2012 循 環 器 科 部 病 気 と 食 事 の 組 み 合 せ 言 語 聴 覚 療 法 (ST)の 紹 介
note スタッフ 紹 介 部 長 副 部 長 酒 井 三 木 神 谷 川 㟢 張 本 副 部 長 循 環 器 の 主 な 病 気 は 医 師 心 臓 血 管 に 不 都 合 をきたした 時 に 起 こる 病 気 です 高 血 圧 狭 心 症 心 筋 梗 塞 不 整 脈 弁 膜 症 などを 原 因 と する 心 不 全 最 近 は 下 肢 動 脈 硬 化 症 も 多 く これらの 診 断 治 療 を 行 っています 今 回 は 急 性 心 筋 梗 塞 を 取 り 上 げ ましょう 医 師 急 性 心 筋 梗 塞 とは 心 臓 には 筋 肉 ( 心 筋 )に 栄 養 をおくる 血 管 が 3 本 あり これを 冠 動 脈 といいます 冠 動 脈 にプラークと 呼 ばれる 脂 肪 を 貯 めこんだ 動 脈 は た ん 硬 化 病 変 が 破 綻 し 血 の 固 まり( 血 栓 )がつくられて 血 流 が 止 まり 心 筋 の 組 織 が 死 んでいくのが 急 性 心 筋 梗 塞 です このため 心 臓 の 動 きは 悪 くなり 不 整 脈 や 心 不 全 を 起 こして 死 に 直 結 する 病 気 です 大 切 なことは 動 けな いときは 救 急 車 を 呼 んでください 急 性 心 筋 梗 塞 2
急 性 心 筋 梗 塞 の 診 断 一 番 早 く 現 れ 最 も 重 要 です 恐 怖 感 を 伴 う 激 烈 な 胸 部 圧 迫 感 や 胸 が 締 め 付 けられる 不 快 感 が 持 続 したり 狭 心 症 の 薬 (ニトログリセリン)を 飲 んでも 効 かなかったり もしくはこれらの 症 状 を 短 時 間 に 繰 り 返 します 受 診 時 すぐに 行 います 特 有 の 変 化 (ST の 上 昇 )が 現 れます また 不 整 脈 を 起 こしやす く 最 大 限 の 注 意 観 察 を 行 います 心 臓 の 動 きが 落 ちていること( 心 筋 壁 の 運 動 低 下 )を 確 かめます 以 上 の 3 点 で 急 性 心 筋 梗 塞 は 診 断 さ れ 迅 速 血 液 検 査 や 点 滴 抗 血 小 板 薬 の 内 服 など 必 要 な 処 置 を 行 い すぐに 治 療 が 始 まります 当 院 では 心 筋 梗 塞 狭 心 症 弁 膜 症 心 筋 症 各 種 不 整 脈 心 不 全 などの 診 断 治 療 にも 力 を 注 いでおり D エコー ホ ルター 心 電 図 加 算 心 電 図 心 音 図 をはじめ 冠 動 脈 CT(64 列 マルチスライス CT) 心 臓 MRI 心 筋 シンチグラフィ 心 臓 PET-CTと 最 新 鋭 の 機 器 を 駆 使 しています 急 性 心 筋 梗 塞 の 治 療 当 院 では 主 に 右 の 手 首 に 局 所 麻 酔 を 行 い そこの 動 脈 からレントゲンを 見 ながら 細 い 管 (カテーテル)を 挿 入 して 冠 動 脈 の 入 り 口 に 留 置 し 造 影 剤 を 使 用 して 血 管 を 撮 影 し ます この 方 法 で 心 筋 梗 塞 を 起 こしている 閉 塞 血 管 ( 責 任 病 変 )を 確 認 します Dエコー 装 置 心 電 図 装 置 緊 急 造 影 に 引 き 続 き 治 療 用 のカテーテルに 交 換 し このカテーテルから 髪 の 毛 程 度 の 細 いワイヤーで 閉 塞 部 を 通 過 させます 次 に 特 殊 な 管 で 閉 塞 部 の 血 の 固 まりを 吸 引 します 最 後 に 病 変 で 風 船 を 拡 張 し 金 属 製 の 網 目 の 筒 (ステント)を 留 置 し 閉 塞 し ていた 血 管 を 元 の 太 さにして 血 流 を 再 開 させます 術 後 は 集 中 治 療 室 で 安 静 をとり 病 状 の 観 察 を 行 います お 薬 による 治 療 として 血 液 をサラサラさせる 薬 ( 抗 血 小 板 薬 )2 種 類 を 服 用 します 動 脈 硬 化 を 引 き 起 こす 病 気 ( 冠 危 険 因 子 )のコントロールを 行 います 高 血 圧 糖 尿 病 高 脂 血 症 肥 満 喫 煙 の 厳 重 な 管 理 を 行 うため 場 合 により 投 薬 も 必 要 となります 日 夜 救 急 車 で 緊 急 事 態 に 対 応 していただいている 消 防 隊 や 看 護 師 の 方 々の 中 で 訓 練 研 修 を 受 け 救 急 対 応 を 行 う 資 格 を 持 っている 方 を 救 急 救 命 士 とい います 急 性 心 筋 梗 塞 の 最 大 の 死 因 は 発 症 時 に 起 こる 危 険 な 不 整 脈 です 救 急 救 命 士 が 駆 けつけ た 時 ショック 状 態 の 場 合 もあ り 即 座 に 心 臓 マッサージ 人 工 呼 吸 を 行 い 電 気 ショックで 不 整 脈 を 止 めることもできます この 方 々のたゆまない 努 力 で 一 人 でも 助 かる 命 を 大 切 に されているのです AED 最 近 は 学 校 病 院 駅 スタジ アムやホールなど 公 共 施 設 の 多 くの 場 所 に 設 置 されていま す AED の 使 用 に 資 格 は 要 りま せん 突 然 意 識 がなくなった 方 を 見 つけたときは 呼 吸 意 識 脈 拍 を 確 認 し 反 応 がないとき に 心 臓 マッサージを 行 い AED を 取 り 付 けます AED は 致 死 的 な 不 整 脈 を 自 動 で 判 断 し 電 気 ショックで この 不 整 脈 を 停 止 させる 器 械 です 学 校 の 体 育 時 間 やクラブの 最 中 マラソンやサッカーの 試 合 中 に 突 然 倒 れ AED で 救 命 され た 方 も 相 当 数 おられます 救 急 救 命 士 の 資 格 がなくても 助 けら れる 命 はたくさんあります A E D 3
1 生 活 習 慣 病 の 大 きな 要 因 です 内 臓 脂 肪 が 蓄 積 する 主 な 原 因 は 日 常 の 飲 食 でエネル ギーを 多 く 取 り 過 ぎていたり 身 体 活 動 の 低 下 によって 摂 取 エネルギーに 対 して 消 費 エネ ルギーが 少 ないことが 原 因 です 日 に 必 要 なエネルギー 目 安 を 基 に 食 事 摂 取 量 を 調 整 し ましょう 25~30kcal 標 準 体 重 = 身 長 (m) 身 長 (m)22 160cm =1.61.622=56.32kg 1=56.32 25~30 =1400~1700kcal 年 齢 活 動 量 などによって 違 います 日 食 を 規 則 正 しく 食 べ 夕 食 は 軽 めにする( 日 の 食 事 ボリュームは 夕 食 におかない) 薄 味 に 慣 れる( 汁 物 は 日 杯 以 内 にして 漬 物 や 加 工 食 品 を 取 り 過 ぎない) 甘 いものを 食 べ 過 ぎない( 甘 い 菓 子 類 の 間 食 やジュースなど を 取 り 過 ぎない) 脂 肪 を 取 り 過 ぎない( 調 理 方 法 を 工 夫 し 油 を 多 く 使 う 料 理 やナッツ 類 の 食 べ 過 ぎにも 注 意 ) 休 肝 日 (アルコールを 飲 まない 日 )を 週 に 日 以 上 設 ける 主 菜 品 ( 魚 介 類 肉 類 卵 大 豆 製 品 を 利 用 したおかず) 副 菜 ~ 品 ( 野 菜 海 草 きのこ こんにゃく 類 のおかず) 4
肉 類 より 魚 類 や 大 豆 製 品 の 割 合 を 増 やす コレステロールの 多 い 食 品 の 取 り 過 ぎに 注 意 食 物 繊 維 を 多 めに 摂 取 アルコールや 甘 いお 菓 子 などの 取 り 過 ぎに 注 意 食 事 を 規 則 正 しく 食 べる (まとめ 食 いやむら 食 いをしない) 炭 水 化 物 の 多 い 食 品 の 多 量 摂 取 に 注 意 食 物 繊 維 を 多 めに 摂 取 アルコールやお 菓 子 類 など の 嗜 好 品 を 少 なく 動 物 性 脂 肪 を 控 える コレステロールの 多 い 食 品 の 取 り 過 ぎに 注 意 水 分 と 塩 分 は 適 量 を 守 る たんぱく 質 を 控 える 必 要 エネルギーを 確 保 する 減 塩 をする 場 合 によっては 水 分 カ リウムを 控 える アルコールは 控 える 水 分 を 多 めに 取 る プリン 体 を 多 く 含 む 食 品 (レバー 類 かつお ま いわし 大 正 えびなど)の 取 り 過 ぎに 注 意 各 疾 患 ですこしずつ 変 わってきます 急 性 期 は 絶 食 静 脈 栄 養 : 肥 満 症 や 脂 質 異 常 症 と 同 様 な 食 事 : 鉄 分 の 取 り 過 ぎに 注 意 ( 特 に C 型 肝 炎 ) :( 合 併 症 がある 場 合 は 合 併 症 に 応 じて) : 塩 分 を 控 える : タンパク 質 を 控 える : 固 い 食 材 や 料 理 を 避 け 香 辛 料 の 使 用 は 控 える 糖 尿 病 があるかたはもちろん 肝 臓 が 悪 くなると 糖 の 代 謝 が 悪 くなるので 血 糖 コントロールのために 甘 いものの 取 り 過 ぎ や 血 糖 値 を 上 昇 させるような 食 べ 方 は 注 意 が 必 要 です 肝 臓 が 悪 くなると 栄 養 の 蓄 えが 悪 くなります 病 状 によって 食 事 と 食 事 の 間 を 長 くあけないことも 必 要 です 早 朝 の 身 体 の 栄 養 状 態 を 良 く す る 為 に 就 寝 の 少 し 前 に 200kcal 程 度 の 補 食 をとる 場 合 もあります 肝 臓 病 にアルコールは 毒 です! 禁 酒 しましょう アルコールは 厳 禁 脂 質 を 少 なく タンパク 質 の 取 り 過 ぎに 注 意 全 てにおいて 必 要 エネル ギ ー お よび 体 重 の 適 正 化 は 基 本 となります 症 状 の 軽 重 度 の 程 度 によ り 注 意 点 も 変 わります 気 になる 方 は 栄 養 士 に ご 相 談 ください 5
話 すことや 聞 き 取 ることなどコミュニケーションに 問 題 のある 方 に 対 して 障 害 の 程 度 を 把 握 し 機 能 の 評 価 を 行 い 訓 練 助 言 などの 援 助 と QOL( 生 活 の 質 ) 向 上 や 社 会 参 加 のための 支 援 を 行 います さらに 食 事 や 水 分 を 飲 み 込 むことに 問 題 のある 方 に 医 師 と 連 携 を とりながら 機 能 回 復 の 支 援 を 行 います 恵 美 須 安 川 構 音 障 害 の 方 には 舌 や 顔 の 動 きの 練 習 を 中 心 に 行 い 明 瞭 に 話 すことができるように 訓 練 を 行 います 失 語 症 の 方 は 読 む 聞 く 話 す 書 く の 言 語 の 4 つの 側 面 に 困 難 が 生 じるので 各 々 の 能 力 を 詳 細 に 評 価 し 言 語 機 能 訓 練 を 行 うとともに コ ミュニケーション 手 段 の 確 保 に 努 め ま す 飲 み 込 みに 必 要 な 器 官 の 機 能 訓 練 を 行 うとともに 食 べる 物 姿 勢 食 べ 方 などをどのように 工 夫 すれば 安 全 に 食 事 ができるか を 検 討 します 各 種 検 査 を 用 いて 評 価 を 行 い 能 力 に 応 じた 機 能 訓 練 を 行 うとともに 代 償 方 法 の 獲 得 を 援 助 し 早 期 の 社 会 復 帰 や 家 庭 復 帰 QOL( 生 活 の 質 )の 向 上 を 支 援 します 2008 年 4 月 より 整 形 外 科 部 リハビリテーション 室 に 言 語 聴 覚 士 を 配 置 し 現 在 は 2 名 体 制 で 松 下 記 念 病 院 の 入 院 外 来 患 者 さまのリハビリテーションを 行 っています また 自 宅 でできる 飲 み 込 みのリハビリのパンフレットを 作 成 し 退 院 時 にお 渡 ししています 興 味 のある 方 はリ ハビリテーション 室 までお 声 掛 けください ことばや 飲 み 込 みのことで 困 ったことがありましたら まずは 主 治 医 にご 相 談 ください 必 要 に 応 じ リハビリ テーション 室 の 紹 介 をうけることができます 6
(アンギオ 担 当 技 師 ) 鹿 園 杉 本 廣 谷 出 口 浦 田 血 管 撮 影 検 査 法 ( アンギオ グラフィー) と 呼 ばれ 血 管 の 状 態 や 流 れを 調 べるため そ け い ぶ 血 管 にカテーテルと 呼 ばれる 細 い 管 を 鼠 径 部 または 腕 の 動 脈 から 挿 入 し 管 から 造 影 剤 という 薬 剤 を 注 入 し 血 管 の 狭 窄 動 脈 瘤 やがん 等 を 診 断 する 方 法 です 略 してアンギオと 呼 ばれます 造 影 剤 を 使 用 することで X 線 は 遮 断 され 単 なる 撮 影 では 確 認 しづらい 血 管 を 影 として X 線 写 真 上 に 描 き 出 します 心 臓 の 血 管 アンギオを 行 うことにより 生 活 習 慣 病 のがん 心 筋 梗 塞 脳 卒 中 などの 病 変 部 の 形 血 管 の 狭 窄 の 程 度 や 位 置 を 確 認 することがで きます アンギオ これらの 病 変 に 対 してカテーテルによる 血 管 内 治 療 IVR (Interventional Radiology) も 行 われま す この 治 療 の 利 点 は 外 科 的 手 術 に 比 べて 頭 や 胸 腹 を 切 らずに 行 うため 身 体 への 負 担 が 少 ないこ とです 画 像 処 理 で 血 管 以 外 の 骨 や 臓 器 などの 不 必 要 な 画 像 を 消 して 血 管 だけの 画 像 を 得 ることができる DSA(digital subtraction angiography) 機 能 が あります 画 像 操 作 室 身 体 の ま わ り を 回 転 し な が ら 撮 影 を 行 い 立 体 的 な 血 管 像 を 撮 影 す る 3 D - R A ( 3 d i m e n s i o n a l rotational angiography) 機 能 も 備 えており 診 断 や 治 療 計 画 から 術 後 の 管 理 にも 多 く 利 用 されて います 当 院 は 全 国 循 環 器 撮 影 研 究 会 被 ばく 線 量 低 減 推 進 施 設 です 7
全 国 的 に 増 加 傾 向 にある 糖 尿 病 などの 生 活 習 慣 病 に 対 し 早 期 から 介 入 するこ とで 心 血 管 疾 患 を 予 防 できるよう 誠 心 誠 意 診 療 させていただきます 皆 さまが 健 やかな 生 活 を 送 る 助 けとな る 医 療 を 努 めてまいりたいと 思 います よろしくお 願 いします 呼 吸 器 一 般 やリウマチ 膠 原 病 いわゆる 難 病 の 患 者 さまを 中 心 に 担 当 いたします 病 を 得 て そこから 新 たな 一 歩 を 踏 み 出 される 方 の 傍 らに 寄 り 添 っていける 医 師 をめざします 皆 さま お 一 人 お 一 人 とゆっくりお 話 を しながら 診 療 したいと 思 っています 病 気 のことはもちろん 日 々の 暮 らしの 中 での 出 来 事 を 是 非 お 聞 かせください 何 でもわからないことなど 気 軽 にご 相 談 いただきたいと 思 います 小 児 の 血 液 の 病 気 特 に 小 児 白 血 病 の 治 療 を 専 門 にし ております 普 段 の 治 療 では むやみに 検 査 をしたり 薬 を 使 ったりするのではなく 子 どもたちにとって 本 当 に 必 要 な 事 は 何 なのかを 考 える 事 を 心 がけております 婦 人 科 腫 瘍 の 診 断 治 療 を 中 心 に 産 婦 人 科 全 般 にわたり 診 療 しています 他 科 スタッフとも 協 調 して 患 者 さまの 状 態 に 適 した 治 療 に 努 めます 疾 患 を 治 療 するだけでなく 同 じ 女 性 として 真 摯 な 態 度 で 患 者 さまの 悩 みや 不 安 もケアしていきたいと 考 えており ます 患 者 さまの 大 切 な 命 を 預 かる 者 とし て 常 に 安 全 を 心 がけて 麻 酔 をしてい きます 安 心 安 全 な 麻 酔 管 理 を 行 います よろしくお 願 いします 患 者 さまを 安 心 させられるよう 誠 心 誠 意 で 診 療 を 行 うことを 目 標 としています よろしくお 願 いします 皆 さまから 信 頼 される 仕 事 をしたい と 思 います