第 6 回 和 歌 山 県 景 観 条 例 等 検 討 委 員 会 議 事 録 日 時 : 平 成 20 年 2 月 5 日 ( 火 )14:00~16:00 場 所 :ダイワロイネットホテル 和 歌 山 4 階 ブリエ 区 分 氏 名 所 属 備 考 委 員 長 西 村 幸 夫 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 都 市 デザイン 専 攻 教 授 副 委 員 長 濱 田 學 昭 和 歌 山 大 学 システム 工 学 部 環 境 システム 学 科 教 授 委 員 嘉 名 光 市 大 阪 市 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 都 市 系 専 攻 准 教 授 小 浦 久 子 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 地 球 総 合 工 学 准 教 授 坂 本 勲 生 熊 野 本 宮 語 り 部 の 会 会 長 田 中 昭 彦 田 中 遠 藤 法 律 事 務 所 長 津 浦 裕 湯 浅 伝 統 的 建 造 物 群 保 存 地 区 保 存 協 議 会 委 員 筒 井 洋 和 社 団 法 人 和 歌 山 県 宅 地 建 物 取 引 業 協 会 副 会 長 中 野 久 生 社 団 法 人 和 歌 山 県 建 築 士 会 会 長 藤 本 弘 和 歌 山 県 屋 外 広 告 美 術 協 同 組 合 副 理 事 長 前 秀 明 高 野 町 景 観 づくり 審 議 会 会 長 山 形 毅 章 和 歌 山 ターミナルビル 株 式 会 社 代 表 取 締 役 社 長 山 田 良 治 和 歌 山 大 学 経 済 学 部 観 光 学 科 教 授 事 務 局 茅 野 牧 夫 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 長 土 橋 一 文 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 長 松 本 兼 一 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 都 市 政 策 課 長 坂 口 唯 之 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 都 市 政 策 課 副 課 長 永 田 和 之 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 都 市 政 策 課 都 市 計 画 班 長 野 口 利 也 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 都 市 政 策 課 主 任 小 松 克 之 和 歌 山 県 県 土 整 備 部 都 市 住 宅 局 都 市 政 策 課 主 査 中 塚 一 ( 株 ) 地 域 計 画 建 築 研 究 所 大 阪 事 務 所 計 画 部 長 坂 井 信 行 ( 株 ) 地 域 計 画 建 築 研 究 所 大 阪 事 務 所 次 長 絹 原 一 寛 ( 株 ) 地 域 計 画 建 築 研 究 所 大 阪 事 務 所 主 任 議 事 和 歌 山 県 景 観 計 画 ( 素 案 )について 委 員 A: 議 論 の 前 に 補 足 しておきたいが 府 県 の 景 観 計 画 には 様 々な 特 色 が 出 てきて いる 和 歌 山 県 では 世 界 遺 産 の 景 観 が 損 なわれないよういち 早 く 措 置 を 講 じ たい というところが 出 発 点 となっているので 重 要 なところを 先 行 して 決 め て その 後 特 定 景 観 形 成 地 域 を 順 次 指 定 していくことで 充 実 を 図 る という 成 長 する 景 観 計 画 ともいうべきアプローチとなっている そうした 前 提 で こ の 枠 組 みで 良 いのかどうか あるいは 行 為 の 制 限 がこの 考 え 方 で 良 いのかどう か を 議 論 していこうということである 委 員 B: 中 辺 路 といえば 熊 野 川 から 本 宮 大 社 浜 の 宮 から 那 智 大 社 までのルートもあ るが 資 料 の 景 観 計 画 の 区 域 の 図 にはそれらが 含 まれていないように 見 える 1
本 来 は 入 れてしかるべき 規 制 を 導 入 していくには 関 係 市 町 村 の 職 員 が 受 け 入 れられるかどうかが 大 事 であり 内 容 の 周 知 などはどうされているのか 事 務 局 : 今 回 設 定 した 中 辺 路 の 範 囲 は 観 光 客 が 主 に 訪 れる 場 所 を 選 定 している 市 町 村 については 条 例 検 討 前 に 各 市 町 村 長 に 内 容 説 明 をしており 協 力 の 了 解 を 得 ている 市 町 村 についても 連 絡 のための 会 議 を 実 施 しており また 本 委 員 会 にも 特 定 景 観 形 成 地 域 として 検 討 している 世 界 遺 産 関 連 の 市 町 には 出 席 してもらっている 委 員 C: 景 観 条 例 計 画 もできあがってから 効 果 が 上 がるかどうかが 大 事 例 えば 景 観 重 要 樹 木 として 田 辺 市 中 辺 路 町 福 定 にある 大 イチョウなどは 指 定 されてし かるべきだが 実 際 にどのような 手 順 で 指 定 されるのか 使 いやすい 運 用 にし て 頂 きたいと 思 う 事 務 局 : 地 元 で 意 義 を 理 解 して 提 案 して 頂 くことが 重 要 と 考 えている 制 度 について は 周 知 徹 底 を 図 るとともに 具 体 的 な 指 定 方 法 は 今 後 検 討 していきたい 委 員 A: 景 観 重 要 建 造 物 樹 木 と 景 観 条 例 に 記 載 されている 景 観 資 源 とはどう 整 理 されているのか 事 務 局 : 景 観 資 源 は 県 民 の 方 々に 親 しまれているものを 知 って 頂 くという 意 味 で 幅 広 に 捉 えている 景 観 重 要 建 造 物 樹 木 は 景 観 法 に 基 づく 指 定 で 維 持 管 理 など 規 制 が 生 じるものなので 所 有 者 の 理 解 を 得 ながら 指 定 したい 委 員 A: 景 観 資 源 は 広 めに 考 え そのうち 保 全 の 手 だてが 必 要 なものは 景 観 重 要 建 造 物 樹 木 に 指 定 するという 考 え 方 か 委 員 D: 今 回 の 検 討 エリアは 広 大 に 及 んでおり 規 制 が 増 えれば 土 地 の 資 産 価 値 が 目 減 りするのでは という 危 惧 もある また 区 画 形 質 の 変 更 の 届 出 には 期 間 や 手 間 もかかり 罰 則 も 適 用 されるとなれば 土 地 所 有 者 及 び 事 業 者 への 負 担 を 強 いることにもなる 対 象 範 囲 についても 周 知 徹 底 して 頂 きたい 事 務 局 : 決 して 建 てさせないということではなく 周 辺 と 調 和 した 形 にしてもらおう という 趣 旨 である 手 続 きには 建 築 確 認 申 請 の 図 面 を 利 用 するなど 事 業 者 に 過 度 の 負 担 を 強 いることのないよう 配 慮 したい 委 員 E: 特 定 景 観 形 成 地 域 は 上 乗 せの 基 準 を 定 めるということだが 少 なくとも 一 般 地 域 で 定 める 最 低 限 の 届 出 対 象 行 為 基 準 は 引 き 継 がれていくと 理 解 して 良 い のか 事 務 局 : 特 定 景 観 形 成 地 域 で 何 を 対 象 とするかはまだ 決 定 していないが よりきめ 細 かく 対 応 したいと 考 えている 委 員 E: 世 界 遺 産 の 景 観 には 山 々 集 落 道 路 河 川 など 様 々な 対 象 があるが そ れらにはいくつかの 関 わる 主 体 があり 森 林 法 自 然 公 園 法 河 川 法 などの 規 制 もある 計 画 論 として まずそれらの 全 体 像 を 明 らかにし その 上 でどの 部 2
分 を 景 観 法 が 担 い 運 用 するのか を 示 してほしい 委 員 F: 資 料 の 良 好 な 景 観 の 形 成 に 関 する 方 針 が 示 されている 中 で 中 辺 路 では 山 な みへの 眺 望 といった 方 針 が 出 されているが 景 観 計 画 区 域 内 全 域 の 方 針 ではそ うした 山 あるいは 山 なみといった 要 素 が 出 されていない 区 域 内 全 域 の 骨 格 としても 重 要 だと 思 われるので 配 慮 頂 ければ 委 員 G: 山 なみに 霧 がかかった 荘 厳 な 景 観 は 和 歌 山 らしいものだと 思 うが いざ 景 観 法 でどのようにして 守 れるのか となると 難 しく 今 後 の 課 題 である 委 員 E: 方 針 は 様 々な 書 き 方 があるが 和 歌 山 県 が 一 体 どのような 使 い 方 をするのか は 議 論 の 余 地 がある 例 えば 基 準 に 書 ききれない 考 え 方 を 方 針 で 記 載 し 法 定 の 計 画 として 位 置 づけ 指 導 の 際 にも 活 用 する といった 方 法 もあるが 和 歌 山 県 の 考 え 方 をお 聞 きしたい 現 行 の 案 では 協 働 のまちづくりを 推 進 するとしているが 今 の 活 動 への 評 価 には 触 れられていないし 先 ほどの 充 実 する 成 長 させていくという 考 え 方 を 盛 り 込 むことも 考 えられる また 都 市 計 画 ではコントロールできない 山 な み 農 村 の 部 分 の 考 え 方 も 積 極 的 に 位 置 づけるといった 方 法 もある 事 務 局 : 現 行 の 案 は 昨 年 度 に 開 催 した 懇 話 会 での 意 見 を 踏 まえたものであるが これ から 充 実 させていきたいので ご 意 見 を 元 にさらなる 検 討 を 重 ねたい 委 員 D: 景 観 農 業 振 興 地 域 について 農 地 の 保 全 も 景 観 上 重 要 だ 思 われるが 市 町 村 の 取 り 組 みに 対 する 補 助 などは 考 えておられるのか ある 程 度 は 予 算 を 確 保 し て 取 り 組 まれることが 望 ましいのでは 事 務 局 : 景 観 農 業 振 興 地 域 整 備 計 画 は 市 町 村 が 策 定 するものだが 支 援 については 現 段 階 では 未 定 である 委 員 A: これまでに 比 べて 可 能 性 は 増 えるのではないかと 思 われる 委 員 C: インターチェンジ 出 口 付 近 などで 派 手 な 看 板 や 建 物 が 目 立 っているが 既 設 のものに 対 して 働 きかけるしくみは 条 例 には 用 意 されていないのか 事 務 局 : 既 設 のものへの 働 きかけは 難 しい 誰 もが 好 ましくないと 感 じるものは 指 導 していきたいと 考 えているが どこまでできるか 委 員 A: 派 手 な 色 彩 は 慎 むべきだということであれば 色 彩 の 基 準 を 設 定 するという ことになるが そうしたこともこの 委 員 会 で 扱 っていくことになる 基 準 が 定 められれば 既 設 のもので 基 準 に 合 わないものは 既 存 不 適 格 となり 次 にやり 替 える 時 に 基 準 に 合 うように 指 導 していくことになる 委 員 H: 第 8 回 以 降 の 委 員 会 で 屋 外 広 告 物 条 例 改 正 を 検 討 するとのことだが どの ような 資 料 で 議 論 しようと 考 えておられるのか 事 務 局 : どのようなものが 景 観 を 阻 害 しているのか といったものをお 示 ししながら 検 討 して 頂 きたいと 考 えている 委 員 I: 経 済 では 具 体 的 な 目 標 として 成 長 率 何 %などと 設 定 するが この 景 観 計 画 で 3
は 手 法 は 記 載 されているものの 一 体 どのような 景 観 をつくっていこうとして いるのかが 記 載 されていない スコットランドの 計 画 では 20~30 年 後 の 山 なみ のビジョンを 示 していた この 計 画 の 中 にビジョンがどういう 形 で 入 ってくる のか 委 員 A: 2 段 階 の 考 え 方 があって まず 景 観 計 画 区 域 内 全 域 で 目 指 すべき 景 観 を 一 義 的 に 決 めるのは 難 しいが ふさわしくないものは 決 められるので それを 全 域 の 基 準 として 定 めていくことになる その 上 で 特 定 景 観 形 成 地 域 ではより 積 極 的 な 目 標 を 位 置 づけていこうというものである 資 料 でも 記 載 されているが 今 後 もう 少 し 詳 しく 議 論 されるべき 事 柄 であろう だが 何 を 持 って 良 い 景 観 とするのか という 問 いかけは 今 後 とも 続 くと 思 われるので 県 の 方 でも 継 続 して 考 え 続 けていかねばならない 委 員 G: 良 好 な 景 観 像 が 定 まらない 中 で 議 論 するという 形 になっているが 地 域 の 方 々 とも 一 緒 に 議 論 していく 中 で 明 確 になっていくものであると 考 える 時 間 をか けて 意 識 を 醸 成 し 育 てていくことが 肝 要 で 例 えば 観 光 マップに 景 観 の 情 報 を 盛 り 込 んでいくなどの 取 り 組 みも 考 えられる 一 方 でそれを 実 現 する 力 あるいはインセンティブも 必 要 で 和 歌 山 県 では 中 山 間 地 域 等 直 接 支 払 制 度 ( 注 : 中 山 間 地 域 における 農 業 生 産 活 動 を 支 援 し 農 村 が 持 つ 国 土 保 全 や 水 資 源 のかん 養 等 の 多 面 的 機 能 を 維 持 確 保 するため 一 定 の 交 付 条 件 を 満 た す 農 業 者 に 対 し 条 件 の 不 利 性 を 補 正 する 直 接 支 払 制 度 )などもあるが 例 えば 景 観 に 寄 与 する 農 地 の 保 全 には 補 助 の 上 乗 せをする といった 仕 組 みも 考 えられる 委 員 E: 資 料 の 行 為 の 制 限 で 示 されている 内 容 は 景 観 計 画 区 域 内 全 域 を 対 象 としたネ ガティブ チェックだが 工 作 物 についてここまで 細 かく 分 類 するのが 良 いの かどうか 細 かくすればするほど 運 用 が 難 しくなるのではないか また これらの 基 準 を 検 討 する 上 では どのような 景 観 のどういったところ を 問 題 としており どう 良 くしていくのか 背 景 となる 考 え 方 をきちんと 説 明 してほしい 委 員 J: 景 観 協 議 会 では 環 境 配 慮 といった 内 容 は 扱 わないのか また 資 料 の 行 為 の 制 限 について 風 力 発 電 施 設 は 工 作 物 の 鉄 筋 コンクリー ト 造 の 柱 鉄 柱 木 柱 その 他 これらに 類 するもの に 該 当 すると 考 えて 良 いのか 採 石 法 は 通 常 産 業 部 局 が 所 管 することが 多 いが 和 歌 山 県 では 県 土 整 備 部 が 所 管 するということで 連 携 も 採 りやすいと 思 う 事 務 局 : 環 境 配 慮 は 通 常 環 境 部 局 で 扱 うが 必 要 に 応 じて 協 議 会 の 場 に 参 画 を 求 める などしたい 風 力 発 電 施 設 はご 指 摘 の 通 り 委 員 G: 風 力 発 電 施 設 は 海 上 での 設 置 も 考 えられるが 本 計 画 は 海 面 なども 含 まれて いるのか 海 岸 の 景 観 も 重 要 と 思 われるので 検 討 頂 きたい 4
事 務 局 : ご 指 摘 を 踏 まえ 検 討 したい 委 員 B: 中 辺 路 には 熊 野 川 もぜひ 加 えてほしい 大 辺 路 は 海 岸 が 望 める 部 分 も 多 くあ るので ゆくゆくはこうしたところも 特 定 景 観 形 成 地 域 に 加 えてほしい また 古 道 は 小 辺 路 伊 勢 路 も 含 めてできているので 隣 接 する 奈 良 県 三 重 県 とも どう 関 わっていくのか も 含 めて 検 討 してほしい 委 員 A: 多 数 のご 意 見 を 頂 いた まず 景 観 計 画 の 全 体 をどう 考 えるのか 特 に 景 観 計 画 区 域 内 全 域 と 特 定 景 観 形 成 地 域 との 関 係 が 論 点 となった 景 観 形 成 の 方 針 についてはいくつか 足 りないところが 指 摘 された 本 来 なら ば 地 域 別 構 想 なども 書 ければ 良 いが そこまで 行 き 着 くのは 時 間 上 難 しいので その 上 でどうバランスを 取 るか が 課 題 行 為 の 制 限 については それをもってどのように 景 観 を 向 上 させようとして いるのか 具 体 的 な 景 観 のイメージを 示 すべきとの 意 見 があった また 現 在 は 他 法 令 で 届 出 が 担 保 されている 整 合 が 取 れているものを 対 象 としているが それが 必 ずしも 景 観 上 重 要 とは 限 らないとの 指 摘 もあり 必 要 に 応 じて 積 極 的 に 数 値 基 準 などを 設 定 することもあり 得 る 特 定 景 観 形 成 地 域 の 熊 野 参 詣 道 ( 中 辺 路 )については これから 具 体 的 なイ メージを 出 して 頂 き 議 論 したい 全 体 としては 取 りかかりの 部 分 であり ようやくこれからという 段 階 かと 思 うので 次 回 以 降 引 き 続 き 議 論 していきたい 5