平 27.10.23 総 2 4-3 説 明 資 料 個 人 住 民 税 3 平 成 27 年 10 月 23 日 ( 金 ) 総 務 省
目 次 1. 個 人 住 民 税 の 課 税 標 準 の 計 算 1 2. 個 人 住 民 税 における 各 種 人 的 控 除 のあり 方 2 3. 個 人 住 民 税 における 超 過 課 税 独 自 減 税 の 実 施 状 況 9 4. 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 10 5.その 他 14 6. 前 回 までに 出 された 主 な 意 見 15
1. 個 人 住 民 税 の 課 税 標 準 の 計 算
個 人 住 民 税 の 課 税 標 準 の 計 算 個 人 住 民 税 の 課 税 標 準 は 所 得 税 の 計 算 の 例 によって 算 定 することとされており 所 得 税 において 非 課 税 とされた 所 得 は 地 方 税 法 上 特 段 の 規 定 を 置 かない 限 り 個 人 住 民 税 においても 非 課 税 となる < 非 課 税 所 得 となる 制 度 の 例 > 障 害 者 等 の 少 額 預 金 の 利 子 所 得 等 の 非 課 税 ( 障 害 者 等 マル 優 ) 障 害 者 等 の 少 額 公 債 の 利 子 の 非 課 税 ( 障 害 者 等 特 別 マル 優 ) 勤 労 者 財 産 形 成 住 宅 貯 蓄 の 利 子 所 得 等 の 非 課 税 勤 労 者 財 産 形 成 年 金 貯 蓄 の 利 子 所 得 等 の 非 課 税 非 課 税 口 座 内 の 少 額 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 及 び 譲 渡 所 得 等 の 非 課 税 (NISA) 未 成 年 者 口 座 内 の 少 額 上 場 株 式 等 に 係 る 配 当 所 得 及 び 譲 渡 所 得 等 の 非 課 税 (ジュニアNISA) 課 税 対 象 から 除 外 することによる 配 慮 所 得 の 区 分 種 類 に 応 じた 配 慮 家 族 構 成 や 家 族 の 収 入 年 齢 そ の 他 の 事 情 に 応 じた 配 慮 その 他 の 政 策 的 配 慮 二 重 課 税 の 調 整 ( 外 国 税 額 控 除 等 ) 政 策 的 要 請 を 受 けた 調 整 ( 寄 附 金 税 額 控 除 等 ) 非 課 税 所 得 各 種 の 所 得 計 算 上 の 控 除 人 的 控 除 ( 基 礎 控 除 配 偶 者 控 除 扶 養 控 除 等 ) その 他 の 所 得 控 除 ( 社 会 保 険 料 控 除 医 療 費 控 除 等 ) 比 例 税 率 税 額 控 除 所 得 税 と 同 一 の 計 算 ( 1) ( 2) ( 2) ( 2) ( 1) 個 人 住 民 税 の 課 税 標 準 は 所 得 税 の 計 算 の 例 によって 算 定 ( 2) 個 人 住 民 税 の 人 的 控 除 ( 所 得 控 除 )は 所 得 税 の 人 的 控 除 ( 所 得 控 除 )の 範 囲 内 ( 低 めに 控 除 額 が 設 定 )とされており また 政 策 的 な 所 得 控 除 及 び 税 額 控 除 は 所 得 税 と 比 較 して 限 定 的 ( 地 域 社 会 の 会 費 的 性 格 をより 明 確 化 する 観 点 ) 1
2. 個 人 住 民 税 における 各 種 人 的 控 除 のあり 方
今 後 における 我 が 国 の 社 会, 経 済 の 進 展 に 即 応 する 基 本 的 な 租 税 制 度 のあり 方 についての 答 申 ( 税 制 調 査 会 ) ( 昭 和 39 年 12 月 ) ( 抜 粋 ) 第 8 地 方 税 のあり 方 2. 住 民 税 (2) 住 民 税 は, 所 得 税 と 同 じく 所 得 に 対 して 課 する 税 であるが 他 面, 所 得 税 とは 異 なつて 地 域 社 会 の 費 用 を 住 民 がその 能 力 に 応 じつつ 広 く 負 担 するという 性 格 をもつている 税 であると 考 えられる したがつ て,このような 住 民 税 の 性 格 にかんがみ, 所 得 税 に 比 較 してより 広 い 範 囲 の 納 税 義 務 者 がその 負 担 を 分 かちあうという 観 点 から,その 課 税 最 低 限 については, 所 得 税 のそれとは 差 異 があるべきである と 認 めた 税 制 の 抜 本 的 見 直 しについての 答 申 ( 税 制 調 査 会 ) ( 昭 和 61 年 10 月 ) ( 抜 粋 ) 第 二 個 別 税 目 についての 検 討 一 個 人 所 得 課 税 3. 課 税 最 低 限 (2) 個 人 住 民 税 個 人 住 民 税 の 課 税 最 低 限 については, 地 域 社 会 の 費 用 を 住 民 が 広 く 能 力 に 応 じて 負 担 するという 住 民 税 の 性 格 からして, 所 得 税 に 比 較 してより 広 い 範 囲 の 納 税 義 務 者 がその 負 担 を 分 かち 合 うべきもの であるので, 所 得 税 の 課 税 最 低 限 と 一 致 させる 必 要 はないと 考 えられる 2
わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 - 21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 - ( 税 制 調 査 会 ) ( 平 成 12 年 7 月 ) ( 抜 粋 ) 1/3 第 一 基 本 的 考 え 方 四 税 制 の 検 討 の 視 点 4. 地 方 分 権 と 地 方 税 財 源 の 充 実 確 保 (1) 地 方 分 権 の 意 義 と 地 方 税 の 役 割 地 方 税 は 地 方 公 共 団 体 が このような 行 政 を 行 うために 必 要 な 経 費 を 賄 うものであり 地 域 の 共 通 の 経 費 をその 地 域 の 住 民 がその 能 力 と 受 益 に 応 じて 負 担 し 合 うものと 言 えます このため 地 方 税 につ いては 負 担 分 任 性 ( 分 かち 合 い)や 応 益 性 を 有 する 税 制 が 望 ましいとされています 地 方 税 の 負 担 を 求 めるに 当 たって 地 方 公 共 団 体 が どの 程 度 の 行 政 水 準 を どれだけの 経 費 で 実 現 しているのか 住 民 に 対 して 情 報 公 開 を 行 い 説 明 責 任 を 果 たし 住 民 の 参 加 と 選 択 を 求 めることにより 責 任 ある 地 方 自 治 が 構 築 されます 地 方 税 は 言 わば 民 主 主 義 の 学 校 である 地 方 自 治 の 存 在 証 明 とも 言 えるもので す ( 略 ) (4) 地 方 税 財 源 の 充 実 確 保 方 策 の 方 向 上 に 述 べた 基 本 的 な 考 え 方 に 沿 って 地 方 税 の 充 実 確 保 を 図 る 際 には 所 得 消 費 資 産 等 の 間 にお ける 均 衡 がとれた 国 地 方 を 通 ずる 税 体 系 のあり 方 等 を 踏 まえつつ 税 源 の 偏 在 性 が 少 なく 税 収 の 安 定 性 を 備 えた 地 方 税 体 系 を 構 築 することが 重 要 です 地 方 税 の 基 幹 税 目 の 中 では 個 人 住 民 税 や 固 定 資 産 税 は 安 定 的 で 税 収 の 変 動 が 少 なく どの 地 方 公 共 団 体 にも 税 源 が 広 く 存 在 し その 偏 在 が 少 ないという 性 格 を 持 っており また 地 方 消 費 税 は 清 算 を 行 うことにより 同 様 の 特 徴 を 有 しています 個 人 住 民 税 は 地 域 住 民 が 地 域 社 会 の 費 用 の 負 担 分 任 の 原 則 の 下 に 負 担 する 税 であり 受 益 と 負 担 の 明 確 化 という 観 点 や 自 治 意 識 の 涵 養 という 点 からそ の 充 実 が 望 ましいと 考 えられます 3
わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 - 21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 - ( 税 制 調 査 会 ) ( 平 成 12 年 7 月 ) ( 抜 粋 ) 2/3 第 二 個 別 税 目 の 現 状 と 課 題 一 個 人 所 得 課 税 3. 個 人 所 得 課 税 の 課 題 (5) 個 人 住 民 税 のあり 方 個 人 住 民 税 は 基 幹 税 として 地 方 財 政 を 支 える 税 であるとともに 地 域 社 会 の 費 用 を 住 民 がその 能 力 に 応 じ 広 く 負 担 を 分 任 するという 独 自 の 性 格 ( 負 担 分 任 の 性 格 )や 地 方 公 共 団 体 が 少 子 高 齢 化 に 伴 い 提 供 する 福 祉 等 の 対 人 サービスなどの 受 益 に 対 する 対 価 として 対 応 関 係 を 明 確 に 認 識 できるという 性 格 ( 応 益 性 )を 有 しており 地 方 自 治 を 支 える 税 として 位 置 付 けることができるものと 言 えます こうし たことから 個 人 住 民 税 は 所 得 税 に 比 較 してより 広 い 範 囲 の 納 税 者 がその 負 担 を 分 かち 合 うものとなっ ています 個 人 住 民 税 については 地 方 分 権 の 推 進 や 少 子 高 齢 化 の 進 展 に 対 応 し 得 る 税 制 として このような 性 格 などを 踏 まえつつ そのあり 方 を 検 討 する 必 要 があります 4
わが 国 税 制 の 現 状 と 課 題 - 21 世 紀 に 向 けた 国 民 の 参 加 と 選 択 - ( 税 制 調 査 会 ) ( 平 成 12 年 7 月 ) ( 抜 粋 ) 3/3 第 二 個 別 税 目 の 現 状 と 課 題 一 個 人 所 得 課 税 14. 個 人 住 民 税 関 係 (1) 個 人 住 民 税 の 意 義 1 地 方 自 治 を 支 える 個 人 住 民 税 個 人 住 民 税 は 地 域 社 会 の 費 用 を 住 民 がその 能 力 に 応 じ 広 く 負 担 を 分 任 するという 独 自 の 性 格 ( 負 担 分 任 の 性 格 )を 有 しているこ とから 課 税 最 低 限 は 所 得 税 よりも 低 く 税 率 も 緩 やかな 累 進 構 造 となっています 地 方 公 共 団 体 は 住 民 に 対 し 日 常 生 活 に 密 着 した 様 々な 行 政 サービスを 提 供 していますが 個 人 住 民 税 は このような 行 政 サー ビスの 実 施 主 体 である 地 方 公 共 団 体 がその 課 税 主 体 となり 受 益 者 である 住 民 に 広 く 課 税 するものであり 住 民 は 身 近 な 地 方 公 共 団 体 からの 受 益 とそれに 対 する 負 担 との 関 係 を 明 確 に 理 解 することができます また それにより 住 民 が 地 方 行 政 に 対 する 理 解 と 関 心 を 深 めることとなり 地 方 自 治 の 運 営 に 参 画 することにつながるとともに 自 ら 負 担 する 税 がどのような 行 政 サービスに 使 われるかを 監 視 することにより 住 民 の 需 要 に 応 じた 効 率 的 な 地 方 行 政 が 推 進 され ることとなります (2) 個 人 住 民 税 の 現 状 1 個 人 住 民 税 の 納 税 義 務 者 数 平 成 11 年 度 の 市 町 村 民 税 の 所 得 割 の 納 税 義 務 者 は 市 町 村 税 課 税 状 況 等 の 調 ( 自 治 省 税 務 局 ) によれば 5,232 万 人 となって おり 多 くの 住 民 が 広 く 負 担 を 分 任 していると 言 えます このうち 所 得 税 の 納 税 義 務 を 有 しない 者 は233 万 人 (4.5%)となっており 所 得 割 のみの 納 税 義 務 者 ( 均 等 割 の 納 税 義 務 を 負 う 夫 と 生 計 を 一 にする 妻 ( 生 計 同 一 の 妻 )に 対 する 均 等 割 の 非 課 税 措 置 の 対 象 者 )は884 万 人 となっています また 市 町 村 民 税 の 均 等 割 の 納 税 義 務 者 は4,679 万 人 となっており このうち 均 等 割 のみの 納 税 義 務 者 は331 万 人 となっています (3) 個 人 住 民 税 の 課 題 1 個 人 住 民 税 の 充 実 確 保 個 人 住 民 税 は 負 担 分 任 の 性 格 を 有 するとともに 地 方 公 共 団 体 が 少 子 高 齢 化 に 伴 い 提 供 する 福 祉 等 の 対 人 サービスなどの 受 益 に 対 する 負 担 として 対 応 関 係 が 明 確 に 認 識 できるものであり このような 明 確 化 は 国 地 方 を 通 ずる 行 政 の 簡 素 化 効 率 化 に つながることともなります 2 所 得 割 の 所 得 控 除 と 課 税 最 低 限 所 得 割 の 所 得 控 除 及 び 課 税 最 低 限 のあり 方 については 個 人 住 民 税 の 負 担 分 任 の 性 格 から 所 得 税 に 比 較 してより 広 い 範 囲 の 納 税 義 務 者 がその 負 担 を 分 かち 合 うべきものであるため 所 得 税 と 一 致 させる 必 要 はないと 考 えられます 4 均 等 割 イ. 均 等 割 の 意 義 均 等 割 は 住 民 が 地 方 公 共 団 体 から 様 々な 行 政 サービスを 受 けている 対 価 として 地 域 社 会 の 費 用 の 一 部 を 等 しく 分 担 するも のであり 負 担 分 任 の 性 格 を 有 する 個 人 住 民 税 の 基 礎 的 な 部 分 として 位 置 付 けられるものです また 少 子 高 齢 化 の 進 展 に 伴 い 住 民 が 税 負 担 を 広 く 分 かち 合 うことが 必 要 となっていることからも 均 等 割 が 果 たすべき 役 割 は 大 きいものと 考 えられます 5
税 制 抜 本 改 革 法 ( 抜 粋 ) 社 会 保 障 の 安 定 財 源 の 確 保 等 を 図 る 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 を 行 うための 消 費 税 法 の 一 部 を 改 正 する 等 の 法 律 ( 平 成 24 年 8 月 22 日 法 律 第 68 号 ) ( 税 制 に 関 する 抜 本 的 な 改 革 及 び 関 連 する 諸 施 策 に 関 する 措 置 ) 第 七 条 第 二 条 及 び 第 三 条 の 規 定 により 講 じられる 措 置 のほか 政 府 は 所 得 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 二 十 一 年 法 律 第 十 三 号 ) 附 則 第 百 四 条 第 一 項 及 び 第 三 項 に 基 づく 平 成 二 十 四 年 二 月 十 七 日 に 閣 議 において 決 定 された 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 に 記 載 された 消 費 課 税 個 人 所 得 課 税 法 人 課 税 資 産 課 税 その 他 の 国 と 地 方 を 通 じた 税 制 に 関 する 抜 本 的 な 改 革 及 び 関 連 する 諸 施 策 について 次 に 定 める 基 本 的 方 向 性 によりそれらの 具 体 化 に 向 けてそれぞれ 検 討 し それぞれの 結 果 に 基 づき 速 や かに 必 要 な 措 置 を 講 じなければならない 二 個 人 所 得 課 税 については 次 に 定 めるとおり 検 討 すること イ 金 融 所 得 課 税 については 平 成 二 十 六 年 一 月 から 所 得 税 並 びに 個 人 の 道 府 県 民 税 及 び 市 町 村 民 税 (ニにおいて 個 人 住 民 税 という )をあわせて 百 分 の 二 十 の 税 率 が 適 用 されることを 踏 まえ その 前 提 の 下 平 成 二 十 四 年 度 中 に 公 社 債 等 に 対 する 課 税 方 式 の 変 更 及 び 損 益 通 算 の 範 囲 の 拡 大 を 検 討 する ロ 給 与 所 得 控 除 については 給 与 所 得 者 の 必 要 経 費 に 比 して 過 大 となっていないかどうか 等 の 観 点 から 実 態 を 踏 まえつつ 今 後 その 在 り 方 について 検 討 する ハ 年 金 課 税 の 在 り 方 については 年 金 の 給 付 水 準 や 負 担 の 在 り 方 など 今 後 の 年 金 制 度 改 革 の 方 向 性 も 踏 まえつつ 見 直 しを 行 う ニ 個 人 住 民 税 については 地 域 社 会 の 費 用 を 住 民 がその 能 力 に 応 じて 広 く 負 担 を 分 かち 合 うという 個 人 住 民 税 の 基 本 的 性 格 ((2)において 地 域 社 会 の 会 費 的 性 格 という )を 踏 まえ 次 に 定 める 基 本 的 方 向 性 により 検 討 する (1) 税 率 構 造 については 応 益 性 の 明 確 化 税 源 の 偏 在 性 の 縮 小 及 び 税 収 の 安 定 性 の 向 上 の 観 点 から 平 成 十 九 年 度 に 所 得 割 の 税 率 を 比 例 税 率 ( 一 の 率 によって 定 められる 税 率 をいう 以 下 (1)において 同 じ )とした 経 緯 を 踏 まえ 比 例 税 率 を 維 持 することを 基 本 とする (2) 諸 控 除 の 見 直 しについては 地 域 社 会 の 会 費 的 性 格 をより 明 確 化 する 観 点 から 個 人 住 民 税 における 所 得 控 除 の 種 類 及 び 金 額 が 所 得 税 における 所 得 控 除 の 種 類 及 び 金 額 の 範 囲 内 であること 並 びに 個 人 住 民 税 における 政 策 的 な 税 額 控 除 が 所 得 税 と 比 較 して 極 めて 限 定 的 であることを 踏 まえるとともに 所 得 税 における 諸 控 除 の 見 直 し 及 び 低 所 得 者 への 影 響 に 留 意 する (3) 個 人 住 民 税 の 所 得 割 における 所 得 の 発 生 時 期 と 課 税 年 度 の 関 係 の 在 り 方 については 番 号 制 度 の 導 入 の 際 に 納 税 義 務 者 特 別 徴 収 義 務 者 及 び 地 方 公 共 団 体 の 事 務 負 担 を 踏 まえつつ 検 討 する 6
租 税 法 ( 第 20 版 ) ( 金 子 宏 ) ( 平 成 27 年 4 月 ) ( 抜 粋 ) 第 2 編 租 税 実 体 法 第 3 章 課 税 要 件 各 論 第 2 節 所 得 課 税 第 6 款 住 民 税 および 事 業 税 1 住 民 税 住 民 税 は 地 方 団 体 ( 都 道 府 県 市 町 村 )が その 住 民 その 他 その 地 方 団 体 となんらかの 密 接 な 関 係 をもっている 個 人 および 法 人 に 対 して 広 く 課 する 租 税 であり その 基 礎 にある 思 想 は 負 担 分 任 思 想 すなわち 地 方 団 体 の 住 民 等 は 当 然 にその 経 費 を 分 担 し 合 うべきである という 考 え 方 である ( 略 ) (1) 個 人 住 民 税 (a) 個 人 住 民 税 均 等 割 は 地 方 団 体 内 に 住 所 を 有 する 個 人 および 地 方 団 体 に 住 所 はないが 事 務 所 事 業 所 家 屋 敷 を 有 する 個 人 を 納 税 義 務 者 として 均 等 額 で 課 される その 根 拠 となってい るのは 応 益 課 税 の 考 え 方 である ( 略 ) (b) 住 民 税 所 得 割 は ( 略 ) 各 種 の 控 除 ( 所 得 控 除 )が 行 われることになっているが その 種 類 は 所 得 税 の 場 合 と 同 じである ただし これらの 控 除 の 金 額 は 所 得 税 の 場 合 よりも 低 く そのた め 所 得 割 住 民 税 の 課 税 最 低 限 は 所 得 税 のそれよりもかなり 低 くなっている これは 所 得 税 なみの 課 税 最 低 限 を 採 用 すると 住 民 税 の 税 収 が 大 きく 減 少 するのみでなく その 納 税 者 の 数 も 大 幅 に 減 少 し 住 民 税 といいながら 地 方 団 体 によっては 総 人 口 に 対 する 納 税 者 の 割 合 が 著 しく 低 くなり 負 担 分 任 の 趣 旨 に 合 わない 結 果 になるおそれがあるためである 7
個 人 所 得 課 税 ( 所 得 税 + 個 人 住 民 税 ( 所 得 割 ))の 税 率 の 段 階 (イメージ) 現 行 制 度 所 得 税 と 個 人 住 民 税 ( 所 得 割 )の 課 税 最 低 限 を 一 致 させた 場 合 個 人 住 民 税 ( 所 得 割 )の 課 税 最 低 限 が 所 得 税 の 課 税 最 低 限 より 低 い 税 率 税 率 30% 20% 30% 20% 20% 10% 20% 10% 15% 5% 所 得 税 15% 5% 所 得 税 10% 10% 10% 個 人 住 民 税 ( 所 得 割 ) 個 人 住 民 税 ( 所 得 割 ) 収 入 収 入 8
3. 個 人 住 民 税 における 超 過 課 税 独 自 減 税 の 実 施 状 況
個 人 住 民 税 における 超 過 課 税 独 自 減 税 の 実 施 状 況 所 得 割 均 等 割 とも 地 方 税 法 においては 標 準 税 率 を 規 定 各 地 方 団 体 は この 標 準 税 率 を 踏 まえ 条 例 において 税 率 を 決 定 所 得 割 : 道 府 県 民 税 4% 市 町 村 民 税 6% 均 等 割 : 道 府 県 民 税 1,500 円 市 町 村 民 税 3,500 円 ( ) ( )いずれも 復 興 財 源 確 保 のための500 円 の 引 上 げ 込 みの 額 標 準 税 率 によらず 超 過 課 税 独 自 減 税 を 実 施 している 地 方 団 体 あり 所 得 割 均 等 割 道 府 県 民 税 4.025%: 神 奈 川 県 (4%: 標 準 税 率 ) 市 町 村 民 税 6.5%: 夕 張 市 ( 北 海 道 ) 6.1%: 豊 岡 市 ( 兵 庫 県 ) (6%: 標 準 税 率 ) 5.7%: 名 古 屋 市 道 府 県 民 税 2,700 円 : 宮 城 県 2,500 円 : 岩 手 県 山 形 県 福 島 県 茨 城 県 岐 阜 県 三 重 県 2,300 円 : 秋 田 県 滋 賀 県 兵 庫 県 2,200 円 : 栃 木 県 群 馬 県 愛 媛 県 2,000 円 : 富 山 県 石 川 県 山 梨 県 長 野 県 愛 知 県 奈 良 県 和 歌 山 県 鳥 取 県 島 根 県 岡 山 県 広 島 県 山 口 県 高 知 県 福 岡 県 佐 賀 県 長 崎 県 熊 本 県 大 分 県 宮 崎 県 鹿 児 島 県 1,900 円 : 静 岡 県 1,800 円 : 神 奈 川 県 (1,500 円 : 標 準 税 率 ) ( 平 成 27 年 4 月 1 日 現 在 ) 市 町 村 民 税 4,400 円 : 横 浜 市 4,000 円 : 夕 張 市 ( 北 海 道 ) (3,500 円 : 標 準 税 率 ) 3,300 円 : 名 古 屋 市 ( 注 ) 総 務 省 道 府 県 民 税 及 び 法 人 事 業 税 の 税 率 に 関 する 調 市 町 村 税 の 税 率 等 に 関 する 調 より 作 成 ( 参 考 ) 地 方 税 法 ( 抄 ) 所 得 割 道 府 県 民 税 第 三 十 五 条 所 得 割 の 額 は 課 税 総 所 得 金 額 課 税 退 職 所 得 金 額 及 び 課 税 山 林 所 得 金 額 の 合 計 額 に 百 分 の 四 の 標 準 税 率 によつて 定 める 率 を 乗 じて 得 た 金 額 とする この 場 合 において 当 該 定 める 率 は 一 の 率 でなければならない 市 町 村 民 税 第 三 百 十 四 条 の 三 所 得 割 の 額 は 課 税 総 所 得 金 額 課 税 退 職 所 得 金 額 及 び 課 税 山 林 所 得 金 額 の 合 計 額 に 百 分 の 六 の 標 準 税 率 によつて 定 める 率 を 乗 じて 得 た 金 額 とする こ の 場 合 において 当 該 定 める 率 は 一 の 率 でなければならない 均 等 割 道 府 県 民 税 第 三 十 八 条 個 人 の 均 等 割 の 標 準 税 率 は 千 円 とする ( ) 市 町 村 民 税 第 三 百 十 条 個 人 の 均 等 割 の 標 準 税 率 は 三 千 円 とする ( ) ( ) 復 興 財 源 確 保 のため 標 準 税 率 が 道 府 県 民 税 市 町 村 民 税 いずれも500 円 引 き 上 げられている( 平 成 26 年 度 ~ 平 成 35 年 度 ) 9
4. 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化
10 現 年 課 税 に 係 るこれまでの 関 係 団 体 意 見 東 京 地 方 税 理 士 会 日 本 商 工 会 議 所 東 京 地 方 税 理 士 会 は 神 奈 川 県 と 山 梨 県 の 税 理 士 の 会 東 京 都 の 税 理 士 の 会 である 東 京 税 理 士 会 と 異 なる 平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 関 する 意 見 書 ( 平 成 26 年 3 月 ) 抄 7. 地 方 税 関 係 その 他 の 改 正 要 望 事 項 (8) 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 制 度 への 対 策 について 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 に 向 けての 具 体 的 検 討 をすること < 理 由 > ( 中 略 ) 源 泉 徴 収 年 末 調 整 を 行 う 必 要 があることから 給 与 の 支 払 者 の 事 務 負 担 が 増 大 するという 問 題 や 現 年 課 税 への 経 過 年 度 の 取 扱 いに 検 討 の 余 地 はあるが 将 来 の 現 年 課 税 制 度 導 入 のための 具 体 的 検 討 を 進 め ることが 望 ましい 平 成 28 年 度 税 制 改 正 に 関 する 意 見 ( 平 成 27 年 9 月 16 日 ) 抄 Ⅷ. 納 税 環 境 整 備 の 拡 充 4. 事 業 者 の 納 税 事 務 負 担 を 増 加 させる 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 には 反 対 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 が 検 討 されているが 事 業 者 に 対 し 所 得 税 に 加 え 個 人 住 民 税 についても 源 泉 徴 収 事 務 や 年 末 調 整 事 務 を 課 すことが 必 要 となる 現 状 以 上 の 納 税 事 務 負 担 の 増 加 を 強 いる 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 には 反 対 である 全 国 町 村 会 平 成 27 年 度 政 府 予 算 編 成 及 び 施 策 に 関 する 要 望 ( 平 成 26 年 7 月 3 日 ) 抄 3. 町 村 財 政 基 盤 の 確 立 1. 町 村 税 源 の 充 実 強 化 (2) 個 人 住 民 税 は 負 担 分 任 を 基 調 とした 基 幹 税 目 であることから その 充 実 強 化 をはかること また 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 については 町 村 や 事 業 主 の 事 務 負 担 が 増 加 することなどから 慎 重 に 検 討 すること
11 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 に 関 する 過 去 の 議 論 長 期 税 制 のあり 方 についての 答 申 ( 抄 ) 政 府 税 制 調 査 会 S43.7 住 民 税 は 前 年 の 所 得 を 基 礎 として 課 税 するいわゆる 前 年 所 得 課 税 のたてまえをとっている 所 得 発 生 の 時 点 と 税 の 徴 収 の 時 点 との 間 の 時 間 的 間 隔 をできるだけ 少 なくすることにより 所 得 の 発 生 に 応 じた 税 負 担 を 求 めることとするためには 現 年 所 得 課 税 とすることが 望 ましいと 考 えられるので この 方 法 を 採 用 する 場 合 における 源 泉 徴 収 義 務 者 の 徴 収 事 務 給 与 所 得 以 外 の 者 に 係 る 申 告 手 続 等 の 諸 問 題 について 引 き 続 き 検 討 することが 適 当 である 個 人 所 得 課 税 に 関 する 論 点 整 理 ( 抄 ) 政 府 税 制 調 査 会 H17.6 個 人 住 民 税 は 納 税 の 事 務 負 担 に 配 慮 して 前 年 の 所 得 を 基 礎 として 課 税 するいわゆる 前 年 所 得 課 税 の 仕 組 みを 採 っているが 本 来 所 得 課 税 においては 所 得 発 生 時 点 と 税 負 担 時 点 をできるだけ 近 づけることが 望 ましい 近 年 の IT 化 の 進 展 雇 用 形 態 の 多 様 化 等 社 会 経 済 情 勢 の 変 化 を 踏 まえ 納 税 者 等 の 事 務 負 担 に 留 意 しつつ 現 年 課 税 の 可 能 性 について 検 討 すべきである
12 現 行 の 個 人 住 民 税 の 徴 収 の 仕 組 み( 給 与 所 得 者 の 場 合 ) H27.1 H28.1 給 与 所 得 者 のH28 年 1 月 1 日 住 所 地 市 町 村 報 告 された 情 報 に 基 づき 市 町 村 が 税 額 を 計 算 (H28.1~5) 平 成 27 年 中 の 給 与 情 報 等 を 報 告 (H28.1) 給 与 天 引 き 依 頼 (H28.5) 企 業 等 給 与 の 支 払 (H27.1~12) 給 与 から 税 徴 収 (H28.6~H29.5) 給 与 所 得 者
13 所 得 税 と 同 様 の 源 泉 徴 収 制 度 を 個 人 住 民 税 に 導 入 した 場 合 のイメージ 源 泉 徴 収 段 階 では 全 国 一 律 の 税 率 ( 標 準 税 率 )に 基 づき 税 額 を 算 定 ( 全 国 一 律 の 住 民 税 の 源 泉 徴 収 税 額 表 に 基 づき 源 泉 徴 収 ) 年 末 調 整 の 段 階 で 税 率 等 の 地 方 団 体 毎 の 独 自 事 項 及 び 人 的 控 除 を 反 映 企 業 ( 特 別 徴 収 義 務 者 )の 負 担 増 所 得 税 の 源 泉 徴 収 は 所 轄 税 務 署 のみに 納 税 すればよいが 個 人 住 民 税 では 企 業 が 従 業 員 それぞれの1 月 1 日 現 在 の 住 所 地 である 地 方 団 体 を 確 認 判 断 し 納 税 しなければならない 個 人 住 民 税 は 均 等 割 で 税 率 や 非 課 税 限 度 額 が 地 方 団 体 ごとに 異 なることや 所 得 割 で 標 準 税 率 と 異 なる 税 率 を 採 用 して いる 地 方 団 体 も 存 在 していることから 企 業 は 地 方 団 体 ごとの 税 率 設 定 等 を 踏 まえた 年 末 調 整 を 行 わなければならない N 年 1 月 ( 例 ) 均 等 割 所 得 割 東 京 都 内 5,000 円 / 年 10% 横 浜 市 6,200 円 / 年 10.025% 横 浜 市 以 外 の 神 奈 川 県 内 市 町 村 5,300 円 / 年 10.025% N+1 年 1 月 給 与 所 得 者 のN 年 1 月 1 日 住 所 地 市 町 村 納 入 従 業 員 ごとに2の 額 が1の 額 となるよう 企 業 が 年 末 調 整 を 実 施 (N 年 12 月 ) 1 年 間 給 与 収 入 総 額 ( 確 定 予 定 額 ) 及 び 地 方 団 体 ごとの 税 率 に 基 づき 算 出 した 個 人 住 民 税 の 額 ( 年 税 額 ) 2 毎 月 の 源 泉 徴 収 税 額 の 年 間 合 計 額 追 納 納 税 企 業 等 申 告 ( 年 末 調 整 しきれない 差 額 を 有 する 場 合 ) 又 は 還 付 毎 月 の 給 与 支 払 毎 に 概 算 税 額 ( 源 泉 徴 収 税 額 )を 算 定 徴 収 (N 年 1~12 月 ) 還 付 給 与 所 得 者
5.その 他
14 所 得 課 税 ( 比 例 税 率 )における 負 担 調 整 制 度 の 効 果 (イメージ) 10 月 1 日 説 明 資 料 我 が 国 における 個 人 住 民 税 は 比 例 税 率 となっており この 比 例 税 率 における 所 得 課 税 の 場 合 は 負 担 調 整 効 果 の 観 点 から 見 れば 1 所 得 控 除 3ゼロ 税 率 4 税 額 控 除 については いずれも 同 じ 効 果 となる また 2 合 算 分 割 課 税 (2 分 割 )については そのこと 自 体 による 負 担 調 整 効 果 は 生 じない 1 所 得 控 除 2 合 算 分 割 課 税 (2 分 割 ) 税 率 合 算 分 割 課 税 (2 分 割 )においては 所 得 控 除 後 の 額 (Y)の2 分 の1の 額 に 係 る 税 額 (A)を2 倍 して 税 額 を 算 出 給 与 収 入 の 額 に 税 率 をそのまま 適 用 した 場 合 税 率 軽 減 額 A A 軽 減 なし Y 所 得 控 除 収 入 Y 1/2 Y 収 入 税 額 3ゼロ 税 率 4 税 額 控 除 収 入 給 与 収 入 税 率 税 率 税 額 控 除 軽 減 額 軽 減 額 ゼロ 税 率 収 入 収 入
6. 前 回 までに 出 された 主 な 意 見
前 回 までに 出 された 主 な 意 見 1 ( 個 人 住 民 税 に 関 する 意 見 ) 個 人 住 民 税 の 性 格 役 割 個 人 住 民 税 と 所 得 税 の 役 割 分 担 があり 再 分 配 機 能 は 基 本 的 に 所 得 税 の 役 割 個 人 住 民 税 にも 再 分 配 機 能 がないわけでは ないが 大 きく 求 められているわけではなく 地 域 社 会 の 会 費 として 応 益 性 を 大 切 に 考 え 幅 広 に 課 税 することを 主 に 考 えるべ き 再 分 配 については 税 額 控 除 等 により 国 税 において 拡 充 していき 地 方 税 としては 課 税 所 得 を 広 くとり 比 例 税 率 をかける 形 と し 国 税 地 方 税 で 役 割 分 担 をしていくことが 考 えられる 一 番 低 い 税 率 が 所 得 税 5% 個 人 住 民 税 10%という 中 で 低 所 得 者 層 の 負 担 調 整 を 考 える 場 合 地 方 税 ( 個 人 住 民 税 )の 軽 減 が 必 要 になるという 点 を 含 め 国 地 方 併 せてどうするかを 考 える 必 要 個 人 住 民 税 の 負 担 分 任 の 性 格 を 踏 まえると 個 人 住 民 税 の 納 税 義 務 者 はもっと 多 くてもいいのではないか 地 方 の 安 定 財 源 である 個 人 住 民 税 の 制 度 改 正 については 地 方 税 財 源 に 対 する 影 響 や 地 域 間 格 差 の 拡 大 といった 点 への 影 響 も 念 頭 に 置 いておく 必 要 がある 現 役 世 代 が 減 少 し 高 齢 者 中 心 の 人 口 構 成 にシフトしていくことから 個 人 住 民 税 の 税 収 が 落 ちていくというのは 事 実 税 財 源 確 保 のための 努 力 は 不 可 欠 個 人 住 民 税 における 課 税 最 低 限 人 的 控 除 個 人 住 民 税 の 応 益 性 という 性 格 を 考 えると 個 人 住 民 税 における 課 税 最 低 限 は 所 得 税 より 低 くてもよい 税 制 の 簡 素 化 の 観 点 からは 所 得 税 と 個 人 住 民 税 とで 所 得 計 算 人 的 控 除 や 課 税 最 低 限 などを 統 一 することを 考 えるべき 個 人 住 民 税 の 均 等 割 所 得 割 所 得 税 の 順 に 段 階 を 踏 んで 課 されるということが 基 本 にあるべき 課 税 最 低 限 が 異 なることで 個 人 住 民 税 と 所 得 税 が 段 階 的 に 課 されることとなり 低 所 得 者 に 対 する 配 慮 がより 可 能 となる 15
16 前 回 までに 出 された 主 な 意 見 2 ( 個 人 住 民 税 に 関 する 意 見 ) 個 人 住 民 税 における 課 税 最 低 限 人 的 控 除 ( 承 前 ) 税 源 の 偏 在 度 を 拡 大 しないためにも 個 人 住 民 税 の 課 税 最 低 限 は 大 きく 引 き 上 げない 方 向 で 見 直 すことを 考 えるべき 個 人 住 民 税 における 非 課 税 限 度 額 が 生 活 保 護 制 度 の 基 準 額 との 対 比 で 決 定 されていることも 踏 まえ 非 課 税 限 度 額 や 個 人 住 民 税 における 課 税 最 低 限 のあり 方 が 考 えられるべき 控 除 の 金 額 が 国 と 地 方 で 違 う 点 については 所 得 控 除 から 税 額 控 除 に 変 えるとすっきりするのではないか 所 得 控 除 の 比 率 をできるだけ 小 さくして 税 額 控 除 に 持 っていくのも 良 い 社 会 保 障 と 地 方 税 財 源 その 他 税 制 度 と 社 会 保 障 制 度 は 密 接 に 関 連 しており また 特 に 低 所 得 層 にとっては 社 会 保 険 料 負 担 も 大 きくなっていることも 踏 ま えると 税 制 度 の 見 直 しを 議 論 する 際 には 社 会 保 障 制 度 のあり 方 についても 併 せて 議 論 することが 重 要 である 課 税 最 低 限 以 下 の 税 を 負 担 しない 人 の 所 得 把 握 については 給 付 と 課 税 の 連 携 を 考 えると 今 まで 以 上 に 重 要 になるのでは ないか 一 方 で 所 得 把 握 についての 執 行 上 の 負 担 に 留 意 する 必 要 年 金 以 外 の 社 会 保 障 施 策 を 実 施 しているのは 地 方 団 体 であり 社 会 保 障 制 度 の 充 実 確 保 のためには これを 支 える 地 方 財 源 の 確 保 もきちんと 考 える 必 要 がある 納 税 者 のわかりやすさや 税 制 の 簡 素 化 の 観 点 から 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 は 重 要 な 課 題 現 年 課 税 化 した 場 合 は 地 方 団 体 が 課 税 自 主 権 を 発 揮 しにくくなるという 課 題 がある