エイコサペンタエン 酸 ()は 青 魚 の 脂 肪 に 多 く 含 まれている 必 須 脂 肪 酸 です これまでに 心 血 管 系 疾 患 の 予 防 炎 症 を 抑 える 作 用 などが 知 られていま したが 新 たに 運 動 持 久 力 を 高 め ドライアイの 症 状 を 和 らげる 効 果 もあるこ とが 分 かってきました の 新 しい 機 能 について 小 林 悟 先 生 守 口 徹 先 生 にお 話 を 伺 いました の 基 礎 知 識 血 液 をサラサラにして 動 脈 硬 化 の 予 防 に 役 立 つ 必 須 脂 肪 酸 エイコサペンタエン 酸 ()は いわしなどの 青 魚 の 脂 肪 に 多 く 含 まれている 不 飽 和 脂 肪 酸 です 人 間 が 必 要 とする 量 を 体 内 では 合 成 できないので 一 定 量 を 食 事 で 摂 る 必 要 が ある 必 須 脂 肪 酸 の 一 種 です が 注 目 されたのは 1960 年 代 のイヌイットの 研 究 でした 極 寒 の 地 で 野 菜 や 果 物 を 多 く 食 べられず 魚 やアザラシなどを 常 食 とするグリーンランドのイヌイットは 脂 肪 の 摂 取 量 が 多 いにもかかわらず 動 脈 硬 化 脳 梗 塞 心 筋 梗 塞 の 発 症 が 極 端 に 少 なかったの です 図 1 の 主 な 働 き 血 液 をサラサラにして 動 脈 硬 化 を 予 防 血 液 の 性 状 や 流 れを 改 善 して 心 血 管 系 疾 患 を 予 防 します 抗 炎 症 作 用 アレルギー 性 疾 患 の 改 善 炎 症 全 般 を 和 らげ アレルギー 性 疾 患 の 予 防 改 善 にも 役 立 ちます 研 究 者 たちはイヌイットの 摂 取 している 脂 肪 の 質 に 着 目 しました その 脂 肪 には が 多 く 含 まれており イヌイットの 血 液 中 にも が 多 く 含 まれていました 魚 には 脂 肪 酸 の が 豊 富 にあり 血 栓 症 の 予 防 に 効 果 を 発 揮 する という 学 説 が 立 てられ 世 界 に 衝 撃 を 与 えました その 後 の 研 究 で には 血 液 を 固 まりにくくする 抗 血 栓 作 用 のほか 血 液 中 の 中 性 脂 肪 を 抑 える 血 中 脂 質 低 下 作 用 血 液 の 粘 り 気 を 少 なくする 血 液 粘 度 低 下 作 用 などがあることも 次 第 に 分 かってきました こういった の 機 能 で 血 液 はサラサラになり 動 脈 硬 化 などの 心 血 管 系 疾 患 の 予 防 に つながります さらに アトピー 性 皮 膚 炎 などのアレルギー 性 疾 患 の 予 防 や 改 善 リウマ チ 様 関 節 炎 などの 炎 症 を 抑 える 作 用 も 明 らかになってきています マイーから 分 から 分 マイ お 話 を 伺 った 先 生 方 小 林 悟 こばやし さとる 城 西 国 際 大 学 薬 学 部 教 授 1972 年 東 邦 大 学 薬 学 部 卒 業 1973 年 千 葉 大 学 医 学 部 付 属 病 院 勤 務 1986 年 薬 学 博 士 取 得 1989 年 から 東 京 医 科 歯 科 大 学 医 学 部 付 属 病 院 で 主 任 副 薬 剤 部 長 治 験 管 理 室 長 安 全 管 理 対 策 室 GRM を 歴 任 2008 年 から 現 職 魚 油 成 分 の 作 用 機 序 と 臨 床 応 用 医 療 安 全 管 理 脂 質 栄 養 が 研 究 テーマ 守 口 徹 もりぐち とおる 麻 布 大 学 生 命 環 境 科 学 部 教 授 1982 年 横 浜 市 立 大 学 文 理 学 部 理 科 生 物 課 程 卒 業 湧 永 製 薬 株 式 会 社 入 社 1989 年 国 立 がんセンター 研 究 所 1993 年 東 京 大 学 薬 学 部 に 研 究 出 向 1997 年 薬 学 博 士 取 得 米 国 国 立 衛 生 研 究 所 (NIH) 客 員 研 究 員 2008 年 から 現 職 マウス ラットなどの 実 験 動 物 を 用 い て 栄 養 成 分 の 有 用 性 を 研 究 油 ン
と 運 動 持 久 力 を 豊 富 に 含 んだ 赤 血 球 は 細 い 血 管 もスムーズに 流 れます 一 般 に 牛 脂 や 豚 脂 などの 動 物 性 脂 肪 には 飽 和 脂 肪 酸 が 多 く 含 ま れ 常 温 では 固 体 です これに 対 して 大 豆 油 やごま 油 のような 植 物 性 脂 肪 には 不 飽 和 脂 肪 酸 が 多 く 含 まれ 常 温 では 液 体 です( 図 2 参 照 ) いわしなどの 魚 油 は 動 物 性 脂 肪 でありながら 常 温 では 固 まりま せん それは 冷 たい 海 中 でも 活 動 できるように 低 い 温 度 で 融 ける 不 飽 和 脂 肪 酸 の を 豊 富 に 含 んでいるからです( 図 3 参 照 ) この 固 まらない 性 質 が の 大 きな 特 徴 だと 脂 質 の 研 究 を 長 年 続 けてきた 小 林 悟 先 生 はとらえています 血 液 の 中 で は 主 に 赤 血 球 の 細 胞 膜 に 多 く 含 まれます を 豊 富 に 含 んだ 赤 血 球 膜 は とてもやわらかい 弾 力 性 に 富 んで 変 形 しやすくなるので 赤 血 球 は 細 い 血 管 に 入 って 酸 素 を 送 り 届 けることができるようになります 赤 血 球 は 中 央 がややくぼんだ 円 盤 状 の 細 胞 ですが 赤 血 球 の 直 径 よりも 細 い 血 管 では 変 形 しながら 流 れていきます( 図 4 参 照 ) を 豊 富 に 含 んでいれば 細 胞 膜 がやわらかいのでスムーズに 変 形 することができますが 膜 が 硬 いとうまく 変 形 できないので 結 果 的 に 血 液 の 流 れが 悪 くなってしまいます 図 2 各 種 油 脂 の 融 点 露 木 英 男 田 島 眞 編 著 食 品 学 第 2 版 共 立 出 版 2009 より 作 成 固 体 がとけて 液 体 になり 始 める 温 度 ( 明 鏡 国 語 辞 典 第 二 版 大 修 館 書 店 ) 図 3 の 豊 富 な 魚 文 部 科 学 省 五 訂 増 補 日 本 食 品 標 準 成 分 表 脂 肪 酸 成 分 表 編 図 4 毛 細 血 管 中 の 赤 血 球 赤 血 球 の 直 径 よりも 細 い 毛 細 血 管 を 通 るとき 赤 血 球 は 著 しく 変 形 し て 通 過 します
を 摂 ると 酸 素 運 搬 能 力 が 高 まって 運 動 持 久 力 が 向 上 します の 機 能 を 研 究 する 小 林 悟 先 生 は は 運 動 持 久 力 を 向 上 させる 働 きもあ るのです と 述 べています 小 林 悟 先 生 は 次 のような 実 験 を 行 いました 実 験 に 協 力 したのは 20 人 の 男 子 大 学 生 です 半 数 には を8 週 間 摂 ってもら い( 摂 取 群 ) 残 りの 半 数 には のような 機 能 のない 油 を8 週 間 摂 って もらいました( 対 照 群 ) 試 料 投 与 の 前 と 後 には 採 血 して 赤 血 球 膜 の 量 を 調 べ エルゴメーター( 自 転 車 こぎ) 運 動 を 行 って 運 動 したときの 酸 素 摂 取 量 も 調 べました 実 験 の 結 果 をまとめたのが 図 5です 対 照 群 では 赤 血 球 膜 の 量 に 変 化 はなく 運 動 したときの 酸 素 消 費 量 にも 変 化 はありませんでした ところが 摂 取 群 では 赤 血 球 膜 の 量 が 増 えて 運 動 したときの 酸 素 摂 取 量 は 減 って いました エルゴメーター( 自 転 車 こぎ)を 使 っ た 実 験 の 様 子 つまり を8 週 間 摂 ったグループでは 赤 血 球 の 膜 に が 取 り 込 まれる ため 赤 血 球 が 細 い 血 管 もスムーズに 流 れるようになり 酸 素 が 体 の 隅 々にまで 効 率 よく 送 り 届 けられるのです 少 ない 酸 素 量 で 運 動 をこなせるようになったの です 持 久 運 動 では 酸 素 をとり 込 む 肺 や 運 搬 する 心 臓 血 液 の 働 きが 重 要 です 小 林 悟 先 生 は を 豊 富 に 含 んだ 赤 血 球 は 若 返 った 状 態 になっています 血 液 が サラサラになり 酸 素 運 搬 能 力 が 高 まって 肺 や 心 臓 の 負 担 を 軽 くするため 持 久 運 動 のパフォーマンスがよくなります と 指 摘 しています 図 5 赤 血 球 膜 の 量 と 酸 素 摂 取 量 3 日 (99 日 ) の 化 脂 肪 酸 リリライ
とドライアイ オフィスワーカーの 3 人 に 1 人 は ドライアイに 悩 まされています は 目 の 健 康 維 持 にも 役 立 っています 特 に 関 係 が 深 いと 考 えられているのが ドライアイです ドライアイは 眼 球 の 表 面 が 乾 いて 目 に 不 快 感 や 痛 みなどを 生 じる 病 気 です 目 が 疲 れる 目 が 乾 いた 感 じがする 目 が 重 たい 10 秒 以 上 目 を 開 けていられない といった 症 状 を 伴 います 昔 はあまり 問 題 になっていませんでしたが コンタクトレンズの 装 着 エアコンの 利 用 コンピュータ 作 業 などのライフスタイルが ドライアイを 助 長 する 要 因 となり 最 近 はこの 病 気 にかかる 人 が 急 激 に 増 えています オフィスワーカーの3 人 に1 人 はドライアイの 症 状 が 見 られるという 報 告 があります 通 常 目 は 涙 によって 潤 いを 保 っていますが 涙 がきちんと 分 泌 されないとドライ アイを 発 症 します 涙 のほとんどは 水 分 ですが 図 6に 示 したように 油 層 水 層 ムチン 層 の 三 層 構 造 になっています まぶたのマイボーム 腺 という 器 官 から 分 泌 さ れる 油 が 少 ないと 涙 液 は 蒸 発 しやすくなり 涙 腺 から 分 泌 される 水 分 が 少 ないと 涙 液 が 不 足 して どちらもドライアイになります 図 6 ドライアイと 涙 液 と 眼 球 周 辺 の 構 造 涙 液 眼 球 周 辺 ドライアイの つのイ
を 摂 ると 涙 量 が 増 えて ドライアイが 回 復 する 可 能 性 があります 魚 油 に 含 まれている 不 飽 和 脂 肪 酸 の 有 用 性 の 研 究 に 取 り 組 んでいる 守 口 徹 先 生 は n-3 系 脂 肪 酸 摂 取 とドライアイ の 関 係 を 調 べる 動 物 実 験 を 行 いました 私 の 研 究 室 では などの n-3 系 脂 肪 酸 を 取 り 除 いた 餌 を2 世 代 にわたって 食 べさせ 続 けた n-3 系 脂 肪 酸 欠 乏 マウスを 飼 育 しています このマウスを 調 べたとこ ろ 正 常 なマウスに 比 べて 涙 量 が 少 なくドライアイにかかっていることが 分 かりま した 実 験 では 正 常 なマウスと n-3 系 脂 肪 酸 を 欠 乏 させたドライアイのマウスを それ ぞれ の 含 まれた 魚 油 を 与 えるグループ( 投 与 群 )と の 含 まれないパー ム 油 を 与 えるグループ( 対 照 群 )の 合 計 4グループに 分 け 試 料 投 与 の 前 後 にマウ スの 涙 量 を 測 定 し 試 料 投 与 後 にマウスの 目 の 周 辺 組 織 の 脂 肪 酸 組 成 を 調 べました その 結 果 n-3 系 脂 肪 酸 欠 乏 マウスの 投 与 群 で 涙 量 が 回 復 し( 図 7 参 照 ) マ イボーム 腺 や 涙 腺 などを 調 べてみると が 増 えていました 守 口 徹 先 生 は そのメカニズムは 分 かっていませんが n-3 系 脂 肪 酸 は 膜 の 柔 軟 性 を 高 めることから 投 与 後 に 組 織 での 涙 液 分 泌 眼 球 への 涙 液 放 出 機 能 が 高 まっ たことが 考 えられます を 摂 るとドライアイの 症 状 が 改 善 する 可 能 性 が 示 され ました と 述 べています * n-3 系 脂 肪 酸 : 不 飽 和 脂 肪 酸 の 一 種 で α? リノレン 酸 DHA などのこと 図 7 摂 取 とドライアイ マウスの 目 に 繊 維 を 当 て 涙 を 30 秒 吸 い 上 げたときの 繊 維 が 湿 った 長 さ
摂 取 が 望 まれる 運 動 持 久 力 向 上 に 効 果 のあった 摂 取 量 は1 日 約 1g です この 量 を 摂 るためには さばなら 62g ぶりなら 106g で 1g を 摂 取 できます し かし 魚 離 れが 進 んでいるという 現 在 実 際 の 摂 取 量 を 見 てみると 50 歳 以 降 の 人 で1 日 に 200mg ぐらい それよりも 若 い 年 代 では 50mg 前 後 しか 摂 れていません( 図 8 参 照 ) もっと 魚 料 理 を 食 べて を 摂 る 機 会 を 増 やすことが 望 まれます 魚 料 理 を 食 べる 機 会 が 少 ない 人 は サプリメントでの 摂 取 も 考 えた 方 がいいでしょ う と 守 口 徹 先 生 は 述 べています 図 8 摂 取 量 (1 日 当 たり) 厚 生 労 働 省 2010 年 食 事 摂 取 基 準 より ニッスイがお 届 けする 特 定 保 健 用 食 品 イマーク ( 左 )と 栄 養 補 助 食 品 海 の 元 気 ( 右 ) ニッスイでは と DHA が 含 まれた 大 豆 ベースの シリアルバー サラサラ 生 活 向 上 委 員 会 エパプラス 大 豆 バー( 黒 ゴマきなこ 味 抹 茶 あずき 味 ) を 発 売 しました