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ず 一 見 蕁 麻 疹 様 の 浮 腫 性 紅 斑 が 初 発 疹 で ある 点 です この 蕁 麻 疹 様 の 紅 斑 は 赤 みが 強 く 境 界 が 鮮 明 であることが 特 徴 です こ のような 特 異 疹 の 病 型 で 発 症 するのは 若 い 女 性 に 多 いと 考 えられています また スギ 花 粉 がアトピー 性 皮 膚 炎 の 増 悪 因 子 として 働 いた 時 には 蕁 麻 疹 様 の 紅 斑 のみ ではなく 全 身 の 多 彩 な 紅 斑 丘 疹 が 出 現 し アトピー 性 皮 膚 炎 の 皮 膚 症 状 が 増 悪 する ことがあります このような 花 粉 による 皮 膚 炎 はスギ 花 粉 に 限 らずシラカバ 牧 草 ブタクサなどの 夏 から 秋 花 粉 による 空 気 伝 搬 性 接 触 皮 膚 炎 が 報 告 されています 秋 の 11 月 12 月 にかけて 眼 瞼 皮 膚 炎 の 患 者 数 が 多 くなることが 知 られていますが 秋 におけるスギ 花 粉 の 飛 散 による 眼 瞼 皮 膚 炎 とブタクサなどの 秋 花 粉 抗 原 による 眼 瞼 皮 膚 炎 の 患 者 が 増 加 するためと 考 えら れています 検 査 所 見 花 粉 による 皮 膚 炎 を 最 終 的 に 診 断 する ために 最 も 重 要 な 検 査 法 が 花 粉 抗 原 エキ スによるスクラッチパッチテストです 花 粉 抗 原 によるスクラッチ(ストリッピン グ) 後 にパッチテストを 施 行 します スギ のスクラッチ(ストリッピング)パッチテ ストでは 24 時 間 後 48 時 間 後 72 時 間 後 に 陽 性 となるのが 特 徴 です 鑑 別 疾 患 スギ 花 粉 皮 膚 炎 の 特 徴 は 春 先 秋 に 生 じ 他 の 季 節 には 生 じないこと 次 に 顔 眼 囲 などの 露 出 部 位 もしくは 頚 部 など 間 擦 部 に 生 じやすいこと 典 型 的 なアレルギー 性 接 触 皮 膚 炎 と 異 なり 丘 疹 水 疱 を 混 じた 多 彩 な 湿 疹 局 面 は 通 常 形 成 されず 一 見 蕁 麻 疹 様 の 境 界 鮮 明 な 浮 腫 性 紅 斑 が 初 発 疹 である 点 ですが 臨 床 的 には 以 下 の 疾 患 が 鑑 別 する 必 要 がありま す

1 接 触 皮 膚 炎 点 眼 薬 化 粧 品 毛 染 めなど によるアレルギー 性 接 触 皮 膚 炎 洗 剤 による 刺 激 性 皮 膚 炎 な ども 鑑 別 診 断 が 必 要 となりま すが 季 節 的 に 花 粉 の 飛 散 する 季 節 だけに 発 症 する 点 臨 床 的 に 表 皮 性 変 化 の 乏 しい 紅 斑 及 びスクラッチパッチテスト パ ッチテストなどで 容 易 に 鑑 別 できます しかし 点 眼 薬 によ るアレルギー 性 接 触 皮 膚 炎 は スギ 花 粉 症 の 眼 粘 膜 症 状 の 治 療 に 抗 ヒスタミン 薬 の 点 眼 薬 が 使 用 されることもあり 鑑 別 に 苦 慮 することがあります 眼 囲 顔 の 湿 疹 性 紅 斑 局 面 を 認 めるときはまず 現 在 使 用 して いる 点 眼 薬 化 粧 品 洗 顔 石 鹸 毛 染 め 頭 髪 剤 消 毒 薬 などを 中 止 して 軽 快 しないかどう かを 確 認 することが 最 も 大 切 です 2 脂 漏 性 皮 膚 炎 季 節 の 変 わり 目 に 増 悪 することがあり 鑑 別 する 必 要 のある 疾 患 です 鼻 翼 外 側 頭 部 眉 間 耳 孔 部 などの 脂 漏 部 位 に 脂 性 鱗 屑 を 伴 う 境 界 が 明 瞭 な 紅 斑 で 辺 縁 に 毛 孔 一 致 性 の 丘 疹 が 見 られる 点 痒 みは 軽 度 な 点 花 粉 症 を 伴 っていない 点 が 異 なります 3 酒 さ 額 頬 眉 間 鼻 に 繰 り 返 しほてりが 生 じる 疾 患 で 光 線 などが 関 与 して 血 管 が 拡 張 することにより 発 症 する 中 年 の 女 性 に 多 い 疾 患 です 顔 に 次 第 に 丘 疹 膿 疱 血 管 拡 張 が 出 現 して 丘 疹 が 集 まり 肉 芽 腫 形 成 に 至 ることもあります 花 粉 皮 膚 炎 のように 強 い 痒 みがない 点 にきび 様 の 膿 疱 がみとめられる 点 と 花 粉 症 を 伴 って いない 点 が 異 なります 発 症 機 序 花 粉 による 皮 膚 炎 の 発 症 メカニズムは 現 在 まだ 明 らかになっていません スギ 花 粉 によ る 皮 膚 炎 の 患 者 のスクラッチテストの 結 果 では 施 行 15 分 後 の 膨 疹 は 消 退 しますが 24 時 間 後 には 再 び 浮 腫 性 の 紅 斑 がみられ その 病 理 組 織 において 真 皮 上 層 の 浮 腫 と 好 酸 球 の 浸 潤 が 見 られます 以 上 のことは スギ 花 粉 による 皮 膚 炎 がスギ IgE 抗 体 を 介 した 遅 発 型 反

応 に 近 い 反 応 である 可 能 性 を 示 すものであります しかし 一 部 の 症 例 では 軽 度 の 海 綿 状 態 (spongiosis)が 見 られることもあり またテープストリッピング 後 のスギパッチテストで 48 72 時 間 後 に 陽 性 になるなど 遅 発 型 アレルギー 反 応 も 関 与 している 可 能 性 は 否 定 できません 近 年 マウスの 背 部 皮 膚 をストリッピン グして 角 層 を 障 害 し た 後 にスギ 花 粉 抗 原 (Cryj1, Cryj2)を 含 む 試 薬 を 抗 原 として1 週 間 ずつ3 回 貼 付 す ることにより 経 皮 感 作 したスギ 花 粉 モデ ルマウスを 作 成 し 発 症 機 序 を 解 析 しまし た モデルマウスの 解 析 結 果 スギ 花 粉 皮 膚 炎 の 発 症 においてマ スト 細 胞 が 産 生 するプロスタグランデイン D2 とその 受 容 体 である CRTH2 が 重 要 な 役 割 を 果 たすことが 明 らかにされました 治 療 と 対 策 治 療 法 は 対 症 療 法 として 非 鎮 静 性 の 第 2 世 代 の 抗 ヒスタミン 薬 を 処 方 するなど 花 粉 症 そのものの 治 療 が 必 要 です また 接 触 皮 膚 炎 診 療 ガイドラインに 沿 って 皮 膚 局 所 には 炎 症 の 強 い 皮 膚 炎 では medium 程 度 までのステロイド 外 用 薬 もしくはアトピー 性 皮 膚 炎 の 治 療 薬 であるタクロリムス 外 用 薬 を 外 用 し 炎 症 を 抑 える 必 要 があります 炎 症 が 抑 えられた 時 点 で ヘパリン 類 似 物 質 含 有 軟 膏 白 色 ワセリンなどの 保 湿 剤 に 変 更 します また 過 度 の 皮 膚 の 洗 浄 化 粧 シャンプー リンスなどでバリアを 障 害 するようなことは 控 える 必 要 があります 花 粉 抗 原 は 角 層 を 通 過 できないので スキンケアにより 角 層 バリア 機 能 を 保 つ ことが 予 防 の 重 要 なポイントです 根 本 的 な 治 療 法 は 現 在 のところなく アレルギー 性 接 触 皮 膚 炎 と 同 様 に 花 粉 抗 原 にできるだけ 接 触 しないよう 気 をつけることが 予 防 法 です その ためには マスク マフラーなどで 花 粉 が 直 接 皮 膚 に 接 触 しないようにすること 外 出 後 は シャワーなどでよく 顔 頚 部 頭 を 洗 いスギ 抗 原 を 除 去 することであります また 家 の 外 で 干 していたシーツ 下 着 服 などについた 花 粉 抗 原 で その 下 着 などを 着 ることにより 陰 部 躯 幹 に 接 触 し 花 粉 皮 膚 炎 を 生 じた 症 例 の 報 告 もあるので 直 接 肌 に 触 れるシーツ 下 着 服 などは 家 の 中 で 干 すように 指 導 することも 大 切 です

まとめ 花 粉 皮 膚 炎 は 現 病 歴 臨 床 的 特 徴 皮 膚 アレルギー 検 査 などで 比 較 的 容 易 に 診 断 できます 治 療 は 花 粉 症 の 治 療 に 加 え 皮 膚 の 炎 症 は medium 程 度 のステロイド 外 用 薬 を 外 用 すると ともに 外 出 後 などは 花 粉 を 洗 い 流 した 後 顔 など 露 出 部 のスキンケアが 必 要 不 可 欠 です 春 先 秋 に 生 じる 顔 が 赤 くなる 皮 膚 炎 には 化 粧 洗 剤 毛 染 めなどによるアレルギー 性 接 触 皮 膚 炎 以 外 に 花 粉 皮 膚 炎 があることを 念 頭 に 置 いて 診 療 する 必 要 があります