騒音レベルの最大値の評価



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Transcription:

騒 音 発 生 時 間 と 規 制 基 準 等 の 関 係 中 野 有 朋 ( 中 野 環 境 クリニック) 事 業 所 屋 外 作 業 所 近 隣 騒 音 などに 係 る 騒 音 トラブルや 訴 訟 大 規 模 小 売 店 舗 立 地 法 における 騒 音 評 価 において 騒 音 の 発 生 時 間 と 規 制 基 準 値 等 の 関 係 が しばしば 問 題 とな っている ここでは これらの 問 題 において 騒 音 の 発 生 時 間 をどのように 考 えるべきかについて いくつかの 事 例 をもとに 検 討 した 結 果 を 述 べる 1. 騒 音 発 生 時 間 の 取 扱 いについて 1) 環 境 基 準 の 場 合 基 準 値 は 時 間 区 分 ごとに 等 価 騒 音 レベルで 定 められている 従 って 騒 音 発 生 時 間 が 短 く なると 基 準 値 が 大 きくなると 考 えて 評 価 すればよい 2) 規 制 基 準 の 場 合 例 えば 受 音 側 から 発 音 側 の 騒 音 がやかましいという 苦 情 が 自 治 体 に 寄 せられる 自 治 体 から 測 定 にきて 騒 音 発 生 時 に 測 定 し 規 制 基 準 を 超 えているという 一 日 中 騒 音 を 出 しているわけではないのに でているときだけ 測 定 して 規 制 基 準 違 反 と いうのは おかしいのではないかという 問 題 がしばしばある このようなことが 問 題 になるのは 騒 音 規 制 法 の 場 合 時 間 区 分 と 規 制 基 準 の 関 係 が 明 確 に 示 されていないためと 考 えられる 騒 音 規 制 法 においては 規 制 基 準 を 定 める 騒 音 レベル 測 定 値 について 次 の 4 つ 定 めら れている (1) 騒 音 計 の 指 示 値 が 変 動 せず 又 は 変 動 が 少 ない 場 合 は その 指 示 値 とする (2) 騒 音 計 の 指 示 値 が 周 期 的 又 は 間 欠 的 に 変 動 し その 指 示 値 の 最 大 値 がおおむね 一 定 の 場 合 は その 変 動 ごとの 指 示 値 の 最 大 値 の 平 均 値 とする (3) 騒 音 計 の 指 示 値 が 不 規 則 且 つ 大 幅 に 変 動 する 場 合 は 測 定 値 の 90%レンジの 上 端 の 数 値 とする (4) 騒 音 計 の 指 示 値 が 不 規 則 且 つ 大 幅 に 変 動 し その 指 示 値 の 最 大 値 が 一 定 でない 場 合 は その 変 動 ごとの 指 示 値 の 90%レンジの 上 端 の 数 値 とする これらについても 環 境 基 準 の 場 合 に 準 じ (1) (2)の 規 制 基 準 は エネルギー 則 によ り 騒 音 発 生 時 間 の 総 計 が 時 間 区 分 の 1/2 になるごとに+3 dbと 考 え (3) (4)の 場 合 は 騒 音 レベルが 規 制 基 準 を 超 える 時 間 の 合 計 が 時 間 区 分 の 5% 以 内 であるか 否 かを 求 め 評 価 すればよいと 考 えられる 以 上 いずれの 場 合 も 騒 音 の 評 価 には 騒 音 レベルの 大 きさだけではなく 騒 音 の 発 生 時 間 も 必 要 になる 2. 騒 音 評 価 事 例 Relation between noise generation time and regulatory criteria, etc. Aritomo NAKANO(NAKANO Environmental Clinic) 1

事 例 1( 表 1) 都 内 の 第 3 種 区 域 にある 食 品 加 工 工 場 の 2 階 屋 上 に 設 置 されている 排 風 機 の 夜 間 の 騒 音 がうるさいと 近 接 の 新 築 マンションから 苦 情 が 出 た 区 役 所 から 測 定 に 来 て その 結 果 夕 方 の 規 制 基 準 55 db 及 び 夜 間 の 基 準 50 dbを 超 えて いるということであった 区 の 担 当 者 から 再 三 改 善 を 要 求 されているので 調 査 してほしいと 依 頼 があった 調 査 の 結 果 排 風 機 は 22 時 から 0 時 まで 2 時 間 だけ 運 転 し この 間 の 騒 音 レベルはほぼ 一 定 で 56 dbであった これだけみると 確 かに 基 準 をこえている しかし 夕 方 の 時 間 区 分 3 時 間 のうち 排 風 機 の 運 転 時 間 は 22 時 から 23 時 までの 1 時 間 で あるから 55+10log3 60 db 以 下 であれば 基 準 を 満 足 することになる また 夜 間 の 時 間 区 分 7 時 間 のうち 運 転 時 間 は 23 時 から 0 時 までの 1 時 間 であるから 50+10log7 58 db 以 下 であれば 基 準 を 満 足 することになる 従 って 基 準 を 超 えてはいない この 結 果 をまとめ 基 準 を 超 えているという 根 拠 を 明 確 にし 超 えているのであれば 担 当 者 からではなく 区 長 から 正 式 に 改 善 勧 告 を 出 してもらうよう 弁 護 士 を 通 して 申 し 入 れた その 結 果 は 問 題 なしということであった 表 1 工 場 排 風 機 騒 音 第 3 種 区 域 ( 東 京 都 ) 時 間 区 分 規 制 基 準 測 定 結 果 ( 定 常 騒 音 ) 夕 (20~23 時 ) 55dB 排 風 機 運 転 時 間 (22~23 時 ) 60dB( 55 10log 3 60dB) 56 db 夜 (23~ 翌 6 時 ) 50 db 排 風 機 運 転 時 間 (23~0 時 ) 58 db( 50 10log 7 58 db) 56 db 東 京 都 の 都 民 の 健 康 と 安 全 を 確 保 する 環 境 に 関 する 条 例 における 日 常 生 活 等 に 適 用 する 騒 音 の 規 制 基 準 事 例 2( 表 2) 新 築 の 都 内 のマンションで その 駐 車 設 備 に 出 入 りする 自 動 車 が 隣 接 住 宅 群 との 境 界 線 付 近 を 頻 繁 に 走 行 する 時 の 騒 音 が 問 題 となった 対 策 を 求 め 隣 接 住 民 が 起 こした 訴 訟 に おいて 騒 音 の 評 価 を 行 った 本 件 の 場 合 第 1 種 区 域 で 不 規 則 変 動 騒 音 であったから 朝 の 2 時 間 及 び 夕 の 4 時 間 の 総 計 5%すなわち 6 分 間 及 び 12 分 間 以 上 40dB を 超 える 騒 音 を 出 してはならないことに なる 表 2 自 動 車 騒 音 第 1 種 区 域 ( 東 京 都 ) 時 間 区 分 規 制 基 準 測 定 結 果 ( 不 規 則 変 動 騒 音 )) 対 策 朝 (6~8 時 ) 夕 (19~23 時 ) 40dB(L A5 ) 40 db(l A5 ) 車 1 台 出 庫 で L A5 >40 db 騒 音 発 生 時 間 >6 分 車 2 台 出 庫 で L A5 >40 db 騒 音 発 生 時 間 >12 分 境 界 線 に 遮 音 塀 設 置 駐 車 設 備 の 削 減 2

これらの 時 間 駐 車 設 備 稼 働 自 動 車 エンジン 始 動 アイドリング 発 進 走 行 時 の 騒 音 を 敷 地 境 界 線 で 測 定 し L A5,2h L A5,4h 求 めた 結 果 朝 は 1 台 でも 出 庫 すると 基 準 を 超 え 夕 は 2 台 以 上 出 庫 すると 基 準 を 超 えることが 明 らかになった これが 認 められ 勝 訴 となり 駐 車 設 備 の 削 減 境 界 線 に 遮 音 塀 設 置 という 結 果 になった 事 例 3( 表 3 ) ある 物 品 加 工 工 場 の 近 隣 住 宅 から 工 場 の 騒 音 がうるさい 規 制 基 準 を 超 える 騒 音 を 出 している という 苦 情 が 出 て 訴 訟 となった そこで 騒 音 が 規 制 基 準 を 超 えているか 否 かを 確 認 することになった この 工 場 内 騒 音 は 工 場 内 の 各 種 加 工 機 械 から 発 生 する 機 械 音 と 加 工 作 業 に 伴 う 発 生 音 により 不 規 則 かつ 大 幅 に 変 動 する 騒 音 であった 工 場 内 で 加 工 された 製 品 は 工 場 の 出 入 口 のシャッタを 開 けてフォークリフトにより 工 場 外 に 搬 出 される シャッタを 閉 じている 時 には 敷 地 境 界 線 の 騒 音 は 規 制 基 準 値 以 下 であるが シャッ タを 開 けた 時 には 工 場 内 の 騒 音 は 出 入 口 を 通 して 屋 外 に 伝 搬 し 騒 音 レベルは 上 昇 す る そこで シャッタが 開 き フォークリフトが 工 場 外 に 出 て 製 品 をおろし 工 場 内 へ 戻 りシャッタが 閉 まるまでの 間 敷 地 境 界 線 において 騒 音 レベルを 記 録 し これをもとに 規 制 基 準 を 超 える 時 間 を 求 めた シャッタの1 回 の 開 閉 により 60 dbを 超 える 時 間 が 最 大 1 分 であったので シャッタ の 開 閉 回 数 が 9 回 未 満 であればよいことになる そこで シャッタの 開 閉 回 数 を 調 べたところ 9 回 を 超 えることはなかったので 規 制 基 準 を 超 えてはいないとした その 結 果 これが 認 められ 勝 訴 となった 表 3 工 場 騒 音 第 2 種 区 域 ( 大 阪 府 ) 時 間 区 分 規 制 基 準 測 定 結 果 夕 (18~21 時 ) 60 db(l A5 ) 工 場 出 入 口 シャッタ 9 回 開 閉 で L A5 <60 db 騒 音 発 生 時 間 <9 分 事 例 4( 表 4) 集 合 住 宅 等 で 上 階 の 子 供 の 跳 ねる 音 などうるさく 眠 れない 何 度 言 っても 改 善 されな いので 訴 えたいという 相 談 を 受 けることがしばしばある しかしこのような 問 題 については 睡 眠 に 影 響 ありと 評 価 することは 難 しく 筆 者 のとこ ろでは 訴 訟 に 進 展 した 事 例 はない 時 間 区 分 T 0 時 間 の 騒 音 環 境 基 準 を L 0 db 騒 音 発 生 時 間 を t 時 間 とすると 環 境 基 準 値 L dbは L=L 0 +10log(T 0 /t)dbとなるから 夜 間 (22~ 翌 6 時 )の 室 内 環 境 基 準 を 40dB とす ると 夜 間 8 時 間 の 間 に 下 室 内 で L=40+10log(8/1) 49 dbの 騒 音 が 合 計 1 時 間 ほど 発 生 すると 睡 眠 影 響 があるということになる しかし 調 べてみると 夜 間 1 時 間 も 子 供 が 50 db 近 くの 騒 音 を 出 すことはない また 1 秒 間 では L=40+10log(28800/1) 85 dbであるが このようなこともなかった 3

表 4 集 合 住 宅 騒 音 環 境 基 準 時 間 区 分 規 制 基 準 問 題 夜 (22~ 翌 6 時 ) 騒 音 発 生 時 間 1h 騒 音 発 生 時 間 1s 40 db 50 db (40+10log8 50 db) 85 db (40+10log28800 85 db 上 下 階 騒 音 訴 訟 問 題 なし なお 横 浜 市 生 活 環 境 の 保 全 等 に 関 する 条 例 の 屋 外 作 業 に 伴 う 騒 音 及 び 振 動 による 公 害 の 防 止 に 関 する 指 導 基 準 においては 1 秒 間 の 騒 音 レベルで 公 害 か 否 かの 判 断 が 行 われてい る すなわち 単 発 騒 音 暴 露 レベルを EXPL( 騒 音 暴 露 量 :Exposure Level の 頭 文 字 )とし 騒 音 を 被 るものが 居 住 する 側 の 敷 地 の 境 界 線 において 屋 外 作 業 から 発 生 する 操 業 時 間 の EXPL の 表 5 に 示 す 値 を 公 害 が 生 じていると 認 める 判 断 基 準 としている A B C は 環 境 基 準 による 地 域 区 分 である これによると 例 えば A 地 域 において 昼 間 1 時 間 作 業 が 行 われる 場 合 居 住 する 敷 地 の 境 界 線 において L=103+10log(1/3600) 67 db 以 上 の 騒 音 が 発 生 する 場 合 には 公 害 が 生 じている と 判 断 される 表 5 公 害 が 生 じていると 認 める 判 断 基 準 地 域 基 準 値 EXPL( 単 位 db) 昼 間 (6 時 ~22 時 ) 夜 間 (22 時 ~ 翌 6 時 ) A B 地 域 103 90 騒 音 発 生 時 間 1h 67 db (L=103+10log(1/3600) 67) C 地 域 108 95 3. 大 規 模 小 売 店 舗 立 地 法 における 騒 音 の 評 価 平 成 17 年 10 月 1 日 から 施 行 された 告 示 大 規 模 小 売 店 舗 を 設 置 するものが 配 慮 すべき 事 項 に 関 する 指 針 においては [ 設 置 者 は 騒 音 の 測 定 場 所 において 適 用 される 特 定 工 場 等 において 発 生 する 騒 音 の 規 制 に 関 する 基 準 に 示 す 夜 間 における 基 準 値 を 尊 重 し 合 理 的 かつ 適 切 な 対 応 策 の 範 囲 内 において 基 準 値 を 超 えないように 努 めるものとし この 観 点 から 夜 間 に 見 込 まれるそれぞれの 騒 音 を 評 価 するものとする その 際 当 該 騒 音 の 発 生 の 位 置 継 続 時 間 等 を 勘 案 するものとする ]となっており 新 指 針 では 騒 音 の 継 続 時 間 を 勘 案 するように 改 正 されている 4. 結 言 騒 音 発 生 時 間 と 関 連 づけられて 求 められる L A5 以 外 の 基 準 値 については 騒 音 のエネル ギー 則 に 基 づいて 短 時 間 thの 発 生 騒 音 レベルLdBから 時 間 区 分 T 0 の 騒 音 レベル L 0 = L +10log(T 0 /t)dbを 求 め 規 制 基 準 値 等 との 適 合 性 を 評 価 すればよいことが 確 認 された 4

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