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134 135 です つまり 日 米 安 保 条 約 によって 日 本 が 米 国 の 戦 争 に 巻 き 込 まれる 可 能 性 は 常 にあると 考 えるのが 正 しい 日 米 同 盟 の 評 価 の 在 り 方 と 考 えます そして それが いみじくもそれが 安 倍 総 理 自 らによる 事 例 設 定 となって いるのが 米 国 と 交 戦 中 の 北 朝 鮮 が 日 本 に 武 力 攻 撃 をする 可 能 性 を 前 提 とし ている 米 軍 イージス 艦 防 護 事 例 です 以 上 の 日 米 安 保 条 約 日 米 同 盟 関 係 の 議 論 を 踏 まえて この 事 例 の 立 法 事 実 の 検 証 を 進 めましょう なお この 事 例 については 憲 法 解 釈 変 更 の 立 法 事 実 たり 得 るためには かつての 霞 ヶ 関 官 僚 の 経 験 から 本 来 は 内 閣 法 制 局 でこうした 論 点 につい て 審 査 を 受 ける 必 要 があった ということを 感 じて 頂 ける 程 度 の 分 析 を 試 み ました 詳 細 にわたるものですが ぜひお 目 通 しを 頂 きたいと 思 います 結 論 は 立 法 事 実 足 り 得 ず 違 憲 です もちろん 安 倍 内 閣 は 一 切 紙 切 れ 一 枚 の 審 査 も 行 わずに 7.1 閣 議 決 定 を 強 行 しています 参 考 中 東 の 国 際 問 題 やテロの 問 題 は 軍 事 力 の 行 使 では 根 本 的 な 解 決 が 出 来 ないことは 米 国 自 身 の 経 験 からも 明 らかになっていますが 中 国 の 南 シナ 海 での 港 湾 や 空 港 建 設 の 問 題 などに 対 しても ASEAN 諸 国 と 連 携 したかねて から 協 議 中 の 自 由 航 行 確 保 の 国 際 ルールの 設 定 フィリピンやベトナム 等 の 当 事 国 の 海 上 警 察 機 能 などの 強 化 への 支 援 国 際 社 会 における 世 論 形 成 など で 対 処 していくべき 問 題 であり 日 本 が 米 国 等 のために 集 団 的 自 衛 権 行 使 や 武 力 行 使 の 後 方 支 援 などで 対 処 するべき 問 題 ではないと 考 えます 特 に 南 シナ 海 への 自 衛 隊 の 活 動 展 開 は 新 たにガス 田 開 発 問 題 なども 生 じている 東 シナ 海 の 自 衛 隊 の 警 戒 活 動 等 との 両 立 を 困 難 とすることになります なお 2014 年 で 日 本 にとって 中 国 は 最 大 の 貿 易 相 手 国 ( 総 額 3,092 億 ドル 輸 出 第 2 位 輸 入 第 1 位 ) 中 国 にとって 日 本 は 米 国 に 次 ぐ 2 番 目 の 貿 易 相 手 国 となっています すなわち 日 米 中 のいずれの 国 も 南 シナ 海 東 シナ 海 で 武 力 衝 突 はできないのです( 甚 大 な 経 済 金 融 問 題 を 生 じる) また 仮 に 中 国 が 南 シナ 海 のシーレーン 妨 害 を 強 行 すればそこを 航 行 する 日 本 韓 国 商 船 等 への 影 響 は 日 本 韓 国 経 済 ( 中 国 の 最 大 輸 入 相 手 国 ) 等 に 依 存 し 共 存 する 中 国 経 済 を 直 撃 し( 他 方 中 国 は 経 済 格 差 急 激 な 高 齢 化 民 族 問 題 等 の 重 大 国 内 課 題 を 抱 える) 同 時 に 米 中 経 済 にも 重 大 な 影 響 を 与 えることになりま す 要 するに 中 国 問 題 はお 互 いに 軍 事 的 手 段 で 対 処 し 得 るものではなく 従 って 日 本 の 取 るべき 対 中 政 策 の 在 り 方 としては 尖 閣 諸 島 問 題 などにつ いて 不 測 事 態 の 発 生 を 防 止 するための 日 中 海 空 連 絡 メカニズムの 構 築 等 を 行 いつつ 日 米 同 盟 を 基 軸 として 多 国 間 の 地 域 的 枠 組 みの 形 成 等 によって 中 国 をいかに 地 域 の 平 和 と 安 定 に 責 任 を 持 つ 大 国 として 位 置 付 けていくかの 追 求 であるべきと 考 えます 8. 米 軍 イージス 艦 防 護 の 事 例 の 分 析 我 が 国 周 辺 有 事 における 米 軍 イージス 艦 防 護 の 事 例 については なぜ それ が 新 三 要 件 発 動 の 存 立 危 機 事 態 に 該 当 しうるか また その 前 提 としてな ぜ 自 衛 隊 が 米 艦 防 護 を 行 う 必 要 があるのかについて 以 下 のように 政 府 から 答 弁 されています 我 が 国 近 隣 において 我 が 国 と 密 接 な 関 係 にある 他 国 例 えば 米 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 した その 時 点 では まだ 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 し たとは 認 定 されないものの 攻 撃 国 は 我 が 国 をも 射 程 に 捉 える 相 当 数 の 弾 道 ミサイルを 保 有 しており その 言 動 などから 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 発 生 が 差 し 迫 っている 状 況 にある 他 国 の 弾 道 ミサイル 攻 撃 から 我 が 国 を 守 り これに 反 撃 する 能 力 を 持 つ 同 盟 国 である 米 国 の 艦 艇 への 武 力 攻 撃 を 早 急 にとめずに 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 発 生 を 待 って 対 処 するのでは 弾 道 ミサイルによる 第 一 撃 によって 取 り 返 しのつかない 甚 大 な 被 害 をこうむるこ とになる 明 らかな 危 険 がある このような 場 合 は 存 立 危 機 事 態 に 該 当 し 得 る ( 安 倍 総 理 衆 本 会 議 平 成 27 年 5 月 26 日 ) 定 期 整 備 訓 練 などのために 横 須 賀 ( 注 : 米 海 軍 基 地 )に 配 備 されている 米 軍 の 艦 艇 全 てが 稼 働 しているとは 限 らず また その 時 々の 情 勢 によって 同 時 に 複 数 のミサイルが 発 射 される 可 能 性 もあり これに 対 処 するために 艦 船 を 幅 広 く 展 開 する 必 要 がある 可 能 性 もあることなどから 米 軍 の 艦 船 の 防 衛 が 手 薄 になる 可 能 性 はあり こうした 場 合 には 弾 道 ミサイルへの 共 同 対 処 の 実 効 性 を 損 なうおそれがあり 自 衛 隊 がこれを 排 除 する 必 要 が 生 じること はあり 得 る( 中 谷 国 務 大 臣 衆 平 和 安 全 特 別 委 員 会 平 成 27 年 7 月 08 日 ) さらに 衆 議 院 平 和 安 全 特 別 委 員 会 での 6 月 26 日 7 月 3 日 同 10 日 の 安 倍 総 理 の 答 弁 によって この 内 容 は 以 下 のような 具 体 例 として 明 らかに なっています

138 139 の 見 極 めができない 段 階 で 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 して 米 艦 を 防 護 することが そもそも 憲 法 上 許 されるのか ということです 安 倍 総 理 は 日 本 へのミサ イル 攻 撃 の 準 備 などを 行 っている 北 朝 鮮 が 米 艦 攻 撃 を 手 段 としてその 後 に 日 本 を 攻 撃 する と 公 言 すれば 日 本 への 武 力 攻 撃 の 着 手 と 評 価 できると しつつ 東 京 を 火 の 海 にする との 公 言 のみであれば 武 力 攻 撃 を 推 測 し 得 る 段 階 にとどまるとしています ようするに これは 内 閣 と 国 会 ( 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 承 認 権 を 有 します) が 我 が 国 に 武 力 攻 撃 が 発 生 するかどうか 見 極 めがつかないけれども 米 艦 を 防 護 することにより 北 朝 鮮 との 間 の 開 戦 の 決 断 をし 実 行 する ことを 意 味 します この 開 戦 の 判 断 が その 後 に 実 は 確 実 に 生 じることになってい た 北 朝 鮮 の 日 本 へのミサイル 攻 撃 を 効 果 的 に 阻 止 し さらに 引 き 続 き 自 衛 隊 が 北 朝 鮮 の 米 軍 への 武 力 攻 撃 を 阻 止 して その 過 程 で 自 衛 隊 員 を 含 む 日 本 国 民 の 犠 牲 を 最 小 限 に 止 め 早 期 に 戦 争 を 終 結 させることができるのかもし れません 一 方 で この 決 断 により 見 極 めを 誤 って 実 は 日 本 に 武 力 攻 撃 をする 意 図 がなかった 北 朝 鮮 との 間 で 不 要 の 戦 争 を 生 じさせ 怒 りに 駆 られ るなどした 北 朝 鮮 から 自 衛 隊 の 艦 船 への 反 撃 や 東 京 にミサイルを 撃 ち 込 ま れる 日 本 本 土 への 特 殊 部 隊 による 侵 攻 などの 攻 撃 を 受 け 相 当 期 間 の 大 規 模 な 戦 争 に 日 本 が 巻 き 込 まれ 多 数 の 自 衛 隊 員 や 国 民 が 戦 死 することが 生 じ るかもしれません また フセイン 大 統 領 の 体 制 が 維 持 されたかつての 湾 岸 戦 争 の 時 のように 米 軍 と 韓 国 軍 と 自 衛 隊 は 北 朝 鮮 の 体 制 転 覆 まで 遂 げるこ とは 出 来 ず 休 戦 となり その 後 日 本 は 北 朝 鮮 からのテロや 再 度 の 開 戦 の 脅 威 に 直 面 することになるかもしれません つまり 国 家 権 力 ( 内 閣 と 国 会 )の 判 断 によって 集 団 的 自 衛 権 行 使 という 開 戦 をした 場 合 に それが 国 民 にとって 悲 惨 な 惨 禍 をもたらすことがあり 得 るのです 戦 死 するのは 自 衛 隊 員 や 一 般 市 民 の 皆 さんであって 安 倍 総 理 でも 国 会 議 員 でもありません とすると こんな 恐 ろしく 重 大 な 国 家 権 力 の 発 動 を 解 禁 するかどうかを 7.1 閣 議 決 定 や 安 保 法 制 の 法 律 だけで 決 めることは 許 されません また 一 旦 集 団 的 自 衛 権 行 使 が 解 禁 されれば それが 時 の 国 家 権 力 によ って 濫 用 される 危 険 も 生 じることになります 既 に 米 国 と 戦 争 している 北 朝 鮮 には 常 識 的 に 考 えて 新 たに 日 本 を 相 手 に 戦 線 を 拡 大 する 余 裕 はないは ずです(あり 得 るとすれば 米 軍 の 北 朝 鮮 攻 略 の 最 大 の 基 盤 となる 在 日 米 軍 基 地 への 攻 撃 等 です) そうすると この 集 団 的 自 衛 権 行 使 は 無 限 定 で 歯 止 め のない 新 三 要 件 のもと 米 国 と 北 朝 鮮 の 戦 争 に 米 国 からの 要 請 を 断 り 切 れ ずに 日 本 が 不 要 に 介 入 させられる 道 具 として 使 われ 本 来 ならば 失 われるは ずもなかった 自 衛 隊 員 や 日 本 国 民 の 生 命 が 文 字 どおり 奪 われてしまうことに もなりかねません しかし かつての 悲 惨 な 戦 争 の 反 省 と 教 訓 の 上 に 制 定 された 日 本 国 憲 法 に は こうした 国 家 権 力 が 戦 争 や 武 力 行 使 を 起 こすことをはっきりと 禁 止 して いるのです それが 日 本 国 民 は 政 府 の 行 為 によつて 再 び 戦 争 の 惨 禍 が 起 ることのないやうにすることを 決 意 し ここに 主 権 が 国 民 に 存 することを 宣 言 し この 憲 法 を 確 定 する という 憲 法 前 文 の 平 和 主 義 の 規 定 です この 内 容 は 第 二 章 で 解 説 しましたが 国 家 権 力 が 戦 争 や 武 力 行 使 を 起 こすことを 許 さず 国 民 にこうした 戦 争 の 惨 禍 をもたらすことを 許 さないことを 決 意 して 定 めた 国 民 主 権 だとしているのです そうである 以 上 仮 に 北 朝 鮮 の 脅 威 から 国 民 を 守 るためにどうしても 着 手 の 見 極 めが 付 かない 見 切 り 発 車 の 局 面 で 米 艦 防 護 を 実 行 しなければならないのであれば 内 閣 と 国 会 がそう した 新 しい 権 限 を 有 することが 必 要 不 可 欠 であることを 立 証 する 立 法 事 実 を 明 確 に 国 民 に 示 した 上 で 国 会 で 憲 法 改 正 の 発 議 を 行 い 国 民 投 票 を 行 っ て 憲 法 改 正 をする 必 要 があるのです 戦 争 について 特 に 開 戦 について 国 家 権 力 の 判 断 が 誤 ることがあるのは 歴 史 が 証 明 しています さらに この 米 艦 防 護 の 事 例 は 国 会 の 事 前 承 認 を 得 る 時 間 的 な 余 裕 がないことが 基 本 である と 解 されますので 開 戦 の 決 断 を 内 閣 だけで 行 うことになります つまり 内 閣 総 理 大 臣 と 十 数 人 ばかりの 閣 僚 に 国 民 の 命 運 を 預 けることになるのです ( 事 実 上 は 数 名 の 閣 僚 に 預 けることになります) であるならば 彼 等 にお いて そうした 権 限 を 主 権 者 である 国 民 から 負 託 される 必 要 があります な お 私 は 日 本 国 憲 法 をこのように 理 解 しておりますし また 一 国 会 議 員 として 一 人 の 人 間 として 国 民 投 票 なく 集 団 的 自 衛 権 の 武 力 行 使 によっ て 自 衛 隊 員 や 国 民 を 戦 死 させることは 到 底 受 け 入 れることができません 以 上 にご 説 明 したことは 実 は この 米 艦 防 護 事 例 は 立 憲 主 義 に 違 反 する ということでもあります 立 憲 主 義 とは 憲 法 によって 国 家 権 力 を 制 限 し 国 民 の 生 命 や 自 由 を 保 障 するものです 日 本 国 憲 法 の 前 文 の 平 和 主 義 や 第 9 条 は 国 家 権 力 が 戦 争 や 武 力 行 使 を 起 こすことを 禁 止 しています にもかかわら ず 憲 法 改 正 をすることなく 集 団 的 自 衛 権 行 使 という 新 しい 武 力 行 使 を 可

140 141 能 にすることは 立 憲 主 義 に 反 するのです 最 後 に 安 倍 総 理 はこの 米 軍 のイージス 艦 防 護 事 例 について 憲 法 前 文 の 日 本 国 民 の 平 和 的 生 存 権 についてのみ 主 張 をしていますが 北 朝 鮮 の 国 民 の 平 和 的 生 存 権 についても 考 える 必 要 があります 北 朝 鮮 という 国 家 を 信 じるべきと 言 っているのではありません( 一 議 員 として 現 状 では 信 じるに 値 しない 国 家 と 考 えています) 北 朝 鮮 に 日 本 に 対 して 武 力 攻 撃 をする 意 志 が なかった 場 合 は 自 衛 隊 の 参 戦 によって 北 朝 鮮 の 国 民 を 殺 傷 することに なります これは 全 世 界 の 国 民 が 有 することを 確 認 した 平 和 的 生 存 権 の 法 理 に 反 します よって 内 閣 や 国 会 による 武 力 行 使 で 他 国 民 の 平 和 的 生 存 権 を 侵 害 し 脅 かす 実 体 とそのリスクも 認 識 した 上 で また そうした 国 民 国 家 になるという 覚 悟 と 決 意 も 含 めて 憲 法 改 正 の 国 民 投 票 を 行 って 頂 く 必 要 があるのです る 安 保 法 制 の 限 られた 国 会 審 議 の 時 間 ではこのようなものですら 到 底 十 分 な 検 討 を 行 うには 足 りないものであることをご 理 解 頂 きたいと 思 います 解 説 米 軍 韓 国 軍 は 北 朝 鮮 軍 に 対 し 軍 事 的 優 位 にあるが 一 方 で 韓 国 は 全 人 口 の 約 四 分 の 一 が 集 中 する 首 都 ソウルが DMZ( 非 武 装 地 帯 )からの 至 近 距 離 に あるという 防 衛 上 の 弱 点 を 抱 え それに 対 し 北 朝 鮮 は DMZ 沿 いに 長 射 程 火 砲 を 大 量 に 配 備 しているとされる( 端 的 に 言 えば 大 砲 でソウルに 壊 滅 的 な 攻 撃 を 行 うことができる) つまり 米 国 韓 国 と 北 朝 鮮 は 大 規 模 紛 争 はできないとい うのが 支 配 的 な 軍 事 的 見 解 であって 米 軍 イージス 艦 への 攻 撃 という 本 格 的 な 軍 事 衝 突 を 前 提 とする 安 倍 政 権 の 事 例 は ある 意 味 で 朝 鮮 半 島 が 火 の 海 となる という 究 極 の 事 態 の 想 定 である なお 北 朝 鮮 は 慢 性 的 な 経 済 不 振 エネルギー 食 糧 不 足 ( 継 続 的 に 海 外 援 助 に 依 存 )にも 直 面 しており 米 国 との 全 面 戦 争 の 実 行 及 び 遂 行 の 合 理 性 が 疑 われる ( 以 上 防 衛 白 書 平 成 26 年 版 参 照 ) 以 上 のように この 米 艦 防 護 の 事 例 は 解 釈 変 更 及 び 安 保 法 制 の 立 法 で 可 能 とできるものではなく(それは 憲 法 違 反 である) 安 倍 内 閣 がどうしてもこの 米 艦 防 護 を 可 能 にしたいのであれば 現 在 安 保 国 会 で 行 っているような 事 例 説 明 よりも 遥 かに 精 緻 で 誠 実 な 政 策 的 な 必 要 性 合 理 性 に 関 する 説 明 を 文 書 にまとめ 国 会 に 提 出 し 憲 法 改 正 の 発 議 を 求 める 必 要 があります そもそ も こうした 文 書 こそ 仮 に 憲 法 改 正 ではなく 解 釈 変 更 で 行 おうとする 際 に その 閣 議 決 定 の 事 前 に 国 会 に 提 出 し 徹 底 的 な 審 議 を 受 ける 必 要 がある 解 釈 変 更 の 立 法 事 実 そのものなのです 安 倍 内 閣 は こうした 事 前 審 議 を 義 務 付 けた 参 議 院 憲 法 審 査 会 の 附 帯 決 議 (P.182 参 照 )に 真 っ 向 から 違 反 して 7.1 閣 議 決 定 を 強 行 しています そこで 以 下 には 本 来 立 証 する 必 要 があると 思 われる 立 法 事 実 の 観 点 を 中 心 に この 事 例 を 巡 る 問 題 のポイントを 整 理 します 大 きく (B) 政 策 的 観 点 における 必 要 性 合 理 性 が 認 められるか (C) 法 制 的 に 武 力 攻 撃 の 着 手 として 評 価 できないか について 検 討 します 特 に 前 者 の 整 理 に 当 た っては 私 自 身 のかつての 総 務 省 等 での 政 策 立 案 立 法 業 務 の 経 験 を 基 に 防 衛 省 の 担 当 部 署 の 官 僚 との 議 論 を 踏 まえたものです あくまで 現 時 点 での 検 討 によるものですが 少 なくともこの 程 度 の 論 点 整 理 をたたき 台 にして 初 めて 憲 法 解 釈 変 更 の 議 論 が 許 されるものであり そして それは 安 倍 総 理 のいたずらに 脅 威 を 煽 るだけの 答 弁 などでは 全 く 足 りず かつ 大 法 典 であ (B) 米 艦 防 護 の 政 策 的 な 必 要 性 合 理 性 の 検 証 結 論 のポイント 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 着 手 の 見 極 めができない 見 切 り 発 車 による 自 衛 隊 の 米 艦 防 護 は 北 朝 鮮 との 全 面 戦 争 の 端 緒 となり 我 が 国 と して 受 け 入 れ 難 い 政 策 であるとともに 米 国 においても 死 活 的 に 重 要 な 在 日 米 軍 基 地 の 安 定 した 利 用 確 保 等 の 日 米 安 保 体 制 全 体 の 国 益 の 見 地 に 立 った 時 には 軍 事 的 観 点 及 び 政 策 的 観 点 の 双 方 において 合 理 性 を 欠 く 絶 対 に 避 けるべき 選 択 肢 である なお 日 本 は 米 軍 の 北 朝 鮮 攻 略 の 最 大 拠 点 であり 基 盤 となる 在 日 米 軍 基 地 を 提 供 し かつ 自 衛 隊 が 主 体 的 に 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 の 任 務 を 遂 行 する 他 方 米 軍 の 太 平 洋 軍 所 属 の 46 隻 のイージス 艦 戦 力 等 によって 米 軍 自 ら が 自 国 の BMD 対 応 イージス 艦 の 防 護 を 手 薄 なく 確 保 することは 可 能 であると 解 される また 現 時 点 で 自 衛 隊 は 北 朝 鮮 の 弾 道 ミサイル 攻 撃 から 日 本 防 衛 を 確 保 するだけの 基 本 的 な 機 能 及 び 実 力 を 備 えており 日 米 共 同 の 日 本 防 衛 作 戦 計 画 のもと BMD 対 応 イージス 艦 の 更 なる 新 設 等 真 に 不 可 欠 な 日 本 防 衛 の 自 衛 力 の 増 強 の 有 無 を 検 討 し 必 要 に 応 じ て 実 行 すればよく また それは 財 政 的 にも 可 能 である

144 145 ( 仮 に 自 衛 隊 が THAAD システムのフルセットを 導 入 できれば 三 段 構 え の 多 層 防 衛 となる ただし THAAD は 1,000~2,000 億 円 の 費 用 が 掛 かる( 推 定 ) なお 在 韓 米 軍 に 導 入 を 検 討 との 報 道 等 あり ) 自 衛 隊 及 び 米 軍 による 日 本 防 衛 のあり 方 の 法 制 面 等 の 事 実 関 係 自 衛 隊 が 集 団 的 自 衛 権 を 行 使 して 米 軍 イージス 艦 を 防 護 することは 憲 法 上 禁 止 され それ 故 に 日 米 安 保 条 約 第 3 条 によって 自 衛 隊 が 米 軍 イージス 艦 を 防 護 する 法 的 義 務 がないことが 主 権 国 家 間 の 条 約 として 明 文 で 締 結 さ れている 一 方 米 国 においては 日 本 に 対 する 武 力 行 使 に 対 処 して 日 本 防 衛 を 行 う 義 務 があり( 第 5 条 ) また 日 本 はそのための 基 地 提 供 の 義 務 が ある( 第 6 条 ) 在 日 米 軍 基 地 は 日 本 の 領 域 であるからそれへの 攻 撃 は 日 本 への 武 力 攻 撃 で あり( 確 立 した 政 府 解 釈 ) 自 衛 隊 には 日 本 全 土 の 防 衛 とともにその 一 部 で ある 在 日 米 軍 基 地 防 衛 の 任 務 がある 一 方 米 軍 は 自 らの 在 日 米 軍 基 地 を 守 る 個 別 的 自 衛 権 行 使 と 東 京 等 を 含 めた 日 本 全 土 を 防 衛 する 集 団 的 自 衛 権 行 使 で 日 本 防 衛 の 義 務 ( 安 保 条 約 第 5 条 )を 果 たすことになる なお 弾 道 ミサイル 攻 撃 に 対 するこれらの 自 衛 隊 と 米 軍 による 日 本 防 衛 ( 在 日 米 軍 基 地 を 含 む)のあり 方 については 安 保 法 制 に 先 立 つ 新 日 米 防 衛 協 力 ガイドライン(2015 年 4 月 27 日 改 定 )においても 自 衛 隊 は 日 本 を 防 衛 するため 弾 道 ミサイル 防 衛 作 戦 を 主 体 的 に 実 施 する 米 軍 は 自 衛 隊 の 作 戦 を 支 援 し 及 び 補 完 するための 作 戦 を 実 施 する と 明 記 されてい る つまり 日 米 の 軍 事 作 戦 上 の 北 朝 鮮 の 弾 道 ミサイル 攻 撃 の 日 本 防 衛 の 主 体 ( 主 役 )はあくまで 自 衛 隊 である また これは 政 治 的 にも 当 然 要 請 される ことである( 基 本 的 な 対 処 能 力 がある 弾 道 ミサイル 攻 撃 から 日 本 防 衛 がで きなくて 何 のための 自 衛 隊 か) 安 倍 政 権 による 弾 道 ミサイル 攻 撃 事 態 の 検 討 米 国 と 北 朝 鮮 が 交 戦 状 態 となり 北 朝 鮮 が 戦 争 当 事 国 でない 日 本 に 対 し 決 意 を 持 って 弾 道 ミサイル 攻 撃 をしてくる 場 合 は 1 軍 事 的 な 観 点 から 米 軍 の 北 朝 鮮 への 武 力 行 使 の 最 重 要 拠 点 ( 韓 国 以 外 の 唯 一 の 海 外 基 地 )と なる 在 日 米 軍 基 地 を 攻 撃 すること 2 日 本 米 国 への 政 治 的 影 響 等 を 狙 っ た 観 点 から 東 京 や 原 発 地 帯 などを 攻 撃 してくることが 考 えられる これらの 北 朝 鮮 からの 弾 道 ミサイル 攻 撃 に 対 し 自 衛 隊 の 弾 道 ミサイル 防 衛 システムは 基 本 的 に 日 本 防 衛 の 対 処 能 力 を 有 している 一 方 で 自 衛 隊 と 共 同 して 日 本 防 衛 を 遂 行 している 米 軍 BMD 対 応 イージ ス 艦 を 自 衛 隊 が 防 護 することが 北 朝 鮮 が 我 が 国 に 対 して 同 時 に 多 数 のミ サイル 攻 撃 を 企 図 するなどのケースにおける 対 処 能 力 の 実 効 性 確 実 性 の 確 保 の 観 点 から 必 要 不 可 欠 であるかが 問 題 となる ( 以 下 に 検 討 する) なお 米 軍 イージス 艦 を 攻 撃 する 兵 器 として 政 府 は 艦 対 艦 ミサイル と 答 弁 しているが 北 朝 鮮 の 軍 事 力 の 実 態 等 を 踏 まえ 地 上 からの 対 艦 ミサ イルも 含 め これらによって 米 軍 イージス 艦 を 破 壊 し その 後 に 弾 道 ミ サイルで 在 日 米 軍 基 地 や 東 京 等 の 攻 撃 をする 北 朝 鮮 の 軍 事 作 戦 の 可 能 性 を 前 提 とすることになる 政 府 事 例 から 導 かれる 検 討 すべき 課 題 (1) 米 艦 防 護 という 手 段 の 日 米 相 互 のメリット デメリットの 総 合 評 価 (2) 自 衛 隊 による 米 艦 防 護 以 外 の 手 段 で 米 艦 防 護 を 確 保 することができるか (3) 米 艦 防 護 以 外 の 手 段 で 日 本 防 衛 を 確 保 することができるか (1) 米 艦 防 護 という 手 段 の 日 米 相 互 のメリット デメリットの 総 合 評 価 弾 道 ミサイル 攻 撃 や 10 万 人 規 模 とされる 特 殊 部 隊 など 北 朝 鮮 の 軍 事 力 の 脅 威 は 隣 国 である 日 本 の 方 が 遥 かに 大 きいものがある 北 朝 鮮 との 全 面 的 な 交 戦 状 態 に 至 ることになる 武 力 攻 撃 の 着 手 の 見 極 めに 至 らない 段 階 での 見 切 り 発 車 の 米 艦 防 護 は それ 自 体 のみに 着 目 すれば 日 本 として 国 家 政 策 として 許 容 し 得 るものではない 端 的 に 言 えば 米 国 の 被 害 リス クはイージス 艦 1 隻 とそれの 破 壊 による 在 日 米 軍 基 地 における 米 国 国 益 へ の 攻 撃 の 脅 威 であるが 日 本 は 在 日 米 軍 基 地 における 日 本 人 の 生 命 等 の 国 益 のみならず 東 京 や 原 発 地 帯 など 国 土 全 域 が 脅 威 にさらされることにな る ようするに 見 切 り 発 車 によって 米 国 の 戦 争 へ 巻 き 込 まれる 実 体 がある 一 方 米 艦 防 護 の 後 の 日 本 と 北 朝 鮮 との 全 面 的 な 交 戦 を 想 定 すれば 自 衛 隊 は 直 ちに(むしろ 事 前 に) 大 都 市 圏 や 原 発 地 帯 などを 始 めとする 地 域 の 弾 道 ミサイル 防 衛 を 強 化 せざるを 得 ず その 結 果 自 衛 隊 において 在 日 米

146 147 軍 基 地 の 防 衛 との 両 立 が 困 難 となり その 分 米 軍 における 在 日 米 軍 基 地 防 衛 の 軍 事 的 負 担 が 増 大 することになる 場 合 によっては 新 日 米 防 衛 協 力 ガイドラインにおける 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 の 役 割 が 米 軍 が 主 体 的 自 衛 隊 がその 作 戦 を 支 援 し 及 び 補 完 する と 逆 転 することも 想 定 される ( 例 えば 東 京 や 大 阪 の 自 衛 隊 の 防 衛 力 を 犠 牲 にして 嘉 手 納 基 地 ( 空 軍 飛 行 場 ) や 岩 国 基 地 ( 海 兵 隊 飛 行 場 )の 防 衛 力 を 維 持 することは 日 本 において 政 治 的 に 困 難 である) これは 米 軍 が 有 する 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 力 の 実 体 から 見 ても 合 理 性 があ る すなわち 防 衛 省 の 調 査 によれば 米 軍 の 太 平 洋 軍 全 体 でペイトリオ ット PAC-3 システムは 国 内 では 嘉 手 納 空 軍 基 地 のみに 部 隊 が 存 在 し そ の 他 は 韓 国 の 二 箇 所 にしか 存 在 しない つまり 米 軍 は 即 応 体 制 として 嘉 手 納 空 軍 基 地 以 外 の 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 力 は 自 衛 隊 の PAC-3 部 隊 に 頼 ら ざるを 得 ないものと 解 される (なお 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 は 自 衛 隊 の 国 土 防 衛 の 本 来 任 務 である) さらに 米 国 が 自 衛 隊 に 米 軍 イージス 艦 防 護 を 要 請 することは 端 的 に 言 えば イージス 艦 1 隻 等 の 代 わりに 日 本 全 土 の 脅 威 を 受 け 入 れるべきとの 要 請 を 米 国 が 日 本 国 民 に 行 う 側 面 があるものであり その 結 果 日 本 に 攻 撃 被 害 が 生 じた 場 合 には 日 本 の 国 内 世 論 の 反 発 等 による 在 日 米 軍 基 地 を 基 盤 とした 北 朝 鮮 攻 略 戦 の 遂 行 及 び 将 来 にわたるその 使 用 の 確 保 に 重 大 な 問 題 を 引 き 起 こすことになる( 特 に イラクの 大 量 破 壊 兵 器 のように 実 は 北 朝 鮮 に 日 本 攻 撃 の 可 能 性 がなかった 場 合 は 在 日 米 軍 基 地 の 使 用 に 致 命 的 な 問 題 を 抱 えることになる) 以 上 の 結 論 として 日 本 において 米 軍 より 米 艦 防 護 を 要 請 される 事 態 は 受 け 入 れ 難 いものであり また 一 方 でそれは 米 国 においても 日 米 安 保 体 制 全 体 の 見 地 に 立 った 時 には 軍 事 的 かつ 政 策 的 な 観 点 から 不 合 理 な 手 段 と なる よって 自 衛 隊 が 米 艦 防 護 をしなくとも 米 艦 防 護 が 可 能 であり( 上 記 (2)) かつ 日 本 防 衛 が 可 能 であれば( 上 記 (3)) 自 衛 隊 イージス 艦 が 米 軍 イージス 艦 を 防 護 する ことは 日 米 双 方 にとって 絶 対 に 避 けるべき 政 策 と 結 論 付 けられる (2) 自 衛 隊 による 米 艦 防 護 以 外 の 手 段 で 米 艦 防 護 を 確 保 することができるか 米 軍 は 全 世 界 で 84 隻 のイージス 艦 を 保 有 し(うち BMD 対 応 艦 は 33 隻 ) その 中 で 米 軍 の 太 平 洋 軍 は 46 隻 のイージス 艦 を 保 有 し(うち BMD 対 応 艦 は 16 隻 で そのうち 5 隻 が 横 須 賀 海 軍 基 地 に 配 置 され 2017 年 には 7 隻 に 増 加 予 定 )しており さらに これに 他 の 海 軍 力 や 圧 倒 的 な 優 位 性 を 有 する 空 軍 力 の 展 開 を 考 えると 全 部 で8 隻 しかない 自 衛 隊 BMD イージス 艦 の 防 護 に 頼 らない 作 戦 の 立 案 遂 行 は 十 分 に 可 能 であると 考 えられる 端 的 に 言 えば 太 平 洋 軍 の BMD 対 応 でないイージス 艦 30 隻 などの 効 果 的 な 運 用 により 米 軍 BMD 対 応 イージス 艦 の 防 護 を 確 保 できるものと 思 わ れる なお 米 軍 においてどうしても 米 軍 イージス 艦 防 護 に 不 安 があるのであれ ば 自 ら 必 要 な 防 衛 力 を 増 強 すればよい (1)で 述 べた 北 朝 鮮 攻 略 戦 の 遂 行 と 将 来 の 在 日 米 軍 基 地 の 使 用 の 確 保 を 考 えれば 十 分 な 政 策 合 理 性 を 有 する (ちなみに 思 いやり 予 算 は 1,850 億 円 であり 自 衛 隊 の BMD 対 応 型 イージス 艦 は 一 隻 1,680 億 円 である ) 従 って 日 本 に 対 する 弾 道 ミサイル 攻 撃 についての 日 米 共 同 作 戦 計 画 にお いて( 日 米 は 当 然 に 策 定 する) 憲 法 及 び 日 米 安 保 条 約 の 定 めに 則 り か つ (1)で 論 じた 政 策 的 見 地 も 踏 まえ 米 軍 イージス 艦 の 防 護 について は 米 軍 によって 遂 行 することで 問 題 はないものと 考 えられる なお 我 が 国 に 対 する 北 朝 鮮 の 弾 道 ミサイル 攻 撃 等 が 発 生 し 日 本 有 事 となった 場 合 は 必 要 に 応 じて 自 衛 隊 が 米 軍 イージス 艦 を 防 護 することは 当 然 にあり 得 る (3) 米 艦 防 護 以 外 の 手 段 で 日 本 防 衛 を 確 保 することができるか 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 や 新 日 米 ガイドラインからは 朝 鮮 半 島 有 事 を 含 めて 日 本 防 衛 のための 自 衛 隊 の 弾 道 ミサイル 防 衛 システムの 整 備 は 計 画 的 な 措 置 が 図 られているものと 解 される 同 時 の 多 数 のミサイル 攻 撃 に 対 処 する 新 型 の SM-3 ミサイルの 日 米 共 同 開 発 等 も 行 われているところである 米 軍 と 北 朝 鮮 が 交 戦 状 態 になり 日 本 への 武 力 攻 撃 の 切 迫 事 態 が 認 められ る 状 況 で 日 本 への 弾 道 ミサイル 攻 撃 に 対 する 防 衛 は 自 衛 隊 の 有 する8 隻 の BMD 対 応 イージス 艦 と 米 軍 太 平 洋 軍 の 所 有 する 最 大 16 隻 の BMD 対 応 イージス 艦 が 担 うことになる( 米 軍 が 世 界 で 保 有 する 計 33 隻 BMD 対 応

150 151 を 検 討 すべきことなどもあり 得 ると 考 えられる(これらは 地 元 の 基 地 負 担 増 が 発 生 する) 結 論 として 米 軍 イージス 艦 を 防 護 して(1)で 述 べた 北 朝 鮮 と 全 面 戦 争 に 陥 るリスクを 負 い また 憲 法 改 正 により 集 団 的 自 衛 権 行 使 をする 国 とし て 北 朝 鮮 から 常 時 敵 国 として 扱 われ 同 時 に 攻 撃 しにくい 国 としての 国 際 的 な 平 和 国 家 ブランドを 捨 てることを 考 えると 日 本 防 衛 のための 個 別 的 自 衛 権 の 増 強 コストの 財 政 負 担 は それが 真 に 必 要 なものであるなら ば 十 分 に 政 策 合 理 性 を 有 するものと 考 える (4) 評 価 結 論 見 切 り 発 車 による 自 衛 隊 の 米 艦 防 護 は 北 朝 鮮 との 全 面 戦 争 の 端 緒 となり 我 が 国 として 受 け 入 れ 難 い 政 策 であると 同 時 に 日 米 安 保 体 制 全 体 の 見 地 に 立 った 時 には 軍 事 的 観 点 及 び 政 策 的 観 点 の 双 方 で 米 国 においても 合 理 性 を 欠 くものである ( 日 本 は 米 軍 の 北 朝 鮮 攻 略 の 最 大 拠 点 であり 基 盤 となる 在 日 米 軍 基 地 を 提 供 し かつ 自 衛 隊 は 在 日 米 軍 基 地 の 防 衛 の 任 務 を 遂 行 する ) 他 方 米 軍 のイージス 艦 戦 力 等 によって 米 軍 自 らが 自 国 の BMD 対 応 イー ジス 艦 の 防 護 を 確 保 することは 可 能 であると 解 される さらに 北 朝 鮮 が 実 戦 配 備 するノドン 型 弾 道 ミサイルのうち 発 射 基 地 型 のものは 米 軍 の 空 軍 力 等 によって 相 当 に 対 処 が 可 能 であると 考 えられ 車 両 型 弾 道 ミサイルは 最 大 50 基 とされていることなどからも 上 記 の 自 衛 隊 及 び 米 軍 の 対 応 で 日 本 防 衛 のために 考 え 得 る 限 り 最 大 の 対 処 が 可 能 であると 考 えられる 従 って 政 策 の 必 要 性 及 び 合 理 性 の 観 点 の 双 方 において 安 倍 政 権 による 米 艦 防 護 を 可 能 にするための 憲 法 の 解 釈 変 更 における 立 法 事 実 は 認 められ ない (なお 現 段 階 の 私 見 としては 米 軍 自 らの 防 護 が 可 能 であると 解 さ れること 等 から 自 衛 隊 イージス 艦 の 10 隻 体 制 までは 不 要 であると 考 え る ) (C) 武 力 攻 撃 の 着 手 評 価 による 個 別 的 自 衛 権 での 対 処 の 可 能 性 政 府 の 事 例 が 我 が 国 に 対 する 武 力 攻 撃 の 着 手 と 評 価 されるのであれ ば 個 別 的 自 衛 権 行 使 で 対 処 可 能 となり 集 団 的 自 衛 権 行 使 は 不 要 となりま す( 解 釈 変 更 は 違 憲 となります) 従 来 の 国 会 答 弁 では 東 京 を 火 の 海 にす る との 公 言 とそのための 一 定 の 準 備 の 実 行 は 着 手 と 評 価 されてきまし た 従 って 政 府 の 事 例 においても 個 別 的 自 衛 権 行 使 で 評 価 されるものは 存 在 し 得 るものと 解 されます 例 えば 弾 道 ミサイルはその 飛 翔 方 向 着 弾 位 置 等 がレーダーで 解 析 可 能 であり 解 析 上 我 が 国 に 向 かう 弾 道 ミサイルを 追 尾 等 している 米 軍 イージス 艦 への 攻 撃 は 我 が 国 への 武 力 攻 撃 の 着 手 と 認 定 ができるものと 考 えられます しかし 安 倍 総 理 の 安 保 国 会 での 答 弁 は 従 来 の 国 会 答 弁 では 着 手 と 評 価 されていた 東 京 を 火 の 海 にする との 事 態 を 推 測 に 止 まる が 故 に 切 迫 事 態 としつつ 着 手 以 前 に 適 用 される 新 三 要 件 により 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 行 うとし 一 方 で 日 本 を 攻 撃 する 手 段 として 米 艦 を 攻 撃 する 旨 の 公 言 は 明 確 性 があるので 着 手 となるとしています こうした 見 解 の 根 拠 に ついては 明 らかになっていません また 過 去 に 政 府 として 着 手 としていた 東 京 を 火 の 海 にしてやる 事 態 を 切 迫 事 態 等 に 後 退 させれば 先 制 攻 撃 を 解 禁 実 行 した 証 拠 その ものになるのではないか そもそも 先 制 攻 撃 と 取 られるから 集 団 的 自 衛 権 を 解 禁 する ( 政 府 答 弁 )というのは 国 際 法 の 脱 法 行 為 ではないかと 解 されま す 東 京 を 火 の 海 にしてやる 灰 じんに 帰 してやる そういうことの 表 明 が あって それを 実 現 せんがために 燃 料 を 注 入 し 始 め まさしく 屹 立 した ような 場 合 は 着 手 と 言 えるのではないか( 平 成 15 年 1 月 24 日 衆 予 算 委 石 破 国 務 大 臣 ) 相 手 が 日 本 を 攻 撃 するぞという 明 示 があり 攻 撃 のためのミサイルに 燃 料 を 注 入 するとかその 他 の 準 備 を 始 めるとかいうことであれば それは 日 本 に 対 する 武 力 攻 撃 への 着 手 と 考 えてよいのではないか( 平 成 14 年 5 月 20 日 衆 武 力 攻 撃 事 態 対 処 特 委 福 田 国 務 大 臣 ) (D)その 他 解 釈 変 更 に 際 し 検 討 が 必 要 な 事 項 政 府 の 事 例 以 前 の 問 題 として 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 解 禁 すること 自 体 我 が 国 の 安 全 保 障 環 境 を 根 本 から 変 えてしまうリスクがあることを 認 識 してお く 必 要 があります すなわち 日 本 がより 他 国 から 攻 撃 を 受 けやすい 国 にな るというリスクです この 点 安 倍 総 理 は 平 和 安 全 法 制 の 整 備 により 米

152 153 国 の 戦 争 に 巻 き 込 まれるなどというのは 全 く 的 外 れな 議 論 です アメリカ の 戦 争 に 巻 き 込 まれるようなことは 絶 対 にありません ( 衆 本 会 議 平 成 27 年 5 月 26 日 )と 述 べていますが(この 絶 対 という 言 葉 は 自 ら 虚 偽 を 露 呈 し ています) この 米 軍 イージス 艦 防 護 事 例 の 場 合 においても 米 国 と 交 戦 状 態 にある 北 朝 鮮 は(それが 軍 事 的 な 可 能 であるならば) 北 朝 鮮 攻 略 の 基 盤 であ る 在 日 米 軍 基 地 の 攻 撃 行 ってくる 可 能 性 は 十 分 に 想 定 されうるものと 考 えら れます とすると 米 国 のために 日 本 が 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 発 動 することが 可 能 な 国 になっていれば 北 朝 鮮 からすれば 日 本 は 平 和 国 家 でも 専 守 防 衛 の 国 でもなく 米 国 と 共 に 戦 う 常 時 の 敵 国 として 積 極 的 に 日 本 に 攻 撃 を 実 行 してくることも 想 定 されます 例 えば 集 団 的 自 衛 権 行 使 ができる 国 にな った 場 合 は 自 衛 隊 のイージス 艦 の 出 動 が 日 本 防 衛 のための 出 動 なのかそ れとも 米 軍 防 衛 のための 出 動 なのか 北 朝 鮮 からはそのどちらとも 考 え 得 るこ とも 生 じます いずれにしても 我 が 国 は 不 用 意 に 米 国 と 北 朝 鮮 の 戦 争 に 巻 き 込 まれるこ とを 回 避 し 専 守 防 衛 に 徹 することが 北 朝 鮮 という 困 難 な 隣 国 に 対 する 最 大 に 合 理 的 かつ 有 効 な 防 衛 政 策 であると 考 えます