いわゆる 密 約 問 題 に 関 する 有 識 者 委 員 会 報 告 書 ( 概 要 ) 平 成 22 年 3 月 9 日 序 論 密 約 とは 何 か (1) 狭 義 の 密 約 とは 両 国 間 の 合 意 あるいは 了 解 であって 国 民 に 知 らされて おらず かつ 公 表 されている 合 意 や 了 解 と 異 なる 重 要 な 内 容 ( 追 加 的 に 重 要 な 権 利 や 自 由 を 他 国 に 与 えるか あるいは 重 要 な 義 務 や 負 担 を 自 国 に 引 き 受 け る 内 容 )を 持 つもの 厳 密 には 密 約 とはそういうものを 指 して 言 うべき その 場 合 当 然 合 意 文 書 が 存 在 他 方 広 義 の 密 約 とは 明 確 な 文 書 による 合 意 でなく 暗 黙 のうちに 存 在 する 合 意 や 了 解 であるが やはり 公 表 されている 合 意 や 了 解 と 異 なる 重 要 な 内 容 を 持 つもの 今 回 の 作 業 は 民 主 主 義 の 原 則 に 立 って 行 う 検 証 作 業 の 一 つであり 広 義 の 密 約 も 対 象 (2) 安 保 改 訂 交 渉 の 重 点 は 1 基 地 使 用 に 係 る 日 本 側 の 発 言 権 の 確 保 ( 核 心 は 核 持 ち 込 み) 2 朝 鮮 半 島 有 事 における 米 軍 の 基 地 自 由 使 用 核 兵 器 について は 戦 術 核 兵 器 の 発 展 も 考 慮 する 要 あり (3)しばしば 指 摘 されるように 条 約 それ 自 体 は 一 片 の 紙 切 れ 権 利 義 務 が 履 行 さ れるのは 両 国 間 に 信 頼 関 係 と 共 通 の 利 益 があるとき 第 一 章 アメリカの 世 界 戦 略 と 日 本 (1) 日 本 の 戦 略 的 重 要 性 及 び 日 本 の 中 立 化 に 関 する 米 の 懸 念 に 触 れた 後 第 二 次 世 界 大 戦 後 から 1960 年 頃 までの 核 兵 器 の 使 用 をめぐる 米 英 間 のやりとり 了 解 の 事 例 ( 米 が 核 に 対 する 自 由 裁 量 確 保 に 固 執 する 内 容 )を 紹 介 (2)マッカーサー 大 使 らは 対 日 交 渉 を 進 める 上 で 対 英 交 渉 を 参 考 にした 第 二 章 核 搭 載 艦 船 の 一 時 寄 港 (1) 討 議 の 記 録 (イ) 今 回 の 調 査 で 討 議 の 記 録 のコピーと 考 えられる 文 書 が 見 つかった (ロ) 討 議 の 記 録 2 項 Cだけをもって 日 米 間 に 核 搭 載 艦 船 の 寄 港 を 事 前 協 議 の 対 象 外 とする 密 約 の 証 拠 と 見 ることは 難 しい (2) 暗 黙 の 合 意 の 萌 芽 安 保 改 定 交 渉 の 際 日 本 側 の 交 渉 者 はこの 問 題 をどう 処 理 しようとしたのか (イ) 問 題 を 忘 れていた(この 問 題 を 忘 れていたので 議 論 しなかったのか?) No (ロ) 錯 誤 が 生 じた( 議 論 なしに 自 らの 立 場 に 理 解 が 得 られたと 錯 覚 したのか?) No 米 側 は 核 搭 載 艦 の 寄 港 につき 事 前 協 議 できないことを 藤 山 大 臣 に 伝 えた 由 (ハ) 意 図 的 に 明 確 化 を 回 避 した Yes NCND 政 策 を 維 持 する 限 り 寄 港 が 事 前 協 議 の 対 象 となれば 米 国 第 七 艦 隊 艦 船 は 寄 港 できなくなる しかし それでは 日 米 安 保 そのものが 成 立 しない 他 方 日 本 としては 国 内 的 に 事 前 協 議 を 不 要 とすることはできない 互 いに 深 追 いせず 問 題 を 曖 昧 なままにしておく その 結 果 核 搭 載 艦 船 は 事 前 協 議 なしに 日 本 に 寄 港 するかもしれず また 日 本 政 府 はそうなることを 表 向 き 否 定 するかも 知 れないが 互 いに 抗 議 はしない そういう 暗 黙 の 合 意 が 安 保 改 定 時 にできあがりつつあった( 暗 黙 の 合 意 の 萌 芽 ) 1
この 場 合 の 合 意 = 日 米 両 政 府 が 単 に 相 手 との 立 場 の 違 いを 知 りながら 黙 っているというだけ でなく そのことが 公 にならないよう 協 力 することに 意 思 の 一 致 があったということ (3) 大 平 ライシャワー 会 談 以 後 (イ) 日 本 は 米 側 の 立 場 を 明 確 に 知 り 実 際 に 核 搭 載 艦 が 事 前 協 議 なく 寄 港 する 可 能 性 が 高 いことを 承 知 しかし 異 議 を 唱 えず その 後 も 事 前 協 議 がない 限 り 核 搭 載 はない 旨 の 不 正 直 な 答 弁 を 継 続 これは 米 国 に 責 任 を 転 嫁 するもの (ロ) 政 府 は 討 議 の 記 録 が 存 在 するにもかかわらず 事 前 協 議 に 関 しては 交 換 公 文 と 藤 山 マッカーサー 口 頭 了 解 しかない と 明 白 な 嘘 をつき 続 けた (ハ) 東 郷 文 彦 北 米 局 長 は 1968 年 1 月 27 日 付 け 内 部 文 書 で 本 問 題 につき 日 本 周 辺 における 外 的 情 勢 或 は 国 内 における 核 問 題 の 認 識 に 大 きな 変 動 のあ る 如 き 条 件 が 生 ずる 迄 現 在 の 立 場 を 続 けるの 他 なしと 思 はれる と 結 論 してい る この 文 書 は 以 後 政 府 内 ( 首 相 外 相 等 )でこの 問 題 に 関 する 説 明 資 料 とし て 使 われた (4) 結 論 (イ) 日 米 両 国 間 には 核 搭 載 艦 船 の 寄 港 が 事 前 協 議 の 対 象 か 否 かにつき 明 確 な 合 意 はない 他 方 この 問 題 の 処 理 については 合 意 がないわけではない (ロ) 日 本 政 府 は 米 国 政 府 の 解 釈 に 同 意 しなかったが 米 側 にその 解 釈 を 改 める よう 働 きかけることもなく 核 搭 載 艦 船 が 事 前 協 議 なしに 寄 港 することを 事 実 上 黙 認 した 日 米 間 には この 問 題 を 深 追 いすることで 同 盟 の 運 営 に 障 害 が 生 じ ることを 避 けようとする 暗 黙 の 合 意 が 存 在 した (ハ) 序 論 における 密 約 の 定 義 によれば 日 米 両 政 府 間 には 安 保 改 定 時 に 姿 を 現 し その 後 1960 年 代 に 固 まった 暗 黙 の 合 意 という 広 義 の 密 約 が 存 在 (ニ) 日 本 政 府 の 説 明 は 嘘 を 含 む 不 正 直 なもの 民 主 主 義 の 原 則 から 本 来 あっ てはならない ただしその 責 任 と 反 省 は 冷 戦 という 国 際 環 境 と 国 民 の 反 核 感 情 との 間 の 容 易 ならざる 調 整 を 踏 まえるべき (ホ) 今 回 の 調 査 で 利 用 できた 外 務 省 文 書 の 量 と 質 はこの 問 題 の 構 造 を 大 まかに つかむのに 十 分 なもの それでも 重 要 部 分 に 欠 陥 があり 解 明 できないところ が 残 った そうなった 経 緯 に 関 する 事 情 調 査 と 重 要 文 書 の 管 理 に 対 する 深 刻 な 反 省 が 必 要 第 三 章 朝 鮮 半 島 有 事 と 事 前 協 議 (1) 朝 鮮 半 島 有 事 の 際 は 場 合 によっては 事 前 協 議 を 免 除 する 非 公 開 の 朝 鮮 議 事 録 は 今 回 の 調 査 でその 存 在 が 確 認 された(ただしイニシャルなし) (2) 一 昨 年 フォード 大 統 領 図 書 館 で 発 見 された 朝 鮮 議 事 録 は 外 務 省 でみつか った 最 終 案 と 本 文 は 同 一 しかし 日 付 は 60 年 6 月 23 日 付 政 権 交 代 を 予 測 し て 批 准 書 交 換 時 に 準 備 会 合 を 開 催 し 署 名 した 可 能 性 あり (3) 今 回 その 存 在 が 確 認 された 朝 鮮 議 事 録 が 密 約 という 性 格 を 帯 びた 文 書 であ るとの 認 識 を 日 本 側 交 渉 当 事 者 が 持 っていたのは 確 実 (4) 朝 鮮 議 事 録 について 日 米 間 で 連 日 会 談 を 重 ねたとされる 1959 年 11 月 後 半 から 12 月 にかけての 会 談 記 録 文 書 が 存 在 しないが その 理 由 は 不 明 (5) 沖 縄 返 還 交 渉 で 日 本 側 は 対 外 表 明 により 朝 鮮 議 事 録 を 置 き 換 えることを 目 指 した 朝 鮮 議 事 録 の 有 効 性 については 日 米 間 で 明 確 な 決 着 がつけられる ことはなかったが 事 前 協 議 なしの 基 地 使 用 は 考 えられず 朝 鮮 議 事 録 は 事 2
実 上 失 効 したとみてよい (6)70 年 代 米 側 は 朝 鮮 議 事 録 の 延 長 を 日 本 側 に 提 起 することが 検 討 されたが 結 局 議 事 録 を 未 解 決 のままとし 正 式 に 消 滅 させることとしない という 形 で 米 側 も 日 本 側 の 立 場 を 事 実 上 受 け 入 れた 90 年 代 のガイドライン 策 定 等 によ り 事 実 上 本 件 議 事 録 は 過 去 のものとなった 第 四 章 沖 縄 返 還 と 有 事 の 核 の 再 持 ち 込 み (1) 共 同 声 明 の 核 に 関 する 交 渉 は 日 本 側 提 案 の 事 前 協 議 制 度 に 関 する 米 国 政 府 の 立 場 を 害 することなく に 対 する 米 国 側 返 答 がない 中 若 泉 -キッシンジ ャー ルートにおいても 進 められた (2) 合 意 議 事 録 が 佐 藤 内 閣 の 後 継 内 閣 をも 拘 束 する 長 期 的 効 力 を 持 ったのか どうかについては 佐 藤 首 相 自 身 が 否 定 的 であったこと 及 び 合 意 議 事 録 の 保 管 方 法 ( 引 き 継 いだ 節 がない)から 見 て 否 定 的 に 考 えざるを 得 ない (3)この 合 意 議 事 録 は 共 同 声 明 よりも 踏 み 込 んだ 内 容 であるが 共 同 声 明 の 内 容 を 大 きく 超 える 負 担 を 約 束 するものではなく 必 ずしも 密 約 とは 言 えないだ ろう (4)69 年 11 月 の 交 渉 成 立 に 際 して この 合 意 議 事 録 が 果 した 役 割 について 判 断 するのは 現 時 点 では 難 しいが これがなくとも 別 途 の 方 法 により 合 意 は 実 現 されたのではないかと 思 われる (5) 若 泉 キッシンジャー ルートが 果 した 役 割 については キッシンジャーという ユニークなスタイルの 外 交 指 導 者 との 交 渉 で 落 としどころを 探 る 上 では 同 ル ートが 開 かれたことは 大 いに 評 価 第 五 章 沖 縄 返 還 と 原 状 回 復 補 償 費 の 肩 代 わり (1) 米 国 側 は 原 状 回 復 補 償 費 の 自 発 的 支 払 のための 財 源 を 日 本 側 が 肩 代 わり することを 約 束 する 大 臣 書 簡 を 求 めるが 愛 知 大 臣 は これを 見 合 わせた (2) 東 京 では 交 渉 当 事 者 間 で 大 臣 書 簡 案 に 代 わるオプションとして 吉 野 局 長 と スナイダー 駐 日 公 使 によるイニシャルを 前 提 とした 議 論 の 要 約 を 作 成 するこ とで 合 意 し 愛 知 の 帰 国 前 後 に 吉 野 とスナイダーがイニシャル(71 年 6 月 12 日 付 け)したものと 考 えられる (3) 米 側 資 料 によれば 6 月 12 日 の 最 終 協 議 において 署 名 による 書 簡 とする か あるいは 交 渉 経 緯 ( 記 録 ) とするかが 議 論 となり 井 川 吉 野 両 局 長 ら 日 本 側 の 交 渉 当 時 者 は 二 分 されたという 吉 野 は 交 渉 経 緯 の 全 体 に 言 及 すること を 避 けるため 両 者 を 折 衷 させた 議 論 の 要 約 を 作 成 し 米 側 の 要 望 に 応 える ことを 提 案 したようである (4) 日 本 側 の 不 公 表 書 簡 案 ( 大 臣 書 簡 案 )にせよ 議 論 の 要 約 にせよ それ 自 体 は 両 国 政 府 を 拘 束 するような 内 容 ではなく 両 政 府 間 の 秘 密 の 合 意 や 了 解 を 意 味 する 密 約 にあたるわけではない ( 狭 義 の 密 約 ではない ) (5) 原 状 回 復 補 償 費 の 肩 代 わり 合 意 と 3 億 2000 万 ドルへの 積 み 増 し 了 解 は 非 公 表 扱 いとされ 明 確 に 文 書 化 されているわけでもなく 返 還 協 定 や 外 務 省 に 保 存 された 関 連 取 り 決 めにも 明 記 されていないものであるが 両 国 政 府 の 財 政 処 理 を 制 約 するものとなる その 点 では これらは 序 論 に 定 義 された 広 義 の 密 約 に 該 当 する 3
補 章 外 交 文 書 の 管 理 と 公 開 について (1) 安 保 条 約 改 定 時 の 討 議 の 記 録 など4 件 に 関 する 文 書 について そのうちいく つかの 写 し が 確 認 されたものの 写 しを 含 め その 存 在 が 確 認 されなかった 文 書 もあることに 注 目 せざるをえない (2) 密 約 に 関 連 する 対 米 交 渉 について 当 然 あるべき 会 議 録 議 事 録 や 来 往 電 報 類 の 部 分 的 欠 落 不 自 然 な 欠 落 あるいは 交 渉 経 緯 を 示 す 文 書 類 が 存 在 し ないために 外 務 省 内 に 残 された 記 録 のみでは 充 分 に 復 元 できなかった (3) 外 交 記 録 公 開 制 度 につき 30 年 公 開 原 則 の 徹 底 と 外 務 省 内 の 意 識 改 革 や 人 員 体 制 の 強 化 を 含 めた 審 査 体 制 の 拡 充 が 早 急 に 望 まれる また 有 識 者 専 門 家 の 効 果 的 活 用 を 図 り 省 内 審 査 のあり 方 を 見 直 し( 政 務 レベルの 関 与 ) 相 手 国 の 記 録 でしか 日 本 の 主 張 立 場 が 明 らかにされない 状 態 を 避 けるべき (4) 情 報 公 開 法 に 基 づく 開 示 請 求 への 対 応 については 不 開 示 の 判 断 について 客 観 性 透 明 性 を 高 めるとともに ユーザー フレンドリーな 開 示 システムの 構 築 が 求 められる (5)2011 年 4 月 施 行 の 公 文 書 管 理 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 組 織 改 革 と 専 門 職 員 の 増 員 育 成 が 望 まれる (6)30 年 原 則 に 基 づき 速 やかな 公 開 が 望 まれるものとして 以 下 の 案 件 がある 在 日 国 連 軍 地 位 協 定 (1954) 日 米 安 保 条 約 (1960) 及 び 関 係 関 連 取 極 め 日 米 貿 易 経 済 合 同 委 員 会 (1961~1973) 沖 縄 返 還 協 定 (1971) 日 米 繊 維 協 定 (1972) 日 中 共 同 声 明 (1972) 第 1 回 ASEAN 首 脳 会 議 (1976) ロンドン サ ミット(1977) 福 田 総 理 東 南 アジア 6 カ 国 訪 問 (1977) ボン サミット(1978) 日 中 平 和 友 好 条 約 (1978)など (7)( 注 として ) 日 ソ 国 交 回 復 交 渉 や 日 韓 国 交 正 常 化 交 渉 についても 日 朝 日 露 平 和 条 約 交 渉 の 見 通 し 等 を 踏 まえ 第 三 者 の 眼 も 取 り 入 れた 幅 広 い 観 点 から 公 開 性 の 再 点 検 を 求 めたい おわりに (1) 外 交 交 渉 は 立 場 の 異 なる 国 が 一 定 の 合 意 に 達 することを 目 指 すものであり ある 程 度 の 秘 密 性 はつきもの ある 外 交 が 適 切 なものであったかどうかは 当 時 の 国 際 環 境 や 日 本 国 民 全 体 の 利 益 ( 国 益 )に 照 らして 判 断 を 下 すべきもの (2)しかし 特 に 核 搭 載 艦 船 の 一 時 寄 港 問 題 について 長 い 年 月 の 間 国 民 に 対 して 不 正 直 な 説 明 が 続 けられ これを 修 正 しようとする 努 力 がなされなかったこ とは 問 題 であり また この 間 の 多 くの 文 書 の 欠 落 については 今 後 何 らかの 調 査 が 必 要 であろう (3)いわゆる 密 約 問 題 の 根 源 にあるのは 日 本 が 軍 備 を 持 たず 安 全 保 障 をアメ リカに 依 存 し 他 方 アメリカは 冷 戦 さなかのソ 連 との 厳 しい 競 争 の 中 日 本 以 外 のアジア 諸 国 も 防 衛 する 義 務 を 負 っており 日 本 の 基 地 は 重 要 だったという 事 実 このような 複 雑 な 背 景 を 持 つがゆえに 基 地 使 用 の 権 限 の 範 囲 をめぐり いくつかの 密 約 ないしそれに 類 する 事 態 が 生 じた (4)その 前 提 としてあらためて 強 調 しておきたいのは 日 本 に 強 い 反 核 感 情 があっ たこと 米 側 もこれを 無 視 することは 極 めて 困 難 であることを 理 解 (5) 冷 戦 が 終 わって 20 年 日 本 をめぐる 国 際 環 境 は かつてと 大 きく 異 なっている 4
が 変 わっていない 面 も 少 なくない 1960 年 前 後 からの 安 保 条 約 の 根 幹 に 関 す る 今 回 の 検 討 が 今 後 の 日 本 の 外 交 安 全 保 障 を 考 える 一 つの 素 材 となれば 幸 い ( 参 考 )いわゆる 密 約 問 題 に 関 する 有 識 者 委 員 会 について 1. 委 員 会 の 任 務 (1) 本 委 員 会 は 9 月 16 日 付 外 務 大 臣 命 令 に 基 づき 外 務 省 内 に 設 置 された いわゆる 密 約 問 題 に 関 する 調 査 チームが 作 成 した 調 査 報 告 書 の 内 容 を 検 証 し 平 成 22 年 1 月 中 旬 を 目 途 に これを 踏 まえた 報 告 書 を 外 務 大 臣 に 提 出 す る (2) 本 委 員 会 の 委 員 は その 作 業 を 行 うにあたり 上 記 調 査 チームが 調 査 報 告 書 の 作 成 過 程 において 以 下 4つのいわゆる 密 約 の 存 否 内 容 に 関 連 する ものとして 特 定 した 文 書 並 びにこれに 関 する 必 要 な 文 書 を 外 務 省 内 で 閲 覧 す ることができる 1 1960 年 1 月 の 安 保 条 約 改 定 時 の 核 持 ち 込 みに 関 する 密 約 2 1960 年 1 月 の 安 保 条 約 改 定 時 の 朝 鮮 半 島 有 事 の 際 の 戦 闘 作 戦 行 動 に 関 する 密 約 3 1972 年 の 沖 縄 返 還 時 の 有 事 の 際 の 核 持 ち 込 みに 関 する 密 約 4 1972 年 の 沖 縄 返 還 時 の 原 状 回 復 補 償 費 の 肩 代 わりに 関 する 密 約 (3) 作 業 の 対 象 とする 文 書 は 概 ね1989 年 までのものとする (4) 本 委 員 会 の 報 告 書 には 上 記 4つのいわゆる 密 約 の 存 否 内 容 に 関 す る 検 証 に 加 え 判 明 した 事 実 に 基 づき 当 時 の 時 代 背 景 を 踏 まえた 歴 史 的 な 評 価 を 含 めるものとする (5) 本 委 員 会 は 作 業 を 行 うにあたり その 判 断 に 基 づいて 元 外 務 省 職 員 を 含 む 外 務 省 関 係 者 等 からの 聴 取 を 行 う (6) 本 委 員 会 の 報 告 書 には 今 後 の 外 交 文 書 の 公 開 のあり 方 についての 提 言 を 含 めるものとする 2. 委 員 会 の 構 成 北 岡 伸 一 東 京 大 学 教 授 ( 座 長 ) 河 野 康 子 法 政 大 学 教 授 坂 元 一 哉 大 阪 大 学 教 授 佐 々 木 卓 也 立 教 大 学 教 授 波 多 野 澄 雄 筑 波 大 学 教 授 ( 座 長 代 理 ) 春 名 幹 男 名 古 屋 大 学 教 授 ( 計 6 名 五 十 音 順 ) ( 了 ) 5