報 告 香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 雑 誌 第 巻, 9, 統 合 失 調 症 患 者 の 転 倒 予 防 を 目 的 としたフットケアの 検 討 ) ) ) ) ) ) 中 添 和 代 *, 國 方 弘 子, 真 鍋 紀 善 美, 守 屋 百 合 子, 西 山 勝 美, 冨 山 弘 美 ) 香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 保 健 医 療 学 部 看 護 学 科, ) 香 川 県 立 丸 亀 病 院 Effect of Foot Care to Prevent Falls in People with Schizophrenic Patients Kazuyo Nakazoe ) *,Hiroko Kunikata ) Kiyomi Manabe ),Yuriko Moriya ),Katumi Nishiyama ),Hiromi Tomiyama ) ) Department of nursing, Faculty of Health Sciences, Kagawa Prefectural University of Health Sciences ) Kagawa Prefectural Marugame Hospital 要 旨 本 研 究 の 目 的 は, 精 神 科 病 院 に 入 院 している 統 合 失 調 症 患 者 を 対 象 にフットケアを 行 い,その 介 入 前 後 の 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 ならびに 下 肢 筋 力 について 検 討 することである. 対 象 者 は,A 精 神 科 病 院 に 入 院 している 転 倒 高 リスクの 統 合 失 調 症 患 者 人 で, 転 倒 防 止 体 操 を 毎 日 実 施 している 自 立 歩 行 が 可 能 な 者 とした. 測 定 指 標 は, 足 の 爪 皮 膚 の 状 態, 下 肢 筋 力 で,それぞれを 点 数 化 し,フットケア 介 入 前 後 の 変 化 を 分 析 した.その 結 果, 以 下 の 点 が 明 らかになった. 全 員 に 足 の 爪 皮 膚 に 異 常 があった.フットケア 介 入 後 に 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 の 改 善 と 下 肢 筋 力 の 測 定 指 標 である 立 ち 上 がりパワー 値 が 上 昇 した. Key Words: フットケア(foot care), 転 倒 予 防 (fall prevention), 下 肢 筋 力 (lower-limb muscle strength), 統 合 失 調 症 患 者 (schizophrenic patients) * 連 絡 先 : 7- 香 川 県 高 松 市 牟 礼 町 原 8- 香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 保 健 医 療 学 部 看 護 学 科 中 添 和 代 * Correspondence to: Kazuyo Nakazoe, Department of nursing, Faculty of Health Sciences, Kagawa Prefectural University of Health Sciences, 8- Murecho-hara, Takamatsu, Kagawa 7- Japan 9
はじめに 転 倒 は 精 神 科 における 事 故 の 中 で 最 も 頻 度 の 高 い 出 来 事 であり, 骨 折 や 外 傷 を 生 じさせるだけでなく, 頭 部 打 撲 で 脳 出 血, 脳 挫 傷 等 により 死 に 至 っている 場 合 もある, ).また, 精 神 科 病 床 における 転 倒 事 故 は 施 設 入 所 高 齢 者 の 調 査 結 果 と 比 較 しても 差 がなく, 全 国 的 に 憂 慮 すべ き 状 況 にある ). このような 精 神 科 病 床 において, 転 倒 を 引 き 起 こす 要 因 としては, 不 安, 焦 燥 などに 関 連 した 行 動, 睡 眠 薬, 向 精 神 薬 の 内 服 ) や 日 常 的 な 活 動 が 病 棟 内 になりやすい 閉 鎖 的 環 境 ), 身 体 機 能 の 低 下 5-7) など,さまざまな 要 因 がある.さらに, 精 神 科 病 床 では, 入 院 患 者 の 約 半 数 が 5 歳 以 上 (7.%:8 年 ) 8) であり,その 割 合 は 年 々 増 加 している.そのため 精 神 疾 患 に 伴 う 転 倒 リスク だけでなく, 高 齢 化 による 身 体 面 での 問 題 が 表 面 化 して おり 転 倒 予 防 は 重 要 課 題 となっている. 高 齢 者 の 転 倒 予 防 に 関 する 調 査 では, 足 指 や 足 爪 の 変 形, 感 染 などを 有 すると 歩 行 能 力 や 下 肢 筋 力 9), 平 衡 機 能 が 低 下 するとと もに, 運 動 することで 疼 痛 などの 弊 害 が 生 じて ), 転 倒 を 引 き 起 こしやすいことが 報 告 されている.また,フッ トケア( 爪 のアセスメントと 処 置 など)を 実 施 すること で 足 趾 間 圧 力 と 開 眼 片 足 立 ち 時 間 の 改 善 ) や 立 位 歩 行 機 能 の 維 持 向 上 ),バランス 能 力 の 改 善 ) などが 確 認 され, 転 倒 予 防 ケアとしてフットケアが 有 効 である ことが 示 唆 されている.その 一 方, 精 神 障 害 者 の 転 倒 予 防 への 介 入 は,バランス 訓 練 や 下 肢 筋 力 増 強 などの 運 動, 療 法 -) が 多 く, 転 倒 予 防 を 目 的 としたフットケア 研 究 は 皆 無 である.しかし, 足 部 の 問 題 は 疼 痛 や 歩 行 障 害 につながり 転 倒 を 引 き 起 こす,つまりその 問 題 を 改 善 す ることは, 安 全 で 安 楽 に 運 動 を 継 続 することにつながり, 重 要 な 転 倒 予 防 対 策 であると 考 える. また, 足 の 爪 や 皮 膚 の 観 察 は, 循 環 障 害 神 経 障 害 歩 行 動 作 日 常 生 活 習 慣 などを 把 握 するための 多 くの 情 報 を 得 ることができるだけでなく, 患 者 と 一 緒 にその 状 況 をその 場 で 確 認 できるため, 患 者 教 育 の 動 機 づけの 一 因 になるという 大 きなメリットもある 7). A 精 神 科 病 院 ( 以 下,A 病 院 )では, 転 倒 リスクのス クリーニングを 目 的 に, 看 護 部 リスク 委 員 会 が 転 倒 アセ スメントチェック 表 を 作 成 し,そのチェック 項 目 の 内 容 や 該 当 項 目 数 により 転 倒 の 危 険 性 を 判 定 し, 看 護 介 入 の 指 標 としている.また, 転 倒 予 防 対 策 として,9 年 から 下 肢 筋 力 と 立 位 歩 行 バランスの 強 化 のために,オリ ジナルな 転 倒 防 止 体 操 の 考 案 と 活 用 に 取 り 組 んでいる. このような 実 践 の 中 から, 転 倒 予 防 ケアを 確 立 するため に, 転 倒 を 繰 り 返 している 統 合 失 調 症 者 人 を 対 象 に 足 を 観 察 し,フットケアを 実 施 することで 足 の 状 態 と 転 倒 との 関 連 を 検 証 した.その 結 果, 全 員 が 爪 の 異 常 や 皮 膚 剥 離 など 多 くの 所 見 がみられ,そのケアを 行 うことで, 足 の 爪 や 皮 膚 の 状 態 ならびにバランス 機 能 の 改 善 が 認 め られた.しかし, 転 倒 件 数 の 減 少 にはつながらなかった 8). そこで, 今 回,A 病 院 全 体 で 転 倒 予 防 策 を 立 案 実 践 するために, 看 護 部 リスク 委 員 会 が 主 体 となってフット ケアに 取 り 組 み,その 介 入 前 後 の 変 化 を 客 観 的 な 指 標 を 用 いて 検 証 した. 一 般 にフットケアはリラクセーション のイメージが 強 いが, 医 療 ケアとして 行 うフットケアは 足 病 変 に 対 して,その 原 因 の 把 握 と 原 因 への 介 入 9) で ある.そのフットケアの 介 入 を 検 証 することは,エビデ ンスに 基 づいた 転 倒 予 防 ケアの 提 供 になるのではないか と 考 える. 研 究 目 的 精 神 科 病 院 に 入 院 している 統 合 失 調 症 患 者 を 対 象 に フットケアを 行 い,その 介 入 前 後 の 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 ならびに 下 肢 筋 力 について 比 較 検 討 する. 用 語 の 操 作 的 定 義 フットケアとは, 対 象 者 個 々に,メディカルフットケ ア JF 協 会 が 作 成 したフットケアカルテ ) の 項 目 に 沿 っ てアセスメントし, 看 護 計 画 を 立 案 して 実 施 した 足 部 の ケアとした.フットケアの 内 容 は, 足 の 観 察, 保 清, 保 湿, 靴 選 び, 爪 切 り, 鶏 眼 胼 胝 角 質 肥 厚 白 癬 の 処 置 である.なお, 足 部 とは, 足 指, 爪, 足 背, 足 底 を 含 めた 範 囲 とした.. 研 究 期 間 研 究 方 法 研 究 期 間 は 年 月 ~ 月 であった.. 対 象 者 対 象 者 は,A 病 院 ( 慢 性 期 精 神 科 病 棟 )に 入 院 してい る 転 倒 高 リスクの 統 合 失 調 症 患 者 人 で, 転 倒 防 止 体 操 を 毎 日 実 施 している 自 立 歩 行 が 可 能 な 者 とした. 疾 患 および 症 状 による 影 響 を 除 去 するため, 起 立 時 につかま り 立 ちする 者 と 精 神 状 態 に 由 来 した 理 解 力 や 判 断 力 が 不 十 分 な 者 ( 認 知 症 など)は, 研 究 対 象 から 除 外 した. 転 倒 予 防 体 操 を 毎 日 実 施 しているとしたのは,その 体 操 が 転 倒 予 防 目 的 だけでなく, 入 院 患 者 の 日 課 となっている ためである. 本 研 究 における 転 倒 の 高 リスク 者 とは, 過 去 か 月 以 内 に 転 倒 した 者,あるいは,A 病 院 看 護 部 リスク 委 員 会 が 作 成 した 転 倒 アセスメントチェックの 該 当 数 が 項 目 以 上 の 者 である. 転 倒 アセスメントチェックとは, 精 神 障 害 者 の 転 倒 に 関 する 根 拠 のあるリスクをスコア 化 し 転 倒 のリスクがあるか 否 かをアセスメントする 指 標 であ る.7 項 目 から 構 成 され,そのうち 項 目 以 上 に 該 当
香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 雑 誌 第 巻, 9, する 者 を 転 倒 の 高 リスク 者 と 判 定 し 看 護 介 入 の 指 標 とし ている.. 測 定 項 目 ) 基 礎 データ 性 別, 年 齢,BMI, 入 院 期 間,CP(クロルプロマジン) 換 算 値 とした. CP 換 算 値 は, 日 本 の 精 神 科 薬 物 療 法 が 世 界 に 類 をみ ない 多 剤 併 用 を 標 準 とした 特 殊 な 薬 物 療 法 を 行 ってきた ため,その 総 量 を 計 算 するための 基 準 をクロルプロマジ ンにし, 各 抗 精 神 病 薬 による 薬 物 療 法 の 感 覚 的 効 果 を 知 るための 数 値 化 として 用 いられている ). 精 神 科 領 域 に おける CP 内 服 は 通 常 日 5 ~ 5mg 分 服 となってい る ). ) 測 定 指 標 () 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 足 の 爪 および 皮 膚 の 状 態 ( 以 下, 足 の 所 見 )のアセ スメントには,メディカルフットケア JF 協 会 が 作 成 し たフットケアカルテ ) を 用 いた.フットケアカルテは, 趾 ごとに 爪 のチェック 項 目, 足 のチェック 項 目 から 構 成 されている. 本 研 究 では, 各 チェック 項 目 を 点 として 点 数 化 した. () 下 肢 筋 力 椅 子 からの 立 ち 上 がり 動 作 を 利 用 した 下 肢 筋 力 評 価 椅 子 からの 立 ち 上 がり 動 作 を 行 うことによって, 下 肢 筋 力 の 測 定 評 価 をする 立 ち 上 がりパワー 測 定 器 ( 竹 井 機 器 ) を 用 い た. こ れ は ADL(Activities of Daily Living: ADL) 動 作 を 用 いた 簡 単 な 動 作 であることから 安 全 性 も 高 く, 短 時 間 で 測 定 ができ, 対 象 者 にも 実 施 が 可 能 である.また, 若 年 者 から 高 齢 者 の 下 肢 筋 力 を 評 価 す る 方 法 として, 信 頼 性 および 妥 当 性 が 検 証 されてい る ). 評 価 は, 立 ち 上 がり 動 作 における 床 反 力 発 揮 速 度 ( 立 ち 上 がりスタートからその 後 の 力 のピークまでの 最 大 傾 斜 / 体 重 値 )を 5: 優 れている ~ : 劣 っ ている の5 段 階 で 行 う. 足 指 間 圧 力 の 測 定 足 部 および 足 爪 の 異 常 が, 下 肢 筋 力 に 与 える 影 響 を 調 べる 目 的 で 足 指 間 圧 力 計 測 器 ( 日 伸 産 業 )を 用 いた. 足 指 間 圧 力 は, 下 肢 筋 機 能 を 定 量 的 に 評 価 できること が 高 齢 者 を 対 象 に 検 証 されている ). () 転 倒 アセスメント 健 康 障 害 の 種 類 と 程 度 : 項 目, 移 動 能 力 と 歩 行 レベル: 項 目, 排 泄 行 動 : 項 目, 薬 剤 : 項 目, 環 境 : 項 目, 転 倒 : 項 目 の 分 類 7 項 目 か ら 構 成 されている( 表 ). ) 測 定 方 法 () 対 象 者 にフットケアを か 月 介 入 する 前 後 で, 足 の 観 察, 下 肢 筋 力, 転 倒 アセスメントを 行 った. フットケアは, 入 浴 時 の 受 け 持 ち 看 護 師 により 行 い, 処 置 が 必 要 な 対 象 者 には, 主 治 医 の 診 察 お よび 指 示 を 受 け, 対 象 者 への 説 明 のもとで 処 置 を 実 施 した.また, 軟 膏 処 置 に 関 しては, 対 象 者 が セルフケアできるように 指 導 を 行 った( 表 ). () 足 の 観 察 は, 対 象 者 人 に 対 し, 研 究 者 および 受 持 ち 看 護 師 の~ 人 で 実 施 し, 介 入 前 後 の 評 価 は 同 じ 看 護 師 が 行 った. 転 倒 アセスメントチェックは, 受 持 ち 看 護 師 が 行 っ た. () 下 肢 筋 力 の 測 定 では, 各 対 象 者 を 担 当 している 研 究 者 が 声 をかけ 誘 導 を 行 った. 測 定 は, 介 入 前 後 において 週 間 ごとに 回 実 施 し,その 平 均 を 測 定 値 とした.なお, 測 定 場 所 および 時 間 帯, 測 定 者 は, 同 一 とした. () 椅 子 からの 立 ち 上 がり 動 作 時 の 対 象 者 の 姿 勢 は, 臀 部 が 椅 子 の 中 央 くらいになるように 浅 い 座 位 をとり, 両 脚 は 肩 幅 程 度 に 広 げ, 両 手 を 胸 の 前 で クロスに 組 んだ.つぎに, 椅 子 に 座 った 状 態 で 踵 を 少 し 引 き( 膝 関 節 角 度 8 度 屈 曲 ), 靴 を 脱 い で 足 をフォースプレートにつけた 状 態 から, ハイ の 合 図 で 背 中, 股 関 節, 膝 関 節 が 伸 びるように 素 早 く 立 ち 上 がり,その 姿 勢 で ~ 秒 静 止 した. この 動 作 を~5 回 程 度 繰 り 返 した.また, 測 定 前 のウォーミングアップでは, 研 究 者 も ハイ の 合 図 で 一 緒 に 立 ち 上 がり 測 定 モデルとなった. (5) 足 指 間 圧 力 測 定 時 の 対 象 者 の 姿 勢 は, 膝 関 節 およ び 足 関 節 を 9 度 とした 椅 子 座 位 で,かかとを 上 げ ないように 注 意 をした. 左 右 回 測 定 し, 大 きい 方 の 値 を 採 用 した. 表 転 倒 アセスメントチェック 項 目 分 類 チェック 項 目. 健 康 障 害 の 種 類 と 程 度 脳 血 障 害 による 感 覚 運 動 障 害 がある : 項 目 力 障 害 がある 力 障 害 がある 認 知 障 害 による 学 習 がある 5 判 断 力 理 解 力 注 意 力 の 低 下 がある 循 環 器 疾 患 がある 7 筋 力 低 下 がある がある 年 齢 が 5 歳 以 上 である 精 神 症 状 が 悪 化 している しやすくりっい 不 眠 がある. 移 動 能 力 と 歩 行 レベル 助 器 ( 歩 行 器 など)を 利 用 している : 項 目 ふらつきがあり, 起 立 時 介 助 を 要 する 失 調 性 の 歩 行 がみられる. 排 泄 行 動 意 はあるが 排 泄 行 動 に 一 部 介 助 を 要 する : 項 目 ータルトイレを 用 している 頻 で 間 トイレに 起 きる. 薬 剤 内 服 薬 のC 換 算 値 が mg 以 上 である : 項 目 眠 剤 を 服 用 している 下 剤 を 服 用 している 抗 パーキンソン 剤 を 服 用 している 5 循 環 器 薬 を 服 用 している 最, 薬 の 増 量 減 量 内 容 変 があった 5. 環 境 入 院 転 など 環 境 の 変 化 : 項 目 高 いベッを 用 している. 転 倒 過 去 か 月 以 内 で 転 倒 したことがある : 項 目
表 フットケアの 内 容 フットケア ) 観 察 ) 保 清 ケア 方 法 入 浴 時 の 受 け 持 ち 看 護 師 が 足 の 観 察 をする 観 察 は メディカルフットケア 協 会 が 作 成 したフットケ アカルテを 参 考 に 爪 の 肥 厚 の 有 無 厚 さ 爪 の 形 色 鶏 眼 胼 胝 の 有 無 部 位 などとこれらの 症 状 の 経 過 である 入 浴 日 は 寧 に 足 指 の 間 をう 患 者 自 身 ができるよう 指 導 する 入 浴 日 以 外 は ウエットティシュで 清 をする ) 保 湿 靴 下 の 着 用 を 指 導 する ) 靴 選 び 5) 爪 切 り ) 処 置 7) 軟 膏 処 置 の 指 導 足 に 合 ったサイズの 靴 を 履 いてもらう ( 業 者 にサイズ 合 わせてもらうか と 靴 屋 に 行 き 合 わせた) クッション 性 のあるジョングシューズ ウォーキングシ ューズ 介 護 用 シューズに 履 き 替 えてもらった 毎 月 回 深 爪 せずカットする 処 置 時 に 適 爪 切 りをする () 鶏 眼 :スピール 膏 を 付 し る () 胼 胝 : 軟 膏 を(ウレパールクリーム)する 靴 のサイズを 調 する () 角 質 肥 厚 : 軟 膏 を(ウレパールクリーム)する () 白 癬 : 軟 膏 を(ラミシールクリーム )する 皮 膚 科 へ 介 する 毎 日 処 置 係 を 決 め 患 者 と 共 に 足 の 保 清 (ウエットティシ ュで 清 ) 後 軟 膏 をする クリームはく 趾 間 や 踵 にするよう は 爪 の 間 にするよう 指 導 する 表 各 属 性 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 全 体 男 性 女 性 n= n=8 n=8 年 齢 ( 歳 ) 57.±7.7 59.±5.5 BMI 9.5±. 7.9±.9 入 院 期 間 ( 年 ) 9.±. 5.±5.5 CP 換 算 値 (g).±55. 5.9±7.7 55.5±9.5.±..±.8 99.±7. ±55.mgで,7 人 が,mg 以 上 の 大 量 投 与 者 であっ た( 表 )..フットケア 介 入 前 後 における 変 化 ) 足 の 所 見 フットケア 介 入 前 の 足 の 所 見 では, 爪 の 所 見 がみら れた 者 は 人 (%), 足 底 部 の 所 見 がみられた 者 は 人 (.5%)であった. 全 体 の 爪 の 所 見 では, 肥 厚 が 9 点 (.7%)と 最 も 多 く, 次 いで 色 57 点 (9.7%), 表 面 変 化 点 (.7%)の 順 であった. 足 底 部 の 所 見 では, 角 化 症 が 点, 白 癬 点, 鶏 眼 点, 胼 胝 点 であった. 介 入 後 は, 爪 や 足 底 部 の 所 見 の 改 善 が 認 められた(p=.)( 表 ). 写 真 は, 介 入 前 に 足 の 爪 や 皮 膚 の 白 癬, 爪 の 肥 厚 陥 入 表 面 変 化 などの 所 見 がみられた 対 象 例 であるが, 介 入 後 に は 皮 膚 の 白 癬 や 爪 の 異 常 が 軽 減 した. ) 下 肢 筋 力 下 肢 筋 力 では, 立 ち 上 がりパワー 測 定 評 価 が 介 入 前 劣 っている から 介 入 後 普 通 と 有 意 に 向 上 して いた(p =.). 足 指 間 圧 力 値 の 平 均 値 は, 男 性 で は 介 入 前 が 右 足.±.kgf, 左 足.±.kgf, 介 入 後 が 右 足.9±.kgf, 左 足.±.8kgf に, 女 性 では 介 入 前 が 右 足.8±.7kgf, 左 足.±.8kgf, 介 入 後 が 右 足.±.kgf, 左 足.8±.kgf と 双 方 とも 介 入 後 に 高 くなっていた.しかし, 介 入 による 有 意 差 は 認 められ なかった( 表 ). 立 ち 上 がりパワー 測 定 評 価 が 介 入 後 に 向 上 した 者 は 人 (.5%)で, 介 入 前 劣 っている から 介 入 後 に や や 優 れている と 普 通 に 各 人 が, やや 劣 っている に 人 が 向 上 した.さらに, 介 入 前 やや 劣 っている, 普. 分 析 方 法 分 析 は, 対 象 者 ごとに 介 入 前 後 の 変 化 を 検 討 した.ま た, 全 体 の 変 化 は, 記 述 統 計 および Wilcoxon の 符 号 付 き 順 位 検 定 を, 基 礎 データと 足 の 所 見 ならびに 下 肢 筋 力 との 関 連 は Pearson の 相 関 係 数 を 用 いて 分 析 した.デー タの 分 析 は,SPSS 統 計 ソフト(9. j)を 用 い, 有 意 水 準 は 5%とした. 通 から 介 入 後 優 れている に 向 上 した 者 が 各 人 で あった.その 一 方, 介 入 前 後 で 評 価 が 変 わらなかった 者 は, 劣 っている が 人, 普 通 が 人 であった. なお, 介 入 前 後 において, 基 礎 データと 足 の 所 見 なら びに 下 肢 筋 力 との 関 連 は 認 められなかった. ) 対 象 者 の 介 入 前 後 の 変 化 立 ち 上 がりパワー 測 定 評 価 が 介 入 前 に 劣 っている から 介 入 後 に 向 上 した 者 8 人 の 介 入 前 後 の 変 化 を 述 べ 5. 倫 理 的 配 慮 対 象 者 には, 研 究 の 趣 旨 や 方 法, 研 究 参 加 の 自 由, 匿 名 性 の 確 保, 個 人 情 報 の 守 秘, 結 果 の 公 開 方 法 について る. 性 別 では, 男 性 が 5 人, 女 性 が 人 で, 平 均 年 齢 が 57.8±. 歳, 平 均 入 院 期 間 が 9.8±5. 年, 平 均 CP 換 算 値 87.9±59.8mgであった. 文 章 と 口 頭 で 説 明 し, 同 意 書 により 同 意 を 得 た.また, A 病 院 運 営 会 議 およびB 大 学 研 究 等 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 た. 結 果. 対 象 者 の 属 性 対 象 者 は 男 性 8 人, 女 性 8 人 の 人 で, 平 均 年 齢 は 57.±7.7 歳 ( ~ 5 歳 ), 平 均 BMI は 9.5±., 平 介 入 前 介 入 後 均 入 院 期 間 は 9.±. 年, 平 均 CP 換 算 値 は. 写 真 フットケア 実 施 前 後 の 比 較
香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 雑 誌 第 巻, 9, 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 下 肢 筋 力 全 体 評 価 項 目 右 爪 ( 有 所 見 数 ) 左 爪 ( 有 所 見 数 ) 足 底 ( 有 所 見 数 ) 立 ち 上 が り パ ワ ー 評 点 足 指 間 圧 力 ( 右 ) f 足 指 間 圧 力 ( 左 ) f 対 象 健 康 障 害 移 動 歩 行 項 目 項 目 介 入 前 A 介 入 後 介 入 前 B 介 入 後 介 入 前 C 介 入 後 介 入 前 介 入 後 介 入 前 介 入 後 介 入 前 介 入 後 介 入 前 介 入 後 5 介 入 前 介 入 後 足 の 所 見 では, 介 入 前 が 8.±9.5 点, 介 入 後 が. ±9.7 点 と 所 見 数 が 減 少 していた. 足 指 間 圧 力 は, 男 性 では 介 入 前 が 右 足.±.9kgf, 左 足.±.kgf, 介 入 後 が 右 足.5±.9kgf, 左 足.7±.kgf に, 女 性 では 介 入 前 が 右 足.±.kgf, 左 足.5±.kgf, 介 入 後 が 右 足.9±.kgf, 左 足.9±.9kgf であった. 転 倒 アセスメントチェック 項 目 では, 介 入 後 に 健 康 障 害 :57 と 薬 剤 : の9 項 目 で 減 少 していた( 表 5). 考 察. 足 の 所 見 と 下 肢 筋 力 の 実 態 今 回 の 調 査 対 象 である 転 倒 経 験 者 ならびに 転 倒 アセス メントによる 看 護 介 入 が 必 要 な 転 倒 の 高 リスク 者 の 足 部 介 入 前 中 央 値 ( 最 小 ~ 最 大 ) 5 ( ~ ) 9 ( ~ ) ( ~ ) ( ~ ). (. ~. ). (.5 ~. ).8 (. ~. ) 介 入 後 中 央 値 ( 最 小 ~ 最 大 ) ( ~ 8 ) ( ~ ) ( ~ 5 ) ( ~ ). (. ~ 5. ). (. ~. ). (. ~. ) = p 値.. 9.. 8 5.. 8. W ilc o x o n の 符 号 付 き 順 位 検 定 表 フットケア 介 入 前 後 の 変 化 表 5 下 肢 筋 力 が 向 上 した 者 の 転 倒 アセスメントチェック 項 目 転 倒 アセスメントチェック 項 目 排 泄 行 動 項 目 薬 剤 項 目 環 境 項 目 転 倒 項 目 合 計 の 爪 には, 肥 厚 や 色 表 面 変 化 などの 異 常 が 全 員 に, 足 底 部 の 角 質 化, 鶏 眼, 胼 胝, 白 癬 などの 異 常 が 割 に 認 められた. 足 の 爪 が 厚 くなる 肥 厚 や 痛 みを 伴 う 陥 入 爪 などは, 触 覚 の 感 度 を 著 しく 低 下 させて 足 指 の 動 作 範 囲 を 制 限 させる.これが 長 期 間 にわたると 適 切 な 筋 発 揮 の 機 能 が 阻 害 されることで 筋 力 を 低 下 させる 9) こと や 疼 痛 や 違 和 感, 掻 痒 などの 自 覚 症 状 により 日 常 生 活 の QOL(Quality of Life :QOL) を 低 下 させ,さらに 悪 化 す ると 起 立 あるいは 歩 行 障 害 が 起 こり, 日 常 生 活 に 大 きな 支 障 をきたすようになる 5) と 報 告 されている. 実 際 に, 下 肢 筋 力 を 評 価 すると 立 ち 上 がりパワー 測 定 値 では,8 割 以 上 が 年 齢 の 平 均 より 低 い 傾 向 にあることがわかっ た. 一 方, 足 指 間 圧 力 値 では, 年 齢 による 比 較 指 標 はな ) いが 健 康 高 齢 者 ( ~ 7 歳 )の 平 均 足 指 間 圧 力 値 9 7 8 8 7 7 8 7
より 左 右 足 ともに % 程 度 低 かった.したがって, 本 研 究 において 足 部 の 爪 や 皮 膚 の 異 常 と 平 衡 機 能 および 下 肢 筋 力 の 低 下 との 関 連 を 否 定 することはできない. しかし, 本 研 究 では, 精 神 障 害 者 の 足 の 所 見 と 下 肢 筋 力 の 関 係 として 論 じることに 限 界 がある.なぜなら, 第 に 高 齢 化 している 精 神 科 病 床 では, 起 立 動 作 に 一 部 介 助 を 要 する 者 が 多 く, 転 倒 の 高 リスク 者 であっても 本 研 究 の 対 象 から 除 いたことである. 第 に 転 倒 予 防 体 操 を 継 続 して 行 った 影 響 も 考 えられるためである.. 精 神 障 害 者 の 転 倒 とフットケア 転 倒 の 高 リスク 者 に 対 し, 受 持 ち 看 護 師 による 足 部 の 爪 や 皮 膚 のアセスメントおよび 保 清, 保 湿, 靴 選 び, 処 置, 指 導 などのフットケアが 行 われた.その 結 果, 人 が 足 の 爪 や 皮 膚 の 異 常 がなくなり, 全 体 では %の 改 善 が みられた. 特 に 爪 では, 痛 みを 伴 う 陥 入 爪 や 肥 厚, 表 面 変 化 などが, 足 底 部 の 皮 膚 の 状 態 では 角 化 症 や 鶏 眼, 胼 胝 が 消 失 または 改 善 されていた. 爪 の 異 常 の 原 因 は,はっ きりしないことも 多 いが, 先 天 性 の 奇 形, 内 臓 や 皮 膚 の 病 気, 感 染 症, 老 化, 薬 剤 および 外 反 母 趾 などの 足 の 変 形 や 不 適 切 な 靴 の 着 用 などによる 長 期 間 の 物 理 的 圧 迫, 深 爪, 外 傷 などによって 生 じる 7). 足 底 部 の 角 質 化 や 胼 胝, 鶏 眼 などは, 圧 迫 や 摩 擦 を 受 ける 部 位 に 生 じる 限 局 性 の 角 質 増 殖 であり, 歩 行 に 際 して 疼 痛 があるだけでな く, 歩 行 バランスを 悪 化 させ 転 倒 につながる.このよう な 爪 や 足 底 部 の 異 常 誘 因 の 一 つには, 足 のサイズにあっ た 履 物 の 選 択 ができていないことが 挙 げられる. 精 神 科 では 履 物 のサイズが 合 わない,サンダルからつま 先 が 突 出 している, 横 にずらして 履 いているなど 特 異 的 な 履 き 方 8) をしている 者 がみられる.そのためフットケアに 靴 選 びを 取 り 入 れ, 足 のサイズにあった 靴 の 購 入 や 運 動 しやすい 靴 に 履 き 替 えてもらったことも 爪 や 足 底 部 の 状 態 の 改 善 につながったと 考 えられる.さらに, 入 浴 後 に フットケアを 実 施 したことは, 交 感 神 経 の 働 きで 新 陳 代 謝 を 促 進 し, 角 質 化 された 皮 膚 組 織 を 軟 らかくでき 爪 や 足 底 部 の 処 置 がしやすくなっただけでなく, 副 交 感 神 経 の 働 きによる 精 神 的 安 寧 によりフットケアの 継 続 を 促 進 する 要 因 になったと 考 えられる.また,フットケアを 看 護 師 だけで 行 うのではなく, 処 置 が 必 要 な 対 象 者 には, 主 治 医 と 連 携 して 実 施 したことや 対 象 者 がセルフケアで きるように 指 導 を 行 ったことで, 対 象 者 自 らが 足 に 関 心 を 持 ち, 転 倒 予 防 に 向 けた 安 全 技 能 の 獲 得 につながった と 考 えられた. 転 倒 の 予 防 には, 足 趾 で 蹴 り 出 す 力 を 高 めるために 足 趾 の 関 節 の 柔 軟 性 を 上 げることや 爪 の 手 入 れ( 正 しい 切 り 方, 痛 みの 対 処 方 法, 白 癬 の 治 療 方 法 など) が 欠 かせない 9) と 言 われるように,フットケアによる 足 の 爪 や 皮 膚 の 状 態 の 改 善 と 下 肢 筋 力 の 向 上 は,フット ケアが 転 倒 予 防 ケアの 一 つになる 可 能 性 を 示 唆 すると 考 えられる. しかし, 精 神 科 における 転 倒 は, 転 倒 アセスメント チェック 項 目 に 盛 り 込 まれた 健 康 障 害 や 移 動 歩 行 レベ ル, 薬 剤, 転 倒 の 既 往 など 内 的 要 因 と 履 物 や 環 境 の 変 化 などの 外 的 要 因 が 関 連 し, 一 つの 対 策 で 解 決 する 出 来 事 ではない. 実 際 に, 立 ち 上 がりパワー 評 価 が 向 上 した 対 象 者 の 転 倒 アセスメントの 実 態 から 下 肢 筋 力 の 向 上 に は, 内 的 要 因 が 関 連 していることは 否 めない. 長 期 入 院 と 病 棟 内 を 中 心 とした 生 活 環 境 による 身 体 能 力 の 低 下 や 廃 用 性 障 害, 向 精 神 病 薬 の 副 作 用 など, 精 神 科 特 有 の 転 倒 リスク 要 因 と 下 肢 筋 力 との 関 連 については 今 後 の 課 題 としたい.また, 下 肢 筋 力 の 評 価 を 立 ち 上 がりパワー 測 定 と 足 指 間 圧 力 測 定 で 行 った.フットケア 介 入 後, 立 ち 上 がりパワー 測 定 評 価 は 向 上 したが, 足 指 間 圧 力 値 は 有 意 差 が 認 められなかった. 若 年 者 から 高 齢 者 の 評 価 指 標 のある 立 ち 上 がりパワー 測 定 は, 座 位 から 起 立 するため 膝 伸 展 運 動 にかかわる 大 腿 四 頭 筋 の 筋 力 ) が, 高 齢 者 を 対 象 に 開 発 された 足 指 間 圧 力 測 定 は, 下 肢 筋 力, 特 に 前 頸 骨 筋 などの 下 腿 の 筋 力 ) に 関 与 することから, 今 後, 対 象 数 を 増 やし 精 神 障 害 者 の 転 倒 の 特 徴 を 反 映 した 下 肢 筋 力 の 指 標 の 探 究 が 必 要 であると 考 える. 結 論 本 研 究 では, 精 神 科 病 棟 における 転 倒 予 防 策 を 立 案 実 践 するために 統 合 失 調 症 患 者 を 対 象 にフットケアを 行 い,その 介 入 前 後 の 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 ならびに 下 肢 筋 力 の 変 化 を 明 らかにした.フットケア 介 入 前 の 足 の 爪 皮 膚 は, 全 員 に 異 常 が 認 められ, 下 肢 筋 力 は 年 齢 よりも 低 い 傾 向 であった.フットケア 介 入 後 は, 足 の 爪 皮 膚 の 状 態 の 改 善 と 下 肢 筋 力 評 価 が 劣 っている から 普 通 に 向 上 した.しかし, 下 肢 筋 力 向 上 には, 足 の 所 見 だけでなく 複 数 の 要 因 が 考 えられるため, 今 後, 精 神 科 特 有 の 要 因 も 踏 まえて 検 証 していく 必 要 がある. 今 後 の 課 題 本 研 究 の 課 題 として, 今 回 は,A 病 院 の 転 倒 アセスメ ントチェックによる 転 倒 高 リスク 者 を 対 象 に 行 ったた め, 少 数 の 事 例 におけるフットケアの 介 入 の 検 討 にとど まった. 今 後 は, 転 倒 のリスクが 低 い 者 も 含 めた 検 証 を 行 い, 精 神 障 害 者 の 転 倒 の 特 徴 を 踏 まえた 転 倒 アセスメ ント 項 目 ならびに 下 肢 筋 力 の 指 標 の 探 究 を 行 い, 転 倒 の 高 リスク 者 の 抽 出 に 努 めたい.そして, 転 倒 予 防 に 必 要 な 情 報 のスタッフ 間 の 共 有 とケアプランへの 反 映, 実 施 が 課 題 である. 謝 辞 本 研 究 の 実 施 にあたり,ご 協 力 頂 きました 対 象 者 の 皆 様,A 病 院 のスタッフの 皆 様 に 心 より 感 謝 いたします.
香 川 県 立 保 健 医 療 大 学 雑 誌 第 巻, 9, 文 献 ) 石 井 一 彦. 精 神 科 病 院 における 医 療 事 故 ( 第 報 ). 日 本 精 神 科 病 院 協 会 雑 誌 (5): -,7. ) 細 井 匠, 牧 野 英 一 郎.わが 国 の 精 神 科 病 床 におけ る 転 倒 事 故 実 態 調 査. 精 リハ 誌 (): -7, 8. ) 鈴 木 みずえ, 奥 百 合 子, 常 田 佳 代. 看 護 研 究 におけ る 転 倒 予 防 研 究 の 意 義 と 今 後 の 課 題. 看 護 研 究 (): 57-7,9. ) 細 井 匠, 濱 田 賢 一, 山 下 久 美, 牧 野 英 一 郎. 精 神 障 害 者 の 転 倒 事 故 分 析 とその 対 策.PT ジャーナル 9(): 97-978,5. 5) 松 原 三 郎. 精 神 障 害 が 基 礎 体 力 に 及 ぼす 影 響 につい て. 体 力 科 学 : 5-5,99. ) 鈴 木 正 孝. 向 精 神 薬 を 服 用 している 精 神 障 害 者 の 立 位 安 定 性.リハビリテーション 医 学 : -7,. 7) 岩 井 和 子, 山 田 和 政, 梶 野 しず 江, 宮 田 しのぶ, 粕 谷 信 子 ほか. 精 神 科 病 院 長 期 入 院 者 の 身 体 能 力 およ びその 関 連 要 因. 精 リハ 誌 (): -9,7. 8) 厚 生 労 働 省 : 患 者 調 査 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/--.html 9) 山 下 和 彦, 野 本 洋 平, 梅 沢 淳, 宮 川 晴 妃, 川 澄 正 史 ほか. 高 齢 者 の 足 部 足 爪 異 常 による 転 倒 への 影 響. 電 学 論 C (): -7,. ) 姫 野 稔 子, 三 重 野 英 子, 末 広 理 恵, 桶 田 俊 光. 在 宅 後 期 高 齢 者 の 転 倒 予 防 に 向 けたフットケアに 関 する 基 礎 的 研 究. 日 本 看 護 研 究 学 会 誌 7(): 75-8,. )フットケアのあり 方 に 関 する 研 究 委 員 会. 平 成 年 度 老 人 保 険 健 康 増 進 等 事 業 -フットケアのあり 方 に 関 する 調 査 研 究 報 告 書.85-,. ) 姫 野 稔 子, 小 野 ミツ. 在 宅 高 齢 者 の 介 護 予 防 に 向 け たフットケアの 効 果 の 検 討. 日 本 看 護 研 究 学 会 雑 誌 (): -,. ) 日 本 フッケア 学 会. はじめようフットケア 足 病 変 の 知 識 からケアの 実 際 まで, 日 本 看 護 協 会 出 版 会, 東 京,-,5. ) 吉 本 好 延, 野 村 卓 生, 明 崎 禎 輝, 須 藤 浩 一 郎, 須 藤 康 彦 ほか. 精 神 疾 患 患 者 の 運 動 療 法 への 参 加 を 促 進 する 行 動 科 学 的 アプローチの 効 果. 理 学 療 法 (): 9-9,9. 5) 吉 本 好 延, 野 村 卓 生, 明 崎 禎 輝, 佐 藤 厚. 精 神 疾 患 患 者 に 対 する 行 動 科 学 を 応 用 した 運 動 療 法 導 入 の 試 み. 理 学 療 法 学 (5): 87-9,9. ) 芝 めぐみ, 井 上 悦 美, 浮 穴 真 紀, 田 中 俊 和, 松 岡 美 子. 老 年 期 精 神 障 害 者 を 対 象 とした 転 倒 予 防 へ の 取 り 組 み- 転 倒 予 防 運 動 を 取 り 入 れて-. 松 山 記 念 病 院 紀 要 : -9,. 7) 西 田 壽 代. 皮 膚 のアセスメントケアに 結 びつける べき 皮 膚 の 諸 症 状.コミュニティケア 7(): - 7,5. 8) 守 屋 百 合 子, 大 森 美 津 代, 喜 田 和 子. 閉 鎖 病 棟 にお ける 慢 性 期 精 神 障 害 者 のフットケア. 香 川 県 立 丸 亀 病 院 第 8 回 院 内 看 護 研 究 集 録 : -,. 9) 日 本 フットケア 学 会.) 前 掲 : -9,5. ) 宮 川 晴 妃.メディカルフットケアの 基 本.Nursing Today7(): -8,. ) 姫 井 昭 男. 精 神 科 の 薬 がわかる, 医 学 書 院, 東 京, 7,8. ) 八 木 剛 平. ( 改 訂 第 版 ) 統 合 失 調 症 の 薬 がわか る 本, 特 定 非 営 利 活 動 法 人 地 域 精 神 保 健 福 祉 機 構 (コンボ), 千 葉,7,. ) 中 谷 敏 昭, 上 英 俊. 椅 子 からの 立 ち 上 がり 動 作 を 利 用 した 下 肢 筋 力 評 価 法. 体 力 科 学 5: 8-88,. ) 山 下 和 彦, 斎 藤 正 男. 高 齢 者 転 倒 防 止 能 力 の 足 指 間 圧 力 計 測 による 推 定. 計 測 自 動 制 御 学 会 誌 8(): 95 957,. 5) 宮 川 晴 妃. 疾 病 転 倒 寝 たきり 予 防 にも 役 立 つ メディカルフットケアの 技 術, 日 本 看 護 協 会 出 版 会, 東 京,9,. ) 日 伸 産 業 株 式 会 社 ホームページ http://homepage.nifty.com/aidea-nissin/qa.html 7) 日 本 フットケア 学 会. はじめよう!フットケア 第 版, 日 本 看 護 協 会 出 版 会, 東 京,,9. 8) 川 田 和 人, 佐 藤 ふみえ. 実 践! 精 神 科 における 転 倒 転 落 対 策, 中 山 書 店, 東 京,5,8. 9) 日 本 フットケア 学 会.7) 前 掲 : 7,9. )David Paul Greene, Susan L.Roberts. Kinesiology: movement in the context of activity [ 嶋 田 智 明 監 訳 () キネシオロジー 日 常 生 活 活 動 の 運 動 学, 医 歯 薬 出 版, 東 京,5-5,. 5
Abstract The purpose of this study was to examine the effects of foot care on fall prevention in mentally handicapped persons, involving schizophrenic patients hospitalized in a psychiatric clinic. The subjects of this study were patients at high risk of falls hospitalized in the A psychiatric clinic, who conducted fall prevention exercises every day and could walk in a self-supported way. Lowerlimb muscle strength, fall assessment, and conditions of the toenails and foot s skin were scored, respectively, and changes before and after foot care intervention were analyzed. It was revealed that all samples had problems with their toenails and foot s skin, and conditions of the toenails and foot s skin improved and increased their lower-limb muscle strength, after the foot care. 受 付 日 年 月 日 受 理 日 年 月 7 日