資 料 3 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 と 労 働 組 合 の 役 割 平 成 26 年 11 月 19 日 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 副 議 長 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 と 労 働 組 合 の 役 割 特 別 委 員 会 共 同 委 員 長 八 野 正 一
サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 と 労 働 組 合 の 役 割 サービス 産 業 の 生 産 性 向 上 を 検 討 する 上 で 1サービス 産 業 の 現 状 経 済 規 模 と 就 業 者 数 2サービス 産 業 の 生 産 性 は 低 いのか 3 生 産 と 消 費 の 同 時 性 4 サービスの 質 による 付 加 価 値 の 創 造 ~ 人 的 資 本 投 資 とその 質 の 向 上 の 重 要 性 ~ 5 有 期 契 約 労 働 者 の 増 加 ~セーフティーネットの 確 立 と 人 材 育 成 の 必 要 性 ~ サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 と 労 働 組 合 の 役 割 特 別 委 員 会 提 言 提 言 1 ものづくり サービスづくりの 段 階 と もの( 製 品 )やサービスの 提 供 を 利 用 したこと づくりの 段 階 との 両 面 から 生 産 性 向 上 の 施 策 を 考 えるべき 提 言 2 生 産 性 向 上 の 担 い 手 はあくまでも 人 である サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 には 人 を 中 心 とした 生 産 性 向 上 人 の 能 力 発 揮 を 通 じた 付 加 価 値 の 増 大 による 生 産 性 向 上 の 視 点 から 施 策 を 提 言 3 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 公 正 な 競 争 条 件 競 争 環 境 の 確 立 が 前 提 提 言 4 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 社 会 の 成 熟 度 の 向 上 にむけた 消 費 スタイルの 転 換 を 提 言 5 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には グローバル 展 開 が 課 題 提 言 6 サービス 分 野 の 生 産 性 分 析 に 関 する 研 究 のさらなる 進 展 を 1
1サービス 産 業 の 現 状 経 済 規 模 と 就 業 者 数 サービス 産 業 ( 広 義 )はGDPベースで 約 7 割 ( 約 350 兆 円 (2012))を 占 め 規 模 は 拡 大 傾 向 サービス 産 業 の 就 業 者 数 は 近 年 減 少 傾 向 にあるが 全 産 業 に 占 める 割 合 は 増 加 傾 向 1997 年 61.9% 2002 年 66.2% 2012 年 71.4% サービス 産 業 ( 広 義 ) 75% 各 業 種 のGDPに 占 める 割 合 (2012) 民 間 非 営 利 サービス 2% 情 報 通 信 業 6% 政 府 サービス 9% サービス 業 ( 狭 義 ) 20% 運 輸 業 5% サービス 業 ( 狭 義 ) 娯 楽 飲 食 店 旅 館 洗 濯 理 容 美 容 その 他 の 対 個 人 サービス その 他 の 対 事 業 所 サービス 教 育 医 療 福 祉 等 不 動 産 業 12% 農 林 水 産 業 1% 鉱 業 0% 製 造 業 18% 金 融 保 険 業 5% 建 設 業 6% 電 気 ガス 水 道 業 2% 卸 売 小 売 業 14% 公 務 ( 他 に 分 類 されるものを 除 く) その 他 サービス 業 (2001 年 までは 医 療 福 祉 含 む) 医 療 福 祉 金 融 業 保 険 業 (2001 年 までは 不 動 産 含 む) 不 動 産 物 品 賃 貸 業 卸 売 業 小 売 業 (2001 年 までは 飲 食 宿 泊 業 含 む) 宿 泊 業 飲 食 サービス 業 7,000 ( 万 人 ) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 業 種 別 就 業 者 数 の 推 移 情 報 通 信 業 運 輸 業 郵 便 業 (2001 年 までは 情 報 通 信 含 む) 電 気 ガス 熱 供 給 水 道 業 建 設 業 鉱 業 製 造 業 農 林 水 産 業 61.9%( 97 ) 71.4% ( 12) 非 1,000 サ ー ビ ス 0 業 資 料 : 内 閣 府 国 民 経 済 計 算 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 ( 注 ) 民 間 非 営 利 サービス 生 産 者 は 労 働 組 合 政 党 宗 教 団 体 私 立 学 校 資 料 : 総 務 省 労 働 力 調 査 ( 注 ) 日 本 標 準 産 業 分 類 の 改 正 によるデータの 制 約 により 2001 年 以 前 と2002 年 以 降 ( 年 は ) 2 業 種 の 分 類 が 異 なり 長 期 の 正 確 な 遡 及 接 続 はできない 点 に 注 意 が 必 要 サ ー ビ ス 業
表 1 主 要 国 のセクター 別 生 産 性 上 昇 率 (1980~2005 年 ) 1980~2005 年 電 子 機 器 製 造 業 流 通 物 流 金 融 事 業 個 人 社 会 通 信 ( 除 く 電 子 機 器 ) サービス サービス サービス A. 労 働 生 産 性 日 本 6.4 0.6 2.2 0.3-1.3 米 国 6.2 1.4 1.6-0.0-0.1 英 国 3.9 2.0 1.7-0.0-0.8 ドイツ 3.1 1.2 1.5-1.6-0.4 フランス 4.3 1.5 1.7-0.8-0.5 2サービス 産 業 の 生 産 性 は 低 いのか T F P ( 1 9 7 9 年 の T F P = 1 ) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 表 2 製 造 業 と 非 製 造 業 ( 日 本 )の 生 産 性 (TFP)の 推 移 製 造 業 非 製 造 業 (=サービス 産 業 + 農 林 水 産 等 ) サービス 業 のみの 推 計 値 は 存 在 しないため 非 製 造 業 の 値 を 使 用 0.5 1970 1980 1990 2008 出 典 : 失 われた20 年 と 日 本 経 済 深 尾 京 司 (2012) E U 3.2 1.3 1.1-0.9-1.0 B.TFP 日 本 9.5 2.2 2.9 3.4 0.3 米 国 8.2 2.1 2.9 1.8 0.6 英 国 6.0 2.4 2.9 1.8 0.7 ドイツ 4.2 1.7 2.3 1.7 0.3 フランス 4.9 2.2 2.3 0.5 0.1 E U 4.9 1.9 2.0 1.2-0.1 表 3 EUKLEMSのPPPに 基 づく 日 米 労 働 生 産 性 水 準 の 比 較 ( 米 国 =1.00) 製 造 業 0.47 電 力 ガス 1.17 建 設 業 0.95 卸 売 業 0.44 小 売 業 0.41 飲 食 宿 泊 0.48 運 輸 業 0.88 通 信 業 0.40 金 融 保 険 0.98 対 個 人 サービス 0.91 ( 注 ) 日 米 SNA 統 計 EUKLEMSのPPPデータを 用 いて 計 算 (2008 年 度 版 ) 出 所 : 表 1 3 サービス 産 業 の 生 産 性 分 析 森 川 正 之 出 版 社 : 日 本 評 論 社 発 行 年 :2014.2.25 3
3 生 産 と 消 費 の 同 時 性 4 サービスの 質 による 付 加 価 値 創 造 ~ 人 的 資 本 投 資 とその 質 の 向 上 の 重 要 性 ~ 4
5 有 期 契 約 労 働 者 の 増 加 ~セーフティーネットの 確 立 と 人 材 育 成 の 必 要 性 ~ サービス 産 業 における 有 期 契 約 労 働 者 (パートタイマー 派 遣 嘱 託 など)の 比 率 建 設 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 製 造 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 情 報 通 信 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 卸 小 売 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 20% 80% 26% 74% 19% 81% 48% 52% 金 融 損 保 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 宿 泊 飲 食 サービス 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 生 活 関 連 サービス 娯 楽 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 医 療 福 祉 業 正 社 員 有 期 契 約 労 働 者 23% 77% 74% 26% 54% 46% 38% 62% 出 所 : 総 務 省 労 働 力 調 査 5
サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 にむけての 提 言 ( 抜 粋 ) 6
提 言 1 ものづくり サービスづくりの 段 階 と もの( 製 品 )やサービス の 提 供 を 利 用 したことづくりの 段 階 との 両 面 から 生 産 性 向 上 の 施 策 を 考 えるべき 科 学 的 工 学 的 手 法 の 活 用 が 不 可 欠 サービス 提 供 の 業 務 プロセスの 見 える 化 科 学 的 工 学 的 手 法 の 活 用 による 効 率 化 人 ( 資 源 ) サービスづくり (ものづくり) 要 求 を 持 った 顧 客 サービス (モノ) 新 しいサービスの 必 要 性 新 しいサービス 形 態 の 創 出 新 しい 仕 組 み システムの 開 発 サービスの 質 の 向 上 マーケティング 力 ブランド 力 の 向 上 と 差 別 化 モノや サービスを 利 用 した こと づくり こと づくり に 満 足 したお 客 資 本 生 産 性 / 労 働 生 産 性 ( 時 間 あたり) など 生 産 性 向 上 評 価 尺 度 は 異 なる 顧 客 満 足 度 (CSI 指 標 ) など サービス 品 質 の 見 える 化 サービスに 対 する 信 頼 性 を 高 める SPRING ベストプラクティス JCSI( 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 調 査 の 開 発 実 施 ( 成 蹊 大 学 理 工 学 部 渡 邉 一 衛 教 授 作 成 資 料 に 一 部 加 筆 ) 7
提 言 2 生 産 性 向 上 の 担 い 手 はあくまでも 人 である サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 には 人 を 中 心 とした 生 産 性 向 上 人 の 能 力 発 揮 を 通 じた 付 加 価 値 の 増 大 による 生 産 性 向 上 の 視 点 から 施 策 を サービスの 質 の 向 上 を 担 う 人 材 の 育 成 や 労 働 条 件 改 善 が 必 要 * もてなしの 心 や ふるまいの 心 など 日 本 のサービスの 強 みを 活 かすため にも 従 業 員 満 足 (ES)の 向 上 により 顧 客 満 足 (CS)に 繋 がるよう 人 材 育 成 や 労 働 条 件 改 善 が 必 要 * 有 期 契 約 労 働 者 が 従 事 していることが 多 いため 同 一 価 値 労 働 同 一 賃 金 な ど 労 働 条 件 面 での 整 備 や 能 力 開 発 支 援 の 実 施 雇 用 契 約 においては 雇 用 期 間 の 定 めのない 契 約 等 の 締 結 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 多 様 な 価 値 観 を 持 つ 人 材 の 活 用 が 不 可 欠 * 消 費 者 のライフ スタイルや 志 向 が 多 様 化 する 中 顧 客 ニーズに 対 応 していく ためには 広 い 視 野 を 持 った 上 で 市 場 に 対 して 柔 軟 に 適 応 していくことが 必 要 である そのためには 性 別 年 齢 障 がい 多 様 な 雇 用 形 態 などの 違 いを 正 しく 認 識 し 多 様 な 価 値 観 を 持 つ 人 々の 発 想 を 認 め 合 い 活 かすことができ る 組 織 となるよう 多 様 な 人 材 の 活 躍 推 進 にむけた 環 境 整 備 が 肝 要 8
職 業 能 力 評 価 システムの 構 築 にむけた 取 り 組 みが 必 要 *サービス 分 野 は 消 費 者 のニーズの 変 化 に 伴 い 絶 えず 新 たなサービス が 生 まれることが 多 いため 業 種 内 や 業 種 横 断 的 に 共 通 とされるスキル 標 準 の 策 定 そのスキルに 関 する 能 力 評 価 制 度 の 構 築 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 未 組 織 企 業 や 未 組 織 労 働 者 のより 一 層 の 組 織 化 が 必 要 9
提 言 4 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 社 会 の 成 熟 度 の 向 上 にむけた 消 費 スタイルの 転 換 を 便 利 な 世 の 中 から 暮 らしやすい 世 の 中 に 価 値 観 の 転 換 が 必 要 *サービスを 提 供 する 生 産 者 に 過 度 な 負 担 を 負 わすことがないよう ワーク ライフ バランス 憲 章 の 理 念 を 社 会 全 体 に 浸 透 させることにより 安 いからい い 便 利 だからいい サービスはタダである といった 便 利 な 世 の 中 から 暮 らしやすい 世 の 中 に 価 値 観 を 転 換 し 暮 らし 方 も 変 えていくことが 必 要 社 会 を 意 識 した 消 費 価 値 の 創 造 が 必 要 * 企 業 と 顧 客 としての 消 費 者 という 二 者 間 の 関 係 性 から 企 業 と 生 活 者 ( 消 費 者 )と 社 会 というより 広 い 視 点 にもとづき 企 業 と 消 費 者 が 協 力 して 社 会 を 意 識 した 消 費 価 値 の 創 造 が 必 要 フェアトレード 商 品 の 購 入 あるいはCSRや 環 境 への 取 り 組 みに 熱 心 な 企 業 の 商 品 の 選 択 など 商 品 やサービスの 購 入 を 通 じて 社 会 貢 献 を 行 っていくと いった ソーシャル 消 費 の 喚 起 が 重 要 10
おわりに ~サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 にむけて~ 産 業 内 の 労 使 コミュニケーションの 構 築 や 強 化 にむけたより 一 層 の 取 り 組 みを * 本 提 言 を 実 現 していくためには 単 位 労 働 組 合 産 業 別 労 働 組 合 ナショナ ルセンターの 各 レベルに 応 じて 取 り 組 むことが 重 要 とりわけ 一 企 業 の 部 分 最 適 ではなく 社 会 として 全 体 最 適 につながるよう CSRの 観 点 に 加 え 業 界 秩 序 の 維 持 や 公 正 な 競 争 条 件 競 争 環 境 の 確 立 を 図 るべく 産 業 台 の 労 使 コ ミュニケーションの 構 築 や 強 化 により 一 層 取 り 組 んでいくことが 不 可 欠 生 産 性 向 上 にむけた 具 体 的 な 取 り 組 み 内 容 については 更 なる 掘 り 下 げの 必 要 があるが 様 々な 研 究 機 関 で 進 められている 検 討 状 況 も 見 守 りつつ 全 労 生 としての 検 討 は 他 日 に 譲 ることにしたい 11
補 足 資 料 1. 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 について 13ページ 2.サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 (SPRING)の 活 動 について 15ページ 3.サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 にむけての 提 言 ( 全 体 版 ) 22ページ 12
1. 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 について 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 ( 議 長 : 相 原 康 伸 自 動 車 総 連 会 長 略 称 : 全 労 生 )は 1 雇 用 の 確 保 増 大 2 労 使 の 協 力 協 議 3 成 果 の 公 正 分 配 の 三 原 則 を 柱 とする 生 産 性 運 動 の 推 進 母 体 として 1959 年 全 国 労 組 生 産 性 企 画 実 践 委 員 会 として 発 足 した その 後 10 周 年 を 迎 えた1968 年 に 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 ( 全 労 生 ) と 改 称 し 現 在 に 至 って いる 全 労 生 は 発 足 以 来 今 日 に 至 るまで 生 産 性 運 動 に 取 り 組 む 産 業 別 労 働 組 合 の 中 核 体 として 産 業 労 働 と 生 産 性 に 関 わる 諸 問 題 について 幅 広 く 調 査 研 究 を 行 うとともに 生 産 性 運 動 を 実 践 してきた 具 体 的 には 1 経 済 動 向 の 把 握 やこれに 対 応 すべき 労 働 組 合 のあるべき 姿 や 政 策 につ いての 協 議 2 構 造 転 換 や 新 たな 経 済 動 向 に 対 応 する 労 働 組 合 の 方 針 を 深 化 徹 底 させる ための 研 究 集 会 討 論 集 会 シンポジウム 等 の 開 催 3 労 働 組 合 相 互 間 の 連 携 と 協 力 関 係 の 推 進 4 経 済 労 働 情 勢 に 関 する 継 続 的 な 調 査 研 究 活 動 5 日 本 生 産 性 本 部 と 連 携 した 事 業 活 動 などを 積 極 的 に 推 進 している 現 在 は 全 体 的 な 活 動 方 針 等 を 決 定 する 中 央 委 員 会 を 中 心 として 全 体 の 活 動 運 営 を 協 議 調 整 する 幹 事 会 企 画 財 政 部 会 調 査 部 会 労 働 政 策 部 会 組 織 広 報 部 会 中 小 企 業 対 策 部 会 といった 専 門 部 会 と 時 宜 に 合 った 問 題 を 取 り 上 げ 研 究 する 特 別 委 員 会 が 設 置 されている また 各 地 方 に 置 かれている 地 方 労 組 生 産 性 会 議 と 連 携 し 全 国 的 な 活 動 を 展 開 している 現 在 27 加 盟 組 織 約 520 万 人 の 組 織 人 員 で 構 成 されており 役 員 および 加 盟 組 織 は 以 下 の 通 りである なお 事 務 局 を 日 本 生 産 性 本 部 が 担 当 している 13
役 員 議 長 相 原 康 伸 ( 自 動 車 総 連 会 長 ) 副 議 長 八 野 正 一 (UAゼンセン 副 会 長 ) 副 議 長 山 浦 正 生 ( 運 輸 労 連 委 員 長 ) 副 議 長 神 保 政 史 ( 電 機 連 合 副 中 央 執 行 委 員 長 ) 副 議 長 藤 川 慎 一 (JAM 副 会 長 ) 副 議 長 春 木 幸 裕 ( 情 報 労 連 書 記 長 ) 副 議 長 工 藤 智 司 ( 基 幹 労 連 中 央 執 行 委 員 長 ) 副 議 長 増 田 光 儀 (JP 労 組 中 央 副 執 行 委 員 長 ) 副 議 長 岸 本 薫 ( 電 力 総 連 会 長 ) 部 会 長 島 田 尚 信 (UAゼンセン 副 会 長 ) 事 務 局 長 西 澤 昇 治 郎 ( 基 幹 労 連 特 別 役 員 ) 加 盟 組 織 UAゼンセン 電 力 総 連 JR 総 連 印 刷 労 連 自 動 車 総 連 JEC 連 合 ゴム 連 合 セラミックス 連 合 電 機 連 合 運 輸 労 連 日 建 協 全 銀 連 合 JAM 私 鉄 総 連 全 国 一 般 ( 自 治 労 ) 基 幹 労 連 フード 連 合 航 空 連 合 生 保 労 連 損 保 労 連 紙 パ 連 合 情 報 労 連 JR 連 合 全 電 線 JP 労 組 交 通 労 連 全 国 ガス 14
2.サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 (SPRING)の 活 動 について 1.SPRINGの 概 要 1 設 立 の 経 緯 2006 年 7 月 : 財 政 経 済 一 体 改 革 会 議 ( 第 一 次 安 倍 政 権 時 )において 経 済 成 長 戦 略 が 策 定 され 産 学 官 による サービス 産 業 のイノベーションと 生 産 性 向 上 を 目 指 して サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 の 発 足 が 決 定 2007 年 4 月 : 経 済 産 業 省 に 設 置 された サービス 産 業 のイノベーションと 生 産 性 に 関 する 研 究 会 に おいて 協 議 会 の 基 本 構 想 がとりまとめられ 政 府 の 成 長 力 加 速 プログラムにもその 内 容 が 盛 り 込 まれた 2007 年 5 月 : 財 団 法 人 社 会 経 済 生 産 性 本 部 ( 現 : 公 益 財 団 法 人 日 本 生 産 性 本 部 )に サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 (SPRING) が 設 立 ベストプラクティスの 収 集 と 普 及 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 の 開 発 サービス 産 業 の 人 材 育 成 などの 活 動 を 展 開 15
2 政 府 の 成 長 戦 略 での 位 置 づけ 日 本 再 興 戦 略 -JAPAN is BACK-( 平 成 25 年 6 月 14 日 閣 議 決 定 )( 抄 ) サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 を 国 民 運 動 として 再 構 築 することとし 来 年 度 中 に 活 動 参 加 企 業 数 を10 倍 に 拡 大 しつつ サービス 産 業 の 高 付 加 価 値 化 に 向 けた 人 材 育 成 と 経 営 支 援 を 本 格 化 させる と 規 定 された 日 本 再 興 戦 略 ( 改 訂 版 )( 平 成 26 年 6 月 24 日 閣 議 決 定 )( 抄 ) { サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 (SPRING)における 高 付 加 価 値 型 のサービス 事 業 モ デルに 関 するベストプラクティスの 分 析 と 日 本 サービス 大 賞 ( 仮 称 )の 創 設 (2015 年 度 から 実 施 )による 普 及 }と 規 定 された 16
3 現 在 のサービス 産 業 生 産 性 協 議 会 幹 事 会 構 成 メンバー 代 表 幹 事 秋 草 直 之 富 士 通 ( 株 ) 顧 問 副 代 表 幹 事 橋 本 和 仁 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 松 井 忠 三 ( 株 ) 良 品 計 画 代 表 取 締 役 会 長 常 任 幹 事 松 川 昌 義 ( 公 財 ) 日 本 生 産 性 本 部 理 事 長 幹 事 新 井 民 夫 芝 浦 工 業 大 学 教 育 イノベーション 推 進 センター 教 授 池 田 弘 ( 学 ) 新 潟 総 合 学 園 総 長 伊 藤 元 重 東 京 大 学 経 済 学 部 大 学 院 経 済 学 研 究 科 教 授 小 川 孔 輔 法 政 大 学 大 学 院 イノベーション マネジメント 研 究 科 教 授 金 丸 恭 文 フューチャーアーキテクト( 株 ) 代 表 取 締 役 会 長 兼 社 長 川 合 正 矩 日 本 通 運 ( 株 ) 代 表 取 締 役 会 長 神 津 里 季 生 日 本 労 働 組 合 総 連 合 会 事 務 局 長 河 野 真 理 子 ( 株 )キャリアン 代 表 取 締 役 小 林 栄 三 伊 藤 忠 商 事 ( 株 ) 取 締 役 会 長 斎 藤 敏 一 ( 株 )ルネサンス 代 表 取 締 役 会 長 執 行 役 員 田 川 博 己 ( 株 )ジェイティービー 代 表 取 締 役 会 長 髙 田 明 ( 株 )ジャパネットたかた 代 表 取 締 役 社 長 角 田 秋 生 ( 株 ) 公 文 教 育 研 究 会 代 表 取 締 役 社 長 西 本 甲 介 ( 株 )メイテック 代 表 取 締 役 社 長 八 野 正 一 全 国 労 働 組 合 生 産 性 会 議 副 議 長 福 井 次 矢 聖 路 加 国 際 病 院 院 長 福 原 賢 一 ( 株 )ベネッセホールディングス 代 表 取 締 役 副 社 長 藤 沼 彰 久 ( 株 ) 野 村 総 合 研 究 所 取 締 役 会 長 村 上 輝 康 産 業 戦 略 研 究 所 代 表 オブザーバー 経 済 産 業 省 商 務 情 報 政 策 局 サービス 政 策 課 総 務 省 情 報 流 通 行 政 局 情 報 流 通 振 興 課 総 務 省 統 計 局 統 計 調 査 部 経 済 統 計 課 文 部 科 学 省 高 等 教 育 局 専 門 教 育 課 厚 生 労 働 省 職 業 能 力 開 発 局 能 力 評 価 課 厚 生 労 働 省 医 政 局 農 林 水 産 省 食 料 産 業 局 食 品 小 売 サービス 課 国 土 交 通 省 総 合 政 策 局 政 策 課 17
2. 活 動 内 容 1 日 本 サービス 大 賞 の 創 設 日 本 の 優 れたサービスを 表 彰 し ベストプラクティスを 広 く 産 業 界 に 周 知 することを 目 的 として 日 本 サービス 大 賞 を2014 年 度 中 に 創 設 する 表 彰 概 要 案 表 彰 時 期 : 毎 年 もしくは 隔 年 開 催 表 彰 対 象 : 特 に 優 れたサービス (ベストプラクティス: 自 薦 他 薦 を 問 わず) 審 査 方 法 : 審 査 委 員 会 ( 委 員 長 : 野 中 郁 次 郎 氏 )にて 審 査 表 彰 の 種 類 : 内 閣 総 理 大 臣 賞 ( 申 請 予 定 ) 各 管 轄 大 臣 賞 ( 申 請 予 定 ) その 他 特 別 賞 優 秀 賞 を 想 定 18
2SPRINGシンポジウムの 開 催 ハイ サービス 日 本 300 選 や JCSI( 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 調 査 の 優 良 企 業 など を 中 核 としたコミュニティ ネットワークを 全 国 で 構 築 し 事 例 探 求 優 れた 経 営 者 やリー ダーとの 相 互 交 流 現 場 体 験 を 通 じた 学 びの 場 づくりとして 2013 年 度 よりシンポジウ ムを 全 国 で 開 催 している 昨 年 度 は4 回 開 催 したシンポジウムを 2014 年 度 は 全 国 の 生 産 性 本 部 と 共 同 で 全 国 8 か 所 で 開 催 し SPRINGの 活 動 を 普 及 し 会 員 拡 大 につなげている 2014 年 度 開 催 日 程 4/18( 金 ): 東 京 蘇 る 日 本 経 済 とサービス 産 業 の 行 方 9/ 9( 火 ): 札 幌 新 たな 価 値 を 創 出 するサービス おもてなしとは 9/18( 木 ): 広 島 サービス 化 と 高 付 加 価 値 化 10/27( 月 ): 盛 岡 東 北 復 興 と 新 産 業 創 造 10/30( 木 ): 京 都 新 技 術 とサービス 革 新 11/17( 月 ): 長 崎 地 域 活 性 化 とサービス 革 新 11/20( 木 ): 高 松 サービスイノベーションと 戦 略 12/10( 水 ): 新 潟 地 域 の 活 性 化 とサービス 革 新 3/13( 金 ): 名 古 屋 新 技 術 とサービス 革 新 19
3 中 小 サービス 産 業 の 人 材 育 成 : 大 人 の 武 者 修 行 中 小 サービス 事 業 者 の 次 世 代 経 営 人 材 や 地 域 のサービス 産 業 活 性 化 を 志 す 人 材 に 優 良 企 業 や 達 人 のもとで 一 定 期 間 修 行 する 機 会 を 人 材 育 成 事 業 として 提 供 す る ( 経 済 産 業 省 補 助 事 業 ) SPRING 幹 事 ハイ サービス 日 本 300 選 おもてなし 経 営 企 業 選 日 本 経 営 品 質 賞 の 対 象 企 業 約 400 社 を 修 行 先 としてピックアップし 修 行 者 受 入 を 承 諾 した 企 業 と 全 国 の 中 小 サービス 企 業 の 次 世 代 経 営 人 材 とのマッチングを 行 う 4JCSI( 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 調 査 の 開 発 実 施 JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index: 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 調 査 は 各 企 業 のサービスを 多 面 的 に 評 価 できる 日 本 最 大 級 の 顧 客 満 足 度 調 査 である 同 一 業 種 内 だけでなく 異 なるサービス 分 野 間 の 比 較 が 可 能 な 顧 客 満 足 度 指 数 として 2007 年 度 より 開 発 に 着 手 し2009 年 度 より 本 格 的 に 運 用 を 開 始 している 本 調 査 は 顧 客 の 評 価 を 起 点 とした 業 種 業 態 を 超 えた 競 争 を 促 すことで より 高 い 付 加 価 値 や 顧 客 満 足 を 高 める 経 営 が 日 本 に 広 がり それが 日 本 企 業 の 成 長 と 国 際 競 争 力 の 強 化 に 役 立 つことを 狙 いとしている 2013 年 度 は 33 業 種 416 企 業 ブランドの 満 足 度 を 算 出 し 上 位 企 業 名 も 含 めて 発 表 するとともに これら 顧 客 満 足 の 構 造 分 析 に 基 づいたデータについて 多 くの 企 業 に 自 社 の 経 営 改 善 などにご 活 用 いただいた また 同 年 度 より JCSIロゴマーク を 新 たに 制 定 し 企 業 の 普 及 広 報 に 活 用 いただい ている 20
5 仕 組 化 による 生 産 性 向 上 ツールの 開 発 サービス 産 業 における 生 産 性 向 上 支 援 策 として 仕 組 化 による 生 産 性 向 上 ツールの 開 発 を 行 う 開 発 は 産 学 連 携 によるプロジェクト 方 式 にて 行 い 可 視 化 標 準 化 改 善 の 仕 組 み 化 をキーワードとして 業 種 を 超 えて 汎 用 的 に 活 用 できる 理 論 ツールを 開 発 する 以 上 21
3.サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 にむけての 提 言 ( 全 体 版 ) 本 委 員 会 での 提 起 (1) ものづくり サービスづくりの 段 階 と もの( 製 品 )やサービスの 提 供 を 利 用 し たことづくりの 段 階 との 両 面 から 生 産 性 向 上 の 施 策 を 考 えるべき (2) 生 産 性 向 上 の 担 い 手 はあくまでも 人 である サービス 産 業 の 生 産 性 向 上 には 人 を 中 心 とした 生 産 性 向 上 人 の 能 力 発 揮 を 通 じた 付 加 価 値 の 増 大 によ る 生 産 性 向 上 (3)サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 公 正 な 競 争 条 件 競 争 環 境 の 確 立 が 前 提 (4)サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 社 会 の 成 熟 度 の 向 上 にむけた 消 費 スタイルの 転 換 を (5)サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には グローバル 展 開 が 課 題 (6)サービス 分 野 の 生 産 性 分 析 に 関 する 研 究 のさらなる 進 展 を 22
提 言 1 ものづくり サービスづくりの 段 階 と もの( 製 品 )やサービス の 提 供 を 利 用 したことづくりの 段 階 との 両 面 から 生 産 性 向 上 の 施 策 を 考 えるべき 科 学 的 工 学 的 手 法 の 活 用 が 不 可 欠 サービス 提 供 の 業 務 プロセスの 見 える 化 科 学 的 工 学 的 手 法 の 活 用 による 効 率 化 人 ( 資 源 ) サービスづくり (ものづくり) 要 求 を 持 った 顧 客 サービス (モノ) 新 しいサービスの 必 要 性 新 しいサービス 形 態 の 創 出 新 しい 仕 組 み システムの 開 発 サービスの 質 の 向 上 マーケティング 力 ブランド 力 の 向 上 と 差 別 化 モノや サービスを 利 用 した こと づくり こと づくり に 満 足 したお 客 資 本 生 産 性 / 労 働 生 産 性 ( 時 間 あたり) など 生 産 性 向 上 評 価 尺 度 は 異 なる 顧 客 満 足 度 (CSI 指 標 ) など サービス 品 質 の 見 える 化 サービスに 対 する 信 頼 性 を 高 める SPRING ベストプラクティス JCSI( 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 調 査 の 開 発 実 施 ( 成 蹊 大 学 理 工 学 部 渡 邉 一 衛 教 授 作 成 資 料 に 一 部 加 筆 ) 23
サービスづくり の 段 階 での 生 産 性 向 上 施 策 ~ 科 学 的 工 学 的 手 法 の 活 用 が 不 可 欠 *サービス 提 供 の 業 務 プロセスを 見 える 化 するために 科 学 的 工 学 的 手 法 を 積 極 的 に 活 用 し 効 率 化 を 高 めることが 必 要 モノやサービスの 提 供 を 利 用 したことづくり での 生 産 性 向 上 施 策 ~ 新 しいサービスの 創 造 が 必 要 * 新 しいサービス 形 態 の 創 出 新 しい 仕 組 みやシステム 開 発 ホスピタリティな どによるサービスの 質 の 向 上 消 費 者 意 識 の 変 化 に 対 応 したマーケティング ブランド 力 の 向 上 などの 差 別 化 の 取 り 組 みを 進 め 生 産 性 向 上 を 図 り 付 加 価 値 の 増 大 することが 必 要 モノやサービスの 提 供 を 利 用 したことづくり での 生 産 性 向 上 施 策 ~ 品 質 の 見 える 化 の 取 り 組 みが 重 要 *サービスに 対 する 信 頼 性 を 高 めていくために サービスの 品 質 の 見 える 化 に 取 り 組 むことが 必 要 サービス 産 業 生 産 性 協 議 会 で 取 り 組 んでいるJCSI( 日 本 版 顧 客 満 足 度 指 数 ) 指 標 について 労 使 協 議 の 場 で 活 用 することも 検 討 24
提 言 2 生 産 性 向 上 の 担 い 手 はあくまでも 人 である サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 には 人 を 中 心 とした 生 産 性 向 上 人 の 能 力 発 揮 を 通 じた 付 加 価 値 の 増 大 による 生 産 性 向 上 の 視 点 から 施 策 を サービスの 質 の 向 上 を 担 う 人 材 の 育 成 や 労 働 条 件 改 善 が 必 要 * もてなしの 心 や ふるまいの 心 など 日 本 のサービスの 強 みを 活 かすため にも 従 業 員 満 足 (ES)の 向 上 により 顧 客 満 足 (CS)に 繋 がるよう 人 材 育 成 や 労 働 条 件 改 善 が 必 要 * 有 期 契 約 労 働 者 が 従 事 していることが 多 いため 同 一 価 値 労 働 同 一 賃 金 な ど 労 働 条 件 面 での 整 備 や 能 力 開 発 支 援 の 実 施 雇 用 契 約 においては 雇 用 期 間 の 定 めのない 契 約 等 の 締 結 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 多 様 な 価 値 観 を 持 つ 人 材 の 活 用 が 不 可 欠 * 消 費 者 のライフ スタイルや 志 向 が 多 様 化 する 中 顧 客 ニーズに 対 応 していく ためには 広 い 視 野 を 持 った 上 で 市 場 に 対 して 柔 軟 に 適 応 していくことが 必 要 である そのためには 性 別 年 齢 障 がい 多 様 な 雇 用 形 態 などの 違 いを 正 しく 認 識 し 多 様 な 価 値 観 を 持 つ 人 々の 発 想 を 認 め 合 い 活 かすことができ る 組 織 となるよう 多 様 な 人 材 の 活 躍 推 進 にむけた 環 境 整 備 が 肝 要 25
職 業 能 力 評 価 システムの 構 築 にむけた 取 り 組 みが 必 要 *サービス 分 野 は 消 費 者 のニーズの 変 化 に 伴 い 絶 えず 新 たなサービス が 生 まれることが 多 いため 業 種 内 や 業 種 横 断 的 に 共 通 とされるスキル 標 準 の 策 定 そのスキルに 関 する 能 力 評 価 制 度 の 構 築 に 向 けた 取 り 組 みが 必 要 未 組 織 企 業 や 未 組 織 労 働 者 のより 一 層 の 組 織 化 が 必 要 26
提 言 3 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 公 正 な 競 争 条 件 競 争 環 境 の 確 立 が 前 提 イコールフッティング( 競 争 条 件 が 公 平 であること)の 環 境 整 備 が 必 要 ~ 優 良 事 業 主 の 認 定 制 度 が 重 要 * 悪 質 な 事 業 主 への 業 務 改 善 を 要 請 し どうしても 業 務 改 善 がなされない 事 業 主 には 市 場 からの 撤 退 を 促 すことで 過 当 競 争 の 是 正 を 図 るためにも 優 良 事 業 主 の 認 定 制 度 など 産 業 界 を 中 心 に 自 主 基 準 の 策 定 や 民 間 による 仕 組 みづくりに 取 り 組 むことが 必 要 * 単 一 企 業 において 取 り 組 むことには 限 界 があるため 業 界 全 体 で 取 り 組 む ことが 肝 要 競 争 領 域 と 非 競 争 領 域 の 棲 み 分 けを * 不 毛 な 競 争 に 陥 らないよう 産 業 や 業 界 において 競 争 領 域 と 非 競 争 領 域 の 棲 み 分 けを 図 ることが 必 要 27
提 言 4 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には 社 会 の 成 熟 度 の 向 上 にむけた 消 費 スタイルの 転 換 を 便 利 な 世 の 中 から 暮 らしやすい 世 の 中 に 価 値 観 の 転 換 が 必 要 *サービスを 提 供 する 生 産 者 に 過 度 な 負 担 を 負 わすことがないよう ワーク ライフ バランス 憲 章 の 理 念 を 社 会 全 体 に 浸 透 させることにより 安 いからい い 便 利 だからいい サービスはタダである といった 便 利 な 世 の 中 から 暮 らしやすい 世 の 中 に 価 値 観 を 転 換 し 暮 らし 方 も 変 えていくことが 必 要 社 会 を 意 識 した 消 費 価 値 の 創 造 が 必 要 * 企 業 と 顧 客 としての 消 費 者 という 二 者 間 の 関 係 性 から 企 業 と 生 活 者 ( 消 費 者 )と 社 会 というより 広 い 視 点 にもとづき 企 業 と 消 費 者 が 協 力 して 社 会 を 意 識 した 消 費 価 値 の 創 造 が 必 要 フェアトレード 商 品 の 購 入 あるいはCSRや 環 境 への 取 り 組 みに 熱 心 な 企 業 の 商 品 の 選 択 など 商 品 やサービスの 購 入 を 通 じて 社 会 貢 献 を 行 っていくと いった ソーシャル 消 費 の 喚 起 が 重 要 28
提 言 5 サービス 分 野 の 生 産 性 向 上 の 実 現 には グローバル 展 開 が 課 題 日 本 の 強 みを 活 かしたサービスによるグローバル 展 開 を * 日 本 人 が 得 意 とする 質 の 高 いサービス ホスピタリティを 強 みとして 活 かした 上 で 各 国 の 文 化 や 生 活 スタイルに 応 じたサービス 水 準 の 提 供 を 図 るなど 現 地 化 の 推 進 に 向 けて 取 り 組 むことが 必 要 サービス 分 野 は 中 小 企 業 比 率 が 高 く 経 営 資 源 に 乏 しい 企 業 も 少 なくない ため 政 策 的 な 支 援 を 適 切 に 講 じるなどグローバル 化 に 対 応 できる 環 境 整 備 を 進 めていくことが 重 要 グローバル 化 が 進 展 していく 中 では 国 内 外 を 問 わず 社 会 的 責 任 を 果 たすことが 必 要 * OECDの 多 国 籍 企 業 ガイドライン 国 連 グローバルコンパクト SA8000 ISO26000 などにみられるように 社 会 的 責 任 の 遵 守 が 強 まっている 企 業 のサプライチェーンにおける 労 使 紛 争 を 未 然 に 防 止 し また 労 働 者 の 基 本 的 権 利 や 適 正 な 労 働 条 件 を 確 立 するための 体 制 を 強 化 するためにも 国 際 産 業 別 組 織 及 びその 加 盟 組 合 と 多 国 籍 企 業 がパートナーとなる グローバル 枠 組 協 定 の 締 結 ( 髙 島 屋 ミズノ イオンが 締 結 )にむけた 取 り 組 みを 強 化 するこ とが 必 要 29
提 言 6 サービス 分 野 の 生 産 性 分 析 に 関 する 研 究 のさらなる 進 展 を サービス 産 業 の 生 産 性 分 析 は 製 造 業 に 比 べ 統 計 データーの 整 備 が 遅 れて いるのが 実 情 *サービス 産 業 の 企 業 事 業 所 レベルのデータの 整 備 充 実 が 不 可 欠 *サービス 分 野 の 生 産 性 を 検 討 する 上 で 全 要 素 生 産 性 の 計 測 がなされてい る ただし 全 要 素 生 産 性 には 技 術 進 歩 のほかに 労 働 者 の 熟 練 度 向 上 経 営 効 率 あるいは 組 織 効 率 改 善 分 業 の 進 展 規 模 の 経 済 の 実 現 などが 含 ま れており 計 測 方 法 からミクロ セミマクロとマクロの 要 因 が 混 同 されてしまうと いった 留 意 点 があり 今 後 研 究 が 進 むことに 期 待 している 30