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1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

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私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

スライド 1

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

公表表紙

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

定款  変更

16 日本学生支援機構

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

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根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

Taro-条文.jtd


m07 北見工業大学 様式①

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

片岡氏提出資料

2016年夏のボーナス見通し

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

別紙3

弁護士報酬規定(抜粋)

子ども手当見直しによる家計への影響~高所得者層の可処分所得は大幅減少に

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

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第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

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スライド 1

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申 請 免 除 申 請 免 除 ( 学 生 以 外 ) 学 生 納 付 特 例 制 度 若 年 者 納 付 猶 予 制 度 法 定 免 除 世 帯 構 成 図 表 1 国 民 年 金 保 険 料 の 免 除 の 種 類 と 所 得 基 準 本 人 世 帯 主 配 偶 者 の 所 得 に 応 じて 免

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

Taro-事務処理要綱250820

一般競争入札について

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

平成24年度 業務概況書

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2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

減 少 率 ) と 平 均 余 命 の 伸 びを 勘 案 した 一 定 率 (0.3%) の 合 計 である スライド 調 整 率 を 差 し 引 いて 年 金 額 の 改 定 が 行 われる( 図 表 ) ただし マクロ 経 済 スライドが 完 全 に 実 施 されるのは 賃 金 や 物 価 があ

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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PowerPoint プレゼンテーション

2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

(3) 善 通 寺 市 の 状 況 善 通 寺 市 においては 固 定 資 産 税 の 納 期 前 前 納 に 対 する 報 奨 金 について 善 通 寺 市 税 条 例 の 規 定 ( 交 付 率 :0.1% 限 度 額 :2 万 円 )に 基 づき 交 付 を 行 っています 参 考 善 通 寺

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定款

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

Taro-契約条項(全部)

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

【労働保険事務組合事務処理規約】

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タイトル

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

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質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

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就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

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奨学事業戦略部個人情報ファイル簿

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~


情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

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アイオワ ニューハンプ サウスカロライナ ネバダ アラバマ アラスカ アーカンソー ジョージア マサチューセッツ ミネソタ オクラホマ テネシー テキサス バーモント バージニア カンサス ケンタッキー ルイジアナ メイン プエルトリコ ハワイ アイダホ ミシガン ミシシッピ ワシントンDC ワイオミング フロリダ イリノイ ミズーリ ノースカロライナ 北 マリアナ オハイオ アリゾナ ユタ ウィスコンシン コロラド ニューヨーク アイオワ ニューハンプ ネバダ サウスカロライナ アラバマ アーカンソー コロラド ジョージア マサチューセッツ ミネソタ オクラホマ ネテシー テキサス バーモント バージニア サモア 海 外 カンサス ルイジアナ ネブラスカ メイン ミシガン ミシシッピ 北 マリアナ フロリダ イリノイ ミズーリ ノースカロライナ オハイオ アリゾナ アイダホ ユタ アラスカ ハワイ ワシントン ウィスコンシン ワイオミング ニューヨーク Apr 22, 216 No.216-18 Economic Monitor 上 席 研 究 員 鈴 木 裕 明 3-3497-3656 suzuki-hi@itochu.co.jp 米 国 大 統 領 選 UPDATE: 異 端 候 補 躍 進 が 示 す 米 国 の 苦 悩 と 変 容 大 統 領 選 挙 戦 において 異 端 候 補 であるトランプ/サンダース 旋 風 が 止 まない その 背 景 には 1 所 得 格 差 拡 大 と 中 間 層 以 下 の 実 質 所 得 減 少 2マイホーム 取 得 の 困 難 化 3 大 学 進 学 の 費 用 高 騰 など 一 般 的 な 米 国 庶 民 が 拠 り 所 と 夢 を 失 い 希 望 を 奪 われつつある 現 状 がある 両 異 端 候 補 は そうした 米 国 民 の 不 満 と 不 安 の 受 け 皿 となり 大 胆 な 政 策 を 提 示 して 人 気 を 集 め ている こうした 政 策 を 実 際 に 進 めるに 当 たっては 議 会 の 承 認 も 必 要 となるため 実 現 性 は 乏 しいが 貿 易 投 資 の 自 由 化 に 関 しては 滞 留 する 可 能 性 もある トランプ/サンダース 旋 風 止 まず 候 補 者 としては 異 端 とみられていたトランプ サンダース 両 候 補 の 健 闘 が 続 いている 4 月 19 日 のニ ューヨーク 州 共 和 党 予 備 選 において トランプ 候 補 は 得 票 率 6.4%で 首 位 となり 95 人 中 89 人 の 代 議 員 を 獲 得 した 累 計 でも 獲 得 代 議 員 数 は 845 人 となり 依 然 として 首 位 を 堅 持 7 月 の 党 大 会 までの 過 半 数 確 保 の 可 能 性 を 残 している 他 方 サンダース 候 補 も 同 日 のニューヨーク 州 民 主 党 予 備 選 において クリントン 候 補 (58.%)には 敗 れたものの 42.%の 票 を 得 て 291 人 中 16 人 の 代 議 員 を 獲 得 した 累 計 でも 予 備 選 挙 結 果 に 対 応 す る 一 般 代 議 員 数 では クリントン 1,446 人 に 対 してサンダース 1,2 人 となっている(ニューヨークタイ ムズ 紙 推 計 日 本 時 間 4 月 22 日 時 点 ) サンダースが そもそも 民 主 党 所 属 ですらない 自 称 民 主 社 会 主 義 者 であることを 考 慮 すれば 大 健 闘 といえるだろう 共 和 党 候 補 者 の 獲 得 代 議 員 数 推 移 ( 累 計 ) 民 主 党 候 補 者 の 獲 得 代 議 員 数 推 移 ( 累 計 ) 9 8 7 6 5 4 3 2 トランプ クルーズ ケーシック スーパーチューズデー (3 月 1 日 ) ミニ スーパー チューズデー (3 月 15 日 ) 15 12 9 6 3 クリントン サンダース スーパーチューズデー (3 月 1 日 ) ミニ スーパー チューズデー (3 月 15 日 ) 1 ( 出 所 )ニューヨークタイムズ 推 計 より 作 成 ( 出 所 )ニューヨークタイムズ 推 計 より 作 成 この 先 の 予 備 選 挙 を 見 通 すと サンダースについては 予 備 選 の 結 果 に 拘 束 されない 特 別 代 議 員 の 大 多 数 をクリントンが 押 さえているために 最 終 的 に 民 主 党 候 補 となる 見 込 みはほとんどないが トランプに ついては 共 和 党 候 補 となる 可 能 性 を 十 分 に 残 している トランプが 党 大 会 までに 代 議 員 数 の 過 半 数 を 取 れていなかったとしても 獲 得 数 首 位 で 大 会 に 臨 むことになるのは 間 違 いない 民 主 共 和 双 方 におい て アウトサイダー 候 補 がここまで 旋 風 を 巻 き 起 こすというのは 過 去 にはみられない 現 象 であり ト ランプのメディア 利 用 の 上 手 さ といった 俗 人 的 技 術 的 な 理 由 だけで 説 明 できるものではない 今 回 の 状 況 は まさに 米 国 民 が 抱 える 問 題 を 一 向 に 解 決 できない 既 存 のワシントン 政 治 への 不 信 を 示 すもの 本 資 料 は 情 報 提 供 を 目 的 として 作 成 されたものであり 投 資 勧 誘 を 目 的 としたものではありません 作 成 時 点 で 伊 藤 忠 経 済 研 究 所 が 信 頼 できると 判 断 した 情 報 に 基 づき 作 成 しておりますが その 正 確 性 完 全 性 に 対 する 責 任 は 負 いません 見 通 しは 予 告 なく 変 更 されることがあります 記 載 内 容 は 伊 藤 忠 商 事 ないしはその 関 連 会 社 の 投 資 方 針 と 整 合 的 であるとは 限 りません

と 言 えるであろう 実 際 米 国 民 の 議 会 支 持 率 は 低 迷 しており 世 論 調 査 (Gallup 4 月 )ではわずか 17% となっている 異 端 候 補 躍 進 を 可 能 にした 米 国 民 の 不 満 と 不 安 それでは 現 在 米 国 民 が 抱 える 問 題 とは 何 か それは 将 来 への 閉 塞 感 ややエモーショナルな 言 葉 を 遣 えば 拠 り 所 や 夢 の 喪 失 がいよいよ 明 らかになってきたことではないかと 考 えられる 具 体 的 に 言 うと まず マイホームを 持 つことが 急 速 に 困 難 になってきている 直 近 215 年 1~12 月 期 の 持 ち 家 率 は 63.7%であり これは 過 去 196 年 代 まで 遡 っても 最 低 水 準 となる サブプライムローンによって 24 年 に 69%を 超 えたのはバブルであったとしても 212 年 の 大 統 領 選 時 に 65%まで 下 がった 持 ち 家 率 は その 後 も 低 下 を 続 け 底 打 ちしたのはようやく 215 年 になってからである マイホームは 米 国 人 を 地 域 にし っかりと 繋 ぎ 留 めて 生 活 の 安 定 を 印 象 付 ける 役 割 を 果 持 家 率 の 推 移 (%) 7 69 68 67 66 65 64 63 62 61 6 198 85 9 95 2 5 1 15 ( 出 所 ) 米 国 商 務 省 たしてきた しかし 今 や 若 年 層 を 中 心 として 多 くの 米 国 民 が こうした 拠 り 所 を 持 てなくなって きている 持 家 率 低 下 の 要 因 としては 1 所 得 が 伸 びていないこと 2サブプライムローンの 焦 げ 付 きに 懲 りた 金 融 機 関 が 融 資 態 度 をなかなか 緩 めようとしないこと 3 学 生 ローン 負 担 等 の 問 題 がある 右 図 は 1999 年 を 1 として 実 質 世 帯 所 得 の 推 移 を 見 たものだが 2 世 紀 には 格 差 が 拡 大 はしても 所 得 上 位 でも 下 位 でも 短 期 的 にはアップダウンはありながらも 長 い 目 で 見 れば 所 得 は 皆 増 加 していた ところが 21 世 紀 に 入 ってからはこの 構 図 が 崩 れてくる 1999 年 との 比 較 で 所 得 上 位 5%ではほぼ 横 這 いであるのに 対 して 中 間 値 では 1% 弱 下 位 2%では 1% 強 賃 金 が 減 少 している つまり 格 差 拡 大 と 中 間 層 以 下 の 実 質 所 得 下 落 が 同 時 に 発 生 しているのである この 傾 向 は リーマ ンショック 以 降 顕 著 になる 実 質 世 帯 所 得 の 推 移 (1999 年 =1) 11 中 間 値 1 上 位 5% 下 位 2% 9 8 7 6 198 85 9 95 2 5 1 ( 出 所 ) 米 国 商 務 省 米 国 は 先 進 諸 国 の 中 ではもともと 所 得 格 差 が 大 きく しかも 格 差 は 拡 大 してきていたが そうした 中 で も 近 年 Occupy Wall Street 運 動 のように 格 差 問 題 が 特 に 大 きくクローズアップされるようにな ってきている 格 差 拡 大 だけではなく 中 間 層 以 下 の 実 質 所 得 が 減 少 しているという 事 実 こそが その 大 きな 要 因 ではないかと 考 えられる この 問 題 は そのまま 都 市 間 での 所 得 格 差 にも 当 てはまる ニューヨークのように 所 得 が 高 い 市 民 を 多 く 擁 する 都 市 では 所 得 水 準 の 回 復 が 総 じて 早 く その 一 方 で 荒 廃 して 低 所 得 者 が 多 い 地 方 都 市 では 所 得 水 準 は 停 滞 することになる 所 得 格 差 問 題 は 都 市 ( 地 域 ) 格 差 問 題 でもある 2

このように 所 得 が 伸 びずに 今 はマイホームが 買 えないとしても 将 来 に 期 待 が 持 てれば 希 望 はある しかし 米 国 では この 点 も 危 うくなってきている 日 本 以 上 に 学 歴 社 会 の 面 がある 米 国 において 一 代 で 成 り 上 がり アメリカン ドリーム を 実 現 する 突 破 口 となるはずの 大 学 進 学 が 困 難 かつ 割 の 合 わな いものになってきているのである 大 学 の 学 費 の 上 昇 具 合 を 消 費 者 物 価 指 数 ( 大 学 費 用 ) の 推 移 でみると 過 去 1 年 で 1.6 倍 に 上 昇 しており 私 立 大 では 学 費 に 3 万 ドル 寮 費 に 1 万 ドルを 用 意 する 必 要 がある これに 対 して 214 年 の 世 帯 所 得 ( 中 間 値 ) は 54, ドル 程 度 であり この 収 入 では 高 騰 した 学 費 を 賄 えるはずもない したがって 多 くの 学 生 は 学 生 ロ ーンに 頼 ることになり その 結 果 学 生 ローン 残 高 は 1 年 で 2.7 倍 214 年 の 卒 業 生 の 7 割 が 学 生 ローンを 抱 え その 平 均 残 高 は 29, ドルに 達 する さらには これだけの 負 担 を 背 負 い 大 学 を 卒 業 しても 近 年 雇 用 学 生 ローン 残 高 (1 億 ドル) 大 学 学 費 (26/3=1) 推 移 14 175 26 27 28 29 21 211 212 213 214 215 ( 出 所 )FRB 米 国 労 働 省 が 増 加 する 主 な 職 種 は 比 較 的 低 賃 金 の 外 食 小 売 派 遣 などとなっている これでは 就 職 しても 学 生 ロ ーンの 返 済 はままならず まして さらに 借 金 を 重 ねてマイホームを 購 入 することなど 到 底 不 可 能 とい うことになる リーマンショック 後 米 国 経 済 はマクロでみれば 概 ね 2% 台 の 経 済 成 長 が 続 き 失 業 率 も 212 年 の 約 8% が 足 下 では 5% 程 度 にまで 低 下 した しかし その 一 方 で 学 生 ローン 負 担 に 喘 ぎ マイホームの 夢 も 遠 のきという 不 満 と 不 安 で 一 杯 になった 自 らの 状 況 を 振 り 返 れば 現 状 の 延 長 線 上 にある 政 権 が 出 来 たとし ても 自 分 の 状 況 が 改 善 されることなどないと 考 えるようになったとしても 不 思 議 ではない そこに サンダースが 現 れ 公 立 大 学 の 学 費 無 償 化 という 大 胆 な 公 約 をする また トランプは 海 外 に 駐 留 している 米 軍 の 経 費 をもっと 同 盟 国 に 出 させる あるいは 撤 収 して 国 の 資 金 は 不 振 に 陥 った 地 方 都 市 に 回 すと 主 張 する こうした 異 端 候 補 の 大 胆 な 施 策 は 多 くの 米 国 民 には 魅 力 的 に 映 る もちろん 事 態 はそんなに 簡 単 ではない 学 費 無 償 化 などサンダースの 約 束 する 大 盤 振 る 舞 いには そ の 財 源 として 大 増 税 が 必 要 となり 経 済 を 下 押 しすることになる より 一 般 的 に 言 えば 格 差 縮 小 のため には 所 得 再 分 配 の 調 整 を 進 めつつ 経 済 成 長 への 悪 影 響 を 防 ぎ むしろ 成 長 を 加 速 して 全 体 のパイを 増 や していくことが 必 要 となるが 実 現 するのは 極 めて 難 しい また トランプの 言 うように 米 軍 が 世 界 から 撤 収 した 場 合 には 安 全 保 障 に 関 する 直 接 的 なマイナス 以 外 にも 自 由 経 済 と 民 主 主 義 法 治 主 義 さら には 海 上 輸 送 上 の 安 全 確 保 といった 世 界 経 済 の 暗 黙 のインフラを 危 うくするリスクを 冒 すことになる しかし 米 国 民 一 人 一 人 にとっては そうした 自 分 からは 遠 い 世 界 の 出 来 事 よりも 身 近 な 明 日 を 良 くしてくれる 候 補 の 方 がありがたい こうしてみると 両 異 端 候 補 の 躍 進 は 自 然 な 流 れである とすら 思 えてくる しかも 技 術 進 歩 などが 進 むと 高 度 な 知 識 や 技 術 を 持 つ 一 部 の 人 材 への 需 要 が 高 まるために そうした 人 材 の 賃 金 が 中 間 層 以 下 と 比 べて 上 昇 所 得 格 差 はますます 拡 大 する 可 能 性 が 高 い また 相 対 的 に 成 長 率 の 高 い 新 興 国 経 済 が 伸 びていけば 世 界 全 体 に 占 める 米 国 の 経 済 政 治 面 でのプレゼンスは 低 下 が 不 可 12 1 8 6 4 2 学 生 ローン 15 学 費 ( 右 軸 ) 125 1 75 5 25 3

避 となり 海 外 に 米 軍 を 駐 留 させる 費 用 など 出 したくないという 論 調 が 強 まることが 考 えられる こうし た 不 可 逆 的 な 変 化 は 政 権 がよほど 上 手 く 対 応 しない 限 りは 今 後 も 米 国 民 の 不 満 と 不 安 を 蓄 積 させ 米 国 を 内 向 きにする 要 因 であり 続 ける トランプの 政 策 は 実 現 可 能 性 が 鍵 クリントンはオバマ 現 政 権 の 延 長 それでは もしトランプが 大 統 領 になった 場 合 新 政 権 ではどのような 政 策 が 予 想 されるのか 既 存 の やり 方 を 否 定 して 打 ち 出 す 大 胆 な 諸 政 策 は いずれも その 実 現 可 能 性 が 鍵 となる 米 国 では 当 然 ながら 重 要 な 施 策 を 進 めるためには 予 算 措 置 立 法 措 置 が 必 要 となるため トランプ 新 大 統 領 は 議 会 の 承 認 を 得 なくてはならない 大 統 領 選 挙 と 同 時 に 連 邦 上 院 ( 改 選 は3 分 の1) 下 院 ( 全 議 席 改 選 ) 選 挙 が 実 施 されるが 上 院 では 多 数 派 が 共 和 党 から 民 主 党 に 逆 転 する 可 能 性 があるものの 下 院 は 引 き 続 き 共 和 党 が 多 数 を 占 めることがほぼ 確 実 とみられる つまり 新 大 統 領 は 重 要 施 策 推 進 にあたっては 必 ず 共 和 党 を 納 得 させる 必 要 がある トランプの 経 済 政 策 は 富 裕 層 にも 貧 困 層 にも 企 業 にも 万 遍 なく 優 しい 大 減 税 が 中 心 である 富 裕 層 の 最 高 税 率 は 現 行 の 39.6%から 25.%に 引 き 下 げられ 減 税 によって 所 得 税 を 支 払 う 必 要 のない 家 計 の 割 合 は 5%に 達 し 法 人 税 は 35%から 15%に 下 がり 相 続 税 は 廃 止 される 減 税 規 模 は 1 年 で 1 兆 ド ルとの 試 算 もあり 仮 に 歳 出 削 減 や 景 気 拡 大 等 による 税 収 の 自 然 増 などがなければ 財 政 赤 字 はリーマン ショック 時 と 匹 敵 する GDP 比 8~9% 程 度 にまで 拡 大 する 恐 れがある これに 対 して 歳 出 面 では 教 育 省 などいくつかの 政 府 機 関 の 廃 止 など 削 減 策 も 唱 えるが 他 方 におい て 荒 廃 した 地 方 都 市 へのインフラ 整 備 雇 用 創 出 に 注 力 するとしている また 医 療 に 関 しても オバ マケア 方 式 は 否 定 するものの 全 国 民 が 必 要 な 医 療 に 手 が 届 くようにすると 述 べる 国 家 がこれだけ 経 済 に 関 与 する 大 きな 政 府 系 の 政 策 は 共 和 党 よりはむしろ 民 主 党 に 近 く その 結 果 大 幅 な 赤 字 予 算 と なれば 共 和 党 が 多 数 を 占 める 議 会 は 到 底 通 らない このままでは トランプの 政 策 が 実 現 する 可 能 性 は ない 外 交 政 策 も 同 様 である トランプは 大 統 領 になれば 米 軍 を 駐 留 させている 同 盟 国 に 対 して 経 費 負 担 増 額 を 強 く 求 めると 述 べているが 米 軍 撤 収 を 辞 さないというラジカルな 内 向 き 主 義 に 対 しては 共 和 党 の 中 道 からネオコン 保 守 まで 多 くの 識 者 キーパーソンが 強 い 反 対 意 見 を 表 明 している そうした 中 で トランプの 基 地 再 編 案 が 連 邦 議 会 を 通 ることは 不 可 能 であろう また メキシコとの 国 境 にメキシコ 政 府 の 負 担 で 壁 を 作 るなどといった 主 張 も 現 実 的 ではない トランプが 自 身 の 政 策 をごり 押 ししようとすれば 議 会 とは 深 刻 な 対 立 に 陥 る トランプの 政 策 が 大 胆 かつ 非 現 実 的 である 分 議 会 との 対 立 は オバマ 政 権 時 をはるかに 上 回 るものとなろう そうなれば ト ランプはメディアを 利 用 して 議 会 を 悪 者 にしようとするだろうが それで 議 会 を 通 せるだろうか トラン プ 色 は 残 しながらも 落 としどころは 常 識 の 通 用 する 範 囲 内 になるとみるのが 妥 当 であろう その 範 囲 で 財 政 は 拡 張 的 外 交 は 内 向 きを 強 めることが 予 想 される これに 対 して 民 主 党 候 補 についてはサンダースとなる 見 込 みが 小 さいため クリントンが 大 統 領 になっ た 場 合 を 考 えてみると 原 則 として オバマ 政 権 の 政 策 の 継 承 となる 経 済 政 策 では 選 挙 公 約 として バフェット ルール( 富 裕 層 に 最 低 実 効 税 率 を 設 定 ) 導 入 など 富 裕 層 に 対 する 増 税 法 人 に 対 しては 4

国 際 的 な 租 税 回 避 の 阻 止 歳 出 については インフラ 投 資 や 科 学 技 術 投 資 を 拡 大 し オバマケアも 強 化 拡 大 するとしている これらの 政 策 の 多 くは オバマも 実 施 したいと 考 えてはいたものの 共 和 党 議 会 の 反 対 があって 実 現 し なかったものである したがって クリントン 政 権 になったとしても 議 会 が 共 和 党 であれば 引 き 続 き 議 会 の 反 対 を 受 け 実 現 に 苦 労 することは 容 易 に 予 想 される ただし 議 会 との 交 渉 に 関 しては オバマ よりもクリントンの 方 が 熱 心 かつ 巧 みではないかと 指 摘 する 声 は 多 い また 議 会 側 も 下 院 のポール ラ イアン 議 長 は 前 任 のベイナー 議 長 よりも 共 和 党 内 の 取 り 纏 めをスムーズにこなしていることから オバマ 時 代 ほどには 決 められない 議 会 にはならないのではないか と 期 待 される クリントン 大 統 領 でも 貿 易 投 資 自 由 化 は 滞 留 の 可 能 性 そうした 中 で トランプ クリントン さらには 議 会 の 民 主 党 共 和 党 が 比 較 的 合 意 しやすい 分 野 が 通 商 政 策 であろう その 合 意 内 容 とは 残 念 ながら 反 自 由 貿 易 主 義 である 最 も 激 しい 政 策 を 唱 えるのはトランプであり NAFTA を 災 厄 (disaster) と 表 現 し TPP も 極 めて 激 しく 批 判 為 替 操 作 を 通 じて 米 国 経 済 を 壊 し 雇 用 を 奪 う 中 国 や 日 本 に 責 任 を 取 らせる 法 案 を 通 すべきであるとして WTO 規 定 などお 構 いなしに 中 国 に 45%の 報 復 関 税 を 課 するとも 発 言 している 国 務 長 官 時 代 には TPP を 推 進 していたクリントンも 今 回 の 選 挙 戦 では TPP の 為 替 操 作 防 止 に 関 す る 内 容 が 不 足 であり また 原 産 地 規 則 も 甘 すぎるとして TPP は 水 準 には 達 しないものと 反 対 また NAFTA は 再 交 渉 が 必 要 であり その 他 既 存 の FTA を 再 検 証 するとしている さらには 日 本 や 中 国 は 為 替 操 作 国 であり 米 国 の 雇 用 を 奪 うと 非 難 し 報 復 関 税 等 の 対 抗 措 置 を 主 張 する 保 護 貿 易 を 主 張 するト ランプやサンダースの 人 気 に 流 されるように クリントンもまた 保 護 主 義 に 傾 いている 議 会 についても 民 主 党 では 保 護 主 義 を 唱 える 左 派 議 員 が 増 えて 来 ており TPA 法 案 においても 大 半 の 民 主 党 議 員 が 反 対 して TPP 交 渉 の 足 を 引 っ 張 った また 共 和 党 でも 主 流 派 は 自 由 貿 易 推 進 派 では あるが 右 派 の 一 部 には 保 護 主 義 に 共 鳴 する 議 員 を 抱 える 大 統 領 が 保 護 主 義 に 走 った 時 議 会 がそれ を 押 し 止 める 役 割 を 果 たせるかどうかは かなり 危 うい ただし 大 統 領 選 挙 戦 時 の 発 言 が そのまま 就 任 後 の 実 際 の 政 策 に 直 結 するわけではない 28 年 の 大 統 領 選 挙 予 備 選 においては オバマとクリントンが 激 しく 争 ったが その 際 にも 両 候 補 は 自 分 がいか に 海 外 の 不 公 正 な 貿 易 に 対 して 厳 しく 対 処 するかを 競 い ともに NAFTA 見 直 しを 訴 えた だが 就 任 後 のオバマが NAFTA を 改 悪 することはなく 逆 に 任 期 後 半 においては 自 らの 大 統 領 としてのレガシー とするべく TPP 交 渉 に 注 力 した 賢 明 な 各 候 補 者 は 選 挙 戦 での 発 言 と 就 任 後 の 実 際 の 政 策 を 使 い 分 けてきたのである その 意 味 において 少 なくともクリントンが 現 在 発 言 しているほどに 保 護 主 義 色 を 強 めるとは 思 えな い その 一 方 で 国 務 長 官 時 代 ほどに 自 由 貿 易 派 に 戻 るとも 限 らない 上 述 してきたような 鬱 憤 を 抱 え た 米 国 民 は 為 替 操 作 を 行 い 不 公 正 な 貿 易 によって 米 国 民 から 仕 事 を 奪 う 中 国 や 日 本 という 捌 け 口 を 得 て 反 自 由 貿 易 主 義 に 靡 いており 新 大 統 領 としても そうした 国 民 の 意 思 を 無 視 することは 出 来 ない こうして 考 えてみると トランプ 大 統 領 の 場 合 はもちろん クリントン 大 統 領 の 場 合 で も 米 国 の 貿 易 投 資 自 由 化 の 流 れは ある 程 度 は 滞 留 を 余 儀 なくされることも 想 定 されよう 5