プレゼンテーションの 基 礎 1.プレゼンテーションとは プレゼンテーションとは あるテーマについての 自 分 の 考 えや 調 査 した 内 容 プロジェクトや 製 品 に 関 す る 概 要 などを 他 の 人 に 発 表 したり 説 明 したりすることです 大 学 生 には 研 究 を 行 った 結 果 を 発 表 したり 自 分 の 考 えをまとめて 説 明 したりする 能 力 が 求 められます 今 後 ゼミや 卒 業 論 文 作 成 時 には 研 究 成 果 を 客 観 的 にまとめて 多 くの 人 に 説 明 できなければなりません 社 会 人 になるとビジネスのさまざまな 場 面 でプ レゼンテーションが 必 要 となります 現 代 社 会 においてプレゼンテーション 能 力 は 必 須 であると 言 えます 2.プレゼンテーションの 方 法 プレゼンテーションを 行 う 際 従 来 は 紙 の 資 料 やホワイトボード フリップ( 説 明 用 のボード) スライド OHP OHC などさまざまな 道 具 が 使 われてきました 最 近 では パソコンと 液 晶 プロジェクター( 右 図 )を 使 った 発 表 が 一 般 的 になってきました 液 晶 プロジェクタは PC の 画 面 をスクリーンに 大 写 しするための 装 置 です PC にはプレゼンテーション 用 のソフトウェアを 導 入 して 使 います プレゼンテーション 用 ソフトとして 代 表 的 なものに Microsoft 社 の PowerPoint があります PowerPoint の 操 作 方 法 は これまで 習 得 し てきた Word と 似 ており Word を 学 習 した 者 であれば 操 作 は 理 解 でき るはずです 液 晶 プロジェクタ 3.プレゼンテーションのポイント 自 分 の 考 えを 聞 き 手 に 的 確 に 伝 えるために 以 下 のような 点 に 配 慮 します 限 られた 時 間 でポイントを 理 解 してもらえるようにすること ストーリーが 最 も 重 要 話 す 順 番 一 つで 伝 わり 方 が 違 ってきます 最 初 に 目 次 のページを 用 意 し 発 表 の 流 れを 理 解 してもらう 具 体 的 な 根 拠 ( 例 えば 実 験 結 果 や 統 計 的 情 報 )をきちんと 示 すこと 文 章 だけではなく 視 覚 的 に 情 報 をまとめて 提 示 する もっとも 注 目 してもらうべきに 点 については 効 果 的 に 説 明 を 行 えるように 配 慮 すること 最 後 にまとめのページを 用 意 しプレゼンの 内 容 を 要 約 する その 他 覚 えておきたいこと 聞 き 手 を 見 て 話 すこと(スクリーンや 画 面 だけを 見 て 話 してはいけない) 意 味 の 無 い 絵 や 動 画 音 を 入 れない 事 前 に 十 分 なリハーサル( 練 習 )を 行 う 許 された 発 表 時 間 を 守 る 適 切 な 配 布 資 料 を 準 備 する 1
4.プレゼンテーション 用 ソフトウェア(PowerPoint) プレゼンテーション 用 の 資 料 を 作 成 するには Microsoft 社 の PowerPoint をはじめとするいわゆる プ レゼンテーションソフト を 利 用 するのが 一 般 的 です 最 近 ではフリーのソフトも 利 用 できるようになって きましたが まだ 一 部 の 機 能 が 不 十 分 だったりするので 有 償 でも PowerPoint を 使 えるようにすることを 推 奨 します PowerPoint のようなプレゼンテーションソフトの 利 点 は 簡 単 にプレゼン 用 のコンテンツを 作 成 できる 点 の 他 に 以 下 のような 特 徴 があります 内 容 の 変 更 が 容 易 である 画 像 動 画 音 声 などのマルチメディア 素 材 を 取 り 込 める アニメーション 機 能 を 使 って 動 きのあるプレゼンを 作 成 できる 低 コストである(OHP 用 シートやスライドなどを 作 成 する 必 要 がない) PowerPoint は Microsoft Office に 製 品 として 含 まれています PC を 購 入 する 際 最 初 から Office が 導 入 されている(プリインストールという)ものもありますが Word Excel のみで PowerPoint は 含 まれて いないことが 多 いので 注 意 が 必 要 です 別 途 購 入 する 場 合 学 生 の 場 合 には アカデミックパック と 呼 ば れる 教 育 機 関 割 引 が 適 用 された 製 品 を 購 入 することができるので 自 宅 の PC に 導 入 されていない 場 合 には アカデミックパックを 購 入 するとよいでしょう 購 入 時 には 学 生 証 などの 提 示 が 必 要 となります 5.PowerPoint の 基 本 操 作 PowerPoint では 各 ページを スライド という 単 位 で 作 成 していきます スライドには 文 字 Excel な どで 作 成 した 表 やグラフ クリップアート 図 などを 貼 り 付 けて 考 えが 効 果 的 に 伝 わるようにします 作 成 したスライドを 複 数 組 み 合 わせて 全 体 のストーリーを 構 成 していきます 作 成 したスライドは 全 体 を 通 してコンピュータの 画 面 上 に 表 示 できる(スライドショー)ほか 複 数 の スライドを1ページにまとめた 配 布 資 料 の 形 式 で 印 刷 することも 可 能 です 以 下 順 を 追 って 説 明 します PowerPoint の 起 動 起 動 すると 下 のような 画 面 が 出 ます [ 作 業 ウィンドウ] 新 規 スライドの 挿 入 や スライドのレイアウト 調 整 時 に 出 す [スライド 一 覧 ] スライドのレイアウトを 表 示 [ノート] 発 表 時 用 の 覚 書 や 原 稿 [ 編 集 中 のスライド] 見 出 しレベルを 変 えて 入 力 2
新 しいスライドの 挿 入 挿 入 (I) 新 しいスライド Ctrl+M(N) で 新 しいスライドを 追 加 できます スライドの 複 製 (D) を 使 うと 同 じスライドがコピーできるので これを 編 集 するのも 便 利 です この 操 作 を 行 うと 画 面 右 側 ( 消 えている 場 合 もある)の 作 業 ウィンドウ が スライドのレイアウト に 変 わります スライドのコンテンツに 合 わせて 選 択 します 最 もよく 使 われるのは タイトルとテキスト (タイトルと 横 書 きの 箇 条 書 きのスタイル) です 段 落 の 見 出 しレベル 文 字 を 入 力 したら 各 段 落 の 見 出 しレベル を 決 めます 後 で 設 定 するアニメーション( 画 面 上 の 動 き) などは このレベル 単 位 で 設 定 できるので 各 項 目 にどんなレベルを 与 えるとよいか 考 えましょう レベル 下 げには Tab キーを レベル 上 げには Shift + Tab を 使 用 します 段 落 の 区 切 りは Enter を 押 すことで 入 ります 同 じ 段 落 内 で 単 に 改 行 をしたい 場 合 には Shift + Enter を 使 います 効 果 ( 後 で 説 明 )は 段 落 単 位 で 与 えられるので 両 者 をうまく 使 い 分 けること 段 落 の 見 出 しレベル 第 1レベル 第 2レベル 第 2レベル 第 1レベル 第 2レベル 第 3レベル 第 4レベル» 第 5レベル 1 行 が 長 くなり 同 一 レベル 内 で 改 行 した ほうがよい 場 合 には Shift+Enter を 使 う 自 己 紹 介 氏 名 麗 澤 太 郎 (れいたくたろう) 所 属 麗 澤 大 学 国 際 経 済 学 部 学 科 1 年 家 族 父 母 姉 1 人 弟 1 人 猫 3 匹 図 の 挿 入 挿 入 (I) 図 (P) を 使 えば クリップアートや 図 を 入 れることができます 図 形 描 画 ツールバーを 表 示 させて( 表 示 (V) ツールバー(T) 図 形 描 画 ) オートシェイプやテキストボックスを 入 れるこ ともできます 図 の 編 集 の 仕 方 は Word のときと 同 じです スライドのデザインの 変 更 書 式 (O) スライドのデザイン(D) を 使 えば あらかじめ 用 意 された 背 景 やフォント 形 状 などのス ライドデザインを 使 えます 背 景 (K) を 使 えば 背 景 色 のみを 変 更 可 能 です この 操 作 を 行 うと 画 面 右 側 ( 消 えている 場 合 もある)の 作 業 ウィンドウ が スライドのデザイン に 変 わります デザインテンプレート の 中 から 適 当 なテンプレートを 選 択 します 画 面 の 効 果 について 効 果 的 なプレゼンテーションのために スライド 画 面 の 切 り 替 え 方 や 段 落 の 表 示 方 式 オブジェクト( 挿 入 された 図 やクリップアートなど)に 動 きを 与 えることができます いろいろ 試 してみましょう スライドショー(D) 画 面 切 り 替 え(T) は スライド 切 り 替 え 時 の 効 果 を 決 めます スライドの 動 きを 選 択 し 切 り 替 えのタイミングやどのスライドに 適 用 するかを 選 択 します スライドショー(D) アニメーションの 設 定 (M) では 各 オブジェクトにどんな 効 果 を 与 えるか を 決 定 します 以 上 の 操 作 をすると 画 面 右 側 ( 消 えている 場 合 もある)の 作 業 ウィンドウ が 画 面 切 り 替 え や ア ニメーションの 設 定 に 切 り 替 わります 下 図 は アニメーションの 設 定 に 切 り 替 えた 様 子 です Power Point 2002 からは 非 常 に 多 くのアニメーションを 設 定 できるようになりました 動 作 の 開 始 や 終 了 の 方 法 を 設 定 したり アニメーションの 軌 跡 を 指 定 したりすることも 可 能 です 少 し 複 雑 ですが 1 対 象 のオブジェクトを 選 ぶ 2そのオブジェクトに 順 に 効 果 を 与 えていく という 操 作 は 変 わりません 3
ただし 下 位 互 換 性 ( 古 い 版 との 共 通 動 作 )はありません せっかくアニメーションを 設 定 しても 自 分 が 発 表 するパソコンに 同 じバージョンの PowerPoint が 入 っていないと 動 作 しないので 注 意 が 必 要 です また アニメーションを 付 けすぎて 見 ている 側 が 疲 れるようなスライドは 好 ましくありません 効 果 の 動 作 を 決 める 効 果 を 決 める マスターの 編 集 表 示 (V) マスター(M) を 使 うと 各 スライド(スライドマスター)に 常 に 表 示 しておきたい 項 目 (ヘッダ フッタの 内 容 ページ 番 号 など)やテキストの 書 式 を 設 定 できます 配 布 資 料 用 ( 配 布 資 料 マス ター)には 印 刷 時 の 様 式 などを 設 定 しておきます スライドショー スライドが 完 成 したら 表 示 (V) スライドショー(W) で 全 体 の 流 れを 確 認 します Enter キー 押 下 又 は 矢 印 キーで 次 のスライドの 表 示 Esc キー 押 下 でスライドショーを 終 了 させることができます 印 刷 について 印 刷 には ファイル(F) 印 刷 (P) を 使 います 印 刷 対 象 (T) からスライド 単 位 で 印 刷 を 行 うか 配 布 資 料 を 印 刷 するのかを 選 択 します 通 常 のレーザープリンターで 印 刷 する 場 合 は 白 黒 印 刷 (B) にチ ェックがついていることを 確 認 します 別 資 料 を 参 照 してください その 他 の 注 意 フォントサイズがあまり 小 さい(18point 以 下 くらい)とプレゼンテーションしたとき 見 えません 文 字 をあまり 多 くするとわかりにくくなります 文 章 ではなくできるだけ 図 を 使 って 説 明 すること 必 要 以 上 の 画 面 効 果 を 与 えすぎるとうっとうしくなります( 逆 に 恥 ずかしい) ほどほどに ~ 課 題 ~ 以 下 の 中 からテーマを 選 択 し プレゼンテーション 資 料 を 作 成 しなさい 採 点 のポイント 10~15 枚 のスライドで 構 成 されていること 適 切 な 自 己 紹 介 がなされていること テーマにそったプレゼンテーションが 行 えるような 構 成 であること 文 字 ばかりでなく 必 ず 図 や 写 真 などを 使 って 説 明 されていること 図 や 写 真 に Web 画 面 や 他 の 参 考 資 料 を 利 用 した 場 合 に 出 典 (URL 等 )が 明 記 されていること 著 作 権 や 肖 像 権 ( 芸 能 人 やスポーツ 選 手 の 顔 写 真 キャラクターなどは )に 違 反 する 内 容 でないこと テーマ: 私 と 私 の 故 郷 私 と 私 の 住 む 街 私 と 私 の 趣 味 のいずれかのタイトルで 作 成 する ファイル 名 : 学 籍 番 号.ppt ( PowerPoint ファイルは 拡 張 子 が 自 動 的 に.ppt になる) 提 出 方 法 期 限 : 担 当 教 員 より 指 示 (ネットワークドライブへの 提 出 を 予 定 ) 4
コンピュータリテラシー 資 料 パワーポイントの 印 刷 配 布 資 料 を 印 刷 してみよう 配 布 資 料 は 重 要 プレゼンテーションに 際 して 配 布 資 料 があ る 場 合 とそうでない 場 合 では 効 果 が 異 なる ない 場 合 には 心 理 的 に 発 表 を 聞 く 余 裕 が なくなる 1 2 配 布 資 料 の 種 類 2スライド 3スライド 通 常 パワーポイントのスライドは 多 くなる そのまま 印 刷 すると 印 刷 枚 数 が 多 くなり 配 布 自 体 が 大 変 になる 1ページに2スライド 3スライド 6スライド 4スライド 9スライドの 選 択 が 可 能 4スライド 9スライドはあまり 使 われない 1ページ1スライドとしてOHPを 使 うことも あるがあまり 使 われない 3 3スライドを1ページに 印 刷 する 場 合 には メモを 取 る 欄 が 右 側 につけられる 2スライドを1ページに 印 刷 する 場 合 には ある 程 度 の 大 きさでスライドが 見 える 6スライドの 場 合 には1ページに6スライド 入 るがメモ 欄 がない また 1スライドの 大 きさが 小 さくなるため スライドの 構 成 を 考 える 必 要 がある 4 印 刷 時 の 配 慮 印 刷 不 要 なスライドを 除 いて 印 刷 する 方 が 効 果 的 な 場 合 もある プレビュー 機 能 を 使 えば 事 前 に 印 刷 物 の 雰 囲 気 をつかむことができる スライドを 印 刷 するのか 配 布 資 料 を 印 刷 するのか ヘッダやフッタ 印 刷 サンプル 6ページのとき これは 印 刷 サンプルです 32ポイントの 文 字 です 28ポイントの 文 字 です 24ポイントの 文 字 です 20ポイントの 文 字 です 18ポイントの 文 字 です 16ポイントの 文 字 です 14ポイントの 文 字 です これは 画 面 でもよく 見 えません 12ポイントの 文 字 です こうなるとほとんで 見 えないでしょう 5 6 パワーポイント 印 刷 例
コンピュータリテラシー 資 料 配 布 資 料 を 印 刷 する スライド 数 は ここ 配 布 資 料 を 選 択 する スライド のままになっていると 大 量 に 印 刷 されてしまう 7 特 定 のスライドのみを 印 刷 する 印 刷 の 際 にスライドの 番 号 を 指 定 する 方 法 スライド 一 覧 で 印 刷 するスライドを 選 択 して 選 択 範 囲 のみを 印 刷 する 方 法 例 では すべて が 選 択 されているので 全 スラ イドが 印 刷 対 象 となって いる 8 パワーポイント 印 刷 例
コンピュータリテラシー 資 料 画 像 を 印 刷 する 場 合 のTips モノクロプリンターの 場 合 グレースケール を 選 択 9 非 表 示 スライドについて 同 じプレゼンテーションを 発 表 時 間 に 応 じ て 省 略 したい 場 合 があります そのような 場 合 には 該 当 するスライドを 非 表 示 スライドに 指 定 します スライドショー(D) 非 表 示 スライドに 設 定 (H) で 設 定 します 10 メモ 11 パワーポイント 印 刷 例
コンピュータリテラシー 資 料 ノートの 作 成 発 表 者 の 台 本 となるように ノートを 作 成 することができます ノートも 印 刷 することができます ノートの 作 成 は 表 示 ノート を 選 択 し ます 印 刷 時 に ノート を 指 定 することで 台 本 を 作 成 することができます 12 このようにスライドの 下 に 台 本 を 作 成 することができます 例 として 以 下 のようなメモを 書 いておきます 発 表 者 の 台 本 としてノートを 作 成 できることを 伝 える ノートは 発 表 用 の 原 稿 になる ノートを 印 刷 することもできる 印 刷 時 には 印 刷 対 象 から ノート を 選 択 する 必 要 がある 練 習 しながら この 台 本 を 修 正 していくことで 発 表 の 質 を 向 上 させます 便 利 な 機 能 ですから 覚 えておくとよいでしょう この 部 分 に 記 載 する 文 字 の 書 式 などは スライドマスター の ノート で 変 更 します パワーポイント 印 刷 例