No.NR08-013 Rev.A 作 成 :2008 年 6 月 30 日 株 式 会 社 ナナオ マーケティング 部 販 売 促 進 課 パソコン 作 業 時 の 眼 精 疲 労 軽 減 に 関 する 調 査 実 施 報 告 1. 概 要 株 式 会 社 ナナオ( 本 社 : 石 川 県 白 山 市 代 表 取 締 役 社 長 : 実 盛 祥 隆 )では 長 時 間 のパソコン 作 業 (VDT 1 作 業 )における 目 の 疲 労 実 態 について 独 自 の 調 査 を 行 いました その 結 果 下 記 の 通 り モニターの 使 い 方 により 目 の 疲 労 度 が 軽 減 する 傾 向 があることがわかりました 2 長 時 間 のパソコン 作 業 後 は 目 のピント 調 節 力 が 低 下 つまり 疲 労 が 見 られる モニターの 輝 度 を 適 切 な 値 まで 下 げて 使 用 すると 作 業 後 の 目 の 疲 労 度 が 低 下 の 傾 向 VDT 作 業 指 導 に 基 づいてパソコン 作 業 を 行 うと 目 の 疲 労 度 がさらに 低 下 の 傾 向 2. 調 査 の 背 景 1 パソコンのモニターなどの 表 示 機 器 を 総 称 して VDT(Visual Display Terminal)と 呼 ぶ 2 結 果 や 感 覚 には 個 人 差 があります パソコン 作 業 による 疲 労 実 態 ( 厚 生 労 働 省 調 査 結 果 より) 2004 年 の 厚 生 労 働 省 調 査 によると パソコン 作 業 によって 身 体 的 な 疲 労 や 症 状 を 実 感 してい る 人 の 割 合 は 8 割 近 くに 及 び その 中 で 9 割 以 上 の 人 が 目 の 疲 れや 痛 み を 実 感 しています (グ ラフ 1 グラフ 2)さらに 長 時 間 PC 作 業 をする 人 の4 割 が 精 神 的 なストレスを 感 じている と 発 表 さ れています 78%が 疲 労 を 実 感 91.6%が 目 の 疲 れ 痛 み を 実 感 グラフ 1 コンピュータ 機 器 を 使 用 することに 対 する ストレスの 状 況 調 査 (2004 年 厚 労 省 調 査 ) グラフ 2: 身 体 的 疲 労 や 症 状 の 内 容 (2004 年 厚 労 省 調 査 ) No.NR08-013 Rev.A 1/6
最 近 では 20~30 代 でも 目 を 一 日 中 使 い 続 けた 夕 方 または PC 作 業 が 連 日 続 いた 週 の 後 半 になると 近 くのものが 見 えにくくなる 老 眼 の 症 状 に 近 い 夕 方 老 眼 や 週 末 老 眼 と 呼 ばれる 症 状 を 実 感 する 人 も 出 てきているといわれています これらパソコン 作 業 による 疲 労 の 背 景 には パソコンの 使 用 時 間 が 長 時 間 化 していることや 液 晶 モニターの 高 輝 度 化 (まぶしくなってきている)などが 考 えられます PC 使 用 時 間 の 増 加 近 年 のコンピュータを 初 めとする IT 機 器 の 急 速 な 普 及 により オフィス 環 境 においては これま で 紙 で 行 われていた 業 務 の 大 半 が 各 個 人 の PC を 使 ってモニター 上 で 行 われるようになっていま す 厚 生 労 働 省 の 調 査 によると 4 時 間 以 上 の PC 作 業 をする 労 働 者 の 割 合 は 1998 年 の 29.3% から 5 年 後 の 2003 年 では 37.5%に 増 えています 2008 年 現 在 では PC の 使 用 時 間 がさらに 長 時 間 化 していることが 推 測 されます 液 晶 モニターの 高 輝 度 化 これら PC 作 業 による 疲 労 実 態 の 背 景 には PC 使 用 時 間 の 増 加 だけではなく 液 晶 モニター の 高 輝 度 化 も 関 係 があるようです PC の 発 達 により 液 晶 モニターで 映 画 などの 動 画 を 観 る 機 会 も 増 え そのニーズに 応 え 液 晶 モニターの 新 製 品 の 輝 度 は 年 々 高 くなっています 当 社 製 品 で 7 年 前 と 比 較 すると 輝 度 は 1.7 倍 にもなっています 2007 年 2006 年 2005 年 2004 年 2003 年 2002 年 2001 年 2000 年 液 晶 モニターの 輝 度 は7 年 で 1.7 倍! 0 50 100 150 200 250 300 350 400 グラフ 3: 当 社 液 晶 モニター 新 製 品 の 最 大 輝 度 の 平 均 値 長 時 間 のパソコン 作 業 による 眼 精 疲 労 の 問 題 が 懸 念 される 中 当 社 では モニターやモニターの 使 い 方 を 改 善 することにより パソコン 作 業 における 目 の 疲 れを 軽 減 できるのではないかと 仮 定 し 眼 科 医 と VDT 作 業 労 働 衛 生 インストラクターの 監 修 と 指 導 のもと 独 自 調 査 を 実 施 しました 3. 調 査 結 果 (1) 調 査 方 法 一 般 的 に 目 が 疲 れると ピント 調 節 力 の 低 下 から 物 がはっきり 見 える 一 番 近 い 距 離 ( 調 節 近 点 距 離 )が 次 第 に 遠 くなるといわれています そこで 1 日 の VDT 作 業 前 後 に 目 の 調 節 近 点 距 離 を 測 定 することにより モニターの 使 い 方 を 変 えた 場 合 ( 測 定 条 件 は 下 記 3 つ)の 影 響 を 調 査 しました 1. 標 準 設 定 :FlexScan S2431W-E 輝 度 100% 約 450cd/m2 2. 適 切 な 輝 度 :FlexScan S2431W-E 適 切 な 輝 度 (BrightRegulator 機 能 使 用 相 当 ) 3. 適 切 な 輝 度 +VDT 指 導 :2 のモニターを 使 用 し VDT 指 導 (1 時 間 に 10 分 の 定 期 的 な 作 業 休 止 適 切 な 作 業 姿 勢 保 持 適 切 なモニターの 高 さや 角 度 の 調 整 など)を 実 施 No.NR08-013 Rev.A 2/6
調 査 の 詳 細 については 当 社 WhitePaper No.08-001 モニターを 使 った 作 業 (VDT 作 業 )と 疲 労 度 合 いについて をご 覧 ください (2) 調 査 結 果 : 目 の 疲 労 度 合 い 下 記 グラフは 測 定 条 件 ごとに 各 調 査 の 最 初 と 最 後 に 測 定 した 平 均 調 節 近 点 (30 回 /1 人 11 人 11)を 比 較 し その 延 長 率 をグラフに 示 したものです 延 長 率 が 高 いことは 調 節 近 点 (ピント を 合 わすことのできる 距 離 )が 遠 くなるということですので 目 の 疲 労 度 が 高 いことを 示 します この 調 査 結 果 から 下 記 3 点 が 推 測 されます 1. 長 時 間 のパソコン 作 業 後 は 目 の 疲 労 度 が 増 加 (ピント 調 節 力 低 下 ) モニターの 出 荷 状 態 である 標 準 設 定 時 に パソコン 作 業 前 と 後 の 平 均 の 調 節 近 点 距 離 を 比 較 す ると 14.61% 延 長 しており 一 日 のパソコン 作 業 後 は 目 の 疲 労 度 が 増 加 している( 測 定 条 件 1. 標 準 設 定 時 )と 考 えられます 2 2.モニターの 輝 度 を 適 切 な 輝 度 に 下 げると 目 の 疲 労 度 が 低 下 (ピント 調 節 力 の 低 下 が 半 減 ) モニターの 輝 度 ( 明 るさ)を 適 切 な 輝 度 設 定 に 下 げる( 測 定 条 件 2. 適 切 な 輝 度 )と モニター 出 荷 時 の 輝 度 が 標 準 設 定 ( 測 定 条 件 1. 標 準 設 定 ) 時 と 比 較 して 平 均 調 節 近 点 延 長 率 が 半 減 している ので 疲 労 度 が 大 きく 低 下 していると 考 えられます これにより PC モニターの 輝 度 を 適 切 な 輝 度 に 下 げることで 目 の 疲 労 度 が 低 下 すると 考 えられます 2 3.VDT 指 導 に 沿 った 作 業 で 目 の 疲 労 度 がさらに 低 下 (ピント 調 節 力 の 低 下 がほとんどなし) モニターの 輝 度 を 適 切 な 輝 度 に 下 げた 上 で さらに 正 しい VDT 作 業 指 導 に 従 って 作 業 すること ( 測 定 条 件 3. 適 切 な 輝 度 +VDT 指 導 )で 平 均 調 節 近 点 延 長 率 がごくわずかになったことから 疲 労 度 がさらに 低 下 していると 考 えられます 2 2: 結 果 や 感 覚 には 個 人 差 があります No.NR08-013 Rev.A 3/6
4.まとめ 今 回 の 調 査 により VDT 作 業 においては モニターの 明 るさ( 輝 度 )の 設 定 と 適 切 なモニターの 位 置 設 定 や 作 業 姿 勢 さらには 休 憩 時 間 をとることが 目 の 疲 労 度 合 いに 影 響 することがわかりま した 当 社 では 自 動 輝 度 調 整 機 能 である BrightRegulator 機 能 モニターの 位 置 調 整 に 便 利 な 稼 動 範 囲 の 大 きなスタンド 休 憩 時 間 を 喚 起 する EyeCare Reminder などを VDT 作 業 の 支 援 機 能 と して 提 供 しています 長 時 間 のパソコン 作 業 時 は これらをはじめとしたモニターの 各 種 機 能 を 十 分 活 用 し 適 切 な 条 件 で 作 業 を 行 うことで より 疲 労 度 合 いを 軽 減 した 作 業 が 行 えるのではないか と 考 えます 参 考 資 料 1.その 他 調 査 結 果 :パソコン 作 業 後 の 目 や 身 体 の 疲 労 感 について VDT 作 業 後 に 疲 労 の 自 覚 症 状 についてのアンケートを 実 施 し それを 数 値 化 しました いずれ のアンケートでも 標 準 設 定 に 比 べ 適 切 な 輝 度 さらに 適 切 な 輝 度 +VDT 作 業 指 導 の 条 件 の 方 が 体 感 する 疲 労 度 合 いが 小 さくなる( 数 値 が 小 さい 方 が 疲 労 症 状 を 小 さく 感 じている) 結 果 となりま した この 結 果 からも モニターの 輝 度 は 適 切 に 調 整 し 姿 勢 を 正 しくかつ 休 憩 も 考 慮 することで より 疲 労 度 合 いが 軽 減 されるのではないかと 考 えられます 2 2: 結 果 や 感 覚 には 個 人 差 があります No.NR08-013 Rev.A 4/6
2.その 他 調 査 結 果 : 作 業 効 率 への 影 響 について これら VDT 作 業 環 境 設 定 の 違 いによる 作 業 効 率 への 影 響 度 を 測 るため 測 定 条 件 の 違 いによる 各 回 のモニターの 入 力 文 字 数 を 集 計 したところ 適 切 な 明 るさや 姿 勢 休 憩 などを 考 慮 することで 作 業 量 が 増 加 した 結 果 となりました 2 Ⅰ モニターの 輝 度 を 適 切 な 輝 度 に 下 げると 作 業 効 率 が 4.6% 向 上 2 Ⅱ VDT 指 導 に 沿 った 作 業 をすることで 作 業 効 率 が 12.5% 向 上 2 2: 結 果 や 感 覚 には 個 人 差 があります 3. 眼 科 医 と VDT 労 働 衛 生 教 育 インストラクターの 見 解 今 回 のリサーチで 監 修 と 指 導 を 担 当 した 眼 科 医 と VDT 作 業 労 働 衛 生 教 育 インストラクターは 調 査 研 究 結 果 について 次 のようにコメントしています (1) 横 浜 相 鉄 ビル 眼 科 医 院 大 高 功 院 長 のコメント 人 間 の 目 の 疲 れとはそもそも 何 であろうか?この 問 いに 対 する 正 確 な 答 えは われわれ 眼 科 医 にもわからない どうも 人 間 には 目 が 疲 れた と 感 じさせるいくつかの 要 素 があるようだが 水 晶 体 の 厚 さを 調 節 してピントをあわせる 筋 肉 ( 毛 様 体 筋 )が 疲 労 すると 目 が 疲 れた と 認 識 しているこ とは 間 違 いないようだ 毛 様 体 筋 が 疲 労 すると 水 晶 体 の 厚 さを 調 節 する 力 ( 調 節 力 )が 低 下 する 調 節 力 が 低 下 すると 調 節 近 点 といって 物 がはっきり 見 える 一 番 近 いポイントがどんどん 遠 くなっ ていく 今 回 は PCモニターの 使 用 前 使 用 後 における 調 節 近 点 を 測 定 することにより 目 の 疲 れの 度 合 いをある 程 度 数 値 化 できうると 考 えて 実 験 を 行 った 結 論 としては ナナオ 製 モニターは 出 荷 時 点 でのデフォルト 状 態 で 使 用 するより 適 切 な 輝 度 ま で 下 げて 使 用 する 方 が 明 らかに 調 節 力 の 低 下 が 少 ない すなわち 目 の 疲 労 が 少 ないと 思 われる ということだ さらに モニターを 見 る 姿 勢 や 休 憩 などのVDT 作 業 指 導 を 加 えると さらに 疲 れにくく なるということも 判 明 した 大 高 功 (おおたか いさお) 横 浜 相 鉄 ビル 眼 科 医 院 院 長 医 療 法 人 社 団 愛 慶 会 理 事 長 日 本 眼 科 学 会 認 定 眼 科 専 門 医 慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 卒 業 慶 応 義 塾 大 学 病 院 眼 科 亀 田 総 合 病 院 眼 科 静 岡 赤 十 字 病 院 眼 科 医 長 を 経 て 開 院 翼 状 片 や 白 内 障 などの 眼 科 手 術 を 専 門 とし その 技 術 力 の 高 さに 全 国 から 患 者 が 来 院 横 浜 相 鉄 ビル 眼 科 医 院 http://www.aikeikai.jp/ No.NR08-013 Rev.A 5/6
(2)VDT 作 業 労 働 衛 生 教 育 インストラクター 高 林 克 枝 氏 のコメント 情 報 化 時 代 において オフィスでのVDT 作 業 時 間 が 増 加 するとともに 心 身 の 疲 れや 症 状 を 感 じ る 人 が 増 加 しつつある これに 対 して 作 業 者 の 心 身 の 負 担 を 軽 減 するため 厚 生 労 働 省 は2002 年 にVDT 作 業 ガイドラインを 公 表 し 2004 年 にはVDT 作 業 による 心 身 への 影 響 を 全 国 的 に 調 査 した 平 成 15 年 技 術 革 新 と 労 働 に 関 する 実 態 調 査 結 果 の 概 況 を 発 表 している 長 時 間 VDT 作 業 をすると 目 が 疲 れる 肩 がこる などは 一 般 的 にVDT 作 業 者 たちが 経 験 してい るVDT 症 候 群 の 症 状 ではあるが どの 程 度 PCモニターの 利 用 環 境 や 作 業 状 態 が 影 響 しているの か 検 証 した 科 学 的 データは 希 少 である その 意 味 で 今 回 のリサーチでは 日 常 的 にパソコンを 使 う 人 々に 大 変 有 意 義 な 情 報 をもたらす 結 果 を 導 くことができた VDT 作 業 の 環 境 差 作 業 差 により 目 だけではなく 心 身 全 体 について 1 日 の 疲 労 感 に 差 異 を 生 じることが リサーチデータや 体 感 アンケートより 裏 付 けられた PCモニターの 機 能 性 能 設 定 ( 輝 度 高 さや 角 度 調 節 ) 作 業 状 態 に 気 を 配 り より 快 適 なVDT 作 業 が 行 えるようなアドバイスをオフ ィスに 普 及 させ 作 業 者 全 員 がより 健 康 的 かつ 気 持 ちのよいVDT 作 業 を 実 施 できるような 環 境 づく りが 大 切 であると 認 識 した 高 林 克 枝 (たかばやし かつえ) 株 式 会 社 デジタルヘルスセンター 代 表 VDT 作 業 労 働 衛 生 教 育 インストラクター( 中 災 防 ) ポータルサイト オールアバウト 目 の 健 康 ガイド 大 学 にて 英 米 文 学 を 専 攻 し 中 国 カナダへカレッジ 留 学 世 界 最 大 の 外 資 系 メディア 情 報 サービス 企 業 就 労 を 経 験 デジタル 時 代 の 健 康 と 快 適 さに 焦 点 をあ て VDT 作 業 対 策 などに 関 する 情 報 サービス 企 業 取 組 みを 行 うデジタルヘルスセンターを 主 宰 デジタルヘルスセンター http://www.digitalhealthcenter.net オールアバウト 目 の 健 康 http://allabout.co.jp/health/eye/ 4. 用 語 解 説 VDT VDT 作 業 コンピュータのモニターなど 表 示 機 器 は 総 称 して VDT(Visual Display Terminal)と 呼 ばれ モニタ ー キーボード 等 により 構 成 されるVDT 機 器 を 使 用 して データ 入 力 検 索 照 合 文 章 画 像 等 の 作 成 編 集 修 正 プログラミング 監 視 等 を 行 う 作 業 は VDT 作 業 と 呼 ばれています EIZO FlexScan PowerManager は 株 式 会 社 ナナオの 登 録 商 標 です その 他 記 載 されている 会 社 名 および 商 品 名 は 各 社 の 商 標 または 登 録 商 標 で す 外 観 および 仕 様 は 改 善 のため 予 告 なく 変 更 することがあります Copyright 2008 株 式 会 社 ナナオ All rights reserved. お 客 様 からのお 問 い 合 わせ 先 EIZOコンタクトセンター TEL:0120-956-812 FAX:076-274-2496 ホームページ: http://www.eizo.co.jp/ 報 道 関 係 各 位 のお 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 ナナオ マーケティング 部 販 売 促 進 課 TEL:076-277-6795 FAX:076-277-6796 E-Mail:press@eizo.co.jp ホームページ:http://www.eizo.co.jp/press No.NR08-013 Rev.A 6/6