証券監督者国際機構(IOSCO)第41回年次総会の模様について



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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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定款  変更

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●電力自由化推進法案

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

PowerPoint プレゼンテーション


った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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Microsoft Word 行革PF法案-0概要

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16 日本学生支援機構

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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一般競争入札について

m07 北見工業大学 様式①

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

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( 会 員 資 格 の 取 得 ) 第 6 条 本 会 の 会 員 になろうとする 者 は 別 に 定 める 入 会 届 により 申 し 込 みを し 理 事 会 の 承 認 を 得 なければならない ( 会 員 の 権 利 義 務 ) 第 7 条 会 員 は 本 会 の 事 業 活 動 につき そ


平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

資 料 年 オリンピック パラリンピック 東 京 大 会 における ホストシティ タウン 構 想 (イメージ) 1. 趣 旨 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2014( 平 成 26 年 6 月 24 日 閣 議 決 定 )を 踏 まえ 2020 年 オリン

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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厚 生 年 金 基 金 制 度 の 概 要 公 的 年 金 たる 厚 生 年 金 の 一 部 を 国 に 代 わって 支 給 ( 代 行 給 付 )しており 当 該 支 給 を 行 うための 費 用 として 事 業 主 から 保 険 料 を 徴 収 している 加 えて 各 基 金 ごとに 上 乗 せ

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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平成24年度 業務概況書

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

弁護士報酬規定(抜粋)


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1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

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参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

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< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

資料 厚生年金基金の今後の方向性について.PDF

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第 3 章 会 員 ( 会 員 の 資 格 ) 第 5 条 協 会 の 会 員 は 協 会 の 目 的 に 賛 同 して 入 会 した 次 の 各 号 に 掲 げる 者 とする (1) 軽 種 馬 を 生 産 する 者 (2) 軽 種 馬 を 育 成 する 者 (3) 馬 主 (4) 調 教 師 (

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募集新株予約権(有償ストック・オプション)の発行に関するお知らせ

Transcription:

証 券 監 督 者 国 際 機 構 (IOSCO) 第 41 回 年 次 総 会 の 模 様 について 日 証 協 平 成 28 年 5 月 8 日 ~12 日 <IOSCO 年 次 総 会 の 概 要 > 証 券 監 督 者 国 際 機 構 (IOSCO)の 第 41 回 年 次 総 会 が5 月 8 日 ( 日 )~12 日 ( 木 )の 間 ペルー リマにおいて 開 催 された IOSCO は 我 が 国 の 金 融 庁 や 米 国 証 券 取 引 委 員 会 (SEC) など 各 国 の 規 制 当 局 を 中 心 に 構 成 されている 国 際 組 織 であり 主 に 規 制 当 局 の 意 見 交 換 の 場 として 機 能 しているが より 幅 広 く 市 場 参 加 者 の 見 識 意 見 を 取 り 入 れ 国 際 的 に 調 和 のとれた 包 括 的 な 証 券 市 場 の 規 制 を 維 持 発 展 させていく 観 点 から 本 協 会 のよ うな 証 券 業 協 会 や 日 本 取 引 所 などの 各 国 の 自 主 規 制 機 関 等 も 協 力 会 員 としてこの 機 構 に 参 加 している( 参 考 参 照 ) IOSCO の 年 次 総 会 は 各 国 が 持 ち 回 りで 開 催 している 年 次 総 会 では 代 表 委 員 会 代 表 理 事 会 新 興 市 場 委 員 会 協 力 会 員 諮 問 委 員 会 等 が それぞれの 構 成 メンバーを 集 めて 開 催 されるほか メンバー 以 外 の 一 般 参 加 者 も 対 象 にした 公 開 セッションも 催 される 本 年 の 年 次 総 会 には 約 80 の 国 地 域 から 約 500 名 が 参 加 した 今 回 の 総 会 における 主 な 成 果 と 今 後 の 課 題 並 びに 本 協 会 がメンバーとなっている 協 力 会 員 諮 問 委 員 会 (AMCC) 等 における 主 な 協 議 事 項 は 以 下 のとおりである < 今 回 の 総 会 における 主 な 成 果 と 今 後 の 課 題 > 今 回 の 総 会 では 昨 年 採 択 された IOSCO の 2020 年 戦 略 計 画 等 に 基 づき 証 券 市 場 の 透 明 性 と 投 資 者 の 信 頼 を 確 保 し システミックリスクを 軽 減 しながら 経 済 成 長 を 促 す 証 券 規 制 のあるべき 姿 に 主 眼 を 置 き ホールセール 市 場 における 行 動 規 範 やリテール 投 資 家 保 護 投 資 家 教 育 などの 各 政 策 課 題 のほか 新 たな 金 融 技 術 (FinTech)の 可 能 性 と 課 題 など 新 興 リスクへの 取 組 みについても 話 し 合 われた 上 記 以 外 にも 証 券 の 発 行 体 に 対 する 監 査 の 質 の 向 上 証 券 規 制 当 局 が 入 手 するデータの 質 の 向 上 中 小 企 業 (SMEs)の 資 金 調 達 の 促 進 各 地 の 資 本 市 場 統 合 の 動 向 課 題 等 が 話 題 となった また 研 修 のための 地 域 拠 点 の 開 設 新 興 市 場 向 けのオンライン 研 修 プログラム グロ ーバル サーティフィケーション プログラムなどメンバーのキャパシティ ビルディング に 一 層 注 力 していく 旨 が 報 告 された 当 局 間 の 協 力 情 報 交 換 のための 多 国 間 覚 書 (MMOU) に 調 印 した 当 局 は 109 に 達 し 当 該 協 力 情 報 交 換 の 内 容 を 更 に 拡 充 する 拡 大 多 国 間 覚 書 (EMMOU)が 了 承 された 旨 も 報 告 された 1

1) 協 力 会 員 諮 問 委 員 会 (AMCC) 年 次 会 合 における 主 な 議 論 の 概 要 歓 迎 の 辞 (AMCC 議 長 主 催 者 ) Mr. José Carlos Doherty, AMCC 議 長 ; ブラジル 金 融 資 本 市 場 協 会 (ANBIMA) CEO この 度 AMCC 議 長 に 再 選 ( 任 期 2 年 )されたことを 感 謝 する 今 後 2 年 間 AMCC と してより 一 層 IOSCO の 戦 略 的 取 組 みに 沿 う 形 で 貢 献 関 与 を 強 めていくので 引 き 続 きメ ンバーの 協 力 支 援 をお 願 いする Ms. Lilian Rocca, ペルー 証 券 市 場 監 督 庁 (SMV) 長 官 SMV は ペルーの 証 券 市 場 の 発 展 に 主 導 的 な 役 割 を 果 たしている AMCC は 証 券 規 制 当 局 と 自 主 規 制 機 関 市 場 インフラ 機 関 を 始 めとする 市 場 関 係 者 が 協 力 して IOSCO の 戦 略 事 項 を 成 功 裡 に 実 施 していくために 必 要 な 枠 組 みであり AMCC による 支 援 は 証 券 市 場 の 発 展 に 欠 かせないと 考 えている AMCC 新 メンバーの 紹 介 グローバル 金 融 市 場 協 会 (GFMA) ナイジェリア 中 央 証 券 クリアリングシステム(CSCS) IOSCO の 優 先 課 題 : IOSCO リーダシップと AMCC メンバーとの 対 話 Mr. Greg Medcraft, IOSCO 代 表 理 事 会 議 長 ; オーストラリア 証 券 投 資 委 員 会 (ASIC) Chairman Mr. Ranjit Ajit Singh, IOSCO 代 表 理 事 会 副 議 長 ; 成 長 新 興 市 場 委 員 会 (GEMC) 議 長 ; マレーシア 証 券 委 員 会 (SC) Chair Mr. Paul Andrews, IOSCO 事 務 局 長 IOSCO は 証 券 市 場 の 国 際 基 準 設 定 主 体 として 市 場 の 透 明 性 と 投 資 者 の 信 頼 を 確 保 し システミックリスクを 軽 減 しながら 経 済 成 長 を 支 援 していく そのための3つの 重 要 な 活 動 として 1 証 券 市 場 の 潜 在 的 リスクの 特 定 2 メンバーのキャパシティ 向 上 3 メンバーの 意 見 を 踏 まえた 金 融 安 定 理 事 会 (FSB) 等 との 調 整 を 行 ってきた これらの 活 動 を 着 実 に 遂 行 していくため 今 後 も AMCC メンバーと 密 接 に 協 働 していきたい また 昨 年 はリスク アセスメントに 注 力 し FinTech 分 野 など 新 たな 課 題 を 特 定 したが IOSCO 固 有 の 強 みとして 改 めて 証 券 規 制 当 局 と 市 場 の 実 務 家 が 課 題 を 共 有 して 解 決 策 を 検 討 することの 有 用 性 を 感 じている 今 後 も IOSCO の 各 政 策 課 題 に 対 する AMCC の 協 力 を 期 待 している 2

サイバーセキュリティの 最 近 の 進 展 と 今 後 の 課 題 Mr. Kenneth E. Bentsen, Jr., グローバル 金 融 市 場 協 会 (GFMA) CEO, 米 国 証 券 業 金 融 市 場 協 会 (SIFMA) President and CEO SIFMA では 1 共 通 の 業 界 基 準 の 策 定 2 米 国 政 府 (SEC CFTC 財 務 省 )に 対 する 提 言 3 金 融 機 関 の 委 託 先 リスクの 十 分 な 評 価 手 続 きの 確 立 4 サイバー 攻 撃 演 習 (Quantum Dawn Ⅰ~Ⅲ 及 び 年 次 の 業 界 テスト)を 通 じた 各 メンバーの 取 組 み 支 援 5 官 民 の 連 携 促 進 と 共 通 のガイダンス 策 定 6 2015 年 に 成 立 したサイバーセキュリティ 情 報 共 有 法 (CISA)を 踏 まえた 米 金 融 サービス 情 報 共 有 分 析 センター(FS-ISAC)の 支 援 と 情 報 交 換 の 促 進 等 の 取 組 みを 進 めている 今 後 サイバーセキュリティを 適 切 に 確 保 していくためには 官 民 の 連 携 に 加 え グローバ ルな 規 制 の 調 和 がますます 重 要 となる また 外 部 機 関 によるペネトレーションテストを 通 じて 各 金 融 機 関 が 新 たな 脅 威 に 対 応 できているかを 継 続 的 に 確 認 していくことも 重 要 であ る 第 3 常 設 委 員 会 (C3)の 検 討 状 況 Mr. Stephen Po, 第 3 常 設 委 員 会 委 員 長 ; 香 港 証 券 先 物 委 員 会 (SFC) Senior Director and Head of Intermediaries Supervision 第 3 常 設 委 員 会 ( 市 場 仲 介 者 を 所 管 )には AMCC から 米 金 融 取 引 業 規 制 機 構 (FINRA) 及 びカナダ 投 資 業 規 制 機 構 (IIROC)がそれぞれメンバー オブザーバーとなっており AMCC とも 密 接 に 連 携 している 最 近 の 取 組 みとしては 昨 年 クラウドファンディングに 関 し ファンディングポータルの 登 録 提 供 サービス 資 金 調 達 規 模 の 限 定 など 各 国 におけ る 証 券 規 制 上 の 対 応 等 を 取 りまとめたレポートを 公 表 した また IOSCO メンバーのキャ パシティ ビルディングに 関 する 取 組 みの 一 環 として リスクベース アプローチによる 実 地 監 査 オフサイトモニタリングに 関 するオンラインツールキットを 作 成 した 現 在 は リテール 向 け OTC レバレッジ 商 品 (マージン 取 引 バイナリーオプション 取 引 など)について 外 部 委 託 を 含 む 金 融 機 関 のリスクマネジメントのあり 方 リテール 投 資 家 に 提 供 すべき 情 報 等 について 検 討 を 進 めている また 自 動 アドバイス(ロボ アドバイザ ー) 機 能 について C3 メンバーからのフィードバックを 基 に 各 国 における 現 状 把 握 を 進 め るほか ブローカーが 受 領 する 注 文 に 係 る 手 数 料 (order incentive)について 利 益 相 反 に どのように 取 り 組 んでいくべきかを 検 討 していく 第 2 常 設 委 員 会 (C2)の 検 討 状 況 Ms. Susanne Bergstraesser, 第 2 常 設 委 員 会 委 員 長 ; ドイツ 連 邦 金 融 監 督 庁 (Bafin) Director 第 2 常 設 委 員 会 ( 流 通 市 場 を 所 管 )では 様 々な 要 因 による 株 式 市 場 の 急 激 なボラティリ ティの 拡 大 を 踏 まえ サーキットブレーカーのあり 方 について 検 討 を 行 っている また 社 3

債 市 場 については C2 メンバーからフィードバックを 受 けた 流 動 性 に 関 する 情 報 を 基 に 比 較 分 析 を 進 めている 社 債 市 場 は 最 近 10 年 間 で 規 模 を 大 きく 拡 大 しており 米 国 カナ ダでは 価 格 の 透 明 性 を 確 保 するシステムが 導 入 され 欧 州 の MiFID2 でも 今 後 同 様 のシステ ムの 構 築 が 想 定 されている このような 動 きも 踏 まえ 金 融 技 術 革 新 を 活 用 し 例 えば 電 子 的 な 取 引 プラットフォームの 構 築 を 通 じた 透 明 性 確 保 のあり 方 など 社 債 市 場 をより 成 熟 さ せ いかに 流 動 性 の 提 供 者 を 確 保 していくかという 視 点 でも 検 討 を 行 っている サーキットブレーカーに 関 する 今 後 の 課 題 司 会 :Ms. Nandini Sukumar, 国 際 取 引 所 連 合 (WFE) CEO Ms. Kristina Combe, 香 港 取 引 所 クリアリング, Head of Regulatory and Government Affairs Ms. Susanne Bergstraesser, 第 2 常 設 委 員 会 委 員 長 ; ドイツ 連 邦 金 融 監 督 庁 (Bafin) Director Mr. Andrew Kriegler, カナダ 投 資 業 規 制 機 構 (IIROC) President and CEO 昨 今 各 市 場 におけるボラティリティの 急 激 な 拡 大 に 対 応 するサーキットブレーカーのあ り 方 について 議 論 が 高 まっている 過 去 に 第 2 常 設 委 員 会 (C2)における 議 論 の 取 りまとめ では 各 市 場 の 裁 量 に 委 ねるべきであるとされてきたが フラッシュクラッシュを 経 て 少 なくとも 最 低 限 のコントロール メカニズムを 持 つべきであるとの 認 識 が 醸 成 されつつある そのためには 証 券 規 制 当 局 と 市 場 インフラ 機 関 が 協 働 し グローバルレベルでのガイダン スの 策 定 が 有 用 だと 考 えられる 一 方 で 取 引 所 の 価 格 発 見 機 能 を 損 なうことのないようバ ランスの 確 保 が 重 要 であり 同 等 な 効 果 が 発 揮 されるのであれば 異 なる 市 場 において 異 な るアプローチも 許 容 されるべきである そうした 意 味 では 当 初 のガイダンスは ツールキ ット として 位 置 付 けられることが 望 ましいのではないか また PTS の 台 頭 など 各 地 で 市 場 のフラグメンテーションが 進 んでいる 状 況 を 踏 まえ 関 連 する 複 数 の 市 場 で 適 切 な 協 調 が 図 られる 必 要 がある FinTech : 個 人 投 資 家 向 けサービスへの FinTech の 活 用 と 課 題 司 会 :Ms. Karen Wuertz, AMCC FinTech タスクフォース 議 長 ; 全 米 先 物 協 会 (NFA) Senior Vice-President Mr. Noel Maye, フィナンシャル プランニング スタンダーズ ボード CEO Mr. Luciano Tavares, Magnetis 社 創 設 者 Mr. José Alexandre Vasco, 第 8 常 設 委 員 会 (リテール 投 資 家 を 所 管 ) 委 員 長 ; ブラジル 証 券 取 引 委 員 会 (CVM) Director 個 人 投 資 家 向 けの FinTech として 主 に 自 動 アドバイス 機 能 の 可 能 性 と 課 題 に 対 して 規 制 機 関 がどのような 役 割 を 果 たし 得 るのかについて 関 心 が 高 まりつつある 本 分 野 における ブラジルの 先 端 企 業 (Magnetis 社 )では アルゴリズムに 基 づき 投 資 家 のポートフォリオ を 組 み その 後 各 投 資 家 の 目 的 に 向 けてタイムリーにリバランスのアドバイスも 行 っている 4

これにより 特 に 資 産 的 に 余 裕 のない 若 年 層 が 安 価 で 適 切 なアドバイスを 受 けながら 長 期 の 資 産 形 成 を 行 っていくことが 可 能 となる 一 方 で 自 動 アドバイス 機 能 については 市 場 がまだ 成 熟 しておらず 同 じプロファイリン グでも 業 者 によって 推 奨 するポートフォリオに 大 きな 差 が 出 るケースや 不 適 切 なアドバイ スを 監 視 するためのガバナンス 監 督 機 能 が 整 備 されていない 利 用 する 投 資 家 の 理 解 が 追 い 付 いていないなどの 課 題 が 残 されている ブラジル 証 券 取 引 委 員 会 (CVM)としては 早 期 採 用 者 (early adopter)を 支 援 することに 前 向 きではあるものの 投 資 家 の 証 券 取 引 へ の 信 頼 を 損 ねる 結 果 を 招 かないよう 注 視 していくことが 重 要 であり 革 新 的 な 商 品 やサービ スを 提 供 しようとする 場 合 には 最 初 は 限 定 的 な 範 囲 でテストを 認 めるなど 投 資 家 の 不 信 感 を 招 かないように 市 場 を 育 てていくアプローチ(Sandbox Approach)もあり 得 る Fintech : ブロックチェーン 技 術 の 可 能 性 と 課 題 司 会 :Ms. Nandini Sukumar, AMCC FinTech タスクフォース WS2 議 長 ; 国 際 取 引 所 連 合 (WFE) CEO Mr. Steven Bardy, オーストラリア 証 券 投 資 委 員 会 (ASIC) Senior Executive Leader International Strategy Mr. Scott O Malia, 国 際 スワップ デリバティブ 協 会 (ISDA) CEO Ms. Jennifer Peve, 米 証 券 保 管 振 替 機 関 (DTCC) Strategy & Business Development, Executive Director 分 散 型 元 帳 技 術 (DLT)については オーストラリア 証 券 委 員 会 (ASIC)としても 証 券 取 引 及 び 取 引 後 の 処 理 において 無 視 できない 状 況 になりつつあり リアルタイムに 取 引 を 管 理 できるのか データを 適 切 に 保 持 できるのか 等 について 注 視 している ISDA では OTC デリバティブ 取 引 の 契 約 締 結 に 際 し スマートコントラクト( 契 約 の 内 容 及 び 権 限 管 理 をブ ロックチェーンシステムに 組 み 込 んだもの)として 活 用 することに 可 能 性 を 見 出 している DTCC では DLT は 将 来 的 には 金 融 機 関 のオペレーションを 大 きく 変 え インフラコスト を 低 減 させるものと 認 識 しているが 現 段 階 ではレポ 取 引 へのスマートコントラクトの 活 用 が 想 定 される OTC デリバティブ 取 引 レポ 取 引 のいずれにおいても ブロックチェーンの 情 報 を 共 有 する 第 三 者 の 適 切 な 関 与 担 保 管 理 の 実 務 等 が 課 題 となるが DLT により 取 引 の 透 明 性 が 高 まり コストを 低 減 させるなど 今 の 技 術 では 得 られない 果 実 があり 今 後 の 標 準 化 プロセ スが 加 速 することが 期 待 される デリバティブ 市 場 改 革 の 達 成 に 向 けて Mr. Scott O Malia, 国 際 スワップ デリバティブ 協 会 (ISDA) CEO OTC デリバティブ 市 場 改 革 は G20 の 要 請 を 踏 まえてこれまで 様 々な 取 組 みが 進 捗 を 見 せている 1 中 央 清 算 機 関 (CCP)への 集 中 義 務 については 既 に 世 界 の 70% 超 の 取 引 が CCP を 通 じて 清 算 されている 2 取 引 情 報 蓄 積 機 関 (TR)への 報 告 義 務 については 20 5

を 超 える 法 域 で 報 告 の 枠 組 みがスタートした 3 電 子 取 引 基 盤 (SEF)の 使 用 義 務 につい ては 現 在 米 国 の 50~60%の 取 引 は SEF を 通 じて 執 行 されている 4 中 央 清 算 を 利 用 し ない 取 引 の 証 拠 金 規 制 については 2016 年 9 月 から 施 行 が 予 定 されている OTC デリバティブ 取 引 はその 多 くがグローバルに 取 引 されており 市 場 の 分 断 は 流 動 性 の 枯 渇 や 取 引 コストの 増 加 を 招 き エンドユーザーが 代 償 を 払 うこととなる 様 々な 分 野 に おいて 今 後 より 一 層 国 際 的 な 調 和 が 図 られることを 期 待 する Ahead of The Curve ワーキング グループ(ATC WG) 司 会 : 石 倉 宏 一, AMCC ATC WG 議 長, 日 本 証 券 業 協 会 執 行 役 政 策 本 部 共 同 本 部 長 Mr. Nehal Vora, ボンベイ 証 券 取 引 所 (BSE) Chief Regulatory Officer Mr. Kwon Hyuk Joon, 韓 国 取 引 所 (KRX) Head of Cyber Market Surveillance Team 宮 野 満 氏, 日 本 取 引 所 自 主 規 制 法 人 売 買 審 査 部 国 際 審 査 室 Senior Manager Ms. Karen Wuertz, 全 米 先 物 協 会 (NFA) Strategy and Planning, Senior Vice-President 宮 原 史 明, 日 本 証 券 業 協 会 国 際 部 長 AMCC メンバー 機 関 がそれぞれの 法 域 で 直 面 する 最 近 の 規 制 上 の 課 題 及 び 取 組 みについて 報 告 し 情 報 意 見 交 換 を 行 った インド 取 引 所 市 場 におけるクロス 取 引 を 巡 る 新 たな 規 制 上 場 企 業 のコーポレート ガバ ナンス 向 上 に 向 けた 取 組 み 適 切 な 第 三 者 割 当 の 実 施 に 向 けた 取 組 み 韓 国 取 引 所 における 非 定 型 情 報 の 分 析 を 用 い た 新 たな 市 場 監 視 の 推 進 日 本 取 引 所 における 市 場 横 断 的 な 相 場 操 縦 の 特 定 事 例 及 び 市 場 監 視 活 動 米 国 CFTC におけるアルゴリズム 取 引 に 対 する 新 規 制 案 及 び 今 後 の 方 向 性 日 本 の 証 券 市 場 におけるレセプト 債 を 巡 る 事 件 の 概 要 と 今 後 の 課 題 等 エマージング リスク 委 員 会 (CER)の 作 業 計 画 Ms. Jennifer Marietta-Westberg, エマージング リスク 委 員 会 (CER) 委 員 長 ; 米 国 証 券 取 引 委 員 会 (SEC) Deputy Director and Deputy Chief Economist CER では 以 下 の 5 つの 取 組 み(WS)を 進 めており FinTech 関 連 については AMCC の 貢 献 も 期 待 している 1 証 券 市 場 を 巡 る FinTech( 株 式 型 クラウドファンディング ファイナンシング プラ ットフォーム ロボ アドバイザーなど)に 関 するグローバルレベルでのトレンド 規 制 の 状 況 等 をレポートに 取 りまとめる 2 分 散 型 元 帳 技 術 (DLT)ついて 活 用 状 況 と 可 能 性 規 制 の 状 況 等 をレポートに 取 りまとめる 3 証 券 規 制 当 局 によるアセットマネジメントに 6

関 するデータ 収 集 の 状 況 を 調 査 し リスク 把 握 のために 十 分 なデータが 収 集 できているかを 確 認 する 4 年 に 一 度 証 券 規 制 当 局 の 収 集 データを 持 ち 寄 り クロスボーダーでの 潜 在 的 なリスクに 繋 がるギャップが 生 じていないかを 検 証 する 5 年 に 一 度 IOSCO のリサー チ 部 門 と 連 携 し 証 券 市 場 の 主 なリスク 分 野 を 特 定 するための リスク アウトルック の 作 成 を 支 援 する IOSCO コンダクトリスク タスクフォースの 検 討 状 況 Mr. Ashley Alder, IOSCO 代 表 理 事 会 副 議 長 ; IOSCO コンダクトリスクタスクフォース 議 長 ; 香 港 証 券 先 物 委 員 会 (SFC) CEO 本 TF では 英 国 の LIBOR 問 題 を 契 機 とする ホールセール 市 場 のトレーディングデス クなど 個 人 レベルのミスコンダクト( 不 適 切 な 行 為 )の 問 題 に 取 り 組 んでいる 昨 年 末 から 具 体 的 な 作 業 をキックオフしており 1 IOSCO の 原 則 やレコメンデーションのうち これ まで 必 ずしもホールセール 市 場 を 念 頭 に 置 いていなかったものでも 適 用 すべきものがある かの 洗 い 出 し 2 個 人 のコンダクトを 向 上 させるための TF メンバー 各 国 規 制 当 局 の 取 組 みの 集 約 を 進 めている 今 後 の 成 果 物 としては 各 国 で 利 用 可 能 なツールキットとして 年 末 に 向 けてホールセール 市 場 におけるプリンシプルの 策 定 を 予 定 している なお 本 件 は 金 融 安 定 理 事 会 (FSB)の 取 組 みと 重 複 する 分 野 であるが FSB のマクロ プルーデンスなアプローチだけでは 不 十 分 であり 証 券 規 制 当 局 の 視 点 が 取 り 込 まれるよう 対 話 を 続 けていく 2016 2017 年 の AMCC の 戦 略 及 び 作 業 計 画 Mr. José Carlos Doherty, AMCC 議 長 ; ブラジル 金 融 資 本 市 場 協 会 (ANBIMA) CEO AMCC メンバーを 対 象 としたアンケート 結 果 を 踏 まえ 今 後 2 年 間 の 活 動 方 針 として より IOSCO の 各 政 策 委 員 会 個 別 の 証 券 規 制 当 局 との 関 係 を 緊 密 にし IOSCO の 戦 略 的 取 組 みへの AMCC の 関 与 を 強 めていく 昨 今 AMCC 議 長 の 役 割 業 務 が 拡 大 傾 向 にあることを 踏 まえ 議 長 を 補 佐 するための 副 議 長 職 を 新 設 し 同 職 に は Ms. Karen Wuertz, 全 米 先 物 協 会 (NFA) Senior Vice-President が 就 任 することについて 参 加 メンバーの 了 承 を 得 た 2) 規 制 ワークショップにおける 主 なポイント FinTech 及 びイノベーションハブに 関 するワークショップ 司 会 :Mr. Peter Salmon, ICI グローバル, Senior Director of Operations and Technology Mr. Nehal Vora, インドボンベイ 証 券 取 引 所 (BSE) Chief Regulatory Officer Ms. Karen Wuertz, 全 米 先 物 協 会 (NFA) Strategy and Planning, Senior Vice-President Ms. Rosemary Wang, 台 湾 金 融 監 督 管 理 委 員 会 (FSC), 7

Securities and Futures Bureau, Deputy Director Ms. Anna Wallace, 英 国 金 融 行 為 規 制 機 構 (FCA) Head of UK Innovation Hub 投 資 家 保 護 を 図 りながら FinTech 産 業 を 育 成 していくためには 規 制 当 局 の 適 切 な 関 与 が 必 要 である 関 与 の 方 法 としては 技 術 革 新 のスピードに 柔 軟 に 対 応 していくため 基 本 的 にはプリンシプル ベースのアプローチが 望 ましく 業 界 との 対 話 を 重 ねながら 障 害 を 取 り 除 いていくことが 重 要 である また 投 資 者 保 護 市 場 の 公 正 性 確 保 に 加 えて 顧 客 のプライ バシー 保 護 (サイバー セキュリティ)の 問 題 についても 配 慮 が 必 要 であり 投 資 者 教 育 の 分 野 でも 知 識 の 向 上 が 図 られるべきである 各 国 の 取 組 みとして 英 国 FCA では FinTech ビジネスサポートユニットを 通 じて 規 制 上 不 明 瞭 な 点 があれば 積 極 的 に 明 確 化 を 図 るなど 英 国 の FinTech 企 業 の 競 争 力 強 化 のた めの 取 組 みを 進 めている また 本 年 5 月 から 特 定 のセーフガードの 範 囲 内 で 規 制 を 緩 和 し 民 間 が 新 たな FinTech サービスを 実 際 にテストできる 枠 組 みをスタートした 台 湾 FSC で は 昨 年 9 月 に FinTech オフィスを 開 設 し 金 融 業 界 からの 資 金 提 供 を 受 けて FinTech Development Fund を 立 ち 上 げた インド BSE では モディ 政 権 の 方 針 に 基 づき FinTech を 活 用 してローデータを 自 動 的 にソーシャルメディア 上 のビジュアル レポートに 構 成 する システムの 構 築 などを 進 めている 監 査 の 質 に 関 するワークショップ 司 会 :Mr. Gerben Everts, IOSCO Audit Quality Task Force 議 長 ; Monitoring Group 議 長 Ms. Joanna Cound, ブラックロック Head of Government Affairs and Public Policy- Europe Ms. Maria Helena Pettersson, Independent Consultant and Board Member Mr. Glenn Fagan, カナダ 公 共 会 計 責 任 委 員 会 (CPAB) 副 委 員 長 監 査 監 督 機 関 国 際 フォーラム(IFIAR)の 最 近 の 調 査 では 多 くの 発 行 体 で 内 部 統 制 等 に 対 する 監 査 が 不 十 分 であるとのレポートがなされており 監 査 人 が 非 財 務 情 報 としてのコー ポレート ガバナンス 等 に 対 してどのような 機 能 を 果 たし 投 資 家 の 信 頼 を 確 保 していくか について 十 分 な 議 論 が 必 要 である 監 査 人 が 適 切 に 業 務 を 遂 行 し それに 対 する 投 資 者 の 信 頼 を 確 保 するためには 透 明 性 の 確 保 と 利 益 相 反 の 回 避 が 重 要 であり そのために 証 券 規 制 当 局 と 監 査 人 の 規 制 監 督 当 局 は 連 携 を 強 めていく 必 要 がある また 近 年 では 資 産 運 用 会 社 が 受 託 者 責 任 を 果 たす 観 点 から 投 資 先 企 業 の 監 査 人 の 交 代 を 求 めたり 監 査 人 と 発 行 体 の 利 益 相 反 独 立 性 をチェックするな ど 監 査 の 質 の 向 上 に 重 要 な 役 割 を 果 たしている データの 質 に 関 するワークショップ 司 会 :Dr. Jennifer Marietta-Westberg, IOSCO エマージング リスク 委 員 会 委 員 長 Mr. Srinivas Bangarbale, 米 国 商 品 先 物 取 引 委 員 会 (CFTC) Chief Data Officer 8

Mr. Joseph Tracy, 米 国 NY 連 邦 準 備 銀 行 ; LEI 規 制 監 視 委 員 会 (ROC) 議 長 Mr. Helmut Wacket, 欧 州 中 央 銀 行 (ECB), Directorate General Market Infrastructure and Payments Mr. Scott O Malia, 国 際 スワップ デリバティブ 協 会 (ISDA) CEO 2008 年 の 金 融 危 機 を 通 じて 規 制 当 局 が 収 集 保 有 する 証 券 市 場 のデータについては 1 リスクを 特 定 するための 質 2 金 融 システムへの 影 響 をグローバルに 把 握 するための 標 準 化 3 市 場 への 悪 影 響 に 速 やかに 対 処 するためのタイムリーな 利 用 可 能 性 の 三 点 につき 欠 如 が 認 識 された これらのデータ ギャップに 対 応 することが グローバルに 重 要 な 金 融 機 関 (G-SIFIs)の 適 切 な 特 定 と 共 に 重 要 な 課 題 となっている 今 後 の 課 題 としては マクロプルーデンスを 所 管 する 当 局 と 証 券 規 制 当 局 との 対 話 を 図 っ ていくこと データ 収 集 に 際 してはコスト ベネフィット 分 析 を 十 分 に 行 うこと 当 局 間 で クロスボーダーで 情 報 を 共 有 するための 障 害 を 取 り 除 いていくこと データの 標 準 化 及 び 収 集 の 枠 組 みについて 十 分 なガバナンスを 構 築 すること シャドー バンキング 及 び 新 たな 金 融 類 似 業 を 適 切 に 把 握 していくことなどが 挙 げられる 3) IOSCO 代 表 委 員 会 における 主 なポイント Mr. Greg Medcraft, IOSCO 代 表 理 事 会 議 長 ; オーストラリア 証 券 投 資 委 員 会 (ASIC) Chairman Mr. Ranjit Ajit Singh, IOSCO 代 表 理 事 会 副 議 長 ; 成 長 新 興 市 場 委 員 会 (GEMC) 議 長 ; マレーシア 証 券 委 員 会 (SC) Chair Mr. Paul Andrews, IOSCO 事 務 局 長 Mr. José Carlos Doherty, AMCC 議 長 ; ブラジル 金 融 資 本 市 場 協 会 (ANBIMA) CEO IOSCO は 昨 年 採 択 された 2020 年 戦 略 計 画 等 に 基 づき 証 券 市 場 の 透 明 性 と 投 資 家 の 信 頼 を 確 保 し システミックリスクを 軽 減 しながら 経 済 成 長 をサポートしていく そのた めの3つの 重 要 な 活 動 として 1 証 券 市 場 の 潜 在 的 リスクの 特 定 2 メンバーのキャパシ ティ 向 上 3 メンバーの 意 見 を 踏 まえた 金 融 安 定 理 事 会 (FSB) 等 への 提 言 を 行 ってきた 1については 分 散 型 元 帳 技 術 (DLT) 等 FinTech が 市 場 にもたらす 影 響 また 従 来 からの 諸 課 題 である 市 場 流 動 性 の 確 保 サイバーセキュリティ クロスボーダー 規 制 のあ り 方 金 融 ベンチマークのあり 方 デリバティブ 規 制 の 最 終 化 証 券 化 商 品 や MMF などに ついても 継 続 して 対 応 し リスクを 低 減 していく 2については 2015 年 の 成 果 として 3 か 国 (マレーシア トルコ UAE)に 研 修 のた めの 地 域 拠 点 を 開 設 した また 新 興 市 場 向 けのオンラインでの 研 修 プログラムを 導 入 した 本 年 秋 にはハーバード 大 学 と 連 携 したグローバル サーティフィケーション プログラムを 開 設 する 当 局 間 の 協 力 情 報 交 換 のための 多 国 間 覚 書 (MMOU)に 調 印 した 当 局 は 109 に 達 し 当 該 協 力 情 報 交 換 の 内 容 を 監 査 書 面 の 入 手 共 有 などにも 拡 げる 拡 大 多 国 間 覚 書 (EMMOU)が 了 承 された 3については メンバーの 意 見 を 踏 まえつつ シャドー バンキングやアセットマネジメ 9

ントビジネスとシステミックリスクの 問 題 など FSB 等 との 調 整 を 適 切 に 図 っていく 成 長 新 興 市 場 委 員 会 では サイバー 攻 撃 への 対 応 新 興 市 場 向 けのコーポレート ガバ ナンス 資 本 市 場 のデジタライゼーションへの 対 応 インフラファイナンスの 促 進 等 につい て 検 討 を 進 めていく AMCC では サイバーセキュリティに 関 する 検 討 当 局 関 係 機 関 も 参 加 可 能 なトレー ニングセミナーの 実 施 に 取 り 組 んでいる 今 後 FinTech 分 野 を 始 めその 他 の 諸 課 題 につい て 検 討 していく 現 IOSCO 代 表 理 事 会 議 長 の Greg Medcraft オーストラリア 証 券 投 資 委 員 会 (ASIC) Chairman は 同 議 長 職 を 退 任 し Ashley Alder 香 港 証 券 先 物 委 員 会 (SFC) CEO( 現 IOSCO 代 表 理 事 会 副 議 長 )が 次 期 議 長 に 就 任 する 4) 公 開 セッションにおける 主 な 議 論 の 概 要 基 調 講 演 Mr. Christian Laub, リマ 証 券 取 引 所 Chairman ラテンアメリカ 統 合 市 場 (MILA: メキシコ コロンビア ペルー チリによる 相 互 の 国 の 株 式 投 資 を 円 滑 化 するための 取 組 み) 参 加 各 国 は 着 実 な 経 済 成 長 を 続 けている 世 界 経 済 の 減 速 により ペルーもネガティブな 影 響 を 受 けているが 成 長 する 市 場 の 特 徴 である 1 多 様 な 投 資 家 の 確 保 2 政 府 の 強 力 なサポート 3 規 制 の 明 確 化 4 コーポ レート ガバナンスの 向 上 5 合 理 的 な 税 制 の 構 築 が 実 現 できるよう 取 引 所 としても 取 組 みを 進 めていく パネル 1: 中 小 企 業 (SMEs)の 資 金 調 達 に 向 けた 新 たな 手 法 及 びクラウドファンディン グの 課 題 司 会 :Ms. Claudia Cooper, 金 融 コンサルタント, ペルー Mr. Bert Chanetsa, 南 アフリカ 金 融 サービス 委 員 会 (FSB) Deputy Executive Officer Ms. Maureen Jensen, オンタリオ 証 券 委 員 会 (OSC) Chair and Chief Executive Ms. Elisabeth Roegele, ドイツ 連 邦 金 融 監 督 庁 (Bafin) Executive Director Ms. Mary Jo White, 米 国 証 券 取 引 委 員 会 (SEC) Chair 中 小 企 業 (SMEs)は イノベーション 雇 用 創 出 や 長 期 的 経 済 成 長 の 観 点 から 経 済 的 社 会 的 にも 重 要 な 役 割 を 果 たしているが 証 券 市 場 を 通 じた 資 金 調 達 へのアクセスが 限 定 的 であるという 問 題 に 直 面 している 証 券 規 制 当 局 は SMEs の 資 金 調 達 を 円 滑 化 するために 戦 略 的 役 割 を 果 たしてきたが 引 き 続 き 適 切 な 規 制 の 枠 組 みの 構 築 投 資 家 保 護 の 確 保 等 数 々の 対 応 が 求 められる 近 年 急 速 に 発 展 した 金 融 技 術 により クラウドファンディングの ような 革 新 的 な 資 金 調 達 投 資 手 法 が 誕 生 しており カナダ(オンタリオ)やドイツでは 昨 年 から 制 度 がスタートし 米 国 においても 本 年 5 月 16 日 付 けで SEC 規 則 が 施 行 される こ うした 資 金 調 達 のメカニズムが 今 後 SMEs による 長 期 の 資 金 調 達 に 寄 与 していくことが 期 待 される 10

パネル 2: 投 資 者 保 護 と 投 資 者 教 育 - 投 資 者 の 知 識 と 能 力 の 向 上 に 向 けて 司 会 :Mr. Gonzalo Zegarra, Semana Económica( 経 済 誌 ) Director, ペルー Mr. Ashley Alder, 香 港 証 券 先 物 委 員 会 (SFC) CEO Mr. Adu A. Antwi, ガーナ 証 券 取 引 委 員 会 General Director Mr. Robert W. Dannhauser, CFA インスティテュート Head of Global Capital Markets Policy, 米 国 Mr. José Carlos Doherty, ブラジル 金 融 資 本 市 場 協 会 (ANBIMA) CEO Ms. Elvira Rodriguez, スペイン 金 融 市 場 委 員 会 Chair 証 券 規 制 当 局 の 役 割 は 市 場 に 対 する 規 制 監 督 透 明 性 確 保 を 図 り 投 資 家 保 護 を 徹 底 し ていくことであるが 一 方 で これらの 土 台 となる 投 資 者 教 育 も 市 場 の 成 長 と 発 展 には 極 め て 重 要 であり 規 制 当 局 も 取 り 組 んでいくべき 課 題 と 言 える 一 方 で 投 資 者 教 育 は 短 期 的 に 効 果 が 上 がるものではなく 長 期 的 な 取 組 みが 不 可 欠 であるが データの 収 集 分 析 を 通 じて 効 果 の 上 がる 取 組 みを 特 定 し 限 られたリソースを 有 効 的 に 集 中 していくことが 望 まし い また 若 年 層 へのアプローチとして 学 校 教 育 への 取 込 みは 重 要 であり 民 間 との 連 携 だ けでなく 学 校 教 育 当 局 とも 適 切 に 連 携 を 図 っていくことが 必 要 である パネル 3: 市 場 統 合 : 取 引 所 資 本 市 場 及 び 規 制 機 関 にとっての 課 題 とメリット 司 会 :Mr. Francis Stenning, リマ 証 券 取 引 所 CEO Mr. José-Oriol Bosch, メキシコ 証 券 取 引 所 CEO Mr. Jaime González Aguadé, メキシコ 国 家 銀 行 証 券 委 員 会 (CNBV) Presidente Mr. Paul Murithi Muthaura, ケニア 資 本 市 場 庁 (CMA) Acting Chief Executive Mr. Stig Nielsen, デンマーク 金 融 監 督 庁 (DFSA) Director of Operational Risk Division Mr. Ranjit Ajit Singh, マレーシア 証 券 委 員 会 (SC) Chairman 市 場 のグローバル 化 の 進 展 と それに 伴 い 投 資 家 が 市 場 の 流 動 性 効 率 性 及 び 低 い 取 引 コ ストを 求 める 動 きは 世 界 中 で 取 引 所 の 統 合 及 び 市 場 競 争 力 の 向 上 を 促 す 原 動 力 となってき た 欧 州 の 資 本 市 場 同 盟 の 他 にも 中 南 米 ではラテンアメリカ 統 合 市 場 (MILA: メキシコ コロンビア ペルー チリ) アジアではアセアン 資 本 市 場 コネクティビティ アフリカで は 東 アフリカ 共 同 体 (EAC: ケニア タンザニア ウガンダほか) 等 様 々な 取 組 みが 進 め られている 今 後 の 課 題 としては 市 場 統 合 によって 流 動 性 を 高 め 投 資 家 及 び 発 行 体 の 双 方 にとって 有 益 なものにできるか 市 場 間 の 競 争 と 共 同 の 利 益 のバランスをいかに 図 ってい くか 税 制 通 貨 についても 困 難 ではあるが 調 整 のためのフレームワークを 構 築 できるかな どが 挙 げられる 11

パネル 4: 資 本 市 場 の 規 制 当 局 及 び 参 加 者 が 直 面 するリスク 及 び 課 題 FinTech の 可 能 性 と 課 題 等 司 会 :Ms. Ana Fiorella Carvajal, 世 界 銀 行 グループ Lead Securities Markets Specialist Mr. Leonardo P. Gomes Pereira, ブラジル 証 券 取 引 委 員 会 (CVM) Chairman 氷 見 野 良 三 氏, 日 本 金 融 庁 Vice Commissioner for International Affairs Ms. Tracey McDermott, 英 国 金 融 行 為 監 督 機 構 (FCA) Acting Chief Executive Mr. Sergey Shvetsov, ロシア 銀 行 First Deputy Governor FinTech は 既 存 の 金 融 機 関 の 業 務 を 破 壊 的 に 変 革 し コストを 低 減 させる 可 能 性 があり 証 券 市 場 の 規 制 当 局 としては 消 費 者 を 保 護 しながら 経 済 成 長 に 繋 がるイノ ベーションを 促 進 していくことが 求 められている 既 に 規 制 当 局 では 様 々な 取 組 みが 進 められており 英 国 では FinTech を 活 用 した 革 新 的 な 商 品 サービス 等 を 実 際 の 市 場 でテストできる Regulatory Sandbox が 導 入 され また 日 本 では FinTech に 関 する 一 元 的 な 相 談 情 報 交 換 窓 口 FinTech サポートデスクが 設 置 された 規 制 当 局 では 金 融 技 術 の 発 展 について 民 間 との 対 話 のチャネルを 確 保 しながら 規 制 上 の 障 害 があれば 遅 れずに 除 去 していくなどの フレキシブルな 対 応 が 図 られる 必 要 がある 講 演 閉 会 挨 拶 Mr. Ricardo Lago, エコノミスト 国 際 コンサルタント, スペイン 長 く 続 く 世 界 的 な 超 低 金 利 政 策 は ノーマライゼーションの 判 断 時 期 を 誤 ると 国 家 債 務 の 危 機 的 な 増 加 資 産 価 格 のオーバーバリュー OTC デリバティブ 市 場 のリスク 増 大 など 様 々な 形 で 予 期 しない 結 果 をもたらすことが 懸 念 される 証 券 規 制 当 局 においても そうし た 状 況 を 念 頭 においておくことが 望 まれる Mr. Alonso Segura, ペルー 経 済 財 政 大 臣 ペルー 政 府 は 18 か 国 との 間 の 自 由 貿 易 協 定 を 締 結 し 中 南 米 でトレード ブロックを 構 築 するなど 経 済 の 発 展 と 成 長 に 向 けた 積 極 的 な 取 組 みを 推 進 している ここ 数 年 では 構 造 改 革 も 進 み 銅 等 の 資 源 価 格 の 低 下 にもかかわらず 安 定 的 に 3% 程 度 の 経 済 成 長 率 を 実 現 している 更 なる 経 済 成 長 のためには 資 本 市 場 の 発 展 が 不 可 欠 であり IOSCO 年 次 総 会 の 開 催 を 契 機 に 引 き 続 き 改 革 に 取 り 組 んでいきたい ハンドオーバーセレモニー 次 回 年 次 総 会 (2017 年 5 月 14-18 日 ジャマイカ モンテ ゴベイ) 以 上 12

( 参 考 ) IOSCO/AMCC の 概 要 会 議 名 証 券 監 督 者 国 際 機 構 / 自 主 規 制 機 関 諮 問 委 員 会 (IOSCO:International Organization of Securities Commissions) (AMCC:Affiliate Members Consultative Committee) IOSCO の 1) 公 正 効 率 的 健 全 な 市 場 を 維 持 するため 高 い 水 準 の 規 制 の 促 進 を 目 的 と 設 立 目 的 して 協 力 すること 2) 国 内 市 場 の 発 展 促 進 のため 各 国 の 経 験 について 情 報 交 換 すること 3) 国 際 的 な 証 券 取 引 についての 基 準 及 び 効 果 的 監 視 を 確 立 するため 努 力 を 結 集 すること 4) 基 準 の 厳 格 な 適 用 と 違 反 に 対 する 効 果 的 執 行 によって 市 場 の 健 全 性 を 促 進 するため 相 互 に 支 援 を 行 うこと IOSCO の 1974 年 に 設 立 された 米 州 証 券 監 督 者 協 会 を 母 体 とし 1980 年 代 以 降 に 欧 設 立 時 期 州 アジア 諸 国 の 機 関 が 加 盟 1986 年 のパリ 総 会 において 現 在 の 証 券 監 督 者 国 際 機 構 という 名 称 に 改 められた IOSCO の メンバー IOSCO のメンバーには 正 会 員 (Ordinary Member) 準 会 員 (Associate Member) 協 力 会 員 (Affiliate Member)の 区 分 がある 我 が 国 からは 金 融 庁 経 済 産 業 省 及 び 農 林 水 産 省 が 正 会 員 として 証 券 取 引 等 監 視 委 員 会 が 準 会 員 として 日 本 証 券 業 協 会 及 び 日 本 取 引 所 グループ/ 日 本 取 引 所 自 主 規 制 法 人 が 協 力 会 員 として それぞれ 加 盟 している 組 織 次 葉 のとおり AMCC の 本 協 会 が 加 入 する 協 力 会 員 諮 問 委 員 会 (AMCC)は 1989 年 に 事 務 局 長 の 活 動 イニシアティブにより 設 置 された 自 主 規 制 機 関 諮 問 員 会 が 協 力 会 員 の 属 性 の 多 様 化 に 伴 い 2013 年 9 月 に 名 称 変 更 されたものである AMCC の 機 能 として は 協 力 会 員 相 互 間 の 情 報 交 換 のほか 協 力 会 員 として IOSCO に 参 加 してい る 自 主 規 制 機 関 (SRO)の 知 見 及 び 意 見 を IOSCO の 政 策 委 員 会 の 議 論 に 反 映 させ グローバルな 規 制 環 境 の 適 正 な 整 備 に 資 することが 主 要 なものとなってい る 同 委 員 会 の 会 合 は 通 常 年 2 回 (IOSCO 年 次 総 会 時 の 会 合 及 び 中 間 会 合 ) 開 催 されている 現 在 同 委 員 会 には 約 60 の 機 関 が 加 入 している 2006~2012 年 の 間 本 協 会 が 旧 SROCC の 議 長 を 務 めたが 現 在 は ブラジ ル 金 融 資 本 市 場 協 会 ( ANBIMA) 自 主 規 制 業 務 執 行 責 任 者 Jose Carlos Doherty 氏 が 議 長 となっている 本 協 会 は AMCC のワーキング グループである Ahead of The Curve Working Group の 議 長 を 務 めている 市 場 関 係 者 との 対 話 IOSCO では 民 間 セクターとの 対 話 の 拡 充 を 目 的 に 市 場 関 係 者 との 会 合 を 年 2 回 程 度 開 催 している 13

IOSCO の 組 織 代 表 委 員 会 (Presidents Committee) アジア 太 平 洋 米 州 地 域 ヨーロッパ 地 アフリカ 中 地 域 委 員 会 委 員 会 域 委 員 会 東 地 域 委 員 会 代 表 理 事 会 (IOSCO Board) 事 務 局 金 融 市 場 指 標 作 業 部 会 評 価 委 員 会 成 長 新 興 市 場 委 員 会 (Growth and Emerging Markets Committee) イマージングリスクに 関 する 委 員 会 協 力 会 員 諮 問 委 員 会 (Affiliate Members Consultative Committee) 能 力 開 発 資 源 委 員 会 OTC デリバティブ 作 業 部 会 クロスボーダー 規 制 に 関 する 作 業 部 会 第 1 委 員 会 第 2 委 員 会 第 3 委 員 会 第 4 委 員 会 (Committee 1) (Committee 2) (Committee 3) (Committee 4) 会 計 監 査 開 示 流 通 市 場 の 規 制 市 場 仲 介 者 法 規 制 執 行 情 報 交 換 第 5 委 員 会 第 6 委 員 会 第 7 委 員 会 第 8 委 員 会 (Committee 5) (Committee 6) (Committee 7) (Committee 8) 投 資 マネジメン 格 付 け 機 関 商 品 リテール 投 資 家 ト 14

開 催 実 績 予 定 IOSCO 年 次 総 会 AMCC (SROCC) 中 間 会 合 及 び 研 修 セミナー 2006 年 香 港 (6 月 ) スペイン マドリッド(11 月 ) 中 間 会 合 のみ 2007 年 インド ムンバイ(4 月 ) 東 京 (11 月 ) 中 間 会 合 のみ 2008 年 フランス パリ(6 月 ) 米 国 ワシントン(12 月 ) 第 1 回 研 修 セミナー 2009 年 イスラエル テルアビブ(6 月 ) 英 国 ロンドン(2010 年 1 月 ) 第 2 回 研 修 セミナー 2010 年 カナダ モントリオール(6 月 ) ブラジル リオデジャネイロ(11 月 ) 第 3 回 研 修 セミナー 2011 年 南 アフリカ ケープタウン(4 月 ) 台 湾 台 北 (10 月 ) 第 4 回 研 修 セミナー 2012 年 中 国 北 京 (5 月 ) トルコ イスタンブール(11 月 ) 第 5 回 研 修 セミナー 2013 年 ルクセンブルグ(9 月 ) カナダ トロント(5 月 ) 第 6 回 研 修 セミナー 2014 年 ブラジル リオデジャネイロ(9 月 ) 東 京 (4 月 ) 第 7 回 研 修 セミナー 2015 年 イギリス ロンドン(6 月 ) スイス チューリッヒ 第 8 回 研 修 セミナー 2016 年 ペルー リマ(5 月 ) 米 国 シカゴ(9 月 予 定 ) 第 9 回 研 修 セミナー 2017 年 ジャマイカ モンテゴ ベイ(5 月 ) 未 定 15