放 射 線 の 定 義 放 射 線 とは 広 い 意 味 では すべての 電 磁 波 および 粒 子 線 の 事 を 言 います 一 般 的 には 物 質 を 通 過 する 際 に 原 子 や 分 子 をイオン 化 させる 能 力 がある 電 離 放 射 線 のことを 放 射 線 と 呼 んでいます



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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

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●電力自由化推進法案

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

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別紙3

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

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-4- 他 照 射 録 診 療 放 射 線 技 師 は 放 射 線 を 人 体 に 対 して 照 射 したときは 遅 滞 なく 必 要 事 項 を 記 載 した 照 射 録 を 作 成 し その 照 射 について 指 示 をした 医 師 又 は 歯 科 医 師 の 署 名 を 受 けているか ( 診

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目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

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いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

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Transcription:

放 射 線 て な ん だ ろ う ー 放 射 線 の 基 礎 知 識 ー 第 458 回 市 民 医 学 講 座 仙 台 総 合 放 射 線 クリニック 理 事 長 小 川 芳 弘 平 成 23 年 7 月 21 日

放 射 線 の 定 義 放 射 線 とは 広 い 意 味 では すべての 電 磁 波 および 粒 子 線 の 事 を 言 います 一 般 的 には 物 質 を 通 過 する 際 に 原 子 や 分 子 をイオン 化 させる 能 力 がある 電 離 放 射 線 のことを 放 射 線 と 呼 んでいます 原 子 力 基 本 法 では 放 射 線 とは 電 磁 波 粒 子 線 のうち 直 接 関 節 に 空 気 を 電 離 する 能 力 をもつもので 政 令 で 定 めるものをいう としています 電 磁 波 とは 空 間 の 電 場 と 磁 場 の 変 化 によって 作 られる 波 のことで この 波 は 光 速 で 伝 わります 粒 子 線 は 原 子 核 や 中 性 子 電 子 といった 小 さい 粒 子 の 流 れ 主 な 電 磁 波 光 X 線 (レントゲン 線 ) ガンマ 線 (γ 線 ) 主 な 粒 子 線 アルファ 線 (α 線 ) ベータ 線 (β 線 ) 電 子 線 陽 電 子 線 陽 子 線 重 イオン 線 中 性 子 線 など

放 射 線 の 種 類 電 磁 波 : X 線 γ 線 粒 子 : α 線 β 線 電 子 線 陽 子 線 中 性 子 線 重 イオン 線

代 表 的 な 放 射 線 アルファ 線 (α 線 ) アルファ 線 はヘリウムの 原 子 核 の 流 れ( 陽 子 2 個 中 性 子 2 個 ) は 弱 く 紙 1 枚 で 止 まる( 遮 蔽 できる) 透 過 力 ベータ 線 (β 線 ) 核 の 内 部 から 放 出 される 電 子 または 陽 電 子 の 流 れ 透 過 力 はアルファ 線 より 強 く 紙 は 貫 通 しますが アルミホイルで 遮 蔽 できます ガンマ 線 (γ 線 ) 原 子 核 内 から 放 出 される 電 磁 波 透 過 力 はアルファ 線 ベータ 線 よりずっ と 強 く 遮 蔽 には 鉛 厚 い 鉄 板 が 必 要 X 線 原 子 の 軌 道 電 子 の 軌 道 の 移 動 に 伴 って 放 出 される 電 磁 波 で ガンマ 線 と 同 じ 性 質 があります 中 性 子 線 中 性 子 の 流 れで 透 過 力 は 上 記 放 射 線 より 強 く 遮 蔽 には 水 コンクリー トが 必 要

放 射 線 の 透 過 力 α 線 β 線 γ 線 X 線 中 性 子 線 紙 アルミニウム などの 薄 い 板 鉛 や 厚 い 鉄 の 板 水 やパラフィン

放 射 線 の 単 位

放 射 線 と 放 射 能 放 射 線 とは 電 磁 波 や 粒 子 線 のことで 放 射 能 とは 放 射 線 を 出 す 性 質 ( 能 力 )のことをいいます 放 射 性 物 質 は 放 射 能 をもっているということになります 放 射 能 の 強 さは 放 射 性 物 質 が1 秒 間 に 壊 れていく 数 で 表 し 1 秒 間 に1 個 の 原 子 核 が 壊 れる 放 射 能 の 強 さを1Bq(ベク レル)と 言 います 放 射 性 物 質 の 放 射 能 も 時 間 とともに 減 衰 していき 一 定 の 時 間 で 放 射 能 が 半 分 になるようになっています この 時 間 を 半 減 期 といって 物 質 固 有 の 値 になっています

放 射 線 の 性 質 蛍 光 作 用 蛍 光 物 質 ( 硫 化 カドミウム 亜 鉛 タングステン 酸 カ ルシウムなど)にあたると 蛍 光 を 発 する 作 用 透 過 作 用 物 質 を 透 過 する 作 用 感 光 作 用 写 真 乳 剤 (フィルム)を 感 光 させる 作 用 電 離 作 用 物 質 をイオン 化 ( 電 離 )し 電 気 の 伝 導 性 を 与 える 作 用

放 射 線 の 人 体 におよぼす 効 果 直 接 効 果 放 射 線 が 直 接 DNAを 損 傷 する 間 接 効 果 放 射 線 が 体 内 に 入 ると 体 内 の 水 分 子 が 電 離 OHラジカル 基 が 生 成 され 生 体 内 の 物 質 に 対 し 強 い 化 学 反 応 を 引 き 起 こす 細 胞 の 核 内 のDNAが 損 傷 細 胞 分 裂 時 にうまく 複 製 できず 細 胞 が 死 ぬ (OHラジカル 基 の 寿 命 は 短 い) 10-3 秒 以 下

放 射 線 の 身 体 的 影 響 と 遺 伝 的 影 響 放 射 線 を 受 けた 人 に 影 響 が 出 る 身 体 的 影 響 と 放 射 線 を 受 け た 人 のこどもや 孫 に 影 響 が 現 れる 遺 伝 的 影 響 とがあります 身 体 的 影 響 急 性 障 害 放 射 線 を 受 けて 数 週 間 以 内 に 出 る 影 響 皮 膚 炎 など 晩 発 性 障 害 放 射 線 を 受 けて 数 カ 月 から 数 年 後 に 症 状 が 出 る 影 響 白 内 障 など 遺 伝 的 影 響 ショウジョウバエを 用 いた 動 物 実 験 では 突 然 変 異 が 起 き ることが 確 認 されていますが 人 については 広 島 長 崎 の 被 曝 者 の 調 査 でも 遺 伝 的 影 響 は 確 認 されていません

放 射 線 の 確 定 的 影 響 と 確 率 的 影 響 確 定 的 影 響 一 定 量 の 放 射 線 を 受 けると 必 ず 影 響 が 現 れる 現 象 受 けた 線 量 が 多 くなればその 影 響 も 大 きい 確 定 的 影 響 には しきい 値 があり 放 射 線 を 受 ける 量 を そのしきい 値 以 下 に 抑 えることで 防 ぐことができる 確 率 的 影 響 一 定 量 の 放 射 線 量 を 受 けたとしても 必 ずしも 影 響 が 現 れるわけではない 現 象 しきい 値 がないと 仮 定 する 影 響 がん 白 血 病 などは 確 率 的 影 響

確 定 的 影 響 のしきい 値 影 響 急 性 被 曝 (Sv) 慢 性 被 曝 (Sv/ 年 ) 慢 性 被 曝 (μsv/h) 水 晶 体 混 濁 0.5~2 0.2 22.8 白 内 障 5 0.15 17.1 精 巣 一 時 的 不 妊 0.15 0.4 45.6 永 久 不 妊 3.5~6 2 228.3 卵 巣 永 久 不 妊 2.5~6 0.2 22.8 造 血 器 機 能 低 下 ( 白 血 球 減 少 ) 胎 児 奇 形 0.1 重 度 精 神 発 達 遅 延 0.5 0.4 45.6 0.12~0.2 皮 膚 紅 斑 6~8 一 時 的 脱 毛 3~5 永 久 脱 毛 7 全 身 半 数 死 亡 /60 日 3~5

放 射 線 の 影 響 一 分 類 身 体 的 影 響 急 性 100% 死 亡 脱 毛 不 妊 女 晩 発 白 内 障 胎 児 奇 形 (7000mSv) (3000mSv) (2500mSv) (5000mSv) (100mSv) 確 定 的 影 響 ( 大 量 の 放 射 線 被 曝 ) 白 血 病 がん 確 率 的 影 響 ( 少 線 量 でも 小 さい 確 率 ) 遺 伝 的 影 響 代 謝 異 常 軟 骨 異 常 など

放 射 線 の 影 響 (まとめ) 細 胞 の 核 が 傷 つけられ それがもとで いろいろな 影 響 がでる 可 能 性 があります 放 射 線 の 量 によって 低 線 量 では 確 率 的 な 影 響 ( 発 がん 白 血 病 など) 高 線 量 になってくると 確 定 的 な 影 響 がでます ( 皮 膚 炎 白 内 障 不 妊 死 亡 など) 確 定 的 影 響 にはしきい 値 があります 年 間 100mSv 以 下 の 被 曝 では 確 率 的 影 響 もほとんど 検 出 できません

放 射 線 の 良 い 影 響 と 悪 い 影 響 放 射 線 の 良 い 影 響 放 射 線 を 用 いて 病 気 の 診 断 ができる 手 術 にかわって 非 侵 襲 的 ながんの 治 療 ができる 少 量 の 放 射 線 被 曝 は 免 疫 能 を 上 げて 健 康 によい ホルミシス 説 その 他 工 業 農 業 などへの 応 用 放 射 線 の 悪 い 影 響 被 曝 することによる 放 射 線 障 害 の 発 生 確 定 的 影 響 と 確 率 的 影 響

医 学 的 応 用 X 線 の 発 見 により 体 を 開 けなければ 知 ることができな かった 体 の 内 部 の 構 造 を 体 を 開 けずに 情 報 が 得 られ るようになりました 近 代 医 学 の 発 展 に 大 きく 貢 献 しています X 線 写 真 血 管 造 影 CT(Computed Tomography) 核 医 学 放 射 線 治 療

放 射 線 診 断 に 伴 う 被 曝 線 量 検 査 実 効 線 量 (msv) 単 純 X 線 撮 影 実 効 線 量 (msv) 頭 部 CT 2 頭 蓋 骨 0.07 胸 部 CT 6~8 胸 部 0.06 腹 部 CT 10~20 腹 部 1.0 骨 盤 CT 10~20 骨 盤 0.7 PET-CT 8~32 上 部 消 化 管 透 視 1.5 骨 シンチ 1.4 注 腸 造 影 7.0 心 筋 シンチ 8.5 腫 瘍 (Ga)シンチ 7.8

放 射 線 治 療 放 射 線 を 照 射 することで 細 胞 に 障 害 を 与 え 切 らずに 癌 細 胞 を 殺 す 治 療 です 手 術 化 学 療 法 とならんで 癌 治 療 の3 本 柱 のひとつになっ ています 食 道 癌 照 射 前 食 道 癌 照 射 中 間 食 道 癌 照 射 後

放 射 性 同 位 元 素 について 同 じ 元 素 で 中 性 子 の 数 が 違 うものを 同 位 体 といます 同 位 体 のなかでも 安 定 なものと 不 安 定 なものがあり 不 安 定 なものは 時 間 と ともに 壊 れて( 放 射 性 壊 変 ) 放 射 線 を 出 します この 放 射 線 を 出 す 同 位 体 を 放 射 性 同 位 体 放 射 性 同 位 元 素 といいます 放 射 性 同 位 元 素 は 自 然 界 に 存 在 するものと 原 子 炉 などで 作 られる 人 工 放 射 性 同 位 元 素 があります 炭 素 14( 14 C) カリウム40( 40 K) ヨウ 素 131( 131 I) 等 放 射 性 同 位 元 素 は 放 射 性 壊 変 して 安 定 な 物 質 に 変 わっていきます が その 放 射 性 壊 変 の 確 率 は 物 質 によって 決 まっています はじめに 存 在 した 物 質 の 半 分 が 放 射 性 壊 変 して 半 分 に 減 るまでの 時 間 を 半 減 期 といいます

被 曝 の 単 位 Sv(シーベルト) 放 射 線 の 吸 収 を 表 す 単 位 Gy(グレイ)(J/Kg) 人 体 が 受 けた 放 射 線 の 影 響 は その 放 射 線 の 種 類 によってことなります X 線 とγ 線 β 線 電 子 線 などは ほとんど 効 果 は 同 じですが α 線 や 中 性 子 線 陽 子 線 の 場 合 は 同 じ 量 のX 線 γ 線 に 比 べて 影 響 は 強 くなりま す このため 吸 収 線 量 (Gy)に 放 射 線 の 種 類 毎 に 定 められた 放 射 線 荷 重 係 数 を 乗 じて 線 量 ( 当 量 )を 算 出 したものがSvです Sv= 放 射 線 荷 重 係 数 Gy 国 際 放 射 線 防 護 委 員 会 1990 年 勧 告 より 放 射 線 の 種 類 X 線 γ 線 β 線 ( 電 子 線 )など 軽 粒 子 中 性 子 (エネルギーによって 違 う) 荷 重 係 数 1 5~20 α 線 重 粒 子 線 20

自 然 界 の 放 射 線 自 然 界 には 放 射 線 が 存 在 します 宇 宙 線 から 0.39mSv 空 気 中 のラドン 1.26mSv 食 物 から 0.29mSv 自 然 放 射 線 による 年 間 線 量 世 界 平 均 約 2.4mSv 日 本 平 均 約 1.5mSv 大 地 から 0.48mSv

地 域 によっても 自 然 放 射 線 量 は 違 います 宇 宙 大 地 からと 食 物 摂 取 によって 受 ける 放 射 線 の 量 日 本 全 体 0.99mSv/ 年 1.17mSv/ 年 1.19mSv/ 年 0.94mSv/ 年 1.04mSv/ 年 1.10mSv/ 年 0.91mSv/ 年 1.18mSv/ 年 0.81mSv/ 年 日 本 では 大 地 から 受 ける 放 射 線 量 は 平 均 0.43mSv/ 年 大 地 に 含 まれる 鉱 物 の 種 類 が 違 うため 地 域 で 異 なる ( 花 崗 岩 が 多 いと 高 い) 東 北 電 力 HPより

世 界 の 自 然 放 射 線 量 ( 大 地 から) ノルウェー 0.63(10.5) ドイツ 0.37(1.34) フランス 0.60(2.20) ラムサール 10.2(260) インド 0.48(9.6) 中 国 0.54(3.0) 陽 江 3.51(5.4) ケララ(インド) 3.8(35) 日 本 0.43(1.26) 香 港 0.67(1.00) アメリカ 0.40(0.88) ガラパリ 5.5(35) 単 位 :μsv/ 年 () 内 は 最 高 値 単 位 msv/ 年 ( ) 内 は 最 高 値 世 界 平 均 は0.50mSv/ 年

ニューヨークまで 飛 行 機 で 往 復 すると 東 京 ーニューヨークを 飛 行 機 で 往 復 すると 0.19mSvの 被 曝 高 度 が 高 くなると 宇 宙 から 受 ける 放 射 線 ( 宇 宙 線 )を 多 く 受 けるようになるため 高 度 高 度 20000m 放 射 線 強 度 13μSv/h 高 度 12000m 5μSv/h ( 飛 行 機 ) 宇 宙 飛 行 士 は1 日 1mSv 被 曝 していると いわれています 高 度 4000m 高 度 2000m 海 面 0.2μSv/h 0.1μSv/h 0.03μSv/h

人 体 の 放 射 能 ヒトは 自 然 界 の 物 質 からできています 自 然 界 にはいろいろな 種 類 の 放 射 性 物 質 が 存 在 し 当 然 それら はからだの 一 部 として 体 内 に 存 在 します 特 にカリウムの0.01%は 放 射 性 物 質 のカリウム40です 体 内 に 含 まれる 主 な 放 射 性 物 質 は カリウム40 β 崩 壊 4000ベクレル (0.17mSv) 炭 素 14 β 崩 壊 1500ベクレル カリウム40 炭 素 14 半 減 期 12 億 5000 万 年 半 減 期 5730 年 人 体 からも 常 に 放 射 線 が 出 ていることになります

ICRP ( 国 際 放 射 線 防 護 委 員 会 ) 専 門 家 の 立 場 から 放 射 線 防 護 に 関 する 勧 告 を 行 う 民 間 の 国 際 学 術 組 織 被 曝 低 減 の 原 則 ALARAの 原 則 1954 年 : 可 能 な 最 低 限 のレベルに (to the lowest possible level) 1956 年 : 実 効 できるだけ 低 く (as low as practicable) ALAP 1965 年 : 容 易 に 達 成 できるだけ 低 く (as low as readily achievable) ALARA1 1973 年 : 合 理 的 に 達 成 できるだけ 低 く (as low as reasonably achievable) ALARA2 2007 年 の 勧 告 では 1 年 間 の 被 曝 限 度 となる 放 射 線 量 を 平 常 時 は1mSv 未 満 緊 急 時 には20~100mSv 緊 急 事 故 御 の 復 旧 時 は1~20mSvと 定 めている

被 曝 線 量 の 上 限 ( 法 律 ) ICRP 勧 告 を 基 に 放 射 線 障 害 防 止 法 関 連 法 令 にて 規 定 されています 放 射 線 が 人 類 の 幸 福 にもたらす 利 益 が 確 率 的 影 響 による 健 康 上 の 不 利 益 を 遥 かにうわまわることを 保 証 しうる 上 限 の 線 量 職 業 被 曝 公 衆 被 曝 実 効 線 量 50mSv/ 年 1mSv/ 年 100mSv/5 年 (20mSv/ 年 ) 5mSv/3カ 月 ( 妊 娠 可 能 な 女 子 ) 1mSv ( 妊 娠 から 出 産 まで) 公 衆 被 曝 は1 年 間 に1mSvの 被 曝 が 許 容 されています 単 純 に365 日 24 時 間 で 割 ると 0.114uSv/ 時 間 となります 職 業 被 曝 では 20mSv/ 年 すなわち 2.28uSv/ 時 間 となります

国 際 原 子 力 事 象 評 価 尺 度 (INES) 基 準 (もっとも 高 いレベル) レベル 基 準 1: 所 外 への 影 響 基 準 2: 所 内 への 影 響 基 準 3: 深 層 防 護 の 劣 化 参 考 事 例 7( 深 刻 な 事 故 ) 放 射 性 物 質 の 重 大 な 外 部 放 出 原 子 炉 や 放 射 性 物 質 障 壁 が 壊 滅 再 建 不 能 チェルノブイリ 福 島 原 発 事 故 6( 大 事 故 ) 5( 所 外 へのリスク を 伴 う 事 故 ) 放 射 性 物 質 のかなりの 外 部 放 出 放 射 性 物 質 の 限 られた 外 部 放 出 原 子 炉 や 放 射 性 物 質 障 壁 の 致 命 的 な 被 害 原 子 炉 の 炉 心 放 射 性 物 質 障 壁 の 重 大 な 損 傷 スリーマイル 4( 所 外 への 大 きな リスクを 伴 わない 事 故 ) 放 射 性 物 質 の 少 量 の 外 部 放 出 原 子 炉 の 炉 心 放 射 性 物 質 障 壁 のかなりの 損 傷 JCO 臨 界 事 故 異 常 な 事 態 尺 度 以 下 3( 重 大 な 異 常 事 象 ) 2( 異 常 事 象 ) 1( 逸 脱 ) 放 射 性 物 質 の 極 めて 少 量 の 外 部 放 出 0( 尺 度 以 下 ) 安 全 上 重 要 でない 事 象 重 大 な 放 射 性 物 質 による 汚 染 かなりの 放 射 性 物 質 によ る 汚 染 深 層 防 護 の 喪 失 深 層 防 護 のかな りの 劣 化 運 転 制 限 範 囲 か らの 逸 脱 0+ 安 全 に 影 響 を 与 えうる 事 象 0- 安 全 に 影 響 を 与 えない 事 象 美 浜 原 発 もんじゅナトリウム 漏 えい 評 価 対 象 外 安 全 に 関 係 しない 事 象

原 発 事 故 で 放 出 される 放 射 性 同 位 元 素 ヨウ 素 131 ( 半 減 期 8.05 日 β 線 放 射 性 キセノンからγ 線 ) 放 出 され 易 い 甲 状 腺 に 取 り 込 み 注 意 セシウム137 ( 半 減 期 30 年 β 線 バリウムからγ 線 ) 土 壌 と 結 合 し 易 く 長 期 汚 染 の 原 因 食 物 連 鎖 を 経 て 人 体 ( 筋 肉 )に 入 りやすい ストロンチウム90 ( 半 減 期 28 年 β 線 ) セシウムよりは 放 出 され 難 いが 炉 心 破 壊 で 放 出 骨 に 取 り 込 まれる プルトニウム239 ( 半 減 期 24110 年 α 線 ) 遠 方 には 行 かない 肺 に 沈 着 クリプトン85 ( 半 減 期 10.8 年 β 線 γ 線 ) 自 然 界 にないが 年 年 上 空 に 蓄 積 体 内 蓄 積 なし キセノン133 ( 半 減 期 5.27 日 β 線 ): 重 い 気 体 放 射 線 雲 通 過 後 影 響 なし 体 内 蓄 積 なし

131 放 射 性 ヨウ 素 ( I)について 放 射 性 ヨウ 素 放 射 性 キセノン ( 131m Xe) 安 定 キセノン( 131 Xe) ( 原 子 番 号 53) ( 原 子 番 号 54) β 線 γ 線 : 外 部 放 出 (10 6 Bqを1mで1.4μSv) 内 部 被 曝 (1Bq 経 口 で0.022μSv 1Bq 吸 入 で0.011µSv) 半 減 期 8.05 日 天 然 : 宇 宙 線 +キセノン 自 然 界 ウラン238の 自 然 核 分 裂 人 工 的 : 軽 水 炉 原 発 100 万 kw1カ 月 運 転 3.1 10 18 Bqがその 後 も 持 続 的 に 存 在 ( 福 島 定 格 出 力 110 万 kw) 牧 草 (10 3 Bq/m 2 ) 3 日 後 牛 乳 (900Bq/L:20μSv/L) 人 5 日 で 除 去

137 放 射 性 セシウム( Cs)について 放 射 性 セシウム137 放 射 性 バリウム137 安 定 バリウム ( 原 子 番 号 55) ( 原 子 番 号 56) β 線 γ 線 半 減 期 30 年 天 然 : 自 然 界 ウラン 鉱 の 自 然 核 分 裂 ( 生 成 量 少 ) 人 工 的 : 軽 水 炉 原 発 100 万 kw1 年 運 転 1.4 10 17 Bq ( 福 島 定 格 出 力 110 万 kw) 1Bq 経 口 :0.013µSv

原 発 事 故 での 問 題 は 放 射 性 物 質 の 放 出 原 発 事 故 による 放 射 性 物 質 の 放 出 により 空 気 中 水 中 に 放 射 性 物 質 が 拡 散 水 中 に 出 た 場 合 は 海 流 でいろいろなところに 拡 散 する 可 能 性 があります 海 水 は 絶 対 量 が 多 いため 高 濃 度 になる 可 能 性 は 低 いと 思 われますが 空 中 に 放 出 された 放 射 性 物 質 は 大 気 の 流 れ( 風 )で 周 囲 に 拡 散 そこで 雨 雪 が 降 れば 雨 雪 とともに 地 上 に 降 りてきて 地 面 建 物 などに 付 着 川 な どにも 当 然 流 れ 込 みます 放 射 性 物 質 が 持 続 的 に 放 出 される 場 合 は 放 射 線 の 濃 度 は 持 続 的 に 上 がりま すが 一 時 的 に 放 出 された 場 合 は 放 射 性 物 質 の 半 減 期 とともに 放 射 線 の 濃 度 は 低 下 していきます 原 発 事 故 の 場 合 放 射 性 ヨウ 素 放 射 性 セシウムが 多 く 放 出 されますが 放 射 性 ヨウ 素 は 半 減 期 は8 日 と 短 く 時 間 とともに 減 っていきます 放 射 性 セシウム 放 射 性 ストロンチウムなどは 半 減 期 が30 年 程 度 あり 長 期 的 にはこれらによる 被 曝 が 問 題 になると 考 えられます

現 在 の 仙 台 の 放 射 線 量 (7 月 1 日 ) 青 葉 区 宮 城 野 区 太 白 区 μsv/h 1 作 並 小 学 校 0.08 2 大 倉 小 学 校 0.08 3 台 原 小 学 校 0.09 4 貝 森 小 学 校 0.10 5 第 一 中 学 校 0.09 6 大 沢 中 学 校 0.09 7 広 陵 中 学 校 0.06 8 国 見 ヶ 丘 せんだんの 杜 保 育 園 0.09 9 錦 町 公 園 0.13 μsv/h 1 東 宮 城 野 小 学 校 0.11 2 新 田 すいせん 保 育 所 0.14 3 新 田 東 中 央 公 園 0.16 4 榴 岡 四 丁 目 公 園 0.15 若 林 区 μsv/h 1 七 郷 中 学 校 0.11 2 荒 井 青 葉 保 育 所 0.13 3 新 寺 四 丁 目 公 園 0.17 μsv/h 1 郡 山 小 学 校 0.13 2 八 本 松 児 童 館 0.12 3 向 山 保 育 所 0.13 泉 区 μsv/h 1 虹 の 丘 小 学 校 0.10 2 八 乙 女 中 学 校 0.12 3 南 光 台 保 育 園 0.12 東 北 大 学 サイクロトロン ラジオアイソトープセ ンター( 青 葉 区 青 葉 山 地 区 )では 同 じ 日 に 0.08μSv/h(3/11 以 前 の 平 常 時 は0.04μSv/h) 仙 台 市 HPより 引 用

ヨウ 素 投 与 について ヨウ 素 は 甲 状 腺 ホルモンのもとになる 物 質 で 海 藻 などに 多 く 含 まれています 原 発 事 故 で 放 出 されるヨウ 素 131は 経 口 的 に 体 内 に 入 ると 甲 状 腺 に 取 り 込 まれます そこで 内 部 被 曝 を 引 き 起 こすことになります ヨウ 素 の 甲 状 腺 への 取 り 込 みは 限 度 があります あらかじめ 大 量 のヨウ 素 を 甲 状 腺 に 取 り 込 んでおけば しばらくは 新 たなヨウ 素 は 取 り 込 まれなくなります そこで 原 発 などの 事 故 で 放 射 性 ヨウ 素 が 放 出 された 場 合 ヨウ 素 (ヨードカプセ ルなど)を 投 与 して 放 射 性 ヨウ 素 が 体 内 に 取 り 込 まれないようにします このヨウ 素 投 与 の 指 示 は 災 害 対 策 本 部 等 がすることになっているようですが 今 回 の 事 故 ではその 指 示 は 出 ませんでした しかし 原 発 近 隣 の 住 民 にはヨウ 素 剤 が 配 られた 地 区 もあるようです 実 際 に 服 用 したひともいたようですが 指 示 が 出 たわ けではなく 混 乱 していたようです ヨウ 素 投 与 はあくまで 緊 急 事 態 の 予 防 策 であり 飲 んだから 安 心 というものでもあ りません 避 難 できる 場 合 は 避 難 が 第 一 とされています

安 定 ヨウ 素 剤 取 扱 いマニュアル ( 財 団 法 人 原 子 力 安 全 研 究 会 ) ヨウ 素 剤 投 与 の 意 義 対 象 服 用 法 副 作 用 等 が 記 載 されています 実 際 の 投 与 の 対 象 者 は40 歳 未 満 の 人 と 40 歳 以 上 でも 妊 娠 している 人 に 限 られて います (40 歳 以 上 の 場 合 内 部 被 曝 による 甲 状 腺 癌 発 生 のリスクの 増 大 はないという 観 点 から) ヨウ 素 の 副 作 用 は 稀 ですが ほてり 感 皮 疹 関 節 痛 吐 き 気 などの 症 状 が 出 る 場 合 がまれにあります また ヨウ 素 にアレルギーのある 人 があり ショック 等 を 起 こす 可 能 性 もあります (CTの 造 影 剤 であるヨードと 同 じです)

低 線 量 の 被 曝 で 何 がおきるのか? 放 射 線 を 被 曝 すると 細 胞 のDNAが 傷 つけられ それが 原 因 で 細 胞 死 や 突 然 変 異 を 生 じたりする 可 能 性 があります 放 射 線 量 の 増 加 に 伴 い がん 発 生 などの 確 率 的 影 響 が 発 生 する 危 険 性 も 増 加 します しかし 100mSv 以 下 の 低 線 量 の 被 曝 では その 影 響 が 確 認 できない 程 度 の 低 いも のです( 広 島 長 崎 の 原 爆 被 爆 者 の 長 期 の 追 跡 報 告 から) 原 爆 被 爆 では 線 量 を 一 度 に 受 けたものですが 今 回 の 事 故 では 慢 性 的 に 線 量 を 受 け る 状 況 であり リスクはさらに 低 いものになるとされています (ICRP) 放 射 線 影 響 による 発 がんの 生 涯 リスクは 被 曝 時 の 年 齢 が 大 きく 影 響 することは 明 ら かになっています 被 曝 時 の 年 齢 が10 歳 以 下 の 場 合 白 血 病 を 除 くすべての 癌 の 相 対 リスクは 対 照 者 の2.32 倍 100mSv 以 下 の 低 線 量 における 発 がんリスクは 小 児 においても 確 認 はされてはいま せんが 小 児 の 被 曝 に 対 しては 特 別 な 配 慮 がなされるべき

胎 児 に 対 する 放 射 線 の 影 響 主 な 先 天 異 常 と 胎 児 発 育 期 間 しきい 値 着 床 前 期 器 官 形 成 期 胎 児 期 しきい 値 0~8 日 2~8 週 8~15 週 15~25 週 25 週 以 降 (msv) 流 産 +++ + - - - 100 以 上 奇 形 - +++ - - - 100~200 発 育 遅 延 - + + + + 100 以 上 精 神 遅 滞 - - +++ + - 120 悪 性 新 生 物 - + + + + 50 以 上 遺 伝 的 影 響 - - - - - 1000~1500? 受 胎 後 3 週 間 以 内 に 被 爆 しても 影 響 がないか 流 産 器 官 形 成 期 の2~15 週 でも100mSv 以 下 で 異 常 が 発 生 することはありません 遺 伝 的 影 響 は 高 線 量 照 射 による 動 物 実 験 では 認 められていますが ヒトの 疫 学 調 査 では 統 計 学 的 な 有 意 差 は 認 められていません

放 射 線 被 曝 による 遺 伝 的 影 響 原 爆 被 爆 者 における 胎 児 の 死 産 率 奇 形 率 父 母 の 原 爆 被 爆 状 況 死 産 奇 形 率 被 爆 なし 1.3% 0.92% 高 線 量 被 爆 者 1.4% 0.7% 原 爆 被 爆 者 の 調 査 から 高 線 量 被 爆 者 と 被 爆 して いない 対 照 者 とでの 比 較 で 死 産 奇 形 率 とも 両 群 に 差 は 認 められていません 放 射 線 被 曝 による 遺 伝 的 影 響 はないといえます

小 児 の 放 射 線 被 曝 1. 小 児 は 放 射 線 被 ばくに 対 して 成 人 より 感 受 性 が 高 い ( 小 児 の 発 達 過 程 にある 臓 器 は それが 完 了 した 成 人 と 比 較 して 放 射 線 感 受 性 が 高 い 甲 状 腺 乳 腺 生 殖 腺 が 成 長 期 に 高 い) 2. 小 児 は 成 人 に 比 して 被 曝 してからその 死 までの 期 間 が 長 い ( 悪 性 腫 瘍 の 発 生 頻 度 が 高 くなる) 3. 小 児 の 骨 髄 は 赤 色 骨 髄 が 占 める 割 合 が 多 い ( 白 血 病 発 症 のリスク)

放 射 線 被 曝 による 発 ガンのリスク 要 因 がんになるリスク 2000mSv 被 曝 1.6 倍 喫 煙 1.6 倍 毎 日 3 合 以 上 飲 酒 1.6 倍 1000~2000mSv 被 曝 1.4 倍 毎 日 2 合 以 上 飲 酒 1.4 倍 やせすぎ 1.29 倍 肥 満 1.22 倍 運 動 不 足 1.15~1.19 倍 200~500mSv 被 曝 1.16 倍 塩 分 の 取 りすぎ 1.11~1.15 倍 100~200mSv 被 曝 1.08 倍 野 菜 不 足 1.06 倍 受 動 喫 煙 1.02~1.03 倍 国 立 がん 研 究 センター 調 べより

100mSv VS 喫 煙 100mSv 被 曝 した 場 合 と 喫 煙 を 比 較 すると 発 がんのリスクは 喫 煙 のほうが10 倍 高 いことに なります 喫 煙 の 発 がんのリスクは2000mSvの 被 曝 と 同 等 です ただし 喫 煙 は 嗜 好 品 で 自 ら 摂 取 することに よる 発 がんリスクで 100mSv 被 曝 は 知 らず 知 らずのうちに 受 けるもので 好 んで 受 けるもの ではありません

食 物 の 放 射 性 物 質 汚 染 について 放 射 性 物 質 がまき 散 らされたことにより 様 々な 農 産 物 に 放 射 性 物 質 が 付 着 した 状 態 もともと 自 然 界 には 放 射 性 物 質 が 存 在 しますが 人 工 的 な 放 射 性 物 質 の 増 加 は 放 置 はできません そこで 厚 生 労 働 省 では 食 品 の 放 射 能 の 暫 定 基 準 値 を 定 めました

食 品 に 含 まれる 放 射 能 の 暫 定 基 準 値 (2011.3.17 厚 生 労 働 省 通 達 ) 放 射 性 ヨウ 素 (Bq/Kg) 放 射 性 セシウム(Bq/Kg) 飲 料 水 300 200 牛 乳 乳 製 品 300* 200 野 菜 類 2000** 500 穀 類 ー 500 魚 介 類 2000 500 肉 卵 その 他 ー 500 *:100Bq/Kgを 超 えるものは 乳 児 用 調 整 粉 乳 および 直 接 飲 用 に 供 する 乳 に 使 用 しないよう 指 導 すること **: 根 菜 芋 類 を 除 く 放 射 性 ヨウ 素 放 射 性 セシウム 1Bq=0.022μSv 1Bq=0.013μSv

放 射 性 セシウムの 体 内 での 半 減 期 年 齢 ~1 歳 まで ~9 歳 まで ~30 歳 まで ~50 歳 まで 体 内 での 半 減 期 9 日 38 日 70 日 90 日 137 Cs(セシウム137)の 物 理 学 的 半 減 期 は30 年 134 Cs(セシウム134)の 物 理 学 的 半 減 期 は2 年 食 事 で 摂 取 するカリウムが 減 ると 放 射 性 セシウムが 蓄 積 されや すくなる チーズ 肉 豆 類 に 含 まれるリジン メチオニンなどの 必 須 ア ミノ 酸 はセシウムの 蓄 積 をおさえることができる( 動 物 実 験 ) バランスの 良 い 食 事 をとっていれば 放 射 線 の 影 響 を 少 なくで きると 言 われています

セシウムで 汚 染 された 食 物? 最 近 セシウムで 汚 染 された 食 肉 が 出 回 ったという 報 道 がありました 測 定 された 放 射 性 セシウムは1500~3000Bq/Kg もし3000Bq/Kgのセシウムが 含 まれる 食 肉 を1Kg 食 べたとすると 3000BqX0.013µSv=39μSvとなります 通 常 1 年 間 で 経 口 摂 取 で 取 り 込 まれる 放 射 線 量 は0.29mSv=290μSvです したがって 3000Bq/Kgの 放 射 性 セシウムを 含 む 食 肉 を7.4Kg 摂 取 するとほ ぼ1 年 間 の 食 物 による 放 射 線 量 に 到 達 しますが 仮 に200g1 回 だけの 摂 取 であれば 7.8μSvですので 問 題 はありません 恒 常 的 にそのような 食 品 を 摂 取 し 続 ければ 無 視 できなくなるかもしれません セシウムは 構 造 がカリウムとよく 似 ているため カリウムが 多 くあれば 吸 収 は 抑 えられます セシウムは 水 溶 性 で よく 水 洗 いをし 肉 や 魚 は 食 塩 水 に 数 時 間 ひたしてお くことで 含 まれるセシウムは 少 なくすることができるといわれています

大 地 からの0.2μSv/hを 被 曝 し 続 けると 0.2μSv/h 24 時 間 =4.8μSv/ 日 4.8μSv 365 日 =1752μSv=1.752mSv/ 年 世 界 の 平 均 自 然 放 射 線 量 は2.4mSv/ 年 です( 日 本 での 平 均 は1.5mSv) 日 本 での 大 地 からの 放 射 線 量 は 平 均 0.43mSv/ 年 ですので 単 純 に 約 1.3mSv/ 年 の 増 加 と 考 えられます 1.5+1.3=2.8mSv/ 年 世 界 には 自 然 放 射 線 量 の 多 い 地 域 がいくつか 存 在 します 中 国 陽 江 インド ケララ ブラジル ガラパリ イラン ラムサール これらの 地 域 は 年 間 3~10mSvの 自 然 放 射 線 量 が 測 定 されています これらの 地 域 の 疫 学 的 研 究 も 行 われており その 結 果 がんの 発 生 死 亡 に 関 して 他 の 地 方 との 差 はないかやや 低 いとの 結 論 でした 染 色 体 の 解 析 でも 明 確 な 違 いは 見 出 せず 通 常 の 環 境 の3~5 倍 程 度 の 放 射 線 被 曝 による 健 康 影 響 は 種 々の 環 境 影 響 の 個 人 差 の 範 囲 内 であろうとの ことです

放 射 線 によるホルミシス 少 量 の 放 射 線 被 曝 は 健 康 によい 影 響 を 与 えるという 説 ホルミシスとはギリシャ 語 由 来 でホルモンと 同 じ 語 源 自 然 放 射 線 が 高 い 地 域 のひとのがん 死 亡 率 が 通 常 の 地 域 のひとのがん 死 亡 率 より 低 いという 報 告 ラジウム 蛍 光 塗 料 に 携 わっていた 作 業 者 に 対 する 骨 がん 追 跡 調 査 でも 積 算 被 曝 線 量 10Sv 以 下 では 人 体 に 影 響 がないという 報 告 老 化 抑 制 効 果 や がん 抑 制 効 果 生 体 防 御 機 構 の 活 性 化 などの 研 究 報 告 があります 玉 川 温 泉 ( 秋 田 県 )では4~5μSv/ 時 間 のところもあるそうです 年 間 35~44mSvになります

放 射 線 防 護 の 三 大 原 則 放 射 線 は 被 曝 している 時 間 が 短 ければ 短 いほど 被 曝 線 量 は 少 なくなります 放 射 線 源 から 距 離 が 離 れれば 離 れるほど 弱 くなります 遮 蔽 物 で 遮 蔽 することができます 時 間 距 離 遮 蔽 放 射 線 防 護 の 三 大 原 則 と 言 います

まとめ 放 射 線 は 使 い 方 を 間 違 えなければ 人 類 に 多 くの 利 益 を 与 えてくれます 使 い 方 を 間 違 えば 人 類 を 破 滅 させることもできうるもの です もともと 宇 宙 地 球 上 には 放 射 線 が 存 在 し 人 類 はその なかで 成 長 してきました 微 量 の 放 射 線 は 健 康 に 影 響 は 与 えません 健 康 に 影 響 を 与 えると 言 われている 数 字 は100mSvであり 福 島 原 発 事 故 後 の 現 時 点 では 新 たな 爆 発 等 放 射 性 物 質 の 放 出 がなければ 右 往 左 往 する 必 要 はないと 考 えます

おまけ(いろいろな 数 字 ) 1μSv/hを24 時 間 365 日 連 続 しての 被 曝 で8.76mSvです ( 仙 台 では 現 在 0.06μSv/h 福 島 市 では 約 1μSv/h) 放 射 性 セシウム2000Bq/Kgを 含 んだ 肉 1Kg 食 べたとして26μSvです (1mSvになるには 約 38.5Kgの 摂 取 が 必 要 です) 胸 部 X 線 写 真 1 枚 撮 影 で0.06mSv 胸 部 CT 撮 影 で7mSv 東 京 ーニューヨーク 飛 行 機 で 往 復 0.19mSv 年 間 自 然 放 射 線 量 2.4mSv( 世 界 平 均 ) 7Sv(7000mSv)でほぼ100% 死 亡 放 射 線 治 療 では60~70Gy(Sv)の 照 射 を 行 います( 分 割 して)が 限 局 した 照 射 なので 体 全 体 に 影 響 は 与 えません