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税 務 訴 訟 資 料 第 259 号 -7( 順 号 11120) 東 京 高 等 裁 判 所 平 成 年 ( ) 第 号 更 正 処 分 の 義 務 付 け 等 控 訴 事 件 国 側 当 事 者 国 ( 千 葉 西 税 務 署 長 ) 平 成 21 年 1 月 22 日 棄 却 確 定 ( 第 一 審 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 年 ( ) 第 号 平 成 19 年 10 月 30 日 判 決 本 資 料 2 57 号 -199 順 号 10808) 判 決 控 訴 人 甲 乙 上 記 両 名 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 下 山 修 司 補 佐 人 税 理 士 森 蓁 被 控 訴 人 国 代 表 者 法 務 大 臣 森 英 介 指 定 代 理 人 吉 田 俊 介 馬 田 茂 喜 柏 倉 幸 夫 櫻 井 和 彦 吉 原 広 泰 処 分 行 政 庁 千 葉 西 税 務 署 長 髙 梨 武 光 主 文 1 本 件 各 控 訴 をいずれも 棄 却 する 2 控 訴 費 用 は 控 訴 人 らの 負 担 とする 事 実 及 び 理 由 第 1 控 訴 の 趣 旨 1 原 判 決 を 取 り 消 す 2 処 分 行 政 庁 は 控 訴 人 甲 ( 以 下 控 訴 人 甲 という )の 平 成 14 年 分 相 続 税 について 課 税 価 格 を1 億 2291 万 8000 円 納 付 すべき 税 額 を2298 万 0100 円 とする 更 正 処 分 をせ よ 3 処 分 行 政 庁 が 控 訴 人 甲 に 対 し 平 成 16 年 12 月 14 日 付 けでした 控 訴 人 甲 の 平 成 14 年 分 相 続 税 に 係 る 平 成 16 年 7 月 23 日 付 け 更 正 の 請 求 に 対 する 更 正 をすべき 理 由 がない 旨 の 通 知 処 分 のうち 納 付 すべき 税 額 2298 万 0100 円 を 超 える 部 分 (ただし 異 議 決 定 及 び 裁 決 によ り 一 部 取 り 消 された 後 のもの)を 取 り 消 す 4 処 分 行 政 庁 は 控 訴 人 乙 ( 以 下 控 訴 人 乙 という )の 平 成 14 年 分 相 続 税 について 課 税 価 格 を2 億 4454 万 6000 円 納 付 すべき 税 額 を4571 万 9000 円 とする 更 正 処 分 をせ よ 1

5 処 分 行 政 庁 が 控 訴 人 乙 に 対 し 平 成 16 年 12 月 14 日 付 けでした 控 訴 人 乙 の 平 成 14 年 分 相 続 税 に 係 る 平 成 16 年 7 月 23 日 付 け 更 正 の 請 求 に 対 する 更 正 をすべき 理 由 がない 旨 の 通 知 処 分 のうち 納 付 すべき 税 額 4571 万 9000 円 を 超 える 部 分 (ただし 異 議 決 定 及 び 裁 決 によ り 一 部 取 り 消 された 後 のもの)を 取 り 消 す 6 訴 訟 費 用 は 第 1 2 審 とも 被 控 訴 人 の 負 担 とする 第 2 事 案 の 概 要 1 本 件 は 控 訴 人 らが 亡 丙 ( 以 下 丙 という )からそれぞれ 平 成 14 年 に 相 続 したA 株 式 会 社 ( 以 下 A という )に 対 する 各 債 権 が いずれも 回 収 可 能 性 がなく 実 質 的 価 値 のないも のであり これらを 相 続 後 の 課 税 価 格 に 算 入 すべきでない 旨 主 張 して 処 分 行 政 庁 に 対 し それ ぞれ 相 続 税 額 の 更 正 の 請 求 を 行 ったが 平 成 16 年 12 月 14 日 付 けで いずれについても 更 正 をすべき 理 由 がない 旨 の 通 知 がされたので 上 記 各 通 知 ( 異 議 決 定 及 び 裁 決 により 一 部 取 り 消 さ れた 後 のもの)の 取 消 し 及 び 上 記 各 債 権 を 課 税 価 格 に 算 入 しない 相 続 税 額 での 更 正 処 分 の 義 務 付 けを 求 めている 事 案 である 原 審 は 控 訴 人 らの 各 請 求 のうち 控 訴 人 らの 各 更 正 の 請 求 において 納 付 すべき 税 額 とした 金 額 を 超 えない 税 額 に 関 する 部 分 は 不 適 法 であるとしていずれも 却 下 し その 余 はいずれも 理 由 が ないとして 棄 却 したので 控 訴 人 らがこれを 不 服 として 控 訴 した 2 前 提 事 実 争 点 及 びこれに 関 する 当 事 者 の 主 張 は 次 のとおり 訂 正 するほか 原 判 決 の 事 実 及 び 理 由 第 2の1ないし3に 記 載 のとおりであるから これを 引 用 する (1) 原 判 決 3 頁 11 行 目 から12 行 目 の 死 亡 し の 次 に ( 以 下 この 死 亡 時 を 本 件 相 続 開 始 時 ともいう ) を 20 行 目 の 併 せて の 次 に 己 税 理 士 の 税 務 代 理 により を 21 行 目 末 尾 の 次 に ( 甲 44) を 26 行 目 の 主 張 して の 次 に 庚 税 理 士 の 税 務 代 理 によ り をそれぞれ 加 える (2) 原 判 決 4 頁 6 行 目 の 更 正 をすべき 理 由 がない 旨 を 主 たる 債 務 者 であるA 株 式 会 社 は 相 続 開 始 時 点 において 債 務 超 過 ではあるが 事 業 を 継 続 しており 債 務 弁 済 能 力 がないとはい えず 貸 付 金 等 ( 控 訴 人 乙 については 未 収 家 賃 )が 回 収 不 能 であるとは 認 められないとの 理 由 により 更 正 をすべき 理 由 がない 旨 と 改 める (3) 原 判 決 7 頁 25 行 目 の Aが を Aは 平 成 11 年 7 月 期 時 点 において 既 に 破 綻 状 態 に あったところ と 改 め 8 頁 4 行 目 末 尾 の 次 に 改 行 して 次 のとおり 加 える また 控 訴 人 らは 丙 死 亡 前 の 平 成 14 年 6 月 3 日 及 び 年 9 月 1 日 に 不 動 産 業 者 との 間 でAの 本 店 所 在 地 の 土 地 を 他 に 売 却 するための 一 般 媒 介 契 約 を 締 結 しており Aがこれ 以 前 に 事 業 の 廃 止 を 決 定 していたことは 明 らかである (4) 原 判 決 8 頁 15 行 目 の なぜなら の 次 に 控 訴 人 らの 主 張 する 不 動 産 業 者 との 一 般 媒 介 契 約 は 昭 和 53 年 に 建 築 された 建 物 敷 地 に 限 定 されているから 葬 祭 請 負 業 の 経 営 に 影 響 のない 範 囲 の 土 地 を 売 却 する 意 図 に 基 づくものにすぎず 丙 及 び 控 訴 人 らは 相 続 開 始 時 までに Aの 事 業 の 清 算 を 企 図 したことはなく を 行 目 の 続 け の 次 に 平 成 15 年 7 月 期 に は 前 期 を 上 回 る 広 告 費 を 支 出 し を 18 行 目 末 尾 の 次 に そのほか Aは 丙 の 所 有 地 上 に 昭 和 53 年 建 築 の 倉 庫 を 所 有 し その 敷 地 に6392 万 9250 円 に 相 当 する 借 地 権 を 有 して おり 平 成 16 年 の 清 算 時 には 控 訴 人 らから 什 器 備 品 の 売 却 損 失 を 考 慮 して4000 万 円 の 立 退 料 を 受 領 しており その 資 産 を 評 価 するに 当 たってはこれらの 帳 簿 外 の 資 産 をも 考 慮 すべき である をそれぞれ 加 える 2

第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 争 点 (1)( 本 件 各 通 知 の 取 消 しを 求 め 得 る 範 囲 )について 当 裁 判 所 も 本 件 訴 えのうち 控 訴 人 らが 本 件 各 更 正 請 求 において 納 付 すべき 税 額 とした 金 額 を 超 えない 税 額 に 関 する 部 分 について 本 件 各 通 知 の 取 消 しを 求 める 部 分 は いずれも 訴 えの 利 益 を 欠 き 不 適 法 であると 判 断 する その 理 由 は 原 判 決 の 理 由 説 示 ( 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1) のとおりであるから これを 引 用 する 2 Aに 関 する 事 実 関 係 前 記 前 提 事 実 証 拠 ( 甲 14 29 32 40 47のほか 各 項 掲 記 のもの ) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば 以 下 の 事 実 が 認 められる (1) Aは 控 訴 人 甲 の 父 戊 が 昭 和 25 年 11 月 22 日 に 設 立 した 株 式 会 社 であり 丙 は 昭 和 49 年 10 月 10 日 から 昭 和 63 年 10 月 31 日 までは 社 の 監 査 役 平 成 3 年 1 月 31 日 か ら 平 成 9 年 10 月 31 日 まで 及 び 平 成 12 年 10 月 10 日 から 平 成 14 年 9 月 6 日 までは 社 の 取 締 役 であり この 間 昭 和 57 年 2 月 1 日 戊 が 死 亡 し 月 22 日 控 訴 人 甲 が 社 の 代 表 取 締 役 に 就 任 し 控 訴 人 乙 は 平 成 12 年 10 月 10 日 社 の 監 査 役 に 就 任 し 平 成 14 年 9 月 6 日 監 査 役 を 辞 任 して 取 締 役 に 就 任 した 本 件 相 続 開 始 時 直 前 においては Aの 役 員 は 代 表 取 締 役 控 訴 人 甲 取 締 役 控 訴 人 乙 及 びB( 控 訴 人 らの 長 男 ) 監 査 役 C( 控 訴 人 らの 長 女 ) であり 以 後 平 成 16 年 7 月 7 日 社 が 解 散 登 記 をするまで 役 員 に 変 更 はなく また 社 の 発 行 済 株 式 総 数 は20 万 株 であり 丙 が10 万 株 控 訴 人 甲 が5 万 株 控 訴 人 乙 が2 万 50 00 株 Bが2 万 5000 株 を 保 有 していたが 丙 の 株 式 を 相 続 により 原 告 甲 が 全 部 相 続 した 以 上 のとおり Aは 控 訴 人 ら 一 族 の 族 会 社 である ( 甲 1の1 中 の 登 記 簿 謄 本 乙 3 乙 4の1ないし10 乙 5 9 10 弁 論 の 全 趣 旨 ) Aは 当 初 でんぷん 製 造 業 及 び 材 木 販 売 業 を 行 っていたが まもなくでんぷん 製 造 業 を 廃 業 して 建 築 業 を 始 め その 後 レストラン 弁 当 屋 及 びコンビニエンスストアなどの 新 規 事 業 を 開 始 し 売 上 げのほとんどはこれらの 新 規 事 業 が 占 めるようになったが 営 業 成 績 は 振 るわず 損 失 が 累 積 するようになり 銀 行 からの 融 資 枠 も 平 成 3 年 ころ2 億 円 であったが 平 成 6 年 こ ろには1 億 5000 万 円 その 後 は4000 万 円 に 縮 小 し 丙 や 被 控 訴 人 甲 ら 役 員 からの 無 担 保 無 利 息 かつ 期 限 の 定 めのない 貸 付 けによって 事 業 を 継 続 する 状 態 となったため 従 前 の 事 業 をすべて 廃 業 して 比 較 的 利 益 の 出 やすい 葬 儀 請 負 業 を 新 たに 開 業 することとし 平 成 12 年 春 には 上 記 新 規 事 業 を 廃 業 し さらに 従 前 の 店 舗 の 解 体 及 び 新 規 の 葬 祭 ホールの 建 築 を 最 後 に 建 築 業 等 も 廃 業 し 平 成 13 年 1 月 から 葬 儀 請 負 業 を 開 業 し 丙 が 死 亡 した 後 も 営 業 を 継 続 し 平 成 16 年 6 月 末 に 至 って 葬 儀 請 負 業 を 廃 業 し 年 7 月 5 日 株 主 総 会 決 議 により 解 散 し 月 7 日 解 散 登 記 を 経 由 し 次 いで 年 9 月 10 日 清 算 を 結 了 した ( 乙 3 6) (2) Aの 平 成 11 年 7 月 期 から 平 成 16 年 7 月 期 までの 事 業 年 度 ( 社 の 事 業 年 度 は 各 年 8 月 1 日 から 翌 年 7 月 31 日 まで ただし 平 成 16 年 7 月 期 は 平 成 15 年 8 月 1 日 から 解 散 決 議 をした 平 成 16 年 7 月 5 日 まで)の 経 営 状 況 等 は 別 表 記 載 のとおりである( 単 位 は 万 円 万 円 未 満 切 り 捨 て ) 平 成 12 年 7 月 期 平 成 13 年 7 月 期 及 び 平 成 14 年 7 月 期 の 各 役 員 借 入 金 は 表 記 載 の とおりであるところ これらは 丙 控 訴 人 甲 及 び 丙 の 三 男 丁 からの 借 入 金 であり いずれも 返 済 時 期 の 定 めがなく かつ 利 子 の 定 めのないものであった (3) Aの 広 告 宣 伝 費 の 推 移 は 平 成 11 年 7 月 期 3 万 5000 円 平 成 12 年 7 月 期 0 円 平 3

成 13 年 7 月 期 530 万 1508 円 平 成 14 年 7 月 期 307 万 2500 円 平 成 15 年 7 月 期 350 万 0278 円 平 成 16 年 7 月 期 199 万 1910 円 であり 葬 儀 請 負 業 を 開 業 した 平 成 13 年 以 降 広 告 宣 伝 費 が 大 幅 に 増 加 し 事 業 の 維 持 拡 大 の 意 図 が 明 らかである ( 甲 2 5 乙 7ないし11) (4) 丙 は 平 成 12 年 7 月 期 にAに 賃 貸 していた 店 舗 等 の 解 体 工 事 等 を 約 7000 万 円 で 平 成 13 年 7 月 期 に 葬 祭 ホールの 新 築 工 事 を2 億 円 で それぞれAに 発 注 し これらはAの 上 記 両 年 度 の 売 上 げのかなりの 部 分 を 占 めるものであり Aはこれを 事 業 変 更 に 伴 う 費 用 に 充 てる ことができた 他 方 丙 は これらの 費 用 を 自 ら 負 担 し これをまかなうために 平 成 13 年 1 月 銀 行 から2 億 円 を 利 息 年 2.5パーセント 期 限 14 年 6か 月 の 約 定 で 借 入 れ 年 7 月 か ら 毎 月 約 140 万 円 ずつ 返 済 することとし 新 築 した 葬 祭 ホールをAに 賃 貸 してその 賃 料 ( 敷 金 はなく 賃 料 は 平 成 13 年 7 月 までは 合 計 100 万 円 年 8 月 から12 月 までは0 円 平 成 14 年 1 月 から 月 額 150 万 円 )をこの 返 済 に 充 てることとした ( 甲 1の1 中 の 建 物 賃 貸 借 契 約 書 甲 26ないし28 乙 8ないし10) 被 控 訴 人 は Aが 丙 に 対 し 平 成 12 年 8 月 8 日 から 平 成 14 年 7 月 30 日 までの 間 に5 回 にわたり 合 計 683 万 1224 円 を 弁 済 したことを 指 摘 しているが このうち 平 成 12 年 8 月 8 日 の262 万 円 平 成 13 年 4 月 10 日 の50 万 円 及 び 年 8 月 28 日 の278 万 円 余 の 弁 済 については その 直 前 に 丙 からAに 弁 済 額 をかなり 上 回 る 貸 付 がされているから( 甲 6の 別 表 4) 実 質 的 には 貸 付 額 の 減 額 とみるべきものである (5) 丙 は 平 成 14 年 4 月 25 日 顧 問 税 理 士 の 勧 めによりAに 対 する 貸 付 金 のうち6700 万 円 につき 書 面 により 債 務 免 除 の 意 思 表 示 をした( 甲 7) しかし Aは 前 記 (2)のとおり 平 成 14 年 7 月 期 も 約 429 万 円 の 経 常 損 失 を 計 上 し 丙 及 び 控 訴 人 甲 に 対 する 役 員 報 酬 及 び 賃 料 の 未 払 金 も 累 計 約 2205 万 円 となり 上 記 債 務 免 除 等 による 特 別 損 益 が 発 生 したため 当 期 利 益 を 計 上 できたが 累 積 損 失 額 は 約 1 億 4684 万 円 役 員 からの 借 入 額 は 約 1 億 5970 万 円 ( 丙 分 1 億 0238 万 円 控 訴 人 甲 分 4489 万 円 丁 分 1242 万 円 )となった ( 乙 9) 3 争 点 (2)( 本 件 各 債 権 の 評 価 )について (1) 債 権 の 評 価 基 準 相 続 税 法 22 条 は この 章 で 特 別 の 定 めのあるものを 除 くほか 相 続 遺 贈 又 は 贈 与 によ り 取 得 した 財 産 の 価 額 は 当 該 財 産 の 取 得 の 時 における 時 価 により 当 該 財 産 の 価 額 から 控 除 すべき 債 務 の 価 額 は その 時 の 現 況 による と 規 定 するところ 条 にいう 時 価 とは 相 続 の 場 合 相 続 開 始 時 における 当 該 財 産 の 客 観 的 な 交 換 価 値 をいうものと 解 される 上 記 の 客 観 的 な 交 換 価 値 は 必 ずしも 一 義 的 に 把 握 されるものではないから 課 税 実 務 上 相 続 税 法 に 特 別 の 定 めのあるものを 除 き 相 続 財 産 の 評 価 の 一 般 的 基 準 が 評 価 通 達 により 定 め られ これにより 定 められた 評 価 方 式 により 相 続 財 産 を 評 価 することとされている このこと は 上 記 の 客 観 的 な 交 換 価 値 を 個 別 に 評 価 する 方 法 をとると 評 価 方 式 基 礎 資 料 の 選 択 の 仕 方 等 により 異 なった 評 価 価 額 が 生 じ また 課 税 庁 の 事 務 負 担 が 加 重 となって 課 税 事 務 の 迅 速 な 処 理 が 困 難 となる 等 のおそれがあることから あらかじめ 定 められた 評 価 方 式 によりこれを 画 一 的 に 評 価 する 方 が 納 税 者 間 の 公 平 納 税 者 の 便 宜 徴 税 費 用 の 節 減 等 の 見 地 から 見 て 合 理 的 であるという 理 由 に 基 づくものと 解 され したがって 評 価 通 達 の 内 容 が 条 の 規 定 に 照 ら して 合 理 的 なものである 限 り 評 価 通 達 により 定 められた 評 価 方 式 により 相 続 財 産 を 評 価 する 4

ことは 許 容 されるというべきである 前 記 のとおり 評 価 通 達 204 項 は 貸 付 金 債 権 等 の 価 額 は 原 則 として 元 本 の 価 額 と 利 息 の 価 額 との 合 計 額 によって 評 価 すると 規 定 し 評 価 通 達 205 項 は 評 価 通 達 204 項 の 定 めにより 貸 付 金 債 権 等 の 評 価 を 行 う 場 合 において 例 外 的 に その 債 権 金 額 の 全 部 又 は 一 部 が 課 税 時 期 において 評 価 通 達 205 項 (1)ないし(3)に 掲 げる 金 額 に 該 当 するときその 他 その 回 収 が 不 可 能 又 は 著 しく 困 難 であると 見 込 まれるときにおいては それらの 金 額 は 元 本 の 価 額 に 算 入 しないと 規 定 する 上 記 の 評 価 通 達 205 項 (1)ないし(3)に 掲 げる 金 額 に 該 当 するときの うち 項 (1)に 掲 げる 金 額 に 該 当 するときとは 支 払 停 止 支 払 不 能 等 の 状 態 にある 債 務 者 について 法 的 倒 産 処 理 手 続 等 がとられている 場 合 におけるその 債 務 者 に 対 して 有 する 貸 付 金 債 権 等 の 金 額 に 該 当 するときをいい 項 (2) 及 び(3)に 掲 げる 金 額 に 該 当 するときとは 債 務 者 について 私 的 整 理 手 続 等 がとられている 場 合 において 債 権 者 集 会 の 協 議 又 は 債 権 者 と 債 務 者 の 契 約 により 債 権 の 減 免 等 がされたときの 減 免 等 の 金 額 に 該 当 するときをいうものと 解 さ れる 加 えて 評 価 通 達 205 項 は 項 (1)ないし(3)の 事 由 のほか その 回 収 が 不 可 能 又 は 著 しく 困 難 であると 見 込 まれるとき も 前 項 による 評 価 の 例 外 的 事 由 として 掲 げているが これが 評 価 通 達 205 項 (1)ないし(3)の 事 由 と 並 列 的 に 規 定 されていることは 規 定 上 明 らか である このような 評 価 通 達 205 項 の 趣 旨 及 び 規 定 振 りからすると 項 にいう その 回 収 が 不 可 能 又 は 著 しく 困 難 であると 見 込 まれるとき とは 項 (1)ないし(3)の 事 由 と 程 度 に 債 務 者 が 経 済 的 に 破 綻 していることが 客 観 的 に 明 白 であり そのため 債 権 の 回 収 の 見 込 みが ないか 又 は 著 しく 困 難 であると 確 実 に 認 められるときであると 解 すべきであり 項 (1)な いし(3)の 事 由 を 緩 和 した 事 由 であると 解 することはできない 以 上 によれば 評 価 通 達 204 項 及 び205 項 は 貸 付 金 債 権 等 の 評 価 として 原 則 として 額 面 の 評 価 によることとし 例 外 的 に 債 権 の 回 収 が 不 可 能 等 であることについて 客 観 的 に 明 白 な 事 由 がある 場 合 に 限 り 当 該 部 分 について 元 本 に 算 入 しない 取 扱 いをすることとしているも のであって この 定 めは 相 続 税 法 22 条 を 具 体 化 した 基 準 として 合 理 的 なものと 認 められる 控 訴 人 らは 金 融 庁 の 金 融 検 査 マニュアル 等 をあげて 債 権 の 回 収 可 能 性 については 画 一 的 な 評 価 を 避 け 個 別 具 体 的 に 判 断 すべきであると 主 張 する しかし 金 融 検 査 は 金 融 庁 が 金 融 システムの 安 定 と 再 生 を 図 ること 等 を 目 的 として 金 融 機 関 を 検 査 しているものであるとこ ろ 金 融 検 査 マニュアルは その 検 査 の 際 金 融 庁 の 検 査 官 が 用 いる 手 引 書 として 位 置 付 けら れるものであり 各 金 融 機 関 においては このマニュアル 等 を 踏 まえ 創 意 工 夫 して より 詳 細 なマニュアルを 作 成 し 金 融 機 関 の 業 務 の 健 全 性 と 適 切 性 の 確 保 に 努 めることが 期 待 されると いうものである( 乙 21) そうすると 金 融 検 査 マニュアルと 評 価 通 達 とはその 趣 旨 目 的 を 異 にするものであり 相 続 税 における 財 産 の 評 価 の 際 に 評 価 通 達 によらないで 銀 行 等 の 金 融 機 関 の 業 務 の 健 全 性 と 適 切 性 の 確 保 のために 用 いられる 金 融 検 査 マニュアルを 使 用 するの は 到 底 合 理 的 なものということはできない したがって 控 訴 人 らの 上 記 主 張 は 理 由 がない (2) 評 価 通 達 による 本 件 各 債 権 の 評 価 前 記 (1)で 述 べたところを 踏 まえて 評 価 通 達 による 本 件 各 債 権 の 評 価 を 検 討 する まず 本 件 各 債 権 の 元 本 の 全 部 又 は 一 部 については これが 評 価 通 達 205 項 (1)ないし(3) の 金 額 に 該 当 しないことは 当 事 者 間 に 争 いがない そこで 次 に 本 件 各 債 権 の 元 本 の 全 部 又 は 一 部 が 評 価 通 達 205 項 にいう その 回 収 が 不 可 能 又 は 著 しく 困 難 であると 見 込 まれると き に 該 当 するか 否 かについて 検 討 する 5

前 記 認 定 事 実 によれば Aは 族 会 社 であって その 経 営 は 事 業 による 利 益 に 加 えて 族 株 主 役 員 等 の 経 済 的 な 支 援 により 維 持 運 営 されてきたものであること Aは 本 件 相 続 開 始 時 前 から 数 事 業 年 度 にわたって 多 額 の 未 処 理 損 失 があり そのため 債 務 超 過 であり その 経 営 状 況 は 厳 しい 状 況 にあったことが 認 められる しかし 前 記 認 定 事 実 によれば Aにおい ては 事 業 による 利 益 は 毎 年 相 当 額 の 売 上 げが 継 続 してあり 殊 に 葬 儀 請 負 業 に 転 じた 平 成 13 年 以 降 は 従 前 と 比 較 して 売 上 総 利 益 が 増 加 していること 前 記 未 処 理 損 失 の 大 半 は 族 役 員 等 からの 借 入 金 であって いずれも 返 済 時 期 の 定 めのない 無 利 子 のものであり 実 際 的 に 返 済 が 求 められていたものではなく 他 方 金 融 機 関 からの 有 利 子 の 借 入 金 は 割 合 的 に 少 なく その 返 済 に 遅 滞 等 はないこと Aにおいては その 役 員 は 控 訴 人 甲 が 代 表 取 締 役 丙 が 取 締 役 であったが 発 行 済 株 式 総 数 20 万 株 のうちその 半 分 の10 万 株 を 丙 が 保 有 し それに 応 じた 発 言 力 を 有 していたと 認 められるところ 丙 は 平 成 13 年 当 時 には Aに 対 し 約 1 億 7309 万 円 の 貸 付 金 があったにもかかわらず 自 らの 負 担 により 銀 行 から2 億 円 を 借 り 入 れ て 葬 祭 ホールを 新 築 し これをAに 賃 貸 してその 葬 儀 請 負 業 の 事 業 の 用 に 供 するなど Aにつ いての 事 業 意 欲 はなお 盛 んであり また 葬 儀 請 負 業 の 経 営 についてそれなりの 成 算 をもって いたものと 認 められること Aは 葬 儀 請 負 業 を 開 業 した 後 広 告 宣 伝 費 を 大 幅 に 増 加 し 平 成 13 年 7 月 期 に530 万 1508 円 平 成 14 年 7 月 期 に307 万 2500 円 平 成 15 年 7 月 期 に350 万 0278 円 を 支 出 しており 本 件 相 続 開 始 時 の 前 後 にわたって 事 業 の 維 持 拡 大 の 意 図 を 明 らかに 示 していたこと 等 が 認 められ 他 方 本 件 相 続 開 始 時 において Aについ て 事 業 不 振 のため 債 権 者 とりわけ 金 融 機 関 に 対 する 支 払 返 済 が 遅 滞 停 止 する 等 の 事 実 があったことは 認 められず また 業 務 を 停 止 し 休 業 し 又 は 廃 業 を 準 備 する 等 の 事 実 があ ったことも 認 められないというのである そうすると 本 件 各 債 権 については 本 件 相 続 開 始 時 において 評 価 通 達 205 項 にいう そ の 回 収 が 不 可 能 又 は 著 しく 困 難 であると 見 込 まれるとき すなわち 債 務 者 が 経 済 的 に 破 綻 していることが 客 観 的 に 明 白 であり そのため 債 権 の 回 収 の 見 込 みがないか 又 は 著 しく 困 難 であると 客 観 的 に 認 められるときに 該 当 すると 認 めることはできず 評 価 通 達 204 項 に 基 づき 債 権 の 元 本 による 評 価 をして 差 し 支 えないものということができる なるほど Aにおい ては 本 件 相 続 開 始 時 に 多 額 の 未 処 理 損 失 があったが それは 大 半 が 族 役 員 からの 借 入 金 で あり 族 会 社 が 族 株 主 役 員 等 からの 経 済 的 な 支 援 等 を 受 けて 維 持 運 営 されるのは 異 例 の ことではなく また 経 常 的 に 業 務 を 維 持 運 営 している 会 社 が 計 算 書 類 上 債 務 超 過 の 状 態 にあ るからといって これを 目 して 倒 産 状 態 にあるというのは 早 計 に 過 ぎるといわなければならな い 控 訴 人 らは Aが 丙 死 亡 前 から 廃 業 に 向 けて 動 き 出 しており たまたま 廃 業 時 期 が 丙 死 亡 後 になったにすぎないから 丙 死 亡 後 に 社 が 廃 業 して 解 散 し 清 算 手 続 において 貸 付 金 債 権 等 が 一 切 弁 済 されなかったことを 本 件 相 続 開 始 時 における 相 続 財 産 の 評 価 の 要 素 として 考 慮 す べきであり 控 訴 人 甲 が 平 成 14 年 に 入 って 廃 業 を 考 え 年 6 月 3 日 及 び 年 9 月 1 日 に 不 動 産 業 者 との 間 でAの 本 店 所 在 地 の 土 地 を 他 に 売 却 するための 一 般 媒 介 契 約 を 締 結 しており Aがこれ 以 前 に 廃 業 を 決 定 していたことは 明 らかであると 主 張 し 一 般 媒 介 契 約 書 ( 甲 22 23) 控 訴 人 甲 の 陳 述 書 ( 甲 14 24) 等 を 提 出 する 証 拠 ( 甲 22 23 乙 22 23)によれば 控 訴 人 甲 は 有 限 会 社 Dに 対 し 平 成 14 年 6 月 3 日 付 けで Aが 営 む 葬 儀 請 負 業 に 影 響 しないように 葬 祭 ホールの 西 側 に 存 在 する 倉 庫 6

敷 地 (300 坪 ないし500 坪 と 見 込 まれた )を 測 量 して 売 却 することを 依 頼 し 日 付 け で 依 頼 者 控 訴 人 甲 と 宅 地 建 物 取 引 業 者 有 限 会 社 Dとの 間 で 不 動 産 の 一 般 媒 介 契 約 書 が 作 成 さ れ 契 約 書 には 有 効 期 間 契 約 締 結 後 3か 月 目 的 物 件 の 所 有 者 控 訴 人 甲 所 在 地 八 千 代 市 の 一 部 土 地 実 測 992m2(300 坪 ) 公 簿 1653m2(500 坪 ) 備 考 として 工 場 跡 地 300 坪 ~500 坪 を 測 量 して 売 却 する( 西 側 道 路 付 きの 部 分 ) 等 の 記 載 があること 次 いで 控 訴 人 甲 は 株 式 会 社 Eに 対 し 年 9 月 1 日 付 けで 上 記 倉 庫 敷 地 を 測 量 して 売 却 すること を 依 頼 し 日 付 けで 依 頼 者 控 訴 人 甲 と 宅 地 建 物 取 引 業 者 株 式 会 社 Eとの 間 で 不 動 産 の 一 般 媒 介 契 約 書 が 作 成 され 契 約 書 には 有 効 期 間 契 約 締 結 後 6か 月 目 的 物 件 の 所 有 者 控 訴 人 甲 所 在 地 番 八 千 代 市 地 目 工 場 跡 地 地 積 300 坪 ~500 坪 等 の 記 載 があること その 後 控 訴 人 甲 と 株 式 会 社 Eは 平 成 16 年 3 月 1 日 付 けで 上 記 番 地 の 土 地 全 体 20 00 坪 を 売 却 対 象 とした 専 任 媒 介 契 約 を 締 結 したことが 認 められる そうすると 控 訴 人 甲 が 平 成 14 年 6 月 及 び9 月 当 時 において 不 動 産 業 者 に 対 し 売 却 を 依 頼 した 土 地 は Aが 営 む 葬 儀 請 負 業 に 影 響 しない 倉 庫 敷 地 であり さらに 不 動 産 業 者 に 対 し 倉 庫 敷 地 及 び 葬 祭 ホール 敷 地 を 含 む 全 体 の 土 地 の 売 却 を 依 頼 したのは 平 成 16 年 3 月 のこと であるから Aが 平 成 14 年 6 月 及 び9 月 当 時 において 廃 業 を 意 図 していたと 認 めることは 到 底 できず 他 にAが 本 件 相 続 開 始 時 前 において 廃 業 に 向 けて 動 き 出 していたことを 認 めるに 足 りる 証 拠 はない したがって 控 訴 人 らの 上 記 主 張 は 理 由 がない 以 上 によれば 本 件 各 債 権 については 評 価 通 達 205 項 を 適 用 すべき 事 由 は 認 められず また 評 価 通 達 6 項 にいう 事 由 は 認 められないから 評 価 通 達 204 項 に 基 づき 元 本 により 評 価 することは 相 当 であるというべきである (3) よって 本 件 各 債 権 を 控 訴 人 らの 相 続 税 の 課 税 価 格 に 算 入 すべきものとしてされた 本 件 各 通 知 はいずれも 適 法 であり 違 法 であるとはいえない 4 争 点 (3)( 更 正 処 分 の 義 務 付 けの 訴 えの 適 法 性 )について 当 裁 判 所 も 本 件 訴 えのうち 更 正 処 分 の 義 務 付 けを 求 める 部 分 は いずれも 不 適 法 であると 判 断 する その 理 由 は 原 判 決 の 理 由 説 示 ( 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 3)のとおりであるから これを 引 用 する 5 よって 原 判 決 は 相 当 であり 本 件 各 控 訴 はいずれも 理 由 がないから 棄 却 することとし 主 文 のとおり 判 決 する 東 京 高 等 裁 判 所 第 10 民 事 部 裁 判 長 裁 判 官 吉 戒 修 一 裁 判 官 藤 山 雅 行 裁 判 官 野 口 忠 彦 7

( 別 表 ) 売 上 高 売 上 原 価 売 上 総 利 益 経 常 損 失 当 期 未 処 理 損 失 役 員 借 入 金 ( ) 内 は 丙 からの 分 銀 行 借 入 金 平 成 11 年 7 月 期 11017 8982 2034 874 18251 13545 ( 不 明 ) 4000 平 成 12 年 7 月 期 133452 10540 2804 1176 19428 13782 (8941) 4000 平 成 13 年 7 月 期 24667 20343 4324 80 19508 22554 (17309) 1794 平 成 14 年 7 月 期 9863 5100 4762 429 14684 15970 (10238) 1821 平 成 15 年 7 月 期 10191 5808 4383 855 15572 15977 1698 平 成 16 年 7 月 期 4848 3068 1779 3118 22566 18543 1540 8