平 成 23 年 (2011 年 ) 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 における 千 葉 県 内 の 液 状 化 - 流 動 化 被 害 ( 第 2 報 ) 2011 年 4 月 4 日 作 成 環 境 研 究 センター 千 葉 県 環 境 研 究 センターでは 地 質 環 境 研 究 室 において 平 成 23 年 (2011 年 ) 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 が 発 生 し た 3 月 11 日 以 後 千 葉 県 における 地 質 環 境 に 関 する 被 害 状 況 の 調 査 を 行 っています 第 1 報 では 東 京 湾 岸 地 域 の 一 部 についての 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 状 況 を 報 告 しました 今 回 の 第 2 報 では 第 1 報 以 降 から4 月 2 日 までの 調 査 結 果 を 報 告 します 第 1 報 も 合 わせてごらんください なお 被 害 地 域 が 非 常 に 広 いため 必 ずしもすべての 液 状 化 - 流 動 化 被 害 を 網 羅 しているわけではありません 本 報 告 以 外 の 液 状 化 に 関 する 情 報 があれば 提 供 いただけると 幸 いです 地 震 時 の 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 地 震 動 により 人 工 地 層 ( 埋 立 層 盛 土 層 など)を 主 とした 軟 らかい 砂 層 ~ 粗 粒 シルト 層 ( 以 下 砂 層 ~ 粗 粒 シルト 層 を 砂 層 など と 略 す また 砂 ~ 粗 粒 シルト を 砂 など と 略 す) において その 地 下 水 の 水 圧 ( 地 下 水 位 )が 高 まることによって 固 体 状 の 砂 層 などが 液 体 状 になります( 液 状 化 ) 液 状 化 が 起 こると 地 下 水 位 は 地 表 より 高 くなっているので 地 下 水 が 地 表 へ 流 出 するとともに 砂 なども 地 下 水 と ともに 流 動 し 噴 出 するので 地 表 に 砂 などが 堆 積 し 噴 砂 丘 ( 砂 火 山 )が 形 成 されます また 液 状 化 した 地 層 全 体 が 低 い 方 へ 移 動 したり 海 の 波 のように 波 打 ったりと 流 体 移 動 ( 流 動 化 )を 伴 いますます このように 一 般 に 液 状 化 - 流 動 化 は 一 連 におこります また 液 体 状 になっているときには 電 柱 などの 比 重 の 大 きいものは 地 中 に 沈 み 地 下 タンクのような 比 重 の 小 さいものは 浮 上 したり 地 震 動 により 地 表 面 が 波 打 ったり( 地 波 (じな み) 現 象 )します この 噴 出 により 地 中 の 水 圧 は 減 じていき この 際 に 液 状 化 した 部 分 の 砂 層 などの 厚 さが 減 少 するので 地 盤 の 沈 下 を 生 じます この 結 果 この 砂 層 などよりも 深 いところまで 基 礎 が 入 っている 構 造 物 に 抜 け 上 がりがみられることになります 今 回 の 地 震 では 県 内 の 北 部 を 中 心 に 広 い 範 囲 で 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられました なお 一 度 液 状 化 - 流 動 化 が 起 こったところでは 従 来 は 液 状 化 - 流 動 化 しにくくなるといわれたこともありますが 本 研 究 室 の 調 査 では 1987 年 千 葉 県 東 方 沖 地 震 ( 以 下 東 方 沖 地 震 と 記 す)で 1923 年 関 東 地 震 の 際 に 液 状 化 - 流 動 化 し たところが 再 液 状 化 - 流 動 化 したことを 確 認 しています その 後 の 国 内 での 地 震 調 査 でも 再 液 状 化 - 流 動 化 は 確 認 しています 今 回 の 地 震 でも 東 方 沖 地 震 時 に 液 状 化 - 流 動 化 したところの 多 くで 再 び 起 きております 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 分 布 調 査 結 果 図 1は 千 葉 県 内 での 概 略 的 な 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 分 布 である 地 質 的 に 見 て 被 害 の 特 徴 は 東 京 湾 岸 埋 立 地 利 根 川 下 流 低 地 九 十 九 里 平 野 下 総 台 地 で 異 なる 図 2は 東 方 沖 地 震 時 の 液 状 化 - 流 動 化 被 害 地 点 の 分 布 であ る 今 回 の 地 震 では 県 内 の 北 部 を 中 心 に 広 い 範 囲 で 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられた 九 十 九 里 平 野 では 現 在 のところ 東 金 市 以 南 での 被 害 は 確 認 していない また 液 状 化 - 流 動 化 被 害 は 今 回 のほうがより 深 刻 な 被 害 となっている これは 図 3に 示 す 今 回 の 地 震 での 揺 れが 図 4の 東 方 沖 地 震 時 での 揺 れに 比 べて 北 部 で 強 く 南 部 で 弱 かったことが 主 要 な 原 因 と 推 定 される 以 下 に 被 害 調 査 の 第 1 報 での 調 査 も 含 めた 結 果 の 概 要 を 地 域 別 に 以 下 に 示 す 全 域 に 共 通 すること 1. 人 工 地 層 ( 埋 立 層 盛 土 層 など) 分 布 域 を 中 心 に 液 状 化 - 流 動 化 現 象 による 被 害 がみられる 2. 噴 砂 は 主 に 次 の 形 態 が 確 認 された これらはそれぞれに 発 生 場 所 が 異 なる 1 地 面 の 亀 裂 から 噴 出 2 噴 砂 が 直 線 状 に 並 ぶ 3 単 独 の 噴 砂 が 多 数 発 生 4 直 径 1m を 超 える 大 きな 噴 砂 孔 を 伴 う 3. 液 状 化 - 流 動 化 が 起 こったところでは 東 方 沖 地 震 時 と 比 べて その 規 模 被 害 程 度 が 概 してはるかに 大 き く 数 十 cm もの 地 盤 の 沈 下 や 家 屋 ブロック 塀 電 柱 などの 浅 層 に 基 礎 をおく 構 造 物 では 傾 き 沈 み 込 みや ライフラインの 寸 断 が 多 数 みられる 東 京 湾 岸 埋 立 地 の 特 徴 1. 東 方 沖 地 震 時 に 比 べてより 広 い 範 囲 で より 深 刻 な 被 害 となっている 必 ずしも 埋 立 地 全 域 で 液 状 化 - 流 動 2-1
化 現 象 が 起 こっているわけではない 場 所 により 被 害 程 度 が 異 なる 2. 他 の 地 域 と 比 較 して 圧 倒 的 に 噴 砂 量 が 多 く 噴 砂 が 下 水 や 側 溝 に 流 れ 込 み 詰 まりを 生 じた 3. 比 高 の 高 い 盛 土 地 ( 比 高 約 2m まで)の 上 からも 噴 砂 が 出 ている 場 合 がある 4. 構 造 物 の 縁 や 角 電 柱 の 脇 から 噴 砂 が 出 ている 場 合 が 多 い 5. 車 道 の 変 形 は 小 さいが その 脇 の 歩 道 の 変 形 が 概 して 著 しい 6. 著 しい 液 状 化 - 流 動 化 現 象 のあったところでは 強 い 揺 れを 感 じなかったり 家 の 中 の 家 具 等 は 倒 れなかっ たとの 証 言 を 得 られた 阪 神 大 震 災 の 際 液 状 化 - 流 動 化 した 埋 立 地 でも 同 様 な 証 言 があり 液 状 化 - 流 動 化 による S 波 の 減 衰 効 果 の 可 能 性 がある 7. 旧 海 岸 線 に 隣 接 した 埋 立 地 で 被 害 が 広 く 分 布 する 傾 向 にある 8.JR 京 葉 線 よりも 海 側 で 被 害 程 度 が 大 きい 傾 向 にある 被 害 分 布 には 埋 立 層 の 厚 さと 調 和 的 なところがある 9. 海 岸 線 に 直 交 ~やや 斜 交 する 幅 数 百 m の 帯 状 に 被 害 が 連 続 する 傾 向 があり これは 沖 積 層 の 厚 さと 調 和 的 な ところがある 10. 美 浜 区 の 中 磯 辺 公 園 の 一 角 でみられるように 人 工 地 層 が 主 に 砂 層 で 構 成 されているところでは 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられ 主 に 泥 層 で 構 成 されているところでは 被 害 がほとんどみられない このように 人 工 地 層 の 構 成 の 違 いも 液 状 化 流 動 化 被 害 に 影 響 をおよぼしているものと 考 えられる( 風 岡 ほか,2000: 第 10 回 環 境 地 質 学 シンポジウム 論 文 集 参 照 ) 11. 例 えば 美 浜 区 打 瀬 のように 液 状 化 対 策 が 施 されているところではほとんど 被 害 がみられない 傾 向 にある 12. 被 害 程 度 の 違 いは 液 状 化 防 止 対 策 を 施 したところを 除 けば 人 工 地 層 沖 積 層 の 厚 さや 構 成 地 層 の 種 類 が 影 響 しているものと 思 われる 利 根 川 下 流 低 地 の 特 徴 1. 東 方 沖 地 震 と 同 様 に 旧 河 道 を 中 心 とした 過 去 の 水 域 を 埋 立 てたところで 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられる し かし 東 方 沖 地 震 時 に 比 べて 今 回 の 地 震 では その 被 害 範 囲 は 広 く 被 害 程 度 は 著 しく 地 盤 の 大 きな 沈 下 を 伴 う 場 合 が 多 い 2. 埋 立 地 でも 液 状 化 - 流 動 化 被 害 の 程 度 が 異 なることがある これは 埋 立 層 沖 積 層 の 厚 さ 構 成 する 地 層 の 種 類 などが 考 えられる 3. 旧 河 道 よりも 広 い 範 囲 で 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられる 4. 地 波 の 波 長 は 場 所 によって 異 なる また 地 波 がみられるところでは 構 造 物 に 被 害 がみられる 場 合 が 多 い 九 十 九 里 平 野 の 特 徴 1. 九 十 九 里 平 野 では 北 部 を 中 心 に 東 方 沖 地 震 で 液 状 化 - 流 動 化 したところを 含 み より 広 くより 著 しい 被 害 となっている 東 金 市 以 南 では 現 在 のところ 液 状 化 - 流 動 化 現 象 を 確 認 していない 2. 九 十 九 里 平 野 北 部 の 旭 市 では 液 状 化 - 流 動 化 現 象 は 東 方 沖 地 震 時 と 比 較 して 広 範 囲 に 起 こっており その 被 害 程 度 は 著 しく 大 きい 被 害 程 度 は 場 所 によって 異 なる これは 軟 らかい 砂 層 の 厚 さの 違 いなどの 影 響 が 考 えられる なお 多 くの 住 民 から 砂 鉄 採 取 のため 掘 り 返 したところで 液 状 化 - 流 動 化 被 害 が 起 きている との 証 言 があった 3. 九 十 九 里 平 野 では 木 戸 川 河 口 付 近 の 山 武 市 小 松 ~ 蓮 沼 平 では 東 方 沖 地 震 よりも 深 刻 な 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられる 沖 積 層 の 厚 さや 構 成 する 地 層 の 種 類 の 影 響 が 考 えられる 4. 東 金 市 以 南 では 東 方 沖 地 震 で 液 状 化 - 流 動 化 被 害 が 砂 鉄 採 取 跡 地 でみられたが 今 回 はみられなかった その 他 の 地 域 1. 下 総 台 地 地 域 に 存 在 する 谷 津 田 の 盛 土 地 においては 東 方 沖 地 震 時 に 液 状 化 - 流 動 化 したところは 今 回 は 被 害 がみられていない 2. 飛 び 地 のように 南 房 総 市 池 之 内 では 噴 砂 がみられる 今 後 の 課 題 今 後 の 災 害 に 強 い 地 質 条 件 を 考 慮 した 街 づくりにむけて 人 工 地 層 における 液 状 化 - 流 動 化 の 予 測 被 害 の 予 2-2
防 対 策 及 び 有 効 利 用 を 検 討 するため 以 下 の 調 査 研 究 が 今 後 必 要 となる 1. 液 状 化 - 流 動 化 の 発 生 実 態 やこれによる 被 害 を 明 らかにするため 航 空 写 真 などによる 噴 砂 の 詳 細 な 分 布 の 把 握 と 同 時 に 地 表 面 の 変 形 について 現 地 で 確 認 し 被 害 程 度 を 把 握 する 2. 液 状 化 - 流 動 化 の 発 生 機 構 を 明 らかにするため 被 害 のあったところの 周 囲 においてボーリング 調 査 などか ら 沖 積 層 や 人 工 地 層 の 地 層 構 成 厚 さなどの 側 方 への 変 化 といった 浅 層 部 の 地 質 構 造 を 明 らかにし 地 震 観 測 等 による 地 震 動 の 増 幅 などの 地 震 動 特 性 との 関 係 や, 地 質 構 造 と 液 状 化 - 流 動 化 被 害 状 況 の 側 方 への 変 化 につ いて 検 討 する 今 後 の 復 旧 復 興 に 向 けて 1. 液 状 化 - 流 動 化 対 策 : 液 状 化 - 流 動 化 被 害 で 最 も 深 刻 なこととしては ライフライン パイプラインの 損 傷 と 緊 急 車 両 の 通 行 の 確 保 があげられる ライフラインは 一 般 に 主 要 道 路 の 地 下 に 埋 設 されているので この ような 主 要 道 路 の 液 状 化 - 流 動 化 予 防 対 策 がまず 重 要 であろう 一 方 これら 対 策 には 周 囲 の 地 質 環 境 を 考 慮 するとドレーン 工 法 が 適 していると 考 えられる なお,セメント 固 化 などのような 難 透 水 性 の 地 盤 改 良 やコンクリート 壁 の 設 置 は, 地 下 水 流 動 の 上 流 域 での 排 水 不 良 を 引 き 起 こし, 地 下 水 位 の 上 昇 をまねく.よ って, 地 下 水 の 上 流 域 の 液 状 化 強 度 の 低 下 をもたらすこととなる 可 能 性 が 高 いので, 地 下 水 流 動 を 考 慮 した 対 策 が 重 量 である(アーバンクボタ 40 号 液 状 化 流 動 化 参 照 ). 2. 地 下 水 の 重 要 性 : 被 災 地 ではライフラインの 寸 断 により 飲 料 水 等 の 確 保 が 困 難 な 状 況 にある 各 自 治 体 は 阪 神 大 震 災 の 教 訓 から 避 難 場 所 に 防 災 井 戸 の 設 置 をすすめてきたが 新 聞 テレビなどのメディアは 上 水 の 確 保 の 問 題 を 報 じている ライフラインが 液 状 化 - 流 動 化 により 寸 断 された 千 葉 市 内 の 埋 立 地 のいくつかの 自 治 会 では 日 常 的 に 利 用 している 井 戸 により 上 水 を 確 保 している 防 災 井 戸 の 維 持 管 理 と 防 災 井 戸 の 新 設 利 用 などを 地 下 水 位 地 下 水 質 の 継 続 的 なモニターも 合 わせて 進 め 地 下 水 資 源 の 有 効 活 用 を 行 っていく ことが 重 要 と 思 われる 3. 地 盤 の 沈 下 : 過 去 の 地 震 による 液 状 化 - 流 動 化 被 害 調 査 の 結 果 では 地 震 直 後 に 大 きく 沈 下 が 起 こり その 後 数 カ 月 かけてゆっくりと 数 cm~ 数 十 cm の 沈 下 が 進 んだ 例 が 多 い また 地 波 のみられたところでは 凸 部 においてゆっくりと 数 十 cm 沈 下 した 例 もある 隣 どうしが 比 高 が 異 なる 場 所 で 亀 裂 がみられるところで は 側 方 へ 移 動 する 場 合 もある 復 旧 の 際 には 測 量 ポイントを 設 けて 定 期 的 に 測 量 を 行 い 変 動 がおさま るのを 待 って 本 格 復 旧 するとよい 4. 災 害 教 育 : 理 科 の 中 の 地 学 分 野 が 災 害 を 扱 う 分 野 である 災 害 にあいにくい 安 全 な 土 地 や 地 下 水 といった 地 質 現 象 ( 地 下 の 現 象 )に 関 する 基 礎 知 識 を 中 学 高 校 の 段 階 でもっと 学 ぶ 必 要 がある 2-3
図 1 2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 での 概 略 的 な 液 状 化 - 流 動 化 被 害 分 布 とその 地 域 区 分 および 調 査 位 置 2-4
図 2 1987 年 千 葉 県 東 方 沖 地 震 時 の 液 状 化 - 流 動 化 地 点 (アーバンクボタ 40 号 ( 千 葉 県 地 質 環 境 研 究 室 作 成 )) 2-5
図 3 2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 震 度 分 布 図 ( 千 葉 県 強 震 観 測 データ 計 算 震 度 及 び 気 象 庁 発 表 震 度 から) 2-6
図 4 1987 年 千 葉 県 東 方 沖 地 震 での 河 角 の 震 度 化 以 分 布 (アーバンクボタ 40 号 ( 千 葉 県 地 質 環 境 研 究 室 作 成 )) 2-7
千 葉 県 内 の 震 度 分 布 2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 について 千 葉 県 ( 当 センター 及 び 消 防 地 震 防 災 課 )が 6 か 所 に 設 置 している 強 震 計 観 測 データから 算 出 した 震 度 値 と 市 町 村 等 に 設 置 している 震 度 計 の 震 度 値 ( 気 象 庁 発 表 )を 用 いて 2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 千 葉 県 内 の 震 度 分 布 図 ( 図 3)を 作 成 した 震 度 は 県 北 部 が 高 い 傾 向 にあり 特 に 印 西 市 と 成 田 市 の 一 部 が 震 度 6 弱 の 地 域 となった 東 葛 飾 から 北 総 地 域 は 震 度 5 強 の 地 点 が 分 布 しているが 東 葛 地 域 の 台 地 部 は 震 度 5 弱 のやや 低 い 震 度 の 分 布 域 が 認 められる 市 原 市 四 街 道 市 から 九 十 九 里 地 域 にかけた 地 域 は 震 度 5 弱 の 地 点 が 分 布 しているが 部 分 的 に 震 度 5 強 の 地 域 が 認 められる 南 部 においては 東 京 湾 岸 の 木 更 津 市 から 富 津 市 南 部 と 太 平 洋 岸 のいすみ 市 から 南 房 総 市 和 田 町 付 近 までとの 間 が 震 度 4 が 分 布 する 地 域 となっているが 君 津 市 久 留 里 地 域 は 震 度 5 弱 と 高 かった 東 京 湾 側 の 鋸 南 町 から 館 山 市 北 部 と 太 平 洋 側 の 南 房 総 市 丸 山 との 間 の 地 域 では 主 に 震 度 5 弱 が 分 布 し 房 総 半 島 南 端 部 は 震 度 4 が 分 布 する 地 域 となっている 図 4は 東 方 沖 地 震 の 際 の 揺 れ 方 についてアンケートを 行 って その 結 果 から 得 た 震 度 ( 河 角 震 度 階 ) 分 布 で ある 東 方 沖 地 震 では 九 十 九 里 地 域 中 心 に 強 いゆれがあり 今 回 の 2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 では 県 北 部 を 中 心 に 東 方 沖 地 震 の 際 よりも 広 範 囲 で 強 いゆれがあった また 図 3にみられる 九 十 九 里 地 域 の 一 部 や 南 部 の 君 津 市 久 留 里 のように 周 辺 と 比 較 して 震 度 が 高 い 地 域 は 東 方 沖 地 震 の 際 ( 図 4)にも 同 様 の 位 置 に 認 められ ている 2-8
調 査 地 域 ごとの 被 害 状 況 以 下, 各 調 査 地 域 の 被 害 状 況 を 写 真 を 中 心 に 詳 述 する. なお 順 番 は 以 下 のとおりである. 1 千 葉 市,2 習 志 野 市,3 船 橋 市,4 市 川 市,5 浦 安 市, 6 野 田 市,7 我 孫 子 市,8 印 西 市,9 栄 町,10 大 栄 町, 11 神 崎 町,12 香 取 市,13 旭 市,14 匝 瑳 市,15 多 古 町, 16 山 武 市,17 東 金 市 九 十 九 里 町 大 網 白 里 町 白 子 町 長 生 村 茂 原 市 一 宮 町 長 南 町 いすみ 市,18 南 房 総 市,19 袖 ヶ 浦 市 市 原 市 1. 千 葉 市 1a. 千 葉 市 宮 野 木 (3 月 30 日 ) 谷 津 田 を 埋 め 立 て 宅 地 化 した 地 域 である. 高 速 道 路 の 橋 脚 下, 側 道 の 両 側 に 亀 裂 噴 砂 が 見 られる. 側 道 の 沈 下 段 差,また, 側 道 沿 いのマンションにも 抜 け あがりが 見 られる. 液 状 化 の 範 囲 低 地 部 の 狭 い 範 囲 に 限 られる. 高 速 道 路 と 側 道 の 間 の 亀 裂 と 噴 砂. 高 速 道 路 側 道 に 面 した 側 道 と 反 対 側 のマンション 入 り 口. 抜 けあがっている. 高 速 道 路 橋 脚 下 の 亀 裂 段 差 と 噴 砂. 同 じ 並 びにある 別 のマンションの 入 り 口. 約 20cm 抜 けあがっている. 高 速 道 路 橋 脚 下 の 噴 砂. この 地 域 のブロック 塀 の 亀 裂. 写 真 左 側 は 高 速 道 路 側 道, 右 川 は 矢 板 が 打 ちこまれた 開 渠 下 水 道 に 挟 まれた 2-9
地 域. 1b 千 葉 市 美 浜 区 磯 辺 8 丁 目 (3 月 28 日 ) 第 一 報 では 詳 細 をみていなかったが, 今 後 の 詳 細 調 査 の 検 討 のため, 一 部 踏 査 を 行 った. 波 長 30~40m 程 度 の 地 波 がみられ,これに 伴 い 多 くの 家 屋 やブロック 塀 が 傾 き, 道 路 は 変 形 している.また, 埋 立 造 成 過 程 で 発 生 した 地 下 構 造 物 に 沿 った 噴 砂 やこれによる 抜 け 上 がりにより 地 表 構 造 物 の 被 害 もみられた. 一 方, 地 波 に 伴 い 一 部 では 1m 程 度 沈 下 しているところがあ り,これから 梅 雤 の 時 期 にかけての 降 雤 時 の 浸 水 被 害 が 懸 念 される. 支 柱 が 土 台 からずれている. 液 状 化 と 地 震 動 による 建 屋 の 傾 動 もみられる. ブロック 塀 の 傾 き 沈 み 込 み( 数 十 cm)がみられる. 家 屋 が 周 辺 とともに 1m 弱 沈 降 した. 今 後 の 降 雤 での 排 水 不 良 が 懸 念 される. 1c. 千 葉 市 幕 張 海 浜 公 園 (3 月 14 日 ) 支 柱 と 思 われる 埋 立 時 のサンドポンプの 噴 出 し 口 のパ イプの 支 柱 用 と 思 われる 鉄 管 の 抜 け 上 がり. 液 状 化 に よる 地 盤 の 沈 下 の 結 果, 地 表 が 沈 下 した. 人 工 海 浜 の 噴 砂 列. 2-10
は 少 ない. 2b. 海 浜 霊 園 付 近 (3 月 14 日 ) 人 工 の 砂 浜 一 帯 に 噴 砂 が 連 続 的 に 認 められ, 一 部 には 陥 没 も 認 められた. 茜 浜 と 海 浜 霊 園 の 間 にある 菊 田 川 の 水 路 右 岸. 右 岸 で は 道 路 が 割 れ, 柵 が 倒 壊 している. スタジアムの 北 側 から 東 側 にかけて 噴 砂 がでている. マリスタジアム 駐 車 場 入 り 口 は 一 面 に 噴 出 した 砂 が 広 がり, 原 付 自 動 車 がタイヤ 半 分 の 高 さまで 砂 で 埋 もれ ていた. 茜 浜 と 海 浜 霊 園 の 間 にある 菊 田 川 の 水 路 左 岸. 左 岸 側 では 液 状 化 した 噴 砂 が 認 められ 柵 が 波 打 ち 水 路 側 に 張 り 出 している. 2. 習 志 野 市 2a. 習 志 野 市 秋 津 (3 月 14 日 ) 噴 砂 は 認 められるが, 電 柱 の 傾 倒 はない. 南 部 の 秋 津 総 合 公 園 では, 噴 砂 は 認 められるが, 噴 出 する 砂 の 量 2-11
海 浜 霊 園. 噴 砂 堆 積 後 の 陥 没 や 噴 出 した 水 によって 侵 食 された 噴 砂 内 にできた 流 路. 南 船 橋 駅 周 辺 の 船 橋 市 浜 町 若 松 町 の 埋 立 地 では 直 径 1 ~2m 程 度 の 噴 砂 が 多 数 みられる.また, 歩 道 や 電 柱 の 沈 降 傾 動 が 一 部 でみられる.この 内 陸 側 の 船 橋 市 宮 本 は, 縄 文 時 代 の 自 然 地 層 上 にあり 噴 砂 をはじめと した 液 状 化 - 流 動 化 現 象 はみられない. 海 浜 霊 園. 北 部 では 噴 砂 は 少 ない. 南 部 は 噴 砂 の 量 が 非 常 に 多 く, 霊 園 の 通 路 などの 低 い 地 域 には 流 動 化 し た 砂 に 満 たされている.また,また, 深 さ 70cm ほどの 陥 没 孔 に 噴 砂 とともに 埋 もれている 墓 も 確 認 した. 2c. 習 志 野 市 谷 津 干 潟 (3 月 12 日 ) 埋 立 地 ではない 谷 津 干 潟 には 噴 砂 は 認 められない. 谷 津 干 潟 と 京 葉 道 の 間 にある 団 地 にはわずかに 噴 砂 があ るが, 非 常 に 少 ない.また, 谷 津 干 潟 の 東 部 にある 津 田 沼 高 校 においてもわずかに 噴 砂 があるがその 規 模 は 大 変 小 さい. 南 船 橋 駅 の 若 松 2 丁 目 では 直 径 は 数 mの 噴 砂 がみられ, 建 物 は 10cm 程 度 の 抜 け 上 がりがみられる. 南 船 橋 駅 西 方 の 葛 南 地 域 整 備 センター 周 辺 ( 浜 町 3 丁 目 )では, 直 径 数 m の 噴 砂 がみられる. 谷 津 干 潟 の 南 東 部 から 北 西 方 向 を 撮 影. 3. 船 橋 市 埋 立 地 を 中 心 に 調 査 をおこなった.ここでは, 工 場 敷 地 が 多 く, 道 路 を 中 心 とした 限 られた 調 査 となってい る. 概 略 的 には JR 京 葉 線 よりも 海 側 で 規 模 の 大 きい 噴 砂, 道 路 の 波 うち( 地 波 ), 電 柱 ブロック 塀 構 造 物 の 沈 降 傾 動 がみられる. 3a. 船 橋 市 浜 町 若 松 ( 南 船 橋 駅 周 辺 )(3 月 18 日 ) 船 橋 市 浜 町 一 丁 目 での 噴 砂. 2-12
3c. 船 橋 市 栄 町 (3 月 18 日 ) JR 京 葉 線 よりも 海 側 の 栄 町 2 丁 目 において 直 径 数 m の 噴 砂 があり, 浄 化 槽 の 浮 上 や 電 柱 の 傾 動 などがみら れる. 3d. 船 橋 市 西 浦 (3 月 18 日 ) JR 京 葉 線 よりも 海 側 で 直 径 数 m の 噴 砂, 地 波 などが みられる. 船 橋 市 宮 本 3 丁 目 以 北 は 噴 砂 がみられない. 3b. 船 橋 市 湊 町 ~ 日 の 出 (3 月 18 日 ) 湊 中 学 校 より 海 側 で 噴 砂 がみられる.JR 京 葉 線 より も 海 側 で 規 模 の 大 きい 噴 砂 が 多 数 みられ, 地 表 面 の 変 形 や 電 柱 の 傾 動 沈 降 がみられる.また, 西 側 護 岸 の 一 部 が 崩 れている.また, 一 戸 建 て 住 宅 の 傾 動 沈 降 も 多 数 みられる. 3e. 船 橋 市 高 瀬 町 (3 月 18 日 ) 埋 立 地 中 央 の 東 西 方 向 に 走 る 片 側 二 車 線 の 道 路 では 西 側 で 大 規 模 な 大 量 の 噴 砂 や 地 波 などの 地 表 の 変 形, 電 柱 の 沈 降 傾 動 がみられる. 北 側 の 護 岸 はほとんど 被 害 がみられない.この 北 側 護 岸 から 東 へ 延 びる 埋 立 地 内 を 通 る 部 分 では, 規 模 の 大 きい 噴 砂 や 道 路 の 波 うち ( 地 波 )がみられる. 日 の 出 2 丁 目 の 西 側 護 岸 の 一 部 が 崩 れた. 片 側 二 車 線 の 道 路 の 東 部 では 噴 砂 はみられない. 日 の 出 2 丁 目 では 電 柱 の 傾 動 や 一 戸 建 て 家 屋 の 傾 動 が みられる. 片 側 二 車 線 道 路 の 西 部 では 大 規 模 な 噴 砂 が 多 数 みられ る. 2-13
液 状 化 による 地 盤 の 沈 下 の 結 果, 杭 基 礎 が 入 っている と 思 われる 構 造 物 では 40cm 程 度 の 抜 け 上 がりがみら れる. 歩 道 の 縁 石 は 道 路 側 ( 南 )へ 傾 いている. 白 く 見 える のは 噴 砂. 4. 市 川 市 4a. 高 浜 町 二 俣 新 町 (3 月 16 日 ) いずれも 海 岸 部 の 埋 め 立 て 造 成 地 であり, 顕 著 な 噴 砂 抜 け 上 がり 地 盤 沈 下 が 認 められる. 特 に 道 路 面 に 対 して 高 く 造 成 された 工 場 では 液 状 化 して 道 路 側 に 流 動 し, 歩 道 を 大 きく 破 壊 している 例 が 目 立 つ. 液 状 化 - 流 動 化 による 地 表 面 の 変 形. 電 柱 の 傾 動 ( 先 端 が 黄 色 の 電 柱 が 被 災 したもの). 運 動 公 園 周 辺 では 直 径 数 十 m の 大 規 模 な 噴 砂 が 多 くみ られる. 顕 著 な 噴 砂 抜 け 上 がり 地 盤 沈 下 が 認 められる. 2-14
4b. 市 川 市 高 谷 高 谷 新 町 (3 月 16 日 ) JR 京 葉 線 よりも 海 側 で 直 径 数 m を 超 える 大 規 模 な 噴 砂 がみられる. 噴 砂 が 乾 燥 し 砂 が 舞 う. 高 谷 新 町 南 部 では 直 径 数 十 m の 大 規 模 な 噴 砂 がみら れる 砂 撤 去 作 業 のため, 積 み 上 げられた 砂 山. 5b. 高 洲 明 海 (3 月 16~28 日 ) 液 状 化 現 象 に 伴 う 地 盤 沈 下 によって, 基 礎 を 有 する 構 造 物 の 多 くが 抜 け 上 がり 現 象 を 生 じた. 建 物 の 損 傷 は 軽 微 でもライフラインが 破 損 し 被 害 は 甚 大 とな った. 高 谷 新 町 北 部 では 噴 砂 量 が 非 常 に 多 い.また 電 柱 の 傾 きもみられる. 5. 浦 安 市 5a. 舞 浜 (3 月 16~28 日 ) 戸 建 て 住 宅 の 周 囲 から 大 量 の 噴 砂 が 流 出 し, 大 半 の 建 屋 が 沈 下 傾 いた. 噴 砂 の 撤 去 後 も, 残 った 細 粒 の 泥 質 分 が 強 風 に 舞 い 上 がり 砂 嵐 を 発 生 させた. 抜 け 上 がり. 2-15
建 物 が 抜 け 上 がり 地 面 との 段 差 が 生 じ 傾 いてしまった 通 路. 5c. 日 の 出 明 海 高 洲 (3 月 16~28 日 ) 明 海 高 洲 では, 液 状 化 現 象 によって 比 重 の 軽 いマン ホールや 地 下 タンクは 浮 き 上 がった. 高 洲 地 区 の 災 害 用 貯 水 槽 も 使 用 不 能 となった. 本 地 区 における, 基 礎 を 有 する 構 造 物 の 抜 け 上 がり 量 実 測 図 ( 調 査 期 間 :2011/3/22~28).この 抜 け 上 が り 量 は,ほぼ 表 層 の 地 盤 沈 下 量 を 示 していると 推 定 さ れる.20cm 以 上 の 抜 けあがりが 広 くみられ, 局 所 的 に 40cm 以 上 の 部 分 が 多 数 存 在 する. 沖 合 側 の 南 東 部 では 抜 けあがりが 極 めて 小 さい. 浦 安 市 明 海 : 落 差 40cm ほどの 直 線 上 の 断 裂 が 認 めら れた. 断 裂 の 上 盤 側 は 変 形 も 小 さいが, 下 盤 側 ( 北 西 方 向 )は 著 しい 液 状 化 現 象 が 認 められる.この 断 裂 は 約 1km にわたって 追 跡 できる. 浦 安 市 明 海 : 噴 砂 口 列 と 亀 裂 が 平 行 に 並 ぶ. 浦 安 市 明 海 高 洲 : 浮 き 上 がった 地 下 埋 設 物. 2-16
浦 安 市 明 海 高 洲 : 浮 き 上 がったマンホール. 6. 野 田 市 6a 台 町 (3 月 28 日 ) 田 んぼの 畦 沿 いに 噴 出 している 噴 砂 は 北 西 - 南 東 方 向 に 伸 びるようである 中 央 左 の 家 屋 塀 の 傾 き 及 び 手 前 家 屋 の 塀 は 転 倒 し 修 復 中 塀 の 傾 き 畦 沿 いに 見 られた 噴 砂 6b 野 田 市 下 納 谷 (3 月 28 日 ) 水 田 中 に 細 長 く 伸 びる 噴 砂 口 の 列 が 数 条 見 られる 噴 砂 列 の 方 向 は 旧 地 形 図 からは 池 の 分 布 と 符 合 よ うである 7. 我 孫 子 市 7a 新 木 (あらき) (3 月 28 日 ) 台 地 と 低 地 の 境 界 部 で 低 地 側 にある 住 宅 団 地 この 境 界 部 において 屋 根 瓦 被 害 が 見 られる U 字 溝 の 上 部 が 狭 くなる 現 象 が 見 られたことから 台 地 側 から 低 地 側 への 表 層 部 分 の 移 動 ( 動 き)がある 塀 の 倒 壊 不 同 沈 下 や 噴 砂 が 見 られた 電 柱 の 傾 き 手 前 は 右 奥 は 左 へ 傾 いている 2-17
た 湿 地 として 記 載 されている その 東 側 ほぼ 2/3 の 区 域 で 噴 砂 が 確 認 された 数 条 の 噴 砂 がみられるが 噴 砂 のみられない 亀 裂 もある 畑 の 作 業 をしていた 地 元 の 方 の 話 では もともとはナカガワであったが 埋 立 て た 後 に 畑 にした とのことであった このナカガワ 沿 いは 全 体 の 埋 立 地 の 中 では 標 高 は 高 い 屋 根 瓦 の 被 害 帯 状 に 連 続 して 噴 砂 が 見 られる 山 側 から 低 地 側 へ 家 屋 の 土 地 が 移 動 し 側 溝 上 部 が 狭 まっている 同 様 な 現 象 が 左 側 の 側 溝 も 見 られた( 近 景 ) 噴 砂 のあった 付 近 では 一 部 低 くなり 水 が 溜 まってい る 同 上 ( 遠 景 ) 7b 2 我 孫 子 市 久 寺 家 地 先 ( 中 川 ) (3 月 28 日 ) ここは 国 土 地 理 院 昭 和 47 年 11 月 30 日 発 行 の 1/25,000 地 形 図 取 手 によれば この 地 域 は 蛇 行 し 同 上 2-18
亀 裂 と 帯 状 につながる 噴 砂 口 列 この 噴 砂 列 は やや 低 い 部 分 に 噴 出 しているようであ る 7c 我 孫 子 市 岡 発 戸 (3 月 22 日 ) 岡 発 戸 の 旧 古 利 根 川 を 水 田 化 したところでは 旧 河 道 に 平 行 な 亀 裂 が 何 列 も 走 り 噴 砂 を 生 じている 旧 河 道 の 流 路 に 平 行 な 亀 裂 が 何 列 も 走 り 噴 砂 を 生 じ ている 7d 我 孫 子 市 布 佐 (3 月 22 日 ) 千 葉 県 東 方 沖 地 震 時 にはこの 付 近 は 液 状 化 していな い 住 宅 地 の 液 状 化 - 流 動 化 の 被 害 は 非 常 に 大 きいが 地 域 は 限 定 されている 都 の 県 道 4 号 沿 いおよび 布 佐 酉 町 北 部 の 都 の 隣 接 部 において 噴 砂 や 電 柱 ブロック 塀 家 屋 の 傾 動 沈 降 地 波 といった 深 刻 な 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられる 液 状 化 の 被 害 は 電 柱 の 沈 下 傾 斜 マンホールの 浮 き 上 がり 配 管 類 の 破 損 家 屋 塀 などの 沈 下 傾 動 破 損 家 屋 へ 噴 砂 の 侵 入 道 路 の 沈 下 波 打 ちなど 種 類 も 多 く 被 害 の 度 合 いも 大 き い 家 屋 の 中 には 1m 以 上 沈 降 しているものもある 液 状 化 - 流 動 化 地 域 は 堤 防 の 破 損 地 域 堤 防 脇 の 畑 の 亀 裂 噴 砂 そしてそれに 隣 接 する 住 宅 地 と 液 状 化 被 害 は 堤 防 から 住 宅 地 まで 連 続 して 分 布 している 液 状 化 地 域 とそうでない 地 域 の 境 界 は 明 瞭 で 一 軒 の 敷 地 内 を 境 界 が 通 過 しているところもある 都 : 堤 防 に 上 る 道 路 の 破 損 と 堤 防 の 損 壊 写 真 右 手 が 被 害 住 宅 地 域 旧 古 利 根 川 に 沿 って 亀 裂 からの 噴 砂 が 多 数 みられる 2-19
沈 んだ 家 屋 もみられる ( 堤 防 側 から 見 る) 都 : 堤 防 の 損 壊 写 真 右 側 が 被 害 住 宅 地 都 : 前 写 真 の 反 対 側 から 液 状 化 被 害 地 を 見 る 都 : 堤 防 の 損 壊 個 所 から 被 害 地 住 宅 地 を 見 る ( 写 真 手 前 に 堤 防 の 損 壊 個 所 を 覆 うビニールシート 中 央 に 見 える 畑 には 堤 防 と 並 行 の 亀 裂 及 び 噴 砂 が 見 える そ の 奥 が 液 状 化 - 流 動 化 による 被 害 住 宅 地 都 : 写 真 中 央 部 分 のアクリル 製 の 波 板 は 斜 めにしわ がよっている 波 板 は 中 央 の 手 前 のブロック 塀 と 奥 の 家 屋 と 連 結 しているため 両 者 の 変 異 の 違 いを 受 けこ のようなしわがよったものと 思 われる 都 : 液 状 化 被 害 地 の 様 子 電 柱 の 落 ち 込 み 傾 き 道 路 の 変 形 家 屋 の 傾 動 損 壊 など 被 害 は 大 きい 都 噴 砂 とともに 建 屋 やブロック 塀 電 柱 などの 構 造 物 の 沈 み 込 みや 傾 きが 50 軒 以 上 みられる 中 には 1m 程 度 都 : 沈 み 込 んだ 家 屋 と 家 屋 を 取 り 囲 む 多 量 の 噴 砂 家 屋 の 壁 に 噴 砂 の 跡 が 残 っているのが 見 える 2-20
都 : 家 屋 の 沈 み 込 み 傾 動 都 : 駐 車 場 建 屋 の 沈 下 傾 動 都 : 家 屋 の 抜 けあがり 敷 地 の 沈 下 都 : 家 屋 の 沈 下 傾 動 敷 地 ( 庭 ) 面 との 相 対 的 な 変 化 が 大 きく 玄 関 前 敷 石 が 大 きく 家 屋 側 へ 落 ち 込 んでい る 都 : 前 写 真 の 遠 景 家 屋 家 屋 敷 地 及 び 道 路 面 がそれ ぞれ 異 なる 変 動 をしている そのため 配 管 類 が 破 損 し ている 都 :ブロック 塀 沿 いの 暗 渠 側 溝 の 蓋 波 打 っている ブ ロック 塀 も 写 真 中 央 部 分 が 落 ち 込 んでいる 2-21
手 前 が 液 状 化 地 域 玄 関 周 辺 の 敷 石 が 玄 関 部 分 を 離 れて 落 ち 込 んでいる 様 子 がよくわかる 隙 間 も 写 真 手 前 になるほど 大 きい 都 :ブロック 塀 が 隣 の 建 物 に 寄 りかかっている 道 路 際 のブロック 塀 の 倒 壊 は 人 的 被 害 につながる 可 能 性 が 高 く 注 意 が 必 要 である 都 :き 上 がったマンホール 都 : 一 軒 の 敷 地 内 を 液 状 化 - 流 動 化 している 部 分 とし ていない 部 分 との 境 界 がとおる( 境 界 線 は 写 真 とほぼ 直 行 方 向 ) 玄 関 前 の 敷 石 をみると, 左 側 部 分 は 液 状 化 していないため 玄 関 敷 石 が 玄 関 部 分 と 密 着 しているが 右 側 部 分 は 液 状 化 のため 地 表 面 が 大 きく 沈 降 し 玄 関 敷 石 が 玄 関 部 分 を 離 れて 落 ち 込 んでいる 都 : 沈 み 込 んだ 電 柱 電 柱 の 際 から 噴 砂 が 見 える 都 : 前 写 真 の 玄 関 部 分 を 液 状 化 地 域 側 から 見 た 奥 が 液 状 化 していない 地 域 ( 境 界 は 写 真 と 平 行 方 向 ) 写 真 都 : 多 量 の 噴 砂 と 家 屋 の 傾 き 2-22
布 佐 酉 町 : 噴 砂 や 電 柱 ブロック 塀 家 屋 の 傾 動 沈 降 地 波 といった 深 刻 な 液 状 化 - 流 動 化 被 害 がみられ る 家 屋 の 中 には 1m 以 上 沈 降 しているものもある 50 軒 以 上 の 家 屋 の 傾 き 沈 み 込 みがみられる 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 電 柱 の 傾 き 沈 み 込 み 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 沈 み 込 み 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 布 佐 酉 町 : 道 路 の 変 形 と 家 屋 塀 の 傾 き 深 刻 なとこ 2-23
ろでは 1m 程 度 の 沈 み 込 みもみられる 8. 印 西 市 8a 木 下 東 (3 月 22 日 ) 利 根 川 の 堤 防 沿 いでは 木 下 東 において 堤 防 の 損 傷 や 家 屋 の 瓦 屋 根 の 損 傷 がみられる 生 板 鍋 子 新 田 : 長 い 亀 裂 を 伴 う 噴 砂 その 向 こうには 地 波 もみられる 木 下 東 : 利 根 川 沿 いの 堤 防 上 を 走 る 県 道 4 号 線 が 損 傷 隣 接 する 数 件 の 家 屋 には 瓦 屋 根 の 被 害 がみられ 局 所 的 に 強 く 揺 れた 可 能 性 がある 9. 栄 町 9a 栄 町 生 板 鍋 子 新 田 (まないたなべこしんでん) ~ 中 谷 (3 月 22 日 ) 旧 利 根 川 河 道 であった 生 板 鍋 子 新 田 において 直 径 数 十 m もの 巨 大 な 噴 砂 が 多 数 みられ 電 柱 の 傾 動 沈 降 地 盤 の 沈 下 亀 裂 地 波 などが 水 田 内 を 中 心 にみられ る また 中 谷 付 近 の 利 根 川 の 堤 防 沿 いでは 堤 防 の 損 傷 がみられ 付 近 の 家 屋 の 瓦 屋 根 の 損 傷 がみられる 生 板 鍋 子 新 田 : 長 い 亀 裂 と 亀 裂 からの 噴 砂 生 板 鍋 子 新 田 : 大 量 の 噴 砂 で 道 路 が 埋 まっている 生 板 鍋 子 新 田 : 直 径 10m 程 度 の 噴 砂 や 電 柱 の 沈 降 傾 動 がみられる 水 田 の 畔 の 一 部 は 沈 下 で 水 中 に 没 し ている 2-24
れない 中 谷 : 利 根 川 の 堤 防 の 損 傷 の 復 旧 工 事 大 栄 中 学 校 に 沿 う 谷 津 田 の 周 囲 では 瓦 屋 根 の 被 害 がみ られる 11. 神 崎 町 11a 小 松 飛 地 (3 月 18 日 ) 中 谷 : 堤 防 の 損 傷 がみられる 近 くでは 瓦 屋 根 の 被 害 も みられる 10. 大 栄 町 10a 大 栄 中 学 校 (3 月 19 日 ) 東 方 沖 地 震 では 液 状 化 - 流 動 化 の 被 害 があったが 今 回 はみられなかった しかし 近 隣 の 谷 津 田 内 の 住 宅 では 屋 根 瓦 被 害 がみられる 大 栄 中 学 校 のグランド 今 回 は 液 状 化 - 流 動 化 はみら 上 の 図 は 1980 年 代 の 地 形 図 であり 下 側 に 突 の 部 分 は 旧 河 川 ( 利 根 川 )を 埋 め 立 てられ 水 田 となってい た 部 分 である 当 時 は 周 辺 の 水 田 よりも 低 くなって いたが 現 在 では 周 辺 の 耕 地 区 画 と 同 じ 高 低 となり 用 水 排 水 設 備 が 整 っており 旧 河 川 跡 であることは 想 像 できない 1987 年 の 千 葉 県 東 方 沖 の 地 震 の 際 には この 部 分 で 広 く 噴 砂 が 見 られた 今 回 も 噴 砂 が 広 い 範 囲 で 見 られた 以 下 に 特 徴 を 列 挙 する 旧 河 道 の 内 側 は 沈 下 しており その 周 囲 とは 段 差 が 生 じている 旧 河 道 方 向 に 延 びる 平 行 な 亀 裂 が 多 数 走 り その 亀 裂 から 砂 が 噴 出 し 列 となっている また 畦 道 の 部 分 に 噴 砂 列 がかかる 場 合 畦 道 が 沈 下 している 北 側 の 小 水 路 の 長 軸 方 向 に 川 底 の 隆 起 が 見 られ 噴 砂 によるものと 思 われる 旧 河 道 の 北 側 の 小 水 路 沿 いの 民 家 さらに 北 側 の 水 田 でも 噴 砂 が 見 られた 上 図 の 神 崎 神 宿 と 書 かれて いる 付 近 でも 噴 砂 や 陥 没 が 見 られ 東 方 沖 地 震 の 際 に 噴 砂 が 見 られた 旧 河 道 よりも 幅 広 く 今 回 は 噴 砂 がみ 2-25
られた 直 線 状 の 亀 裂 ( 東 向 きに 撮 影 ) 噴 砂 の 見 られる 周 辺 では 電 柱 が 傾 斜 している 直 線 状 の 亀 裂 ( 西 向 きに 撮 影 ) 小 水 路 沿 いの 公 園 に 作 られた 便 所 建 屋 の 抜 け 上 がり 50cm 以 上 直 線 状 の 噴 砂 が 畦 を 横 切 る 所 では 波 打 ちが 見 られた 同 左 の 水 路 中 央 付 近 は 川 底 からの 噴 砂 で 盛 り 上 がっ ている 2-26
同 反 対 方 向 神 崎 町 小 松 : 旧 河 道 よりも 北 側 でも 旧 河 道 に 平 行 に 亀 裂 が 走 りここからの 噴 砂 がみられる また 地 波 電 柱 の 傾 き 沈 み 込 みがみられる 小 礫 混 じりの 噴 砂 で 覆 われる 部 分 もある 神 崎 町 神 崎 新 宿 : 液 状 化 - 流 動 化 に 伴 う 大 量 の 噴 砂 と 地 波 電 柱 の 沈 みこみ 11b 大 貫 飛 地 (3 月 18 日 ) ここでは 1987 年 千 葉 県 東 方 沖 の 地 震 に 比 べ 広 い 範 囲 で 液 状 化 - 流 動 化 が 発 生 している 液 状 化 - 流 動 化 し た 土 地 は 地 波 が 発 生 し 低 い 部 分 には 水 が 溜 まってい る 農 道 の 方 向 ( 南 北 方 向 )と 平 行 に 伸 びる 亀 裂 が 見 られ 電 柱 が 傾 いている 液 状 化 - 流 動 化 の 発 生 した 2-27
土 地 に 隣 接 した 民 家 には 屋 根 瓦 の 被 害 が 見 られた 利 根 川 の 護 岸 に 近 い 水 田 においても 噴 砂 が 見 られた (1987 年 の 千 葉 県 東 方 沖 の 地 震 の 際 には 見 られてい ない 土 地 ) 水 路 沿 い 農 道 の 亀 裂 と 電 柱 の 傾 き 周 辺 の 水 田 には 噴 砂 大 貫 飛 地 西 側 の 民 家 屋 根 瓦 が 被 害 を 受 けている 利 根 川 護 岸 に 近 い 付 近 にも 噴 砂 ( 墓 地 の 西 側 ) 飲 料 水 の 可 搬 型 貯 水 槽 1 立 方 メートル 大 貫 飛 地 では 液 状 化 - 流 動 化 により 地 盤 沈 下 し 水 が 溜 まっている( 墓 地 の 東 側 ) 農 道 の 地 波 と 水 田 の 噴 砂 及 び 電 柱 の 傾 き 2-28