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の 治 療 を 受 ける 患 者 さんへ

がんとは 監 修 草 津 総 合 病 院 乳 腺 外 科 部 長 木 下 一 夫 Contents がんとは 3 抗 がん 剤 とは 4 について 5 外 来 化 学 療 法 とは 6 薬 の 投 与 を 受 ける 前 の 注 意 点 7 投 与 中 に 注 意 すること 8 副 作 用 について 9 で 起 こりやすい 副 作 用 10 吐 き 気 嘔 吐 食 欲 不 振 10 感 染 症 10 11 11 12 脱 毛 12 13 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 13 14 14 15 間 質 性 肺 炎 ( 肺 の 機 能 の 低 下 ) 15 治 療 日 誌 16 を 使 う 主 な 抗 がん 剤 併 用 療 法 22 私 たちの 体 は 多 くの 細 胞 からできています 正 常 な 細 胞 は 体 の 状 態 に 合 わせて 分 裂 増 殖 死 滅 を 繰 り 返 し バランスよく 数 を 保 っています しかし 何 らかの 原 因 で 正 常 な 細 胞 が 変 異 し 無 秩 序 に 増 殖 を 続 けてしまうことがあります このような 異 常 な 細 胞 を がん 細 胞 といいます そして がん 細 胞 のかた まりを がん または 悪 性 腫 瘍 といいます がんが 進 行 すると 周 りの 正 常 な 臓 器 を 壊 しながら 増 殖 を 続 けたり( 浸 潤 ) 血 液 などを 介 して 他 の 臓 器 に 移 動 して そこ で 新 しく 増 殖 したりします( 転 移 ) 正 常 細 胞 がん 細 胞 正 常 細 胞 無 秩 序 に 増 殖 を 続 ける 一 定 数 以 上 に 増 殖 せずに バランスよく 数 を 保 つ 3

抗 がん 剤 とは について 抗 がん 剤 は 点 滴 や 飲 み 薬 として 体 内 に 入 った 後 血 液 によって 全 身 をめぐり 全 身 のがん 細 胞 を 死 滅 させたり 増 殖 を 抑 えた りする 働 きのある 薬 です 抗 がん 剤 による 治 療 を 化 学 療 法 といいます 抗 がん 剤 には たくさんの 種 類 がありますが がんの 種 類 によって 効 果 のある 抗 がん 剤 は 異 なります また がんの 種 類 によって は 複 数 の 抗 がん 剤 を 組 み 合 わせた 治 療 ( 多 剤 併 用 療 法 )が 効 果 的 な 場 合 もあります は 抗 がん 剤 の1つで ヨーロッパイチイの 針 葉 に 含 まれる 成 分 を 原 料 にして 作 られます イチイは 日 本 にも 自 生 しており 別 名 アララギ とも 呼 ばれています この 薬 は 1 時 間 以 上 かけて 点 滴 静 注 により 投 与 します 詳 しい 治 療 スケジュールは 患 者 さんによって 異 なりますので 主 治 医 薬 剤 師 にお 尋 ねください 4 5

外 来 化 学 療 法 とは 薬 の 投 与 を 受 ける 前 の 注 意 点 従 来 抗 がん 剤 治 療 は 長 期 の 入 院 が 必 要 でしたが 治 療 の 進 歩 により 最 近 では 外 来 通 院 で 治 療 を 受 けられる 外 来 化 学 療 法 が 増 えてきています 外 来 化 学 療 法 では 点 滴 を 受 けるときや 治 療 経 過 を 診 察 する ときに 通 院 するので これまでの 生 活 を 大 きく 変 えずに 治 療 を 受 けることができます 一 方 で 副 作 用 の 基 本 的 な 管 理 など は 主 治 医 看 護 師 薬 剤 師 の 指 導 を 受 けて 患 者 さんご 自 身 で 行 う 必 要 があります 外 来 化 学 療 法 を 受 けられるかどうかは 様 々な 状 況 によります ので 詳 しくは 主 治 医 にお 尋 ねください 点 滴 を 受 ける 前 に 下 記 の 項 目 を 確 認 し 該 当 する 場 合 は 医 療 スタッフに 知 らせてください 風 邪 をひいている 風 邪 気 味 である 熱 がある 食 品 や 薬 にアレルギーがある 妊 娠 している または 妊 娠 している 可 能 性 がある 授 乳 中 である 過 去 に 肺 の 病 気 を 指 摘 されたことがある 過 去 に 肝 臓 の 病 気 を 指 摘 されたことがある 過 去 に 腎 臓 の 病 気 を 指 摘 されたことがある ( 浮 腫 )がある 薬 ( 市 販 薬 を 含 む) 健 康 食 品 サプリメントを 服 用 し ている アルコールに 過 敏 である の 点 滴 には アルコールが 含 まれています この 点 滴 にはアルコールが 含 まれていますので 点 滴 当 日 は ご 自 身 で 運 転 する 車 での 来 院 はお 控 えください また アルコールに 過 敏 な 方 お 酒 が 弱 い 方 は あらかじめ 医 療 スタッフにお 知 らせください 6 7

投 与 中 に 注 意 すること 副 作 用 について 点 滴 中 には 下 記 の2つの 項 目 に 注 意 して 何 か 異 常 を 感 じ たら 我 慢 せずにすぐに 医 療 スタッフに 知 らせてください 点 滴 針 を 刺 している 部 位 の 周 辺 に 腫 れ 痛 み 違 和 感 がある 点 滴 の 落 ちる 速 度 が 遅 くなった 点 滴 液 が 血 管 の 外 に 漏 れている 可 能 性 があり 潰 瘍 などの 原 因 となることがあります の 点 滴 を 受 けると 気 持 ち 悪 い だるいなどの 自 覚 症 状 のある 副 作 用 や 血 液 検 査 などで 分 かる 副 作 用 が 起 こ ります いつ 頃 どのような 副 作 用 が 起 こるかは 下 記 のようにある 程 度 は 分 かっています 事 前 に 起 こりやすい 副 作 用 を 知 り 適 切 な 対 策 を 行 うことで 症 状 を 軽 減 することができます 次 のページからは 特 に 起 こりやすい 副 作 用 について 記 載 して いますので 治 療 を 受 ける 前 に 確 認 してください 点 滴 開 始 から10 分 間 は 下 記 の 症 状 に 特 に 注 意 してくだ さい 息 苦 しい 体 がかゆくなる 心 臓 がドキドキする 冷 や 汗 がでる 顔 がほてる ボーッとする 発 疹 がでる に 対 してアレルギーを 起 こしている 可 能 性 があります 上 記 の 症 状 は 点 滴 終 了 後 に 起 きることもあります 異 常 を 感 じたら 我 慢 せずにすぐに 医 療 スタッフに 知 らせてください アレルギー 投 与 または 点 滴 当 日 抗 がん 剤 で 起 こる 副 作 用 と 時 期 自 覚 症 状 がある 副 作 用 吐 き 気 嘔 吐 食 欲 不 振 当 日 ~ 数 日 関 節 炎 筋 肉 痛 脱 毛 けん 怠 感 貧 血 数 日 ~ 数 週 間 感 染 症 骨 髄 抑 制 ( 白 血 球 減 少 好 中 球 減 少 血 小 板 減 少 ) 爪 の 変 化 皮 膚 の 症 状 数 週 間 ~ 数 ヵ 月 8 検 査 でわかる 副 作 用 9

で 起 こりやすい 副 作 用 吐 き 気 嘔 吐 食 欲 不 振 点 滴 当 日 から 数 日 間 に 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 に 症 状 症 状 吐 き 気 がする 吐 く 食 欲 がない 食 べられるときに 少 量 ずつ 食 べましょう 甘 いもの 油 分 の 多 いものは 控 えましょう 軟 便 水 様 便 になる 排 便 の 回 数 が 増 加 する 腹 痛 がある こまめ に 水 分 を 摂 るなど 脱 水 症 状 に 注 意 しましょう が 治 まらない 場 合 はすぐに 連 絡 してください 感 染 症 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 は 感 染 症 にかかり 易 く なります 症 状 症 状 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 後 に 起 こり 始 め 点 滴 回 数 が 多 く なるにつれてひどくなること があります 転 倒 に 注 意 感 染 すると 発 熱 寒 気 咳 のどの 腫 れ 痛 みなどの 症 状 が 起 こります 手 洗 い うがい マスクなどの 風 邪 対 策 をしましょう 症 状 がみられましたらすぐに 医 療 スタッフに 伝 えましょう 熱 が38 以 上 出 た 場 合 はすぐに 連 絡 してください 手 足 が しびれる ちくちくする 感 覚 がにぶい 症 状 がみられましたら 医 療 スタッフに 相 談 しましょう 10 11

で 起 こりやすい 副 作 用 点 滴 後 数 週 間 から 数 ヵ 月 後 に 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 に 症 状 症 状 足 顔 などがむくむ 体 重 が 増 える 毎 日 体 重 を 測 定 しましょう 食 事 の 塩 分 を 控 えめにしてください 口 の 中 が 痛 い 出 血 する ただれる こまめなうがいと 優 しく 歯 磨 きをしましょう 脱 毛 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 後 より 抜 け 始 めることがあります 治 療 が 終 わると 数 ヵ 月 後 より 少 し ずつ 新 しい 毛 が 生 え 始 めます 点 滴 後 数 日 から 数 ヵ 月 後 に 症 状 症 状 毛 髪 が 抜 ける まつげや 眉 毛 などの 体 毛 が 抜 ける 治 療 前 にかつら 帽 子 などを 準 備 しましょう 爪 が 黒 色 に 変 色 する 爪 下 に 血 マメが できる 割 れる 手 足 の 皮 膚 が 赤 くなる 厚 くなる ひび 割 れる 皮 膚 や 爪 を 清 潔 にし 保 湿 を 心 がけましょう 12 13

で 起 こりやすい 副 作 用 点 滴 後 数 日 から 数 週 間 に 点 滴 後 翌 日 から 数 週 間 に 症 状 症 状 苦 みを 強 く 感 じる 甘 みを 強 く 感 じる 金 属 のような 味 がする 味 を 感 じない 味 つけを 工 夫 しましょう 全 身 の 筋 肉 痛 肘 膝 などの 大 きな 関 節 の 痛 み 入 浴 やマッサージで 血 行 をよくしましょう 間 質 性 肺 炎 ( 肺 機 能 の 低 下 ) 点 滴 後 数 週 間 から 数 ヵ 月 後 に 治 療 中 は つねに 注 意 が 必 要 です 症 状 症 状 涙 が 溜 まりやすい 普 段 でも になる 自 然 に 涙 が 流 れる 症 状 がみられましたら 医 療 スタッフに 相 談 しましょう 簡 単 な 動 作 で 息 切 れする 痰 の 出 ない 咳 がでる 発 熱 症 状 がみられましたら すぐに 医 療 スタッフに 連 絡 受 診 してください 14 15

治 療 開 始 日 治 療 中 は ご 自 身 の 体 調 を 管 理 するとともに 主 治 医 に 体 調 をできる だけ 正 確 に 伝 えることが 大 切 です 治 療 中 に 感 じた 体 調 の 変 化 や 気 に なることを 治 療 日 誌 に 記 入 し 受 診 の 際 に 主 治 医 に 見 せてください 記 入 例 通 院 日 に を つけてください 当 てはまる 状 態 に を 入 れて ください 治 療 開 始 日 日 付 投 与 開 始 から の 日 数 体 温 ( ) 体 調 体 重 (kg) 食 事 半 分 くらい の 量 ほとんど 食 べられない 吐 き 気 嘔 吐 悪 い 3 17 3 17 3 18 3 19 1 日 目 2 日 目 3 日 目 36.3 36.4 36.3 52.0 51.5 51.3 日 付 投 与 開 始 から の 日 数 体 温 ( ) 体 重 (kg) 体 調 悪 い 食 事 半 分 くらい の 量 ほとんど 食 べられない 吐 き 気 嘔 吐 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 爪 の 変 形 変 色 症 状 あり: 強 い 症 状 あり: 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 皮 膚 炎 メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 気 分 が 悪 く あまり 食 べられ なかった メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 16 17

治 療 開 始 日 治 療 開 始 日 日 付 日 付 投 与 開 始 から の 日 数 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 投 与 開 始 から の 日 数 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 体 温 ( ) 体 温 ( ) 体 重 (kg) 体 重 (kg) 体 調 悪 い 体 調 悪 い 食 事 の 量 吐 き 気 嘔 吐 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 半 分 くらい ほとんど 食 べられない メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 食 事 の 量 吐 き 気 嘔 吐 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 半 分 くらい ほとんど 食 べられない メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 18 19

治 療 開 始 日 治 療 開 始 日 日 付 日 付 投 与 開 始 から の 日 数 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 投 与 開 始 から の 日 数 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 日 目 体 温 ( ) 体 温 ( ) 体 重 (kg) 体 重 (kg) 体 調 悪 い 体 調 悪 い 食 事 の 量 吐 き 気 嘔 吐 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 半 分 くらい ほとんど 食 べられない メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 食 事 の 量 吐 き 気 嘔 吐 爪 の 変 形 変 色 皮 膚 炎 半 分 くらい ほとんど 食 べられない メモ ( 気 になること 主 治 医 に 伝 えたい ことなど) 20 21

を 使 う 主 な 抗 がん 剤 併 用 療 法 緊 急 の 連 絡 先 治 療 法 名 (レジメン) 使 用 する 抗 がん 剤 乳 がん TC 療 法 THP 療 法 シクロホスファミド トラスツズマブ ペルツズマブ 病 院 医 院 名 電 話 番 号 担 当 医 師 名 科 肺 がん DC 療 法 シスプラチン お 問 い 合 わせ 窓 口 胃 がん S-1+DTX 療 法 S-1 DCS 療 法 シスプラチン S-1 memo 卵 巣 がん 前 立 腺 がん DC 療 法 DP 療 法 DE 療 法 カルボプラチン プレドニゾロン エストラムスチン 22 食 道 がん DCF(FDP) 療 法 NDP+DOC 療 法 フルオロウラシル シスプラチン ネダプラチン 参 考 日 本 臨 床 腫 瘍 薬 学 会 監 修 : 改 訂 第 3 版 がん 化 学 療 法 レジメンハンドブック, 羊 土 社, 2013 濱 敏 弘 監 修 :がん 化 学 療 法 レジメン 管 理 マニュアル, 医 学 書 院, 2012 坂 田 優 ほか 編 集 : 別 冊 臨 床 腫 瘍 プラクティスⅡ 消 化 器 がん 化 学 療 法 レジメン, ヴァン メディカル, 2012 2014 年 4 月 現 在 発 行 :2016 年 監 修 : 草 津 総 合 病 院 乳 腺 外 科 部 長 木 下 一 夫 提 供 : 東 和 薬 品 株 式 会 社 本 冊 子 の 内 容 を 許 可 なしに 複 製 複 写 (コピーなど) 転 載 することは 法 律 で 認 められた 場 合 を 除 き 禁 じられ ています F-7b 2016 年 8 月 改 訂