省 ) 平 成 17 年 国 勢 調 査 ( 総 務 省 )をもとに 日 本 総 研 作 成 6 外 国 人 のいる 世 帯 の 家 族 構 成 ( 第 4 表 ) による 同 調 査 では 外 国 人 のみの 世 帯 と 日 本 人 が 含 まれる 世 帯 は 分 けられているため 外 国 人 のみの 世 帯 には 日 本 人 の 配 偶 者 等 で 在 留 しているイギリス 人 アメリカ 人 の 世 帯 は 含 まれないと 想 定 される 21

2.2 10 年 後 (2020 年 )における 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 分 布 の 想 定 2020 年 における 高 度 人 材 の 受 入 れ 数 について 新 成 長 戦 略 ( 平 成 22 年 6 月 18 日 閣 議 決 定 )で 示 された 目 標 値 を 達 するように 受 入 れが 進 むものと 想 定 した 高 度 人 材 ( 参 考 ) 留 学 生 就 学 生 図 表 11 2020 年 の 高 度 人 材 のカテゴリー 別 の 受 入 れ 人 数 の 想 定 2020 年 の 受 入 れ 人 数 ( 推 定 値 ) 年 齢 構 成 推 計 の 考 え 方 403,860 人 2009 年 ( 実 績 ) 新 成 長 戦 略 ( 平 成 22 年 6 月 18 日 (2009 年 ( 実 績 値 ) と 同 様 の 年 齢 構 閣 議 決 定 ) (2020 年 までに) 在 留 の 2 倍 ) 成 と 想 定 する 高 度 外 国 人 材 の 倍 増 を 目 指 す を もとに 設 定 300,000 人 (2009 年 ( 実 績 値 ) の 約 1.5 倍 ) 2009 年 ( 実 績 ) と 同 様 の 年 齢 構 成 と 想 定 する 新 成 長 戦 略 ( 平 成 22 年 6 月 18 日 閣 議 決 定 ) (2020 年 までに) 質 の 高 い 外 国 人 学 生 の 受 入 れを 30 万 人 にすることを 目 指 す をもとに 設 定 資 料 : 新 成 長 戦 略 ( 平 成 22 年 6 月 18 日 閣 議 決 定 ) をもとに 日 本 総 研 作 成 22

2.3 高 度 人 材 の 所 得 の 推 計 2.1 現 状 での 高 度 人 材 の 産 業 別 年 齢 別 分 布 の 推 計 で 推 計 した 高 度 人 材 の 産 業 年 齢 階 層 ごとの 分 布 人 数 7 に 基 づき 各 産 業 において 高 度 人 材 が 得 ている 所 得 額 の 推 計 を 行 った 所 得 額 の 推 計 には 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )の 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 平 均 賃 金 を 用 いた 賃 金 水 準 は 企 業 規 模 学 歴 の 違 い によって 様 々であるため 下 図 表 のような 4 区 分 ( 企 業 規 模 計 (10 人 以 上 ) 学 歴 計 企 業 規 模 計 (10 人 以 上 ) 大 学 大 学 院 卒 企 業 規 模 1,000 人 以 上 学 歴 計 企 業 規 模 1,000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 )のそれぞれについて 推 計 を 行 った ( 以 下 の 分 析 は 全 てこの 4 区 分 で 進 めた ) 図 表 12 高 度 人 材 に 相 当 する 在 留 資 格 者 の 産 業 ごとの 総 所 得 額 (2009 年 ) 企 業 規 模 計 (10 人 以 上 ) ( 億 円 ) 企 業 規 模 1000 人 以 上 産 業 分 類 学 歴 計 大 学 大 学 院 卒 学 歴 計 大 学 大 学 院 卒 製 造 業 食 料 品 製 造 業 191 239 220 279 繊 維 工 業 132 175 170 215 金 属 製 品 製 造 業 80 94 102 116 生 産 用 機 械 器 具 製 造 業 82 99 104 119 電 気 機 械 器 具 製 造 業 128 156 152 174 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 294 363 342 397 他 製 造 業 ( 上 記 除 く 製 造 業 平 均 ) 325 408 398 478 情 報 通 信 業 1,699 1,899 1,917 2,116 卸 売 業 小 売 業 854 1,015 951 1,137 金 融 業 保 険 業 735 795 762 813 学 術 研 究 専 門 技 術 サービス 業 1,643 1,831 2,014 2,185 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 368 436 430 503 教 育 学 習 支 援 業 2,463 2,681 2,870 2,977 医 療 福 祉 396 496 493 573 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 583 708 623 747 合 計 9,972 11,395 11,547 12,829 出 典 : 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 ) 推 計 方 法 : 前 記 で 推 計 した 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 高 度 人 材 の 人 数 分 布 に 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )から 算 出 した 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 平 均 賃 金 を 乗 じて 各 産 業 の 総 所 得 額 を 求 めた 7 前 節 で 推 計 を 行 った 産 業 分 類 を 製 造 業 その 他 の 産 業 については 産 業 連 関 表 における 生 産 額 の 構 成 比 等 によって さらに 細 分 化 を 行 っている 23

図 表 13 高 度 人 材 に 相 当 する 在 留 資 格 者 の 産 業 ごとの 総 所 得 額 (2020 年 ) 企 業 規 模 計 (10 人 以 上 ) ( 億 円 ) 企 業 規 模 1000 人 以 上 産 業 分 類 学 歴 計 大 学 大 学 院 卒 学 歴 計 大 学 大 学 院 卒 製 造 業 食 料 品 製 造 業 382 478 440 559 繊 維 工 業 264 349 340 430 金 属 製 品 製 造 業 159 188 203 232 生 産 用 機 械 器 具 製 造 業 164 198 208 238 電 気 機 械 器 具 製 造 業 255 311 304 347 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 588 727 684 795 他 製 造 業 ( 上 記 除 く 製 造 業 平 均 ) 649 815 796 956 情 報 通 信 業 3,398 3,799 3,835 4,232 卸 売 業 小 売 業 1,707 2,030 1,903 2,273 金 融 業 保 険 業 1,470 1,591 1,523 1,627 学 術 研 究 専 門 技 術 サービス 業 3,286 3,661 4,027 4,370 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 737 872 859 1,006 教 育 学 習 支 援 業 4,926 5,363 5,741 5,953 医 療 福 祉 792 991 985 1,145 サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 1,167 1,416 1,245 1,494 合 計 19,944 22,790 23,093 25,657 出 典 : 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 ) 推 計 方 法 : 前 記 で 推 計 した 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 高 度 人 材 の 人 数 分 布 に 平 成 21 年 賃 金 構 造 基 本 統 計 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )から 算 出 した 産 業 別 年 齢 階 層 別 の 平 均 賃 金 を 乗 じて 各 産 業 の 総 所 得 額 を 求 めた ただし 各 産 業 年 齢 階 層 別 の 人 口 は 新 成 長 戦 略 の 目 標 値 に 基 づ き それぞれ 倍 増 していると 想 定 した 24

第 3 章 高 度 人 材 受 入 れの 経 済 影 響 3.1 経 済 波 及 効 果 ( 生 産 影 響 付 加 価 値 影 響 ) 高 度 人 材 の 所 得 額 ( 前 章 参 照 )から 生 産 額 を 推 計 し 産 業 連 関 分 析 により 経 済 波 及 効 果 を 算 定 した 所 得 額 をもとに 推 計 した 高 度 人 材 による 生 産 額 は 次 表 のとおりである なお 生 産 額 は 産 業 連 関 表 の 産 業 別 生 産 額 粗 付 加 価 値 額 雇 用 者 所 得 額 から 以 下 算 定 式 により 推 計 した 生 産 額 の 推 計 式 ( 産 業 別 に 推 計 ) 生 産 額 = 所 得 額 /( 労 働 分 配 率 付 加 価 値 率 ) = 所 得 額 /( 雇 用 者 所 得 額 / 粗 付 加 価 値 額 ) ( 粗 付 加 価 値 額 / 国 内 生 産 額 ) 図 表 14 高 度 人 材 の 所 得 額 もとに 推 計 した 生 産 額 (2009 年 ) 金 額 ( 億 円 ) 学 歴 区 分 金 額 区 分 企 業 規 模 企 業 規 模 計 1,000 人 以 上 所 得 額 9,972 11,547 学 歴 計 生 産 額 32,564 37,792 所 得 額 11,395 12,829 大 学 大 学 院 卒 生 産 額 38,055 42,990 生 産 額 の 推 計 式 生 産 額 = 所 得 額 /( 労 働 分 配 率 付 加 価 値 率 ) = 所 得 額 /( 雇 用 者 所 得 額 / 粗 付 加 価 値 額 ) ( 粗 付 加 価 値 額 / 国 内 生 産 額 ) 注 1) 雇 用 者 所 得 額 粗 付 加 価 値 額 国 内 生 産 額 は 平 成 17 年 (2005 年 ) 産 業 連 関 表 ( 総 務 省 )の 値 を 適 用 した 注 2) 表 中 の 値 は 高 度 人 材 の 産 業 別 生 産 額 の 合 計 値 高 度 人 材 の 生 産 活 動 による 関 連 産 業 への 生 産 影 響 額 及 び 付 加 価 値 影 響 額 の 現 状 及 び 将 来 の 推 計 結 果 は 以 下 のとおりである 25

図 表 15 高 度 人 材 による 生 産 影 響 額 付 加 価 値 影 響 額 (2009 年 ) ( 上 段 : 金 額 ( 億 円 ) 下 段 : 全 国 値 に 対 する 比 (%)) 生 産 影 響 額 付 加 価 値 影 響 額 高 度 人 材 関 連 産 業 消 費 活 動 高 度 人 材 関 連 産 業 消 費 活 動 による 生 産 の 影 響 額 による 額 合 計 による 生 産 の 影 響 額 による 額 合 計 適 用 した 所 得 水 準 ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) 企 業 規 模 計 32,564 24,850 14,670 72,084 17,145 11,591 8,435 37,171 学 歴 計 0.3% 0.3% 0.2% 0.7% 0.3% 0.2% 0.2% 0.7% 企 業 規 模 1000 人 以 上 37,792 28,971 17,009 83,772 19,739 13,466 9,779 42,985 学 歴 計 0.4% 0.3% 0.2% 0.9% 0.4% 0.3% 0.2% 0.8% 企 業 規 模 計 38,055 29,454 16,955 84,464 19,717 13,653 9,749 43,119 大 学 大 学 院 卒 0.4% 0.3% 0.2% 0.9% 0.4% 0.3% 0.2% 0.9% 企 業 規 模 1000 人 以 上 42,990 33,317 19,112 95,419 22,146 15,438 10,989 48,573 大 学 大 学 院 卒 0.4% 0.3% 0.2% 1.0% 0.4% 0.3% 0.2% 1.0% 9,720,146 5,058,741 全 国 全 産 業 計 100.0% 100.0% 注 1) 高 度 人 材 の 所 得 額 をもとに 生 産 額 ( 直 接 影 響 額 )を 推 計 し 産 業 連 関 分 析 により 関 連 産 業 への 影 響 額 消 費 活 動 による 額 を 求 めた 結 果 である 注 2) 産 業 連 関 分 析 は 平 成 17 年 (2005 年 ) 産 業 連 関 表 ( 総 務 省 )の 係 数 を 使 用 した 注 3) 消 費 性 向 は 平 成 21 年 家 計 調 査 年 報 ( 総 務 省 )から 勤 労 者 世 帯 の 平 均 消 費 支 出 を 実 収 入 で 割 った 値 を 適 用 した 図 表 16 高 度 人 材 による 生 産 影 響 額 付 加 価 値 影 響 額 (2020 年 ) ( 上 段 : 金 額 ( 億 円 ) 下 段 : 全 国 値 に 対 する 比 (%)) 生 産 影 響 額 付 加 価 値 影 響 額 高 度 人 材 による 生 産 関 連 産 業 の 影 響 額 消 費 活 動 による 額 合 計 高 度 人 材 による 生 産 関 連 産 業 の 影 響 額 消 費 活 動 による 額 合 計 適 用 した 所 得 水 準 ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) 企 業 規 模 計 65,128 49,700 29,340 144,168 34,291 23,183 16,869 74,343 学 歴 計 0.7% 0.5% 0.3% 1.5% 0.7% 0.5% 0.3% 1.5% 企 業 規 模 1000 人 以 上 75,584 57,942 34,018 167,544 39,478 26,933 19,559 85,970 学 歴 計 0.8% 0.6% 0.3% 1.7% 0.8% 0.5% 0.4% 1.7% 企 業 規 模 計 76,110 58,908 33,910 168,928 39,435 27,307 19,497 86,239 大 学 大 学 院 卒 0.8% 0.6% 0.3% 1.7% 0.8% 0.5% 0.4% 1.7% 企 業 規 模 1000 人 以 上 85,979 66,634 38,224 190,838 44,292 30,876 21,978 97,146 大 学 大 学 院 卒 0.9% 0.7% 0.4% 2.0% 0.9% 0.6% 0.4% 1.9% 全 国 全 産 業 計 9,720,146 5,058,741 100.0% 100.0% 注 1) 高 度 人 材 の 将 来 の 受 入 れ 人 数 の 想 定 ((2020 年 までに) 在 留 高 度 外 国 人 材 の 倍 増 を 図 る)に 基 づく 推 計 結 果 である 注 2) 推 計 に 用 いる 係 数 は 現 状 と 同 じとした 26

高 度 人 材 の 生 産 影 響 付 加 価 値 影 響 の 推 計 結 果 を 整 理 する 現 状 の 高 度 人 材 の 生 産 活 動 による 経 済 効 果 は 生 産 額 で 7.2 兆 円 から 9.5 兆 円 付 加 価 値 額 では 3.7 兆 円 から 4.9 兆 円 と 推 計 された これは 日 本 全 国 の 生 産 額 及 び 付 加 価 値 額 の 約 0.7%~1.0% となり 高 度 人 材 の 人 数 ( 全 従 業 者 の 0.3% )からすれば 高 い 経 済 効 果 となっている 将 来 高 度 人 材 の 受 入 れを 拡 大 した 場 合 には 全 国 の 付 加 価 値 額 の 約 1.5% ~1.9% 程 度 の 経 済 効 果 が 想 定 される 27

3.2 雇 用 効 果 高 度 人 材 の 生 産 影 響 額 をもとに その 生 産 活 動 に 必 要 となる 雇 用 者 数 を 推 計 した 図 表 17 高 度 人 材 による 雇 用 影 響 (2009 年 ) 雇 用 影 響 人 数 ( 人 ) 設 定 高 度 人 材 創 出 効 果 関 連 産 業 の 消 費 活 動 の の 人 数 影 響 人 数 影 響 人 数 適 用 した 所 得 水 準 ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) 人 数 企 業 規 模 計 学 歴 計 企 業 規 模 1000 人 以 上 学 歴 計 企 業 規 模 計 大 学 大 学 院 卒 企 業 規 模 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 合 計 全 雇 用 者 に 対 する 率 201,930 117,196 84,107 201,303 0.4% 201,930 136,153 97,518 233,670 0.4% 201,930 138,052 97,210 235,261 0.4% 201,930 156,082 109,576 265,658 0.5% 雇 用 影 響 人 数 の 推 計 式 算 定 式 : 産 業 別 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 = 産 業 別 生 産 額 / 産 業 別 雇 用 者 数 雇 用 影 響 人 数 =( 産 業 別 生 産 影 響 額 / 産 業 別 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 )の 合 計 注 1) 産 業 別 生 産 額 産 業 別 雇 用 者 数 は 平 成 17 年 (2005 年 ) 産 業 連 関 表 ( 総 務 省 )の 値 ( 生 産 者 価 格 評 価 表 雇 用 表 )を 適 用 した 注 2) 雇 用 影 響 人 数 算 定 の 前 提 となる 産 業 別 生 産 影 響 額 は 本 調 査 で 推 計 した 結 果 である 図 表 18 高 度 人 材 による 雇 用 影 響 (2020 年 ) 雇 用 影 響 人 数 ( 人 ) 設 定 創 出 効 果 高 度 人 材 関 連 産 業 の 消 費 活 動 の 合 計 現 状 からの の 人 数 影 響 人 数 影 響 人 数 増 分 所 得 水 準 ( 直 接 影 響 ) ( 第 一 次 間 接 影 響 ) ( 第 二 次 間 接 影 響 ) 人 数 企 業 規 模 計 学 歴 計 403,860 234,392 168,214 402,606 201,303 企 業 規 模 1000 人 以 上 学 歴 計 403,860 272,305 195,035 467,340 233,670 企 業 規 模 計 大 学 大 学 院 卒 403,860 276,103 194,420 470,523 235,261 企 業 規 模 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 403,860 312,163 219,152 531,315 265,658 雇 用 影 響 人 数 の 推 計 式 算 定 式 : 産 業 別 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 = 産 業 別 生 産 額 / 産 業 別 雇 用 者 数 雇 用 影 響 人 数 =( 産 業 別 生 産 影 響 額 / 産 業 別 雇 用 者 一 人 当 たり 生 産 額 )の 合 計 注 1) 産 業 別 生 産 額 産 業 別 雇 用 者 数 は 平 成 17 年 (2005 年 ) 産 業 連 関 表 ( 総 務 省 )の 値 ( 生 産 者 価 格 評 価 表 雇 用 表 )を 適 用 した 注 2) 雇 用 影 響 人 数 算 定 の 前 提 となる 産 業 別 生 産 影 響 額 は 本 調 査 で 推 計 した 結 果 である 28

高 度 人 材 の 生 産 影 響 を 雇 用 の 面 から 評 価 した 結 果 は 以 下 のとおりである 現 状 の 高 度 人 材 の 生 産 活 動 による 雇 用 影 響 人 数 は 約 20 万 人 から 27 万 人 と 推 計 された 今 後 10 年 間 に 高 度 人 材 の 受 入 れを 現 状 の 2 倍 とした 場 合 現 状 から 約 20 万 人 から 最 大 約 27 万 人 の 雇 用 創 出 効 果 があるものと 想 定 される 29

( 以 下 余 白 ) 30

第 4 章 高 度 人 材 受 入 れの 財 政 影 響 4.1 財 政 収 入 前 述 で 推 計 した 高 度 人 材 受 入 れによる 所 得 消 費 の 増 加 にともなう 財 政 収 入 の 増 加 効 果 の 推 計 を 行 う 財 政 収 入 の 増 加 効 果 としては 税 収 ( 所 得 税 住 民 税 消 費 税 ) および 社 会 保 険 料 収 入 ( 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 )の 増 加 分 の 推 計 を 行 っ た 高 度 人 材 受 入 れによる 税 収 増 社 会 保 険 料 収 入 増 は 下 表 の 通 りとなった 所 得 税 住 民 税 は 高 度 人 材 の 推 計 所 得 から 所 得 控 除 等 を 差 し 引 き 所 定 の 税 率 を 乗 じ て 算 出 した また 消 費 税 率 は 高 度 人 材 の 推 計 消 費 額 8 に 消 費 税 率 (5%)を 乗 じ て 算 出 した また 各 社 会 保 険 料 収 入 は 推 計 所 得 に 保 険 料 率 を 乗 じて 算 出 した 図 表 19 高 度 人 材 受 入 れによる 税 収 社 会 保 険 料 収 入 の 増 加 効 果 (2009 年 ) ( 億 円 ) 税 収 額 社 会 保 険 料 収 入 額 所 得 水 準 所 得 税 住 民 税 消 費 税 合 計 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 合 計 企 業 規 模 計 学 歴 計 392 600 304 1,297 1,601 931 155 2,687 1000 人 以 上 学 歴 計 542 714 348 1,604 1,830 1,064 177 3,071 企 業 規 模 計 大 学 大 学 院 卒 567 726 352 1,645 1,854 1,078 179 3,112 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 772 829 392 1,992 2,060 1,198 199 3,457 図 表 20 高 度 人 材 受 入 れによる 税 収 社 会 保 険 料 収 入 の 増 加 効 果 (2020 年 ) ( 億 円 ) 税 収 額 社 会 保 険 料 収 入 額 所 得 水 準 所 得 税 住 民 税 消 費 税 合 計 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 合 計 企 業 規 模 計 学 歴 計 784 1,200 609 2,593 3,203 1,863 309 5,375 1000 人 以 上 学 歴 計 1,085 1,428 696 3,208 3,660 2,129 353 6,141 企 業 規 模 計 大 学 大 学 院 卒 1,133 1,452 705 3,290 3,708 2,157 358 6,223 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 1,543 1,657 783 3,984 4,120 2,396 398 6,914 推 計 方 法 : 第 2 章 で 推 計 した 所 得 額 に 以 下 のように 税 率 社 会 保 険 料 率 を 乗 じて 推 計 した 所 得 税 : 一 人 当 たり 平 均 所 得 に 基 づいて 課 税 所 得 金 額 を 算 定 し 推 計 した 住 民 税 : 所 得 割 額 は 一 人 当 たり 平 均 所 得 に 基 づいて 課 税 所 得 金 額 を 算 定 し 推 計 した 均 等 割 額 は 4,000 円 ( 市 町 村 税 3,000 円 都 道 府 県 税 1,000 円 ) とした ( 所 得 控 除 は 扶 養 親 族 数 = 高 度 人 材 一 世 帯 当 たり 人 数 (1.30)-1=0.30 人 として 算 定 した ) 消 費 税 : 一 人 当 たり 平 均 所 得 から 平 均 消 費 性 向 (0.611) 9 によって 消 費 額 を 算 定 し 税 率 5% を 乗 じて 推 計 した 年 金 保 険 料 : 一 人 当 たり 平 均 所 得 に 厚 生 年 金 保 険 の 保 険 料 率 一 般 160.58/1,000 (2010 年 9 月 ~)を 乗 じて 算 定 した 健 康 保 険 料 : 一 人 当 たり 平 均 所 得 に 全 国 健 康 保 険 協 会 管 掌 健 康 保 険 ( 協 会 けんぽ)の 保 険 料 率 9.42%~9.26%(2010 年 3 月 ~)の 中 間 値 9.34% を 乗 じて 算 定 した 雇 用 保 険 料 : 一 人 当 たり 平 均 所 得 に 被 保 険 者 負 担 率 6/1,000 及 び 事 業 主 負 担 率 9.5/1,000 (2010 年 度 )を 乗 じて 算 定 した 8 推 計 所 得 に 平 均 消 費 性 向 (0.611)を 乗 じて 算 出 した 9 平 均 消 費 性 向 は 平 成 21 年 家 計 調 査 年 報 ( 総 務 省 )から 勤 労 者 世 帯 の 平 均 消 費 支 出 を 実 収 入 で 割 った 値 を 適 用 した 31

高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 収 入 の 増 加 効 果 の 推 計 結 果 を 整 理 すると 下 記 のよう になる 現 状 の 高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 収 入 の 増 加 効 果 は 税 収 額 が 1,297 億 円 から 1,992 億 円 社 会 保 険 料 収 入 額 が 2,687 億 円 から 3,457 億 円 と 推 計 さ れた 将 来 高 度 人 材 の 受 入 れを 拡 大 した 場 合 には 高 度 人 材 の 人 口 増 加 率 と 同 様 に 財 政 収 入 の 増 加 効 果 も 倍 増 することになると 想 定 される 32

4.2 財 政 支 出 高 度 人 材 受 入 れにともなう 財 政 支 出 ( 行 政 コスト)を 下 記 のように 分 類 し そ れぞれについてコストの 推 計 を 行 った 図 表 21 高 度 人 材 受 入 れにともなう 行 政 コスト 推 計 すべきコスト 概 要 外 国 人 が 一 市 民 として 高 度 人 材 をはじめとした 外 国 人 が 生 活 していく 上 で 日 生 活 していく 上 で 必 要 本 人 と 同 様 の 一 般 的 な 行 政 サービスを 受 ける 際 に 生 じるコ となるコスト スト 日 本 人 同 様 に 生 じるコストであるため 一 人 当 たりコストを 日 本 人 と 同 等 であると 想 定 し 推 計 した 外 国 人 として 生 活 して 日 本 語 習 得 に 対 する 支 援 など 地 域 や 外 国 人 の 属 性 によって いくにあたり 特 別 に 必 異 なるサービスを 提 供 する 際 に 生 じるコスト 要 となるコスト 外 国 人 特 有 のコストであるため 個 別 の 調 査 事 例 から 推 計 し た 4.2.1 高 度 人 材 が 一 市 民 として 生 活 していく 上 で 必 要 となるコスト 高 度 人 材 が 日 本 人 と 同 様 に 生 じるコストとして 国 地 方 の 歳 出 に 含 まれる 費 用 10 から 下 記 のような 費 目 を 対 象 として 人 口 当 たりのコストを 推 計 した 11 図 表 22 高 度 人 材 が 一 市 民 として 生 活 していく 上 で 必 要 となる 人 口 一 人 当 たりコスト コスト 区 分 対 象 となる 費 目 総 額 人 口 一 人 当 たり 12 全 ての 年 齢 層 に 一 律 に 生 じると 想 定 され る 行 政 コスト 主 に 幼 児 学 生 (0 歳 -22 歳 )に 生 じると 想 定 される 行 政 コスト 機 関 費 地 方 財 政 費 社 会 保 障 関 係 費 約 62 兆 2,426 億 円 約 48 万 7,443 円 教 育 費 約 19 兆 0,807 億 円 約 69 万 4,450 円 出 典 : 平 成 22 年 版 ( 平 成 20 年 度 決 算 ) 地 方 財 政 白 書 ( 総 務 省 編 ) 推 計 方 法 : 平 成 22 年 版 ( 平 成 20 年 度 決 算 ) 地 方 財 政 白 書 ( 総 務 省 編 )の 第 32 表 平 成 20 年 度 国 地 方 の 目 的 別 歳 出 の 状 況 から 該 当 する 費 用 を 把 握 し それぞれ 総 人 口 幼 児 学 生 (0 歳 -22 歳 ) 人 口 で 除 して 推 計 した 10 平 成 22 年 版 ( 平 成 20 年 度 決 算 ) 地 方 財 政 白 書 ( 総 務 省 編 )による ただし ここには 年 金 や 雇 用 保 険 に 関 す る 特 別 会 計 予 算 は 含 まれていない 11 国 土 開 発 費 や 産 業 経 済 費 公 債 費 など 長 期 的 な 政 策 判 断 の 基 に 支 出 されるような 費 用 は 除 いている 12 人 口 推 計 : 平 成 20 年 10 月 1 日 時 点 ( 総 務 省 )による 総 人 口 :1 億 2,769 万 人 幼 児 学 生 人 口 :2748 万 人 を 基 に 推 計 している 33

4.2.2 高 度 人 材 が 外 国 人 として 生 活 していくにあたり 特 別 に 必 要 となる コスト 外 国 人 向 けの 行 政 サービスには 様 々なものがあるが ここでは 多 くの 外 国 人 が 居 住 し ている 自 治 体 で 一 般 的 に 実 施 されている 行 政 サービスを 推 計 の 対 象 とした ( 個 別 自 治 体 に 特 有 のサービスを 全 て 加 算 すると 外 国 人 受 入 れコストを 過 大 に 推 計 することに なると 考 えられるため 最 低 限 必 要 となるものということで 推 計 を 行 った ) ヒアリング 結 果 等 により 推 計 に 加 えるべきと 想 定 される 主 なコストとしては 下 記 の ようなものがあげられた 情 報 提 供 費 用 ( 相 談 窓 口 の 運 営 情 報 誌 製 作 など) 教 育 支 援 ( 日 本 語 指 導 義 務 教 育 のサポート) 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 現 状 と 社 会 的 費 用 (1992) ( 労 働 省 )によれば 前 述 のよう な 行 政 サービスを 実 施 するための 推 計 コストは 外 国 人 一 人 当 たり 44,097 円 となった 図 表 23 地 方 自 治 体 の 外 国 人 1 人 当 たりの 対 策 別 受 入 れコストの 推 計 値 ( 円 ) 外 国 人 への 自 治 体 のサービス 内 容 都 道 府 県 市 町 村 自 治 体 計 推 計 の 対 象 に 含 めるコスト 窓 口 サービス 通 訳 の 配 置 6 1,601 1,607 * 窓 口 サービス ガイドブック 38 6,537 6,575 * 医 療 保 険 サービス ガイドブック 36 36 72 * 環 境 衛 星 ガイドブック 3 2,091 2,094 * 社 会 保 険 等 加 入 のパンフレット 85 197 281 * 社 会 保 険 等 保 育 園 の 入 園 案 内 書 の 翻 訳 - 31 31 * 教 育 日 本 語 学 級 の 設 置 5,592 4,181 9,773 * 教 育 母 国 語 能 力 のある 教 員 の 配 置 194 14,669 14,863 * 教 育 テキストの 購 入 73 160 233 * 労 働 ガイドブック 62-62 * 苦 情 相 談 サービス 生 活 相 談 399 784 1,182 * 苦 情 相 談 サービス 生 活 ガイドブック 182 4,099 4,281 * 苦 情 相 談 サービス 通 訳 の 配 置 29 1,351 1,380 * 学 習 サービス 日 本 語 講 座 168 737 904 * 学 習 サービス 日 本 語 の 文 化 講 座 64 248 311 * 学 習 サービス 図 書 館 等 のパンフレット 334 113 446 * 住 民 同 士 の 交 流 交 流 イベント( 1) 2,628 19,467 22,095 住 民 同 士 の 交 流 交 流 センター( 1) 866 268,808 269,674 一 般 住 民 サービス 会 話 教 室 13 5,700 5,713 一 般 住 民 サービス 外 国 人 受 入 れに 関 する 啓 発 171 495 666 一 般 住 民 サービス ボランティアの 助 成 1,079 6,528 7,607 合 計 44,097 出 典 : 外 国 人 労 働 者 受 入 れの 現 状 と 社 会 的 費 用 (1992) ( 労 働 省 ) 注 )ただし 推 計 値 はサービスにかかる1 人 当 たりコストが 上 位 4 位 までの 自 治 体 ( 都 道 府 県 15 市 区 町 村 290 を 対 象 にアンケート 聞 き 取 り 調 査 を 実 施 )の 平 均 値 なお 上 記 のコ スト 推 計 値 は GDP デフレーターによる 物 価 調 整 を 行 ったものである 34

4.2.3 高 度 人 材 受 入 れにともなう 財 政 支 出 の 推 計 第 2 章 高 度 人 材 の 人 数 所 得 の 推 計 の 結 果 および 上 記 の 人 口 当 たりのコス ト 推 計 の 結 果 より 高 度 人 材 ( 家 族 を 含 む) 受 入 れにともなう 行 政 コストはそれぞれ 下 図 表 の 通 り 推 計 された 図 表 24 高 度 人 材 ( 家 族 を 含 む) 受 入 れにともなう 行 政 コスト(2009 年 ) ( 億 円 ) 日 本 人 同 様 に 生 じる 行 政 コスト 全 体 に 係 る コスト 幼 児 学 生 に 係 るコスト 外 国 人 特 有 のコ スト 合 計 1,280 140 116 1,536 図 表 25 高 度 人 材 ( 家 族 を 含 む) 受 入 れにともなう 行 政 コスト(2020 年 ) ( 億 円 ) 日 本 人 同 様 に 生 じる 行 政 コスト 全 体 に 係 る コスト 幼 児 学 生 に 係 るコスト 外 国 人 特 有 のコ スト 2,559 280 232 3,071 推 計 方 法 : 第 2 章 で 推 計 した 高 度 人 材 およびその 家 族 の 人 口 に 上 記 で 算 出 した 人 口 一 人 当 たりの 行 政 コストを 乗 じて 推 計 した ( 上 述 の 通 り 幼 児 学 生 (0 歳 -22 歳 )については 一 般 の 高 度 人 材 よりも 多 くのコストがかかるとして 推 計 した ) 合 計 高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 支 出 ( 行 政 コスト)の 増 分 の 推 計 結 果 を 整 理 すると 下 記 のようになる 現 状 の 高 度 人 材 の 受 入 れによる 行 政 コストは 1,536 億 円 と 推 計 された 将 来 高 度 人 材 の 受 入 れを 拡 大 した 場 合 には 高 度 人 材 の 人 口 増 加 率 と 同 様 に 行 政 コストも 倍 増 することになると 想 定 される 35

4.3 財 政 収 入 と 財 政 支 出 の 比 較 4.1 財 政 収 入 4.2 財 政 支 出 で 推 計 した 財 政 収 支 の 比 較 を 行 った ただし 後 述 の 通 り 財 政 支 出 ( 日 本 人 と 同 様 に 生 じる 行 政 コスト )の 中 には 年 金 雇 用 保 険 給 付 のための 費 用 ( 特 別 会 計 に 計 上 されている 部 分 )が 含 まれていないため 財 政 収 入 からも 年 金 雇 用 保 険 料 収 入 を 除 いて 比 較 した 図 表 26 財 政 収 入 と 財 政 支 出 の 比 較 の 対 象 範 囲 財 政 収 入 所 得 税 住 民 税 消 費 税 年 金 保 険 料 健 康 保 険 料 雇 用 保 険 料 日 本 人 同 様 に 生 じる 行 政 コスト 財 政 支 出 幼 児 学 生 に 係 る 外 国 人 特 有 のコスト 全 体 に 係 るコスト コスト 注 ) 以 下 では 上 記 で 推 計 した 財 政 収 入 財 政 支 出 のうち 着 色 部 について 比 較 している 財 政 収 入 と 財 政 支 出 を 比 較 すると 高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 収 支 への 影 響 は 下 図 表 のようになった 13 図 表 27 高 度 人 材 の 受 入 れ 14 にともなう 財 政 収 支 (2009 年 ) 現 状 (2009 年 ) 財 政 支 出 財 政 収 入 (2,184) 2,724 1,536 財 政 収 入 ( 健 康 保 険 料 の 事 業 主 負 担 分 を 除 く) 将 来 (2020 年 ) 3,071 (4,369) 5,447 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 ( 億 円 ) 注 1)ただし 上 図 表 では 賃 金 水 準 が 企 業 規 模 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 の 場 合 の 推 計 結 果 を 示 している 注 2) 健 康 保 険 料 収 入 には 被 保 険 者 ( 本 人 ) 負 担 分 に 加 え 事 業 主 負 担 分 を 含 む ( 健 康 保 険 料 の 事 業 主 負 担 分 を 除 く 財 政 収 入 額 を 図 中 括 弧 内 及 び 青 線 で 示 す ) 13 行 政 コストには 年 金 雇 用 保 険 給 付 のための 費 用 が 含 まれていないため 財 政 収 入 から 年 金 雇 用 保 険 料 収 入 を 除 いている 14 賃 金 水 準 が 企 業 規 模 1000 人 以 上 大 学 大 学 院 卒 の 場 合 の 推 計 結 果 を 示 している 36

( 参 考 ) 財 政 収 支 の 内 訳 ( 単 位 : 億 円 ) (2009 年 ) 所 得 税 住 民 税 消 費 税 健 康 保 険 料 合 計 財 政 収 入 567 726 352 1,078 2,724 日 本 人 同 様 に 生 じる 行 政 コスト 外 国 人 特 有 全 体 に 係 る 幼 児 学 生 に 合 計 財 政 支 出 のコスト コスト 係 るコスト 1,280 140 116 1,536 (2020 年 ) 所 得 税 住 民 税 消 費 税 健 康 保 険 料 合 計 財 政 収 入 1,133 1,452 705 2,157 5,447 日 本 人 同 様 に 生 じる 行 政 コスト 外 国 人 特 有 財 政 支 出 全 体 に 係 る 幼 児 学 生 に 合 計 のコスト コスト 係 るコスト 2,559 280 232 3,071 高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 収 支 影 響 額 の 推 計 結 果 を 整 理 すると 下 記 のようにな る 現 状 の 高 度 人 材 の 受 入 れによる 財 政 収 入 の 増 分 は 2,724 億 円 財 政 支 出 の 増 分 は 1,536 億 円 となり 1,188 億 円 のプラスと 推 計 された また 将 来 高 度 人 材 の 受 入 れを 拡 大 した 場 合 には 高 度 人 材 の 人 口 増 加 率 と 同 様 に 財 政 収 支 のプラス 効 果 も 倍 増 することになると 想 定 される 37

( 以 下 余 白 ) 38

第 5 章 諸 外 国 の 外 国 人 労 働 者 の 経 済 的 効 果 分 析 事 例 に 関 する 調 査 5.1 調 査 対 象 国 (9カ 国 )における 事 例 の 整 理 方 針 諸 外 国 の 事 例 調 査 に 際 しては 各 国 の 外 国 人 労 働 者 に 対 する 歴 史 的 背 景 施 策 方 針 の 違 いを 踏 まえて 実 施 し その 上 で 我 が 国 との 比 較 分 析 や 我 が 国 に 対 して 有 意 な 示 唆 を 抽 出 することが 重 要 と 考 える 調 査 対 象 国 に 対 しては 下 表 のように 外 国 人 労 働 者 比 率 の 大 きさに 基 づき 類 型 整 理 が 行 え 各 国 の 事 情 をこの 枠 組 で 把 握 することとする 1 2 3 調 査 対 象 国 オースト ラリア ニュージー ランド 米 国 図 表 28 外 国 人 労 働 者 比 率 及 び 実 数 26.5% 23.8% 16.5% 2915 千 人 499 千 人 25086 千 人 調 査 対 象 国 の 整 理 の 枠 組 類 型 歴 史 的 背 景 現 行 施 策 の 特 徴 伝 統 的 移 民 国 建 国 時 から 開 放 的 に 移 民 を 受 入 れて 国 家 を 形 成 法 / 制 度 を 頻 繁 に 改 訂 し 自 国 に 必 要 な 人 材 不 足 人 材 の 受 入 れを 推 進 するよ う 制 御 ( 特 に12は)ポイント 制 等 の 緻 密 に 設 計 された 制 度 を 導 入 して 人 材 評 価 を 体 系 化 4 5 6 ドイツ 英 国 フランス 9.4% 7.8% 3893 千 人 2283 千 人 欧 州 伝 統 国 戦 後 の 経 済 復 興 期 に 受 入 れ た 大 量 の 外 国 人 ( 単 純 ) 労 働 者 が 定 住 経 済 のグローバル 化 (とりわ け EU の 拡 大 )に 伴 い 外 国 人 材 の 流 動 ( 特 に EU 新 興 国 から の 流 入 )が 増 大 高 度 人 材 の 受 入 れを 優 遇 し 単 純 / 低 熟 練 労 働 者 の 受 入 れを 抑 制 する 姿 勢 を 明 確 化 した 人 材 評 価 制 度 の 導 入 5.6% 1561 千 人 7 8 9 台 湾 韓 国 シンガ ポール 3.4% 2.2% 36.0% 1.1% 373 千 人 538 千 人 1058 千 人 755 千 人 アジア 先 進 国 アジア 先 進 国 + 移 民 国 かつては 欧 米 への 労 働 力 供 出 国 経 済 発 展 に 伴 う 労 働 力 不 足 により 20 世 紀 末 から 外 国 人 労 働 者 の 受 入 国 に 変 遷 建 国 時 から 外 国 人 労 働 者 を 受 入 れて 国 家 を 形 成 アジア 諸 国 の 20 世 紀 末 の 経 済 発 展 に 伴 い 高 付 加 価 値 産 業 重 視 にシフト 高 度 人 材 と 単 純 / 低 熟 練 労 働 者 を 区 分 して 各 々に 明 確 な 評 価 制 度 を 整 備 ( 前 者 に 対 してはカード 制 後 者 に 対 しては 雇 用 許 可 制 や 労 働 市 場 テストなど) 高 度 人 材 と 非 熟 練 労 働 者 を 区 分 して 前 者 には 誘 致 プロジェクトの 実 施 後 者 には 許 可 制 や 課 徴 金 制 の 導 入 により 制 御 参 日 本 考 オーストラリア ニュージーランド 米 国 は International Migration Outlook (OECD,2010)の 外 国 生 まれの 労 働 者 (foreign-born labour force)の 統 計 表 から 最 新 年 度 (2008) 値 を 引 用 ドイツ 英 国 フランス 韓 国 は International Migration Outlook (OECD,2010)の 外 国 人 労 働 者 (foreign labour force) の 統 計 表 から 最 新 年 度 (2008) 値 を 引 用 台 湾 は Bureau of Vocational Training and Employment ( 台 湾 政 府 労 働 委 員 会 )より 2008 年 度 値 を 引 用 シンガポールは Manpower Statistics in Brief 2009 (シンガポール 労 働 省 )より 2008 年 度 値 を 引 用 日 本 は International Migration Outlook (OECD,2010)に 記 載 の 統 計 値 は 永 住 者 日 系 人 技 能 実 習 生 等 を 含 んでおらず 実 態 よ り 小 さいため 厚 生 労 働 省 職 業 安 定 局 が 2006 年 度 に 実 施 した 調 査 より 合 法 的 就 労 者 とみなせる 総 数 を 引 用 39

5.2 調 査 対 象 国 (9カ 国 )の 事 例 情 報 収 集 方 針 と 手 順 (1) 出 典 機 関 について 経 済 的 効 果 に 関 する 分 析 については 学 術 面 から 相 当 の 研 究 事 例 があることが 推 察 さ れるが 本 調 査 においては 政 策 的 見 地 でまとめられた 調 査 分 析 事 例 を 対 象 とするこ ととし 政 府 機 関 ( 中 央 省 庁 ) に 準 ずる 調 査 機 関 ( 管 轄 研 究 機 関 諮 問 機 関 など) から 公 開 されている 刊 行 物 を 調 査 対 象 とみなす (2) 収 集 情 報 について 本 調 査 では 下 記 の 2 つの 観 点 から 情 報 を 収 集 した 経 済 的 効 果 国 レベルの 生 産 量 に 基 づく 経 済 指 標 (GDP 等 )をもって 経 済 的 効 果 を 論 じている 事 例 を 対 象 とする 財 政 的 影 響 国 の 財 政 面 に 及 ぼす 影 響 を 正 の 効 果 ( 税 金 や 社 会 保 険 料 等 の 収 入 面 ) 及 び 負 の 効 果 ( 社 会 保 障 費 や 住 宅 費 等 の 支 出 面 )の 両 面 から 論 じている 事 例 を 対 象 とする (3) 調 査 手 法 について 原 則 として 公 開 情 報 を 対 象 とした 調 査 とし 下 記 の 2 つのフェーズで 調 査 作 業 を 進 め た 第 1 段 階 として インターネット(Web) 検 索 や 図 書 検 索 による 文 献 サーベイを 実 施 第 2 段 階 として 各 国 の 駐 日 大 使 館 に 対 して 自 国 における 当 該 事 例 の 有 無 ある いは 所 在 の 確 認 入 手 を 依 頼 40

5.3 各 国 に 見 られる 事 例 の 特 徴 本 項 では 各 国 の 事 例 を 精 査 していく 際 に 明 らかにされた 分 析 評 価 方 針 の 特 徴 な らびにそうした 手 法 をとる 背 景 となるような 各 国 の 事 情 を 推 察 し 前 項 に 記 したような 調 査 対 象 国 の 類 型 整 理 の 枠 組 に 従 って 以 下 のようにまとめて 示 す 1 2 調 査 対 象 国 オースト ラリア ニュージー ランド 類 型 伝 統 的 移 民 国 図 表 29 各 国 事 例 の 特 徴 特 徴 経 済 的 効 果 財 政 的 影 響 の 両 者 につ いて 大 きな 制 度 変 更 や 大 規 模 な 統 計 調 査 の 実 施 に 併 せて 複 数 回 の 事 例 がある そのため 調 査 手 法 や 評 価 モデル( 特 に 将 来 予 測 に 関 して)が 良 く 整 備 体 系 化 されている 特 徴 から 推 察 される 各 国 の 事 情 ポイント 制 等 に 基 づく 制 度 変 更 を 頻 繁 に 行 うことにより 外 国 人 材 受 入 れ を 複 雑 に 制 御 しているため その 評 価 体 系 の 整 備 が 進 んだものと 思 われ る また 外 国 人 を 対 象 とした 国 の 施 策 として 積 極 的 な 情 報 公 開 が 志 向 され ているように 思 われる 3 米 国 12のように 頻 度 はなく 継 続 的 な 形 で 政 策 に 組 み 込 まれてはいないもの の 経 済 的 効 果 の 分 析 査 定 につい て 政 府 レベルで 取 り 組 まれた 事 例 が ある ただし 定 量 的 評 価 については 大 雑 把 な 結 果 のみの 公 開 に 留 められてい る 12と 異 なり 基 本 的 に 外 国 人 側 か ら 集 まってくるため 法 / 制 度 も 制 御 よりも 選 択 の 意 味 合 いが 強 く また 移 民 の 多 様 性 にも 富 んでお り 経 済 的 効 果 については 大 雑 把 な 推 計 あるいは 定 性 的 評 価 に 留 まって いるように 思 われる 4 5 6 ドイツ 英 国 フランス 欧 州 伝 統 国 政 府 (あるいは 関 連 機 関 )が 直 接 分 析 を 手 掛 けているというよりは 経 済 系 研 究 機 関 あるいは 有 識 者 による 分 析 を 引 用 している 事 例 が 見 受 けら れる 高 度 人 材 に 限 定 した 受 入 れ 推 進 方 針 をとっているため 経 済 的 効 果 の 定 量 的 な 評 価 については 大 雑 把 な 推 計 (あるいは 外 国 人 材 受 入 れの 重 要 性 を 強 調 するのみの 半 定 性 的 議 論 ) に 留 まっているように 思 われる 7 8 台 湾 韓 国 アジア 先 進 国 経 済 的 効 果 について これまでの 実 態 を 定 量 的 に 分 析 した 事 例 がある 近 年 導 入 された 新 しい 政 策 に 対 する 評 価 を 主 目 的 としてこうした 分 析 が 実 施 されている 9 シンガポール 41

5.4 調 査 結 果 ( 各 国 結 果 サマリー) 本 項 では 各 国 の 事 例 調 査 結 果 を 基 に 外 国 人 労 働 者 による 経 済 的 効 果 を 把 握 する 上 でポイントとなる 重 要 事 項 を 抽 出 してサマリーとしてまとめ 以 下 に 示 す (1) 経 済 的 効 果 図 表 30 各 国 事 例 のサマリー: 経 済 的 効 果 (1/2) 国 分 析 手 法 前 提 条 件 分 析 結 果 1 オースト ラリア 2 ニュージー ランド 将 来 推 計 応 用 一 般 均 衡 (CGE) モデル 将 来 推 計 応 用 一 般 均 衡 (CGE) モデル 3 米 国 実 態 分 析 マクロ 計 量 経 済 モデ ル( 労 働 需 給 曲 線 に 基 づく 推 計 モデル) 基 本 ケース 2003-04 年 を 基 準 年 とし 基 準 年 から 1 年 間 の 移 民 流 動 率 を 2024-25 年 までの 20 年 間 に 対 して 投 影 感 度 分 析 基 本 ケースに 対 し 技 術 移 民 ビザ での 入 国 者 数 の 50%を 毎 年 上 乗 せ 基 本 ケース 2006 年 を 基 準 年 とし 2021 年 までの 15 年 間 毎 年 の 移 民 流 入 数 として 1991~2006 年 の 実 績 に 基 づ く 趨 勢 値 を 設 定 感 度 分 析 基 本 ケースに 対 し 次 の 条 件 を 仮 定 移 民 流 入 を 2 倍 移 民 流 入 をゼロ 特 定 の 技 能 職 に 構 成 を 調 整 した 上 で 移 民 流 入 を 2 倍 2006 年 を 評 価 年 とする 外 国 人 労 働 者 数 は 総 労 働 人 口 の 約 15%を 占 有 最 近 10 年 間 において 外 国 人 労 働 者 数 は 50%の 成 長 率 基 準 年 に 対 する 2024-25 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は+73.3%で そのうち 移 民 の 寄 与 分 は +27.7%と 予 測 感 度 分 析 により 8.0%のプラ ス 効 果 を 予 測 基 準 年 に 対 する 2021 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は+58.6%と 予 測 ( 実 数 値 :$247,556M) 感 度 分 析 により -17.9%~ +12.2%の 効 果 幅 を 予 測 し プ ラス 効 果 は 特 定 技 能 職 の 構 成 を 調 整 したケースが 最 大 評 価 年 における 実 質 GDP に 対 する 移 民 の 寄 与 分 は 370 億 ド ル( 全 体 の 0.28%) 4 ドイツ 将 来 推 計 マクロ 計 量 経 済 産 業 連 関 の 統 合 モデル 基 本 ケース 全 人 口 は 一 定 推 移 を 仮 定 し 国 内 の 減 少 分 を 補 って 毎 年 の 移 民 受 入 数 を 決 定 ( 毎 年 250,000 人 の 移 民 受 入 数 に 相 当 ) 感 度 分 析 基 本 ケースに 対 し 次 の 条 件 を 仮 定 移 民 受 入 を 10 万 人 増 加 移 民 受 入 を 10 万 人 減 少 移 民 受 入 をゼロ 基 本 ケースを 基 準 とした 感 度 分 析 の 効 果 幅 は 実 質 GDP で -1.70%~+0.72%と 予 測 し プ ラス 効 果 は 移 民 受 入 を 増 加 さ せたケースが 最 大 42

図 表 31 各 国 事 例 のサマリー: 経 済 的 効 果 (2/2) 国 分 析 手 法 前 提 条 件 分 析 結 果 2001~2006 年 で 移 民 によって 年 平 均 0.5%の 労 働 者 人 口 の 増 加 2006 年 の 労 働 力 人 口 に 対 する 外 国 人 比 は 12.5% 5 英 国 実 態 分 析 実 績 データを 用 いた 単 純 計 算 将 来 推 計 実 績 データを 用 いた 単 純 計 算 6 フランス 将 来 推 計 応 用 一 般 均 衡 (CGE) モデル 基 準 年 度 の 各 種 データより 次 年 度 の GDP を 単 年 推 計 移 民 数 量 制 限 政 策 に 伴 い 10,000 人 の 高 度 人 材 の 流 入 削 減 を 仮 定 移 民 流 入 以 外 の GDP や 国 内 人 口 に 与 える 影 響 因 子 は 無 視 2000 年 を 基 準 年 とする 外 国 人 労 働 者 を 3 区 分 ( 下 記 ) 1 高 度 資 格 労 働 者 2 平 均 的 熟 練 労 働 者 3 単 純 労 働 者 基 本 ケース INSEE(フラン ス 国 立 統 計 経 済 研 究 所 )の 人 口 推 計 を 基 に 経 年 推 移 を 計 算 感 度 分 析 基 本 ケースに 対 し 選 択 移 民 政 策 に 伴 う 移 民 流 入 制 限 の 実 施 規 模 に 係 る 条 件 を 設 定 移 民 による 生 産 効 果 の 推 計 値 は 60 億 ( 当 該 期 間 中 の 全 体 成 長 率 は 2.7%で そのうち 15~20%の 寄 与 に 相 当 ) 基 準 年 度 ~ 次 年 度 の 削 減 に 伴 う GDP 損 失 分 は 下 記 の 通 り 実 質 GDP -0.043% 1 人 あたり -0.027% 基 準 年 に 対 する 1 人 当 たり GDP 成 長 率 は 2010 年 +32.1% 2030 年 +72.6% 2050 年 +107.4% 感 度 分 析 により 選 択 移 民 政 策 の 実 施 規 模 の 大 きいほ うが 最 大 0.7%のプラス 効 果 となることを 予 測 7 台 湾 実 態 分 析 相 関 分 析 8 韓 国 実 態 分 析 動 的 産 業 連 関 モデル 9 シンガポール 実 態 分 析 マクロ 計 量 経 済 モデ ル(コブ-ダグラス 型 生 産 関 数 モデル) 製 造 業 を 分 析 対 象 とする 1991~2007 年 の 実 績 データを 活 用 2000 年 の 産 業 連 関 表 と 2003 年 の 産 業 別 外 国 人 労 働 者 数 を データソースとして 利 用 1984 年 ~2002 年 までの 実 績 データを 活 用 し 完 全 最 尤 法 により 関 数 を 定 式 化 関 数 の 構 成 項 として 国 内 労 働 者 数 高 度 人 材 数 非 熟 練 労 働 者 数 を 設 定 外 国 人 労 働 者 数 と GDP との 相 関 分 析 の 結 果 相 関 係 数 は 0.7674 と 評 価 され 他 の 指 標 に 比 較 して 両 者 の 相 関 は 高 い 2003 年 における 外 国 人 労 働 者 の 総 生 産 額 に 対 する 寄 与 は 10,400 億 ウォン 総 生 産 額 (13,929,300 億 ウォ ン)の 0.075%に 相 当 1991~2000 年 の 分 析 期 間 にお ける GDP 年 率 変 化 と 各 構 成 項 の 寄 与 分 は 下 記 の 通 りで 高 度 人 材 の 寄 与 が 大 きい 実 質 GDP 7.79% 国 内 労 働 者 うち 1.10% 高 度 人 材 うち 2.87% 非 熟 練 労 働 者 うち 0.30% 43

(2) 財 政 的 影 響 図 表 32 各 国 事 例 のサマリー: 財 政 的 影 響 国 収 入 面 支 出 面 収 入 と 支 出 の 比 較 1 2007-08 年 を 基 準 とした 年 間 2007-08 年 を 基 準 とした 年 間 全 般 に 収 入 が 支 出 を 上 回 オ 推 計 ( 百 万 AU$) 推 計 ( 百 万 AU$) り 差 分 の 経 年 変 化 は 以 下 ー 将 5 10 20 5 10 20 ス の 通 り ( 百 万 AU$) 来 年 後 年 後 年 後 年 後 年 後 年 後 ト 5 10 20 推 移 民 移 民 ラ 1553 1790 2071 635 539 698 年 後 年 後 年 後 計 総 計 総 計 リ 移 民 918 1252 1373 ア 1143 1265 1423 311 302 396 総 計 うち 就 労 者 うち 就 労 者 うち 就 労 者 832 963 1027 2 ニ 実 ュー 態 ジ 分 ー 析 ラ ン ド 政 府 収 入 の 推 移 ( 百 万 NZ$) 1997-98 年 2001-02 年 2005-06 年 自 国 22865 23814 24755 生 まれ 外 国 生 まれ 6012 6271 8101 政 府 支 出 の 推 移 ( 百 万 NZ$) 1997-98 年 2001-02 年 2005-06 年 自 国 生 まれ 17588 18019 21917 外 国 生 まれ 4031 4448 4813 全 般 に 収 入 が 支 出 を 上 回 り 移 民 ( 外 国 生 まれ)の 差 分 の 経 年 変 化 は 以 下 の 通 り ( 百 万 NZ$) 1997-98 年 2001-02 年 2005-06 年 1981 1828 3288 3 4 5 将 来 米 推 国 計 将 ド 来 イ 推 ツ 計 実 態 英 分 国 析 1990~1995 年 の 年 平 均 移 民 流 入 数 ( 約 820,000 人 ( 不 法 移 民 225,000 人 を 含 む))を 増 加 率 として 将 来 に 投 影 して 推 計 1996 年 を 基 点 として 移 民 ( 種 別 年 代 を 平 均 化 した)が 自 国 民 に もたらす 財 政 的 影 響 (+: 恩 恵 -: 負 担 )を 評 価 社 会 保 険 料 は 全 般 的 に 単 調 増 加 の 傾 向 を 示 す 年 間 30 万 人 の 移 民 受 入 数 を 想 定 した 場 合 GDP 対 比 で 推 計 す ると 2010 年 時 点 の 約 41%から 2050 年 で 約 46% 程 度 に 達 する 1999-2000 年 における 移 民 の 財 政 的 影 響 は 収 入 ( 税 金 ) 面 で 312 億 社 会 保 険 費 用 は 長 期 的 には 移 民 受 入 数 が 多 いほど 支 出 が 小 さくなる 傾 向 を 示 す 年 間 30 万 人 の 移 民 受 入 数 を 想 定 した 場 合 GDP 対 比 で 推 計 す ると 基 準 年 の 21.5%から 2010 年 ま では 単 調 に 減 少 し 2010 年 以 降 (2050 年 頃 まで) 約 20% 程 度 で 整 定 1999-2000 年 における 移 民 の 財 政 的 影 響 は 支 出 ( 福 祉 ) 面 で 288 億 移 民 1 人 あたりの 年 間 の 財 政 的 影 響 は 2010 年 頃 までは 減 少 傾 向 で -$20,000 を 極 小 値 として 上 昇 に 転 じ 2015 年 頃 にゼロを 超 えた 後 も 単 調 増 加 し 2050 年 頃 に$150,000 に 達 す る 全 般 に 収 入 が 支 出 を 上 回 り GDP 対 比 で 2020 年 において 約 22% 3030 年 において 約 24% 2050 年 において 約 26% のプラスの 財 政 収 支 が 見 込 まれる 差 引 き 約 25 億 のプラスの 寄 与 6 将 フ 来 ラ 推 ン 計 ス 基 本 ケース INSEE(フランス 国 立 統 計 経 済 研 究 所 )の 人 口 推 計 を 基 に 2100 年 までの 公 的 移 転 ( 対 GDP 比 率 :+は 収 入 > 支 出 を 示 す) の 経 年 推 移 を 計 算 感 度 分 析 基 本 ケースに 対 し 選 択 移 民 政 策 に 伴 う 移 民 流 入 制 限 の 実 施 規 模 に 係 る 条 件 を 設 定 7 台 湾 8 韓 国 9シンガポールについては 適 切 な 事 例 なし 推 計 結 果 は 以 下 の 通 り 2010 +34.1% 2030 +35.6% 2050 +35.6% 感 度 分 析 により 選 択 移 民 政 策 の 実 施 規 模 の 大 きい ほうが 最 大 0.8%のマイナス 効 果 となることを 予 測 44