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年 11 月 17 日 に 意 匠 登 録 出 願 ( 意 願 2011-26663 号 以 下 本 願 という )をしたが, 平 成 25 年 3 月 25 日 付 け( 同 年 4 月 2 日 発 送 )で 拒 絶 査 定 を 受 けたので, 同 年 6 月 28 日,これに 対 する 不 服 の 審 判 を 請 求 した 特 許 庁 は,この 審 判 を, 不 服 2013-12326 号 事 件 として 審 理 した 結 果, 平 成 26 年 2 月 18 日, 本 件 審 判 の 請 求 は, 成 り 立 たない との 審 決 をし, 審 決 の 謄 本 を, 同 年 3 月 4 日, 原 告 に 送 達 した 原 告 は, 同 月 28 日, 上 記 審 決 の 取 消 しを 求 めて 本 件 訴 えを 提 起 した 2 本 願 意 匠 の 形 態 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 1 の 記 載 及 び 図 面 に 記 載 されたとおりのもので ある( 以 下, 原 告 が 部 分 意 匠 として 意 匠 登 録 を 受 けようとする 画 像 部 分 を, 審 決 に 倣 い, 本 願 画 像 部 分 ということがある ) 3 審 決 の 理 由 別 紙 審 決 書 写 しのとおりであり, 要 するに, 本 願 意 匠 は, 当 業 者 が 下 記 の 各 画 像 及 び 意 匠 の 形 態 等 の 公 知 の 形 状 の 結 合 に 基 づいて 容 易 に 創 作 をするこ とができた 意 匠 に 該 当 するから, 意 匠 法 3 条 2 項 の 規 定 により, 意 匠 登 録 を 受 けることができないというものである ア 週 刊 アスキー 2011 年 5 月 31 日 23 号 20 頁 の 左 下 右 側 所 載 の タスク 管 理 アプリ 搭 載 と 表 示 された, 携 帯 情 報 端 末 機 の 画 像 ( 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 2 のとおり 以 下 画 像 1 という ) イ ソフトバンクモバイル 株 式 会 社 がインターネットを 通 じて 掲 載 した P ANTONE SLIDE SoftBank 825SH Soft Bank との 表 題 のページ( 掲 載 確 認 日 ( 公 知 日 ):2008 年 8 月 1 8 日,アドレス:http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/825sh/)に 掲 載 された 携 帯 電 話 機 の 画 像 ( 左 端 の メモリダイヤル 呼 び 出 し 時 と 表 示 された 画 像 )( 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 3 のとおり 以 下 画 像 2 という ) 2

ウ ソフトバンクモバイル 株 式 会 社 がインターネットを 通 じて 掲 載 した O MNIA POP Softbank 931SC SoftBank との 表 題 のページ( 掲 載 確 認 日 ( 公 知 日 ):2009 年 7 月 14 日,アド レス:http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/931sc/)に 掲 載 された 携 帯 電 話 機 の 画 像 ( 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 4 のとおり 以 下 画 像 3 という ) エ 意 匠 登 録 第 1383719 号 の 意 匠 ( 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 5 の とおり 以 下 意 匠 1 という ) 審 決 は, 上 記 結 論 を 導 くに 当 たり, 本 願 意 匠 に 関 して 次 のとおり 認 定 した 本 願 画 像 部 分 は, 携 帯 情 報 端 末 正 面 の 縦 長 長 方 形 画 面 の 表 示 部 分 で,その 中 に, 動 画 メニュー 選 択 のための 縮 小 動 画 を 表 示 する 矩 形 部 が 複 数 個 配 置 さ れており,それらの 矩 形 部 を 指 で 触 ることによって, 動 画 メニューの 選 択 操 作 を 行 うものであり,その 態 様 は, (A) 全 体 は, 縦 長 長 方 形 画 面 を 横 方 向 の 直 線 で 分 割 し, 上 端 の 細 幅 帯 状 部 ( 以 下 上 端 細 帯 状 部 という )と,その 下 方 の 太 幅 帯 状 部 ( 以 下 下 方 太 帯 状 部 という )4 段 の 構 成 とし, (B) 上 端 細 帯 状 部 内 には,ジャンル 選 択 キーとして, 上 端 細 帯 状 部 のほぼ 横 幅 一 杯 に,3 個 の 略 同 形 同 大 の 扁 平 な 等 脚 台 形 のタブを, 隣 接 する 下 端 部 が 重 なるように 配 し, (C) 各 下 方 太 帯 状 部 には, 左 端 寄 りに, 選 択 対 象 動 画 表 示 枠 として, 同 形 同 大 の 矩 形 枠 を, 下 方 太 帯 状 部 の 幅 ( 高 さ)よりやや 幅 狭 で,この 帯 状 領 域 の 約 3 分 の1 程 度 の 領 域 を 占 めるやや 横 長 の 長 方 形 として, 縦 一 列 に 配 した 態 様 で, (D) 選 択 対 象 動 画 表 示 枠 に 表 示 された 動 画 を 選 択 することにより,その 動 画 が 縦 長 長 方 形 画 面 の 表 示 部 分 に 拡 大 表 示 され, (E) 動 画 一 覧 表 示 部 に 表 示 された 選 択 対 象 動 画 は,スライド 操 作 により 上 3

下 又 は 左 右 に 移 動 可 能 としたものである ( 以 下, 審 決 が 摘 記 した 上 記 (A)ないし(E)の 各 態 様 を, 順 次, 態 様 (A), 態 様 (B) などと 特 定 する ) 第 3 原 告 主 張 の 取 消 事 由 審 決 には,1 引 用 意 匠 の 認 定 の 誤 り( 取 消 事 由 1),2 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 の 誤 り( 取 消 事 由 2) 及 び3 手 続 違 背 ( 取 消 事 由 3)があり,これら は,いずれも 審 決 の 結 論 に 影 響 するものであるから, 審 決 は 取 消 しを 免 れない 1 取 消 事 由 1( 引 用 意 匠 の 認 定 の 誤 り) 本 願 意 匠 は, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が, 拡 大 表 示 及 び 上 下 左 右 の 移 動 のための 操 作 画 面 となっているという, 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 に 特 徴 付 けられたものである これに 対 し, 画 像 1ないし3 及 び 意 匠 1( 以 下, 併 せて 画 像 1 等 とい う )は,いずれもこのような 構 成 態 様 を 備 えたものではなく, 当 業 者 が 本 願 意 匠 の 創 作 に 当 たり 基 礎 にするようなものとは 到 底 想 定 できない よって, 審 決 がこれらを 引 用 意 匠 として 認 定 したのは 誤 りである 2 取 消 事 由 2( 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 の 誤 り) 態 様 (A)についての 判 断 の 誤 り 審 決 は, 態 様 (A)について, 画 像 2 及 び3 並 びに 意 匠 1を 引 用 して 創 作 容 易 であると 判 断 した しかしながら,これらの 画 像 や 意 匠 は,いずれも 動 画 がそのまま 動 画 とし て 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 とされるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたもので はない また, 画 像 2 及 び3 並 びに 意 匠 1は 上 端 の 細 幅 帯 状 部 や 太 幅 帯 状 部 4 段 の 構 成 に 相 当 する 構 成 が 示 されていない 点 で, 画 像 2 及 び3は 画 面 上 端 の 太 い 帯 状 部 及 び 画 面 下 端 の 細 幅 帯 状 部 が 一 体 的 に 表 示 されてい る 点 で, 態 様 (A)とは 構 成 態 様 が 全 く 異 なるから,これらの 画 像 等 から 態 4

様 (A)を 想 起 することはできない さらに, 操 作 性 に 係 る 態 様 を 欠 いた, 相 互 に 全 く 関 連 のない 画 像 2 及 び3 並 びに 意 匠 1を 組 み 合 わせる 動 機 付 けもない よって, 審 決 の 上 記 判 断 は 誤 りである 態 様 (B)についての 判 断 の 誤 り 審 決 は, 態 様 (B)について, 画 像 1ないし3を 引 用 して 創 作 容 易 である と 判 断 した しかしながら,これらの 画 像 は,いずれも 動 画 がそのまま 動 画 として 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 とされるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたものではなく, これと 関 連 する 等 脚 台 形 を 含 む 態 様 (B)とは 無 関 係 である また, 画 像 1 及 び3は 本 願 意 匠 のような 態 様 で 位 置 をずらしたタブを 設 け たものではない 点 で, 画 像 2 及 び3は 画 面 上 端 の 太 い 帯 状 部 及 び 画 面 下 端 の 細 幅 帯 状 部 が 一 体 的 に 表 示 されている 点 で, 態 様 (B)とは 構 成 態 様 が 全 く 異 なるから,これらの 画 像 から 態 様 (B)を 想 起 することはできな い さらに, 操 作 性 に 係 る 態 様 を 欠 いた, 相 互 に 全 く 関 連 のない 画 像 1ないし 3を 組 み 合 わせる 動 機 付 けもない よって, 審 決 の 上 記 判 断 は 誤 りである 態 様 (C)についての 判 断 の 誤 り 審 決 は, 態 様 (C)について, 意 匠 1を 引 用 して 創 作 容 易 であると 判 断 し た しかしながら, 意 匠 1は, 動 画 がそのまま 動 画 として 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 とされるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたものではない 意 匠 1の 左 端 の 正 方 形 状 に 見 える 白 抜 き 部 分 は, 意 匠 1の 登 録 部 分 ではなく,これを 正 方 形 状 の 表 示 枠 と 見 ることも 難 しいから,この 白 抜 き 部 分 が 本 願 意 匠 の 動 画 メニュー 選 択 のための 縮 小 動 画 を 表 示 する 矩 形 部 と 対 比 できるかの 5

ように 判 断 した 審 決 は 誤 っている また, 審 決 は, 矩 形 枠 の 態 様 に 様 々なバリエーションがあったとするが, 何 らの 証 拠 を 示 しておらず,これを 動 画 表 示 枠 として 横 長 長 方 形 とした 本 願 意 匠 には, 創 作 非 容 易 性 が 認 められるべきである よって, 審 決 の 上 記 判 断 は 誤 りである 態 様 (D) 及 び(E)についての 判 断 の 誤 り 審 決 は, 態 様 (D) 及 び(E)について,この 種 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 であるとして 創 作 容 易 であると 判 断 した しかしながら,これらの 態 様 は,この 種 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 ではなく, 本 願 意 匠 において 実 現 されたものである 審 決 の 上 記 判 断 は, 何 の 証 拠 も 示 しておらず, 全 く 根 拠 のない 誤 った 判 断 である さらに,これらの 態 様 は, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が 操 作 画 面 である 本 願 意 匠 に 係 る 態 様 であるにもかかわらず,この 点 について 実 質 的 な 審 理 判 断 をしていない 審 決 は 誤 りである 動 画 表 示 枠 に 動 画 を 表 示 する 点 についての 判 断 の 誤 り 審 決 は, 本 願 意 匠 が 横 長 長 方 形 枠 内 に 動 画 が 表 示 されるという 新 規 な 機 能 を 有 するとしても,そこに 表 示 される 動 画 そのものは 意 匠 の 対 象 とはならな いし,その 技 術 的 な 革 新 性 はともかく, 機 能 に 関 わる 事 項 に 対 する 評 価 であ って 画 像 部 分 そのものの 意 匠 的 評 価 とは 異 なるものであり, 本 願 画 像 部 分 の 横 長 長 方 形 枠 は, 動 画 を 表 示 するための 単 なる 表 示 枠 であるとして, 新 規 な 機 能 を 有 することを 理 由 に 創 作 容 易 ではないとすることはできない 旨 判 断 し た しかるに, 本 願 意 匠 は, 審 決 も 認 める 新 規 な 機 能 や 技 術 的 な 革 新 性 を 意 匠 的 に 実 現 した, 新 規 にして 創 作 性 のある 操 作 性 に 係 る 態 様 を 含 む 意 匠 である 意 匠 法 に, 動 画 が 表 示 される 形 態 が 意 匠 の 対 象 にならない との 規 定 はないこと, 同 法 2 条 2 項 は 操 作 画 像 が 意 匠 の 対 象 になると 規 定 す 6

ることなどからすれば, 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 に 当 たっては, 動 画 が 動 画 のまま 表 示 される 操 作 性 に 係 る 態 様 についての 本 願 意 匠 の 着 想 の 新 しさ ないし 独 創 性 を 判 断 対 象 とすべきである そして, 本 願 画 像 部 分 の 複 数 の 動 画 表 示 枠 は, 単 なる 表 示 枠 にととまらず, 画 像 自 体 が 操 作 画 面 となっており 操 作 のための 操 作 画 像 の 表 示 が 別 途 に 必 要 ではないことから, 極 めて 簡 潔 で 均 整 のとれた 美 感 を 見 る 者 に 与 えるととも に, 誤 作 動 を 防 止 することができる 形 態 を 備 えるなど, 使 用 感 につながる 視 覚 的 な 印 象 を 異 ならしめるといえる 創 作 性 を 有 しており, 引 用 意 匠 から 容 易 に 創 作 することができるものではない よって, 審 決 には,これらの 点 についての 判 断 の 誤 りがある 3 取 消 事 由 3( 手 続 違 背 ) 審 決 は, 態 様 (D) 及 び(E)について, 何 らの 証 拠 を 示 すことなく,この 種 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 であるとして 創 作 非 容 易 性 を 否 定 してお り, 態 様 (D) 及 び(E)を 含 む 本 願 意 匠 について, 拒 絶 理 由 を 通 知 すること なく 審 決 をした 違 法 及 び 実 質 的 な 審 理 判 断 をしなかった 判 断 遺 脱 の 違 法 がある 第 4 被 告 の 反 論 1 取 消 事 由 1について 本 願 画 像 部 分 において 意 匠 として 保 護 対 象 となる 物 品 の 操 作 の 用 に 供 され る 画 像 は 矩 形 部 ( 横 長 長 方 形 枠 )であり, 矩 形 部 内 に 表 示 される 動 画 自 体 の 態 様 については,その 動 画 自 体 の 態 様 ( 動 画 の 中 に 映 っているもの)には 操 作 を 行 わないし, 矩 形 部 内 には 何 の 画 像 も 表 されていないので, 保 護 対 象 に 含 ま れない 審 決 による 本 願 意 匠 の 認 定 はこれに 沿 うものであり, 動 画 の 内 容 や, 動 画 の 中 に 映 っているものは 本 願 意 匠 とは 無 関 係 である そして, 審 決 は,このことを 前 提 に, 態 様 (A)ないし(C)に 係 る 本 願 画 像 部 分 の 形 態 が 記 載 された 画 像 1 等 を 引 用 したのであり, 審 決 における 引 用 意 7

匠 の 認 定 に 誤 りはない 本 願 意 匠 は 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えた 構 成 態 様 であると 審 決 が 認 定 した 旨 の 原 告 の 指 摘 は, 操 作 画 面 の 対 象 が 動 画 自 体 であることをことさら 強 調 するもの であって, 操 作 の 用 に 供 される 画 像 が 表 示 枠 であり, 動 画 自 体 を 含 むものでは ないことからすれば, 理 由 がない よって, 審 決 が, 引 用 意 匠 の 認 定 に 当 たり, 本 願 意 匠 の 操 作 性 に 係 る 態 様 の 考 慮 を 欠 いたとの 原 告 の 主 張 は, 失 当 である 2 取 消 事 由 2について 態 様 (A)ないし(C)についての 判 断 の 誤 りについて 審 決 による 本 願 意 匠 の 認 定 に 動 画 自 体 の 態 様 が 含 まれないこと, 審 決 によ る 引 用 意 匠 の 認 定 に 誤 りはないこと, 審 決 が, 引 用 意 匠 の 認 定 に 当 たり, 本 願 意 匠 の 操 作 性 に 係 る 態 様 の 考 慮 を 欠 いたとの 原 告 の 主 張 が 失 当 であること は,いずれも 前 記 1のとおりである そして, 審 決 は, 原 告 の 主 張 する 操 作 性 に 係 る 態 様 の 有 無 にかかわらず, 引 用 意 匠 に 基 づいて 態 様 (A)ないし(C)の 創 作 容 易 性 を 肯 定 したのであ り,かかる 審 決 の 判 断 に 誤 りはない 本 願 意 匠 の 態 様 に 関 係 しない 要 素 が 引 用 意 匠 に 認 められたとしても, 創 作 容 易 性 の 判 断 が, 当 業 者 の 観 点 から 見 て 意 匠 の 創 作 が 容 易 であるかの 判 断 で あり, 需 要 者 の 観 点 から 見 た 意 匠 の 美 感 の 異 同 についての 判 断 ではないこと からすれば, 本 願 意 匠 と 引 用 意 匠 の 美 感 の 相 違 を 指 摘 する 原 告 の 主 張 は 失 当 である また, 態 様 (C)に 関 しては, 意 匠 1の 白 抜 き 部 分 は 部 分 意 匠 として 意 匠 登 録 を 受 けようとする 部 分 ではないものの, 意 匠 に 係 る 物 品 の 説 明 には, 例 えばダウンロード 可 能 なアプリケーションのリストを 表 示 する との 記 載 があるので, 携 帯 情 報 端 末 の 分 野 の 当 業 者 の 知 識 に 照 らせば,この 白 抜 き 部 分 にはアプリケーションのアイコン 画 像 が 表 示 されることは 明 らかである さらに, 携 帯 情 報 端 末 の 分 野 において, 静 止 画 や 動 画 のようなコンテンツの 8

縮 小 画 像 (サムネイル 画 像 )が 横 長 であるものは, 本 願 出 願 前 に 広 く 知 られ ているから, 動 画 表 示 枠 の 形 態 について 創 作 非 容 易 性 を 肯 定 すべきとする 原 告 の 主 張 は 誤 りである よって, 審 決 の 判 断 に 誤 りはない 態 様 (D) 及 び(E)についての 判 断 の 誤 りについて 表 示 枠 内 の 画 像 が 静 止 画 であるか 動 画 であるかにかかわらず, 表 示 枠 内 の コンテンツを 選 択 して 拡 大 表 示 させたり,コンテンツを 上 下 左 右 に 移 動 させ たりすることは, 本 願 の 意 匠 に 係 る 物 品 である 携 帯 情 報 端 末 の 分 野 では 本 願 の 出 願 前 に 広 く 知 られた 手 法 である 審 決 は,このような 広 く 知 られた 手 法 によれば, 態 様 (D) 及 び(E)は 特 段 創 意 を 要 するものではないと 判 断 したのであり, 誤 りはない 動 画 表 示 枠 に 動 画 を 表 示 する 点 についての 判 断 の 誤 りについて ア 本 願 意 匠 において 操 作 に 使 用 される 画 像 は, 動 画 を 表 示 する 横 長 長 方 形 枠 であり, 枠 内 に 表 示 される 動 画 自 体 の 態 様 は 保 護 対 象 に 含 まれない 複 数 の 横 長 長 方 形 枠 内 に 動 画 を 動 画 のまま 表 示 させ, 移 動 させたり 拡 大 表 示 させたりすることは,ソフトウェア 技 術 上 の 創 作 であって, 意 匠 法 が 保 護 対 象 としている 物 品 の 部 分 の 形 態 の 創 作 ではない よって, 本 願 画 像 部 分 には 動 画 自 体 は 含 まれないものとして 本 願 意 匠 を 認 定 し,その 創 作 容 易 性 を 判 断 した 審 決 の 認 定 判 断 に 誤 りはない イ 画 像 一 覧 表 示 部 に 複 数 の 静 止 画 やアイコンを 並 べ, 複 数 のそれらを 移 動 させる 仕 組 みや,それらの 一 つを 選 択 するとその 静 止 画 が 拡 大 表 示 された り,アプリケーションが 起 動 したりする 仕 組 みは, 携 帯 情 報 端 末 の 分 野 に おいては, 本 願 出 願 前 から 普 通 に 実 現 している 仕 組 みである 一 方,テレビ 番 組 において,スタジオを 映 した 画 面 の 中 に 現 場 を 映 した 画 面 を 細 い 枠 線 を 使 ってはめ 込 むことや, 細 い 境 界 線 で 画 面 を 上 下 二 つに 分 けてそれぞれに 異 なる 映 像 を 表 示 すること, 並 んでいる 画 像 から 一 つを 9

選 び,それを 画 面 一 杯 に 拡 大 して 表 示 することは,いずれも 本 願 出 願 前 か らごく 普 通 に 行 われている 視 覚 効 果 である これらの 従 来 からある 視 覚 効 果 の 組 合 せによれば, 画 像 一 覧 表 示 部 に 複 数 の 動 画 を 並 べて, 一 つの 動 画 を 選 択 すると 動 画 が 拡 大 表 示 されたり, 複 数 の 動 画 を 移 動 させたりする 仕 組 みは, 容 易 に 思 いつくものと 認 められる よって, 本 願 画 像 部 分 が 創 作 容 易 であるとした 審 決 の 判 断 に 誤 りはない 3 取 消 事 由 3について 当 業 者 にとってある 手 法 がありふれたものであることが, 審 査 官 にとって 顕 著 な 事 実 と 認 められる 場 合 には, 拒 絶 理 由 においてその 手 法 の 提 示 を 要 しない そして, 複 数 表 示 された 静 止 画 や 動 画 等 の 選 択 表 示 枠 をクリックすることによ り 当 該 画 像 等 を 拡 大 表 示 したり, 静 止 画 や 動 画 等 の 選 択 表 示 枠 を 左 右 又 は 上 下 の 移 動 操 作 に 合 わせて 移 動 させることは, 携 帯 情 報 端 末 の 当 業 者 にとって 本 願 の 出 願 前 に 極 めて 広 く 知 られた 手 法 であるから, 審 決 がこれを 顕 著 な 事 実 と 認 め,その 手 法 を 理 由 中 に 提 示 しなかった 点 に, 拒 絶 理 由 を 通 知 しなかった 違 法 や 判 断 遺 脱 の 違 法 はない 第 5 当 裁 判 所 の 判 断 当 裁 判 所 は, 原 告 の 主 張 する 取 消 事 由 は 理 由 がないものと 判 断 する その 理 由 は 以 下 のとおりである 1 本 願 意 匠 の 構 成 について 原 告 は, 本 願 意 匠 が, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が 操 作 画 面 とな っているという 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 すると 主 張 し,このような 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えていない 画 像 1 等 を 引 用 意 匠 に 認 定 したことの 誤 り( 取 消 事 由 1),これらを 引 用 意 匠 とするなどして 本 願 意 匠 が 創 作 容 易 であるとし た 判 断 の 誤 り( 取 消 事 由 2)を 主 張 する かかる 原 告 の 主 張 は, 要 するに, 本 願 画 像 部 分 において 再 生 されながら 表 示 される 複 数 の 動 画 の 画 像 自 体 が 物 品 の 操 作 の 用 に 供 される 画 像 として 10

意 匠 を 構 成 するにもかかわらず, 審 決 が 引 用 意 匠 の 認 定 や 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 に 当 たり,これを 無 視 したとの 主 張 であると 解 される そこで, 上 記 各 取 消 事 由 の 判 断 に 先 立 ち, 本 願 意 匠 が 原 告 の 主 張 する 構 成 態 様 を 有 するか 否 かについて 検 討 する なお, 原 告 が, 審 決 による 本 願 意 匠 の 認 定 自 体 の 誤 りを 主 張 するのか 否 か は 定 かではないものの,その 主 張 内 容 に 照 らして, 審 決 による 本 願 意 匠 の 認 定 の 当 否 についても 併 せて 検 討 することとする 本 願 の 願 書 ( 平 成 24 年 9 月 7 日 付 け 手 続 補 正 後 のもの 甲 1,4)によ れば, 本 願 意 匠 に 係 る 物 品 は, 携 帯 電 話 機 能,インターネット 機 能,データ 記 憶 機 能,メディア 再 生 機 能,ゲーム 機 能 などの 複 合 機 能 を 有 する 携 帯 情 報 端 末 であり, 本 願 画 像 部 分 は, 同 端 末 の 縦 長 長 方 形 の 表 示 部 に 表 示 された 同 形 の 画 像 であり, 画 像 の 構 成 は, 画 面 を 横 方 向 に5 段 に 分 割 して 画 面 上 端 の 細 帯 状 部 1 段 とその 下 のそれぞれ 等 幅 の 太 帯 状 部 4 段 とし, 上 端 細 帯 状 部 に はジャンル 選 択 キーとして3つの 扁 平 な 等 脚 台 形 のタブを 配 置 し, 下 方 太 帯 状 部 のそれぞれに 同 形 同 大 のやや 横 長 の 長 方 形 の 動 画 表 示 枠 を 左 端 寄 りに1 つずつ 配 置 し,それぞれの 動 画 表 示 枠 に 選 択 メニューとしての 動 画 が 縮 小 動 画 として 表 示 されるというものである そして, 本 願 画 像 部 分 の 操 作 方 法 は, 操 作 者 が 視 聴 を 希 望 する 縮 小 動 画 の 表 示 された 動 画 表 示 枠 を 指 で 触 ると,その 動 画 が 表 示 部 上 半 分 に 拡 大 表 示 さ れ,また, 一 覧 表 示 された 縮 小 動 画 は, 指 を 画 面 に 当 てたままスライドさせ ることにより, 上 下 又 は 左 右 に 移 動 させることができるというものである この 縮 小 動 画 の 移 動 機 能 は, 動 画 コンテンツの 数 が4の 動 画 表 示 枠 数 を 超 え て 存 在 する 場 合 であっても, 動 画 表 示 枠 に 縮 小 動 画 を 順 次 表 示 させることに より, 動 画 の 検 索 及 び 選 択 を 容 易 にすることを 可 能 にするためのものである と 考 えられる 本 願 画 像 部 分 中 に 表 示 される 動 画 については, 本 願 の 願 書 にはその 内 容 が 11

特 定 されておらず, 動 画 の 表 示 態 様 が 参 考 図 に 示 されているにすぎないこと からすれば,その 内 容 自 体 は 当 該 物 品 の 操 作 の 用 に 供 されるものではなく, 当 該 物 品 とは 独 立 した 内 容 のものとして 操 作 者 による 視 聴 の 対 象 になるもの であると 認 められる 意 匠 法 2 条 2 項 は, 物 品 の 操 作 ( 当 該 物 品 がその 機 能 を 発 揮 できる 状 態 にするために 行 われるものに 限 る )の 用 に 供 される 画 像 であつて, 当 該 物 品 又 はこれと 一 体 として 用 いられる 物 品 に 表 示 されるもの について, 物 品 の 部 分 の 形 状, 模 様 若 しくは 色 彩 又 はこれらの 結 合 に 含 まれるものとし て,これを 意 匠 法 の 保 護 対 象 としており,これによれば,ある 意 匠 に 含 まれ る 画 像 が, 意 匠 法 2 条 2 項 の 規 定 する 画 像 を 構 成 するためには, 当 該 物 品 の 機 能 を 発 揮 できる 状 態 にするための 操 作 に 用 いられる 画 像 であることが 必 要 である そうすると, 意 匠 法 2 条 2 項 の 画 像 を 含 む 意 匠 として 出 願 された 画 像 中 に, 当 該 物 品 とは 独 立 した 内 容 の 画 像 が 表 示 されている 場 合, 当 該 画 像 の 表 示 部 の 配 置 や 形 状 については, 当 該 物 品 の 操 作 の 用 に 供 される 画 像 の 一 部 を 成 す ものとして 意 匠 の 対 象 となり 得 るとしても,その 内 容 については, 当 該 物 品 の 操 作 の 用 に 供 されるものということはできないから, 意 匠 を 構 成 するもの ではないこととなる そして,このことは, 画 像 の 内 容 が 静 止 画 であると 再 生 中 の 動 画 であるとを 問 わないから, 表 示 部 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 であること は, 意 匠 の 構 成 要 素 を 成 すものではないというべきである また, 意 匠 法 上 の 意 匠 として 保 護 されるためには, 当 該 意 匠 が 具 体 的 なも のとして 特 定 されていることが 必 要 であると 考 えられるところ, 物 品 とは 独 立 した 内 容 の 画 像 については,それ 自 体 としては 静 止 画 であれ 動 画 であれ 具 体 的 なものとして 特 定 されていないから, 当 該 画 像 については,この 点 にお いても 意 匠 の 構 成 要 素 を 成 すものではないと 考 えられる これを 本 願 画 像 部 分 についてみると, 動 画 一 覧 表 示 部 に 表 示 される 動 画 は, 12

意 匠 に 係 る 物 品 である 携 帯 情 報 端 末 とは 独 立 した 内 容 のものである 上,それ 自 体 としては 具 体 的 なものとして 特 定 されたものではないから, 意 匠 の 構 成 要 素 を 成 すものではなく, 画 像 の 選 択 及 び 拡 大 や 上 下 ないし 左 右 への 移 動 の 操 作 の 用 に 供 されているのは, 動 画 一 覧 表 示 部 に 表 示 された 個 々の 縮 小 動 画 というよりも,むしろ, 個 々の 動 画 コンテンツを 表 象 する 枠 ( 矩 形 部 )であ ると 考 えるのが 相 当 であり,かかる 用 に 供 される 枠 と 動 画 の 表 示 部 とを 一 致 させたからといって, 本 来 意 匠 法 の 保 護 対 象 としての 意 匠 を 構 成 しない 動 画 それ 自 体 が 意 匠 を 構 成 することとなるものではないというべきである よって, 本 願 画 像 部 分 において, 動 画 一 覧 表 示 部 に 表 示 された 個 々の 縮 小 動 画 は 意 匠 を 構 成 せず,したがって, 表 示 部 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 であること が, 本 願 意 匠 の 構 成 要 素 を 成 すものということはできない 以 上 によれば, 本 願 意 匠 が, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が 操 作 画 面 になっているという 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 するとの 原 告 の 主 張 は 採 用 することができない そして, 審 決 構 成 態 様 を 態 様 (A)ないし(E)のとおり 認 定 するところ,かかる 審 決 の 認 定 は, 動 画 表 示 枠 に 表 示 される 再 生 中 の 動 画 自 体 が 意 匠 の 対 象 とはならな いとの 趣 旨 を 含 む 限 り,その 点 において 誤 りはなく,また, 本 願 の 願 書 の 記 載 に 照 らし,その 余 の 点 においても 誤 りがあるとは 認 められない よって, 以 下, 本 願 意 匠 の 構 成 態 様 については, 態 様 (A)ないし(E) のとおりの 構 成 を 有 するものとして 判 断 することとする 2 取 消 事 由 1( 引 用 意 匠 の 認 定 の 誤 り)について 原 告 は, 本 願 意 匠 が, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が 操 作 画 面 になっ ているという 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 するにもかかわらず,かかる 構 成 態 様 を 備 えたものではない 画 像 1 等 を 引 用 意 匠 として 認 定 したのは 誤 りであると 主 張 する( 前 記 第 3の1) 13

しかしながら, 本 願 意 匠 が 原 告 の 主 張 するような 構 成 態 様 を 有 するというこ とはできないのは 前 記 1のとおりである そして, 画 像 1 等 は,いずれも, 後 記 3において 検 討 するとおり, 本 願 意 匠 の 態 様 (A)ないし(C)と 構 成 上 の 共 通 点 を 有 するものであるから, 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 有 無 を 検 討 するに 当 たり,これらの 画 像 を 引 用 意 匠 として 用 いることが 不 適 切 であるということは できない よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 3 取 消 事 由 2( 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 の 誤 り)について 画 像 1 等 の 態 様 について 審 決 が 引 用 意 匠 として 挙 げた 画 像 1 等 は,いずれも 操 作 画 面 に 関 する 画 像 ないしは 部 分 意 匠 であり, 画 像 が 表 示 される 物 品 は, 画 像 1 及 び 意 匠 1は 携 帯 情 報 端 末, 画 像 2 及 び3は 携 帯 電 話 機 である そうすると,これらの 画 像 及 び 意 匠 は, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 に 関 するものであるという 点 で 共 通 する そして, 審 決 が 認 定 したこれらの 画 像 及 び 意 匠 の 態 様 は 下 記 アないしエの とおりであり, 別 紙 審 決 書 写 しの 別 紙 第 2 ないし 別 紙 第 5 の 記 載 内 容 に 照 らして,これらの 認 定 に 誤 りがあるとは 認 められない ア 画 像 1 僅 かに 縦 長 の 長 方 形 画 面 の, 下 方 大 部 分 を, 僅 かに 横 長 の 長 方 形 とし て 区 画 し,この 横 長 長 方 形 の 上 辺 の 左 略 3 分 の1 部 を, 略 横 長 長 方 形 状 のタブとして 突 出 させ, 下 方 の 横 長 長 方 形 の, 右 端 寄 りに,5 個 の 横 長 長 方 形 を, 最 上 段 だけ 下 段 のものよりさらに 横 長 として, 右 揃 えに 縦 一 列 に 配 し, 左 端 寄 りに は,4 個 の 略 矩 形 状 模 様 を, 右 端 寄 りの 下 方 4 段 の 横 長 長 方 形 と 下 揃 え として 配 した 態 様 である イ 画 像 2 14

縦 長 長 方 形 画 面 の, 上 端 の 細 帯 状 部 とその 下 方 の 太 帯 状 部, 及 び 下 端 の 帯 状 部 を 除 いた, 画 面 の 大 部 分 を 占 める 縦 長 長 方 形 部 分 において,そ の 上 方 を 横 方 向 の 直 線 により 細 帯 状 に 区 画 して, 上 端 細 帯 状 部 を 形 成 し, 下 方 を 多 段 に 情 報 を 表 示 する 構 成 とし, 上 端 細 帯 状 部 内 には,そのほぼ 横 幅 一 杯 に,3 個 の 略 同 形 同 大 の 扁 平 な 等 脚 台 形 のタブを, 隣 接 する 下 端 部 が 重 なるように 配 して, 各 タブの 中 央 に 模 様 を 配 し, 下 方 の 多 段 に 情 報 を 表 示 する 構 成 部 分 には, 左 端 寄 りに, 模 様 が 縦 一 列 に 配 された 態 様 である ウ 画 像 3 縦 長 長 方 形 画 面 の, 上 端 の 細 帯 状 部 とその 下 方 の 太 帯 状 部, 及 び, 下 端 の 帯 状 部 を 除 いた, 画 面 の 大 部 分 を 占 める 縦 長 長 方 形 部 分 において, その 上 方 を, 横 方 向 の 直 線 により 太 帯 状 に 区 画 して 上 端 太 帯 状 部 とし, 下 方 を, 等 幅 で5 段 の 太 帯 状 部 とし, 上 端 太 帯 状 部 の 左 略 3 分 の1 部 に, 略 横 長 長 方 形 状 のタブを 形 成 して, タブ 中 央 には, 上 端 太 帯 状 部 内 に3 個 の 模 様 を 左 右 均 等 に 配 したうちの 一 個 である 左 側 の 模 様 を 配 しており, 各 下 方 太 帯 状 部 には, 右 端 寄 りに,5 個 の,それぞれ 中 央 に 模 様 を 配 した 隅 丸 正 方 形 を 縦 一 列 に 配 し, 左 端 寄 りには, 模 様 を 縦 一 列 に 配 した 態 様 である エ 意 匠 1 縦 長 長 方 形 画 面 を 横 方 向 の 直 線 で 分 割 し, 縦 長 長 方 形 の 上 下 端 部 を 除 いた 大 部 分 に, 同 幅 の 帯 状 部 を5 段 形 成 し, 各 帯 状 部 の 左 端 寄 りに 同 形 同 大 の 矩 形 枠 を 縦 一 列 に 配 し, 矩 形 枠 は,その 高 さが 帯 状 部 の 幅 よりやや 幅 狭, 横 の 長 さが 画 面 の 横 の 長 さの4 分 の1 弱 の 正 方 形 とした 態 様 である 15

態 様 (A)の 創 作 容 易 性 について ア 態 様 (A)は, 縦 長 長 方 形 画 面 を 横 方 向 の 直 線 で 分 割 し, 上 端 の 細 幅 帯 状 部 ( 上 端 細 帯 状 部 )と,その 下 方 の 太 幅 帯 状 部 ( 下 方 太 帯 状 部 )4 段 の 構 成 としたものである この 点, 縦 長 長 方 形 画 面 の 全 部 あるいはその 大 部 分 を 占 める 縦 長 長 方 形 部 分 に, 態 様 (B)に 摘 記 されたタブを 表 示 するための 横 方 向 の 帯 状 部 と, その 下 方 にアプリケーションやファイル 等 を 表 象 する 複 数 の 横 方 向 の 帯 状 部 を 設 ける 構 成 は, 画 像 2 及 び 画 像 3 に 見 られるように, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 においてごく 普 通 のものであるし,これらの 帯 状 部 の 幅 を 変 更 したり,アプリケーションやファイル 等 を 表 象 する 帯 状 部 の 段 数 を 変 更 することは, 上 記 各 画 像 や 意 匠 1 に 様 々な 態 様 のものがあると おり, 当 業 者 が 適 宜 行 い 得 るものである そうすると, 態 様 (A)は, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 当 業 者 において 容 易 に 創 作 することができたものであると 認 められ,これと 同 旨 の 審 決 の 判 断 に 誤 りはない イ 原 告 は, 画 像 2 及 び3 並 びに 意 匠 1はいずれも 動 画 がそのまま 動 画 とし て 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 とされるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたもの ではないし,これらの 画 像 等 は 上 端 の 細 幅 帯 状 部 や 太 幅 帯 状 部 4 段 の 構 成 に 相 当 する 構 成 が 示 されていないなど, 態 様 (A)とは 構 成 態 様 が 全 く 異 なる,また, 相 互 に 全 く 関 連 のないこれらの 画 像 を 組 み 合 わせる 動 機 付 けもない,と 主 張 する( 前 記 第 3の2 ) しかしながら, 本 願 意 匠 が, 原 告 の 主 張 する 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 するとはいえず, 動 画 表 示 枠 に 動 画 が 表 示 されることが 本 願 意 匠 を 構 成 す るものではないことは 前 記 1のとおりであるから,この 点 について 引 用 意 匠 からは 創 作 が 容 易 ではない 旨 の 原 告 の 主 張 は 失 当 である また, 原 告 の 指 摘 する 本 願 意 匠 との 構 成 上 の 相 違 があるからといって, 16

画 像 2 及 び3に 共 通 する 上 記 のようなごく 普 通 の 構 成 を 抽 出 することに 特 段 の 困 難 はない 加 えて, 画 像 2 及 び3 並 びに 意 匠 1は,いずれも 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 という 点 で 共 通 し,その 画 面 構 成 にも 共 通 するところがあるか ら, 同 一 ないし 類 似 の 物 品 に 属 すると 考 えられる 携 帯 情 報 端 末 の 操 作 画 面 を 創 作 するに 当 たり,これらを 組 み 合 わせる 動 機 付 けがないとはいえない よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 態 様 (B)の 創 作 容 易 性 について ア 態 様 (B)は, 上 端 細 帯 状 部 内 に,ジャンル 選 択 キーとして, 上 端 細 帯 状 部 のほぼ 横 幅 一 杯 に,3 個 の 略 同 形 同 大 の 扁 平 な 等 脚 台 形 のタブを, 隣 接 する 下 端 部 が 重 なるように 配 したものである この 点,アプリケーションやファイル 等 の 選 択 対 象 を 分 野 ごとのシート にまとめた 複 数 のシートを 重 ねた 状 態 として 画 面 上 に 表 示 し,それらのシ ートに 付 けられたタブを 選 択 することにより 各 シートを 選 択 するようにす るために, 各 シートの 上 辺 に 位 置 をずらしたタブを 設 けて 全 てのタブを 視 認 可 能 とした 態 様 は, 画 像 1 や 画 像 2, 画 像 3 に 見 られるように, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 においてごく 普 通 のものであり,タブの 形 状 を 扁 平 な 等 脚 台 形 とし,これを 隣 接 する 下 端 部 が 重 なるように 配 置 す ることも, 画 像 2 に 見 られるとおり, 普 通 に 見 られるありふれた 態 様 で ある そうすると, 態 様 (B)は, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 当 業 者 において 容 易 に 創 作 することができたものであると 認 められ,これと 同 旨 の 審 決 の 判 断 に 誤 りはない イ 原 告 は, 画 像 1ないし3はいずれも 動 画 がそのまま 動 画 として 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 とされるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたものではないし, これらの 画 像 は,タブの 形 状 や 画 面 上 端 下 端 の 態 様 等 の 点 で 態 様 (B) 17

と 相 違 するから,これらの 画 像 から 態 様 (B)を 想 起 することはできない, また, 相 互 に 全 く 関 連 のないこれらの 画 像 を 組 み 合 わせる 動 機 付 けもない, と 主 張 する( 前 記 第 3の2 ) しかしながら, 本 願 意 匠 が, 原 告 の 主 張 する 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 するとはいえず, 動 画 表 示 枠 に 動 画 が 表 示 されることが 本 願 意 匠 を 構 成 す るものではないことは 前 記 1のとおりであるから,この 点 について 引 用 意 匠 からは 創 作 が 容 易 ではない 旨 の 原 告 の 主 張 は 失 当 である また, 原 告 の 指 摘 する 画 像 1ないし3と 本 願 意 匠 との 構 成 上 の 相 違 があ るからといって, 画 像 1ないし3に 共 通 する 上 記 のようなごく 普 通 のあり ふれた 構 成 を 抽 出 することに 特 段 の 困 難 はない さらに, 画 像 1ないし3は,いずれも 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 という 点 で 共 通 し,その 画 面 構 成 にも 共 通 するところがあるから, 同 一 な いし 類 似 の 物 品 に 属 すると 考 えられる 携 帯 情 報 端 末 の 操 作 画 面 を 創 作 する に 当 たり,これらを 組 み 合 わせる 動 機 付 けがないとはいえない よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 態 様 (C)の 創 作 容 易 性 について ア 態 様 (C)は, 各 下 方 太 帯 状 部 の 左 端 寄 りに, 選 択 対 象 動 画 表 示 枠 とし て, 同 形 同 大 の 矩 形 枠 を, 下 方 太 帯 状 部 の 幅 ( 高 さ)よりやや 幅 狭 で,こ の 帯 状 領 域 の 約 3 分 の1 程 度 の 領 域 を 占 めるやや 横 長 の 長 方 形 として, 縦 一 列 に 配 した 態 様 である この 点, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 操 作 画 面 において,アプリケーション やファイル 等 を 表 象 する 帯 状 部 の 左 端 部 に,それぞれの 項 目 内 容 の 表 示 部 として 同 形 同 大 の 矩 形 枠 を 設 ける 態 様 は, 意 匠 1 に 見 られるところであ る そして,それぞれの 矩 形 枠 の 形 状 を, 画 像 を 表 示 するためにやや 横 長 の 長 方 形 とすることは, 当 業 者 がごく 普 通 に 思 い 付 くものであるし,その 大 きさを, 矩 形 枠 の 上 下 辺 が 各 帯 状 部 の 上 下 辺 より 内 側 になるように 矩 形 18

枠 の 縦 幅 を 調 整 するとともに, 矩 形 枠 の 横 幅 を 帯 状 部 の 横 幅 の3 分 の1 程 度 とすることも, 当 業 者 が 適 宜 行 い 得 ることである そうすると, 態 様 (C)は, 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 当 業 者 において 容 易 に 創 作 することができたものであると 認 められ,これと 同 旨 の 審 決 の 判 断 に 誤 りはない イ 原 告 は, 意 匠 1は 動 画 がそのまま 動 画 として 一 覧 表 示 されて 操 作 画 面 と されるという 操 作 性 に 係 る 態 様 を 備 えたものではないし, 意 匠 1の 白 抜 き 部 分 を 表 示 枠 と 見 ることは 難 しいから, 審 決 がこれを 本 願 意 匠 の 縮 小 動 画 を 表 示 する 矩 形 部 と 対 比 したのは 誤 りである,さらに, 矩 形 枠 を 動 画 表 示 枠 として 横 長 長 方 形 とした 点 に 創 作 非 容 易 性 が 認 められるべきで あると 主 張 する( 前 記 第 3の2 ) しかしながら, 本 願 意 匠 が, 原 告 の 主 張 する 操 作 性 に 係 る 構 成 態 様 を 有 するとはいえず, 動 画 表 示 枠 に 動 画 が 表 示 されることが 本 願 意 匠 を 構 成 す るものではないことは 前 記 1のとおりであるから,この 点 について 引 用 意 匠 からは 創 作 が 容 易 ではない 旨 の 原 告 の 主 張 は 失 当 である また, 意 匠 1の 意 匠 に 係 る 物 品 の 説 明 には, 正 面 図 に 表 された 画 像 は, 本 件 意 匠 の 物 品 携 帯 情 報 端 末 で 選 択 可 能 な 情 報 リストの 表 示 機 能, 例 えばダウンロード 可 能 なアプリケーションのリストを 表 示 する 機 能 を 発 揮 するために 行 われる 操 作 に 用 いられる 画 像 であるとの 記 載 があ る( 甲 13) そうすると, 携 帯 情 報 端 末 の 分 野 の 当 業 者 の 知 識 に 照 らせ ば, 意 匠 1の 白 抜 き 部 分 にはアプリケーションのアイコン 画 像 や 静 止 画 や 動 画 のようなコンテンツの 縮 小 画 像 が 表 示 されるものと 理 解 することがで きるから, 審 決 がこれを 表 示 枠 として 本 願 意 匠 と 対 比 した 点 に 誤 りはない さらに, 静 止 画 や 動 画 の 表 示 画 面 が 一 般 的 にやや 横 長 の 長 方 形 であるこ とは, 本 願 出 願 前 に 広 く 知 られているから, 動 画 表 示 枠 の 形 態 について 容 易 に 創 作 することができないとはいえない 19

よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 態 様 (D) 及 び(E)の 創 作 容 易 性 について ア 態 様 (D)は, 選 択 対 象 動 画 表 示 枠 に 表 示 された 動 画 を 選 択 することに より,その 動 画 が 縦 長 長 方 形 画 面 の 表 示 部 分 に 拡 大 表 示 されるというもの である この 点, 遅 くとも 本 願 出 願 時 にはインターネット 上 で 公 開 されていたと 認 められる iphoneユーザガイド ( 乙 5の1 及 び2) 及 び An droid2.3ユーザーガイド ( 乙 6)には,スマートフォン 端 末 の 操 作 画 面 上 に 複 数 表 示 された 静 止 画 ( 静 止 画 で 表 された 動 画 コンテンツを 含 む )の 表 示 枠 をタップ( 指 先 等 で 軽 くたたくことを 意 味 するものと 解 される )して 選 択 することにより, 当 該 画 像 を 拡 大 表 示 するとの 態 様 が 示 されており,これらの 証 拠 によれば,かかる 態 様 は, 本 願 出 願 当 時,こ の 種 の 物 品 の 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 であったと 認 められる そして, 表 示 枠 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 であることが 本 願 意 匠 を 構 成 するものではないことは 前 記 1のとおりであるから,この 点 を 捨 象 すると, 態 様 (D)は, 携 帯 情 報 端 末 を 含 む 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 当 業 者 において, 上 記 の 広 く 知 られた 手 法 から 容 易 に 創 作 することができたも のであると 認 められ,これと 同 旨 の 審 決 の 判 断 に 誤 りはない イ 態 様 (E)は, 動 画 一 覧 表 示 部 に 表 示 された 選 択 対 象 動 画 を,スライド 操 作 により 上 下 又 は 左 右 に 移 動 可 能 としたものである この 点, iphoneユーザガイド ( 乙 5の1 及 び2)には,スマ ートフォン 端 末 の 操 作 画 面 上 に 拡 大 表 示 された 静 止 画 ( 静 止 画 で 表 された 動 画 コンテンツを 含 む )の 表 示 枠 を, 画 面 を 指 でフリック(スライドさ せることを 意 味 するものと 解 される )することにより 順 送 りすることが できることが 示 され,また, Android2.3ユーザーガイド ( 乙 6)には,スマートフォン 端 末 の 操 作 画 面 上 に 複 数 表 示 された 静 止 画 20

( 静 止 画 で 表 された 動 画 コンテンツを 含 む )の 表 示 枠 を 左 右 にスワイプ ( 指 で 触 れたまま 横 に 滑 らせることを 意 味 すると 解 される )することに よりスクロールする( 順 次 移 動 させる)ことができることが 示 されている これらの 証 拠 によれば,この 種 の 物 品 の 分 野 において, 操 作 画 面 上 に 一 覧 表 示 された 選 択 対 象 となる 複 数 の 静 止 画 の 枠 をスライド 操 作 により 移 動 可 能 としたり, 複 数 の 静 止 画 をスライド 操 作 により 隣 接 する 表 示 枠 に 順 次 移 動 可 能 とすることは, 本 願 出 願 当 時, 広 く 知 られた 手 法 であったと 認 め られる そして, 表 示 枠 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 であることが 本 願 意 匠 を 構 成 するものではないことは 前 記 1のとおりであるから,この 点 を 捨 象 すると, 態 様 (E)は, 携 帯 情 報 端 末 を 含 む 携 帯 型 の 電 子 情 報 機 器 の 当 業 者 において, 上 記 の 広 く 知 られた 手 法 から 容 易 に 創 作 することができたも のであると 認 められ,これと 同 旨 の 審 決 の 判 断 に 誤 りはない ウ 原 告 は, 態 様 (D) 及 び(E)は,いずれもこの 種 の 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 ではなく,また, 審 決 は, 一 覧 表 示 される 複 数 動 画 の 画 像 自 体 が 操 作 画 面 である 本 願 意 匠 に 係 る 態 様 について 実 質 的 な 検 討 判 断 を していないと 主 張 する( 前 記 第 3の2 ) しかしながら, 態 様 (D) 及 び(E)が 携 帯 情 報 端 末 の 当 業 者 にとって 広 く 知 られた 手 法 であったと 認 められること, 態 様 (D) 及 び(E)の 創 作 容 易 性 について 検 討 する 際, 表 示 枠 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 で あること 自 体 は 捨 象 すべきであることは,いずれも 前 記 ア 及 びイのとおり であり, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 動 画 表 示 枠 に 動 画 を 表 示 する 点 についての 判 断 の 誤 りについて 原 告 は, 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 の 判 断 に 当 たっては, 動 画 が 動 画 のまま 表 示 される 操 作 性 に 係 る 態 様 についての 本 願 意 匠 の 着 想 の 新 しさないし 独 創 性 を 判 断 対 象 とすべきであり, 本 願 画 像 部 分 の 複 数 の 動 画 表 示 枠 は, 単 なる 表 21

示 枠 にとどまらない 視 覚 的 な 創 作 性 を 有 すると 主 張 する( 前 記 第 3の2 ) しかしながら, 表 示 枠 に 表 示 される 画 像 が 再 生 中 の 動 画 であることが 本 願 意 匠 を 構 成 するものではなく, 本 願 意 匠 の 創 作 容 易 性 について 判 断 する 際 に はその 点 は 捨 象 されることは 前 記 ないし のとおりである また, 原 告 の 指 摘 する 本 願 画 像 部 分 の 視 覚 的 な 創 作 性 を 踏 まえても,その 態 様 は 当 業 者 が 容 易 に 創 作 できることも 前 記 ないし のとおりである よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 4 取 消 事 由 3( 手 続 違 背 )について 原 告 は, 審 決 が, 態 様 (D) 及 び(E)について 何 らの 証 拠 を 示 すことなく, この 種 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 であるとして 創 作 非 容 易 性 を 否 定 し た 点 で, 拒 絶 理 由 を 通 知 することなく 審 決 をした 違 法 及 び 判 断 遺 脱 の 違 法 があ ると 主 張 する( 前 記 第 3の3) しかるに, 当 該 物 品 分 野 において 広 く 知 られた 手 法 については, 発 明 の 属 す る 技 術 の 分 野 における 周 知 技 術 と 同 様, 当 業 者 が 熟 知 している 事 項 であるため, 本 来, 審 決 においてその 認 定 根 拠 を 示 すまでもないのであり,このような 認 定 根 拠 となる 文 献 を 示 さなかったとしても, 意 匠 法 50 条 3 項 の 準 用 する 特 許 法 50 条 に 違 反 するということはできない そして, 態 様 (D) 及 び(E)に 係 る 手 法 が 携 帯 情 報 端 末 の 当 業 者 にとって 広 く 知 られた 手 法 であると 認 められることは, 前 記 3 のとおりであるから, 審 決 において, 特 段 の 証 拠 を 示 すことなく 同 旨 の 判 断 を 示 したことは, 意 匠 法 50 条 3 項 の 準 用 する 特 許 法 50 条 に 違 反 するものではない また,この 点 に 関 して 判 断 の 遺 脱 があったということもできないから, 意 匠 法 52 条 の 準 用 す る 特 許 法 157 条 に 違 反 するということもできない よって, 原 告 の 上 記 主 張 は 採 用 することができない 5 結 論 以 上 によれば, 原 告 の 請 求 は 理 由 がないからこれを 棄 却 することとし, 主 文 22

のとおり 判 決 する 知 的 財 産 高 等 裁 判 所 第 3 部 裁 判 長 裁 判 官 石 井 忠 雄 裁 判 官 田 中 正 哉 裁 判 官 神 谷 厚 毅 23