幼 稚 園 における 自 閉 症 への 教 育 的 支 援 の 実 際 - 集 団 生 活 の 中 で 適 応 していくための 環 境 かかわりについて- 香 芝 市 立 下 田 幼 稚 園 教 諭 岩 村 晴 子 Iwamura Haruko 要 旨 自 閉 症 の 基 本 的 な 特 徴 は 他 者 との 相 互 的 なかかわりをもつことの 困 難 コミュニケ ーションの 困 難 反 復 的 で 常 同 的 な 興 味 行 動 という3 点 にある 幼 児 期 はその 特 徴 が 顕 著 に 表 れる 時 期 であるといわれている そのような 自 閉 症 の 子 どもが 教 員 や 友 達 と ともに 安 心 して 楽 しく 幼 稚 園 の 生 活 を 送 ることができるための 環 境 や 人 とのかかわり 方 などについて 具 体 的 な 支 援 の 内 容 や 方 法 を 探 る キーワード: 自 閉 症 保 育 環 境 保 育 内 容 1 はじめに 4 歳 児 クラスから 幼 稚 園 に 入 園 したA 児 は 集 団 経 験 が 初 めてということもあり 新 しい 環 境 に 慣 れるまでに 時 間 を 要 した しかし 毎 日 の 生 活 の 中 で 身 の 回 りのことを 自 分 で 行 ったり リズム 表 現 活 動 がとても 好 きで 積 極 的 に 楽 しんだり 自 分 の 好 きな 遊 びを 見 付 けたり 活 発 に 活 動 す る 姿 がみられた 一 方 で 自 分 の 遊 びに 集 中 すると 一 人 の 世 界 で 長 い 間 遊 んでいたり 普 段 の 生 活 の 流 れが 少 し 変 わると 不 安 な 様 子 をみせたり ゲームなどで 負 けることをとても 強 く 嫌 がったり することもあった このような 実 態 を 踏 まえ 友 達 とのかかわりや 様 々な 遊 びを 通 してA 児 が 集 団 に 目 を 向 け 適 応 していくための 支 援 の 在 り 方 を 考 えていくことにした 2 研 究 目 的 幼 稚 園 に 在 籍 する 自 閉 症 児 の 具 体 的 な 支 援 の 在 り 方 を 研 究 する 3 研 究 方 法 (1) A 児 の 実 態 を 園 での 様 子 専 門 機 関 の 受 診 検 査 により 的 確 に 把 握 する (2) 指 導 計 画 の 作 成 について 考 える (3) 視 覚 的 援 助 としての 保 育 環 境 を 考 える (4) 集 団 の 中 での 育 ちを 意 識 した 保 育 内 容 を 考 える (5) 小 学 校 との 連 携 を 図 るための 方 途 を 考 える 4 研 究 内 容 (1) 園 の 概 要 とA 児 の 実 態 ア 園 の 概 要 (ア) 園 児 数 4 歳 児 -2クラス- 計 40 名 5 歳 児 -2クラス- 計 51 名 - 1 -
(イ) クラスの 実 態 昨 年 度 と 同 じクラスの1/3の 幼 児 と 共 に 進 級 する 全 体 に 明 るい 幼 児 が 多 く 毎 日 自 分 が 思 っ たことや 感 じたことを 友 達 や 教 員 に 伝 えながら 元 気 よく 遊 んでいる 友 達 が 困 っているときなど 声 をかけ 合 い 助 け 合 う 姿 がみられる イ A 児 の 実 態 (ア) A 児 の 園 での 様 子 a 生 活 面 はマイペースなところがあるが ほぼ 自 立 している 生 活 の 流 れが 普 段 と 違 うと 戸 惑 っ て 次 に 進 みにくいこともある b 友 達 が 話 しかけても 興 味 がないと 目 を 向 けなかったり 進 んで 友 達 とのかかわりをもたなかっ たりする しかし 自 分 の 興 味 があることには 友 達 に 要 求 をしてかかわる 姿 がみられる c 入 園 当 初 から 数 字 や 文 字 ( 平 仮 名 )にとても 興 味 があった 今 は 漢 字 にも 興 味 をもっている 部 屋 の 中 のカレンダーや 絵 本 また 廊 下 にある 表 示 やクラスのお 便 り 等 を 読 んでいる 昨 年 同 じ クラスではなかった 友 達 の 名 前 を 名 札 の 文 字 を 頼 りに 覚 え 一 学 期 後 半 から 名 前 を 呼 ぶようにな ってきた d 視 線 は 合 わないが 教 員 の 指 示 はほぼ 聞 いて 行 動 することができる e 製 作 や 絵 画 活 動 ではイメージをもって 意 欲 的 に 取 り 組 む 姿 がある リズム 表 現 活 動 では 音 楽 に 合 わせてのびのびと 体 を 動 かして 楽 しんでいる f ジャンケンが 大 好 きだが 勝 負 に 負 けると 大 泣 きして 次 の 活 動 に 進 めないことが 多 い そうい う 場 合 は 教 員 の 働 きかけで 気 持 ちを 立 て 直 している また ドッジボールでボールを 当 てられ ると 気 持 ちが 落 ち 込 み 泣 いてしまうこともある g 迷 路 遊 びでジャンプしたときにタンバリンに 手 が 届 かないと 怒 って 次 に 進 むのに 時 間 がかかる など 様 々な 場 面 で できる できないにとても 敏 感 である (イ) 発 達 検 査 等 による 実 態 a 新 版 K 式 発 達 検 査 2001: 社 会 福 祉 法 人 香 芝 市 社 会 福 祉 協 議 会 児 童 デイサービス 事 業 所 ひまわり 園 (2003 年 実 施 ) 運 動 認 知 言 語 社 会 の 領 域 は 平 均 すると 年 齢 相 応 であり 順 調 に 発 達 している 検 査 中 興 味 のあるものはしっかり 聞 くことができているが 興 味 のないときは 自 分 の 世 界 に 入 ってしまうので 集 団 の 中 では 支 援 が 必 要 であると 思 われる b KIDS 乳 幼 児 発 達 スケールTタイプ: 幼 稚 園 (2005 年 実 施 ) 操 作 面 ではかなりしっかりとした 力 を 付 けてきている 概 念 や 対 子 どものかかわり については これから 様 々な 経 験 を 通 して 身 に 付 けていく ことが 必 要 だと 考 えられる (2) 指 導 計 画 の 作 成 ア 学 期 ごとの 指 導 計 画 学 期 のはじめに A 児 の 姿 ( 基 本 的 生 活 習 慣 対 人 関 係 身 体 活 動 言 語 理 解 情 緒 遊 び 等 )を 項 目 に 分 けて そこから 導 き 出 される 課 題 援 助 遊 びの 内 容 教 材 を 記 述 したものを 作 成 したが その 際 保 護 者 と 共 に 指 導 計 画 を 検 討 する 時 間 をもち 願 いや 思 いに 配 慮 しながら 作 業 を 進 めた イ 個 人 記 録 クラスの 主 担 任 は 次 週 案 の 具 体 的 な 活 動 内 容 を 加 配 副 担 任 に 知 らせ A 児 がその 活 動 でどのよ - 2 -
うに 行 動 するのか どこでつまずくのかを 予 想 し どのようなかかわりがよいのかを 話 し 合 って いる 毎 日 のA 児 の 様 子 を 予 想 した 姿 と 比 較 しながら ねらい 活 動 及 びA 児 の 様 子 教 員 の 援 助 と 配 慮 反 省 と 考 察 の 項 目 に 分 けて 個 人 記 録 をとっている ウ 日 案 行 事 等 があるときは 一 日 の 流 れに 沿 って A 児 の 行 動 や 姿 を 予 測 して 援 助 や 配 慮 を 記 入 し た 日 案 を 作 成 している (3) 視 覚 的 援 助 としての 保 育 環 境 ア 生 活 の 場 面 生 活 面 はほぼ 自 立 しているが 手 を 洗 うときに 遊 んでしまったり 椅 子 に 座 っているときに 姿 勢 を 保 ちづらかったりしたので 下 のような 表 示 を 作 成 した また 図 にはないが 昼 食 を 早 く 一 番 に 食 べることがよいと 思 い 急 いで 食 べてしまうので 部 屋 の 掛 け 時 計 の 数 字 に 印 を 付 けて A 児 にこの 時 間 までに 昼 食 を 食 べ 終 わったらよいことを 示 すようにもした 図 1 手 の 洗 い 方 ( よこ ) 図 2 手 の 洗 い 方 ( たて) 手 の 洗 い 方 の 表 示 絵 を 目 で 追 いながら 見 通 し をもって 手 を 洗 えるようにす る( 図 1 ) 手 本 となる 姿 の 表 示 よい 例 よくない 例 を 示 し 座 り 方 を 意 識 するようにす る( 図 3 ) 洗 い 方 の 流 れが 分 かり やすいように 表 示 を 上 から 下 のものに 変 え る( 図 2 ) 図 3 椅 子 の 座 り 方 時 折 手 洗 い 場 で 遊 んで しまうことがあったが 左 のような 手 の 洗 い 方 の 表 示 をみせながら 何 番 までできたかに 気 付 か せ かかわるとタオルで 手 をふくところまでの 見 通 しをもち 手 を 洗 うこ とができた ぼくは はなこちゃ んいや と 抵 抗 を 示 す 姿 がみられていたが たろうくんみたいに かっこよく 座 っている ね など 声 をかけて いくと とても 嬉 しそ うな 表 情 をみせて 話 を 聞 く 姿 勢 がよくなる 日 が 増 えてきた ポンプを 押 す 回 数 の 表 示 ポンプを 押 すことが 楽 しいと いう 様 子 がみられたため 適 量 を 使 う 意 識 をもてるよう ハンドソープを 押 す 回 数 を 数 字 で 示 す( 図 4 ) 一 回! とポンプの 数 字 をみて 自 分 からハ ンドソープのポンプを 押 していた ポンプを たくさん 押 して 遊 ぶこ とはなくなった 図 4 ハンドソープの 使 い 方 - 3 -
イ 遊 びの 場 面 (ア) 遊 びの 様 子 を 絵 で 示 す 登 園 後 の 自 発 的 活 動 では 自 分 の 好 きな 遊 びを 楽 しむ 姿 がみられた 自 分 の 世 界 に 入 ってしまう と 友 達 とのかかわりが 少 なくなり 教 員 が 働 きかけることで 周 りの 友 達 の 遊 びにようやく 目 を 向 けられるようになった 朝 の 遊 びで 発 見 したことや 困 ったこと 楽 しかったことなどを 出 し 合 い 明 日 の 遊 びにつなげていく 話 合 いを 図 のような 絵 を 使 いながら 毎 日 クラス 全 体 で 行 うと 自 分 の 興 味 のないものにも 集 中 して 耳 を 傾 ける 様 子 がみられた( 図 5 ) クラス 全 体 の 話 合 いでは 画 用 紙 に 絵 を 描 きながら 進 めていくようにし た A 児 にとっては 自 由 遊 びのイメージ をもちやすくなり 教 員 を 意 識 的 に みる 姿 が 増 え 自 分 がしていた 遊 び をみんなの 中 で 喜 んで 発 表 したり 自 分 がしていた 遊 び 以 外 にも 目 を 向 けたりする 様 子 がみられた 図 は 朝 の 自 由 遊 びの 様 子 を 描 いたもの 図 5 朝 の 話 合 いで 使 う 絵 ( 例 ) (イ) 流 れの 表 示 を 見 せる 合 奏 の 練 習 時 小 太 鼓 を 叩 くことにとてもはりきるA 児 であった 3 番 まである 曲 に 合 わせて 合 奏 をするが 2 番 のみ 歌 入 りのダンスをすることに 変 更 したところ 歌 いらん 合 奏 する と2 番 にいれたダンスが 気 に 入 らず 合 奏 をしたい 様 子 がみられた 働 きかけとして1 合 奏 2 歌 3 合 奏 と 絵 を 加 えた 流 れを 示 した( 図 6 ) A 児 に 予 告 なしに 合 奏 の 順 序 を 変 更 すると 気 持 ちが 不 安 になるため A 児 の 目 の 前 で 合 奏 の 流 れを 描 いて 見 せた 気 持 ちの 整 理 ができたようで 納 得 して 合 奏 に 参 加 することができた 図 6 合 奏 の 順 序 を 示 した 絵 (4) 集 団 の 中 での 育 ちを 意 識 した 保 育 内 容 ア 勝 ち 負 けへのこだわり ジャンケン 列 車 などのゲーム 遊 びは 好 きなので 喜 んで 参 加 できるが 4 月 当 初 はジャンケンに 負 けると お 家 に 帰 る! トイレに 行 く! と 言 って 大 泣 きし 遊 びが 中 断 することがあった 次 は 勝 てるといいね 悔 しかったね とA 児 の 気 持 ちを 代 弁 していった また A 児 の 気 持 ちに 寄 り 添 って 励 ましたり 気 持 ちを 立 て 直 せるように 働 きかけたりすると 少 しずつ 気 持 ちを 切 り 換 えることができた 泣 くことなく 気 持 ちを 切 り 換 えることができたときには 思 いきり 認 め 褒 めるようにするととても 嬉 しそうな 笑 顔 で 遊 び 続 けることができた また ルールを 負 けた 人 が 勝 ち などと 変 えて 進 めてみた 負 けるが 勝 ちだと 嫌 がる 姿 は なく 最 後 まで 楽 しむことができた このように 少 し 遊 びに 変 化 をもたせると 気 持 ちの 持 ち 方 が 変 わるようだった - 4 -
クラスのみんなにA 児 の 気 持 ちを 理 解 してほしかったため 機 会 をみて ジャンケンで 負 けた ときの 気 持 ちをクラス 全 体 で 話 し 合 った その 中 で A 児 が お 家 に 帰 る トイレに 行 く と 言 っているが 本 当 はとても 悔 しい 気 持 ちがあるということを 伝 えた A 児 が 自 分 たちとは 違 う 言 葉 を 使 ってしまうことを 知 り 同 じような 場 面 があると Aちゃん 悔 しかったね 次 頑 張 ろ う とA 児 に 気 持 ちを 言 葉 で 伝 え 気 持 ちに 寄 り 添 おうと 声 をかけることが 増 えた A 児 も 友 達 に 励 まされることで 気 持 ちを 切 り 換 えることができるようなときもあった 6 月 初 旬 保 育 室 で ヘビ 鬼 をしたところ 最 後 に 鬼 にタッチされてしまった 初 めて 自 ら タッチされちゃった 悔 しいよ と 自 分 の 気 持 ちを 言 葉 で 表 すことができた 教 員 は 気 持 ち を 言 葉 で 表 すことができたことを 褒 め 悔 しかったという 気 持 ちも 十 分 に 受 け 止 めた クラスの 幼 児 からも Aちゃん 悔 しいって 言 えたな! という 言 葉 も 出 てみんなで 喜 ぶ 日 となった イ 友 達 とのかかわり 登 園 時 友 達 が 教 室 で 何 かを 見 付 けみていると うわ~ だ! と 言 って 室 内 に 入 ることや 給 食 時 に しりとりしよう! と 自 ら 友 達 に 声 をかけることもあるが 自 分 の 遊 びに 没 頭 すると 周 りに 友 達 がいてもかかわりがみられないことが 多 い そのようなときは 次 の 図 にあるように 囲 いのある 空 間 を 利 用 しながら 教 員 がかかわりをもてるように 働 きかけている( 図 7 ) 保 育 室 に 囲 いのある お 家 をつくる 友 達 とごっこ 遊 びや 絵 本 を 見 てかかわり がもてる 空 間 となる 図 7 保 育 室 のお 家 ウ 運 動 会 の 取 組 A 児 の 行 う 体 操 やダンスなどの 曲 を 家 庭 でも 聞 けるようにカッセトテープに 録 音 して 持 ち 帰 る ようにした また 保 護 者 に 早 めにプログラムを 伝 え 内 容 や 順 序 をA 児 に 知 らせていただいた ( 昨 年 度 も 実 施 ) 昨 年 度 もかけっこで 負 けそうになると 泣 いてしまった また 種 目 も 年 長 児 になると 増 えるこ とから 次 のような 支 援 を 考 えた リレーで 抜 かされてしまったときの 様 子 を 絵 で 描 いてA 児 に 示 し 抜 かされたときにどのような 気 持 ちになるのか またどうすればよいかという ことを 考 えさせた( 図 8 ) 図 8 運 動 会 のリレー 教 員 が 予 想 していた 以 上 にリレーで 抜 かされるこ とが 嫌 で 練 習 場 面 では 途 中 で 走 ることをやめよ うとしてしまうこともあった 励 まし あきらめ ないよう 働 きかけた (5) 小 学 校 との 連 携 - 5 -
就 学 に 向 けて 小 学 校 の 通 常 学 級 と 障 害 児 学 級 (あゆみ 学 級 )でどのような 活 動 をしているのか A 児 保 護 者 担 任 の 三 者 で 実 際 に 小 学 校 の 見 学 を 行 った 就 学 に 向 けて 少 しでも 小 学 校 を 知 る よい 機 会 となったと 考 えている 今 後 もA 児 がスムーズに 小 学 校 の 生 活 を 送 ることができるよう 小 学 校 と 連 絡 をとっていきたい 5 研 究 結 果 と 考 察 今 年 度 の 教 育 的 支 援 を 考 えていくに 当 たって 昨 年 度 のA 児 の 姿 や 対 応 の 仕 方 の 記 録 を 基 にA 児 とのかかわりを 考 えてきた A 児 のありのままの 姿 を 見 つめる 中 で 生 活 しにくい 環 境 がクラスの 中 にないか また 同 年 齢 の 友 達 との 集 団 参 加 が 密 である 幼 稚 園 において 友 達 とかかわる 機 会 をど のようにもち どのように 集 団 の 中 でかかわりをもたせるのか 教 員 自 身 模 索 をしながら 進 めてき た A 児 にとっては 1 日 のスケジュールなどを 言 葉 で 説 明 するよりも 図 や 絵 で 示 した 方 が 分 かり やすかった そうすることによって 気 持 ちの 整 理 ができ また 楽 しい 気 持 ちをもちながら 集 団 活 動 にスムーズに 参 加 できるようだった このように 今 回 の 研 究 では 視 覚 的 な 支 援 が 大 切 なことが 分 かった また 負 けて 悔 しい 気 持 ちに 寄 り 添 いながらも 少 しでも 気 持 ちの 切 り 換 えができるよ う 予 告 する 方 法 をとってみたり 遊 びのルールを 工 夫 したりするなど 様 々な 方 途 を 工 夫 することも 重 要 だと 考 える 結 果 的 に 運 動 会 の 取 組 の 予 告 では 気 持 ちの 整 理 はできたものの A 児 にとっては 実 際 に 走 ると 負 けたくないという 気 持 ちが 予 想 以 上 に 大 きかったようである 今 後 同 じような 場 面 ではもう 少 し 違 った 働 きかけが 必 要 である 今 回 はクラス 集 団 にA 児 の 気 持 ちを 知 らせることもとても 大 切 にしてきた 友 達 の 気 持 ちを 考 え るよい 機 会 となり A 児 の 姿 から 一 人 一 人 が 本 人 の 気 持 ちに 寄 り 添 おうとする 様 子 が 多 くみられた 友 達 に 支 えられ 励 まされてA 児 が 気 持 ちを 切 り 換 えられることが 増 え クラスの 友 達 の 中 で 育 っ ていくことが 感 じられた クラスの 子 どももA 児 の 存 在 から 学 んだり 感 じたりすることが 多 かっ たのではないかと 思 う 今 後 就 学 を 控 えているので 園 での 生 活 を 小 学 校 の 生 活 にスムーズにつなげていけるよう 一 日 一 日 を 大 切 にA 児 が 今 集 団 生 活 の 中 で 何 を 身 に 付 けていくことが 必 要 なのかを 考 えていきたい 6 今 後 の 課 題 今 回 の 研 究 では 園 の 職 員 が 指 導 案 の 書 き 方 を 見 直 し 短 期 目 標 を 立 てていき また 遊 びの 場 面 で はA 児 に 多 面 的 にかかわり 援 助 して 共 通 理 解 をより 一 層 深 めることができた 今 回 の 取 組 を 今 後 に 生 かして 一 人 一 人 に 応 じた 支 援 の 在 り 方 を 今 後 も 研 究 していきたい また A 児 や 保 護 者 が 戸 惑 わず 小 学 校 へいかになめらかな 接 続 をしていくのかを 工 夫 することが 必 要 であると 考 えている 参 考 引 用 文 献 (1) 朝 日 福 祉 ガイドブック 自 閉 症 のひとたちへの 援 助 システム TEACCHを 日 本 でいかすには 朝 日 新 聞 厚 生 文 化 事 業 団 1999 (2) 月 刊 実 践 障 害 児 教 育 4 月 号 pp30~33 困 り 感 に 対 応 した 環 境 整 備 佐 藤 暁 学 習 研 究 社 2005 (3) 月 刊 実 践 障 害 児 教 育 5 月 号 pp30~35 分 かりやすい 視 覚 支 援 のアイディア 佐 藤 暁 学 習 研 究 社 2005-6 -