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File.18< 判 決 原 文 > 固 定 資 産 税 4 事 件 第 1 審 : 東 京 地 裁 平 成 1 2 年 ( 行 ウ) 第 3 32 号 平 成 1 4 年 1 月 2 2 日 判 決 (TAINS 判 例 検 索 Z999-8099) 控 訴 審 : 東 京 高 裁 平 成 1 4 年 ( 行 コ) 第 4 4 号 平 成 1 6 年 5 月 27 日 判 決 (TAINS 判 例 検 索 Z999-8100) 上 告 審 : 最 高 裁 平 成 1 6 年 ( 行 ヒ ) 第 2 5 3 号 平 成 1 9 年 1 月 1 9 日 第 二 小 法 廷 判 決 (TAINS 判 例 検 索 Z999-8170 判 例 時 報 1962 号 57 頁 ) 第 1 審 : 東 京 地 裁 平 成 1 2 年 ( 行 ウ ) 第 3 3 2 号 審 査 決 定 取 消 請 求 事 件 ( 原 決 定 取 消 し ) ( 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 訴 え 却 下 )( 被 告 控 訴 ) 判 決 ( 平 成 1 4 年 1 月 2 2 日 言 渡 控 訴 ) 主 文 1 原 告 の 平 成 1 3 年 9 月 1 0 日 付 け 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 訴 え を 却 下 す る 2 被 告 が 原 告 に 対 し 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で し た 東 京 都 三 鷹 市 α 4 1 0 番 2 所 在 の 土 地 に 係 る 平 成 1 2 年 度 固 定 資 産 課 税 台 帳 の 登 録 価 格 に つ い て の 審 査 申 出 に 対 す る 決 定 を 取 り 消 す 3 訴 訟 費 用 は 被 告 の 負 担 と す る 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 訴 状 記 載 の 請 求 の 趣 旨 主 文 第 2 項 同 旨 2 平 成 1 3 年 9 月 1 0 日 付 け 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 請 求 の 趣 旨 被 告 が 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で し た 東 京 都 三 鷹 市 α 4 1 0 番 2 の 土 地 の 固 定 資 産 税 に 係 わ る 平 成 1 2 年 度 の 価 格 決 定 の う ち 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 を 超 え る 部 分 を 取 り 消 す 第 2 事 案 の 概 要 本 件 は 東 京 都 三 鷹 市 α 4 1 0 番 2 所 在 の 土 地 ( 以 下 本 件 土 地 と い う ) 共 有 者 の 一 人 で あ る 原 告 が 同 土 地 に つ い て 固 定 資 産 課 税 台 帳 登 録 さ れ た 平 成 1 2 年 度 の 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 る 違 法 な も の で あ る と し て 被 告 に 対 し て 審 査 の 申 出 を し た と こ ろ 被 告 が 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 で 登 録 価 格 を 一 部 変 更 す る 旨 の 決 定 ( 以 下 本 件 決 定 と い う ) を し た が な お 同 価 格 は 原 告 が 適 正 な 時 価 と 考 え る 価 格 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 を 上 回 る と し て 当 初 は 本 件 決 定 全 部 の 取 消 し を 求 め 平 成 1 3 年 9 月 1 0 日 付 け で 本 件 決 定 の う ち 前 記 適 正 な 時 価 と 考 え る 価 格 を 上 回 る 部 分 の 取 消 し を 求 め る 旨 に 請 求 の 趣 旨 を 変 更 し た も の で あ る 1 関 係 法 令 等 の 定 め ( 1 ) 土 地 の 評 価 に 関 す る 地 方 税 法 ( 平 成 1 1 年 法 律 第 1 6 0 号 に よ る 改 正 前 の も の 以 下 法 と い う ) の 規 定 等 ア 固 定 資 産 税 は 固 定 資 産 に 対 し そ の 所 有 者 に 課 す る 地 方 税 で あ り ( 法 3 4 2 条 3 4 3 条 1 項 ) 土 地 に 対 し て 課 す る 基 準 年 度 の 課 税 標 準 は 当 該 土 地 の 基 準 年 度 に 係 る 賦 課 期 日 ( 本 件 で は 平 成 1 2 年 1 月 1 日 で あ る 法 3 5 9 条 ) に お け る 価 格 す な わ ち 適 正 な 時 価 で 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た も の ( 以 下 こ の 登 録 さ れ た 価 格 を 登 録 価 格 と い う ) で あ る ( 法 3 4 9 条 1 項 3 4 1 条 5 号 ) イ 市 町 村 長 は 固 定 資 産 の 状 況 及 び 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 で あ る 固 定 資 産 の 価 格 を 明 ら か に す る た め 固 定 資 産 課 税 台 帳 ( 土 地 課 税 台 帳 土 地 補 充 課 税 台 帳 等 ) を 備 え な け れ ば な ら な い ( 法 3 8 0 条 1 項 3 4 1 条 9 号 ) ウ 登 録 価 格 の 決 定 に 際 し て の 土 地 の 評 価 に つ い て は 自 治 大 臣 が 評 価 の 基 準 並 び に 評 価 の 実 施 方 法 及 び 手 続 ( 固 定 資 産 評 価 基 準 ) を 定 め 告 示 し な け れ ば な ら な い も の と さ れ ( 法 3 8 8 条 1 項 ) 昭 和 3 8 年 自 治 省 告 示 第 1 5 8 号 を も っ て 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 以 下 評 価 基 準 と い う ) が 告 示 さ れ て い る 市 町 村 長 は 評 価 基 準 に よ っ て 土 地 の 評 価 を し な け れ ば な ら な い ( 法 4 0 3 条 1 項 ) 三 鷹 市 に お い て は 評 価 基 準 に 基 づ き 三 鷹 市 固 定 資 産 ( 土 地 ) 評 価 事 務 取 扱 要 領 ( 8 三 市 資 発 第 1 1 7 号 平 成 8 年 1 0 月 1 日 市 長 決 裁 乙 3 以 下 取 扱 要 領 と い う ) を 定 め こ れ に 基 づ き 土 地 の 評 価 を 行 っ て い る エ 市 町 村 長 は 固 定 資 産 評 価 員 か ら 所 定 の 手 続 き に よ る 土 地 の 評 価 に 係 る 評 価 調 書 を 受 理 し た 場 合 に お い て は こ れ に 基 づ い て 毎 年 2 月 末 日 ま で に 土 地 の 価 格 等 を 決 定 し こ れ を 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 し な け れ ば な ら な い ( 法 4 1 0 条 4 1 1 条 1 項 ) - 1 -

( 2 ) 評 価 基 準 が 定 め る 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 方 法 市 街 化 区 域 農 地 ( 法 附 則 1 9 条 の 2 第 1 項 に 規 定 す る 市 街 化 区 域 農 地 を い う ) の 評 価 に つ い て 評 価 基 準 は 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 価 額 か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 費 に 相 当 す る 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る も の と し て い る ( 第 1 章 第 2 節 の 2 ) 2 前 提 と な る 事 実 ( 1 ) 本 件 土 地 及 び 南 側 に 隣 接 す る 東 京 都 三 鷹 市 α 4 1 0 番 1 ( 不 動 産 登 記 簿 上 の 地 目 は 宅 地 ) の 土 地 ( 以 下 別 件 土 地 と い う ) は 原 告 を 含 む 亡 A の 相 続 人 が 共 有 し て い る ( 甲 8 9 の 1 及 び 2 弁 論 の 全 趣 旨 ) ( 2 ) 本 件 土 地 の 不 動 産 登 記 簿 上 の 地 目 は 畑 で あ り 別 件 土 地 の 南 側 に は 幅 員 約 7 メ ー ト ル の 街 路 ( 以 下 南 側 街 路 と い う ) が あ る 別 件 土 地 上 に は 原 告 ら が 居 住 す る 建 物 が 建 て ら れ て お り 本 件 土 地 上 に は 熱 帯 性 植 物 で あ る ポ ポ ー の 木 白 樺 白 雲 木 な ど が 生 い 茂 っ て い る ( 甲 5 の 1 お よ び 2 9 の 1 及 び 2 1 1 の 1 な い し 2 7 弁 論 の 全 趣 旨 ) ( 3 ) 三 鷹 市 長 は 本 件 土 地 に 対 す る 平 成 1 2 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 と な る べ き 価 格 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 を 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 し た ( 甲 1 ) 3 三 鷹 市 長 の し た 本 件 土 地 の 評 価 ( 1 ) 本 件 土 地 の 地 目 等 本 件 土 地 の 不 動 産 登 記 簿 上 及 び 現 況 の 地 目 は い ず れ も 畑 で あ り 法 附 則 1 9 条 の 2 第 1 項 に 規 定 す る 市 街 化 区 域 農 地 に 該 当 す る ( 2 ) 基 本 価 額 の 算 出 本 件 土 地 と 状 況 が 類 似 す る 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 の 各 路 線 に つ い て 市 街 地 宅 地 評 価 法 に よ っ て 評 定 さ れ た 各 路 線 価 格 の 平 均 価 格 2 0 万 8 0 0 0 円 に 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 と し て の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 基 本 価 額 を 1 5 万 6 0 0 0 円 と 算 出 し た 2 0 万 8 0 0 0 円 0. 7 5 = 1 5 万 6 0 0 0 円 ( 当 該 状 況 類 似 区 域 内 に 存 す る 普 通 住 宅 地 区 の 平 均 路 線 価 格 乗 率 = 基 本 価 額 ) ( 3 ) 地 価 下 落 修 正 ( 2 ) で 算 出 し た 基 本 価 額 に 地 積 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル を 乗 じ て 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 価 額 を 算 出 し 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 に 伴 う 修 正 率 を 0. 9 7 と し て 平 成 1 2 年 度 の 価 額 を 2 億 0 0 7 2 万 0 5 2 0 円 と 算 出 し た 1 5 万 6 0 0 0 円 1 2 8 6. 6 7 = 2 億 0 0 7 2 万 0 5 2 0 円 ( 基 本 価 額 地 積 = 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 価 額 ) 2 億 0 0 7 2 万 0 5 2 0 円 0. 9 7 = 1 億 9 4 6 9 万 8 9 0 4 円 ( 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 価 額 地 価 下 落 修 正 率 = 平 成 1 2 年 度 の 価 額 1 円 未 満 切 捨 て ) ( 4 ) 造 成 費 相 当 額 の 控 除 ( 3 ) で 得 ら れ た 平 成 1 2 年 度 の 価 額 か ら 東 京 都 か ら 通 知 さ れ る 価 額 を 参 考 に し て 求 め た 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 造 成 費 2 1 0 0 円 に 地 積 を 乗 じ て 得 ら れ た 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 2 0 0 7 円 を 控 除 す る こ と と し 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 度 の 登 録 価 格 を 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 と 算 出 し た 1 億 9 4 6 9 万 8 9 0 4 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 = 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 ( 平 成 1 2 年 度 の 価 額 - 造 成 費 相 当 額 = 平 成 1 2 年 度 の 登 録 価 格 ) 4 本 件 決 定 の 内 容 ( 1 ) 原 告 は 平 成 1 2 年 5 月 2 9 日 被 告 に 対 し 本 件 土 地 の 登 録 価 格 を 不 服 と し て 審 査 の 申 出 を し た ( 乙 2 の 1 ) ( 2 ) 被 告 は 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 本 件 土 地 は 一 画 地 と し て 評 価 す べ き で あ り 直 接 に は 路 線 に 接 し な い こ と を 前 提 と す る と 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 と の 関 係 で は 画 地 計 算 法 上 の 無 道 路 地 補 正 の 適 用 が 認 め ら れ 得 る 土 地 で あ る か ら 三 鷹 市 長 が 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て 適 用 し た 画 地 計 算 法 適 用 相 当 分 の 乗 率 0. 7 5 は 適 当 で は な く 無 道 路 地 補 正 率 に 相 当 す る 乗 率 0. 6 を 適 用 す る こ と と し て 次 の 計 算 式 の と お り 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 を 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 と 算 出 し 原 告 の 審 査 申 出 は 同 限 度 に お い て 理 由 が あ る と し て 登 録 価 格 を 同 価 格 と 変 更 す る 内 容 の 本 件 決 定 を し た ( 甲 1 ) 2 0 万 8 0 0 0 円 0. 6 = 1 2 万 4 8 0 0 円 ( 平 均 路 線 価 格 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 = 基 本 価 額 ) 1 2 万 4 8 0 0 円 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル = 1 億 6 0 5 7 万 6 4 1 6 円 ( 基 本 価 額 地 積 = 総 価 額 ) 1 億 6 0 5 7 万 6 4 1 6 円 0. 9 7 = 1 億 5 5 7 5 万 9 1 2 3 円 - 2 -

( 総 価 額 地 価 下 落 修 正 率 = 平 成 1 2 年 度 の 価 額 1 円 未 満 切 捨 て ) 1 億 5 5 7 5 万 9 1 2 3 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 = 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 ( 平 成 1 2 年 度 の 価 額 - 造 成 費 相 当 額 = 平 成 1 2 年 度 の 登 録 価 格 ) 5 争 点 及 び 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 本 件 の 争 点 は 本 件 土 地 の 登 録 価 格 の 適 否 で あ り 登 録 価 格 の 適 否 に つ い て 具 体 的 に 問 題 と な る の は ( 1 ) 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た り 画 地 計 算 法 を 適 用 す べ き か 否 か ( 2 ) 画 地 計 画 法 の 具 体 的 な 適 用 及 び そ の 結 果 登 録 価 格 は 適 正 な 時 価 を 上 回 る か 否 か ( 3 ) 登 録 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 る 場 合 の 審 査 決 定 の 取 消 し の 範 囲 で あ り そ れ ら に 関 す る 当 事 者 の 主 張 は 次 の と お り で あ る ( 1 ) 被 告 の 主 張 ( 2 ) 原 告 の 主 張 ア 本 件 土 地 の 評 価 は 評 価 基 準 及 び 取 ア 本 件 土 地 は 市 街 化 区 域 農 地 で あ 扱 要 領 に 定 め ら れ た と こ ろ に 従 っ て 行 わ れ る か ら い わ ゆ る 宅 地 並 み 評 価 が さ れ る べ た も の で あ り 違 法 な 点 は な い 原 告 は 本 き と こ ろ 被 告 が し た 評 価 は 本 件 土 地 の 件 土 地 の 評 価 に 当 た り 画 地 計 算 法 を 適 用 す 地 形 等 の 個 別 具 体 的 な 事 情 を 十 分 に 反 映 べ き あ る と 主 張 す る が 評 価 基 準 は 市 街 化 さ せ て お ら ず そ の 結 果 本 件 土 地 を 宅 区 域 農 地 に つ い て 宅 地 と 同 一 の 評 価 方 法 で 地 と し て 評 価 し た 場 合 よ り も 高 額 な 評 価 あ る 画 地 計 算 法 を 適 用 す る こ と を 予 定 し て を し た も の で あ り 違 法 で あ る は い な い 上 農 地 の 評 価 額 が 当 該 農 地 を 宅 イ 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は 画 地 地 と し て 評 価 し た 場 合 の 額 を 上 回 っ て は な 計 算 法 を 適 用 す べ き で あ り そ の 場 合 に ら な い こ と も 要 求 し て い な い 市 街 化 区 域 は 本 件 土 地 は 別 件 土 地 と は 別 画 地 と し 農 地 は 確 か に 将 来 的 に 宅 地 に 転 じ 得 る 潜 て 取 り 扱 う べ き で あ る こ の 点 に つ い て 在 的 側 面 を 有 し 宅 地 並 み 課 税 と い う 政 策 被 告 は 本 件 土 地 と 別 件 土 地 と は 一 体 で 目 的 の 合 理 性 を 基 礎 付 け る あ り 一 画 地 と し て 取 り 扱 う べ き で あ る と 一 般 的 抽 象 的 性 状 が 見 受 け ら れ る こ と は 否 主 張 す る が 本 件 土 地 は 農 地 で あ り 別 定 し な い が 現 況 は あ く ま で も 農 地 で あ り 件 土 地 は 宅 地 で あ っ て 利 用 状 態 が 異 な る 宅 地 と し て 顕 在 化 さ れ て い な い と い う 前 提 上 本 件 土 地 及 び 別 件 土 地 は 原 告 が 単 独 を 見 過 ご す こ と は 現 況 主 義 と い う 基 本 原 則 所 有 す る も の で は な く 原 告 は 共 有 者 の に 照 ら し て 適 切 さ を 欠 く 画 地 計 算 法 は 一 人 に す ぎ な い の で あ る か ら 被 告 の 主 課 税 対 象 た る 個 別 の 宅 地 に つ い て 宅 地 の 張 は 失 当 で あ る 現 況 に 照 ら し か つ 相 当 程 度 に 個 別 具 体 的 ウ 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は 次 の な 性 状 に 着 眼 し て 価 格 形 成 原 因 ご と の 分 析 と お り に 画 地 計 画 法 を 適 用 す べ き で あ 的 な 評 価 を 行 う と い う 性 質 が あ る そ う す る 本 件 土 地 は 路 線 に 接 し て お ら ず 無 道 る と 単 に 将 来 的 に 宅 地 に 転 じ 得 る 潜 在 的 路 地 で あ る 評 価 基 準 に よ れ ば 無 道 路 側 面 や 一 般 的 抽 象 的 性 状 が あ る か ら と い っ 地 の 評 点 算 出 法 は 利 用 上 最 も 合 理 的 で て 現 に 宅 地 化 し て い な い 市 街 化 区 域 農 地 あ る と 認 め ら れ る 路 線 の 路 線 価 に 奥 行 に つ い て 現 況 で は な く 将 来 宅 地 に な っ た ら 価 格 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 通 と い う 仮 定 的 な 状 況 を 想 定 し て 画 地 計 算 法 路 開 設 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 及 を 適 用 す る こ と は 画 地 計 算 法 の 上 記 性 質 び そ の 無 道 路 地 の 近 傍 の 宅 地 と 均 衡 を 考 に も な じ ま な い と い う べ き で あ る 仮 に 市 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 を 乗 じ て 1 街 化 区 域 農 地 に つ い て 画 地 計 算 法 を 適 用 す 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 を 求 め こ べ き で あ る と す る と す べ て の 市 街 化 区 域 れ に 当 該 無 道 路 地 の 地 積 を 乗 じ て そ の 評 農 地 に つ い て い っ た ん は 宅 地 化 さ れ た 状 点 数 を 求 め る こ と と さ れ て い る さ ら に 況 を 想 定 し た 上 で 画 地 計 算 法 に よ る 評 価 事 本 件 土 地 は 不 整 形 地 で あ る の で 不 整 務 作 業 を し な け れ ば な ら く な る が そ れ は 形 補 正 率 も 適 用 す べ き で あ る 非 効 率 的 で 実 務 上 無 理 を 強 い る 結 果 と な る ( ア ) 本 件 土 地 の 農 地 と し て 特 殊 性 を こ と は 明 ら か で あ る し た が っ て 原 告 の 考 慮 す る と 路 線 価 は 正 面 路 線 に 当 た 主 張 は 失 当 で あ る る 南 側 街 路 の 路 線 価 で は な く 平 均 路 線 イ 仮 に 本 件 土 地 を 宅 地 で あ る と み て 画 価 格 2 0 万 8 0 0 0 円 を 適 用 す べ き で あ 地 計 算 法 を 適 用 す べ き で あ る と し て も 本 る 本 件 土 地 の 奥 行 は 本 件 土 地 の 近 似 整 件 土 地 は 別 件 土 地 と 一 体 を な し て い る も の 形 地 か ら 計 算 す る と 8 8. 4 9 メ ー ト ル で あ る か ら 両 土 地 は 一 画 地 と し て 評 価 す で あ る が 本 件 土 地 の 農 地 と し て の 特 殊 べ き で あ る こ の よ う に 解 す る こ と は 本 性 を 考 慮 し て 奥 行 価 格 補 正 率 0. 8 を 件 土 地 と 別 件 土 地 と が い ず れ も 原 告 及 び そ 適 用 す べ き で あ る 通 路 開 設 補 正 率 は の 兄 弟 の 自 用 地 で あ っ て 同 一 人 の 利 用 に 供 本 件 土 地 か ら 正 面 路 線 ま で の 距 離 が 3 さ れ て い る 土 地 で あ り 本 件 土 地 が 将 来 宅 7. 4 6 メ ー ト ル で あ る か ら 0. 6 を 地 に 転 じ た 場 合 に は 別 件 土 地 と と も に 宅 地 適 用 す べ き で あ る 無 道 路 地 補 正 率 は 0. と し て 一 体 化 し て 評 価 さ れ る べ き こ と に な 6 を 適 用 す べ き で あ る 不 整 形 地 補 正 率 る 実 情 に も 即 し て い る そ の 上 で 画 地 計 算 は 本 件 土 地 は 普 通 住 宅 地 区 に あ り 蔭 法 を 適 用 す る と す る と 本 件 土 地 の 適 正 な 地 割 合 が 3 1. 0 6 パ ー セ ン ト で あ る か 時 価 は 次 の と お り に 算 出 す べ き で あ る ら 0. 8 8 を 適 用 す べ き で あ る ( ア ) 本 件 土 地 の 路 線 価 は 2 4 万 6 0 0 ( イ ) 以 上 に よ り 本 件 土 地 の 1 平 方 - 3 -

0 点 で あ る こ の 点 に つ き 原 告 は 取 扱 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 は 5 万 2 7 1 5 要 領 で 農 地 の 評 価 に 関 し て 使 用 す る 平 均 路 点 で あ る 線 価 格 に よ る べ き で あ る と 主 張 す る が 誤 り 2 0 万 8 0 0 0 点 0. 8 0. 6 で あ る 本 件 土 地 に 適 用 の あ る 奥 行 価 格 補 0. 6 0. 8 8 = 5 万 2 7 1 5 点 ( 平 正 率 は 0. 8 1 不 整 形 地 補 正 率 は 0. 8 均 路 線 価 格 奥 行 価 格 補 正 率 通 路 開 設 8 で あ る か ら 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 補 正 率 無 道 路 地 補 正 率 不 整 形 地 補 正 点 数 は 1 7 万 5 3 4 8 点 と な る 率 = 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 ) 2 4 万 6 0 0 0 点 0. 8 1 0. 8 8 ( ウ ) ( イ ) で 算 出 し た 1 平 方 メ ー ト = 1 7 万 5 3 4 8 点 ( 路 線 価 奥 行 価 格 補 ル 当 た り の 評 点 数 に 本 件 土 地 の 地 積 1 2 正 率 不 整 形 地 補 正 率 = 1 平 方 メ ー ト ル 当 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル を 乗 じ る と 平 た り の 評 点 数 ) 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 本 件 土 地 ( イ ) ( ア ) で 算 出 し た 1 平 方 メ ー ト ル の 評 点 数 は 6 7 8 2 万 6 8 0 9 点 と な 当 た り の 評 点 数 に 本 件 土 地 と 別 件 土 地 と を る 5 万 2 7 1 5 点 1 2 8 6. 6 7 平 合 計 し た 地 積 2 0 9 9. 9 3 平 方 メ ー ト ル 方 メ ー ト ル = 6 7 8 2 万 6 8 0 9 点 ( 1 を 乗 じ る と 土 地 全 体 の 評 点 数 は 3 億 6 8 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 地 積 = 本 2 1 万 8 5 2 5 点 と な る 件 土 地 の 評 点 数 ) 1 7 万 5 3 4 8 点 2 0 9 9. 9 3 平 方 ( エ ) ( ウ ) で 求 め た 評 点 数 に 農 地 に メ ー ト ル = 3 億 6 8 2 1 万 8 5 2 5 点 ( 1 つ い て の 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 地 積 = 本 件 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 修 正 率 0. 9 7 0 土 地 と 別 件 土 地 を 合 計 し た 評 点 数 小 数 点 を 適 用 す る と 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 1 以 下 切 捨 て ) 月 1 日 時 点 に お け る 価 格 は 6 5 7 9 万 2 ( ウ ) ( イ ) で 算 出 し た 評 点 数 か ら 別 0 0 4 円 と な る 6 7 8 2 万 6 8 0 9 点 件 土 地 の 評 点 数 ( 地 価 下 落 修 正 率 を 乗 ず る 0. 9 7 0 = 6 5 7 9 万 2 0 0 4 円 ( 本 前 の も の ) 1 億 7 6 6 9 万 4 5 6 0 点 を 差 件 土 地 の 評 点 数 地 価 下 落 修 正 率 = 本 件 し 引 く と 1 億 9 1 5 2 万 3 9 6 5 点 と な る 土 地 の 平 成 1 2 年 1 月 1 日 時 点 に お け る と こ ろ 本 件 決 定 に お い て 被 告 の 算 出 し た 価 額 ) 本 件 土 地 の 評 点 数 1 億 6 0 5 7 万 6 4 1 6 ( オ ) 本 件 土 地 は 宅 地 で は な い の で 点 は こ れ を 下 回 っ て い る か ら, 本 件 決 定 は 宅 地 に 転 用 す る た め の 造 成 費 相 当 額 を 控 違 法 で は な い 除 す べ き で あ る と こ ろ 造 成 費 相 当 額 は 3 億 6 8 2 1 万 8 5 2 5 点 - 1 億 7 6 6 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 2 1 0 0 円 で あ る 9 万 4 5 6 0 点 = 1 億 9 1 5 2 万 3 9 6 5 か ら ( エ ) か ら 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 点 ( 本 件 土 地 と 別 件 土 地 を 合 計 し た 評 点 数 2 0 0 7 円 を 控 除 す る と 本 件 土 地 の 適 - 別 件 土 地 の 評 点 数 = 本 件 土 地 の 評 点 数 ) 正 な 時 価 は 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 と な ウ 仮 に 本 件 土 地 と 別 件 土 地 と を 別 画 地 る で あ る と し て 画 地 計 算 法 を 適 用 す る と す る エ 本 件 訴 訟 は 課 税 処 分 の 適 否 で は な と 本 件 土 地 は 無 道 路 地 と な る が 道 路 開 く 本 件 決 定 に 係 る 登 録 価 格 の 適 否 を 判 設 補 正 率 の 適 用 は な い ま た 本 件 土 地 は 断 す る も の で あ っ て 適 正 な 時 価 を 超 え 不 整 形 地 で あ る が 普 通 住 宅 地 区 に あ り た 部 分 を 取 り 消 す 一 部 取 消 判 決 を し た と 蔭 地 割 合 が 1 0 パ ー セ ン ト 未 満 で あ る か し て も 取 消 判 決 の 拘 束 力 ( 行 政 事 件 訴 ら 不 整 形 地 補 正 率 1. 0 0 が 適 用 さ れ る 訟 法 3 3 条 1 項 ) に よ っ て 市 町 村 は 審 本 件 土 地 を 宅 地 に 転 用 す る た め の 造 成 費 相 査 決 定 と 同 様 の 措 置 を 執 る こ と が 義 務 付 当 額 が 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 2 1 0 0 円 で け ら れ る の で あ っ て 改 め て 固 定 資 産 評 あ る こ と は 争 わ な い 価 審 査 委 員 会 の 審 査 決 定 を 介 在 さ せ る 必 エ 取 消 訴 訟 の 対 象 で あ る 固 定 資 産 評 価 要 性 は な い む し ろ 審 査 決 定 の 全 部 を 審 査 委 員 会 の 決 定 は 審 査 申 出 人 の 不 服 申 取 り 消 し て 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 評 立 て に 対 す る 同 委 員 会 の 応 答 と し て さ れ る 定 の 再 施 を 命 ず る の は 迂 遠 で あ る ば か り も の で あ る か ら 法 は 固 定 資 産 評 価 審 査 委 か 再 度 の 決 定 が あ る ま で 裁 判 所 の 認 定 員 会 の 決 定 し た 価 格 に 関 し て こ れ を 可 分 額 に 不 服 の あ る 原 告 の 救 済 の 機 会 を 遷 延 の も の と し て 決 定 さ れ た 価 格 の 一 部 が 取 さ せ る こ と に な る そ う す る と 違 法 の 消 訴 訟 に お い て 争 わ れ 残 部 が 別 途 確 定 す 理 由 が 審 査 手 続 の 違 法 や 内 容 の 違 法 で あ る と い う 事 態 を 予 定 し て い な い と 解 す る の っ て も 例 外 的 に 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が 正 当 で あ る に 審 査 の や り 直 し を 求 め る の が 相 当 で あ し た が っ て 原 告 の 平 成 1 3 年 9 月 1 0 る 場 合 を 除 い て は 審 査 決 定 の う ち の 違 日 付 け 準 備 書 面 に よ る 請 求 の 趣 旨 の 変 更 法 な 部 分 の み を 取 り 消 せ ば 足 り る と い う は 訴 え を 不 適 法 な も の に 変 更 す る も の で あ る べ き で あ る 被 告 の 主 張 は 納 税 者 の 法 律 に 照 ら し た 適 正 な 税 額 の 賦 課 を 受 け る 権 利 を 無 視 し 裁 判 に よ り 租 税 の 評 価 を 争 え な い 主 張 に 他 な ら ず 裁 判 所 の 判 断 事 項 を い た ず ら に 狭 く し 国 民 の 裁 判 を 受 け る 権 利 を 侵 害 す る も の で あ る 第 3 争 点 に 対 す る 判 断 1 適 正 な 時 価 の 意 義 固 定 資 産 税 は 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 固 定 資 産 の 価 格 を 課 税 標 準 と し ( 法 - 4 -

3 4 9 条 1 項 3 4 9 条 の 2 ) 原 則 と し て 固 定 資 産 の 所 有 者 に 対 し て ( 法 3 4 3 条 1 項 ) 資 産 の 所 有 と い う 事 実 に 着 目 し て 課 税 さ れ る 財 産 税 で あ り 資 産 か ら 生 ず る 現 実 の 収 益 に 着 目 し て 課 税 さ れ る 収 益 税 と は 異 な る も の で あ る こ の よ う な 固 定 資 産 税 の 性 質 か ら す る と そ の 課 税 標 準 又 は そ の 算 定 基 礎 と な る 土 地 の 適 正 な 時 価 ( 法 3 4 1 条 5 号 ) と は 正 常 な 条 件 の 下 に 成 立 す る 当 該 土 地 の 取 引 価 格 す な わ ち 客 観 的 な 交 換 価 値 を い う も の と 解 す べ き で あ る 2 適 正 な 時 価 と 評 価 基 準 に よ る 評 価 と の 関 係 適 正 な 時 価 の 意 義 が 前 記 の よ う な も の で あ る こ と と 法 が 土 地 の 登 録 価 格 の 決 定 に 当 た っ て 評 価 基 準 に よ っ て 当 該 土 地 を 評 価 す べ き も の と し て い る こ と か ら す る と 登 録 価 格 の 決 定 に 当 た り 評 価 基 準 を 忠 実 に 適 用 し な か っ た 場 合 ( 評 価 に 用 い た 取 扱 要 領 が 評 価 基 準 の 趣 旨 に 反 す る 場 合 を 含 む ) に は 当 該 登 録 価 格 は 賦 課 期 日 に お け る 客 観 的 な 時 価 を 表 し て い る か 否 か に か か わ ら ず 法 に 反 す る も の と 評 価 せ ざ る を 得 な い が 法 は 評 価 基 準 自 体 が 賦 課 期 日 に お け る 客 観 的 な 時 価 を 求 め る の に ふ さ わ し い も の で あ る こ と を 要 求 し て い る も の と い う べ き で あ る か ら 評 価 基 準 及 び 取 扱 要 領 ( 以 下 評 価 基 準 等 と い う ) を 忠 実 に 運 用 し た と し て も そ の 結 果 が 客 観 的 な 時 価 を 表 さ な い 場 合 は そ の 限 度 で 評 価 基 準 等 に 問 題 が あ る と い う べ き で あ り そ れ に よ っ て 決 定 さ れ た 登 録 価 格 も ま た 法 の 趣 旨 に 反 す る も の と い う ほ か な い し た が っ て 本 件 土 地 の 登 録 価 格 が 違 法 で あ る か 否 か の 判 断 は ま ず そ れ が 評 価 基 準 等 を 忠 実 に 適 用 し て 得 ら れ た も の か 否 か 仮 に そ れ が 肯 定 さ れ た 場 合 に は 次 に 同 登 録 価 格 が 賦 課 期 日 に お け る 客 観 的 時 価 を 超 え る か ど う か に よ る こ と に な る が そ の 判 断 は 第 1 に 評 価 方 法 の 選 定 が 評 価 基 準 等 に 従 っ た も の で あ る か ( 基 準 適 合 性 ) 第 2 に 前 記 評 価 基 準 等 が 一 般 的 に 合 理 性 を 有 す る か ど う か ( 基 準 の 一 般 的 合 理 性 ) の 順 に 行 う べ き で あ る 3 本 件 土 地 の 登 録 価 格 の 適 否 ( 1 ) 本 件 土 地 の 評 価 が 評 価 基 準 等 に 従 っ た の も の で あ る か ど う か ( 基 準 適 合 性 ) 前 記 第 2 3 の と お り 本 件 土 地 の 評 価 は 本 件 土 地 と 状 況 が 類 似 す る 地 域 の 普 通 住 宅 地 区 の 路 線 価 の 平 均 価 格 に 画 地 計 算 法 適 用 相 当 分 の 乗 率 を 乗 じ て 基 本 価 額 を 算 出 し 同 基 本 価 額 に 地 積 を 乗 じ た 価 格 か ら 東 京 都 か ら 通 知 さ れ た 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 2 1 0 0 円 で 換 算 し た 造 成 費 相 当 額 を 控 除 し て い る か ら 取 扱 要 領 に 従 っ た 評 価 で あ る と 認 め ら れ る ( 2 ) 評 価 基 準 等 に お け る 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 手 法 の 一 般 的 合 理 性 ア 評 価 基 準 第 1 章 第 2 節 の 2 は 市 街 化 区 域 農 地 に つ い て は 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 ( 以 下 類 似 宅 地 と い う ) の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 価 額 ( 以 下 基 本 価 額 と い う ) か ら 通 常 要 す る 造 成 費 相 当 額 を 控 除 す る 方 法 に よ っ て 評 価 す る 旨 を 定 め て い る こ の 評 価 手 法 は 市 街 化 区 域 農 地 が 市 街 化 区 域 内 に 存 す る 農 地 で あ り 将 来 的 に は 宅 地 と し て 利 用 さ れ る 蓋 然 性 が 高 く 実 質 的 に み れ ば 宅 地 と し て の 潜 在 的 価 値 を 有 し 実 際 の 売 買 価 格 も 宅 地 と 同 水 準 に あ る こ と か ら 近 隣 の 宅 地 等 と の 均 衡 を 図 る 必 要 が あ る 一 方 市 街 化 区 域 農 地 は あ く ま で も 農 地 で あ る か ら 宅 地 と す る た め に は 土 盛 り 及 び 整 地 を し な け れ ば な ら な い た め 土 盛 り 等 の 造 成 費 相 当 分 を 控 除 す る こ と と し た も の と 認 め ら れ る し た が っ て 評 価 基 準 は 適 正 な 時 価 の 評 価 と い う 法 が 委 任 し た 趣 旨 に 全 う す る も の で あ る と い え そ の 内 容 は 一 般 的 合 理 的 を 有 す る と 認 め ら れ る イ 次 に 取 扱 要 領 の 定 め に つ い て 検 討 す る 取 扱 要 領 は 評 価 基 準 を 受 け 各 地 方 公 共 団 体 が 実 際 の 評 価 に 当 た っ て 用 い る べ き 具 体 的 手 法 を 定 め る も の に す ぎ な い か ら そ の 内 容 が 評 価 基 準 に 反 す る こ と は 許 さ れ な い と い う べ き で あ る そ こ で 以 下 で は ま ず 評 価 基 準 が ど の よ う な 具 体 的 手 法 を 許 容 し て い る か を 検 討 し そ れ を 前 提 と し て 取 扱 要 領 が 評 価 基 準 の 趣 旨 に 合 致 す る も の で あ る か 否 か を 検 討 す る こ と と す る ウ 評 価 基 準 は 基 本 価 額 の 算 定 に 用 い る べ き 具 体 的 な 評 価 手 法 を 特 定 し て は い な い が 比 較 の 対 象 と し て 類 似 宅 地 を 選 定 す る と い う 手 法 を 定 め て い る 以 上 市 街 化 農 地 の 評 価 に 当 た っ て は 原 則 と し て 宅 地 の 評 価 方 法 を 適 用 す る こ と を 定 め た も の と 解 す べ き で あ る た だ し 市 街 化 区 域 農 地 に つ い て は 現 況 が 農 地 で あ り 地 積 形 状 等 の 立 地 条 件 が 宅 地 に 比 べ て 特 殊 な 場 合 が 多 い た め 宅 地 の 評 価 方 法 と 全 く 同 一 の 評 価 方 法 を 適 用 す る こ と と す る と か え っ て 実 情 に 合 わ な い 結 果 と な り 適 切 な 評 価 が 得 ら れ な い 場 合 が あ る と 予 想 さ れ る こ と か ら 市 街 化 区 域 農 地 の 実 情 に 応 じ て あ る 程 度 弾 力 的 に 運 用 で き る よ う 市 街 地 宅 地 評 価 法 で あ る 画 地 計 算 法 の 一 部 を 適 用 し な い こ と が で き 適 用 す る 場 合 で あ っ て も 画 地 計 算 法 の 附 表 若 し く は 宅 地 の 比 準 表 に 所 用 の 補 正 を 施 す こ と が で き る と 解 す べ き で あ る エ 以 上 を 前 提 に 検 討 す る と 取 扱 要 領 は 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 の 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 基 本 価 額 か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 - 5 -

費 相 当 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る と い う 一 般 論 を 前 提 と し 基 本 価 額 は 市 内 を 1 2 か 所 の 状 況 類 似 地 区 に 分 け 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 に 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 と し て の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ て 得 た 価 額 と し 高 圧 線 影 響 地 補 正 以 外 の 画 地 計 算 法 は 適 用 し な い も の と 定 め て い る な お 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 は 市 街 地 宅 地 評 価 法 に よ り 評 定 さ れ た 状 況 類 似 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 の 路 線 価 格 の 平 均 価 格 と す る こ と と さ れ 造 成 費 相 当 額 は 東 京 都 か ら 通 知 さ れ る 価 額 を 参 考 に し て 求 め る も の と 定 め ら れ て い る 取 扱 要 領 が 述 べ る 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に 関 す る 一 般 論 は 評 価 基 準 と 同 一 の 内 容 で あ る し か し 取 扱 要 領 は 基 本 価 額 の 基 と な る 数 値 を 状 況 類 似 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 の 路 線 価 の 平 均 価 格 に よ る こ と と し て い る と こ ろ も と も と 状 況 類 似 地 域 の 分 類 は そ の 中 に 地 区 区 分 の 異 な る 地 区 を 含 む こ と が 前 提 と さ れ て い る ( こ の 点 評 価 基 準 で は 状 況 類 似 地 域 は 高 度 商 業 地 区 な ど に 区 分 さ れ た 用 途 地 区 を さ ら に 区 分 す る 概 念 で あ る と さ れ て い る の と 異 な る 用 語 法 で あ る ) こ と か ら 明 ら か な と お り 極 め て 大 ま か な も の で あ る 上 そ の 中 で 普 通 住 宅 地 区 の 路 線 価 の み を 対 象 と し て そ れ ら の 平 均 を 求 め る も の で あ る か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 の 基 本 価 額 の 基 と な る 数 値 の 算 定 方 法 と し て は 擬 制 の 上 に 擬 制 を 重 ね る も の で あ る さ ら に 基 本 価 額 は 平 均 路 線 価 格 に 画 地 計 算 法 適 用 相 当 分 の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ る こ と に よ っ て 算 出 す る こ と と さ れ て い る が 評 価 基 準 に お け る 画 地 計 算 法 の 附 表 に よ れ ば 同 法 に よ り 適 用 さ れ 得 る 補 正 率 は 0. 5 5 か ら 1. 0 0 ま で 幅 が あ り し か も 複 数 の 補 正 率 が 適 用 さ れ る 場 合 が あ る こ と か ら 取 扱 要 領 に お い て 画 地 計 算 法 適 用 相 当 分 と し て 一 律 に 0. 7 5 を 乗 じ る こ と と す る と そ の 結 果 は 当 該 農 地 が 宅 地 で あ る と 想 定 し 画 地 計 算 法 を 全 面 的 に 適 用 し て 評 価 し た 価 額 を 上 回 る お そ れ が 多 分 に あ り 経 験 則 上 三 鷹 市 内 の よ う な 大 都 市 近 郊 に お い て は 特 段 の 事 情 が な い 限 り 同 一 の 位 置 に あ る 農 地 の 価 額 が 宅 地 の そ れ を 上 回 る こ と は 想 定 し 難 い の で あ る か ら 取 扱 要 領 の こ の 点 に つ い て の 定 め は 適 正 な 時 価 を 算 出 す る と い う 法 及 び 評 価 基 準 が 志 向 す る も の と は 異 な る と い う べ き で あ る し た が っ て 取 扱 要 領 が 定 め る 市 街 地 区 域 農 地 の 評 価 方 法 は 法 及 び 評 価 基 準 の 趣 旨 を 全 う す る も の で は な く 一 般 的 合 理 性 を 有 し て い な い と い う べ き で あ り 市 街 化 農 地 の 登 録 価 格 に つ い て は 当 該 農 地 が 宅 地 で あ る と 想 定 し 画 地 計 算 法 を 忠 実 に 適 用 し て 評 価 し た 価 額 を 上 回 る も の で あ る か 否 か を 検 討 し こ れ を 上 回 る 場 合 に は そ の 限 度 で 違 法 と い う ほ か な い オ な お こ の 点 に つ い て 被 告 は 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に つ い て 評 価 基 準 は 宅 地 と 同 一 の 評 価 手 法 を 採 用 す る こ と を 要 求 し て は い な い と 主 張 す る が こ の 点 は ウ で 説 示 し た と お り で あ り 画 地 計 算 法 の 一 部 を 適 用 し な い 等 の 例 外 的 な 取 扱 い が 許 容 さ れ な い わ け で は な い が 原 則 と し て は 宅 地 と 同 一 の 評 価 手 法 に よ る べ き で あ る と い え る か ら こ れ と 異 な る 手 法 を 定 め た 取 扱 要 領 は 法 及 び 評 価 基 準 の 趣 旨 に 合 致 し な い も の と い う べ き で あ る ま た 被 告 は 評 価 基 準 は 農 地 の 評 価 額 が 宅 地 の そ れ を 超 え な い こ と を 要 求 し て お ら ず 市 街 化 区 域 農 地 に つ い て 画 地 計 算 法 に よ る 評 価 事 務 作 業 を す る こ と に な る と 非 効 率 的 で 実 務 上 無 理 を 強 い る 結 果 と な る 旨 主 張 す る し か し 前 記 の と お り 三 鷹 市 内 の よ う な 大 都 市 近 郊 に お い て は 同 一 の 場 所 に あ る 宅 地 と 農 地 と を 比 較 す る と 特 段 の 事 情 が な い 限 り 農 地 の 価 格 が 宅 地 の そ れ を 上 回 る こ と は あ り 得 な い の で あ る か ら そ れ と 反 対 の 結 果 を 招 く よ う な 評 価 手 法 は 合 理 的 と は い い 難 い 上 画 地 計 算 法 は 宅 地 の 市 街 化 区 域 に あ る 宅 地 の 評 価 一 般 に 適 用 さ れ る 手 法 で あ り こ れ を 市 街 化 区 域 農 地 に 適 用 す る こ と と し て も 非 効 率 的 で あ る と は い え な い し そ の 結 果 事 務 作 業 の 負 担 が 増 加 す る こ と と な る と し て も 他 に よ り 合 理 的 な 評 価 方 法 が 見 当 た ら な い 以 上 は そ の 負 担 を 避 け る た め に よ り 高 額 な 課 税 を す る こ と が 許 さ れ な い こ と は い う ま で も な く 被 告 の 主 張 に は 理 由 が な い と い う ほ か な い ( 3 ) 本 件 土 地 へ の 画 地 計 算 法 の 適 用 ア 前 記 ( 2 ) の と お り 取 扱 要 領 に よ る 評 価 方 法 に は そ の 合 理 性 に 疑 問 が あ る か ら 画 地 計 算 法 を 忠 実 に 適 用 し た 評 価 額 を 算 定 し そ の 結 果 と 被 告 の 評 価 額 と を 比 較 し て そ の 適 否 を 検 証 す る こ と と す る す な わ ち 乙 第 7 号 証 に よ れ ば 本 件 土 地 は 市 街 地 的 形 態 を 有 す る 区 域 内 に 存 在 す る 農 地 で あ る と 認 め ら れ る か ら 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は 市 街 地 宅 地 評 価 法 で あ る 路 線 価 方 式 を 採 用 し 路 線 価 を 算 定 し た 上 で 画 地 計 算 法 を 適 用 し そ こ で 得 ら れ た 結 果 か ら 造 成 費 相 当 額 を 控 除 し た 価 額 を 算 定 す る こ と と す る イ 上 記 の 評 価 方 法 に お い て は 本 件 土 地 の 画 地 の 認 定 の 仕 方 が 問 題 と な り 被 告 は 別 件 土 地 と 併 せ て 一 画 地 と 評 価 す べ き で あ る と 主 張 す る し か し 評 価 基 準 は 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 筆 ご と に 一 画 地 と す る こ と を 原 則 と し 例 外 的 に そ の 形 状 利 用 状 況 等 か ら み て 一 体 を な し て い る 場 合 に 限 っ て 二 筆 以 上 の 土 地 を 一 画 地 と す る こ と を 認 め て い る と こ ろ ( 別 表 第 3 2 ) - 6 -

前 記 第 2 2 ( 2 ) の と お り 本 件 土 地 と 別 件 土 地 と は 不 動 産 登 記 簿 上 も 現 況 も 地 目 が 異 な り 利 用 状 況 も 異 な る の で あ る か ら 評 価 基 準 の 定 め る 例 外 的 な 場 合 に 該 当 す る と は 認 め ら れ ず 本 件 土 地 は 一 画 地 と し て 別 件 土 地 と は 独 立 に 評 価 す べ き で あ る こ の 点 に つ い て 被 告 も 本 件 決 定 に お い て 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 と し て 0. 7 5 乗 率 を 適 用 す る に と ど ま る と 無 道 路 地 補 正 率 の 一 部 は 評 価 し 尽 く さ れ て い な い と し て 乗 率 を 0. 6 ま で 拡 張 し て い る こ と か ら す る と 本 件 土 地 は 別 件 土 地 と は 独 立 し た 画 地 と し て 評 価 せ ざ る を 得 な い と 考 え て い た こ と が う か が え る の で あ る そ う す る と 本 件 土 地 は 直 接 路 線 に 接 し な い こ と に な る た め 無 道 路 地 と な る 評 価 基 準 及 び 取 扱 要 領 に よ れ ば 無 道 路 地 の 評 点 算 出 法 は 利 用 上 最 も 合 理 的 で あ る と 認 め ら れ る 路 線 の 路 線 価 に 奥 行 価 格 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 通 路 開 設 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 及 び そ の 無 道 路 地 の 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 を 乗 じ て 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 を 求 め こ れ に 当 該 無 道 路 地 の 地 積 を 乗 じ て そ の 評 点 数 を 求 め る こ と と さ れ て い る そ こ で 以 下 で は こ れ ら の 定 め に 従 っ て 本 件 土 地 の 客 観 的 時 価 を 検 討 す る ウ 甲 第 6 号 証 に よ れ ば 本 件 土 地 の 利 用 上 最 も 合 理 的 で あ る と 認 め ら れ る 路 線 は 南 側 街 路 で あ り そ の 路 線 価 は 2 4 万 6 0 0 0 点 で あ る そ し て 甲 第 5 号 証 の 1 及 び 2 並 び に 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 本 件 土 地 は 普 通 住 宅 地 区 に あ り 正 面 路 線 か ら の 遠 い 奥 行 は 約 8 8. 5 メ ー ト ル で あ る か ら 奥 行 価 格 補 正 率 は 評 価 基 準 別 表 第 3 の 附 表 1 に よ り 正 面 路 線 か ら の 遠 い 奥 行 が 8 8 メ ー ト ル 以 上 1 0 0 メ ー ト ル 未 満 の 場 合 の 0. 8 1 が 適 用 さ れ る 取 扱 要 領 に よ れ ば 無 道 路 地 補 正 率 は 0. 6 で あ る が 前 記 第 2 2 ( 1 ) の と お り 本 件 土 地 は 別 件 土 地 と 所 有 者 を 同 一 と し 実 際 に 利 用 し て い る 街 路 へ の 通 路 が 同 一 の 所 有 者 で あ る 場 合 に 該 当 す る か ら 道 路 開 設 補 正 率 の 適 用 は な い 本 件 土 地 は 不 整 形 地 で あ る が 甲 第 5 号 証 の 1 及 び 2 並 び に 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 普 通 住 宅 地 に あ り 蔭 地 割 合 が 1 0 パ ー セ ン ト 未 満 で あ る か ら 不 整 形 地 補 正 率 1. 0 0 が 適 用 さ れ る エ 以 上 に よ り 本 件 土 地 の 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 は 1 1 万 9 5 5 6 点 と な る 2 4 万 6 0 0 0 点 0. 6 0. 8 1 1. 0 0 = 1 1 万 9 5 5 6 点 ( 路 線 価 無 道 路 地 補 正 率 奥 行 価 格 補 正 率 不 整 形 地 補 正 率 = 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 小 数 点 以 下 切 捨 て ) オ エ で 算 出 し た 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 に 地 積 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル を 乗 じ る と 本 件 土 地 の 評 点 数 は 1 億 5 3 8 2 万 9 1 1 8 円 と な る 1 1 万 9 5 5 6 円 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル = 1 億 5 3 8 2 万 9 1 1 8 円 ( 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 地 積 = 本 件 土 地 の 評 点 数 1 円 未 満 切 捨 て ) カ オ で 求 め た 金 額 か ら 農 地 に つ い て の 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 修 正 率 0. 9 7 0 を 適 用 す る と 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 1 月 1 日 時 点 で の 価 額 は 1 億 4 9 2 1 万 4 2 4 4 円 と な る ( 平 成 1 1 年 7 月 1 日 か ら 平 成 1 2 年 1 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 率 を 考 慮 す る 必 要 が あ る よ う に 考 え ら れ な い で も な い が こ の 点 に つ い て は 原 告 も 平 成 1 1 年 7 月 1 日 以 降 の 下 落 率 を 考 慮 す べ き 旨 の 主 張 を し て い な い の で あ え て 考 慮 し な い こ と と し た ) 1 億 5 3 8 2 万 9 1 1 8 円 0. 9 7 0 = 1 億 4 9 2 1 万 4 2 4 4 円 ( 本 件 土 地 の 評 点 数 地 価 下 落 修 正 率 = 平 成 1 2 年 1 月 1 日 に お け る 価 額 ) キ 本 件 土 地 は 宅 地 で は な い の で 宅 地 に 転 用 す る た め の 造 成 費 相 当 額 を 控 除 す べ き で あ る と こ ろ 造 成 費 相 当 額 は 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 2 1 0 0 円 で あ る か ら カ で 求 め た 金 額 か ら 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 2 0 0 7 円 を 控 除 す る と 1 億 4 6 5 1 万 円 2 2 3 7 円 と な る 1 億 4 9 2 1 万 4 2 4 4 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 = 1 億 4 6 5 1 万 2 2 3 7 円 ( 平 成 1 2 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 価 額 - 造 成 費 相 当 額 = 本 件 土 地 の 客 観 的 時 価 ) ク 以 上 に よ れ ば 本 件 決 定 に よ り 変 更 さ れ た 本 件 土 地 の 登 録 価 格 は な お 客 観 的 時 価 を 上 回 っ て い る と 認 め ら れ る か ら 本 件 決 定 は 違 法 な も の と し て 取 り 消 さ れ る べ き で あ る 4 審 査 決 定 の 取 消 し の 範 囲 ( 争 点 3 ) ( 1 ) 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が し た 登 録 価 格 に 関 す る 審 査 決 定 が 客 観 的 時 価 を 上 回 っ て 違 法 な も の で あ る 場 合 当 該 決 定 を い か な る 範 囲 で 取 り 消 す べ き か が 問 題 と な る ( 2 ) こ の 点 に つ き 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 が し た 審 査 決 定 は 可 分 で あ る と い う 前 提 に 立 ち 取 消 判 決 の 拘 束 力 ( 行 政 事 件 訴 訟 法 3 3 条 1 項 ) に よ り 市 町 村 - 7 -

長 は 判 決 と 同 様 の 措 置 を 執 る こ と が 義 務 付 け ら れ る か ら 改 め て 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 の 審 査 決 定 を 介 在 さ せ る 必 要 は な い と い う 理 由 に よ り 審 査 決 定 の 一 部 取 消 し を 認 め る 見 解 も あ る ( 3 ) し か し 取 消 訴 訟 の 対 象 で あ る 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 の 審 査 決 定 は 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 価 格 に つ い て の 審 査 申 出 人 の 不 服 申 立 て に 対 す る 同 委 員 会 の 応 答 と し て さ れ る も の で あ り ま た 同 決 定 に お い て 判 断 さ れ た 価 格 は 基 準 年 度 の 賦 課 期 日 に お け る 当 該 固 定 資 産 の 登 録 価 格 が 適 正 な 時 価 と 合 致 し て い る か 否 か と い う 1 個 の 評 価 的 事 実 で あ る か ら 当 該 決 定 の 適 否 は こ の 1 個 の 事 実 の 適 否 に か か る の で あ り 一 部 分 の み が 誤 り で 他 の 部 分 が 正 し い な ど と い う こ と は 事 柄 の 性 質 上 観 念 し 難 い の で あ る 上 記 見 解 は こ れ を あ え て 可 分 で あ る と し て 裁 判 所 は 当 該 決 定 の う ち の 自 ら が 正 当 と 考 え る 評 価 額 を 超 え る 部 分 を 取 り 消 す べ き で あ る と 主 張 す る が 常 識 的 に 理 解 す る 限 り そ の 主 張 の 内 容 は 当 該 決 定 が 適 正 な 時 価 と 判 断 し た 価 格 は 誤 り で あ る こ と を 明 ら か に し 裁 判 所 が 自 ら 正 し い と 考 え る 価 格 へ の 是 正 を 命 じ る べ き で あ る と い う こ と と 等 し い も の で あ る こ れ は 言 い 換 え る と 当 該 決 定 を 全 部 取 り 消 し た 上 登 録 価 格 を 裁 判 所 が 自 ら 正 し い と 考 え る 価 格 に 是 正 す る よ う 命 じ て い る こ と に な る ( 上 記 見 解 の い う 一 部 取 消 判 決 が 確 定 し た 場 合 に 被 告 が 行 う べ き こ と も 結 局 改 め て 登 記 価 格 を 裁 判 所 が 正 し い と 考 え る 価 格 と す る 旨 の 審 査 決 定 を す る こ と に な る と 思 わ れ る ) そ う す る と 結 局 上 記 見 解 は 被 告 の 審 査 決 定 を 取 り 消 す だ け で な く そ れ を 変 更 す べ き 内 容 を 明 示 し て こ れ を 命 じ る べ き で あ る こ と に な る が こ の よ う に 行 政 機 関 に 対 し て 作 為 を 命 じ る こ と は 行 政 事 件 訴 訟 法 が 取 消 訴 訟 に つ い て は 想 定 し て い な い と こ ろ で あ り 立 法 諭 と し て は と も か く 解 釈 論 と し て は 到 底 採 用 し 難 い も の で あ る ( 4 ) な お 上 記 見 解 は 一 部 取 消 判 決 が あ っ た 場 合 は 行 政 事 件 訴 訟 法 3 3 条 1 項 に よ り 市 町 村 長 は 同 旨 の 審 査 決 定 が あ っ た 場 合 と 同 様 の 措 置 を 義 務 付 け ら れ る も の と 解 さ れ る の で あ る か ら 審 査 委 員 会 の 審 査 決 定 を 介 在 さ せ る 必 要 は な い に も か か わ ら ず 全 部 取 消 判 決 を し て 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 に 改 め て 適 正 な 時 価 を 審 査 さ せ る こ と は 登 録 価 格 に 不 服 の あ る 審 査 申 出 人 の 救 済 の 機 会 を 先 延 ば し す る も の で あ る と 主 張 す る し か し 上 記 主 張 は い わ ゆ る 一 部 取 消 判 決 を し た 場 合 に は 市 町 村 長 が 当 然 に そ の 内 容 に 従 っ て 登 録 価 格 を 変 更 す べ き あ る こ と を 前 提 と す る も の で あ る が 仮 に そ の よ う な 一 部 取 消 し が 可 能 で あ る と し て も 当 該 判 決 に よ っ て 取 り 消 さ れ た 部 分 は 不 服 申 立 て に 対 す る 応 答 が さ れ て い な い 状 態 に 戻 っ て い る の で あ る か ら そ の よ う な 状 態 の ま ま で 市 町 村 長 が 登 録 価 格 を 変 更 す る べ き か 否 か に は 疑 問 が あ る 少 な く と も 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 か ら 審 査 決 定 が 通 知 さ れ て 初 め て 市 町 村 長 が 登 録 価 格 の 修 正 を 行 う と の 制 度 が 採 ら れ て い る 以 上 ( 法 4 3 5 条 1 項 ) 一 部 取 消 判 決 が 確 定 し た こ と の み で 市 町 村 長 に そ の 内 容 に 応 じ た 行 為 義 務 が 生 ず る と 解 す る こ と に は 疑 問 が あ り こ の 場 合 の 市 町 村 長 は 行 政 事 件 訴 訟 法 3 3 条 1 項 に い う 関 係 行 政 庁 に 該 当 し な い の で は な い か と 考 え ら れ る そ う す る と 上 記 主 張 は そ の 前 提 に 疑 問 が あ る と い わ ざ る 得 な い が 仮 に こ の 点 に お い て 市 町 村 長 が 同 項 に い う 関 係 行 政 庁 に 該 当 す る と の 前 提 に 立 つ と 同 項 の 定 め る 拘 束 力 は 主 文 だ け で な く 理 由 中 の 判 断 に も 生 ず る の で あ る か ら 原 告 が 当 初 求 め た よ う な 全 部 取 消 判 決 が さ れ た と し て も そ の 理 由 中 に 裁 判 所 が 正 し い と 考 え る 価 格 が 説 示 さ れ て い る な ら ば 市 町 村 長 は そ れ に 従 っ て 登 録 価 格 を 変 更 す る こ と に な る の で あ る か ら 全 部 取 消 判 決 を す る こ と に 何 ら 不 都 合 は な く あ え て 行 政 事 件 訴 訟 法 の 趣 旨 に 反 し て 一 部 取 消 判 決 を す る 必 要 は な い と い う こ と に な る さ ら に 上 記 見 解 は 全 部 取 消 判 決 が さ れ る と 審 査 申 出 人 が 裁 判 所 の 価 格 認 定 に 不 満 が あ っ た と し て も 取 消 判 決 に つ い て 控 訴 の 利 益 が 認 め ら れ ず 控 訴 で き な い の は 不 当 で あ る と も 主 張 す る し か し こ の よ う な 場 合 に は 被 告 が 控 訴 を す る の が 通 常 で あ り そ れ に よ っ て 事 件 が 控 訴 審 に 移 審 さ れ た と き に は 原 告 も 原 判 決 の 理 由 中 の 判 断 に 誤 り が あ る と 指 摘 し そ の 点 に つ い て の 控 訴 審 の 判 断 を 得 る こ と が 可 能 で あ る か ら 実 際 上 の 不 都 合 が 生 じ る こ と は ほ と ん ど な い と 考 え ら れ る ま た 全 部 取 消 判 決 の 理 由 中 の 判 断 に は 少 な く と も 被 告 に 対 し て 行 政 事 件 訴 訟 法 3 3 条 1 項 の 拘 束 力 が 生 ず る の で あ る か ら 原 告 が よ り 広 範 囲 の 拘 束 力 を 求 め た の に そ れ が 実 現 し て い な い 以 上 例 え ば 予 備 的 に 主 張 し た 相 殺 の 抗 弁 が 認 め ら れ て 請 求 棄 却 判 決 を 受 け た 被 告 と 同 様 控 訴 の 利 益 が あ る と 解 す る 余 地 が な い で は な い し そ の よ う な 解 釈 が 誤 り で あ る と す る と そ れ は 結 局 上 記 の よ う に 理 由 中 の 判 断 に 拘 束 力 を 認 め る と い う 通 常 の 民 事 訴 訟 と 異 な っ た 規 定 を 置 き な が ら 上 訴 の 利 益 に つ い て 特 別 の 規 定 を 置 か な か っ た 点 に お い て 行 政 事 件 訴 訟 法 に 立 法 上 の 不 備 が あ っ た こ と を 示 す も の で あ っ て そ の よ う な 立 法 上 の 不 備 を 解 釈 論 に よ っ て 補 う こ と は 困 難 と い う ほ か な い ( 5 ) し た が っ て 原 告 の 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 審 査 決 定 の 一 部 取 消 し を - 8 -

求 め る 請 求 は 不 適 法 な も の で あ っ て 却 下 を 免 れ な い と い う べ き で あ る し か る に 記 録 に よ れ ば 原 告 は 平 成 1 3 年 9 月 1 0 日 付 け 準 備 書 面 に お い て 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て を し て い る が こ れ が 訴 状 記 載 の 請 求 を 交 換 的 に 変 更 す る 趣 旨 で あ る の か 追 加 的 に 変 更 す る 趣 旨 で あ る の か が そ の 記 載 か ら は 必 ず し も 明 ら か で は な い 上 原 告 は 明 示 的 に 従 前 の 請 求 を 取 り 下 げ て は い な い こ と 被 告 も 同 日 付 け 準 備 書 面 に お い て 原 告 の 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 請 求 は そ れ 自 体 不 適 法 な も の で あ る と 主 張 す る の み で あ っ て 従 前 の 請 求 の 帰 趨 に つ い て は 何 ら 主 張 し て い な い こ と か ら す る と 原 告 の 同 日 付 け 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て は 追 加 的 変 更 の 申 立 て と み る の が 相 当 で あ る そ し て 訴 状 記 載 の 本 来 的 請 求 は 審 査 決 定 の 全 部 取 消 し を 求 め る も の で あ り 審 査 決 定 に 係 る 登 録 価 格 が 客 観 的 な 時 価 を 上 回 る こ と が 認 め ら れ る か ら 当 該 請 求 に は 理 由 が あ る と い う べ き で あ る 第 4 結 論 以 上 の 次 第 で あ る か ら 原 告 の 請 求 の う ち 平 成 1 3 年 9 月 1 0 日 付 け の 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て に 係 る 訴 え は 不 適 法 な も の で あ る か ら こ れ を 却 下 す る こ と と し 訴 状 記 載 の 請 求 は 理 由 が あ る か ら こ れ を 認 容 す る こ と と し 訴 訟 費 用 の 負 担 に つ い て 行 政 事 件 訴 訟 法 7 条 民 事 訴 訟 法 6 1 条 6 4 条 た だ し 書 を 適 用 し て 主 文 の と お り 判 決 す る ( 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 第 3 部 裁 判 長 裁 判 官 藤 山 雅 行 裁 判 官 村 田 斉 志 裁 判 官 日 暮 直 子 ) - 9 -

控 訴 審 : 東 京 高 裁 平 成 1 4 年 ( 行 コ ) 第 4 4 号 審 査 決 定 取 消 請 求 控 訴 事 件 ( 原 判 決 変 更 ) ( 控 訴 人 固 定 資 産 評 価 審 査 委 員 会 の 請 求 棄 却 )( 一 部 取 消 し )( 上 告 ) 判 決 ( 平 成 1 6 年 5 月 2 7 日 言 渡 ) 主 文 1 原 判 決 を 次 の と お り 変 更 す る 2 控 訴 人 が 被 控 訴 人 に 対 し 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で し た 本 件 土 地 に 係 る 平 成 1 2 年 度 固 定 資 産 課 税 台 帳 登 録 価 格 に つ い て の 審 査 申 出 に 対 す る 価 格 決 定 の う ち 同 土 地 の 価 格 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 を 超 え る 部 分 を 取 り 消 す 3 被 控 訴 人 の そ の 余 の 請 求 を 棄 却 す る 4 訴 訟 費 用 は 第 1 2 審 を 通 じ こ れ を 4 分 し そ の 1 を 被 控 訴 人 の そ の 余 を 控 訴 人 の 負 担 と す る 事 実 及 び 理 由 第 1 当 事 者 の 求 め た 裁 判 1 控 訴 人 ( 1 ) 原 判 決 主 文 第 2 項 を 取 り 消 す ( 2 ) 被 控 訴 人 の 請 求 を 棄 却 す る 2 被 控 訴 人 控 訴 棄 却 第 2 事 案 の 概 要 1 本 件 土 地 の 共 有 者 で あ る 被 控 訴 人 は 本 件 土 地 に つ き 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 平 成 1 2 年 度 の 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 る 違 法 な も の で あ る と し て 平 成 1 2 年 5 月 2 9 日 控 訴 人 に 対 し て 審 査 申 出 を し 控 訴 人 は 同 年 8 月 3 1 日 付 け で 登 録 価 格 を 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 か ら 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 へ と 一 部 変 更 す る 旨 の 決 定 ( 本 件 決 定 ) を し た 本 件 は 被 控 訴 人 が 本 件 決 定 に よ る 価 格 は な お 適 正 な 時 価 で あ る 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 を 上 回 る か ら 本 件 決 定 は 違 法 で あ る と し て 本 件 決 定 の 取 消 し ( 被 控 訴 人 は 当 初 の 本 件 決 定 の 全 部 取 消 し を 求 め る と の 請 求 の 趣 旨 を 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 を 上 回 る 部 分 の 取 消 し を 求 め る と の 請 求 の 趣 旨 に 変 更 す る 旨 の 申 立 て を し て い る ) を 求 め て い る 事 案 で あ る 原 判 決 は 本 件 土 地 の 賦 課 期 日 ( 平 成 1 2 年 1 月 1 日 ) に お け る 客 観 的 時 価 は 1 億 4 6 5 1 万 2 2 3 7 円 で あ り 本 件 決 定 に よ っ て 変 更 さ れ た 登 録 価 格 は な お こ れ を 上 回 る も の で あ る か ら 本 件 決 定 は 違 法 で あ る と し た そ し て 登 録 価 格 の 審 査 決 定 の 一 部 取 消 し を 求 め る こ と は で き な い も の と し 被 控 訴 人 の 請 求 の 趣 旨 変 更 申 立 て を 別 訴 の 提 起 と み て こ れ を 却 下 し た 上 で 本 件 決 定 を 全 部 取 り 消 し た こ れ に 対 し 控 訴 人 が 不 服 を 申 し 立 て た も の で あ る 2 以 上 の ほ か の 当 事 者 の 主 張 は 次 の と お り 付 加 す る ほ か 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 欄 第 2 ( 2 頁 以 下 ) 記 載 の と お り で あ る か ら こ れ を 引 用 す る ( 控 訴 人 の 当 審 に お け る 主 張 ) ( 被 控 訴 人 の 当 審 に お け る 主 張 ) ( 1 ) 固 定 資 産 の 登 録 価 格 と し て 法 が 予 ( 1 ) 同 一 の 位 置 に あ る 農 地 と 宅 地 に 定 す る 不 動 産 の 適 正 な 時 価 と は 正 常 つ い て 宅 地 よ り も 農 地 の 方 が 価 額 が 高 な 条 件 の 下 に 成 立 す る 当 該 不 動 産 の 取 引 価 く な る と い う よ う な 算 出 方 法 に は 合 理 性 格 す な わ ち 客 観 的 交 換 価 値 を い う も の で が な い 1 2 か 所 と い う 大 ま か な 区 分 に あ る そ し て そ の 概 念 に は 一 定 の 合 理 的 基 づ き 一 律 に 0. 7 5 と い う 画 地 計 算 幅 が 内 包 さ れ て い る 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 昭 法 等 適 用 相 当 分 を 乗 ず る と い う 取 扱 要 領 和 3 8 年 1 2 月 2 5 日 自 治 省 告 示 第 1 5 8 の 評 価 方 法 は 当 該 画 地 が 道 路 に 面 し て 号 以 下 評 価 基 準 と い う ) を 用 い た い る よ う な 場 合 は と も か く 道 路 か ら 離 場 合 で も そ の 適 用 運 用 に よ っ て は 必 れ て い る 本 件 土 地 の よ う な 場 合 に は 市 ず し も 同 じ 価 額 が 算 出 さ れ る も の で は な い 街 化 区 域 農 地 で あ り な が ら 宅 地 よ り も し 評 価 基 準 上 の 算 出 価 額 は 適 正 な 時 価 そ の 価 額 が 高 く 評 価 さ れ る 結 果 を も た ら と し て 法 が 許 容 す る 合 理 的 な 幅 を 想 定 す る す も の で あ り 不 合 理 で あ る 税 の 公 平 目 安 に は な っ て い る が 直 ち に 適 正 な 時 価 性 客 観 性 画 一 性 を 考 え れ ば 客 観 的 を 決 定 づ け る も の で は な い 評 価 基 準 は 裁 な 基 準 に よ る べ き で あ り 個 別 具 体 的 に 判 所 を 法 的 に 拘 束 す る も の で は な く 裁 判 修 正 を 加 え な け れ ば な ら な い と い う こ と 所 と し て は 控 訴 人 の 判 断 し た 価 額 が 評 価 は 取 扱 要 領 が 基 準 と し て の 合 理 性 基 準 に 則 っ て い た と し て も 必 ず し も 忠 実 明 確 性 を 欠 く も の で あ る こ と を 示 し て い に 則 っ て い な か っ た と し て も 法 の 要 求 す る 取 扱 要 領 の 破 綻 は 控 訴 人 が 0. 7 る 客 観 的 な 交 換 価 値 を 反 映 し た 価 額 と し て 5 と い う 一 律 に 定 め た 乗 率 で は な く 0. 妥 当 性 を 失 し て い な い か を 別 途 審 理 を 尽 6 と い う 乗 率 を 用 い た こ と か ら も 明 ら か く し て 検 討 す べ き で あ る し か る に 原 判 で あ る 決 は A 市 固 定 資 産 ( 土 地 ) 評 価 事 務 取 扱 ( 2 ) 原 判 決 が 画 地 計 算 法 を 用 い て - 10 -

要 領 ( 取 扱 要 領 ) が 評 価 基 準 に 照 ら し て 合 本 件 土 地 の 価 格 を 算 定 し た こ と は 相 当 で 理 性 を 欠 く と し 評 価 基 準 に つ い て 独 自 の あ る が 不 整 形 地 補 正 率 を 1. 0 0 と し 解 釈 を 示 し て こ れ に 従 い 裁 判 所 自 ら が た 点 及 び 通 路 開 設 補 正 率 を 適 用 し な か っ 評 価 基 準 に よ り 本 件 土 地 の 価 額 を 算 出 し て た 点 は 誤 り で あ る 得 ら れ た 金 額 を 適 正 な 時 価 で あ る と し 本 不 整 形 地 補 正 率 は 蔭 地 割 合 を 求 め た 上 件 決 定 に よ る 価 格 が こ れ を 上 回 る こ と か で そ の 補 正 率 を 定 め る も の で あ る が 蔭 ら 本 件 決 定 を 直 ち に 違 法 で あ る と 判 断 し 地 割 合 は 想 定 整 形 地 の 地 積 か ら 評 価 対 て お り 評 価 基 準 自 体 を 過 大 視 す る も の と 象 画 地 の 地 積 を 差 し 引 い て 想 定 整 形 地 い わ ざ る を 得 な い と の 比 率 を 求 め る も の で あ る そ し て 評 価 基 準 に お い て は 市 街 化 区 域 農 地 の 想 定 整 形 地 は 路 線 か ら の 垂 線 又 は 画 地 基 本 価 額 ( 造 成 費 相 当 額 を 控 除 す る 前 の 価 が 路 線 に 接 す る 両 端 を 結 ぶ 垂 線 に よ っ て 格 ) を 評 価 す る に 際 し て 状 況 が 類 似 す る 画 地 を 囲 む 矩 形 の う ち も っ と も 面 積 の 小 宅 地 ( 状 況 類 似 宅 地 ) の 価 額 に 比 準 す る 価 さ い も の を い う の で あ る 本 件 土 地 は 路 額 に よ っ て 定 め る こ と と さ れ て い る の み で 線 に 接 し て い な い の で そ の 想 定 整 形 地 あ り そ の 具 体 的 方 法 に つ い て は 直 接 規 は 路 線 か ら お ろ し た 垂 線 で 囲 む 矩 形 に 定 し て い な い す な わ ち 評 価 基 準 は 市 よ り 想 定 す る も の で あ る 原 判 決 が 前 提 街 化 区 域 農 地 の 基 本 価 額 に つ き 状 況 類 似 宅 と し た 想 定 整 形 地 は 本 件 土 地 自 体 を 矩 地 と の 合 理 的 均 衡 を 保 つ べ き こ と を 要 求 す 形 を 囲 ん だ に す ぎ す 路 線 か ら 垂 線 を お る が 具 体 的 な 評 価 方 法 に つ い て は 格 別 ろ し て 本 件 土 地 を 囲 ん だ も の で は な い か の 手 法 的 拘 束 を し な い こ と を 明 ら か に し て ら 算 出 さ れ た 蔭 地 割 合 は 誤 っ て い る い る の で あ る し た が っ て 市 町 村 長 が 正 し い 想 定 整 形 地 を 前 提 と し た 本 件 土 地 上 記 の 合 理 的 均 衡 を 保 つ に つ き 一 定 の 合 理 の 不 整 形 地 補 正 率 は 0. 7 2 又 は 0. 的 な 手 法 を 用 い て 評 価 し か つ 評 価 額 が 8 8 で あ る 結 果 と し て 合 理 的 均 衡 を 保 っ て い る 限 り に ま た 本 件 土 地 を 宅 地 と し て 利 用 す る お い て は 評 価 基 準 に 違 反 し て い る も の と に は 別 画 地 で あ る 別 件 土 地 に 通 路 を 設 は 解 さ れ な い し か る に 原 判 決 は 評 価 定 し な け れ ば な ら ず そ の 点 は 本 件 土 基 準 は 市 街 化 区 域 農 地 に 関 し 原 則 と し 地 と 別 件 土 地 の 所 有 者 が 同 一 で あ っ た と て 宅 地 の 評 価 方 法 を 適 用 す る こ と を 定 め た し て も 同 様 で あ る し か も 本 件 土 地 と も の と 解 す べ き で あ る と し 当 該 市 街 化 区 別 件 土 地 は 相 続 財 産 で あ っ て 共 有 土 域 農 地 自 体 に 直 接 的 に 市 街 地 宅 地 評 価 法 に 地 に す ぎ ず 遺 産 分 割 の 方 法 に よ っ て は 基 づ く 画 地 計 算 法 を 原 則 と し て 適 用 し な け 所 有 者 が 異 な る こ と が 予 想 さ れ る の で あ れ ば な ら な い と い う 独 特 な 解 釈 を し て い る し た が っ て 本 件 土 地 の 価 格 の 算 定 る に 当 た っ て は 通 路 開 設 補 正 率 を 適 用 す ( 2 ) 取 扱 要 領 に よ る 評 価 方 法 は 評 価 べ き で あ る 基 準 に 適 合 し 適 正 な 時 価 へ の 接 近 方 法 と ( 3 ) 乙 7 の 不 動 産 鑑 定 評 価 書 は い し て 一 般 的 合 理 性 を 有 す る そ の 具 体 的 方 わ ゆ る 実 勢 価 格 を 評 価 す る も の で あ り 法 は 市 内 を 1 2 か 所 の 状 況 類 似 地 域 に 分 固 定 資 産 税 賦 課 の た め の 算 定 評 価 で は な け 各 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 内 に あ る 宅 地 い 不 動 産 所 有 に つ い て の 租 税 で あ る 固 の 路 線 価 格 の 平 均 値 に 画 地 計 算 法 等 適 用 相 定 資 産 税 に お け る 適 正 な 時 価 は そ の 収 益 当 分 と し て の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ て 基 本 価 価 格 を 上 限 と す べ き で あ る し か も 同 額 を 求 め る も の で あ る 路 線 価 に 画 地 計 算 鑑 定 評 価 書 は 本 件 土 地 と 別 件 土 地 を 1 法 等 適 用 相 当 分 の 乗 率 を 乗 ず る と い う 枠 組 筆 と し て 利 用 す る こ と を 前 提 に そ の 価 格 み 自 体 は 画 地 計 算 法 と も 合 致 し て い る し を 算 定 評 価 を す る と い う 誤 り を 犯 し て い 路 線 価 は 平 均 値 で あ り し か も 一 般 に 地 る ま た 乙 8 の 鑑 定 評 価 補 充 書 は 乙 価 が 高 水 準 と な る 併 用 住 宅 地 区 を 除 く 普 通 7 が 本 件 土 地 の 最 有 効 使 用 と し て 一 戸 建 住 宅 地 区 内 の 路 線 価 を 用 い る こ と に よ っ て て 住 宅 を 建 築 し て 賃 貸 す る こ と を 想 定 し 謙 抑 的 な も の と し て い る 1 2 か 所 の 状 況 て 評 価 し て い る に も か か わ ら ず そ の 最 類 似 地 域 の 区 分 も A 市 に お け る 道 路 状 況 有 効 使 用 を 共 同 住 宅 建 築 と し た 上 開 発 や 公 共 施 設 等 の 接 近 そ の 他 の 利 用 上 の 便 等 行 為 の 必 要 性 や 東 京 都 建 築 安 全 条 例 上 の を 考 慮 し な が ら 地 域 分 け を し た も の で あ 問 題 等 を 無 視 し て 現 実 離 れ し た 無 理 な り か つ 地 域 ご と に 極 端 に 高 値 で あ る 路 計 画 を 立 て て お り こ れ に よ っ て 算 出 さ 線 価 格 を 排 除 し な が ら 平 準 化 さ れ た 合 理 れ た 収 益 還 元 価 格 は 採 用 す る こ と が で き 的 数 値 に 抑 制 的 に 平 均 路 線 価 を 設 定 し よ う な い と 試 み る も の で あ る ま た 0. 7 5 と い そ し て 乙 7 の 不 動 産 鑑 定 評 価 書 が 採 う 乗 率 も 画 地 計 算 法 に お け る 最 も 基 本 的 用 し た 最 有 効 使 用 を 前 提 と し た 上 で 本 な 補 正 要 素 で あ る 奥 行 価 格 補 正 に つ き そ 件 土 地 の 収 益 価 格 を 求 め る と 本 件 土 地 の の 補 正 率 の 下 限 値 で あ る 0. 8 0 を 超 え る 価 額 は 5 3 4 5 万 8 1 6 5 円 と な る す 補 正 を す る も の で あ る 本 件 土 地 に つ い て な わ ち 同 鑑 定 評 価 書 で は 土 地 残 余 法 は 直 接 に は 道 路 に 接 し て い な い と い う 外 に よ る 収 益 価 格 か ら 標 準 的 画 地 の 収 益 価 形 が あ る が 本 件 土 地 と 道 路 と の 間 に は 格 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 1 7 万 5 0 0 0 そ の 所 有 者 を 同 一 に す る 別 件 土 地 が 介 在 円 と し て い る が そ こ で 用 い ら れ て い る し 本 件 土 地 が 道 路 に 通 ず る に つ き 何 ら 支 還 元 利 回 り 4. 5 % を 民 事 法 定 利 率 と 同 障 や 障 害 を 与 え て い な い か ら 本 件 土 地 は じ 5 % と し て 計 算 す る と 1 平 方 メ ー ト ル 無 道 路 地 で は な い あ る い は 無 道 路 地 補 当 た り 1 5 万 円 と な る さ ら に 本 件 土 正 を す る 必 要 が な い と い う 判 断 も 十 分 に あ 地 の 個 別 的 要 因 に よ る 格 差 率 ( 相 乗 方 式 - 11 -

り 得 る し か し 控 訴 人 は よ り 謙 抑 的 に に よ れ ば 6 9 % 相 和 方 式 に よ れ ば 6 8 外 形 上 無 道 路 地 的 要 素 が 存 す る こ と を 尊 % ) を 考 慮 し た 上 で 本 件 土 地 の 造 成 費 重 し 一 般 的 合 理 性 の あ る 0. 7 5 と い う 本 件 土 地 及 び 別 件 土 地 の 分 筆 道 路 築 造 数 値 を さ ら に 0. 6 ま で 下 方 修 正 し て 適 用 工 事 費 給 排 水 ガ ス 工 事 費 道 路 用 地 し た も の で あ り ( 無 道 路 地 補 正 率 と し て 0. 取 得 価 額 等 7 9 0 6 万 8 8 4 5 円 を 控 除 6 を 適 用 し た も の で は な い ) 本 件 土 地 す る と 本 件 土 地 の 収 益 価 格 は 相 乗 方 の 基 本 価 額 を 1 2 万 4 8 0 0 円 / 平 方 メ ー 式 の 場 合 は 5 4 7 4 万 4 8 3 5 円 相 和 ト ル と 判 断 し た こ と は 別 件 土 地 と の 均 衡 方 式 の 場 合 は 5 2 1 7 万 1 4 9 5 円 と な か ら み て も 適 正 で あ り 何 ら 違 法 と い う り そ の 平 均 値 は 5 3 4 5 万 8 1 6 5 べ き も の で は な い 円 と な る 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 は こ ( 3 ) 仮 に 原 判 決 の よ う な 解 釈 を も っ の 収 益 価 格 を 上 限 と す べ き も の で あ る て 本 件 土 地 に 直 接 的 に 宅 地 の 評 価 方 法 ( 画 地 計 算 法 ) を 適 用 し た と し て も 原 判 決 の 評 価 基 準 の 解 釈 適 用 に は 誤 り が あ る ま ず 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は そ の 形 状 利 用 状 況 か ら み て 一 体 を な し て い る と い う べ き で あ り 1 画 地 と し て 評 価 す べ き も の で あ る 本 件 土 地 の 公 簿 上 の 地 目 は 畑 で あ り 農 地 と さ れ て い る が 実 際 に 耕 作 さ れ る な ど の 状 況 は な く ま た 両 土 地 の 境 は フ ェ ン ス や 樹 木 等 で 仕 切 ら れ て い る わ け で も な い 本 件 土 地 の 現 況 を 評 定 し た 場 合 本 件 土 地 と 別 件 土 地 の 区 別 は 母 屋 た る 建 物 が 別 件 土 地 内 に 存 す る 以 外 に 特 に 異 な る と こ ろ は な く こ れ を 別 々 の 画 地 と み る べ き 必 然 性 は 全 く な い 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は 1 画 地 と し て 評 価 さ れ る べ き も の で あ る ま た 本 件 土 地 は 評 価 基 準 上 の 無 道 路 地 に は 該 当 し な い 無 道 路 地 と い う 用 語 の 本 来 的 な 意 味 は 囲 繞 地 通 行 権 を 発 生 さ せ る よ う な 盲 地 で あ り 出 入 口 が 判 然 と し な い 場 合 又 は 全 く な い 場 合 の み が 評 価 基 準 で い う 無 道 路 地 の 取 扱 い を 受 け る も の で あ る 本 件 土 地 の よ う に 別 件 土 地 を 通 じ て 公 道 と 自 由 に 行 き 来 で き る 状 況 に あ る 場 合 無 道 路 地 補 正 率 の 適 用 は な い と い う べ き で あ る 仮 に 本 件 土 地 の 出 入 口 が 判 然 と し な い よ う な 場 合 で あ っ て も 本 件 土 地 と 隣 接 し 公 道 に 接 し て い る 別 件 土 地 と 本 件 土 地 の 所 有 者 が 同 一 で あ る 以 上 本 件 土 地 に つ き 囲 繞 地 通 行 権 が 発 生 す る 余 地 は な く そ の 所 有 者 が 囲 繞 地 通 行 権 の 行 使 等 を す る こ と に よ っ て 被 る 負 担 増 や 土 地 の 経 済 的 価 値 の 低 下 は な い の で あ る か ら 無 道 路 地 で は な い さ ら に 本 件 土 地 が 無 道 路 地 で あ る と し て も 原 判 決 が 当 然 の よ う に 無 道 路 地 補 正 率 0. 6 を 適 用 し た こ と は 適 正 さ を 欠 く も の で あ る 無 道 路 地 補 正 率 は 一 律 に 0. 6 と さ れ て い る も の で は な く 0. 6 は そ の 下 限 で あ る 本 件 土 地 と 別 件 土 地 の 現 況 利 用 状 況 か ら 別 画 地 と す べ き か 否 か も 疑 問 で あ る し 本 件 土 地 が 所 有 者 を 同 一 と す る 別 件 土 地 を 介 し て 道 路 に 通 じ て い る こ と か ら し て も 下 限 を 適 用 す る 理 由 は な い 上 記 補 正 率 の 決 定 を 左 右 す る 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 え て み て も 最 大 で も 0. 7 ま で の 適 用 し か な い と 解 す る の が 相 当 で あ る ち な み に 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は 所 有 者 を 同 一 と し て い る の で あ る か ら 道 路 取 得 費 用 と い う 架 空 の 経 費 を 控 除 す る こ と は 実 際 に そ の 費 用 を 必 要 と す る 納 税 者 と の 間 に 不 公 平 を 生 ず る の で あ り 原 判 示 の と お り 通 路 開 設 補 正 の 適 用 は な い と い う べ き - 12 -

で あ る ( 4 ) 乙 7 の 不 動 産 鑑 定 評 価 書 に よ れ ば 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 準 拠 し た 正 常 価 格 は 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 1 9 万 5 0 0 0 円 で あ り 本 件 土 地 全 体 の 正 常 価 格 は 2 億 5 0 9 0 万 0 6 5 0 円 と な り 本 件 決 定 に よ る 価 格 は 適 正 な 時 価 を 超 え る も の で は な い ま た 同 鑑 定 評 価 書 が 正 常 売 買 価 格 を 鑑 定 す る 上 で の 一 判 断 要 素 と し て 試 算 し た 収 益 価 格 は 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 1 7 万 5 0 0 0 円 で あ り 造 成 及 び 道 路 築 造 工 事 費 等 を 控 除 し た 場 合 の 最 終 価 格 は 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 1 6 万 7 8 8 8 円 で あ っ て や は り 本 件 決 定 に お け る 価 額 を 上 回 っ て い る ま た 乙 8 の 鑑 定 評 価 補 充 書 は 本 件 土 地 の 収 益 価 格 を 求 め る た め の 最 も 標 準 的 な 最 有 効 使 用 の 形 態 を ア パ ー ト の 建 築 で あ る と 想 定 し て 収 益 還 元 価 格 を 求 め た も の で あ る が 還 元 利 回 り を 4. 5 % と し て 算 出 し た 価 格 5 % と し て 算 出 し た 価 格 の い ず れ も が 本 件 決 定 に お け る 価 額 を 上 回 っ て い る 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 に つ い て 地 方 税 法 は 土 地 に 対 し て 課 す る 固 定 資 産 税 の 基 準 年 度 の 課 税 標 準 は 当 該 土 地 の 基 準 年 度 に 係 る 賦 課 期 日 に お け る 価 格 す な わ ち 適 正 な 時 価 で あ り 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た も の ( 登 録 価 格 ) で あ る と 定 め て い る ( 3 4 9 条 1 項 3 4 1 条 5 号 ) 適 正 な 時 価 と は 正 常 な 条 件 の 下 に 成 立 す る 当 該 不 動 産 の 取 引 価 格 す な わ ち 客 観 的 交 換 価 値 で あ る そ し て 同 法 は 固 定 資 産 の 評 価 の 基 準 並 び に 評 価 の 実 施 の 方 法 及 び 手 続 を 評 価 基 準 に ゆ だ ね 市 町 村 長 は こ の 評 価 基 準 に よ っ て 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 し な け れ ば な ら な い と 定 め て い る ( 同 法 3 8 8 条 1 項 4 0 3 条 1 項 ) 最 高 裁 平 成 1 0 年 ( 行 ヒ ) 第 4 1 号 同 1 5 年 6 月 2 6 日 第 1 小 法 廷 判 決 参 照 こ う し た 規 定 に よ れ ば 地 方 税 法 は 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 と な る 不 動 産 の 登 録 価 格 に つ い て 登 録 価 格 は 賦 課 期 日 に お け る 当 該 不 動 産 の 適 正 な 時 価 を 超 え て は な ら な い と い う 規 範 ( 第 1 の 規 範 ) を 定 め る 一 方 で 登 録 価 格 は 固 定 資 産 評 価 基 準 に よ っ て 決 定 さ れ る 価 格 を 超 え て は な ら な い と い う 規 範 ( 第 2 の 規 範 ) を も 定 め て い る も の と 解 す べ き で あ る 評 価 基 準 は 全 国 一 律 の 統 一 的 基 準 に よ る 評 価 に よ っ て 評 価 の 均 衡 を 図 る た め に 定 め ら れ る も の で あ る が そ れ は 固 定 資 産 評 価 に お け る 大 量 処 理 の 制 約 の 下 で 賦 課 期 日 に お け る 適 正 な 時 価 を 決 定 す る た め の も の で あ る か ら 不 動 産 の 登 録 価 格 が 評 価 基 準 に よ っ て 決 定 さ れ た も の で あ っ て も そ れ が 適 正 な 時 価 を 上 回 る も の で あ れ ば 第 1 の 規 範 に 違 反 す る こ と に な り 違 法 と な る 一 方 で そ の 登 録 価 格 が 個 別 具 体 的 に 算 出 さ れ た 当 該 不 動 産 の 適 正 な 時 価 を 下 回 っ て い た と し て も こ れ が 評 価 基 準 に よ っ て 決 定 さ れ る 価 格 を 超 え て い る も の と 評 価 さ れ る 場 合 に は 評 価 の 均 衡 を 失 す る こ と と な り 第 2 の 規 範 に 違 反 す る も の と し て 違 法 と な る 結 局 不 動 産 の 登 録 価 格 が 実 体 的 に 適 法 で あ る た め に は 両 規 範 を 満 た す 必 要 が あ る も の と い う べ き で あ る 控 訴 人 は 評 価 基 準 は 裁 判 所 を 拘 束 す る も の で は な く 裁 判 所 は そ の 評 価 が 評 価 基 準 に 従 っ て い る か 否 か に か か わ ら ず 地 方 税 法 の 要 求 す る 適 正 な 時 価 を 探 求 し 登 録 価 格 が そ の 合 理 的 な 幅 の 範 囲 内 に と ど ま っ て い る か 否 か を 判 断 す べ き で あ る 旨 を 主 張 す る よ う で あ る し か し な が ら 上 記 の と お り 不 動 産 の 登 録 価 格 が 仮 に 当 該 不 動 産 に つ い て 個 別 具 体 的 に 算 出 さ れ た 適 正 な 時 価 を 下 回 っ て い た と し て も そ れ が 評 価 基 準 に 従 っ て 算 出 さ れ る 価 格 を 上 回 る も の で あ る と す れ ば 第 2 の 規 範 に 違 反 す る も の と し て 違 法 と な る と い う べ き で あ る 控 訴 人 は 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 の 根 拠 と し て 乙 7 8 の 不 動 産 鑑 定 評 価 書 及 び 補 充 書 を 提 出 し 本 件 決 定 に 係 る 本 件 土 地 の 価 額 が こ れ ら の 鑑 定 評 価 書 等 に よ る 正 常 価 格 を 下 回 る か ら 適 正 な 時 価 を 超 え る も の で は な い と い う し か し 第 2 の 規 範 を 充 足 し て い な い 評 価 は 仮 に そ れ が 適 正 な 時 価 の 範 囲 内 で あ り 第 1 の 規 範 を 充 足 す る も の で あ っ た と し て も 違 法 で あ る こ と は 上 記 の と お り で あ る 本 件 に お い て は 後 記 の と お り む し ろ 控 訴 人 の 評 価 が 第 2 の 規 範 を 充 足 し て い る か 否 か が 問 題 と さ れ て い る と い う べ き で あ る か ら 本 件 決 定 に よ る 登 録 価 格 が こ う し た 鑑 定 評 価 書 等 に 記 載 さ れ た 正 常 価 格 を 下 回 っ て い る こ と を も っ て 本 件 決 定 が 違 法 で な い と い う こ と は で き な い こ の 点 に 関 す る 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 す る こ と が で き な い - 13 -

2 本 件 土 地 の 状 況 本 件 決 定 に 至 る 経 緯 及 び 本 件 決 定 の 内 容 当 事 者 間 に 争 い の な い 事 実 に 加 え 証 拠 ( 甲 1 5 8 9 1 1 乙 2 3 枝 番 を 含 む 以 下 同 じ ) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 以 下 の 事 実 が 認 め ら れ る ( 1 ) 本 件 土 地 及 び そ の 南 側 に 隣 接 す る 別 件 土 地 は 被 控 訴 人 を 含 む 亡 B の 相 続 人 が 共 有 し て い る 本 件 土 地 の 不 動 産 登 記 簿 上 の 地 目 は 畑 で あ り 本 件 土 地 上 に は 熱 帯 性 植 物 で あ る ポ ポ ー の 木 の ほ か 白 樺 や 白 雲 木 な ど が 生 い 茂 っ て い る 別 件 土 地 は そ の 南 側 で 幅 員 約 7 m の 街 路 ( 南 側 街 路 ) に 接 し て お り 別 件 土 地 上 に は 被 控 訴 人 ら が 居 住 す る 建 物 が 建 て ら れ て い る 本 件 土 地 は 路 線 に 接 し て お ら ず 本 件 土 地 へ の 出 入 り は 別 件 土 地 を 利 用 し て 行 わ れ て い る ( 2 ) 本 件 土 地 の 不 動 産 登 記 簿 上 及 び 現 況 の 地 目 は い ず れ も 畑 で あ り 地 方 税 法 附 則 1 9 条 の 2 第 1 項 に 規 定 す る 市 街 化 区 域 農 地 に 該 当 す る 評 価 基 準 は 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に つ い て 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 価 額 か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 費 に 相 当 す る 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る も の と し て い る ( 第 1 章 第 2 節 の 2 ) A 市 に お い て は 評 価 基 準 に 基 づ き 取 扱 要 領 を 定 め こ れ に 基 づ き 土 地 の 評 価 を 行 っ て い る 取 扱 要 領 は 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に つ い て は 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 の 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 基 本 価 額 か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 費 相 当 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る と い う 評 価 基 準 と 同 様 の 一 般 論 を 前 提 と し た 上 で そ の 基 本 価 額 は 市 内 を 1 2 か 所 の 状 況 類 似 地 域 に 分 け 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 に 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 と し て の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ て 得 た 価 額 と し 高 圧 線 影 響 地 補 正 以 外 の 画 地 計 算 法 は 適 用 し な い も の と 定 め て い る な お 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 は 市 街 地 宅 地 評 価 法 に よ り 評 定 さ れ た 状 況 類 似 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 の 路 線 価 格 の 平 均 価 格 と す る こ と と さ れ 造 成 費 相 当 額 は 東 京 都 か ら 通 知 さ れ る 価 額 を 参 考 に し て 求 め る も の と 定 め ら れ て い る ( 3 ) A 市 長 は 次 の と お り 本 件 土 地 に 対 す る 平 成 1 2 年 度 の 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 と な る べ き 価 格 を 算 出 し そ の 価 格 で あ る 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 を 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 し た ア 本 件 土 地 と 状 況 が 類 似 す る 地 域 内 の 普 通 住 宅 地 区 の 各 路 線 に つ い て 市 街 地 宅 地 評 価 法 に よ っ て 評 定 さ れ た 各 路 線 価 格 の 平 均 価 格 2 0 万 8 0 0 0 円 に 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 と し て の 乗 率 0. 7 5 を 乗 じ 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 基 本 価 額 を 1 5 万 6 0 0 0 円 と 算 出 し た 2 0 万 8 0 0 0 円 0. 7 5 = 1 5 万 6 0 0 0 円 イ 上 記 基 本 価 額 に 本 件 土 地 の 地 積 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル を 乗 じ て 平 成 1 1 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 価 額 を 算 出 し た 上 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 に 伴 う 修 正 率 を 0. 9 7 と し て 平 成 1 2 年 度 の 価 額 を 1 億 9 4 6 9 万 8 9 0 4 円 と 算 出 し た 1 5 万 6 0 0 0 円 1 2 8 6. 6 7 0. 9 7 = 1 億 9 4 6 9 万 8 9 0 4 円 ウ 上 記 平 成 1 2 年 度 の 価 額 か ら 東 京 都 か ら 通 知 さ れ る 価 額 を 参 考 に し て 求 め た 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 造 成 費 2 1 0 0 円 に 地 積 を 乗 じ て 得 ら れ た 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 2 0 0 7 円 を 控 除 し て 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 度 の 登 録 価 格 を 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 と 算 出 し た 1 億 9 4 6 9 万 8 9 0 4 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 = 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 ( 4 ) 被 控 訴 人 は 平 成 1 2 年 5 月 2 9 日 控 訴 人 に 対 し 本 件 土 地 の 登 録 価 格 を 不 服 と し て 審 査 の 申 出 を し た 控 訴 人 は 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 本 件 土 地 は 1 画 地 と し て 評 価 す べ き で あ り 直 接 に は 路 線 に 接 し な い こ と を 前 提 と す る と 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 と の 関 係 で は 画 地 計 算 法 上 の 無 道 路 地 補 正 の 適 用 が 認 め ら れ 得 る 土 地 で あ る か ら A 市 長 が 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て 適 用 し た 画 地 計 算 法 等 適 用 相 当 分 の 乗 率 0. 7 5 は 適 当 で な く 無 道 路 地 補 正 率 に 相 当 す る 乗 率 0. 6 を 適 用 す る こ と と し て 次 の 計 算 の と お り 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 を 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 と 算 出 し 被 控 訴 人 の 審 査 申 出 は こ の 限 度 に お い て 理 由 が あ る と し て 登 録 価 格 を 同 価 格 と 変 更 す る 内 容 の 本 件 決 定 を し た 2 0 万 8 0 0 0 円 0. 6 = 1 2 万 4 8 0 0 円 1 2 万 4 8 0 0 円 1 2 8 6. 6 7 0. 9 7 = 1 億 5 5 7 5 万 9 1 2 3 円 1 億 5 5 7 5 万 9 1 2 3 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 - 14 -

= 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 3 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に つ い て 本 件 に お い て 問 題 と さ れ て い る の は 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 で あ る が 上 記 認 定 事 実 の と お り 評 価 基 準 は 市 街 化 区 域 農 地 に つ い て は 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 価 額 か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 費 に 相 当 す る 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る も の と し て い る こ う し た 評 価 基 準 に よ る 評 価 の 手 法 は 市 街 化 区 域 農 地 が 市 街 化 区 域 内 に 存 す る 農 地 で あ り 将 来 的 に は 宅 地 と し て 利 用 さ れ る 蓋 然 性 が 高 く 実 質 的 に み れ ば 宅 地 と し て の 潜 在 的 価 値 を 有 し 実 際 の 売 買 価 格 も 宅 地 と 同 水 準 に あ る こ と か ら 近 隣 の 宅 地 等 と の 均 衡 を 図 る 必 要 が あ る 一 方 市 街 化 区 域 農 地 は あ く ま で も 農 地 で あ る か ら 宅 地 と す る た め に は 土 盛 り 及 び 整 地 を し な け れ ば な ら な い た め 土 盛 り 等 の 造 成 費 相 当 分 を 控 除 す る こ と と し た も の と 認 め ら れ る し た が っ て 評 価 基 準 の 上 記 手 法 は 市 街 化 区 域 農 地 の 適 正 な 時 価 を 算 定 す る た め の 評 価 手 法 と し て 一 般 的 な 合 理 性 を 有 す る と 認 め ら れ る そ し て 通 常 A 市 の よ う な 大 都 市 近 郊 の 市 街 化 区 域 内 に お い て は 特 段 の 事 情 が な い 限 り 同 一 の 位 置 に あ る 農 地 の 基 本 価 額 が 宅 地 ( 厳 密 に い え ば 未 造 成 で あ り 宅 地 と し て 利 用 す る に は 土 盛 り 及 び 整 地 を し な け れ ば な ら な い 宅 地 ) の 価 額 を 上 回 る こ と は 想 定 し 難 い と い う べ き で あ る そ う す る と 本 件 土 地 の 評 価 に つ い て は 市 街 化 区 域 農 地 に つ い て 宅 地 に 比 準 し て そ の 価 額 を 求 め る こ と と し て い る 評 価 基 準 は 市 街 化 区 域 農 地 で あ る 本 件 土 地 が 同 一 の 位 置 に あ る 宅 地 の 価 額 を 上 回 る こ と は 想 定 し て い な い も の と 解 す べ き で あ り 本 件 土 地 の 評 価 額 が 本 件 土 地 を 宅 地 と 同 様 に 画 地 計 算 法 に 従 っ て 評 価 し た 額 を 上 回 っ て い る と す れ ば そ の 評 価 は 評 価 基 準 に 従 っ た も の と は い え ず そ の 限 度 で 違 法 と な る も の と い う べ き で あ る な お 甲 2 9 に よ れ ば 改 正 後 の A 市 固 定 資 産 ( 土 地 ) 評 価 事 務 取 扱 要 領 ( 改 正 後 の 取 扱 要 領 ) に お い て は 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 方 法 に つ い て は 従 前 の 評 価 方 法 か ら そ の 基 本 価 額 は 市 街 地 宅 地 評 価 法 に 準 ず る 方 法 評 価 基 準 別 表 第 3 に 定 め る 画 地 計 算 法 を 適 用 し 求 め る も の と す る が 農 地 と し て の 特 性 を 考 慮 し て 画 地 計 算 法 の 定 め る 側 方 路 線 影 響 加 算 法 二 方 路 線 影 響 加 算 法 は 適 用 し な い も の と す る と い う 方 法 に 改 正 さ れ て い る と こ ろ で あ る 4 本 件 土 地 の 評 価 に つ い て 以 下 本 件 土 地 に つ き 宅 地 と 同 様 に 画 地 計 算 法 に 従 っ て 評 価 し た 場 合 の 価 額 に つ い て 検 討 す る ( 1 ) 控 訴 人 は 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は そ の 形 状 利 用 状 況 か ら み て 一 体 を な し て い る と い う べ き で あ り 両 土 地 を 併 せ て 1 画 地 と し て 評 価 す べ き も の で あ る 旨 を 主 張 す る し か し な が ら 上 記 認 定 事 実 の と お り 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は 不 動 産 登 記 簿 上 の 地 番 及 び 地 目 を 異 に す る も の で あ る し そ の 現 況 も 別 件 土 地 上 に は 被 控 訴 人 ら が 居 住 す る 建 物 が 建 て ら れ て い る 一 方 本 件 土 地 上 に は 樹 木 が 生 い 茂 っ て お り 両 者 が 一 体 と し て 利 用 さ れ て い る も の と は 認 め 難 い 現 に 控 訴 人 に お い て も 本 件 土 地 と 別 件 土 地 を 別 の 画 地 と し て そ の 評 価 を 行 っ て い た の で あ る そ う す る と 本 件 土 地 と 別 件 土 地 の 境 界 に フ ェ ン ス 等 が な い こ と を 考 慮 し て も 両 土 地 を も っ て 1 画 地 と み る こ と は で き な い と い う べ き で あ る こ の 点 に 関 す る 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 す る こ と が で き な い ( 2 ) そ こ で 本 件 土 地 を 1 画 地 と し て 宅 地 に お け る 画 地 計 算 法 に 従 っ て 評 価 し た 場 合 の 価 額 を 検 討 す る ア 乙 7 に よ れ ば 本 件 土 地 は 市 街 地 的 形 態 を 有 す る 区 域 内 に 存 在 す る と 認 め ら れ る か ら 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は ま ず 市 街 地 宅 地 評 価 法 で あ る 路 線 価 方 式 に よ り 路 線 価 を 算 定 し た 上 で 画 地 計 算 法 を 適 用 し て 価 額 を 算 定 す る こ と と す る 上 記 認 定 事 実 の と お り 本 件 土 地 は 直 接 路 線 に 接 し な い 土 地 で あ り 評 価 基 準 上 の 無 道 路 地 に 当 た る と い う べ き で あ る 控 訴 人 は 本 件 土 地 の よ う に 別 件 土 地 を 通 じ て 公 道 と 自 由 に 行 き 来 で き る 状 況 に あ る 土 地 に は 囲 繞 地 通 行 権 が 発 生 す る 余 地 は な く 無 道 路 地 と は な ら な い 旨 を 主 張 す る し か し な が ら 本 件 土 地 を 別 件 土 地 と は 異 な る 一 つ の 画 地 と し て み る 以 上 本 件 土 地 は 直 接 路 線 に 接 し て い な い 土 地 で あ る と い わ ざ る を 得 な い 評 価 基 準 は そ の 画 地 計 算 法 に お い て 路 線 に 接 し な い 土 地 を 無 道 路 地 と し て い る の で あ っ て 周 辺 土 地 の 所 有 者 と の 関 係 等 を 考 慮 し て 囲 繞 地 通 行 権 が 発 生 す る か 否 か に よ っ て 無 道 路 地 と な る か 否 か を 決 定 す る こ と と し て い る も の と 解 す る こ と は で き な い 本 件 土 地 を 一 つ の 画 地 と し て 評 価 す る 場 合 に は 路 線 に 接 し て い な い こ と に よ り そ の 評 点 が 下 が る こ と は む し ろ 当 然 と い う べ き で あ る こ の 点 に 関 す る 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 す る こ と が で き な い イ 評 価 基 準 ( 乙 1 ) に よ れ ば 無 道 路 地 の 評 点 算 出 法 は 当 該 無 道 路 地 を 利 用 す る 場 合 に お い て そ の 利 用 上 最 も 合 理 的 で あ る と 認 め ら れ る 路 線 の 路 線 価 に 奥 行 価 格 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 通 路 開 設 補 正 率 表 に よ っ て 求 - 15 -

め た 補 正 率 及 び そ の 無 道 路 地 の 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 ( 下 限 0. 6 ) を 乗 じ て 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 を 求 め こ れ に 当 該 無 道 路 地 の 地 積 を 乗 じ て そ の 評 点 数 を 求 め る こ と と さ れ て い る 甲 6 に よ れ ば 本 件 土 地 の 利 用 上 最 も 合 理 的 で あ る と 認 め ら れ る 路 線 は 南 側 街 路 で あ り そ の 路 線 価 は 2 4 万 6 0 0 0 点 で あ る そ し て 甲 5 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 本 件 土 地 は 普 通 住 宅 地 区 に あ り 正 面 路 線 か ら の 遠 い 奥 行 は 約 8 8. 5 m 近 い 奥 行 は 3 0 m 超 で あ る そ う す る と 奥 行 価 格 補 正 率 は 評 価 基 準 別 表 第 3 の 附 表 1 に よ り 正 面 路 線 か ら の 遠 い 奥 行 が 8 8 メ ー ト ル 以 上 1 0 0 メ ー ト ル 未 満 の 場 合 の 0. 8 1 が 適 用 さ れ る ま た 通 路 開 設 補 正 率 は 評 価 基 準 別 表 第 3 の 附 表 9 に よ り 正 面 路 線 か ら の 近 い 奥 行 が 3 0 m 超 の 場 合 の 0. 6 が 適 用 さ れ る 控 訴 人 は 通 路 開 設 補 正 率 に つ い て は 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は 所 有 者 を 同 一 と し て い る の で あ る か ら 道 路 取 得 費 用 と い う 架 空 の 経 費 を 控 除 す べ き で は な い 旨 を 主 張 し 取 扱 要 領 に よ れ ば 実 際 に 利 用 し て い る 街 路 へ の 通 路 が 同 一 の 所 有 者 で あ る 場 合 等 に は 通 路 開 設 補 正 は 適 用 し な い も の と し て い る し か し な が ら 本 件 土 地 が 別 件 土 地 と は 異 な る 画 地 と み る べ き こ と は 上 記 の と お り で あ り 現 に 別 件 土 地 は 本 件 土 地 の た め の 通 路 の 負 担 を 伴 う 土 地 と し て は 評 価 さ れ て い な い ( 甲 1 ) そ し て 評 価 基 準 上 本 件 土 地 を 一 つ の 画 地 と し て 評 価 す る 場 合 に は そ の 利 用 に 当 た っ て 道 路 の 開 設 が 必 要 と な る こ と は こ れ に 接 し て 同 一 所 有 者 の 土 地 が あ る か 否 か に か か わ ら な い と い う べ き で あ り 道 路 の 取 得 開 設 費 用 が 架 空 の 費 用 で あ る な ど と は い え な い 評 価 基 準 は 画 地 計 算 法 の 適 用 に お い て 市 町 村 長 が 宅 地 の 状 況 に 応 じ て 必 要 が あ る と き は 評 価 基 準 別 表 第 3 の 画 地 計 算 表 の 附 表 等 に つ い て 所 用 の 補 正 を し て こ れ を 適 用 す る も の と す る 旨 を 定 め て い る 第 1 章 第 3 節 二 ( 一 ) 4 し か し 評 価 基 準 は 当 該 宅 地 の 客 観 的 状 況 を 考 慮 し た 補 正 率 等 の 所 用 の 補 正 を 想 定 し て い る も の と 解 す べ き で あ り 無 道 路 地 で あ る 当 該 宅 地 に 通 じ る 別 画 地 に 含 ま れ る 通 路 の 権 利 関 係 を 確 定 し た 上 で 画 地 計 算 上 異 な る 取 扱 い を す る こ と を 想 定 し て い る も の と は 解 し 難 い 事 実 上 同 一 所 有 者 の 土 地 を 利 用 し て 街 路 へ の 通 路 と し て い る 場 合 に つ き 通 路 開 設 補 正 率 の 適 用 自 体 を 否 定 す る こ と は 評 価 基 準 の 想 定 す る 所 用 の 補 正 の 範 囲 を 超 え る も の と い う べ き で あ り 通 路 開 設 補 正 率 の 適 用 自 体 を 否 定 し て 行 う 評 価 は そ の 限 度 で 評 価 基 準 に 従 っ た 評 価 と は い え な い と 解 す べ き で あ る そ し て 取 扱 要 領 は 通 路 開 設 補 正 率 自 体 に つ い て は 評 価 基 準 別 表 3 の 附 表 9 と 同 様 の 補 正 率 を 定 め て い る し た が っ て 評 価 基 準 の 定 め る 画 地 計 算 法 に 従 っ て 評 価 す る 場 合 本 件 土 地 に つ い て は 通 路 開 設 補 正 率 0. 6 を 適 用 す る の が 相 当 で あ る と い う べ き で あ る ウ 評 価 基 準 は 無 道 路 地 補 正 率 に つ い て そ の 下 限 を 0. 6 と し た 上 で そ の 無 道 路 地 と 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 表 に よ る も の と し て お り そ の 補 正 率 の 数 値 に つ い て は 具 体 的 な 基 準 を 示 し て い な い 取 扱 要 領 は こ の 評 価 基 準 に 基 づ い て 具 体 的 な 基 準 を 定 め て い る も の で あ る が 無 道 路 地 補 正 率 に つ い て は 一 律 に 0. 6 ( 4 0 % 減 価 ) と 定 め て い る 控 訴 人 は 評 価 基 準 の 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 は 1. 0 か ら 0. 6 ま で あ り 所 有 者 を 同 じ く す る 別 件 土 地 に よ っ て 街 路 に 通 じ て い る 本 件 土 地 に つ き 無 道 路 地 補 正 率 0. 6 を 適 用 す る こ と は で き な い 旨 を 主 張 す る 確 か に 評 価 基 準 は 無 道 路 地 補 正 率 に つ き そ の 具 体 的 基 準 を 示 し て い な い と こ ろ で あ る が 取 扱 要 領 は 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 表 に つ い て は 段 階 的 な 基 準 を 定 め る こ と な く 平 成 1 2 年 度 か ら は 一 律 に 下 限 で あ る 0. 6 を 適 用 す べ き も の と し て い る ( 平 成 1 1 年 度 ま で は 一 律 に 0. 7 を 適 用 す る も の と し て い る ) 取 扱 要 領 上 近 傍 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し た 段 階 的 な 基 準 を 定 め て い な い 理 由 は 特 に 記 載 さ れ て い な い そ う す る と A 市 に お い て は 大 都 市 近 郊 の 市 街 化 宅 地 の 評 価 に つ き 無 道 路 地 で あ る こ と に よ る 補 正 は こ う し た 一 律 の 補 正 率 の 適 用 で 足 り る と し て い る も の と 解 さ れ る の で あ り そ の よ う に 定 め る こ と が 不 合 理 と も い え な い そ し て 取 扱 要 領 が 同 一 の 所 有 者 の 土 地 を 利 用 し て 街 路 に 通 じ る 土 地 に つ き 通 路 開 設 補 正 率 を 適 用 し な い と し て い る こ と と の 関 係 で こ の よ う な 一 律 の 無 道 路 地 補 正 率 を 定 め て い る の か 否 か は 明 ら か で は な い 以 上 に よ れ ば 他 に そ の よ う な 取 扱 要 領 の 基 準 の 合 理 性 を 疑 わ せ る よ う な 事 情 が う か が わ れ な い 本 件 に お い て は 本 件 土 地 の 無 道 路 地 補 正 率 に つ き 取 扱 要 領 の 定 め る 0. 6 の 補 正 率 を 適 用 す べ き で あ る エ 本 件 土 地 は 不 整 形 地 で あ る が 甲 第 5 号 証 の 1 及 び 2 並 び に 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 普 通 住 宅 地 区 に あ り 蔭 地 割 合 が 1 0 % 未 満 で あ る か ら 不 整 形 地 補 正 率 1. 0 0 が 適 用 さ れ る と い う べ き で あ る 被 控 訴 人 は 蔭 地 割 合 は 想 定 整 形 地 の 地 積 か ら 評 価 対 象 画 地 の 地 積 を 差 し 引 い て 想 定 整 形 地 と の 比 率 を 求 め る も の で あ る が 想 定 整 形 地 は 路 線 - 16 -

か ら 垂 線 を お ろ し て 囲 む こ と に よ り 想 定 す る も の で あ り 路 線 と 無 関 係 に 本 件 土 地 を 囲 む 想 定 整 形 地 を 判 定 す る こ と は 誤 っ て い る 旨 を 主 張 す る 確 か に 取 扱 要 領 に は 想 定 整 形 地 と は 路 線 か ら の 垂 線 又 は 画 地 が 路 線 に 接 す る 両 端 を 結 ぶ 直 線 か ら の 垂 線 に よ っ て 画 地 を 囲 む 矩 形 の う ち 最 も 面 積 の 小 さ い も の を い う 旨 規 定 さ れ て い る し か し 一 方 で 取 扱 要 領 は 無 道 路 地 に つ い て は 奥 行 価 格 補 正 率 通 路 開 設 補 正 率 無 道 路 地 補 正 を 適 用 す る が 近 傍 の 宅 地 の 価 格 と の 均 衡 を 考 慮 し さ ら に 必 要 が あ る と 認 め る 場 合 不 整 形 地 補 正 率 を 適 用 す る も の と す る に と ど ま っ て い る そ う す る と 路 線 か ら の 垂 線 に よ り 想 定 整 形 地 を 判 定 す る 旨 の 上 記 規 定 は 当 該 画 地 が 路 線 に 接 し て い る こ と を 想 定 し た も の と 解 す る こ と が で き 路 線 と 接 し て い な い 無 道 路 地 に つ い て は 直 接 の 適 用 が な い も の と 解 す る こ と が で き る 実 際 に も 無 道 路 地 で あ る 宅 地 の 利 用 を 考 慮 す る 場 合 に は 直 接 接 す る 路 線 が な い た め 通 路 開 設 等 を 行 う こ と に な り そ の 通 路 を 介 し て 正 面 路 線 と 通 じ る こ と に な る の で あ る か ら 当 該 画 地 そ れ 自 体 の 不 整 形 の 点 は 格 別 利 用 上 想 定 さ れ る 正 面 路 線 と 当 該 画 地 と が 接 す る 角 度 等 は 必 ず し も 宅 地 と し て の 利 用 の し や す さ と 結 び 付 く も の と も 考 え ら れ な い し た が っ て 無 道 路 地 に お け る 不 整 形 地 補 正 に お い て 路 線 と 無 関 係 に 当 該 画 地 を 囲 む 想 定 整 形 地 を 判 定 す る こ と が 不 合 理 と は い え な い こ の 点 に 関 す る 被 控 訴 人 の 主 張 は 採 用 す る こ と が で き な い な お 甲 2 9 に よ れ ば 改 正 後 の 取 扱 要 領 に お い て は 無 道 路 地 に お い て 不 整 形 地 補 正 率 を 適 用 す る 場 合 の 想 定 整 形 地 は 当 該 画 地 を 囲 む 最 も 面 積 の 小 さ い 矩 形 と す る 旨 明 記 さ れ る に 至 っ て い る と こ ろ で あ る ( 3 ) 以 上 に よ れ ば 本 件 土 地 に つ き 宅 地 と 同 様 の 画 地 計 算 法 に 従 っ た 場 合 の 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 は 7 万 1 7 3 3 点 と な り そ の 地 積 を 乗 じ た 本 件 土 地 の 評 点 数 は 9 2 2 9 万 6 6 9 9 点 と な る 2 4 万 6 0 0 0 点 0. 8 1 0. 6 0. 6 1. 0 0 = 7 万 1 7 3 3 点 ( 路 線 価 奥 行 価 格 補 正 率 通 路 開 設 補 正 率 無 道 路 地 補 正 率 不 整 形 地 補 正 率 = 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 小 数 点 以 下 切 捨 て 以 下 同 じ ) 7 万 1 7 3 3 点 1 2 8 6. 6 7 平 方 メ ー ト ル = 9 2 2 9 万 6 6 9 9 点 ( 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 本 件 土 地 の 地 積 = 本 件 土 地 の 評 点 数 ) 甲 1 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 に よ れ ば 宅 地 で あ る 別 件 土 地 の 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 修 正 率 は 0. 9 7 9 で あ る こ と が 認 め ら れ る そ し て 平 成 1 2 年 1 月 1 日 時 点 に お け る 本 件 土 地 の 価 額 を 宅 地 と 同 様 の 画 地 計 算 法 に よ っ て 求 め る 場 合 す な わ ち 本 件 土 地 を 宅 地 と 仮 定 し て 本 件 土 地 の 造 成 費 相 当 額 控 除 前 の 基 本 価 額 を 求 め る 場 合 に は 別 件 土 地 と 同 様 の 地 価 下 落 修 正 率 を 適 用 し て 同 日 時 点 の 価 額 を 求 め る べ き で あ る そ う す る と 本 件 土 地 の 同 日 時 点 で の 価 額 は 9 0 3 5 万 8 4 6 8 円 と な る 9 2 2 9 万 6 6 9 9 点 1 円 0. 9 7 9 = 9 0 3 5 万 8 4 6 8 円 ( 本 件 土 地 の 評 点 数 1 点 当 た り の 価 額 地 価 下 落 修 正 率 = 平 成 1 2 年 1 月 1 日 に お け る 価 額 1 円 未 満 切 捨 て ) そ し て 本 件 土 地 は 実 際 に は 宅 地 で は な い の で 宅 地 に 転 用 す る た め の 造 成 費 相 当 額 を 控 除 す べ き で あ り そ の 造 成 費 相 当 額 は 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り 2 1 0 0 円 で あ る か ら 上 記 価 額 か ら 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 2 0 0 7 円 を 控 除 す る と 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 と な る 9 0 3 5 万 8 4 6 8 円 - 2 7 0 万 2 0 0 7 円 = 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 ( 4 ) 以 上 に よ れ ば 本 件 決 定 に よ り 変 更 さ れ た 本 件 土 地 の 登 録 価 格 は な お 評 価 基 準 に 従 っ て 算 定 さ れ る べ き 価 格 を 上 回 っ て い る と 認 め ら れ そ の 限 度 で 違 法 と い う べ き で あ る な お 被 控 訴 人 は 収 益 価 格 を 上 限 と し た 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 は 5 3 4 5 万 8 1 6 5 円 で あ る 旨 を 主 張 す る が そ の 根 拠 と な る 収 益 価 格 の 算 定 方 法 は 本 件 土 地 の 個 別 的 要 因 に よ る 格 差 率 に つ き 乙 7 の 不 動 産 鑑 定 評 価 書 に お い て 6 m 道 路 を 築 造 す る こ と を 前 提 と し た 道 路 潰 地 相 当 に 関 す る 格 差 率 2 7 % 造 成 道 路 工 事 費 等 相 当 に 関 す る 格 差 率 2 % の う ち 前 者 を 含 め た 格 差 率 を 用 い た 上 で 自 ら の 試 算 に 係 る 多 額 の 造 成 道 路 工 事 費 等 だ け で は な く 本 件 土 地 の 利 用 の た め に 6 m 道 路 を 取 得 す る 費 用 等 を も 控 除 す る な ど 独 自 の 計 算 に 基 づ く も の で あ り こ れ を も っ て 本 件 土 地 の 適 正 な 時 価 を 示 す も の と は 認 め 難 い そ し て 他 に 上 記 ( 3 ) 認 定 に 係 る 評 価 基 準 に 従 っ て 算 定 さ れ る べ き 本 件 土 地 の 価 格 が 適 正 な 時 価 を 上 回 っ て い る こ と を 認 め る に 足 り る 証 拠 は な い 3 審 査 決 定 の 一 部 取 消 し の 可 否 に つ い て 固 定 資 産 の 登 録 価 格 が そ の 評 価 の 手 続 過 程 の 適 否 で は な く 結 果 と し て 算 定 さ れ た 価 格 が 適 正 な 時 価 な い し 評 価 基 準 に 従 っ て 算 定 さ れ る 価 格 を 超 え る か 否 か に つ い て 争 わ れ て い る 場 合 登 録 価 格 に 対 す る 不 服 は 数 額 的 に 可 分 な も の と 解 さ れ る し 登 録 価 格 が ど の 限 度 に お い て 違 法 と な る か を 観 念 す る こ と が で き る し た が っ て 登 録 価 格 に つ い て の 審 査 決 定 が 当 然 に 不 可 分 な も の と は い え ず そ の 取 消 訴 訟 に お い て - 17 -

は 審 査 決 定 に よ る 価 格 が 適 正 な 時 価 な い し 評 価 基 準 に 従 っ て 算 定 さ れ る 価 格 を 超 え る 場 合 に は そ の 超 え る 限 度 に お い て 違 法 と さ れ そ の 超 え る 部 分 を 取 り 消 す こ と が で き る と 解 す べ き で あ る ( 前 掲 最 高 裁 第 1 小 法 廷 判 決 参 照 ) こ れ と 異 な る 原 判 決 の 判 断 は 相 当 と は い え な い そ う す る と 本 件 決 定 の 全 部 取 消 し を 求 め る 訴 え と 本 件 決 定 の う ち 被 控 訴 人 が 主 張 す る 価 格 を 超 え る 部 分 の 取 消 し を 求 め る 訴 え と は 本 件 決 定 の 取 消 し を 求 め る 同 一 の 訴 え と い う べ き で あ る 原 判 決 は 被 控 訴 人 が 主 張 す る 価 格 を 超 え る 部 分 の 取 消 し を 求 め る 旨 の 請 求 の 趣 旨 変 更 の 申 立 て を 異 な る 訴 え の 提 起 と し た 上 で こ れ を 却 下 し て い る が そ の 却 下 の 主 文 は 意 味 が な い も の と い う べ き で あ る 4 結 論 以 上 に よ れ ば 本 件 土 地 に 関 す る 価 格 決 定 を し た 本 件 決 定 の う ち 本 件 土 地 の 価 格 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 を 超 え る 部 分 は 違 法 と い う べ き で あ り 取 消 し を 免 れ な い そ こ で 本 件 決 定 を 全 部 取 り 消 し た 原 判 決 を 変 更 し 被 控 訴 人 の 請 求 を 上 記 の 限 度 で 認 容 し そ の 余 を 棄 却 す る こ と と す る よ っ て 主 文 の と お り 判 決 す る ( 口 頭 弁 論 終 結 の 日 平 成 1 6 年 4 月 2 2 日 ) ( 東 京 高 等 裁 判 所 第 1 9 民 事 部 裁 判 長 裁 判 官 淺 生 重 機 裁 判 官 及 川 憲 夫 裁 判 官 竹 田 光 広 ) - 18 -

上 告 審 : 最 高 裁 判 所 第 二 小 法 廷 平 成 1 6 年 ( 行 ヒ ) 第 2 5 3 号 審 査 決 定 取 消 請 求 事 件 ( 原 判 決 変 更 )( 被 上 告 人 の そ の 余 の 請 求 棄 却 )( 確 定 ) 判 決 ( 平 成 1 9 年 1 月 1 9 日 言 渡 ) 主 文 1 原 判 決 を 次 の と お り 変 更 す る 第 1 審 判 決 を 次 の と お り 変 更 す る ( 1 ) 上 告 人 が 被 上 告 人 に 対 し 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で し た 別 紙 物 件 目 録 記 載 1 の 土 地 の 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 平 成 1 2 年 度 の 価 格 に つ い て の 審 査 の 申 出 に 対 す る 決 定 の う ち 価 格 1 億 4 7 8 9 万 6 6 9 9 円 を 超 え る 部 分 を 取 り 消 す ( 2 ) 被 上 告 人 の そ の 余 の 請 求 を 棄 却 す る 2 訴 訟 の 総 費 用 は こ れ を 2 0 分 し そ の 1 を 上 告 人 の 負 担 と し そ の 余 を 被 上 告 人 の 負 担 と す る 理 由 上 告 代 理 人 外 立 憲 和 ほ か の 上 告 受 理 申 立 て 理 由 第 1 の 2 及 び 3 に つ い て 1 本 件 は 別 紙 物 件 目 録 記 載 1 の 土 地 ( 以 下 本 件 土 地 と い う ) の 固 定 資 産 税 の 納 税 義 務 者 で あ る 被 上 告 人 が 三 鷹 市 長 に よ り 決 定 さ れ 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 さ れ た 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 度 の 価 格 に つ い て 上 告 人 に 対 し て 審 査 の 申 出 を し た と こ ろ 上 告 人 か ら 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で 本 件 土 地 の 価 格 を 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 と す る 決 定 ( 以 下 本 件 決 定 と い う ) を 受 け た た め 本 件 決 定 の う ち 価 格 6 3 0 9 万 0 6 4 6 円 を 超 え る 部 分 の 取 消 し を 求 め る 事 案 で あ る 2 原 審 の 適 法 に 確 定 し た 事 実 関 係 等 の 概 要 は 次 の と お り で あ る ( 1 ) ア 市 町 村 長 は 自 治 大 臣 が 告 示 す る 固 定 資 産 評 価 基 準 に よ っ て 固 定 資 産 の 価 格 を 決 定 し な け れ ば な ら な い と こ ろ 地 方 税 法 ( 平 成 1 1 年 法 律 第 1 6 0 号 に よ る 改 正 前 の も の 以 下 法 と い う ) 4 0 3 条 1 項 3 8 8 条 1 項 三 鷹 市 に お い て は 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 昭 和 3 8 年 自 治 省 告 示 第 1 5 8 号 平 成 1 2 年 自 治 省 告 示 第 2 1 7 号 に よ る 改 正 前 の も の 以 下 評 価 基 準 と い う ) 及 び こ れ に 基 づ い て 定 め ら れ た 三 鷹 市 固 定 資 産 ( 土 地 ) 評 価 事 務 取 扱 要 領 ( 8 三 市 資 発 第 1 1 7 号 平 成 1 4 年 1 2 月 1 8 日 付 け 1 4 三 市 資 発 第 6 0 号 に よ る 改 正 前 の も の 以 下 取 扱 要 領 と い う ) に よ っ て 土 地 の 評 価 を 行 っ て い た イ 評 価 基 準 に は 1 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 に つ い て は 沿 接 す る 道 路 の 状 況 公 共 施 設 等 の 接 近 の 状 況 そ の 他 宅 地 と し て の 利 用 上 の 便 等 か ら み て 当 該 市 街 化 区 域 農 地 と そ の 状 況 が 類 似 す る 宅 地 の 価 額 を 基 準 と し て 求 め た 価 額 ( 以 下 基 本 価 額 と い う ) か ら 当 該 市 街 化 区 域 農 地 を 宅 地 に 転 用 す る 場 合 に お い て 通 常 必 要 と 認 め ら れ る 造 成 費 に 相 当 す る 額 を 控 除 し た 価 額 に よ っ て そ の 価 額 を 求 め る 方 法 に よ る こ と 2 各 筆 の 宅 地 の 評 点 数 は 路 線 価 を 基 礎 と し 画 地 計 算 法 ( 各 筆 の 宅 地 の 立 地 条 件 に 基 づ き 個 々 の 宅 地 の 形 状 に 応 じ た 補 正 を 適 用 し て 評 価 額 を 求 め る 方 法 ) を 適 用 し て 付 設 す る こ と 3 こ の 場 合 に お い て 市 町 村 長 は 宅 地 の 状 況 に 応 じ 必 要 が あ る と き は 画 地 計 算 法 の 附 表 等 に つ い て 所 要 の 補 正 を し て こ れ を 適 用 す る こ と 4 一 画 地 は 原 則 と し て 土 地 課 税 台 帳 等 に 登 録 さ れ た 1 筆 の 宅 地 に よ る が 1 筆 の 宅 地 又 は 隣 接 す る 2 筆 以 上 の 宅 地 に つ い て そ の 形 状 利 用 状 況 等 か ら み て こ れ を 一 体 を 成 し て い る 部 分 に 区 分 し 又 は こ れ ら を 合 わ せ る 必 要 が あ る 場 合 に お い て は そ の 一 体 を 成 し て い る と 認 め ら れ る 部 分 の 宅 地 ご と に 一 画 地 と す る こ と 5 不 整 形 地 無 道 路 地 間 口 が 狭 小 な 宅 地 等 に つ い て は そ の 形 状 等 に 応 じ 評 点 数 を 求 め る こ と 6 無 道 路 地 に つ い て は 原 則 と し て 当 該 無 道 路 地 を 利 用 す る 場 合 に お い て そ の 利 用 上 最 も 合 理 的 で あ る と 認 め ら れ る 路 線 の 路 線 価 に 奥 行 価 格 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 ( 以 下 奥 行 価 格 補 正 率 と い う ) 通 路 開 設 補 正 率 表 に よ っ て 求 め た 補 正 率 ( 以 下 通 路 開 設 補 正 率 と い う ) 及 び そ の 無 道 路 地 の 近 傍 の 宅 地 と の 均 衡 を 考 慮 し て 定 め る 無 道 路 地 補 正 率 を 乗 じ て 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 を 求 め こ れ に 当 該 無 道 路 地 の 地 積 を 乗 じ て そ の 評 点 数 を 求 め る こ と な ど が 定 め ら れ て い る ウ 取 扱 要 領 に は 市 街 化 区 域 農 地 を 評 価 す る 際 の 基 本 価 額 に つ い て は 画 地 計 算 法 は 適 用 せ ず こ れ に 代 え て 三 鷹 市 内 を 1 2 か 所 に 区 分 し て 定 め た 状 況 類 似 地 域 ご と に 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 に 所 定 の 割 合 ( 0. 7 5 ) を 乗 じ て 得 た 価 額 と す る こ と そ の 際 各 地 域 内 の 宅 地 の 平 均 路 線 価 格 は 市 街 地 宅 地 評 価 法 に よ り 評 定 さ れ た 各 路 線 価 格 の 平 均 価 格 と す る こ と な ど が 定 め ら れ て い る ま た 画 地 計 算 法 を 適 用 し た 宅 地 の 評 価 に 当 た り 無 道 路 地 に つ い て は 奥 行 価 格 補 正 通 路 開 設 補 正 及 び 無 道 路 地 補 正 を 適 用 す る が 実 際 に 利 用 し て い る 街 路 へ の 通 路 が 同 一 の 所 有 者 に 帰 属 す る 場 合 は 通 路 開 設 補 正 は 適 用 し な い こ と な ど が 定 め ら れ て い る ( 2 ) 本 件 土 地 及 び 別 紙 物 件 目 録 記 載 2 の 土 地 ( 以 下 別 件 土 地 と い う ) は 共 有 - 19 -

者 を す べ て 同 じ く す る 土 地 で あ り 被 上 告 人 は そ の 共 有 者 の 1 人 で あ る 本 件 土 地 は 別 件 土 地 を 隔 て て 幅 員 約 7 m の 街 路 ( 以 下 南 側 街 路 と い う ) に 接 続 す る 市 街 化 区 域 農 地 ( 畑 ) で あ る 本 件 土 地 と 別 件 土 地 は 地 番 地 目 を 異 に し て お り 現 況 も 一 体 と し て 利 用 さ れ て い な い 本 件 土 地 へ の 出 入 り は 別 件 土 地 を 利 用 し て 行 わ れ て い る 南 側 街 路 の 路 線 価 は 2 4 万 6 0 0 0 点 で あ り 両 土 地 の 形 状 等 を 前 提 と す る と 本 件 土 地 に 奥 行 価 格 補 正 通 路 開 設 補 正 及 び 無 道 路 地 補 正 が 適 用 さ れ る と し た 場 合 の 評 価 基 準 及 び 取 扱 要 領 に 基 づ く 補 正 率 は そ れ ぞ れ 0. 8 1 0. 6 及 び 0. 6 で あ る ( 3 ) 三 鷹 市 長 は 評 価 基 準 及 び 取 扱 要 領 所 定 の 前 記 市 街 化 区 域 農 地 の 評 価 方 法 に 基 づ き 平 成 1 2 年 1 月 1 日 を 賦 課 期 日 と す る 平 成 1 2 年 度 の 本 件 土 地 の 価 格 を 1 億 9 1 9 9 万 6 8 9 7 円 と 決 定 し こ れ を 土 地 課 税 台 帳 に 登 録 し た ( 4 ) 被 上 告 人 は 上 記 ( 3 ) の 価 格 を 不 服 と し て 上 告 人 に 対 し 法 4 3 2 条 1 項 の 規 定 に 基 づ き 審 査 の 申 出 を し た と こ ろ 上 告 人 は 上 記 ( 1 ) ウ の 取 扱 要 領 所 定 の 割 合 0. 7 5 を 無 道 路 地 補 正 率 に 相 当 す る 0. 6 と 修 正 し て 適 用 す る こ と と し 平 成 1 2 年 8 月 3 1 日 付 け で 本 件 土 地 の 価 格 を 1 億 5 3 0 5 万 7 1 1 6 円 と 減 額 す る ほ か は 被 上 告 人 の 審 査 の 申 出 を 棄 却 す る 旨 の 本 件 決 定 を し た 3 原 審 は 上 記 事 実 関 係 等 の 下 に お い て 次 の と お り 判 断 し て 本 件 決 定 の う ち 本 件 土 地 の 価 格 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 を 超 え る 部 分 を 取 り 消 す べ き も の と し た ( 1 ) 市 街 化 区 域 農 地 に 係 る 評 価 基 準 の 評 価 手 法 は 一 般 的 な 合 理 性 を 有 す る と 認 め ら れ る が 三 鷹 市 の よ う な 大 都 市 近 郊 の 市 街 化 区 域 内 に お い て は 特 段 の 事 情 の な い 限 り 同 一 の 位 置 に あ る 農 地 の 基 本 価 額 が 宅 地 の 価 額 を 上 回 る こ と は 想 定 し 難 い と い う べ き で あ る か ら 本 件 土 地 の 評 価 額 が 本 件 土 地 を 宅 地 と 同 様 に 画 地 計 算 法 に 従 っ て 評 価 し た 価 額 を 上 回 る 場 合 そ の 限 度 で 違 法 と な る と い う べ き で あ る ( 2 ) 本 件 土 地 に 画 地 計 算 法 を 適 用 す る 場 合 通 路 開 設 補 正 に つ い て は 1 本 件 土 地 の 利 用 に 当 た っ て 通 路 の 開 設 が 必 要 と な る こ と は こ れ に 接 し て 同 一 の 所 有 者 の 土 地 が あ る か 否 か に か か わ ら な い と い う べ き で あ り 道 路 の 取 得 開 設 費 用 が 架 空 の 費 用 で あ る と は い え な い こ と 2 評 価 基 準 が 想 定 す る 補 正 率 に 関 す る 所 要 の 補 正 は 当 該 宅 地 の 客 観 的 状 況 を 考 慮 し た 補 正 で あ る と 解 す べ き で あ り 無 道 路 地 で あ る 当 該 宅 地 に 通 じ る 別 画 地 に 含 ま れ る 通 路 の 権 利 関 係 を 確 定 し た 上 で 補 正 率 等 に 補 正 を 加 え る 取 扱 い を す る こ と を 想 定 し て い る と は 解 し 難 い こ と を 考 慮 す る と 事 実 上 同 一 所 有 者 の 土 地 を 利 用 し て 街 路 へ の 通 路 と し て い る 場 合 に つ き 通 路 開 設 補 正 率 の 適 用 自 体 を 否 定 す る こ と は 評 価 基 準 の 想 定 す る 所 要 の 補 正 の 範 囲 を 超 え る も の と い う べ き で あ り こ の よ う な 評 価 は そ の 限 度 で 評 価 基 準 に 従 っ た 評 価 と は い え な い と 解 す べ き で あ る し た が っ て 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は 通 路 開 設 補 正 ( 補 正 率 0. 6 ) を 適 用 す べ き で あ る ( 3 ) 以 上 に よ れ ば 本 件 土 地 の 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 は 南 側 街 路 の 路 線 価 ( 2 4 万 6 0 0 0 点 ) に 奥 行 価 格 補 正 率 0. 8 1 通 路 開 設 補 正 率 0. 6 及 び 無 道 路 地 補 正 率 0. 6 を 乗 じ た 7 万 1 7 3 3 点 ( 小 数 点 以 下 切 捨 て ) と な り こ れ に 本 件 土 地 の 地 積 の 平 米 数 ( 1 2 8 6. 6 7 ) を 乗 じ た 9 2 2 9 万 6 6 9 9 点 ( 小 数 点 以 下 切 捨 て ) が 本 件 土 地 の 評 点 数 と な る 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 度 に お け る 価 格 は こ れ に 基 本 価 額 の 算 出 基 準 日 で あ る 平 成 1 1 年 1 月 1 日 か ら 同 年 7 月 1 日 ま で の 地 価 下 落 に 伴 う 時 価 下 落 修 正 率 0. 9 7 9 を 乗 じ た 9 0 3 5 万 8 4 6 8 円 ( 1 点 数 当 た り 1 円 小 数 点 以 下 切 捨 て ) か ら 本 件 土 地 を 宅 地 に 造 成 す る た め の 土 地 造 成 費 相 当 額 2 7 0 万 2 0 0 7 円 を 控 除 し た 8 7 6 5 万 6 4 6 1 円 で あ る し た が っ て 本 件 決 定 は 上 記 価 格 を 超 え る 限 度 に お い て 違 法 で あ る 4 し か し な が ら 原 審 の 上 記 3 の 判 断 の う ち 同 ( 1 ) は 是 認 す る こ と が で き る が 同 ( 2 ) 及 び ( 3 ) の 判 断 は 是 認 す る こ と が で き な い そ の 理 由 は 次 の と お り で あ る 評 価 基 準 は 無 道 路 地 に 対 し 画 地 計 算 法 を 適 用 す る に 当 た り 路 線 価 に 奥 行 価 格 補 正 率 通 路 開 設 補 正 率 及 び 無 道 路 地 補 正 率 を 乗 じ て 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 を 求 め こ れ に 当 該 無 道 路 地 の 地 積 を 乗 じ て そ の 評 点 数 を 求 め る こ と と し て い る が こ こ に い う 通 路 開 設 補 正 率 は 当 該 無 道 路 地 が 公 路 に 接 続 し な い 状 態 を 解 消 す る た め の 通 路 を 確 保 す る の に 必 要 な 費 用 及 び 期 間 に 着 目 し た 補 正 率 で あ る と 解 さ れ る そ う す る と 現 に 自 己 所 有 地 を 通 路 と し て 使 用 し こ れ に よ っ て 公 路 に 接 続 し て い る 土 地 は た と え 公 図 上 は 公 路 に 接 し て い な く と も 新 た に こ れ を 公 路 に 接 続 さ せ る 通 路 を 確 保 す る た め の 費 用 及 び 期 間 を 要 し な い の で あ る か ら 通 路 開 設 補 正 を 適 用 し な い 取 扱 い を す る こ と も 許 さ れ る も の と 解 す る の が 相 当 で あ る し た が っ て 取 扱 要 領 が 上 記 の よ う な 土 地 に つ い て 通 路 開 設 補 正 を 適 用 し な い も の と 定 め て い る こ と に は 合 理 性 が あ り こ の 定 め が 評 価 基 準 に 反 し 違 法 で あ る と い う こ と は で き ず 本 件 土 地 の 評 価 に 当 た っ て は 取 扱 要 領 に 従 い 通 路 開 設 補 正 を 適 用 し な い で 評 価 す べ き も の で あ る こ れ を 前 提 と し て 平 成 1 2 年 度 に お け る 本 件 土 地 の 価 格 を 算 定 す る と 本 件 土 地 の 1 平 方 メ ー ト ル 当 た り の 評 点 数 は 南 側 街 路 の 路 線 価 ( 2 4 万 6 0 0 0 点 ) に 奥 行 価 格 補 正 率 0. 8 1 及 び 無 道 路 地 補 正 率 0. 6 を 乗 じ た 1 1 万 9 5 5 6 点 と な り こ れ に 本 件 土 地 の 地 積 の 平 米 数 ( 1 2 8 6. 6 7 ) を 乗 じ た 1 億 5 3 8 2 万 9 1 1 8 点 ( 小 数 点 以 下 切 捨 て ) が 本 件 土 地 の 評 点 数 と な る 本 件 土 地 の 平 成 1 2 年 度 に お け る 価 格 は こ れ - 20 -