コミュニティ 通 訳 の つなぐ 行 為 にみる 橋 渡 しとは 三 木 紅 虹 みなみ 市 民 活 動 多 文 化 共 生 ラウンジ コーディネーター NPO 法 人 MICかながわ 中 国 語 医 療 通 訳 はじめに 近 年 各 自 治 体 や 国 際 交 流 協 会 など 民 間 団 体 において コミュニティ 通 訳 が 無 視 できない 存 在 となりつつあるが その 人 材 の 育 成 確 保 および 活 用 システムの 構 築 には 課 題 が 山 積 みである そのひとつとして コミュニティ 通 訳 を 専 門 職 として 確 立 していくにあたり その 知 識 範 囲 技 術 レベル 倫 理 規 則 を 明 確 にす る 必 要 があると 考 えられる そこで 筆 者 が 長 年 神 奈 川 県 にある NPO 法 人 MIC かながわ および 横 浜 市 国 際 交 流 協 会 の 通 訳 ボランティアとして 各 種 相 談 時 の 通 訳 を 務 めてきたこと から 会 議 通 訳 ビジネス 通 訳 および 法 廷 通 訳 と 大 きく 異 なるコミュニティ 通 訳 における 橋 渡 し の 役 割 とりわけ つなぐ という 営 為 について 考 察 して いきたい 1 実 践 事 例 (1)シチュエーション1 指 定 されたケースの 通 訳 例 えば 拘 留 された 被 疑 者 と 弁 護 士 との 面 会 時 の 通 訳 や 病 院 での 受 診 科 が 決 まった 際 の 医 療 通 訳 などの 場 合 である 82
事 例 1 依 頼 を 受 けた 時 点 では 不 法 滞 在 のため 警 察 の 拘 置 所 にいる 中 国 人 と 弁 護 士 の 面 接 時 の 通 訳 との 情 報 を 把 握 することができた 警 察 署 において 弁 護 士 と 待 ち 合 わせし およそ5 分 前 後 の 情 報 交 換 の 場 において 当 事 者 の 名 前 や 事 件 の 経 緯 司 法 手 続 きの 流 れといった 段 取 りなどが 通 訳 者 に 伝 えられた 通 訳 は2 回 に 分 けて 行 われた 1 回 目 は 事 実 関 係 の 確 認 依 頼 人 の 望 みを 聞 くこと また 判 決 の 可 能 性 についての 説 明 であった また2 回 目 は 裁 判 の 流 れ の 確 認 および 判 決 結 果 について その 可 能 性 と 結 果 を 受 けて 取 るべき 行 動 の 説 明 であった 通 訳 している 過 程 で ビジネス 通 訳 や 法 廷 通 訳 の 場 合 には 考 えられないと 思 わ れるやり 取 りがなされることがある それは 当 事 者 が 通 訳 者 に 対 し これは 弁 護 士 に 話 してもいいですか と 問 いかけてくることである そう 言 われた 場 合 の 対 応 に 筆 者 は 常 に 戸 惑 いを 感 じる 今 までは 弁 護 士 には 真 実 をすべて 包 み 隠 さず 話 をした 方 が 早 く 事 件 解 決 につながる また 警 察 の 取 り 調 べに 対 する 黙 秘 権 とは 異 なる と 説 明 し 弁 護 士 に 話 をつなぐようにしてきた これは 確 かに 通 念 上 の 通 訳 者 の 領 域 を 超 える 行 為 かもしれないが 外 国 人 当 事 者 には 信 頼 されて いる 証 左 であり 弁 護 士 が 業 務 を 遂 行 するうえではプラスになると 考 えられるの は 妥 当 であろう 事 例 2 当 初 医 療 通 訳 の 依 頼 を 受 けた 時 点 では 40 代 女 性 の 精 神 科 受 診 のみの 情 報 が 提 供 された その 後 実 際 に 現 場 に 赴 き 病 院 において 待 合 の 時 間 を 利 用 し て 患 者 の 状 況 を 把 握 することができた この 患 者 は 夫 からのドメスティックバイオレンス(DV)がひどく 幻 聴 や 幻 覚 などの 症 状 が 現 れ 統 合 失 調 症 と 診 断 され その 後 は 薬 による 治 療 とカウンセ リングを 受 けている 事 例 1と 同 様 ビジネス 通 訳 や 法 廷 通 訳 などの 現 場 では おそらくあまり 見 受 けられることがないやり 取 りがあった 具 体 的 には 通 訳 さんみたいな 人 が 直 接 彼 女 の 話 を 聞 いてあげたりした 方 が 治 療 にも 良 いので どこか 適 切 な コミュニティ を 紹 介 してもらえますか と 精 神 科 の 医 師 に 相 談 されたのである そのため 通 訳 とはまったく 関 係 ないものの 患 者 擁 護 の 観 点 から 精 神 障 害 者 にも 理 解 のある 地 域 のボランティアグループを 患 者 に 紹 介 し 近 隣 のコミュニティにおいて 定 期 的 に 日 本 語 の 学 習 ができるようにつなげた 相 談 通 訳 におけるコミュニティ 通 訳 の 役 割 と 専 門 性 第 2 部 83
(2)シチュエーション2 不 特 定 の 相 談 時 の 通 訳 例 えば 外 国 人 向 け 無 料 相 談 会 における 通 訳 および 国 際 交 流 協 会 などの 相 談 窓 口 で 担 当 した 相 談 者 の 同 行 通 訳 の 場 合 である 事 例 3 無 料 相 談 会 の 場 合 は まずは 言 語 ガイド として 相 談 者 に 対 して 簡 単 なヒ アリングを 行 う その 際 相 談 者 の 基 本 情 報 や 相 談 したい 内 容 などを 聞 き 取 り 言 語 面 を 含 む 相 談 者 の 癖 や 自 身 が 置 かれている 状 況 などを 把 握 することができ る 相 談 時 の 通 訳 を 行 う 際 には まず 通 訳 者 が 聞 き 取 った 内 容 をある 程 度 整 理 し て 専 門 家 に 伝 えることになる その 後 専 門 家 から 経 緯 の 確 認 がなされ そして 相 談 内 容 に 対 する 解 決 方 法 (アドバイス)が 提 示 される 流 れが 一 般 的 となってい る しかし 三 者 による 通 話 が 可 能 な 電 話 トリオフォン を 用 いた 通 訳 の 場 合 は 事 前 に 上 記 のような 聞 き 取 りやブリーフィングが 実 施 されないケースがあるた め ときとして つなぐという 営 為 が 中 途 半 端 になってしまう 場 合 もある あるトリオフォンを 用 いた 相 談 会 においてのことである 相 談 者 A は 東 日 本 大 震 災 により 原 子 力 発 電 所 の 事 故 が 発 生 した 後 夫 が 過 度 の 反 応 行 動 を 示 して いると 考 えている そしてその 過 度 の 反 応 行 動 により 家 庭 にも また 仕 事 にも 支 障 が 生 じており 夫 に 対 し その 賠 償 責 任 を 求 めたいと 電 話 口 で 声 を 荒 げてい た この 相 談 案 件 では 弁 護 士 はあくまでも 法 律 的 な 解 釈 などを 中 心 にアドバイ スを 行 うことに 終 始 したが 相 談 者 は 明 らかに 自 身 の 怒 りを 受 け 止 めてほしいと いう 気 持 ちがあり また 夫 の 精 神 状 態 が 不 安 でどのようにすればよいのか 戸 惑 っ ている 様 子 が 行 間 から 垣 間 見 られた とはいえ 一 通 訳 者 として その 様 子 を 察 することはできても それを 口 に 出 すことはできず 心 残 りを 感 じた 事 例 4 筆 者 は 国 際 交 流 協 会 において 一 般 相 談 窓 口 を 担 当 しており 外 国 人 が 抱 える 悩 みや 迷 い そのほか 困 っていることなど さまざまな 相 談 事 を 直 接 受 けている その 話 の 中 身 を 整 理 しながら 分 類 し 相 談 者 に 確 認 してそれぞれの 専 門 部 署 機 関 につなぐよう 努 めている 相 談 者 に 代 わり 専 門 部 署 機 関 に 電 話 を 掛 け 予 約 を 入 れるなどして その 後 実 際 の 相 談 の 場 に 同 行 して 通 訳 するケースもある 相 談 者 B は 日 本 人 である 夫 との 仲 が 悪 く 頻 繁 に 喧 嘩 を 繰 り 返 し 暴 力 を 振 るわれることもあった そのため 1 歳 になる 子 どもを 連 れて 離 婚 したいと 考 84
えるようになり 弁 護 士 との 相 談 を 希 望 したいと ある 日 窓 口 にやって 来 た 筆 者 は 相 談 者 の 希 望 を 第 一 に 尊 重 し 弁 護 士 との 相 談 の 予 約 を 入 れた その 際 相 談 者 の 年 齢 やこれまでの 社 会 経 験 また 性 格 的 なことを 鑑 み 弁 護 士 との 相 談 が 終 わった 時 点 でさり 気 なく 雑 談 を 行 った そうしたところ 相 談 者 は 緊 迫 した 様 子 ではなかったことがわかった むしろ 相 談 者 は 日 頃 育 児 において 孤 立 しており イライラが 募 っている 様 子 が 見 受 けられた そのため 筆 者 は 地 域 の 子 育 て 拠 点 や 育 児 サークル 活 動 を 紹 介 し また 同 時 に 相 談 者 がこれらの 活 動 場 所 に 参 加 しやす くするよう 各 活 動 の 担 当 窓 口 に 直 接 つなぐよう 努 めた 2 コミュニティ 通 訳 がコミュニケーションを 図 る 際 に 必 要 な 要 素 (1) 通 訳 前 会 議 通 訳 やビジネス 通 訳 と 異 なり 特 に 相 談 時 のコミュニティ 通 訳 においては 事 前 の 準 備 には 限 界 があると 思 われる シチュエーション1のような 相 談 相 手 が 決 まっている 場 合 でも 具 体 的 な 相 談 内 容 は 知 らされないまま 通 訳 者 は 現 場 に 行 くことが 多 いと 言 える そのため さまざまな 相 談 内 容 の 可 能 性 を 予 測 してお く 必 要 があり コミュニティ 通 訳 が 取 り 扱 う 各 領 域 に 関 する 幅 広 い 基 礎 知 識 と いかなる 状 況 にも 対 応 を 図 ることができるだけの 経 験 が 必 要 となってくるであろ う また 事 前 に 相 談 を 受 けていた 場 合 には 相 談 者 の 話 の 内 容 を 整 理 したり 問 題 の 所 在 を 射 止 めたりする 必 要 もあるため 適 切 な 相 談 テクニックとアセスメン トの 基 本 を 具 えていることが 望 ましいと 考 えられる 一 方 事 前 打 ち 合 わせ(ヒ アリング)がない 場 合 においては 通 訳 者 と 弁 護 士 などの 専 門 家 が 集 い 事 前 に 顔 合 わせを 行 うことが 望 ましい 専 門 家 と 対 等 な 立 場 において 外 国 人 の 問 題 を 解 決 するために 協 力 し 合 うチームワークが 必 要 となってくる (2) 通 訳 時 難 しい 専 門 用 語 の 把 握 に 努 めるよりは 日 本 に 暮 らす 外 国 人 の 生 活 用 語 を 熟 知 し またそうしたボキャブラリーを 数 多 く 備 え また 使 えることが 肝 要 である なぜなら 外 国 人 は 出 身 地 や 年 齢 あるいは 個 々 人 の 知 識 の 範 囲 などによって 理 解 できる 語 彙 が 異 なるためである 通 訳 者 が 訳 出 を 行 った 際 に その 言 い 方 では 相 談 者 が 理 解 できないようであれば また 別 の 言 い 方 に 言 い 換 えを 行 い 情 報 を 伝 達 していくことが 必 要 となる 場 面 も 数 多 くみられる また 事 例 1と 事 例 2で 示 したように 通 訳 者 が 中 立 性 を 保 ちながらも 信 頼 の できる 支 援 者 としての 役 割 が 期 待 されることもあるため 適 切 かつ 正 確 な 相 談 通 訳 におけるコミュニティ 通 訳 の 役 割 と 専 門 性 第 2 部 85
提 案 (アドバイス)ができるよう しっかりとした 倫 理 観 を 有 していることも 大 切 である そうした 際 通 訳 者 が 外 国 人 相 談 者 と 相 談 後 に 個 人 的 な 関 係 を 結 ぶこ となく 適 切 な 支 援 が 継 続 的 になされるようなシステム およびネットワークが 必 要 であることも 強 調 しておきたい さらに 事 例 1のように 力 の 格 差 により 相 談 者 が 適 切 な 質 問 はできない 際 また 事 例 3で 示 した 通 り 外 国 人 相 談 者 と 専 門 家 の 間 にずれが 生 じた 際 には 支 援 者 としての 通 訳 者 が 必 要 な 情 報 を 適 切 な 形 で 付 け 加 えや 説 明 を 行 えるよう 専 門 職 としてのステータスを 与 えていくことが 必 要 であると 思 われる (3) 通 訳 後 主 として 相 談 会 において 相 談 が 終 了 した 際 には 当 日 の 運 営 ならびに 通 訳 者 としての 振 る 舞 いや 訳 出 上 の 反 省 も 含 め 専 門 家 とともに 振 り 返 り を 行 い 通 訳 時 に 展 開 されたさまざまなコミュニケーションを 確 認 し 次 の 機 会 に 向 けた 情 報 共 有 および 経 験 の 蓄 積 を 図 ることが 必 要 である ときとして 事 例 2と 事 例 4で 紹 介 したように 事 後 のフォローが 必 要 な 相 談 者 への 追 加 情 報 を 提 供 する ほか 連 携 先 の 専 門 部 署 機 関 に 相 談 ( 者 )をつなぐ 役 割 も 期 待 される 3 課 題 論 考 そもそもコミュニティ 通 訳 を 必 要 とするのは 在 住 外 国 人 が 日 本 社 会 で 生 活 す るうえで 生 じる 問 題 を 解 決 するためである コミュニティ 通 訳 について 水 野 [2008] は 以 下 のように5つの 特 徴 があると 述 べている すなわち 1 地 域 住 民 を 対 象 とする 2 利 用 者 間 に 力 関 係 の 差 がある 3 言 語 レベルや 種 類 がさまざま である 4 文 化 の 要 素 が 大 きく 関 わる 5 基 本 的 人 権 の 保 護 に 直 結 している 一 方 で 飯 田 [2010] は 日 本 でのコミュニティ 通 訳 従 事 者 には 以 下 に 挙 げる 特 徴 があるとしている それは1 当 事 者 性 2 支 援 的 立 場 3ボランティア 性 である また 高 橋 はコミュニティ 通 訳 とは 良 い 通 訳 者 は 透 明 人 間 であるというより 演 目 を 熟 知 したうえで 舞 台 に 上 がり 役 者 の 演 技 を 助 ける 黒 子 のような 役 だと 述 べ た [ 高 橋 2009:56] このような 状 況 下 におけるコミュニティ 通 訳 の 役 割 およびそれを 果 たすため に 必 要 な 条 件 について 筆 者 は 下 記 のように 考 えている またここでコミュニティ 通 訳 の 役 割 を 論 じる 大 前 提 として 通 訳 者 は 何 よりも 正 確 性 が 担 保 されていなけ ればならないことを 忘 れてはいけない 86
(1)コミュニティ 通 訳 のみが 果 たす 役 割 これまで 述 べてきたように コ ミュニティ 通 訳 は 往 々にして 単 なる 通 訳 行 為 に 留 まらず 支 援 者 として の 役 割 が 求 め ら れ て い る [ 飯 田 2010] ことが 分 かった それは 通 訳 利 用 者 の 双 方 から 期 待 されている 例 えば 事 例 1の 場 合 弁 護 士 に 真 実 を 話 すことは 最 初 の 段 階 から 弁 護 士 から 被 疑 者 に 告 げられていた とはいえ その 被 疑 者 は 弁 護 士 を コミュニティ 通 訳 研 究 会 にて 発 表 する 筆 者 公 的 な 立 場 の 人 物 ととらえ 自 身 と 同 じ 国 出 身 の 通 訳 者 をより 信 頼 できると 考 えたと 思 われる だからこそ 通 訳 者 に 意 見 を 求 めてきたと 推 察 される 事 例 2 および 事 例 4の 場 合 も 医 師 は 患 者 を 治 療 する 専 門 家 であり また 弁 護 士 は 法 律 を 通 して 問 題 の 解 決 に 当 たる 専 門 家 ではあるが 殊 に 外 国 人 支 援 に 関 連 する 知 識 やネットワークに 関 しては 情 報 が 不 足 している 加 えて ことばの 隔 たりもあるため これらの 専 門 家 が 問 題 を 抱 えている 外 国 人 住 民 と その 支 援 に 当 たる 社 会 資 源 をつなぐことはできない 一 方 日 頃 から 外 国 人 支 援 活 動 に 携 わっている 通 訳 者 の 方 が より 確 実 に 外 国 人 を 適 切 な 社 会 資 源 につなぐことができる この つなぐ という 役 割 は 外 国 人 の 問 題 を 解 決 するに 当 たり 不 可 欠 な 要 素 であり コミュニティ 通 訳 の 橋 渡 し と 言 えよう (2)コミュニティ 通 訳 の 橋 渡 し を 保 証 するシステムの 必 要 性 まずは 通 訳 者 自 身 の 知 識 スキル 倫 理 について 一 定 の 基 準 が 必 要 だと 言 え る 知 識 に 関 しては 通 訳 言 語 が 話 されている 国 の 文 化 や 生 活 事 情 などの 背 景 知 識 に 加 え 通 訳 に 当 たる 分 野 の 基 本 知 識 そして 連 携 先 の 専 門 機 関 など についての 理 解 および 広 いネットワークの 知 識 が 必 要 不 可 欠 と 思 われる ス キルに 関 しては 語 学 的 な 文 脈 においては 特 に 生 活 用 語 また 訛 りのある 発 話 を 聞 き 取 る 能 力 が 必 要 であり またコミュニケーション 能 力 や 生 活 経 験 から 生 まれ る 暗 黙 知 も 肝 要 であると 思 われる しっかりとした 倫 理 観 も 求 められることとな るが 事 例 2と 事 例 4で 挙 げたように 特 に 重 要 視 したいのは 中 立 性 と 客 観 性 で 相 談 通 訳 におけるコミュニティ 通 訳 の 役 割 と 専 門 性 第 2 部 87
ある 換 言 すれば 信 頼 関 係 を 構 築 しながら 私 的 な 依 存 関 係 を 回 避 するためのテ クニックである これらを 踏 まえたうえで 通 訳 者 が 支 援 的 立 場 を 取 り プラスアルファで 橋 渡 し を 務 めることができるよう 保 証 してくれるシステム( 制 度 )が 必 要 不 可 欠 であると 感 じている 事 例 3のように 通 訳 者 は 課 題 解 決 に 当 たるチームの 一 員 であり 外 国 人 支 援 に 携 わる 専 門 職 としての 認 識 がなされていなければ 相 談 者 に 対 して 必 要 な 情 報 やアドバイスの 提 供 を 行 うことは 極 めて 難 しい こうした 状 況 を 打 開 する 意 味 において コミュニティ 通 訳 を 専 門 職 としてとらえる 認 定 制 度 が 必 要 と 思 われる また 最 後 に 認 定 制 度 においては コミュニティ 通 訳 をただ 単 にレベル 別 に 評 価 認 定 するだけでなく システムとして 有 効 な 運 用 を 図 るために 利 用 目 的 や 利 用 機 関 および 通 訳 者 の 得 意 分 野 や 対 応 力 に 応 じて 人 と 人 をつなぐ 適 切 な コーディネートを 行 う 人 材 も 必 要 になると 思 われる [ 文 献 ] 飯 田 奈 美 子, 2010, 中 国 帰 国 者 の 支 援 制 度 から 見 るコミュニティ 通 訳 の 現 状 と 課 題 立 命 館 人 間 学 研 究, 21, 立 命 館 大 学 人 間 科 学 研 究 所 :75-88 高 橋 正 明, 2009, 通 訳 の 役 割 -コミュニティ 通 訳 の 視 点 から- シリーズ 多 言 語 多 文 化 協 働 実 践 研 究 別 冊 2 外 国 人 相 談 事 業 - 実 践 のノウハウとその 担 い 手 - 東 京 外 国 語 大 学 多 言 語 多 文 化 教 育 研 究 センター : 50-62 水 野 真 木 子, 2008, コミュニティー 通 訳 入 門 大 阪 教 育 図 書 88