3.リスクの 特 徴 と 会 社 としての 対 策 リスク 対 策 を 講 じる 場 合 リスクの 特 徴 に 応 じてその 内 容 を 検 討 する 必 要 がある そこで 上 記 に 挙 げたリスクについて その 特 徴 とそれに 応 じた 対 策 について 検 討 する (1) 事 故 日 常



Similar documents
2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

公表表紙

東京事務所BCP【実施要領】溶け込み版

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

定款


m07 北見工業大学 様式①

16 日本学生支援機構

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

学校安全の推進に関する計画の取組事例

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

Microsoft Word - 目次.doc

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

<4D F736F F D20365F335F8FF08C8F90DD92E FC92F994C5382D32816A>

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

18 国立高等専門学校機構

●電力自由化推進法案


<947A957A8E9197BF C E786C73>

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

スライド 1

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

弁護士報酬規定(抜粋)

スライド 1

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

資 格 給 付 関 係 ( 問 1) 外 国 人 Aさん(76 歳 )は 在 留 期 間 が3ヶ 月 であることから 長 寿 医 療 の 被 保 険 者 ではない が 在 留 資 格 の 変 更 又 は 在 留 期 間 の 伸 長 により 長 寿 医 療 の 適 用 対 象 となる 場 合 には 国

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

住み慣れたこの町で最期まで 安心して暮らすために

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

近畿中部防衛局広報誌

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

退職手当とは

Taro-07-1提言概要.jtd

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

Ⅰ 元 請 負 人 を 社 会 保 険 等 加 入 建 設 業 者 に 限 定 平 成 28 年 10 月 1 日 以 降 に 入 札 公 告 指 名 通 知 随 意 契 約 のための 見 積 依 頼 を 行 う 工 事 から 以 下 に 定 める 届 出 の 義 務 ( 以 下 届 出 義 務 と

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

福 山 市 では, 福 山 市 民 の 安 全 に 関 する 条 例 ( 平 成 10 年 条 例 第 12 号 )に 基 づき, 安 全 で 住 みよい 地 域 社 会 の 形 成 を 推 進 しています また, 各 地 域 では, 防 犯 を 始 め 様 々な 安 心 安 全 活 動 に 熱 心

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

Microsoft Word - 通達(参考).doc

を 行 わなければならない 適 正 な 運 用 方 針 を 厳 格 に 運 用 することによっては じめて 人 がみだりにその 容 ぼう 等 を 撮 影 されない 自 由 や 権 利 の 保 護 と 犯 罪 発 生 の 抑 止 という 防 犯 カメラの 設 置 目 的 との 調 和 が 実 現 され

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料

入札公告 機動装備センター

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

市街化区域と市街化調整区域との区分

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

●労働基準法等の一部を改正する法律案

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

もの( 交 通 事 故 事 件 に 係 るものを 除 く ) 3 重 大 な 交 通 事 故 事 件 とは 次 に 掲 げる 交 通 事 故 事 件 をいう (1) 死 亡 ひき 逃 げ 事 件 車 両 等 の 交 通 により 人 が 死 亡 した 場 合 において 道 路 交 通 法 ( 昭 和

長崎市民間建築物耐震化推進事業の概要

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

< F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

【労働保険事務組合事務処理規約】

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す


<4D F736F F D C93FA967B91E5906B8DD082D682CC91CE899E2E646F6378>

Transcription:

役 員 のプライベートリスクをマネジメントする 222 東 京 海 上 日 動 リスクコンサルティング( 株 ) 経 営 リスクグループ 主 任 研 究 員 中 村 有 博 1.はじめに 2008 年 11 月 厚 生 労 働 省 の 元 幹 部 とその 家 族 が 連 続 して 襲 われるという 事 件 が 発 生 した 本 稿 執 筆 現 在 事 件 は 捜 査 中 であり 早 急 な 解 明 が 待 たれるが 報 道 によれば 犯 人 は 職 員 録 で 住 所 を 確 認 し 下 見 をしたうえで ダンボールなどを 手 配 し 宅 配 業 者 を 装 うという 周 到 な 準 備 のもと 襲 撃 した 可 能 性 が 高 いとみられている しかし このように 在 宅 中 などプライベートな 部 分 で 事 件 に 巻 き 込 まれることは 決 して 他 人 事 で はない 現 役 の 政 府 幹 部 や 著 名 企 業 の 役 員 等 であれば なおその 可 能 性 は 高 い そして 万 一 その ような 事 態 が 発 生 した 場 合 組 織 としては 重 要 な 意 思 決 定 者 を 欠 くこととなり 業 務 の 停 滞 など の 影 響 が 生 じることになる こうした 観 点 から プライベートにおけるリスクとはいえ 組 織 として 何 らかの 対 策 を 講 じるべき ではないか という 問 題 意 識 が 生 じる 実 際 に 弊 社 では そうした 問 題 意 識 を 持 つ 企 業 からの 依 頼 に 応 じてコンサルティングを 実 施 しており 問 い 合 わせも 増 えている そこで 本 稿 では 特 に 企 業 の 役 員 の 生 命 身 体 に 焦 点 をあて 上 記 の 犯 罪 事 件 等 の 他 事 故 災 害 疾 病 などを 含 めプライベートで 発 生 し 得 るリスクに 対 して 会 社 としてどのような 対 策 を 行 なうこ とができるのか( 或 いはできないのか) 以 下 に 考 察 していきたい 2.プライベートにおけるリスク リスクマネジメントにおいて どのようなリスクがあるかを 確 認 することは 第 一 のステップとなる そこで プライベートにおけるリスクにはどのようなものがあるかを 検 討 する この 点 一 例 として 下 記 の 図 表 のように 分 類 して 考 えることができる 図 表 :プライベートにおけるリスク( 例 ) 区 分 リスク( 例 ) 事 故 交 通 事 故 ( 自 動 車 自 動 二 輪 車 原 動 機 付 自 転 車 ) 危 険 性 の 高 い 運 動 (ハンググライダー 等 )の 事 故 など 事 件 窃 盗 強 盗 放 火 誘 拐 脅 迫 殺 人 テロ など 自 然 災 害 健 康 状 態 大 地 震 台 風 水 害 など 悪 性 新 生 物 ( 癌 等 ) 脳 血 管 疾 患 ( 脳 梗 塞 等 ) 心 疾 患 ( 心 筋 梗 塞 等 ) 等 の 生 命 に 係 わる 疾 患 過 労 うつ 病 など 海 外 ( 旅 行 出 張 駐 在 ) スリ 窃 盗 強 盗 脅 迫 誘 拐 殺 人 テロ など 1

3.リスクの 特 徴 と 会 社 としての 対 策 リスク 対 策 を 講 じる 場 合 リスクの 特 徴 に 応 じてその 内 容 を 検 討 する 必 要 がある そこで 上 記 に 挙 げたリスクについて その 特 徴 とそれに 応 じた 対 策 について 検 討 する (1) 事 故 日 常 生 活 における 事 故 の 典 型 的 なケースとしては 自 動 車 自 動 二 輪 車 原 動 機 付 自 転 車 による 交 通 事 故 が 挙 げられる 2007 年 中 の 交 通 事 故 による 死 傷 者 数 は 警 察 庁 発 表 によれば 1,040,189 人 (うち 死 者 数 5,744 人 )である 1 車 体 の 安 全 性 能 向 上 などにより 死 者 数 は 減 少 傾 向 にあるもの の 毎 年 100 万 人 前 後 の 死 傷 者 がいる 点 では 依 然 として 身 近 なリスクであり 事 故 内 容 によって は 生 命 の 危 機 を 招 くものである また 危 険 性 の 高 い 運 動 による 事 故 も 想 定 される 例 えば ハンググライダー ピッケル アイ ゼン ザイルなどを 使 用 する 山 岳 登 はん 航 空 機 操 縦 自 動 車 レースへの 参 加 などが 挙 げられる こうした 事 故 は 個 人 の 技 術 の 熟 練 度 が 影 響 するものと 思 われるが 常 に 一 定 のリスクを 負 い 万 一 発 生 した 場 合 は 生 命 身 体 に 大 きな 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 が 高 い 上 記 に 挙 げるような 事 故 は 本 人 が 能 動 的 に 行 うものである 以 上 自 己 責 任 のもと 危 険 を 確 認 し 行 動 することが 原 則 である そこで 会 社 として 何 か 対 策 に 関 与 することができるかが 課 題 とな る 自 動 車 は 利 用 頻 度 の 高 い 日 常 生 活 に 必 要 不 可 欠 である そうした 観 点 から 相 手 方 の 不 注 意 等 に よる 交 通 事 故 に 巻 き 込 まれる 可 能 性 はあるものの 交 通 規 則 に 従 って 安 全 に 運 行 している 以 上 日 常 的 な 運 転 について 会 社 として 特 段 の 制 限 を 設 けることは 難 しいものと 思 われる 但 し 自 動 二 輪 車 は 自 動 車 に 比 べ 事 故 による 致 死 率 が 高 い 2 といった 点 を 考 慮 すれば 本 人 の 了 承 する 範 囲 で 乗 車 を 避 けてもらうというのも 方 法 である また 海 外 は 日 本 とは 交 通 ルールが 異 なるため 想 定 外 の 交 通 事 故 が 起 こる 可 能 性 も 高 く 本 人 の 了 承 する 範 囲 で 運 転 を 自 粛 してもらうということ も 考 えられる また 危 険 性 の 高 い 運 動 は プライベートの 充 実 や 自 己 実 現 という 側 面 を 鑑 みれば 一 概 に 自 粛 を 要 望 することは 適 切 ではないと 思 われる 但 し 具 体 的 な 内 容 に 応 じて 特 に 危 険 性 の 高 い 場 合 における 自 粛 や 実 施 回 数 の 減 少 などを 要 望 することは 検 討 の 余 地 があると 思 われる また そうした 情 報 を 会 社 として 把 握 するために 具 体 的 に 実 施 する 場 合 は その 実 施 内 容 や 実 施 場 所 等 を 事 前 に 会 社 に 届 出 てもらうことも 一 つの 方 法 である (2) 事 件 交 通 事 故 等 と 比 較 して 発 生 する 可 能 性 は 低 いが 窃 盗 強 盗 放 火 誘 拐 脅 迫 殺 人 テロな どの 事 件 に 巻 き 込 まれる 可 能 性 も 完 全 に 排 除 することはできない こうした 事 件 の 特 徴 として 不 特 定 の 人 物 を 狙 う 場 合 と 特 定 の 人 物 を 狙 う 場 合 に 区 分 することが できる 不 特 定 の 人 物 を 狙 う 場 合 の 例 としては 不 特 定 の 家 屋 を 狙 った 窃 盗 ( 空 き 巣 ) 通 り 魔 無 差 別 テロなどが 挙 げられる 例 えば 2008 年 3 月 に 発 生 した 秋 葉 原 での 無 差 別 連 続 殺 傷 事 件 が これに 当 たるが こうした 犯 行 は 予 測 可 能 性 が 低 く あらかじめ 想 定 し 対 策 を 立 てることは 容 易 ではない 一 方 で 冒 頭 に 述 べた 厚 生 労 働 省 元 幹 部 襲 撃 事 件 のように 個 人 の 社 会 的 地 位 実 績 知 名 度 収 入 等 に 応 じて 特 定 の 人 物 を 狙 うケースがある 特 にその 人 物 の 社 会 的 地 位 や 資 産 を 目 的 とし て 営 利 目 的 による 誘 拐 脅 迫 や 著 名 人 を 狙 った 襲 撃 等 は 日 本 ではそれほど 多 くないものの 著 名 企 業 の 役 員 等 は 十 分 に 留 意 しておくことが 望 まれる 2007 年 4 月 には 長 崎 市 長 が 選 挙 運 動 中 に 暴 力 団 組 員 に 射 殺 されるという 事 件 が 発 生 している 1 警 察 庁 交 通 局 2008 年 2 月 平 成 19 年 中 の 交 通 事 故 の 発 生 状 況 に 基 づく 数 値 2 自 動 二 輪 車 乗 車 中 の 致 死 率 0.94% 原 動 機 付 自 転 車 乗 車 中 の 致 死 率 0.53% 自 動 車 乗 車 中 の 致 死 率 0.31% ( 警 察 庁 交 通 局 2008 年 2 月 平 成 19 年 中 の 交 通 事 故 の 発 生 状 況 に 基 づく 数 値 ) 2

上 記 のような 事 件 に 対 しては 万 一 の 不 測 の 事 態 に 備 えてどのような 防 犯 対 策 を 整 えておくべき か またそれに 会 社 がどの 程 度 関 与 できるかが 課 題 となる 不 特 定 の 人 物 を 狙 う 犯 行 は 予 測 可 能 性 が 低 く 発 生 を 想 定 した 対 策 を 立 てることは 難 しい そ のため 対 策 としては 例 えば 自 宅 の 施 錠 強 化 や 防 犯 アラームの 設 置 など 個 人 による 対 策 が 中 心 になると 思 われる もっとも 会 社 が 個 人 宅 に 防 犯 カメラや 巡 回 等 のセキュリティサービスを 導 入 し 万 一 の 際 は 会 社 にも 情 報 が 届 くようにしておくなどにより 発 生 抑 止 や 事 件 後 の 支 援 も 可 能 である 一 方 で 特 定 の 人 物 を 狙 うケースに 対 しては 本 人 の 社 会 的 地 位 や 知 名 度 等 に 応 じて 個 別 具 体 的 に 対 応 を 検 討 することが 望 まれる 今 回 の 厚 生 労 働 省 元 幹 部 襲 撃 事 件 では 事 件 発 生 を 受 けてす ぐに 他 の 幹 部 や 元 幹 部 などに 警 察 官 の 警 護 等 の 厳 戒 態 勢 が 敷 かれた 民 間 企 業 においても 例 えば 脅 迫 状 や 怪 文 書 が 届 いている 場 合 反 社 会 的 勢 力 の 介 入 がある 場 合 重 大 なトラブルを 抱 えている 場 合 など 危 険 を 示 す 予 兆 がある 場 合 は 通 勤 帰 宅 時 の 送 迎 面 会 時 の 本 人 確 認 の 徹 底 警 護 員 の 手 配 など 状 況 に 応 じた 個 別 具 体 的 な 対 策 を 検 討 することが 望 まれる (3) 自 然 災 害 自 然 災 害 の 典 型 例 として 大 地 震 台 風 水 害 などが 想 定 される こうした 災 害 は 時 に 多 くの 人 の 生 命 身 体 を 脅 かし また 自 宅 の 損 傷 などにより 多 額 の 損 害 を 被 ることもある 特 に 大 地 震 に よる 被 害 は 広 域 かつ 甚 大 であり 内 閣 府 の 資 料 では 東 京 湾 北 部 にマグニチュード 7.3 規 模 の 地 震 が 発 生 した 場 合 死 者 数 約 11,000 人 重 傷 者 数 約 37,000 人 にのぼる 3 と 想 定 されている もっとも こうした 災 害 は 一 定 の 頻 度 で 発 生 する 故 に 経 験 則 に 基 づく 被 害 想 定 が 可 能 であり 発 生 を 想 定 した 対 策 を 立 てることができる 大 地 震 を 中 心 にこうした 災 害 が 発 生 した 場 合 第 一 に 生 命 身 体 の 安 全 を 確 保 することが 重 要 である そのうえで 役 員 は 責 任 者 として 会 社 における 業 務 復 旧 を 指 揮 する 必 要 があり 会 社 の 担 当 者 は 迅 速 に 連 絡 をとり 指 示 を 受 ける 必 要 がある そのため 会 社 としては まず 安 否 を 確 認 する 手 段 を 確 保 することが 必 要 である 状 況 によって は 役 員 本 人 が 重 症 を 負 い 病 院 に 搬 送 されていたり 行 方 不 明 となる 可 能 性 もある また 災 害 時 は 通 信 回 線 の 途 絶 や 利 用 集 中 などにより 電 話 をはじめとする 通 信 機 器 が 利 用 できず 会 社 との スムーズな 連 絡 ができない 可 能 性 がある そのため 会 社 としてはこうした 可 能 性 を 考 慮 し あらかじめ 安 否 確 認 のルール( 方 法 連 絡 ル ート 等 )や 安 否 確 認 システムの 使 用 方 法 等 を 徹 底 しておく 必 要 がある また 万 一 連 絡 の 取 れな い 場 合 に 所 在 地 を 把 握 できるように 会 社 配 布 の 携 帯 電 話 を GPS 対 応 としあらかじめ 本 人 の 許 可 を 得 ておくことで 危 機 発 生 時 に 直 ちに 位 置 情 報 を 検 索 できるようにしておくことも 方 法 であ る 更 に 通 信 手 段 を 確 保 するために 災 害 用 として 衛 星 電 話 を 自 宅 にも 用 意 することも 考 えら れる 但 し GPS による 位 置 情 報 検 索 システムを 導 入 する 際 は 位 置 情 報 が 個 人 の 機 微 な 情 報 であるこ とに 配 慮 することが 望 まれる (4) 健 康 状 態 健 康 状 態 の 悪 化 は 個 人 の 生 命 身 体 に 対 する 重 大 なリスクである 厚 生 労 働 省 の 人 口 動 態 統 計 によれば 悪 性 新 生 物 (いわゆる 癌 )といったものの 他 脳 血 管 疾 患 や 心 疾 患 など 重 大 かつ 緊 急 の 疾 病 が 死 因 の 上 位 を 占 めており 疾 病 は 事 故 や 事 件 などに 比 べて 発 生 可 能 性 の 高 い 最 も 身 近 な 3 冬 夕 方 18 時 風 速 15m/s での 設 定 ( 内 閣 府 2005 年 2 月 一 部 改 訂 首 都 直 下 地 震 対 策 に 係 る 被 害 想 定 結 果 について に 基 づく 数 値 ) 3

リスクといえる 4 また 健 康 であることは 業 務 を 行 ううえで 最 も 基 本 となる 一 方 多 忙 を 極 める 役 員 にとって 過 労 や 業 務 上 のストレスは 健 康 に 大 きく 影 響 し 場 合 によっては 業 務 が 健 康 状 態 の 悪 化 や 過 労 死 などを 招 くこともあるため 業 務 と 健 康 状 態 を 切 り 離 して 考 えることは 難 しい こうした 観 点 から 会 社 としても 健 康 面 については 配 慮 することが 望 まれる 但 し 健 康 状 態 は 個 人 の 極 めて 機 微 な 情 報 であり その 取 扱 いには 十 分 な 配 慮 が 必 要 である 大 多 数 の 会 社 では 1 年 に 1 回 程 度 の 健 康 診 断 が 行 なわれており 本 人 はその 診 断 結 果 で 自 身 の 健 康 状 態 を 把 握 しているものと 思 われる 合 わせて 産 業 医 や 保 健 師 の 設 置 を 通 じてフォローア ップする 会 社 も 多 い こうした 制 度 のうえで どのように 会 社 として 役 員 の 健 康 をマネジメント してゆくかが 課 題 となる この 点 事 前 の 健 康 促 進 施 策 として 定 期 的 な 運 動 やバランスのよい 食 事 等 の 健 康 管 理 を 推 奨 す るということは 従 来 から 広 く 用 いられている 但 し 最 終 的 に 実 施 するか 否 かは 本 人 の 問 題 であ り 会 社 として 個 人 の 健 康 促 進 に 深 く 関 与 することはなかなか 難 しい 一 方 で 万 一 の 事 態 に 備 えた 事 後 対 策 としていくつかの 方 法 が 考 えられる 例 えば 秘 書 等 が 本 人 の 健 康 状 態 既 往 歴 疾 病 投 薬 状 況 勤 務 状 況 等 を 本 人 了 承 のもと 整 理 しておき 当 然 倒 れたような 場 合 でも 迅 速 に 対 応 できる 体 制 を 想 定 しておくことも 1 つの 方 法 である また 役 員 のみ 特 別 な 人 間 ドック 等 を 行 なうという 方 法 もある 但 し 役 員 を 特 別 扱 いすることについて 税 務 上 の 課 題 が 生 じるといった 点 に 留 意 が 必 要 である また これまで 述 べた 事 故 事 件 災 害 等 の 場 合 を 含 め 執 務 不 能 となった 場 合 の 意 思 決 定 の 代 行 を 権 限 規 程 等 で 明 確 にしておくことも 危 機 管 理 対 応 として 重 要 である (5) 海 外 ( 旅 行 出 張 駐 在 ) 日 本 は 世 界 でも 治 安 の 良 い 国 として 知 られているが 海 外 では 国 地 域 によって 治 安 が 悪 い 場 合 があり 路 上 でのスリから 自 宅 への 窃 盗 強 盗 脅 迫 誘 拐 殺 人 テロに 至 るまで 様 々な 不 測 の 事 態 に 巻 き 込 まれる 危 険 性 が 日 本 に 比 べて 高 い そのため 海 外 に 旅 行 出 張 駐 在 する 場 合 は その 国 地 域 の 文 化 情 勢 を 踏 まえ 十 分 に 注 意 して 行 動 する 必 要 がある 最 近 では インドで 世 界 中 の 富 裕 層 やビジネスマンが 宿 泊 する 伝 統 的 なホテルが 武 装 集 団 によ る 襲 撃 を 受 け 200 名 近 くが 犠 牲 となり 日 本 人 ビジネスマン 1 名 が 死 亡 するという 事 件 が 発 生 し その 際 に 日 本 企 業 の 社 長 も 銃 弾 の 飛 び 交 うホテルに 閉 じ 込 められている またタイでも 反 政 府 団 体 により 空 港 が 占 拠 されるという 事 件 が 発 生 長 期 間 に 渡 り 多 数 のビジネスマンや 旅 行 者 が 足 止 めされるという 事 態 が 生 じている また 海 外 では 万 一 の 事 態 が 生 じた 場 合 でも 慣 れない 言 語 から 情 報 収 集 がスムーズにいかない 日 本 では 当 然 あるものが 手 に 入 らない 物 理 的 距 離 から 日 本 からの 支 援 をすぐに 期 待 できない といったこともしばしば 生 じ 危 機 発 生 時 の 対 応 がスムーズに 行 かない 場 合 も 多 い こうした 点 を 考 慮 し 日 本 とは 異 なる 現 地 の 地 域 性 に 応 じた 対 応 を 想 定 しておく 必 要 がある 旅 行 出 張 駐 在 などいかなる 理 由 で 渡 航 する 場 合 でも 海 外 で 安 全 を 確 保 するために 第 一 に は 本 人 が 注 意 することが 肝 心 である その 国 の 情 勢 や 事 故 事 件 事 例 を 事 前 に 確 認 し 危 険 な 場 所 に 近 寄 らず 安 全 性 の 高 い 施 設 に 宿 泊 し 目 立 たずに 用 心 して 行 動 することが 大 切 である ま た 事 故 事 件 が 発 生 した 場 合 は 直 ちに 現 地 の 日 本 大 使 館 と 会 社 に 連 絡 することが 重 要 であり そのために 例 えば 万 一 の 際 の 連 絡 先 の 整 理 や 海 外 でも 利 用 できる 携 帯 電 話 などの 通 信 手 段 を 事 前 に 確 保 しておくことは 重 要 である そのうえで 会 社 としてどこまで 関 与 できるかが 課 題 と なる この 点 まず 渡 航 理 由 により 区 分 して 考 えることができる 海 外 旅 行 は 本 人 のプライベートにお ける 判 断 の 問 題 であり 紛 争 地 域 などの 危 険 な 国 地 域 へ 渡 航 する 場 合 を 除 き 自 粛 を 促 すこと 4 2007 年 死 亡 総 数 に 占 める 構 成 割 合 : 悪 性 新 生 物 30.4%(1 位 ) 心 疾 患 15.8%(2 位 ) 脳 血 管 疾 患 11.5%(3 位 )( 厚 生 労 働 省 2008 年 9 月 平 成 19 年 人 口 動 態 統 計 ( 確 定 数 )の 概 況 に 基 づく 数 値 ) 4

はなかなか 難 しいものと 思 われる 但 し 海 外 旅 行 に 行 く 際 に 事 前 に 会 社 にも 届 け 出 てもらう など 万 一 に 備 えて 事 前 の 情 報 提 供 を 依 頼 することは 可 能 であると 思 われる 一 方 で 海 外 出 張 や 海 外 駐 在 により 赴 任 する 場 合 には 会 社 業 務 によって 海 外 に 赴 任 する 以 上 業 務 時 間 外 に 関 しても 会 社 として 安 全 確 保 に 配 慮 する 必 要 がある そのため 会 社 としては 国 地 域 の 治 安 政 治 情 勢 宿 泊 施 設 (ホテル マンション 戸 建 住 宅 ) 医 療 水 準 等 について 確 認 し 状 況 に 応 じた 安 全 対 策 を 支 援 したうえで 派 遣 することが 求 められる また 役 員 に 焦 点 をあてた 場 合 特 定 の 企 業 や 人 物 を 狙 う 脅 迫 誘 拐 などの 組 織 的 犯 罪 に 特 に 注 意 が 必 要 である 近 年 でも 特 に 中 南 米 中 東 東 南 アジアなどの 一 部 の 国 で 組 織 的 に 営 利 目 的 ( 稼 業 としている 場 合 や 組 織 活 動 資 金 の 調 達 など)や 政 治 思 想 目 的 ( 反 政 府 活 動 の 実 現 や 反 日 思 想 など)をもって 著 名 企 業 やその 役 職 員 に 対 して 爆 破 殺 人 等 の 脅 迫 や 誘 拐 を 示 唆 してく るケースもある 過 去 にも 中 南 米 中 東 東 南 アジアなどの 一 部 の 国 において 現 地 法 人 社 長 や 支 店 長 など 幹 部 が 誘 拐 殺 害 されるというケースが 発 生 しており 会 社 として 十 分 な 注 意 が 求 められる 万 一 爆 破 殺 人 誘 拐 などを 予 告 する 手 紙 電 話 Web サイトへの 書 き 込 みなどがあった 場 合 あるいは 自 宅 や 通 勤 中 などにおいて 不 審 者 による 見 張 り 尾 行 など 危 険 を 示 唆 する 兆 候 がある 場 合 は 自 宅 や 通 勤 時 の 警 備 の 強 化 身 辺 警 護 の 雇 用 別 のホテルへの 一 時 退 避 等 について 会 社 としても 協 力 することが 望 まれる 4. 課 題 プライベートか 否 かを 問 わず 会 社 がリスク 管 理 に 関 与 すればするほど 本 人 やその 家 族 は 個 人 と しての 安 全 性 を 高 め 会 社 も 意 思 決 定 者 の 不 在 や 執 務 執 行 の 停 滞 といったリスクを 低 減 することが できる この 点 で 会 社 として 関 与 することに 効 果 が 期 待 できる しかし これまで 述 べてきたとおり 会 社 が 関 与 することには 検 討 すべき 課 題 も 多 い 最 も 重 要 な 課 題 は 本 人 のプライベートな 部 分 に 対 する 配 慮 である 役 員 という 企 業 において 重 要 なポジションを 担 う 立 場 とはいえ みだりに 私 生 活 に 会 社 や 他 人 が 関 与 することを 望 まないのは 言 うまでもない 場 合 によっては 本 人 への 多 大 なストレスや 会 社 に 対 する 不 信 感 を 招 くことにもな りかねない 会 社 としても 個 人 の 自 由 を 尊 重 し 過 度 の 関 与 を 控 えることは 原 則 である そのため プライベートというセンシティブな 課 題 を 有 することを 認 識 し どこまで 会 社 は 関 与 することがで きるかという 課 題 を 常 に 検 討 する 必 要 がある また プライベートに 関 するリスクは その 内 容 によって 程 度 の 差 があるが 原 則 として 第 一 次 的 には 個 人 が 自 己 管 理 するべきものであり 会 社 が 積 極 的 な 関 与 が 期 待 されているものではない そのため 役 員 のみを 対 象 とする 場 合 には 役 員 のみを 特 別 扱 いすることに 問 題 が 生 じる 場 合 があ る 例 えば 役 員 のみを 対 象 とする 健 康 診 断 にかかる 費 用 は 役 員 に 対 する 給 与 ( 賞 与 )として 税 務 上 取 り 扱 われる 可 能 性 もある 特 定 の 人 物 や 役 職 者 等 を 対 象 に 施 策 を 考 える 場 合 は 会 社 として 行 うことの 合 理 性 を 検 討 する 必 要 がある 5.おわりに 以 上 の 考 察 を 通 して プライベートにおけるリスクとはいえ 会 社 として 関 与 できる 余 地 が 少 なか らずあることがわかる また 役 員 という 組 織 において 最 重 要 な 任 務 を 担 う 人 物 については むし ろ 会 社 による 関 与 が 求 められる 場 面 も 多 々あるものと 思 われる そのような 観 点 から プライベー トにおけるリスクだからといって 会 社 として 一 切 検 討 を 行 なわないことは 妥 当 ではない 但 し 3. 課 題 にあるとおり 考 慮 すべき 課 題 も 多 く 単 に 積 極 的 に 推 進 すればよいというも のでもない むしろ 積 極 的 過 ぎるが 故 に 弊 害 を 引 き 起 こす 可 能 性 にも 留 意 しなければならない 会 社 がプライベートのリスクをマネジメントするに 際 しては 本 人 の 社 会 地 位 役 職 担 当 業 務 リスクの 程 度 などを 総 合 的 に 考 慮 して 個 別 具 体 的 に 慎 重 かつ 柔 軟 に 行 なうことが 求 められるも のと 考 える 以 上 ( 第 222 号 2008 年 12 月 発 行 ) 5

参 考 文 献 : 1. 警 察 庁 交 通 局 2008 年 2 月 平 成 19 年 中 の 交 通 事 故 の 発 生 状 況 2. 内 閣 府 2005 年 2 月 一 部 改 定 首 都 直 下 地 震 対 策 に 係 る 被 害 想 定 結 果 について 3. 厚 生 労 働 省 大 臣 勘 合 統 計 情 報 部 2008 年 9 月 平 成 19 年 人 口 動 態 統 計 ( 確 定 数 )の 概 況 4. 外 務 省 領 事 局 2004 年 8 月 海 外 赴 任 者 のための 安 全 対 策 小 読 本 5. 外 務 省 領 事 局 2004 年 8 月 海 外 における 脅 迫 事 件 対 策 6. 外 務 省 領 事 局 2004 年 8 月 海 外 における 誘 拐 対 策 Q&A 6