X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 概 要 ) X リーグスポーツ 振 興 くじ 助 成 報 告 書 ( 平 成 25 年 度 ). 方 法 -1.X リーグ 観 戦 者 調 査 -1-1. 目 的 2013 年 シーズンを 最 後 に 鹿 島 建 設 が X リーグから 撤 退 し 純 粋 な 企 業 クラブは 富 士 通 フロンティアー ズとパナソニック インパルスの 2 クラブだけとなった 経 済 状 況 は 一 進 一 退 ながらわずかに 回 復 の 兆 しがみられるものの X リーグ 各 クラブの 経 営 が 難 しくなっている 状 況 は 変 わっていない こうしたな か 社 会 人 アメリカンフットボール 協 会 (NFA)では 2013 年 の 事 業 計 画 においてもマーケティング& プロモーション 活 動 に 注 力 することを 明 記 している 現 在 NFA の 収 入 の 80%が 参 加 クラブからの 登 録 費 運 営 費 であるが トップリーグとして 魅 力 ある 試 合 を 提 供 し 観 戦 型 スポーツへの 転 換 を 図 り 入 場 料 収 入 やスポンサー 収 入 を 増 やしていくことを 目 指 している マーケティングとプロモーションを 進 めるうえで 観 戦 者 のまず 特 徴 を 把 握 することは 重 要 である 特 に X リーグは 企 業 スポーツからの 習 慣 として 一 定 のチケットが 無 料 で 配 布 されており 参 加 クラブの 親 企 業 の 社 員 やその 関 係 者 家 族 などが 多 くを 占 めると 考 えられる マーケティング 上 はこうした 組 織 的 制 度 的 な 属 性 を 持 つ 観 戦 者 を 区 別 する 必 要 があるだろう また X リーグの 試 合 は 他 の 多 くの 企 業 スポーツリーグと 同 様 興 行 権 をクラブではなくリーグ 運 営 会 社 である NFA が 所 有 し 1 会 場 に 参 加 クラブを 集 めて 試 合 を 行 う セントラル 開 催 方 式 の 興 行 で 行 われている これは 各 クラブが 興 行 権 を 持 ち ホーム&アウェイで 行 われる 一 般 的 なプロリーグの 興 行 形 態 とは 大 きく 異 なる 一 般 に スポーツ 興 行 は 観 戦 者 のスタジアムからの 誘 致 距 離 や 誘 致 時 間 といった 地 理 的 変 数 は 重 要 な 変 数 である J リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 によれば J リーグ 観 戦 者 のスタジアムまでのアクセス 時 間 の 平 均 は 52.9 分 観 戦 者 の 78.9%がアクセス 時 間 60 分 以 内 に 居 住 している(J リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2012) また J リーグのシーズンチケット 購 買 率 ( 購 買 者 数 人 口 100)がスタジアムからの 誘 致 距 離 のべき 乗 に 従 って 減 衰 するといわれる( 庄 子 2009) 各 クラブはスタジアムを 中 心 とした 商 圏 にマーケティン グやプロモーションの 資 本 を 集 中 投 下 し 集 客 を 図 っている 一 方 セントラル 開 催 の X リーグでは どのようなアプローチをすればよいだろうか 本 調 査 では 観 戦 者 の 地 理 的 な 分 布 を 明 らかにするととも に エリアマーケティングのための 基 礎 資 料 を 収 集 することを 主 要 な 目 的 とした 参 考 資 料 J リーグ 観 戦 サポーター 調 査 報 告 書 2012 J リーグ 庄 子 博 人 蔵 本 匡 史 間 野 義 之 中 村 好 男 Jリーグシーズンチケット 購 買 率 の 距 離 減 衰 率 とその 規 定 要 因 スポーツ 産 業 学 研 究 Vol.19 No.2 2009 pp.119-127
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 概 要 ) -1-2. 調 査 対 象 調 査 期 間 調 査 方 法 調 査 対 象 X リーグの 試 合 会 場 に 訪 れた 観 戦 者 ( 中 学 生 以 上 ) 調 査 期 間 下 表 の 全 日 程 において 開 場 から 試 合 終 了 まで 実 施 調 査 方 法 配 票 留 置 法 ( 自 記 式 ) 調 査 手 順 中 学 生 を 除 く 全 入 場 者 に 対 して 質 問 紙 の 配 布 を 行 った 随 時 係 員 が 館 内 を 巡 回 して 回 収 する 他 退 場 口 付 近 に 回 収 本 部 を 設 置 し 回 収 を 行 った そ の 他 全 回 答 者 に 対 して X リーグステッカーを 進 呈 した 回 収 数 下 表 のとおり 2-1-3. 調 査 項 目 観 戦 者 の 属 性 観 戦 理 由 応 援 しているチーム 再 観 戦 意 図 他 添 付 資 料 ( 調 査 票 ) 参 照
1. 属 性 性 別 回 答 者 の 性 別 は 男 性 61.3% 女 性 38.7%だった ( 図 表 タイトルの 右 端 もしくは 下 端 の() 内 は 回 答 者 の 対 象 回 答 条 件 nはサンプル 数 を 表 す 以 下 同 じ) 年 代 回 答 者 の 年 代 は 10 代 以 下 2.3% 20 代 16.5% 30 代 18.6% 40 代 23.4% 50 代 24.5% 60 代 11.4% 70 代 以 上 3.3%だった 職 業 回 答 者 の 職 業 は 自 営 業 6.9% 会 社 員 公 務 員 61.5% 主 婦 主 夫 13.0% 中 学 生 0.1% 高 校 生 1.1% 大 学 大 学 院 生 3.2% 専 門 その 他 の 学 生 0.4% パート アルバイト 派 遣 等 非 常 勤 7.1% その 他 6.6%だった
応 援 しているチームの 有 無 回 答 者 の 応 援 しているチームの 有 無 は あり が 90.7% なし が 9.3%となった 応 援 しているチーム 回 答 者 の 応 援 しているチーム は 富 士 通 フロンティアーズ 13.0% パナソニックインパルス 12.5% ア サヒ 飲 料 チャレンジャーズ 12.0% 鹿 島 ディアーズ 11.1%となり 10%を 超 えた 以 上 4 チームに 続 いて オ ービックシーガルズ 8.3% ノジマ 相 模 原 ライズ 7.1%となった
チームを 応 援 している 年 数 回 答 者 の チームを 応 援 している 年 数 は 今 年 から 23.0% 2~5 年 44.4% 6~10 年 19.7% 11~15 年 4.6% 16 年 以 上 7.7%だった また 平 均 値 は 5.7 年 だった チームとの 関 係 回 答 者 の チームとの 関 係 は チームのスポンサー 企 業 および 関 連 企 業 の 社 員 21.1% チームのファンク ラブ 後 援 会 に 入 会 12.4% X リーグの 選 手 1.9% X チームのスタッフ トレーナー チア 1.4% チーム 関 係 者 に 家 族 が 在 籍 21.2% チーム 関 係 者 に 友 人 知 人 が 在 籍 31.7% プライベートリーグの 選 手 0.8% X リーグの 元 選 手 2.0% X リーグの 元 チア 0.4% 大 学 アメフトのファン 16.0% X リーグのファン 16.7% NFL のファン 15.6%だった
2. 観 戦 について 観 戦 予 定 の 試 合 回 答 者 の 観 戦 予 定 の 試 合 は 11 月 9 日 @ 川 崎 球 場 では BULLS フットボールクラブ vs 警 視 庁 イーグルス 57.3% 明 治 安 田 パイレーツ vs ハリケーンズ 54.8% 11 月 10 日 @ 川 崎 球 場 では アサヒビールシルバース ター vs アサヒ 飲 料 チャレンジャーズ 51.7% 鹿 島 ディアーズ vs IBMビッグブルー 60.1% 11 月 16 日 @ 鶴 見 緑 地 球 技 場 では エレコム 神 戸 ファイニーズ vs 西 宮 ブルーインズ 100% 11 月 17 日 @ 長 居 陸 上 競 技 場 では アサヒ 飲 料 チャレンジャーズ vs オービックシーガルズ 57.3% パナソニックインパルス vs 鹿 島 ディアーズ 63.4% 11 月 17 日 @ 横 浜 スタジアムでは 東 京 ガスクリエーターズ vs オール 三 菱 ライオンズ 26.8% 富 士 通 フロンティアーズ vs ノジマ 相 模 原 ライズ 72.6% BULLS フットボールクラブ vs 明 治 安 田 パイレーツ 12.9% だった
過 去 1 年 間 に 見 たアメリカンフットボールの 試 合 回 答 者 の 過 去 1 年 間 に 見 たアメリカンフットボールの 試 合 は X1 の 試 合 90.9% X2~X4 の 試 合 10.0% 大 学 生 の 試 合 25.8% 高 校 生 の 試 合 5.3% プライベートリーグ 1.2%だった また 観 戦 回 数 の 平 均 値 は X1 の 試 合 3.4 回 X2~X4 の 試 合 2.9 回 大 学 生 の 試 合 4.3 回 高 校 生 の 試 合 3.9 回 プライベートリー グ 2.1 回 だった 過 去 1 年 間 のジャパン X ボウル 観 戦 回 数 回 答 者 の ジャパン X ボウル 戦 観 戦 回 数 は 観 戦 した 24.7% 観 戦 していない 75.3%だった 自 宅 からスタジアムまでの 所 要 時 間 回 答 者 の 自 宅 からスタジアムまでの 所 要 時 間 は ~15 分 2.8% 16~30 分 14.3% 31~45 分 12.3% 46~60 分 36.8% 61~90 分 20.0% 91~120 分 7.2% 121 分 以 上 6.7%だった 平 均 は 71.2 分 となっ た
来 場 人 数 回 答 者 の 来 場 人 数 は 1 人 26.9% 2 人 38.5% 3 人 14.4% 4 人 7.9% 5 人 4.7% 6~10 人 5.5% 11 人 以 上 2.2%だった 平 均 は 3.0 人 だった 同 伴 者 回 答 者 の 同 伴 者 は ひとり 26.3% 家 族 43.0% 会 社 の 関 係 者 9.1% アメフト 部 チームの 仲 間 4.3% その 他 の 友 人 知 人 22.3% その 他 0.6%だった
チケットの 入 手 方 法 回 答 者 の チケットの 入 手 方 法 は シーズンチケット 購 入 4.1% インターネットで 購 入 0.4% コンビニで 購 入 4.1% プレイガイドで 購 入 1.2% スタジアムで 購 入 20.1% ファンクラブ 特 典 9.9% チーム 関 係 者 から 購 入 17.8% チーム 関 係 者 からもらった 11.4% 会 社 で 購 入 16.9% 会 社 からもらった 10.4% 招 待 券 3.8% その 他 3.8%だった
X リーグの 情 報 の 主 な 入 手 方 法 回 答 者 の X リーグの 情 報 の 主 な 入 手 方 法 は 新 聞 ( 一 般 紙 ) 9.5% スポーツ 新 聞 4.7% テレビ 2.0% アメフト 雑 誌 16.0% 一 般 の 雑 誌 0.1% 友 人 知 人 家 族 28.5% マッチデープログラム 0.2% X リーグ のミニスケジュール 表 3.6% ポスター 0.8% チラシやパンフレット 等 の 配 布 物 2.8% チームの 会 報 4.4% X リーグのフェイスブックページ 6.5% その 他 の SNS 1.0% ツイッター 2.9% チームの 公 式 ホームペー ジ 36.2% X リーグの 公 式 ホームページ 46.1% NFL Japan.com 2.5% その 他 のウェブサイト 0.6% そ の 他 2.9%だった
チケットの 購 入 金 額 回 答 者 の チケット 購 入 金 額 は 0 円 65.6% 1~1,000 円 未 満 5.0% 1,000~1,200 円 未 満 7.9% 1,200 ~1,500 円 未 満 5.0% 1,500~2,000 円 未 満 15.0% 2,000 円 以 上 1.4% 平 均 値 は 498.6 円 だった 支 払 意 思 額 回 答 者 の 支 払 い 意 思 額 は 0 円 1.6% 1~1,000 円 未 満 11.1% 1,000~1,200 円 未 満 37.7% 1,200 ~1,500 円 未 満 2.6% 1,500~2,000 円 未 満 24.8% 2,000 円 以 上 22.1% 平 均 値 は 1,389.6 円 だった
1 か 月 の 自 由 裁 量 所 得 回 答 者 の 1 か 月 の 自 由 裁 量 所 得 は 1,000 円 未 満 2.0% 1,000~5,000 円 未 満 1.5% 5,000~10,000 円 未 満 4.0% 10,000~30,000 円 未 満 29.0% 30,000~50,000 円 未 満 28.3% 50,000~100,000 円 未 満 24.3% 100,000 円 以 上 10.9% 平 均 値 は 50,814.6 円 だった アメフト 経 験 の 有 無 回 答 者 の アメフト 経 験 の 有 無 は 現 在 している 3.7% 過 去 にしていた 8.7% したことはない 87.6%だ った フラッグフットボール 経 験 の 有 無 回 答 者 の フラッグフットボール 経 験 の 有 無 は 現 在 している 2.5% 過 去 にしていた 5.0% したことはな い 92.5%だった
社 会 人 の 試 合 を 会 場 で 直 接 観 戦 するようになった 時 期 回 答 者 の 社 会 人 の 試 合 を 会 場 で 直 接 感 染 するようになった 時 期 は 1989 年 社 会 人 アメフトリーグ 以 前 か ら 8.8% 1990 年 社 会 人 アメフトリーグ になってから 15.2% 1997 年 X リーグ になってから 58.4% 今 日 がはじめて 17.6%だった 再 観 戦 意 図 回 答 者 の 再 観 戦 意 図 は おおいに 思 う が 54.4%を 占 め 平 均 値 は 6.3 となった 周 囲 へのアメフト 観 戦 の 誘 致 回 答 者 の 周 囲 へのアメフト 観 戦 の 誘 致 は よく 誘 う 17.4% 時 々 誘 う 42.3% あまり 誘 わない 26.5% まったく 誘 わない 13.9%だった
観 戦 の 理 由 回 答 者 の 観 戦 の 理 由 について 各 項 目 に 1.まったく 思 わない~5.おおいに 思 う の 5 段 階 で 回 答 を 求 め た 平 均 値 は レジャーとして 楽 しいから 4.7 アメフト 観 戦 が 好 きだから 4.6 好 きなチームを 応 援 したいか ら 4.5 好 きなチームを 応 援 したいから 4.5 となった
アメフト 選 手 について 回 答 者 は アメフト 選 手 について 社 会 の 規 範 として 重 要 な 役 割 を 果 たしている という 項 目 について おおいに 思 う 22.6%と 回 答 し 平 均 値 は 3.7 となった アメフト 選 手 について 回 答 者 は アメフトについて 若 い 人 たちの 生 活 にいい 影 響 を 与 えることができる という 項 目 について 1st Stage 観 戦 者 が おおいに 思 う 29.7%と 回 答 し 平 均 値 は 3.9 となった
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) 分 析 1.X リーグ 観 戦 者 の 組 織 的 制 度 的 属 性 1-1. 観 戦 者 の 組 織 的 制 度 的 属 性 観 戦 者 の 辻 に 70%がチーム 関 係 者 スポンサー 企 業 親 企 業 の 社 員 チーム 関 係 者 の 家 族 友 人 知 人 で 占 められていた 組 織 的 制 度 的 に X リーグと 関 係 のない 一 般 観 戦 者 は 31%に 留 まった 企 業 スポーツでは 決 して 珍 しいことではないが それ 以 上 に 観 戦 者 の 多 くが 身 内 であることは 今 後 の 大 きな 課 題 である 下 記 にはバスケットボールトップリーグ JBL( 当 時 )の 日 立 サンロッカーズのホー ムゲーム 観 戦 者 の 組 織 的 制 度 的 属 性 を 示 す 約 半 分 が 身 内 で 占 められている
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) 1-2. 観 戦 者 の 性 別 女 性 の 多 くはチーム 関 係 者 の 家 族 友 人 知 人 であり 一 般 観 戦 者 の 多 くは 男 性 である 1-3. 観 戦 者 の 年 齢 一 般 観 戦 者 を 観 ると 高 齢 化 が 進 んでいるといわれる J リーグ 以 上 に 高 齢 である 若 年 者 のファンの 獲 得 が 必 要 である 平 均 年 齢 も 高 い
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) 以 上 のように X リーグ 観 戦 者 は 身 内 が 多 く 一 般 観 戦 者 は 男 性 がほとんどでしかも 高 齢 化 して いる われわれはマーケティングを 一 からやり 直 す 必 要 があると 思 われる 1-4.チケット 購 入 価 格 チケット 購 入 価 格 と 入 手 方 法 をみれば 一 般 観 戦 者 を 集 めなければならない 理 由 は 明 白 である チーム 関 係 者 の 友 人 知 人 家 族 ないしスポンサー 企 業 の 社 員 のほとんどが 無 料 チケットで 入 場 してい る 観 戦 型 スポーツとして 収 益 を 上 げるためには この 無 料 チケットの 流 通 を 減 らし チケットを 購 入 してもらい 一 般 観 戦 者 を 増 やす 必 要 がある
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 )
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) 分 析 2.X リーグのエリアマーケティング X リーグ 観 戦 者 の 誘 致 時 間 ( 自 宅 から 会 場 までにかかった 時 間 )の 平 均 は 70.6 分 であり 誘 致 時 間 が 60 分 以 内 の 観 戦 者 は 全 体 の 65.9%だった 一 方 J リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2012 によると J2 クラブ の 誘 致 時 間 が 平 均 43.4 分 誘 致 時 間 60 分 以 内 の 観 戦 者 が 全 体 の 85.6%を 占 める( 平 均 観 戦 者 数 6,280 人 ) また 筆 者 が 調 査 した 都 市 部 にある bj リーグクラブ 観 戦 者 の 誘 致 時 間 が 51.6 分 誘 致 時 間 が 60 分 以 内 の 観 戦 者 が 79.1%を 占 めていた( 観 戦 者 数 1,215 人 ) このようにプロクラブと 比 較 し また X リ ーグの 調 査 対 象 試 合 の 平 均 観 戦 者 数 が 1,576 人 であったことや X リーグの 会 場 がいずれも 大 都 市 圏 に あることを 考 えると X リーグがスタジアム 周 辺 のマーケットをいかに 開 拓 できていないかがわかる 特 に X リーグは 誘 致 時 間 30 分 以 内 圏 内 の 観 戦 者 が 極 端 に 少 ないが J2 では 観 戦 者 の 平 均 52.9%をこ のエリアで 稼 いでいる これは 観 戦 型 スポーツビジネスのコンテンツメーカーであるクラブが 興 行 権 を 持 たないため スタジアム 周 辺 の 地 域 マーケティングにインセンティブがほとんどないことと 関 係 して いると 考 えらえる 次 の 図 は 観 戦 者 の 観 戦 動 機 を 当 てはまる(5 点 )~ 当 てはまらない(1 点 ) のリーグカート 尺 度 で 聞 き 平 均 値 を J リーグ 調 査 などと 比 較 したものであるが J リーグや bj リーグのプロクラブの 興 行 に 比 べて 地 元 のクラブだから と 好 きな 選 手 の 応 援 に 好 きなチームを 応 援 に が 弱 いことがわかる こうした 動 機 づけの 次 元 の 比 較 は 観 戦 者 動 員 の 実 態 と 合 わせてみると X リーグのマーケティングの 課 題 を 浮 き 彫 りにしているように 思 われる とはいえ 述 べたように X リーグは 協 会 が 興 行 権 を 取 り 仕 切 る セントラル 開 催 の 興 行 であり 各 クラブがホームタウンの 地 元 興 行 を 取 り 仕 切 るプロリーグとは 興 行 の 仕 組 みが 異 なる とはいえ X ク
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) ラブの 多 くは 法 人 格 を 持 たず 興 行 を 取 り 仕 切 る 能 力 のあるクラブはほとんどない こうした 興 行 制 度 下 で どのようなマーケティングのアプローチが 考 えられるだろうか たとえば 下 図 は X リーグが 主 要 会 場 とする 川 崎 球 技 場 の 観 戦 者 の 郵 便 番 号 のデータから 観 戦 者 の 居 住 地 をプロットし その 分 布 範 囲 をスムーシングにより 図 示 したものであるが こうしてみると 観 戦 者 のほとんどが 川 崎 球 技 場 を 中 心 とした 半 径 30km 圏 内 に 収 まっているのがわかる
X リーグ 観 戦 者 調 査 報 告 書 2013( 分 析 ) また 関 東 に 所 在 する X リーグクラブの 練 習 場 をプロットすると その 多 くがやはり 川 崎 球 技 場 の 半 径 30km 圏 内 に 収 まる 関 西 の 王 子 スタジアムやキンチョウスタジアムでは 両 スタジアムの 半 径 30km 圏 内 に 関 西 の X リーグクラブのすべての 練 習 場 が 収 まっている( 下 図 ) すなわち X リーグ 各 クラブがその 練 習 場 所 在 地 域 を マザータウン とし マーケティングして 試 合 会 場 である 川 崎 球 技 場 や 王 子 スタジアムに 誘 導 することは 地 理 マーケティング 上 は 十 分 可 能 である と 考 えられる 実 際 ほとんどが 企 業 クラブだった X クラブはそのほとんどがクラブチームとなり オ ービック シーガルズ( 習 志 野 )やノジマ 相 模 原 ライズ( 相 模 原 ) リクシル ディアーズ( 調 布 ) 西 宮 ブルーインズ( 西 宮 )など マザータウンの 地 域 クラブ として 活 動 するクラブが 増 えてきている 今 後 はこうした 各 クラブのマザータウンでの 地 域 活 動 やマーケティングを 強 化 し 集 客 を 図 ることが 1 つの 方 向 性 として 考 えられるだろう もちろん 中 長 期 的 には 各 クラブに 興 行 権 を 譲 渡 してホームゲームを 主 宰 してもらうのが スポーツ リーグ 興 行 としての 目 標 になるだろう 単 に スポーツを 観 に 来 る ファンよりも チームの 応 援 に 来 る ファンの 方 がマーケットは 大 きいと 考 えられ 各 ク ラ ブ は そ の フ ァ ン に も っ と も 近 い と こ ろ に い て もっとも 効 果 的 効 率 的 にマーケティングを 行 うことができるし そのインセンティブがある 一 方 協 会 としては 各 クラブのマザータウンでのマーケティングを 支 援 しつつ 主 戦 会 場 となる 川 崎 球 技 場 周 辺 のマーケティングに 力 を 入 れていくことになるだろう また マザータウンの 分 布 から 見 る と 千 葉 県 と 関 東 の 西 部 に 1 会 場 ずつ 主 要 会 場 となるスタジアムがほしい こうした 試 合 会 場 の 開 拓 についても リーグ 一 丸 となって 取 り 組 む 課 題 であると 考 えられる