2012 年 5 月 17 日 厚 生 労 働 大 臣 小 宮 山 洋 子 殿 平 成 24 年 度 ハンセン 病 問 題 対 策 協 議 会 統 一 要 求 書 ハンセン 病 違 憲 国 家 賠 償 訴 訟 全 国 原 告 団 協 議 会 全 国 ハンセン 病 療 養 所 入 所 者 協 議 会 ハンセン 病 違 憲 国 家 賠 償 訴 訟 全 国 弁 護 団 連 絡 会 第 1 謝 罪 名 誉 回 復 について 今 後 も 引 き 続 き 名 誉 回 復 措 置 を 取 ることを 政 府 として 表 明 されたい 第 2 社 会 復 帰 社 会 内 生 活 支 援 1 基 本 方 針 の 確 認 (1) 社 会 復 帰 社 会 内 生 活 支 援 ハンセン 病 回 復 者 の 社 会 復 帰 の 円 滑 化 容 易 化 及 び 退 所 者 の 社 会 内 生 活 の 安 定 化 のために 今 後 も 隔 離 政 策 による 被 害 回 復 を 旨 として 退 所 者 非 入 所 者 の 医 療 介 護 制 度 等 の 改 善 整 備 ならびに 継 続 的 安 定 的 な 経 済 支 援 等 に 最 大 限 努 力 することを 確 認 されたい( 基 本 法 第 3 条 関 係 なお 平 成 13 年 7 月 2 3 日 付 基 本 合 意 書 及 び 入 所 歴 なき 原 告 に 関 する 平 成 14 年 1 月 28 日 付 基 本 合 意 書 参 照 ) (2) 偏 見 差 別 解 消 策 退 所 者 及 び 非 入 所 者 の 安 定 かつ 安 心 した 社 会 生 活 の 実 現 のために ハンセン 病 回 復 者 及 びその 家 族 に 対 する 偏 見 差 別 の 解 消 にむけた 有 効 的 な 施 策 を 継 続 的 恒 常 的 に 行 うこと 2 退 所 者 給 与 金 受 給 者 の 遺 族 について 退 所 者 給 与 金 を 受 給 していた 者 の 遺 族 に 対 する 支 援 については 収 入 資 産 1
に 関 するアンケート 調 査 結 果 のみならず 隔 離 政 策 により 被 った 遺 族 家 族 の 被 害 実 態 を 十 分 に 反 映 した 支 援 策 を 策 定 することを 求 める 平 成 23 年 度 確 認 事 項 1(1)にもとづき 今 夏 厚 生 労 働 省 は 退 所 者 給 与 金 受 給 者 が 扶 養 する 者 に 対 し 収 入 資 産 状 況 に 関 するアンケート 調 査 の 実 施 を 計 画 して おり 退 所 者 団 体 としては 一 応 これを 了 承 した しかし 厚 生 労 働 省 の 提 案 する 調 査 項 目 は 経 済 状 況 に 偏 しており 隔 離 政 策 により 家 族 遺 族 が 被 った 偏 見 差 別 等 の 被 害 を 把 握 するには 不 十 分 であるといわざるをえない したがって 今 般 のアンケート 調 査 後 さらに 家 族 遺 族 の 被 害 実 態 を 調 査 把 握 し そのうえで 家 族 遺 族 の 被 害 回 復 に 資 する 支 援 制 度 の 策 定 を 求 めるものである 3 ハンセン 病 対 策 促 進 事 業 の 運 用 改 善 今 年 度 から 新 設 された ハンセン 病 対 策 促 進 事 業 を 社 会 内 生 活 者 及 びそ の 家 族 ( 以 下 当 事 者 という)の 意 見 を 反 映 し 当 事 者 のニーズに 応 えられ るよう 制 度 ならびに 運 用 の 改 善 を 求 める 平 成 23 年 度 確 認 事 項 1(2)にもとづき 今 年 度 より 都 道 府 県 及 び 療 養 所 所 在 市 町 村 の 相 談 啓 発 事 業 を 促 進 するため 前 記 事 業 が 新 設 された これは 従 来 相 談 啓 発 事 業 の 委 託 事 業 者 であった 社 会 福 祉 法 人 ふれあい 福 祉 協 会 ( 以 下 ふれ あい 協 会 という)の 活 動 が 相 談 事 業 啓 発 事 業 として 十 分 機 能 していないこと をふまえて 新 たな 制 度 の 必 要 性 を 確 認 して 設 けられたものである ところが この 新 たな ハンセン 病 対 策 促 進 事 業 においても ふれあい 協 会 が 委 託 事 業 者 に 指 定 されており かつ 同 協 会 が 相 談 啓 発 事 業 の 内 容 を 主 導 する 制 度 設 計 となっている 平 成 19 年 に 退 所 した 者 が 平 成 23 年 末 まで 退 所 者 給 与 金 制 度 の 存 在 を 知 らなか ったという 事 態 があり また ふれあい 協 会 のホームページ 上 では 偏 見 差 別 の 原 因 について 変 形 と 機 能 障 害 がハンセン 病 を 必 要 以 上 に 恐 れさせてしまったのです とし 国 の 偏 見 差 別 を 創 設 した 責 任 を 否 定 するかのような 説 明 を 行 う 等 同 協 会 の 相 談 啓 発 事 業 は 極 めて 問 題 が 多 い かかる 問 題 点 の 検 証 と 改 善 なくして 再 度 ふ れあい 協 会 を 委 託 事 業 者 とすることは 前 記 確 認 事 項 の 趣 旨 を 没 却 するものであり 疑 問 といわざるをえない したがって 当 事 者 の 意 見 を 反 映 し 当 事 者 のニーズに 応 えることができる 相 談 啓 発 事 業 の 実 現 のため 同 制 度 の 制 度 設 計 あるいは 運 用 の 改 善 を 求 めるものである 2
4 医 療 制 度 の 充 実 (1) 社 会 内 生 活 者 の 国 立 ハンセン 病 療 養 所 における 健 康 保 険 を 利 用 した 入 院 治 療 を 可 能 とする 制 度 ( 以 下 入 院 制 度 という)の 促 進 を 図 られたい (2) 沖 縄 県 における 在 宅 治 療 の 充 実 のため 沖 縄 県 との 協 力 により 専 門 医 派 遣 や 県 立 病 院 等 に 専 門 の 診 療 科 目 を 設 ける 等 の 対 策 を 講 じられたい (1) 入 院 制 度 を 導 入 する 療 養 所 を 増 やすためには その 促 進 にむけた 厚 生 労 働 省 の 積 極 的 な 姿 勢 が 不 可 欠 である (2) 財 団 法 人 沖 縄 県 ゆうな 協 会 が 実 施 する 在 宅 治 療 は 現 在 1 名 の 小 児 科 医 のみが 担 当 しているだけであり このため ほとんどの 社 会 内 生 活 者 が 利 用 で きない 状 況 となっている 専 門 医 の 派 遣 専 門 医 による 医 師 研 修 の 実 施 ゆう な 協 会 以 外 の 一 般 医 療 機 関 における 専 門 的 診 療 科 目 の 設 置 等 の 対 策 が 急 務 であ る 第 3 在 園 保 障 1 基 本 方 針 の 確 認 平 成 13 年 7 月 23 日 付 基 本 合 意 書 において 確 認 された 国 の 法 的 責 任 及 び 基 本 法 第 3 条 の 基 本 理 念 に 基 づき 13の 国 立 ハンセン 病 療 養 所 入 所 者 ( 今 後 入 所 する 者 を 含 む)の 意 思 に 反 して 退 所 転 園 させることなく 終 生 の 在 園 を 保 障 するとともに 社 会 の 中 で 生 活 するのと 遜 色 のない 水 準 を 確 保 するため 入 所 者 の 生 活 環 境 及 び 医 療 の 整 備 を 行 うよう 最 大 限 努 めることを 確 認 された い 2 職 員 定 員 について (1) 年 次 計 画 等 において 削 減 の 対 象 とされる 職 員 定 員 の 母 数 からハンセン 病 療 養 所 の 職 員 数 を 除 外 すること 厚 生 労 働 省 においては この 点 が 確 実 に 閣 議 決 定 の 内 容 となるよう 省 として 決 定 し 厚 生 労 働 大 臣 は 関 連 省 庁 に 必 要 な 申 入 れ 等 を 行 うこと (2)いわゆる 賃 金 職 員 を 速 やかに 定 員 化 ( 正 規 職 員 化 )すること ハンセ ン 病 療 養 所 における 業 務 の 外 部 委 託 を 取 り 止 めること 及 び 職 員 の 定 年 退 職 にあたり 入 所 者 の 療 養 生 活 に 必 要 な 職 員 を 確 保 するための 職 員 後 補 充 を 実 施 し 必 要 人 員 を 確 保 すること 3
(3) 基 本 法 第 11 条 において 国 の 責 務 として 明 示 的 に 介 護 員 の 確 保 等 が 定 められていること 等 に 基 づき 介 護 員 を 福 祉 職 として 定 員 化 すること (4) 平 成 24 年 4 月 3 日 行 政 改 革 実 行 本 部 決 定 平 成 25 年 度 の 国 家 公 務 員 の 新 規 採 用 抑 制 の 方 針 について に 対 して 厚 生 労 働 省 は 平 成 25 年 度 について の 対 応 内 容 を 明 らかにし ハンセン 病 療 養 所 において 実 害 が 生 じないことを 確 約 すること また 平 成 26 年 度 に 関 して 上 記 決 定 の1( 基 本 方 針 )(2) 項 ただし 厳 しい 採 用 抑 制 方 針 を 基 本 としつつも 平 成 25 年 度 の 定 員 審 査 等 の 結 果 真 に 必 要 と 認 められる 場 合 に 限 り 追 加 の 採 用 について 検 討 するこ ととする を 適 用 する 等 ハンセン 病 療 養 所 を 対 象 外 とすること ハンセン 病 療 養 所 においては 入 所 者 の 高 齢 化 認 知 症 の 増 加 や 障 害 の 重 篤 化 等 により いっそうの 人 手 が 必 要 となっている ところが 行 政 改 革 推 進 法 及 び 関 連 閣 議 決 定 は こ の 間 ハンセン 病 療 養 所 にまで 適 用 され その 職 員 定 員 は 年 次 計 画 によって 削 減 され 続 け( 平 成 18 年 度 から 平 成 21 年 度 の 間 に 各 年 87 人 平 成 22 年 度 から 平 成 24 年 度 は 各 年 55 人 ) 新 規 採 用 も 抑 制 されている( 上 記 平 成 24 年 4 月 3 日 行 革 本 部 決 定 によれば 厚 労 省 の 新 規 採 用 者 数 の 削 減 率 は 約 57% 平 成 21 年 度 比 となっている さらに 同 決 定 第 4 項 では 平 成 26 年 度 も 引 き 続 き 厳 しく 抑 制 するとされている) 職 員 の 定 年 退 職 があっても 後 補 充 がされないために 入 所 者 のケア 等 に 必 要 な 職 員 が 足 りない 事 態 も 継 続 的 に 生 じている こうした 影 響 のため 入 所 者 に 対 するケア 等 の 劣 化 は 質 量 ともに 著 し い そもそも 入 所 者 と 家 族 故 郷 との 間 の 関 係 断 絶 の 原 因 はハンセン 病 隔 離 政 策 にほかな らず また ハンセン 病 療 養 所 において かつて 職 員 不 足 を 常 態 とする 運 営 体 制 の 下 国 が 担 うべき 療 養 所 の 業 務 全 般 にわたって 患 者 作 業 に 依 拠 していたことからすれば 基 本 法 第 3 条 1 項 及 び2 項 の 基 本 理 念 に 照 らしても 家 族 と 切 り 離 された 生 活 を 送 り また 過 酷 な 作 業 のゆえに 障 害 を 悪 化 させるなどした 現 在 の 入 所 者 らに 対 するケア 等 の 低 下 は あってはならない また いわゆる 作 業 返 還 以 降 入 所 者 が 担 っていた 業 務 を 国 の 職 員 に 切 り 替 えるに あたって 賃 金 職 員 が 採 用 された 歴 史 的 経 緯 があるため ハンセン 病 療 養 所 では 構 造 的 に 正 規 職 員 ( 定 員 職 員 )が 少 ないが 入 所 者 が 担 っていた 作 業 を 正 規 職 員 の 業 務 としなか ったこと 自 体 差 別 的 であり また 実 際 にも 賃 金 職 員 の 業 務 は 正 規 職 員 と 異 なるところは なく 今 なお 多 数 の 賃 金 職 員 が 残 る 状 況 は 同 一 労 働 同 一 賃 金 の 原 則 に 反 する 差 別 的 状 況 であり かつ 隔 離 政 策 の 残 滓 というべきものである ハンセン 病 療 養 所 における 業 務 においては 入 所 者 の 高 齢 化 認 知 症 の 増 加 に 伴 う 十 分 4
な 対 応 や ハンセン 病 特 有 の 障 害 知 覚 麻 痺 等 への 理 解 経 験 が 必 要 とされるものであり また 入 所 者 と 家 族 等 との 断 絶 に 起 因 して 職 員 は 家 族 的 役 割 をも 果 たしていること さら に 入 所 者 らの 辿 ってきた 人 生 や 療 養 生 活 を 理 解 する 必 要 があること 等 多 くの 特 殊 性 が あるが 近 時 は 構 造 的 に 少 ない 定 員 定 数 がさらに 計 画 により 削 減 されていること 及 び 療 養 所 業 務 の 外 部 委 託 などが 進 められている 結 果 介 護 ケア 等 の 維 持 充 実 が 図 られず むし ろこうした 特 殊 性 を 有 する 業 務 への 習 熟 勤 務 年 数 にも 関 わらず 賃 金 職 員 の 正 規 職 員 への 道 は 険 しいままであり 従 前 からの 不 安 定 な 身 分 差 別 的 待 遇 とも 相 まって 将 来 への 不 安 が 職 員 の 士 気 の 低 下 や 離 職 等 の 問 題 を 生 じさせている こうした 事 態 は 介 護 人 員 の 深 刻 な 低 下 等 入 所 者 の 療 養 生 活 に 深 刻 な 影 響 を 生 じさせ ている 食 事 時 の 介 助 繁 忙 時 の 対 応 夜 間 や 休 日 における 認 知 症 患 者 への 対 応 等 がきわ めて 不 十 分 なため 非 人 間 的 な 扱 いがなされている 事 例 も 指 摘 されている 基 本 法 の 制 定 衆 参 両 院 の 国 立 ハンセン 病 療 養 所 における 療 養 体 制 の 充 実 に 関 する 決 議 ( 衆 議 院 平 成 21 年 7 月 9 日 参 議 院 平 成 22 年 5 月 21 日 いずれも 全 会 一 致 ) 本 協 議 会 における 継 続 的 な 協 議 等 を 受 けて 平 成 24 年 度 予 算 要 求 においては 介 護 体 制 強 化 のための 行 政 職 ( 二 )( 看 護 助 手 )が4 名 確 保 されるなど 厚 生 労 働 省 よる 努 力 がなさ れており 一 定 の 評 価 はできるが なお 上 述 の 問 題 を 解 決 するものとは 言 えない 状 況 であ る また 一 部 の 園 では 看 護 師 の 欠 員 も 続 いており 速 やかに 補 充 される 必 要 がある さらに 上 述 のような 現 場 を 抱 えるハンセン 病 療 養 所 に 公 務 員 の 新 規 採 用 抑 制 を 適 用 することは 理 不 尽 というほかなく 職 場 移 動 が 流 動 的 な 医 師 看 護 師 を 含 め 恒 常 的 に 離 職 があるにもかかわらず 新 規 採 用 が 不 可 能 となれば 療 養 所 運 営 が 立 ち 行 かないことは 明 ら かである 厚 生 労 働 省 において 平 成 25 年 度 はその 実 害 が 生 じないよう 対 応 を 検 討 してい ると 伝 えられているが 平 成 26 年 度 において 同 様 の 対 応 が 可 能 であるか 重 大 な 懸 念 があ る かかる 事 態 は 基 本 法 第 11 条 及 び 衆 参 両 院 の 上 記 決 議 に 照 らし 到 底 容 認 できない よって, 上 記 の 通 り 要 求 する 3 医 師 の 確 保 について 厚 生 労 働 省 は 基 本 法 第 11 条 において 国 の 責 務 として 明 示 的 に 医 師 の 確 保 等 が 定 められていること 等 に 基 づき 医 師 給 与 ( 俸 給 またはそれに 代 わる 諸 手 当 )の 抜 本 的 増 額 当 直 手 当 の 改 善 ( 応 援 当 直 の 確 保 による 常 勤 医 師 の 負 担 軽 減 )を 含 む 国 立 ハンセン 病 療 養 所 の 医 療 サービスの 向 上 に 関 する 研 究 の 提 言 に 示 された 具 体 的 な 医 師 確 保 対 策 を 速 やかに 実 施 されたい 5
13の 療 養 所 の 医 師 定 員 数 は144 名 であるところ 現 員 は126 名 に 留 まり また 多 くの 医 師 は1 日 ないし 数 日 しかハンセン 病 療 養 所 での 診 療 を 行 わないなど 実 際 上 の 常 勤 医 はそれより 一 層 少 なく 社 会 の 中 で 生 活 するのと 遜 色 のない 水 準 の 医 療 にはほど 遠 い 現 状 である なかでも 園 長 副 園 長 となるべき 常 勤 医 の 確 保 は 死 活 問 題 である 他 方 で 近 年 民 間 病 院 はもとより 公 立 病 院 や 独 法 化 した 国 立 病 院 における 医 師 待 遇 と 比 べても ハンセン 病 療 養 所 の 医 師 の 相 対 的 な 医 師 待 遇 の 悪 化 は 著 しい また 園 長 の 当 直 負 担 ( 毎 月 の 当 直 日 数 )も 異 常 に 多 い すでに 平 成 19 年 度 の 協 議 会 において 引 き 続 き 13 療 養 所 における 医 師 の 確 保 に 努 める と 確 認 されていたところであるが 同 年 度 の 国 立 ハンセン 病 療 養 所 所 長 らによる 治 療 研 究 報 告 国 立 ハンセン 病 療 養 所 の 医 療 サービスの 向 上 に 関 する 研 究 ( 研 究 代 表 者 山 内 和 雄 沖 縄 愛 楽 園 園 長 ) においては このような 状 況 に 対 する 対 策 として 医 師 報 酬 の 改 定 地 域 の 実 情 に 見 合 った 診 療 援 助 謝 金 での 当 直 専 門 医 の 活 用 謝 金 増 額 交 通 費 以 外 の 手 当 ての 支 給 国 立 病 院 課 のイニシアチブによる 国 立 病 院 機 構 やナショナルセンター 等 との 人 事 交 流 による 医 師 確 保 出 向 の 仕 組 み 奨 学 資 金 制 度 など 具 体 的 な 提 言 がなされ ていた そして 平 成 21 年 度 協 議 会 では 具 体 的 な 医 師 確 保 対 策 について 検 討 するた めに 全 療 協 厚 生 労 働 省 施 設 長 協 議 会 国 立 病 院 機 構 の 四 者 によって 構 成 される 意 見 交 換 の 場 を 速 やかに 設 ける と 確 認 されていた しかるに 厚 生 労 働 省 は その 後 も 具 体 的 な 医 師 確 保 対 策 として 実 効 性 のある 措 置 を とらず 現 場 の 医 師 不 足 は 解 消 されておらず きわめて 遺 憾 である よって 上 記 の 通 り 要 求 する 第 4 真 相 究 明 1 各 ハンセン 病 療 養 所 にある 歴 史 的 建 造 物 史 跡 等 の 保 存 疾 病 対 策 課 が 作 業 部 会 を 設 置 してすすめている 歴 史 的 建 造 物 等 保 存 事 業 ( 以 下 本 事 業 という)については 平 成 23 年 度 の 協 議 会 確 認 事 項 において 建 築 史 的 価 値 がなくあるいは 乏 しいものであっても ハンセン 病 政 策 の 歴 史 実 態 を 伝 える 建 造 物 史 跡 等 であれば 本 事 業 の 対 象 とし それぞれの 保 存 復 元 の 可 能 性 について 作 業 部 会 で 検 討 評 価 する また 同 検 討 評 価 に 際 しては 各 ハンセン 病 療 養 所 と 自 治 会 の 意 見 を 拝 聴 した 上 で 決 める と 合 意 された しかしながら 平 成 23 年 度 においては 同 作 業 部 会 は 一 度 も 開 催 さ れず 本 事 業 は 今 日 まで 中 断 している (1) 協 議 会 合 意 を 放 置 することは 許 されない 平 成 24 年 度 においては 上 記 6
確 認 事 項 に 従 い 本 事 業 の 進 展 をはかることを 確 約 されたい (2) 前 項 に 関 し 平 成 24 年 度 における 評 価 検 討 並 びに 意 見 聴 取 の 具 体 的 ス ケジュールを 示 されたい また 同 事 業 につき 専 門 家 へのコンサルティン グを 含 む 必 要 経 費 を 本 年 度 予 算 で 確 保 していること( 平 成 23 年 度 確 認 事 項 )を 改 めて 示 されたい 2 重 監 房 復 元 ( 再 現 ) 事 業 (1) 重 監 房 再 現 展 示 施 設 の 内 容 及 び 跡 地 の 保 存 並 びに 同 施 設 の 運 営 方 法 に 関 す る 計 画 については 重 監 房 ワーキンググループにおける 合 意 により 策 定 することを 改 めて 確 認 されたい (2) 再 現 展 示 施 設 について 平 成 24 年 度 における 建 築 着 工 のスケジュールを 明 示 されたい また 跡 地 永 久 保 存 に 関 する 関 係 者 調 整 と 保 存 工 事 に 関 する 平 成 24 年 度 の 計 画 を 示 されたい (3) 再 現 展 示 施 設 及 び 跡 地 の 維 持 管 理 等 については 国 の 責 任 で 行 い その 運 営 につき 学 芸 員 の 新 たな 増 員 を 含 む 人 的 体 制 を 整 備 されたい 3 学 芸 員 の 地 位 の 安 定 化 国 立 ハンセン 病 資 料 館 長 島 愛 生 園 歴 史 館 菊 池 恵 楓 園 社 会 交 流 会 館 に 勤 務 する 学 芸 員 の 活 動 が 将 来 にわたって 安 定 的 に 実 現 されるよう 学 芸 員 の 単 年 度 雇 用 体 制 を 見 直 し 年 度 を 超 えた 継 続 的 雇 用 体 制 を 検 討 されたい 4 再 発 防 止 検 討 会 の 提 言 実 行 ハンセン 病 問 題 に 関 する 検 証 会 議 の 提 言 に 基 づく 再 発 防 止 検 討 会 の 最 終 報 告 書 の 提 言 を 尊 重 し 患 者 の 権 利 条 項 をもつ 医 療 基 本 法 を 制 定 させるため に 厚 生 労 働 省 として 最 大 限 の 努 力 をすることを 改 めて 約 束 されたい また その 制 定 を 目 指 して 現 在 どのような 取 り 組 みを 行 っているのか 今 後 の 見 通 しについても 説 明 されたい 5 菊 池 の 医 療 刑 務 所 の 保 存 について 菊 池 恵 楓 園 に 隣 接 する 医 療 刑 務 所 跡 ( 旧 熊 本 刑 務 所 菊 池 医 療 刑 務 支 所 )は 1953 年 にハンセン 病 患 者 専 用 の 刑 務 所 として 開 設 され 1986 年 に 建 て 替 えられたが らい 予 防 法 廃 止 に 伴 い1997 年 に 廃 止 され 当 時 の 建 物 が 現 在 も 残 されている 所 管 はすでに 財 務 局 に 移 されており 2008 年 に 公 売 の 7
対 象 として 公 示 されたが 菊 池 恵 楓 園 入 所 者 自 治 会 等 の 要 請 により 公 売 は 中 止 となった 同 建 物 は 誤 ったらい 予 防 法 に 基 づく 人 権 侵 害 の 歴 史 を 伝 えるも のであり 他 の 厚 生 労 働 省 所 管 の 歴 史 的 建 造 物 と 同 様 に ハンセン 病 問 題 の 啓 発 に 資 する 重 要 な 役 割 がある 従 って 厚 生 労 働 省 は 同 医 療 刑 務 所 跡 の 保 存 の 意 義 を 認 め これを 実 現 すべく 関 係 各 省 との 調 整 に 取 り 組 まれたい 第 5 将 来 構 想 1 全 般 的 な 問 題 として (1)ハンセン 病 療 養 所 の 将 来 構 想 の 大 前 提 は 入 所 者 がたとえ 一 人 となっても 医 療 施 設 としての 存 続 を 図 るということである この 大 前 提 を 可 能 にするためには 現 時 点 で 療 養 所 を 地 域 住 民 の 利 用 しう る 医 療 施 設 として 開 放 し その 充 実 化 を 図 っていくことが 必 要 不 可 欠 である 既 に 国 立 病 院 課 では 療 養 所 の 医 療 を 地 域 に 開 放 するための 条 件 とし 1 入 所 者 自 治 会 からの 要 請 2 地 元 医 師 会 の 同 意 3 人 員 等 の 確 保 による 入 所 者 医 療 への 支 障 のないこと 4 予 算 の 確 保 の4 項 目 を 明 らかにしているが 各 療 養 所 に その 趣 旨 が 徹 底 されていないように 思 われ これらの 項 目 を 充 足 しうると 思 われる 療 養 所 において その 実 施 に 向 けての 努 力 が 開 始 されて いない 状 況 にある そこで 改 めて 各 療 養 所 に 対 し 4 項 目 を 明 示 したうえで 療 養 所 医 療 の 地 域 開 放 の 実 現 に 向 けて 努 力 するよう 指 導 していただきたい (2) 療 養 所 の 将 来 構 想 を 実 効 性 のあるものとするためには 入 所 者 が 不 在 とな った 後 にも 療 養 所 を 存 続 させていくという 方 向 性 を 明 確 にしていく 必 要 が ある そのために 納 骨 堂 の 他 に 資 料 室 旧 監 禁 室 旧 火 葬 場 をはじめとす る 療 養 所 諸 施 設 の 永 続 化 を 検 討 する 委 員 会 を 早 急 に 立 上 げていただきたい なお 委 員 会 のメンバーとしては 統 一 交 渉 団 の 代 表 の 外 に 施 設 長 協 議 会 の 代 表 学 識 経 験 者 をも 加 えるべきである 2 個 別 の 課 題 として (1) 将 来 構 想 が 策 定 されていない 療 養 所 の 将 来 構 想 について 厚 生 労 働 省 とし てどのように 対 処 していく 方 針 であるのかを 明 らかにしていただきたい (2) 星 塚 敬 愛 園 から 提 出 された 家 族 入 所 制 度 についての 見 解 を 明 らかにされた い 8
9 以 上