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ケータイ の 構 図 における 寓 意 を 求 めて 拧 巴 と 假 話 をめぐって 劉 静 華 An Analysis of the Allegorical Style of Cell Phone: On "ningba" and "Jiahua" Jinghua Liu ABSTRACT This thesis explores of Liu Zhenyun s style of ningba and jiahua in Cell Phone, with discussion on allegory in the novel. The thesis also analyzes Zhenyun s reception of Confucian thought and Lu Xun s literary legacy and then argues that Cell Phone shows a way out of the present chaos by reviewing the last century. キーワード: 拧 巴 伝 達 問 題 假 話 構 図 儒 教 思 想 魯 迅 精 神 はじめに ケータイ は 中 国 長 江 文 芸 出 版 社 が 2003 年 に 発 行 した 小 説 である 本 作 品 が 世 に 問 われるとたちまちベストセラーとなり 2 版 (2007 年 ) 3 版 (2010 年 )と 重 版 され テレビドラマ 化 映 画 化 と 発 展 していった 作 品 における 拧 巴 と 假 話 が 激 しい 世 論 を 呼 び 起 こし 都 会 病 を 浮 き 彫 りにしている ( 注 1) 言 語 によって 孤 独 感 を 表 現 したが 作 品 の 根 底 に 潜 んでいるのは 拭 いき れない 郷 愁 である ( 注 2) 確 かに 私 たちの 生 活 及 びその 生 存 状 態 全 体 に 脅 威 的 な 分 析 を 打 ち 出 している ( 注 3) などと 批 評 された 携 帯 電 話 は 今 日 の 暮 らしのなかでは 欠 かせない 必 需 品 と 言 っても 過 言 では ない そのため 伝 達 によるさまざまな 社 会 問 題 の 出 現 やその 諸 問 題 が 人 々の 関 心 事 となることなどは いずれもライフスタイルの 転 換 期 における 必 然 的 現 象 と 言 わざるを 得 ない 通 信 技 術 が 絶 えず 発 展 する 今 日 の 社 会 のなか 本 作 品 が 絶 大 な 反 響 を 巻 き 起 こすことは 容 易 に 理 解 される だが ケータイ を 描 いた 作 者 の 意 図 は 果 たして 伝 達 問 題 にすぎないものだろうか 拧 巴 と 假 話 のメカニズムは 複 雑 で 難 解 である 故 に 本 作 品 も 伝 達 問 題 のみならず 多 様 なテーマをもつものと 筆 者 は 考 える 本 稿 は 上 記 の 問 題 意 識 に 基 づき 拧 巴 と 假 話 が 構 成 する 心 理 的 社 会 的 要 因 を 明 らかにし 作 品 の 構 図 及 び 祖 母 の 死 などの 寓 意 を 考 察 する そ の 考 察 を 通 じて 本 作 品 が 魯 迅 の 批 評 精 神 を 継 承 していることを 示 す Ⅰ 拧 巴 と ケータイ 拧 巴 は 劉 震 雲 ( 注 4) が 作 品 の 登 場 人 物 を 語 る 際 に 口 頭 で 使 用 した 言 語 で あり 中 国 河 南 省 あたりの 方 言 である 現 代 中 国 語 の 辞 書 には 見 当 たらず 拧 1

と 巴 の 複 合 詞 で ねじれ 曲 がること 屈 折 すること 不 条 理 なこと 絡 み 合 うことなどを 表 わす また 人 間 と 自 然 及 び 社 会 との 不 調 和 ないし 自 家 撞 着 を 表 わす 場 合 もある (1) 拧 巴 方 法 の 由 来 劉 は 韓 国 外 国 語 大 学 で 開 催 された 国 際 学 術 討 論 会 (2010 年 11 月 18 日 )に 出 席 し 文 学 と 私 が 従 事 した 文 学 の 演 題 において 次 のように 述 べた 創 作 という 道 を 歩 んだ 直 接 の 原 因 は 少 年 時 の 友 人 に 導 かれたからだ 子 どもの 頃 作 家 になるとは 一 度 も 考 えたことがない その 友 人 が 殺 人 犯 になる 前 に 訪 ねて 行 ったことがある すると お 前 は 創 作 してくれ と 言 われた 何 故? と 聞 き 返 すと この 世 界 を 解 明 して ほしい とさらに 言 われた こうして 殺 人 犯 の 頼 みを 聞 き 入 れて 私 は 創 作 を 始 めたのだ ( 注 5) この 友 人 は 劉 が 軍 人 になり 故 郷 から 甘 粛 省 大 戈 壁 灘 の 駐 屯 部 隊 に 向 かう 列 車 の 中 で 出 会 った 軍 の 同 期 の 少 年 である 彼 はその 列 車 の 片 隅 でひたすら 詩 を 書 いていた 劉 はそこで 初 めて 詩 に 触 れることとなり その 存 在 に 強 く 引 き つけられた しかし 入 隊 三 ヶ 月 後 に 彼 は 軍 を 辞 め 帰 郷 してしまった 劉 は 休 暇 で 彼 の 家 を 訪 ねた 際 に 彼 がマルクスとエンゲルスの 著 作 に 埋 もれ その 研 究 に 打 ち 込 んでいるのを 目 にする この 世 界 を 解 明 したい と 彼 は 言 うが 村 の 人 々は 気 が 狂 った と 言 っている 後 に 恋 愛 するようになったが 相 手 の 娘 は 彼 が 気 が 狂 った と 思 い 別 の 人 と 付 き 合 うようになった すると マ ルクスとエングルスの 理 論 は 暴 力 を 主 張 するものだと 思 うと 彼 はハンマーで その 娘 の 交 際 相 手 を 殺 害 してしまった 聴 取 を 受 けた 際 に 警 察 の 一 つの 質 問 に 三 十 分 も 費 やして 答 え その 内 容 はすべて 資 本 論 に 書 かれていたもので あった この 経 験 はまだ 少 年 だった 作 者 に 大 きな 衝 撃 を 与 えたに 違 いない マルク スとエンゲルスを 信 奉 するこの 国 で その 著 作 を 読 む 人 が 狂 った ( 注 6) と 思 わ れたことや 世 界 を 解 明 したい 人 が 殺 人 を 犯 してしまったことなどについて 当 然 理 解 に 苦 しみ 深 い 思 考 に 誘 われるのであろう その 後 劉 は 軍 人 をやめ 大 学 大 学 院 で 学 び 文 学 の 道 を 選 んだ 友 人 の 拧 巴 心 理 が 象 徴 する 今 日 の 社 会 と 向 き 合 い その 名 状 し 難 い 経 験 から 自 身 の 創 作 の 原 点 と 方 法 を 醸 成 したように 思 われる (2) 拧 巴 方 法 の 確 立 朴 宰 雨 は 劉 文 学 を 三 つの 系 統 に 分 類 している 1 初 期 の 作 品 を 新 写 実 主 義 文 学 としている この 時 期 の 作 品 について 朴 は 次 のように 喩 えている 2

劉 震 雲 の 小 説 は 彼 にとって ソ 連 解 体 或 いは アメリカ 軍 がイラクに 侵 攻 した ことなどは 大 事 件 ではあるが 子 どもを 幼 稚 園 へ 送 る ことや 妻 の 転 職 などのことは さらに 大 切 だということを 表 わしている ( 注 7) つまり この 時 期 の 作 品 は 生 存 を 営 むリアリティーに 迫 るものが 多 い 例 え ば 塔 舗 頭 人 一 地 鶏 毛 新 兵 連 などがその 代 表 作 である 池 莉 の 煩 悩 人 生 方 方 の 風 景 劉 恒 の 菊 豆 などもこの 手 法 を 駆 使 している いずれも 社 会 の 低 層 を 成 している 庶 民 に 視 点 を 据 え その 生 存 の 実 態 をありのままに 描 写 する その 煩 瑣 な 日 常 を 描 くことによって 生 存 のリア リティーを 反 映 しようと 試 みる 2 新 歴 史 主 義 の 手 法 が 見 られる 温 故 一 九 四 二 故 郷 天 下 黄 花 故 郷 相 処 流 伝 がこの 時 期 の 代 表 作 である 既 成 の 歴 史 の 記 載 から 民 衆 の 暮 らしを 再 現 することによって 本 来 の 事 実 を 導 き 出 し その 歴 史 に 対 するアンチテーゼ 及 び 権 威 の 固 定 化 を 阻 もう とする 莫 言 余 華 蘇 童 もこの 手 法 を 用 いる 作 家 である 3 一 腔 廃 話 と 故 郷 麺 和 花 朶 は 寓 意 性 と 幻 想 性 を 織 り 合 わせた 実 験 的 作 品 である 上 記 三 つの 系 統 には 劉 のさまざまな 方 法 が 用 いられたが 一 貫 した 方 法 も 見 られる それは 拧 巴 である 塔 舗 の 主 人 公 で 語 り 手 の 僕 と 愛 蓮 一 地 鶏 毛 の 小 林 夫 婦 故 郷 天 下 黄 花 の 孫 と 李 の 両 家 一 族 などの 屈 折 した 諸 相 温 故 一 九 四 二 と 故 郷 相 処 流 伝 の 人 物 造 形 我 叫 劉 躍 進 の 主 人 公 劉 躍 進 たちが 生 きた 不 条 理 な 時 代 いずれも 拧 巴 した 人 間 及 びその 社 会 の 実 態 を 浮 き 彫 りにしている 劉 はこの 方 法 について ケータイ のインタ ビュー( 鳳 凰 テレビ 局 香 港 )において 次 のように 述 べている 私 が 拧 巴 なのか それともこの 世 界 が 拧 巴 なのか 当 然 この 世 界 が 拧 巴 だと 私 は 思 っている そうであれば 自 分 がこの 世 界 にある 程 度 まで 拧 巴 された 時 創 作 を 通 してその 拧 巴 したものをもとに 戻 し てみたいんだ 戻 した 後 のものが 新 たに 拧 巴 しているとしても それは また 別 の 問 題 だと 思 う ( 注 8) このように 劉 は 拧 巴 を 生 み 出 した 社 会 の 実 態 を 再 現 しながら それに 対 する 認 識 及 び 打 開 策 を 模 索 しようとしている この 方 法 について 馬 俊 山 と 李 建 軍 はそれぞれ 次 のように 指 摘 した 当 代 の 中 国 大 陸 は 道 徳 が 破 産 し 価 値 が 失 われ ポストモダンにおける 普 遍 的 な 道 徳 への 困 惑 価 値 への 危 機 感 となんらかの 類 似 性 を 持 っている このような 環 境 下 で 書 き 上 げた 小 説 には 或 いは 小 説 によってこの 社 会 を 描 3

写 し その 社 会 の 人 情 と 世 故 を 叙 述 するには この 拧 巴 を 用 いる 以 外 に 良 い 方 法 はないと 私 は 思 う ( 注 9) ( 馬 俊 山 ) 彼 はなんとしても 人 を 拧 巴 に 描 いてしまう 傾 向 があり 人 とも 化 け 物 ともつかず 得 体 の 知 れないほどまで 書 いて やっと 気 が 済 む このような 気 ままなゲームはある 程 度 の 快 楽 が 得 られ 商 業 的 成 功 も 収 められるのかも 知 れないが 高 い 代 価 も 払 わなければならないのだ つまり 文 学 において はなにも 得 られないのだ ( 注 10) ( 李 建 軍 ) このように 馬 は 今 日 の 中 国 そのものが 拧 巴 し 劉 は 的 確 にその 有 りよ うを 捉 えていると 解 析 し 拧 巴 方 法 はさまざまな 象 徴 性 を 持 ち 友 人 の 死 現 在 の 中 国 そのものを 象 徴 すると 考 えている 一 方 李 は 人 間 の 正 常 の 有 りよ うがねじ 曲 げられたと 拒 絶 し ケータイ ( 注 11) は 商 業 性 を 持 つ 作 品 だと 批 判 し その 文 学 の 価 値 を 否 定 する 筆 者 は 拧 巴 の 描 写 法 のみを 理 解 する 場 合 李 の 指 摘 に 共 感 し 劉 の 文 学 の 出 発 点 から 考 察 すると また 馬 の 指 摘 に 共 鳴 を 覚 える だが 筆 者 の 劉 文 学 への 視 点 は 拧 巴 に 対 する 解 釈 ではなく 拧 巴 状 態 を 尽 く 理 解 する 上 で そこからの 脱 却 を 模 索 する 作 者 の 姿 勢 に 据 えたい 例 えば ケータイ の 場 合 主 人 公 厳 が 費 のトーク 番 組 の 参 与 を 願 い 視 聴 者 に 儒 教 の 中 庸 思 想 を 説 くところ 一 句 頂 一 万 句 (2009 年 長 江 文 芸 出 版 社 )の 場 合 主 人 公 楊 百 順 が 儒 学 者 汪 と 宣 教 師 詹 による 論 語 と 聖 書 との 出 会 いなど いずれも 東 西 の 教 典 を 通 じて 人 々の 拧 巴 状 態 への 打 開 策 を 模 索 しているように 思 われる この 模 索 こそ 作 者 の 理 念 である 創 作 を 通 し てその 拧 巴 をもとに 戻 したい ということに 違 いない となれば 劉 の 拧 巴 方 法 は 殺 人 犯 の 友 人 を 受 け 継 ぐこの 世 界 の 解 明 を 模 索 する 手 がかりとな るのであろう (3) ケータ における 拧 巴 本 作 品 は 3 章 で 構 成 され 各 章 は 異 なった 時 代 の 物 語 が 描 かれている それ ぞれ 独 立 しているように 見 受 けられるが 厳 と 祖 母 だけはすべての 物 語 に 貫 通 している それは 作 者 の 視 点 と 狙 いに 気 づかせてくれる 重 要 な 手 がかりであり 本 書 を 解 く 鍵 である 厳 は 幼 い 時 に 母 親 を 亡 くし 父 親 祖 母 とともに 厳 家 荘 という 寒 村 で 暮 らし ているが 父 親 とは 意 思 の 疎 通 がなく 祖 母 は 母 親 代 わりの 存 在 であった 成 人 後 彼 は 北 京 のテレビ 局 の 司 会 を 務 めるが 不 本 意 ながら 妻 を 含 めた 女 性 問 題 に 苦 悩 する 本 作 品 における 拧 巴 は 祖 母 を 除 いてすべての 登 場 人 物 に 見 られる 先 に 述 べた 李 の 指 摘 のように 人 とも 化 け 物 ともつかず 得 体 の 知 れないほど 4

まで 描 いていた なかでも 厳 と 費 はその 状 態 が 極 まっている 二 人 はトーク 番 組 によって 儒 教 の 中 庸 思 想 を 視 聴 者 に 提 示 するが 自 分 たちはその 思 想 に 背 馳 する 以 下 厳 と 費 の 拧 巴 の 有 りようを 見 てみよう 1 費 先 生 は 孔 子 だ 私 は 役 者 なんだ 本 来 は 費 先 生 に 視 聴 者 の 生 き 方 を 指 導 して 頂 きたいのだが 彼 ら 自 身 は ちっとも 気 にならないとは 思 いもよらなかった 国 民 の 資 質 はこんなもんだ な 魯 迅 も 当 時 匙 を 投 げたのだから 2 費 先 生 によると 生 きることは 簡 単 なことだが 我 々がそれを 複 雑 に してしまったのだ 或 いは 生 きることは 複 雑 だが 我 々がそれを 簡 単 にして しまったのだ 3 厳 君 私 が 言 うまでもないが 時 間 があれば 落 ち 着 いて 本 でも 読 みな さいよ 知 識 が 足 りんといずれ 失 敗 がくるからな ( 注 12) 1 では 厳 は 費 を 孔 子 に 仕 立 て 視 聴 者 の 拧 巴 に 向 き 合 おうとするが 自 分 たちの 拧 巴 を 気 に 留 めない 視 聴 者 になす 術 がなく かつてこの 民 族 の 精 神 性 に 苦 悩 した 魯 迅 に 共 鳴 する 2では 費 の 簡 単 と 複 雑 の 中 間 に 保 たなければならないという 説 は まさに 儒 教 の 中 庸 思 想 不 偏 不 倚 ( 礼 记 译 注 898 頁 杨 天 宇 撰 上 海 古 籍 出 版 社 1997 年 )である 3では トーク 番 組 の 企 画 に 参 与 し 国 民 の 資 質 に 失 望 し 厳 を 説 教 する 費 である つまり 二 人 は 民 族 性 に 痛 烈 な 批 評 精 神 を 示 した 魯 迅 に 共 感 し 儒 教 の 中 庸 思 想 を 唱 え 国 民 の 資 質 の 向 上 を 図 ろうとしている しかし 厳 費 の 家 庭 環 境 から かれら 自 身 も 多 くの 国 民 と 変 わりのないことが 窺 える 厳 と 妻 の 于 : 4 誰 だろう こんな 遅 い 時 間 に 誰 だろうともう 出 ないよ ( 厳 ) そう 私 が 代 わりに 出 るわ ( 妻 于 ) やっと 通 じたね また 外 で 遊 びやがったんだろうな 言 っとくけど 2 時 間 ほど 前 に 奥 さんが 電 話 を 掛 けてきてお 前 の 居 所 を 尋 ねたんだよ ( 費 の 電 話 ) 今 晩 費 と 一 緒 だと 言 わなかったかしら?( 妻 于 ) 外 は 寒 いから 早 くお 家 に 帰 って 車 の 中 で 背 中 を 噛 んでしまったみたい 寝 る 時 下 着 を 脱 いちゃだめだよ ( 伍 のショートメール) ( 注 12) 費 の 電 話 に 続 き 伍 のメールが 着 信 し 社 会 で 流 行 する 假 話 ( 虚 言 )によ る 厳 の 言 い 逃 れはこの 時 無 用 であった 彼 は 于 に 渡 された 電 話 を 眺 め 茫 然 自 失 するほかはなかった 国 民 の 資 質 の 向 上 を 願 うはずの 名 司 会 がついに 妻 に 離 縁 される しかし その 後 彼 は 愛 人 伍 と 結 婚 せず 大 学 教 員 の 沈 と 交 際 する が 伍 からの 脅 迫 で 二 人 の 関 係 を 断 ち 切 れず 後 に 彼 女 の 復 讐 で 窮 地 に 追 い 込 5

まれる 生 中 継 中 にセリフを 忘 れかけ 司 会 の 座 も 危 うくなる 儒 教 道 徳 中 庸 思 想 の 唱 道 者 から 乖 離 した 厳 の 行 為 は 拧 巴 そのものを 浮 き 彫 りにして いる 費 も 同 じである 現 代 の 孔 子 と 慕 われ 常 に 周 囲 の 人 々を 指 導 する 立 場 の 人 が ある 日 女 子 学 生 との 異 様 な 関 係 が 明 かされた 時 おそらく 誰 よりも 彼 自 身 がおのれの 拧 巴 に 途 方 に 暮 れたに 違 いない だが 本 来 の 厳 と 費 は 良 識 を 喪 失 し 意 図 的 に 妻 たちを 欺 瞞 した 訳 ではない かれらは 理 念 を 持 ち 社 会 に 貢 献 し 国 民 の 資 質 改 善 に 奔 走 していた しかし 気 づけば この 世 で 最 も 卑 劣 な 人 ( ケータイ 171 頁 )というほど 拧 巴 と なっている その 拧 巴 は 社 会 全 体 に 蔓 延 する 假 話 からはじまり この 假 話 現 象 は 当 然 ながら 個 人 の 問 題 に 止 まらず 重 大 な 社 会 問 題 である Ⅱ 作 品 の 時 空 及 び 伝 達 における 假 話 假 話 とは 人 間 間 の 正 常 な 伝 達 手 段 が 疾 病 化 されてしまい 虚 言 を 発 す ることである 本 作 品 ではことの 流 れに 身 を 委 ね その 場 凌 ぎに 用 いた 言 い 逃 れのようなものとして 使 われているように 読 み 取 れる (1) 三 つの 時 空 と 歴 史 性 の 捨 象 ケータイ の 特 徴 と 言 えば 章 立 てに 対 応 する 三 つの 時 空 が 際 立 つ 以 下 のように 示 せば 作 品 の 構 図 が 浮 かび 上 がってくる 第 1 章 主 人 公 の 過 去 第 2 章 主 人 公 の 現 在 第 3 章 主 人 公 の 過 去 の 過 去 下 線 部 の 三 つの 時 空 を 繋 ぎ 合 わせると 輪 のような 大 時 空 を 形 成 し それが 作 品 の 構 図 として 浮 かび 上 がってくる この 構 図 に 託 された 作 者 の 意 図 はⅢ 章 で 考 察 するが 先 ずこの 三 時 空 を 明 らかにする 1 主 人 公 の 過 去 :この 時 期 はおおよそ 前 世 紀 50 年 代 末 から 70 年 代 初 頭 であ る 厳 家 荘 は 手 回 し 電 話 しかなく 交 通 も 発 達 していない その 頃 の 人 々は 単 純 明 快 であり 虚 言 を 言 う 必 要 もなかった 厳 は 父 親 と 祖 母 とともに 幼 年 期 と 思 春 期 を 過 ごし 牛 三 斤 の 新 妻 呂 桂 花 に 淡 い 恋 心 をもつ 2 主 人 公 の 現 在 :それから 30 年 後 の 20 世 紀 末 から 21 世 紀 初 頭 では 物 質 文 明 が 発 達 し 生 存 手 段 も 多 様 化 すると 同 時 に インターネットと 携 帯 電 話 も 普 及 した 厳 は 北 京 のテレビ 局 でトーク 番 組 の 司 会 者 を 務 め 妻 于 文 娟 愛 人 伍 月 離 婚 後 の 婚 約 者 沈 雪 との 関 係 に 苦 悩 する 費 墨 とともに 儒 教 思 想 を 番 組 への 導 入 を 進 めるが 彼 ら 自 身 がその 道 徳 に 背 馳 し 拧 巴 してならない 3 主 人 公 の 過 去 の 過 去 : 時 は 逆 戻 りし 1927 年 から 始 まる この 時 期 厳 家 荘 では 一 つの 知 らせが 伝 達 できるまで2 年 間 がかかり 電 話 のない 時 代 であっ 6

た 人 々は 生 存 のために 奔 走 し 1 章 の 時 代 よりもさらに 単 純 であった この 三 つの 時 空 は ある 共 通 点 を 持 っている それは 現 実 世 界 の 歴 史 性 の 捨 象 である 1 章 の 前 世 紀 50 年 代 から 70 年 代 までは 歴 史 的 事 件 の 多 発 期 であ る 周 知 のものを 挙 げると 1958 年 の 大 躍 進 運 動 と 1966 年 の 文 化 大 革 命 運 動 が ある 厳 の 母 親 は 60 年 に 餓 死 したと 作 中 にあったが その 死 は 大 躍 進 運 動 と 関 係 があるのは 間 違 いない この 時 期 の 餓 死 者 の 多 発 は 公 認 の 事 実 であ る そして 呂 桂 花 が 嫁 いできた 1969 年 といえば 文 化 大 革 命 の 高 潮 期 である 狂 気 に 陥 った 毛 沢 東 崇 拝 運 動 がこの 国 の 隅 々まで 行 われていた 以 上 厳 家 荘 だ けが 免 れることはない 2 章 の 20 世 紀 末 から 21 世 紀 初 頭 も 急 激 な 社 会 変 貌 を 遂 げた 時 代 であった 改 革 開 放 政 策 の 導 入 やインターネットと 携 帯 電 話 の 普 及 などによって 通 信 技 術 や 生 活 手 段 なども 多 様 化 した 3 章 は 厳 の 祖 父 母 と 曾 祖 父 母 の 時 代 である 前 世 紀 27 年 あたりに 祖 母 が 厳 家 に 嫁 いたのであれば この 時 期 は 封 建 社 会 から 近 代 社 会 への 転 換 期 であり 辛 亥 革 命 五 四 運 動 日 中 戦 争 国 民 党 と 共 産 党 の 内 戦 などが 続 き 中 国 内 外 においての 激 動 期 であった だが この 間 の 歴 史 的 事 件 が 厳 家 荘 とは 無 関 係 であるかのように 作 者 は 自 身 の 小 説 に 没 頭 し 厳 一 族 とその 周 囲 の 人 々の 生 存 状 態 を 穏 やかな 物 語 として 淡 々と 叙 述 していく いうまでもなくそれは 作 者 が 意 図 的 に 用 いた 方 法 である 即 ち 乱 世 の 革 命 と 角 逐 の 描 写 を 消 去 することによって 生 命 の 本 質 に 迫 るこ とができ 物 語 を 人 間 の 普 遍 的 営 みとして 捉 えることができるからである (2) 説 話 と 假 話 本 作 品 は 人 々が 携 帯 電 話 を 通 じて 絶 えず 説 話 ( 話 すこと)を 続 け その 上 憚 ることなく 假 話 を 言 い 社 会 の 拧 巴 人 の 拧 巴 を 生 み 出 し てしまうことが 語 られている この 説 話 問 題 はいわゆる 伝 達 問 題 である 主 人 公 厳 の 中 年 期 を 描 いた 2 章 は 作 品 の 時 空 における 現 在 で 作 品 の 主 題 を 構 成 する 部 分 である 1 章 と3 章 より 紙 幅 が 倍 増 し 登 場 人 物 の 困 頓 とした 拧 巴 状 態 が 表 象 されている 人 々は 携 帯 電 話 を 媒 介 に 虚 言 の 世 界 に 陥 り 厳 も 假 話 を 日 常 的 に 使 用 しているが 後 に 自 身 の 内 部 ( 私 生 活 )も 外 部 ( 社 会 生 活 )もともに 瓦 解 する 羽 目 になった 假 話 による 伝 達 行 為 は 人 々が 最 初 に 深 く 思 考 せずに 行 ったものだが その 結 果 巨 大 な 社 会 が 蝕 まれてゆく しかし 人 々はその 危 機 を 気 にとめず 延 々と 使 用 している そのため 街 を 歩 いていると 90 パーセントの 人 が 病 んでいる (p159)と 厳 費 が 気 づく 即 ち 假 話 は 組 織 化 したウイルスのように 強 い 感 染 力 をもち 人 間 のメンタ リティーを 疾 病 化 してしまう このような 社 会 問 題 に 直 面 した 作 者 は 伝 達 と いう 行 為 の 本 質 を 追 究 し 人 々の 自 省 を 喚 起 しようとする 君 たちは 携 帯 電 話 でどれだけの 無 駄 話 と 嘘 偽 りを 言 っているのだろう 中 国 語 は 本 来 簡 潔 な 言 語 だ 今 皆 が 心 にもないことを 言 う 携 帯 電 話 にど れだけ 人 に 言 えないことを 隠 しているのだろう このままでは 携 帯 電 話 が 何 時 か 携 帯 爆 弾 と 成 りかねない いっそう 電 話 の 中 の 秘 密 を 公 開 してはどうだ 7

ろう ( 注 13) 携 帯 電 話 の 出 現 が 発 話 行 為 をこれまでより 増 加 させたことは 否 定 できない 費 が 主 催 するトーク 番 組 の 企 画 会 議 中 に 電 話 の 着 信 がやまなかった その 上 出 席 者 が 互 いにその 電 話 の 内 容 を 揶 揄 し 笑 い 合 った 費 は 会 議 が 中 断 されて も 平 然 と 談 笑 する 人 々を 目 の 当 たりに 思 わず 激 怒 した しかし この 時 の 費 の 独 白 は 言 うまでもなく 作 者 の 視 点 で 語 られている 言 語 の 膨 張 虚 言 の 乱 用 に よる 発 話 行 為 に 疑 問 を 唱 え 假 話 を 媒 介 する 携 帯 電 話 のあり 方 を 問 い 正 し た 作 者 は 同 時 にまた この 伝 達 行 為 の 危 機 を 意 識 しない 今 日 の 社 会 を 憂 慮 し 何 事 も 意 に 介 さない 我 々の 文 化 の 生 態 ( 注 14) を 反 省 し 自 身 の 創 作 について 振 り 返 る 第 一 段 階 では 瑣 事 をもって 瑣 事 を 語 り 第 二 段 階 では 複 雑 をもってこの 世 界 を 説 明 し 自 分 が 感 じたこの 世 界 の 感 覚 を 表 現 しようとした しかし 実 際 に 今 の 段 階 となっては 自 分 の 当 時 の 創 作 は 無 駄 話 を 言 っているようで すべて 無 駄 話 だった この 世 界 では 有 用 な 言 葉 は 一 日 10 句 を 超 えないもの だ ( 注 15) ケータイ に 至 ると 私 は 精 神 と 物 質 の 契 合 点 を 見 つけたようだ それ は 人 間 の 説 話 ( 話 すこと 伝 達 )という 行 為 だ ( 注 16) 日 々 喧 々 囂 々と 発 話 に 埋 め 尽 くされている 社 会 光 景 に 直 面 した 作 者 は 自 身 の 初 期 の 新 写 実 文 学 を 代 表 する 塔 铺 一 地 鸡 毛 官 场 中 期 の 新 歴 史 主 義 を 代 表 する 故 郷 相 処 流 伝 温 故 一 九 四 二 などを 振 り 返 り 描 写 の 煩 雑 さに 気 づく 有 用 な 言 葉 は 一 日 10 句 を 超 えないもの とすれば 現 在 の 人 々 の 説 話 行 為 は 甚 だ 危 険 である なぜなら 膨 張 した 言 語 には 真 実 性 が 失 われ 假 话 による 虚 構 の 世 界 が 築 かれ 現 実 の 社 会 をよりいっそう 拧 巴 させ てしまうからである ケータイ はその 具 体 像 として 厳 と 費 の 両 家 族 及 び 二 人 にまつわる 女 性 問 題 などを 表 象 し 現 実 社 会 の 困 頓 状 態 を 反 映 した しかしながら 人 々は 何 故 説 話 行 為 に 暴 走 したのであろうか それは 豊 かな 物 質 社 会 と 裏 腹 に 空 虚 な 心 を 癒 すために 違 いない 先 の 引 用 からすると 作 者 は 説 話 という 行 為 には 人 間 の 精 神 世 界 及 び 物 質 世 界 の 両 面 の 性 質 が 混 在 し 人 間 にとって 重 大 な 問 題 である と 考 えているように 見 受 けられる そ のため 有 一 説 一 (ありのまま 語 ろう)というトーク 番 組 を 構 想 し 厳 の 番 組 での 司 会 者 としての 姿 勢 また 家 庭 での 夫 としての 姿 勢 を 通 して 説 話 と 假 話 の 間 で 浮 遊 する 彼 の 拧 巴 を 浮 き 彫 りにした しかし 厳 が 用 い た 假 話 は 騙 す 目 的 というより むしろその 場 凌 ぎ お 茶 を 濁 すようなも のである 彼 はもとより 妻 于 と 離 婚 しようと 思 っていない 離 婚 後 沈 と 同 棲 す るが 彼 女 を 守 りたいがために 子 どものこと 伍 のことなどを 隠 蔽 してしま う では 当 事 者 の 会 話 を 見 てみよう 8

于 との 会 話 : 今 どこ? 夕 食 は 家 で 食 べます? 帰 れないなぁ 午 後 演 劇 学 院 の 講 義 があったから 番 組 の 企 画 会 議 が 夜 に 変 わったんだ 実 際 にこの 時 厳 は 伍 と 車 中 で 密 会 していた 沈 との 会 話 : 貴 方 なにしてるの? トイレだよ トイレってズボンをはいたまま? 誰 に 電 話 しているの?また 伍? いったいどれだけのことを 隠 しているの? ( 注 17) この 時 于 の 兄 からのメールに 返 信 していた 費 と 妻 の 李 の 関 係 も 同 様 である 現 代 の 孔 子 と 標 榜 されている 費 は 出 会 い サイトで 談 話 を 楽 しむ 妻 を 見 て もういい 年 というのに くだらない くだ らない (p56)と 言 って 呆 れ 返 るが その 後 自 身 の 女 子 学 生 との 恋 愛 関 係 が 暴 露 される 厳 と 費 は 假 話 によって 自 らの 虚 構 の 世 界 を 築 いたが 自 身 の 内 部 も 外 部 もやがてその 虚 構 によって 崩 壊 することになるとは 気 づこうとしなかった だが 現 実 が 否 応 なしに 押 し 迫 ってきた 于 と 沈 は 厳 と 伍 の 関 係 を 知 ると 彼 から 離 れていった 伍 も 厳 とのベッドシーンを 携 帯 で 撮 り 有 一 説 一 の 司 会 者 の 募 集 に 採 用 しろと 脅 迫 し 厳 の 周 辺 の 要 人 を 次 々と 買 収 した 費 も 家 庭 と 社 会 での 立 場 が 失 われていった 二 人 は 家 庭 が 崩 壊 し 社 会 の 信 用 もなくし 破 滅 を 迎 えた しかし 先 に 述 べた 費 の 主 催 する 企 画 会 議 を 顧 みると 厳 と 費 が 辿 った 崩 壊 の 原 因 は 假 话 に 由 来 するが その 假 話 行 為 はかれらに 限 らず 今 日 の 社 会 問 題 であり 二 人 はその 縮 図 にすぎないのである (3) 假 話 のメカニズム 厳 は 着 々と 進 めてゆく 伍 の 復 讐 の 前 で 暗 黒 は 果 たしてすべてを 征 服 で きるものだ(p151) と 叫 んだ だが その 暗 黒 の 病 理 を 追 及 すれば 暗 黒 を 培 養 した 歴 史 と 文 化 に 遡 らなければならない 三 章 の 祖 父 と 曾 祖 父 の 時 代 から 有 一 説 一 の 時 代 までの 厳 一 族 の 百 年 間 は 中 国 史 上 においては 封 建 社 会 から 近 代 社 会 への 転 換 期 であり 挫 折 を 繰 り 返 す 時 代 であった 辛 亥 革 命 新 文 化 運 動 五 四 運 動 日 中 戦 争 大 躍 進 文 化 大 革 命 天 安 門 事 件 などの 諸 事 件 は この 民 族 及 びその 文 化 を 絶 えず 踏 みにじってきたと 言 えよう 人 々の 固 有 の 伝 統 文 化 への 懐 疑 生 命 本 来 の 有 りようへの 忘 却 精 神 の 喪 失 感 などは 余 儀 なくされた 先 に 引 用 した 馬 俊 山 の 指 摘 のように 当 代 の 中 国 大 陸 は 道 徳 が 破 産 し 価 値 が 失 われ ポストモダンにおける 普 遍 的 な 道 徳 への 困 惑 価 9

値 への 危 機 感 となんらかの 類 似 性 をもっている このような 背 景 のもと 物 質 文 明 が 発 達 し インターネット 携 帯 電 話 による 利 便 性 が 高 まった 時 人 々 は 理 性 と 本 能 の 間 で 揺 れ 動 き 社 会 倫 理 より 快 感 のみを 追 尋 し 假 話 の 世 界 に 陥 った 2 章 では 社 会 倫 理 に 思 い 到 る 以 前 に 人 々は 盲 目 的 に 假 話 へと 暴 走 した 厳 と 費 はそのため 内 部 から 外 部 までの 全 人 格 の 崩 壊 を 辿 った 通 信 技 術 の 発 達 にともない 転 換 期 の 社 会 形 態 に 戸 惑 う 人 々は 健 全 な 心 から 乖 離 し ていった 假 話 のメカニズムは このような 社 会 的 外 部 要 因 のほか 内 部 要 因 もあった 厳 と 費 の 家 庭 内 の 様 子 を 見 よう 今 貴 方 の 話 を 聞 くのは テレビのものだけですわ 妻 の 話 を 聞 くと 厳 ははっとしたが その 後 の 二 人 の 会 話 を 考 えると い っそう 緊 張 してしまう 幸 いに 二 人 ともそれに 慣 れてしまい 妻 于 もあまり 追 究 しなかった もっとも 際 立 つのは 食 事 の 時 であった 二 人 が 囲 んだ 食 卓 は 食 べはじめてから 終 わるまでの 間 にお 椀 とお 箸 の 音 しかしないのだ 費 と 妻 李 の 関 係 も 同 じである ネットの 出 会 いサイトで 夢 中 に 話 している 妻 を くだらない と 指 摘 すると 貴 方 は 一 日 中 私 と 話 さないんだもの ほかの 人 と 話 してもだめだという の? 私 を 窒 息 死 させるおつもりなの? ( 注 18) 上 記 の 厳 と 費 の 家 庭 環 境 からすると 人 間 関 係 の 基 本 的 な 場 である 家 族 は かれらの 場 合 すでに 正 常 性 を 喪 失 し 事 実 上 解 体 している 二 人 は 心 身 を 慰 藉 する 温 もりや 心 のふれ 合 いなどが 得 られず 内 心 の 孤 独 感 に 絶 望 している 孤 独 を 克 服 する 問 題 に 関 しては 一 句 頂 一 万 句 では 一 句 或 いは 真 話 ( 本 音 )を 捜 し 求 める 旅 を 通 じて 語 られた 本 作 品 では 假 話 の 背 後 に 見 え 隠 れする 分 かり 合 える 交 流 を 求 めることに 暗 示 している 事 実 厳 と 費 の 假 話 は 孤 独 の 極 限 状 態 で 行 われていた 厳 の 場 合 : その 晩 厳 は 会 食 していた 時 胃 の 具 合 が 急 に 悪 くなり 予 定 より 早 く 帰 宅 した 于 は 彼 の 帰 宅 に 気 づかなかった 厳 は 寝 室 で 少 し 休 もうと 思 ったが 入 り 口 まで 行 くと 于 がベッドの 上 でぬいぐるみの 犬 を 抱 いてむにゃむにゃ と 話 しかけていたのを 見 た 小 さい 頃 笑 うのを 好 まずよく 泣 いていた 父 は 南 京 のラジオ 工 場 で 働 いていた 母 は 町 内 で 湯 沸 かし 器 の 番 をしていたが 彼 女 が 怒 り 出 すと よく 石 炭 の 燃 え 殻 を 掘 るシャベルで 私 を 殴 った おじが 一 人 いたが 色 白 で 太 っていて なんと 私 に 下 心 を 持 っていた 15 才 の 時 厳 に 言 わなかった 多 くの 昔 話 を 今 ぬいぐるみに 語 った 厳 はそれらの 話 を 聞 いて 妻 に 同 情 するというより 却 って 恐 ろしく 思 えた 彼 はまたこっそりと 家 10

を 出 て 外 で 一 時 間 ほど 散 歩 した 後 再 び 家 に 戻 った ( 注 19) 費 の 場 合 : お 互 いに 疲 れたからではない もう 長 い 年 月 だが 話 がどうしても 合 わ ないんだよ やはり 農 耕 時 代 がいいよ 当 時 は すべてが 徒 歩 であった 一 度 都 へ 科 挙 受 験 の 旅 に 出 れば 何 年 間 も 帰 れない 帰 郷 すると 何 を 言 っても 受 け 入 れてもらえたんだ ( 注 20) 厳 と 費 は 世 間 ではもてはやされる 有 名 人 ではあったが 上 辺 の 満 足 感 と 幸 福 感 と 裏 腹 に 不 安 孤 独 寂 寞 である 妻 との 交 流 が 心 身 ともに 断 絶 された 時 假 話 を 用 いた かれらは 救 いようのない 孤 独 感 に 苛 まれるなか 家 庭 の 崩 壊 をまねくことを 知 りつつも 自 身 の 絶 望 感 に 挑 戦 した 厳 は 伍 とのベッド インについて 乾 きを 癒 す 消 毒 と 言 い 費 は 女 子 学 生 とは ベッドで 手 を 繋 いただけで その 後 喫 茶 店 で 学 問 を 語 った という(p155) つまり かれ らは 孤 独 であり 人 間 同 士 の 分 かり 合 える 交 流 を 渇 望 していた 上 記 の 考 察 を 踏 まえると 假 话 のメカニズムが 浮 き 上 がってくる それ は 社 会 的 病 理 と 人 間 の 孤 独 感 との 二 重 要 因 である Ⅲ 作 品 の 構 図 における 寓 意 ケータイ の 構 図 は 三 つの 時 空 によって のような 大 時 空 を 形 成 し たとⅡ 章 で 述 べたが その 構 図 には 作 者 の 意 図 が 込 められているに 違 いない 何 故 なら 主 人 公 の 過 去 現 在 過 去 の 過 去 が 循 環 する の 大 時 空 のなか 現 在 が 作 品 の 主 題 を 構 成 していたからである つまり 1 章 の 厳 の 童 年 3 章 の 祖 父 母 の 暮 らしが 作 品 の 背 景 として 描 かれ 2 章 の 伝 達 問 題 が 作 品 のテーマ として 描 かれている それは 現 在 の 困 頓 状 態 を 凝 視 し そこからの 脱 却 を 模 索 する 作 者 の 意 図 ではないだろうか 主 人 公 厳 の 叫 びからそのように 窺 える この 国 のすべての 人 を 代 表 して 言 う 我 々はこれ 以 上 こんなにうやむや に 活 きてはならんのだ(p26) ( 注 21) この 独 白 は 現 状 を 打 開 し 新 たな 生 存 形 態 つまり 未 来 を 渇 望 している 作 者 の 姿 勢 が 反 映 されている 事 実 本 作 品 についてインタビューを 受 けた 際 に 作 者 は 次 のように 述 べた 現 在 を 見 れば 過 去 を 知 ることができ 過 去 を 見 れば 未 来 を 知 ることがで きるのだ ( 注 22) この 現 在 過 去 未 来 こそ 過 去 をさかのぼり 現 在 を 凝 視 し 未 来 を 探 求 する 構 図 である その 試 みとして 前 述 に 考 察 した 厳 費 の 唱 えた 儒 教 思 想 が 構 想 されたに 違 いない だが 提 唱 者 の 厳 と 費 もその 倫 理 に 背 馳 すると 11

この 方 法 の 成 立 が 不 可 能 となり 模 索 の 道 が 閉 ざされる 作 品 中 新 たな 試 み がまたあるとすれば 唯 一 拧 巴 していない 祖 母 を 形 象 したことが 考 えられ る 実 際 に 厳 の 帰 郷 が 念 入 りに 描 写 したのも 祖 母 にスポットライトを 当 てるた めに 違 いない 何 故 なら 厳 と 祖 母 は 分 かり 合 えるからである 例 えば 離 婚 を 報 告 すると お 前 が 言 わなくても 分 かるのよ 離 婚 したといっても 彼 女 はちっ とも 悪 くない 悪 いのはうちの 子 なんだよ ( 注 23) と 祖 母 は 叱 責 しつつ 自 分 の 父 親 と 厳 の 父 親 をなくした 時 の 悲 しみを 語 り この 話 を 今 まで 誰 にも 言 わな かった という 厳 も 祖 母 の 膝 に 伏 しておんおんと 泣 いた 二 人 は 過 去 と 現 在 を 共 有 し 良 き 理 解 者 である しかし 祖 母 が 死 去 したため 本 作 品 の 模 索 の 道 も 獲 得 できずに 断 たれたのである これまでの 考 察 を 振 り 返 ると 作 者 は の 構 図 における 一 世 紀 という 歳 月 を 通 して 現 在 まで 彷 徨 い 続 けている 人 々を 凝 視 し その 困 頓 状 態 の 打 開 策 を 模 索 したが 魯 迅 と 同 様 に 国 民 の 資 質 に 絶 望 せざるを 得 なかったことが 窺 える 時 は のように 絶 えず 繰 り 返 されてゆき 人 類 の 生 存 形 態 も 絶 えず 変 化 を 遂 げたが 国 民 の 資 質 は 改 善 されず 依 然 として 魯 迅 が 匙 を 投 げた 状 態 に 停 滞 している 作 品 の 三 つの 時 空 が 構 成 した の 構 図 は 作 者 のこ のような 意 図 が 込 められているように 見 受 けられる この 観 点 については 一 句 頂 一 万 句 の 構 図 も 合 わせて 考 察 すると なおいっそう 明 瞭 である ケー タイ を 受 け 継 ぐかのように 主 人 公 楊 と 血 縁 関 係 のない 孫 の 牛 は 一 世 紀 の 歳 月 を 彷 徨 い 続 けていた 作 者 は 楊 に 儒 学 者 汪 と 宣 教 師 詹 を 邂 逅 させたが 拧 巴 が 極 まる 彼 の 現 状 打 開 を 遂 げることはなかった 後 に 孫 の 牛 も 彼 の 複 写 版 であるかのような 人 生 を 送 り 孤 独 の 旅 を 繰 り 返 していく つまり 牛 は 祖 父 とは 世 代 を 隔 て 現 代 生 活 を 送 っているが 拧 巴 と 孤 独 のために 彷 徨 い 続 けている 点 では 楊 と 変 わらなかった いわば この 国 の 人 々の 精 神 性 は 一 世 紀 来 変 わりはないのである おわりに 本 稿 は 拧 巴 と 假 話 を 明 らかにし 作 品 の 構 図 における 寓 意 を 考 察 した 魯 迅 を 継 承 する 作 者 の 思 想 が 浮 かび 上 がったと 同 時 に 作 品 の 未 来 への 探 求 が 未 完 のままで 終 わったことも 明 らかになった 未 完 とは 作 者 は の 構 図 における 現 在 の 人 々の 拧 巴 を 表 象 したが そこからの 脱 却 方 法 を 読 者 に 提 示 できなかったことである しかし 一 世 紀 の 歳 月 を 振 り 返 り 魯 迅 の 批 評 精 神 を 痛 感 した 作 者 は 本 作 品 のテーマを 未 完 のままにするのだろう か 一 句 頂 一 万 句 を 読 むと そのテーマが 引 き 続 き 語 られていたことに 気 付 く 儒 学 者 汪 と 宣 教 師 詹 の 人 物 造 形 から 作 者 の 更 なる 模 索 が 窺 える そのた め 本 作 品 の 然 るべき 研 究 は 一 句 頂 一 万 句 を 姉 妹 編 として 考 察 すべきで あるに 違 いない その 論 考 は 本 稿 の 続 きとしたい 12

付 記 : 本 稿 は 韓 国 で 行 われた 現 代 文 学 国 際 学 術 討 論 会 における 口 頭 発 表 及 び 意 見 交 換 を 踏 まえた 既 発 表 論 文 が 査 読 を 経 て 新 たに 掲 載 されるものである 注 (1) 林 蔚 抬 头 看 手 机 低 头 过 一 地 鸡 毛 勉 强 兴 奋 的 日 子 中 国 青 年 报 2010 年 5 月 25 日 手 机 道 出 一 种 都 市 病 生 活 已 然 让 人 疲 倦 冷 淡, 但 虚 幻 的 繁 华 和 喧 嚣 已 成 为 习 惯, 停 不 下 来, 甚 至 主 动 要 求 继 续, 于 是 服 兴 奋 剂 也 要 自 己 把 自 己 弄 HIGH (2) 任 民 喧 嚣 的 手 机 沉 默 的 乡 愁 北 方 新 报 2010 年 6 月 7 日 7 年 后, 看 了 刘 老 师 的 新 作 一 句 顶 一 万 句, 若 有 所 思 ; 再 回 看 手 机, 才 恍 然 大 悟, 刘 老 师 写 的 是 语 言, 表 达 的 是 孤 独, 但 他 深 深 埋 藏 在 书 里 的 却 是 挥 之 不 去 的 乡 愁 (3) 李 敬 沢 刘 震 云 新 作 手 机 研 讨 会 实 录 (2) 新 浪 读 书 2004 年 1 月 14 日 我 想 在 韩 非 的 时 代, 一 个 人 说 话 难, 可 以 不 说, 可 以 回 家 种 地 当 隐 士, 在 中 国 和 世 界 现 代 化 的 时 代, 要 不 想 手 机 控 制 了 你 的 生 活, 把 手 机 扔 掉, 我 觉 得 可 能 需 要 的 是 比 韩 非 那 个 时 代 当 隐 士 更 大 的 勇 气 和 更 不 可 能 所 以, 在 这 个 意 义 上 说, 手 机 这 样 的 作 品, 确 实 对 我 们 的 生 活, 对 整 个 的 生 存 状 态, 提 出 了 富 有 威 胁 的 分 析 (4) 劉 震 云 は 1958 年 河 南 省 延 津 県 に 農 民 の 子 として 生 まれる 1973 年 軍 人 となる 78 年 に 軍 隊 を 辞 し 北 京 大 学 に 入 学 し 中 国 文 学 を 専 攻 する 1982 年 卒 業 後 農 民 日 報 新 聞 社 に 入 社 するが 1988 年 さらに 魯 迅 文 学 院 にて 修 士 課 程 を 修 める 1987 年 以 後 創 作 を 始 める 塔 舖 新 兵 連 頭 人 単 位 官 場 一 地 鶏 毛 官 人 などは 初 期 の 作 品 である 21 世 紀 以 後 の 作 品 は 文 壇 での 反 響 はもとより 中 国 全 土 を 風 靡 し 次 々 と 映 画 化 テレビドラマ 化 されていく 一 地 鶏 毛 温 故 一 九 四 二 我 叫 刘 跃 进 ケータイ などのドラマは いずれも 高 い 視 聴 率 を 獲 得 し 話 題 作 となった 2009 年 に 出 版 された 一 句 頂 一 万 句 も 現 在 映 画 製 作 中 である 劉 震 雲 文 学 はすでに 英 語 ドイツ 語 フランス 語 日 本 語 韓 国 語 ベトナム 語 に 翻 訳 されている (5) 文 学 和 我 从 事 的 文 学 韓 国 外 国 語 大 学 国 際 学 術 研 討 会 論 文 集 2010 11 18 2-13 頁 13

我 走 上 创 作 道 路 的 直 接 原 因, 是 一 个 少 年 朋 友 的 引 导 我 小 的 时 候, 从 来 没 有 想 到 当 一 个 作 者 在 他 没 杀 人 之 前, 我 去 看 他, 他 告 诉 我 你 要 写 作 我 问 为 什 么? 他 仍 交 待 我 把 这 个 世 界 搞 懂, 我 听 了 一 个 杀 人 犯 的 话, 开 始 写 作 (6) 同 ( 注 5)13 頁 (7) 重 构 庸 俗 小 市 民 生 活 与 中 国 现 代 史 同 ( 注 5)8 頁 刘 震 云 的 小 说 表 明, 对 他 来 说 苏 联 解 体 或 美 军 入 侵 伊 拉 等 虽 然 也 是 大 事 件, 但 送 孩 子 上 幼 儿 园 或 老 婆 换 工 作 这 类 事 情 显 然 更 重 要 (8) 杨 澜 访 谈 录 凤 凰 电 视 台 2007 12 12 是 我 拧 巴 还 是 这 个 世 界 拧 巴? 我 肯 定 觉 得 是 这 个 世 界 拧 巴 了, 但 是 的 话, 当 世 界 把 我 拧 巴 到 一 定 程 度 的 时 候, 我 倒 想 试 图 通 过 写 作, 把 拧 巴 的 理 儿 再 拧 巴 回 来 至 于 我 拧 巴 回 来 的 理 儿 是 不 是 另 一 种 拧 巴, 我 觉 得 那 是 另 外 一 回 事 (9) 馬 俊 山 刘 震 云 的 拧 巴 : 丛 生 存 到 审 美 同 ( 注 5)59 頁 当 代 中 国 大 陆 道 德 破 产 价 值 失 范 与 后 现 代 社 会 普 遍 道 德 困 惑 和 价 值 危 机, 有 着 某 种 相 似 性 在 此 情 境 中 写 小 说, 或 用 小 说 描 写 这 个 社 会, 叙 述 其 中 的 人 情 世 故, 我 真 不 知 道, 除 了 拧 巴 之 外, 还 有 什 么 更 好 的 办 法 (10) 李 建 军 尴 尬 的 跟 班 与 小 说 的 末 路 刘 震 云 及 其 手 机 批 判 小 説 評 論 2004 年 第 4 期 李 建 军 http://www.chinawrite.rcom.cn 2007 年 01 月 18 日 他 倾 向 于 抡 圆 了 把 人 往 拧 巴 里 写, 非 得 把 人 写 得 不 人 不 鬼 不 伦 不 类 他 才 过 瘾 虽 然, 玩 这 种 任 性 的 游 戏, 他 也 许 可 以 得 到 有 限 的 快 乐, 也 许 可 以 获 得 商 业 上 的 成 功, 但 是 也 必 须 付 出 高 昂 的 代 价 : 在 文 学 上 一 无 所 获 (11) 作 品 の 引 用 などは 長 江 文 芸 出 版 社 2003 年 に 発 行 したものによる 筆 者 訳 以 下 頁 と 原 文 を 記 す 作 品 の 概 要 : 全 書 3 章 と 構 成 されている 第 一 章 1968 年 主 人 公 厳 守 一 は 父 親 祖 母 と 辺 鄙 な 山 村 に 三 人 で 暮 らしてい る 三 才 の 時 に 母 親 を 亡 くした 1969 年 呂 桂 花 が 厳 家 荘 に 嫁 ぎ 夫 の 牛 三 斤 が 炭 坑 で 働 いているため 彼 女 は 電 話 を 掛 けに 街 へ 出 かけた 同 行 し た 厳 は 彼 女 に 淡 い 恋 心 を 抱 く 二 人 は 一 日 中 奔 走 し やっと 手 回 し 電 話 に よる 伝 言 を 発 信 した 1996 年 厳 が 北 京 のテレビ 局 で< 有 一 説 一 >とい うトーク 番 組 の 司 会 者 となる < 電 話 >という 番 組 を 企 画 し この 思 い 出 14

を 回 想 する 第 二 章 2000 年 前 後 厳 は 美 貌 の 伍 月 と 出 会 う 二 人 の 関 係 を 隠 蔽 するため 妻 を 欺 かなければならない しかし 伍 のショートメールから 二 人 の 関 係 が 明 かされ 妻 と 離 婚 したが 後 に 交 際 相 手 の 沈 雪 に つきまとってくる 伍 のことが 打 ち 明 けられず 虚 言 を 言 い 続 け 暴 露 される さらに 伍 の 脅 迫 によって 司 会 の 座 も 危 うく 有 一 説 一 のプロデューサーを 兼 任 する 大 学 教 授 の 費 は 人 生 は 儚 くも 苦 しきもの 堕 落 する 事 なかれ と 人 々を 諭 すが 彼 自 身 は 女 子 学 生 と 恋 愛 関 係 に 陥 る そんな 厳 と 費 は 曾 て 魯 迅 も 救 える 妙 薬 はなしと 断 念 したこの 民 族 を 有 一 説 一 のトーク 番 組 を 通 じて 目 覚 めさせようと 考 えている 良 き 理 解 者 祖 母 が 死 去 する 第 三 章 1927 年 厳 の 曾 祖 父 厳 老 有 には 3 人 の 息 子 がいる 長 男 厳 白 孩 は 厳 の 父 親 である 1923 年 14 才 の 彼 は 父 親 の 仕 事 を 継 ぐのを 拒 み 家 出 をする 4 年 後 厳 老 有 は 子 ども 達 を 独 立 させようと 思 い 知 人 に 家 に 帰 るよう に と 厳 白 孩 に 言 付 ける 2 年 後 厳 白 孩 は 帰 郷 するが 嫁 となるはずの 娘 がすでに 弟 の 子 どもの 母 親 となっていた 電 話 のない 時 代 であった 1929 年 曾 祖 父 は 朱 家 の 娘 を 彼 の 嫁 に 決 めた 30 年 後 その 娘 は 厳 の 祖 母 と なった (12) 手 机 28 頁 1 你 是 孔 子, 我 是 戏 子 本 来 想 让 老 费 教 导 他 们 如 何 生 活, 没 想 到 他 们 自 己 倒 不 在 意 民 族 的 素 质 就 这 样, 鲁 迅 当 年 都 无 药 可 救 2 手 机 160 頁 据 费 墨 先 生 说, 生 活 很 简 单, 你 把 它 搞 复 杂 了 ; 或 者, 生 活 很 复 杂, 你 把 它 搞 简 单 了 3 手 机 31 頁 老 严, 我 不 是 说 你, 没 事 坐 下 来 看 点 书, 知 识 欠 缺, 是 会 误 事 的 4 手 机 60 頁 谁 呀, 这 么 晚 了 不 管 是 谁, 我 都 不 接 了 我 替 你 接 你 可 算 开 机 了 还 在 外 面 胡 闹 呢? 我 可 告 诉 你, 两 个 小 时 之 前 于 文 娟 打 我 的 电 话 找 你 你 不 是 说, 晚 上 和 费 墨 在 一 起 吗? 15

外 面 冷 快 回 家 记 得 在 车 上 咬 过 你, 睡 觉 的 时 候, 别 脱 内 衣 (13) 手 机 85 頁 你 们 在 手 机 里 说 了 多 少 废 话 喝 假 话? 汉 语 本 来 是 简 洁 的, 现 在 人 人 都 言 不 由 衷 手 机 里 到 底 藏 了 多 少 不 可 告 人 的 东 西? 再 这 样 闹 下 去, 早 晚 有 一 天, 手 机 会 变 成 手 雷 我 看 倒 不 如 把 手 机 里 的 秘 密 都 公 布 出 去 (14) 刘 震 云 : 一 万 句 顶 一 句 北 京 晚 报 专 访 北 京 晚 报 2009 年 3 月 16 日 杨 百 顺 跟 私 塾 老 师 学 过 论 语, 也 听 老 詹 讲 过 圣 经 可 怕 的 是, 杨 百 顺 像 我 们 许 多 人 一 样, 他 不 是 对 一 种 世 界 的 解 释 不 在 乎, 他 对 两 种 解 释 都 不 以 为 意 中 国 人 很 多, 聚 在 一 起 人 多 势 众, 但 分 开 的 时 候, 个 个 又 显 得 很 孤 单 不 从 宗 教 的 意 义 上, 单 从 生 活 的 层 面 说, 这 就 是 我 们 的 文 化 生 态 (15) 刘 震 云 谈 手 机 拧 巴 的 世 界 变 坦 了 的 心 新 浪 读 书 http://book.sina.com.cn 2003 年 12 月 09 日 第 一 个 阶 段 是 用 琐 碎 说 琐 碎, 第 二 个 阶 段 是 用 复 杂 来 说 明 这 个 世 界, 来 表 达 对 这 个 世 界 的 感 受 但 真 正 到 现 在 这 一 段 儿, 我 的 创 作 心 态, 我 觉 着 全 是 废 话, 一 腔 废 话, 我 觉 得 世 上 有 用 的 话 一 天 不 超 过 10 句 (16) 同 注 (15) 我 觉 得 到 手 机, 我 找 到 了 一 种 精 神 和 物 质 的 契 合 点, 就 是 人 的 说 话 (17)1 手 机 51 頁 在 哪 儿 呢? 回 来 吃 饭 吗? 会 不 去 了 下 午 去 戏 剧 学 院 上 课, 剧 组 的 策 划 会 移 到 了 晚 上 2 手 机 118-119 頁 严 守 一, 你 干 吗 呢? 上 厕 所 呢 上 厕 所, 你 怎 么 不 脱 裤 子 呀? 你 给 谁 打 电 话 呢? 是 不 是 又 给 伍 月? 严 守 一, 你 到 底 有 多 少 事 背 着 我 呀? (18)1 手 机 34 頁 我 现 在 听 你 说 话, 都 是 在 电 视 上 严 守 一 倒 吃 了 一 惊 但 从 此 对 和 于 文 娟 说 话 就 更 紧 张 好 在 两 人 都 习 惯 16

了, 于 文 娟 并 不 深 究 最 明 显 是 吃 饭 的 时 候, 两 人 同 坐 一 张 桌 子 前, 一 顿 饭 吃 下 来, 只 有 碗 筷 的 声 音 2 手 机 55 頁 你 整 天 不 跟 我 说 话, 还 不 让 我 跟 别 人 说 呀? 想 把 我 憋 死 呀? (19) 手 机 35 頁 那 天 晚 上, 严 守 一 在 外 面 吃 饭, 突 然 感 到 胃 有 些 不 舒 服, 便 提 前 离 席 回 家 回 到 家, 于 文 娟 并 没 有 发 现 严 守 一 欲 到 卧 室 躺 一 会, 到 了 门 前, 发 现 于 文 娟, 坐 在 床 上, 怀 里 抱 着 一 头 毛 绒 狗, 正 对 着 它 喃 喃 说 话 说 她 小 时 候 不 爱 笑, 爱 哭 ; 爹 在 南 京 一 家 无 线 电 场 工 作, 娘 在 街 道 烧 大 茶 炉, 娘 发 起 火 来, 老 用 掏 煤 渣 的 铲 子 打 她 ; 她 有 一 个 伯 父, 长 得 白 白 胖 胖, 竟 对 他 不 怀 好 意,15 岁 那 年 许 多 过 去 没 对 严 守 一 讲 的 话, 现 在 对 一 头 绒 毛 狗 讲 了 严 守 一 听 到 以 后, 不 是 对 妻 子 产 生 同 情, 而 是 感 到 shen 得 慌 他 又 悄 悄 退 出 了 家, 在 外 边 溜 达 了 一 个 小 时 才 重 新 回 家 (20) 手 机 155-156 頁 也 不 怪 疲 劳, 多 少 年 了, 话 总 是 说 不 到 一 块 儿 还 是 农 业 社 会 好 哇 / 那 个 时 候, 一 切 都 靠 走 路 上 京 赶 考, 几 年 不 归, 回 来 你 说 什 么 都 是 成 立 的 (21) 手 机 26 頁 我 代 表 天 下 的 苍 生, 再 不 能 让 我 们 这 样 不 明 不 白 地 活 着 了! (22)( 同 注 15) 悲 悯 啊, 我 觉 得 这 都 是 特 别 无 耻 的 词 我 只 是 对 这 个 民 族 有 特 别 刻 骨 铭 心 的 感 受 这 种 刻 骨 铭 心 的 感 受, 它 的 来 源 并 不 只 是 现 实 生 活, 还 有 两 个 : 一 种 是 看 中 国 的 书, 再 有 话 看 中 国 过 去 的 生 活 看 现 在 就 可 以 知 道 过 去, 看 过 去 就 可 以 知 道 未 来 (23) 手 机 79 頁 不 用 你 说, 我 就 知 道, 当 初 的 事, 一 点 不 怪 人 家, 怪 自 家 的 孩 子 17