平 成 26 年 (ワ) 第 11499 号 損 害 賠 償 請 求 事 件 原 告 大 野 佳 奈 子 被 告 医 療 法 人 髙 寿 会 外 1 名 原 告 準 備 書 面 (9) 平 成 28 年 4 月 8 日 大 阪 地 方 裁 判 所 第 22 民 事 部 合 議 1 係 御 中 原 告 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 髙 橋 典 明 弁 護 士 上 出 恭 子 弁 護 士 和 田 香 原 告 は 本 書 面 にて 被 告 医 療 法 人 一 裕 会 第 4 準 備 書 面 ( 以 下 被 告 第 4 準 備 書 面 という )の 事 実 経 過 に 関 して 必 要 と 考 えられる 点 につき 反 論 及 び 原 告 の 主 張 を 行 う なお 以 下 において 単 に 被 告 と 表 記 する 時 は 被 告 医 療 法 人 一 裕 会 の ことを 指 すものとする 第 1 被 告 準 備 書 面 第 4Ⅰ 第 2 同 準 備 書 面 第 1について (2 頁 以 下 )に 対 して 1 被 告 主 張 の 亡 輝 民 がNバイザーから 当 初 から 実 習 日 誌 や 特 に 症 例 日 誌 につい て, 検 査 予 定 や, 反 省 点 や 感 想 を 記 載 すべきことを 求 められていた ( 被 告 書 面 5 頁 8 行 目 以 下 )とは 認 められないこと (1) 亡 輝 民 が 本 件 実 習 の 開 始 時 点 で Nバイザーから 実 習 日 誌 症 例 日 誌 に 具 体 - 1 -
的 に 如 何 なる 内 容 を 記 載 すべきであるとの 説 明 を 受 けていたのかは 亡 輝 民 作 成 の 顛 末 書 ( 甲 6) 記 載 の 11 月 12 日 から15 日 にかけてのNバイザーの 対 応 が 適 切 な 指 導 の 範 囲 に 留 まるものか それとも 理 不 尽 なもので 亡 輝 民 に 対 し 強 い 心 理 的 負 荷 を 与 えるものであったのか 判 断 をする 前 提 事 実 として 原 告 は 問 題 とし ている そして 原 告 は 被 告 が 主 張 するような 当 初 から 実 習 日 誌 や 特 に 症 例 日 誌 につ いて,(1) 検 査 予 定 や,(2) 反 省 点 や 感 想 を 記 載 すべきこと 及 び(3) 担 当 症 例 患 者 が 通 院 をしていない 日 についても 症 例 日 誌 を 作 成 するという 具 体 的 な 指 示 が 実 習 開 始 の 時 点 においてなされていなかったと 主 張 しているのである( 番 号 代 理 人 による 以 下 同 様 ) (2) この 点 につき 被 告 は そもそもここで 確 定 すべき 事 実 は, 実 習 開 始 時 に, Nバイザーから 輝 民 に 対 して, 実 習 日 誌 や 症 例 日 誌,とりわけ 症 例 日 誌 の 記 載 内 容 について,どのような 指 示 ないし 要 請 がなされていたかである このような 事 実 を 確 定 するには,Nバイザーが 近 畿 リハ 学 院 に 提 出 した 報 告 書 ( 乙 5)よりも, もっと 客 観 的 かつ 確 実 なものがある それは, 現 実 に 亡 輝 民 氏 が 作 成 した 実 習 日 誌 ( 甲 16の1)や 症 例 日 誌 ( 甲 15) 及 び 手 帳 ( 甲 33)である ( 被 告 第 4 準 備 書 面 4 頁 6 行 目 以 下 )として 以 下 の 記 載 内 容 を 引 用 した 上 で 輝 民 氏 は,Nバイザーから, 当 初 から 実 習 日 誌 や 特 に 症 例 日 誌 について,(1) 検 査 予 定 や, (2) 反 省 点 や 感 想 を 記 載 すべきことを 求 められていたものと 思 われる と 主 張 す る( 同 準 備 書 面 5 頁 8 行 目 以 下 ) 11 月 5 日 ( 甲 16の1 54 頁 ) D 井 さんに 対 して 検 査 項 目 としていくつかの 項 目 を 挙 げている 11 月 6 日 ( 甲 16の1 52 頁 ) 検 討 した 検 査 項 目 として 数 項 目 挙 げている 11 月 7 日 ( 甲 16の1 50 頁 ) 未 実 施 の 筋 力 測 定 を 実 施 したい と 以 後 の 検 査 予 定 を 明 記 - 2 -
11 月 8 日 ( 甲 15 45 頁 ) D 井 さんが 正 式 に 症 例 患 者 となり 実 習 内 容 は 症 例 日 誌 に 記 載 11 月 9 日 ( 甲 15 42 頁 44 頁 ) D 井 さんのQOLをより 向 上 させていく 為 には できればそういったことを 可 能 にしていくことを 考 えたい と 感 想 右 肩 の 状 態 について 情 報 収 集 を 行 う と 問 診 や 検 査 の 方 針 を 記 載 11 月 12 日 ( 甲 15 39 頁 ) 明 確 に 検 査 予 定 が 記 載 され 反 省 点 として 自 らの 反 省 や 感 想 が 記 載 (3) しかし これらは 被 告 が 自 己 の 言 い 分 に 都 合 のよい 箇 所 を 引 用 しているに 過 ぎず 被 告 の 主 張 を 裏 付 けるものとはならない むしろ 以 下 に 引 用 する 亡 輝 民 が 実 際 に 作 成 をしたD 井 さんに 関 する 他 の 記 載 も 考 慮 すれば 事 前 に 実 習 日 誌 症 例 日 誌 の 記 載 内 容 につき 被 告 主 張 のような 内 容 をNバイザーから 受 けていたとは 認 められない ア 反 省 や 感 想 に 関 する 記 載 5 日 : 反 省 感 想 なし( 甲 16の1 53 頁 以 下 ) 6 日 : 反 省 感 想 なし( 甲 16の1 49 頁 以 下 ) 7 日 : 反 省 感 想 なし( 甲 16の1 46 頁 以 下 ) 8 日 : 反 省 感 想 なし( 甲 15の45 頁 以 下 ) 9 日 : D 井 さんのQOLをより 向 上 させていく 為 には できればそういったこと を 可 能 にしていくことを 考 えたい ( 甲 15 42 頁 ) 11 日 : 反 省 感 想 なし( 甲 15 40 頁 ) イ 6 日 間 のうち5 日 に 関 しては 記 載 内 容 の 大 半 が 患 者 からの 問 診 した 内 容 や 評 価 である これに 対 し 内 容 的 に 感 想 と 評 価 出 来 る 記 載 が 部 分 的 にないわけで はないが 反 省 といえるような 記 載 は 一 切 ない なお (9 日 )の 記 載 内 容 は 旅 行 したいという 希 望 を 実 現 する 可 能 性 を 考 えた い というもので 反 省 感 想 というよりも 治 療 の 目 標 と 評 価 すべき 内 容 である - 3 -
ウ 症 例 日 誌 の 検 査 予 定 に 関 する 記 載 5 日 :6 個 の 検 査 項 目 の 記 入 ( 甲 16の1 54 頁 ) 6 日 : 以 下 の 検 査 を 検 討 する として6 項 目 記 入 ( 甲 16の1 52 頁 ) 7 日 : 未 実 施 の 筋 力 測 定 を 実 施 したい ( 甲 16の1 50 頁 ) 8 日 : 検 査 項 目 予 定 の 記 入 なし( 甲 15 45 頁 下 線 原 告 代 理 人 以 下 同 様 ) 9 日 : 右 肩 について 問 診 の 質 問 内 容 を 記 入 検 査 項 目 予 定 の 記 入 なし( 甲 15 44 頁 ) 11 日 : 検 査 項 目 予 定 の 記 入 なし( 甲 15 40 頁 ) エ 以 上 のとおり D 井 さんに 関 する11 月 5 日 から11 日 までの6 日 間 の 症 例 日 誌 実 習 日 誌 の 記 載 内 容 を 見 れば 検 査 項 目 及 び 予 定 が 具 体 的 に 記 載 されている のは3 日 (5 6 7 日 )だけである また 11 月 6 日 の 検 査 の 記 載 は 11 月 5 日 の なぜ 左 右 差 があるのか? どうする 方 法 で その 原 因 をさぐることができるか 必 要 な 検 査 を 考 えてくるこ と ( 甲 16の1 54 頁 )というNバイザーによる 具 体 的 なコメントを 受 けて 書 かれたものである 以 上 のような 亡 輝 民 が 残 した 文 書 の 記 載 内 容 に 照 らせば 実 習 当 初 から 検 査 予 定 を 毎 日 記 載 するように 指 導 していたとの 被 告 の 主 張 は 実 習 日 誌 症 例 日 誌 か らは 全 く 裏 付 けられない また 11 月 5 6,7 日 の 検 査 内 容 の 記 載 は 翌 日 の 検 査 としてではなく D 井 さんに 対 して 今 後 実 施 を 検 討 する 項 目 として 挙 げら れており 翌 日 ( 日 誌 提 出 日 )の 検 査 項 目 を 記 入 するような 指 示 があったことの 裏 付 けとはならない オ 加 えて 12 日 の 日 誌 は12 日 実 習 終 了 後 に 記 載 されたのではなく 13 日 に Nから 叱 責 を 受 けた 後 で 記 載 されたものであり( 甲 21) 実 習 当 初 から 毎 日 記 載 するように 指 導 していたことの 証 明 にはならない 逆 にこの 日 の 日 誌 に 明 確 に 検 査 予 定 が 記 載 され 反 省 点 として 自 らの 反 省 - 4 -
や 感 想 が 記 載 されたのは 13 日 に 初 めてNから 記 載 内 容 について 指 示 を 受 け たことを 証 明 するものである そして この 日 以 降 必 要 な 検 査 測 定 ないし 検 査 測 定 という 項 目 を 設 けて 検 査 内 容 が 記 載 されるようになったのである( 甲 15の3,5,10,2 1,24,38 頁 ) (4) 小 括 以 上 のとおり 症 例 日 誌 実 習 日 誌 の 作 成 内 容 及 びその 経 過 からして 被 告 の 主 張 に 反 して 当 初 から 実 習 日 誌 や 特 に 症 例 日 誌 について,(1) 検 査 予 定 や, (2) 反 省 点 や 感 想 を 記 載 すべきこと との 指 示 が 亡 輝 民 になされていなかったこ とが 裏 付 けられる 2 検 査 中 止 が 指 示 された11 月 12 日 の 検 査 内 容 及 び 中 止 となった 理 由 が 被 告 主 張 は 事 実 に 反 すること( 被 告 第 4 準 備 書 面 5 頁 以 下 ) (1) 被 告 は 先 ず 原 告 は, 痛 覚 検 査 と 表 在 感 覚 検 査 は 異 なるものとの 前 提 で, 被 告 一 裕 会 は, 痛 覚 検 査 を 実 施 したと 主 張 しながら, 実 際 は, 表 在 感 覚 検 査 を 実 施 したとの 主 張 を 展 開 していると 批 判 を 加 えているようである しかし 表 在 感 覚 検 査 は 触 覚 検 査 と 痛 覚 検 査 を 含 んだ 概 念 であるから,この 批 判 はナンセンスで ある ( 被 告 第 4 準 備 書 面 5 頁 22 行 目 以 下 )と 主 張 する しかし 原 告 が 問 題 にしているのは 表 在 感 覚 検 査 触 覚 検 査 痛 覚 検 査 等 の 検 査 の 呼 び 方 についてではなく 原 告 は 亡 輝 民 が11 月 12 日 に 実 施 した 検 査 は 名 称 はさておき 楊 子 で 皮 膚 を 刺 す 検 査 であると 主 張 しているの である それに 対 し Nバイザーはブラシの 検 査 と 言 っているのだから 両 者 の 主 張 が 異 なるとともに 被 告 の 主 張 は 以 下 述 べるとおり 事 実 に 反 する (2) まず 被 告 が 指 摘 をするように 亡 輝 民 が 11 月 13 日 付 け 症 例 日 誌 におい て 表 在 感 覚 検 査 痛 覚 検 査 を 別 物 のように 表 記 している 点 ( 甲 26 2 頁 )において 不 正 確 さがあるとして 亡 輝 民 が12 日 に 実 施 した 検 査 は これま - 5 -
でにも 主 張 したとおり( 原 告 準 備 書 面 (4) 6 頁 ) 12 日 の 症 例 日 誌 における 痛 覚 検 査 ( 下 腿 ) 下 腿 に 刺 激 を10 回 入 力 した 右 10/10 左 9/1 0 ( 甲 26 1 頁 )という 記 載 内 容 と 11 月 13 日 の 記 載 ( 甲 26 2 頁 ) に ( 痛 覚 検 査 ) 検 査 方 法 : 楊 子 で 皮 膚 を 軽 く 刺 す 感 じた 刺 激 の 強 さを 右 を 10として 基 準 とし 1 大 腿 部 刺 激 を10 回 入 力 刺 激 自 体 に 反 応 がなかったのは0 回 という 内 容 に 合 致 する 点 に 照 らし 12 日 に 実 地 した 検 査 は 楊 子 で 皮 膚 を 刺 す 検 査 である これに 対 して 被 告 は11 月 12 日 に 実 施 した 検 査 は 患 者 の 足 をブラシでこ すり, 患 者 の 反 応 を 見 るという 検 査 をしたと 主 張 するが( 被 告 第 4 準 備 書 面 6 頁 6 行 目 ) このような 事 実 は 認 められない このように 検 査 が 中 止 となり 被 告 も 例 外 的 と 主 張 する 事 実 について いかなる 検 査 をしたのか 事 実 に 反 する 主 張 をすること 自 体 がNバイザーの 記 憶 が 信 用 に 値 するものではないことを 示 唆 する (3) さらに 検 査 が 中 止 になった 理 由 について 検 査 の 進 め 方 目 的 について 質 問 された 際 その 内 容 を 的 確 に 伝 える 説 明 を 行 えなかった これを 的 確 に 行 え なかったことから 中 止 となってしまい ( 甲 26 1 頁 )という 亡 輝 民 の 記 載 か らして 被 告 主 張 の 検 査 の 方 法 が 問 題 で 中 止 となったのではないと 原 告 は 指 摘 を しているのである このことは 顛 末 書 ( 甲 5)において 12 日 担 当 症 例 様 の 痛 覚 検 査 を 行 う ことになっていました 検 査 の 手 順 として まず 左 右 への 感 覚 の 入 力 の 有 無 をみ て その 後 左 右 の 強 弱 を 調 べていこうと 思 っていました 実 施 途 中 で N 先 生 よ り 一 端 中 断 するようにいわれ 何 をしているのか と 聞 かれました 説 明 してい たのですが 途 中 で 止 められ 意 味 がないから 中 止 といわれました その 後 もう 一 度 説 明 を 求 められたので 最 終 的 に 左 右 の 強 弱 を 比 較 することを 伝 えたと ころ それならそうと 言 えばいい 要 点 を 伝 えないと 分 からない と 言 われま したが 自 分 のしようとしていた 事 は 理 解 して 頂 けたと 感 じました と 書 いて あることからも 検 査 の 仕 方 方 法 ではなく 検 査 の 目 的 について 説 明 が 出 来 な - 6 -
かったことが 主 な 問 題 とされていることが 分 かる (4) そもそも 症 例 患 者 については, 継 続 的 に 観 察 を 続 けて 行 かねばならず, 当 該 検 査 が 患 者 に 必 要 であるか 安 全 なのかをバイザーが 判 断 しなければならない ( 被 告 第 2 準 備 5 頁 4 行 目 ) のであれば 12 日 の 楊 枝 での 検 査 当 日 はD 井 さん に 検 査 を 実 施 する 前 にNバイザーは 検 査 の 内 容 と 意 義 を 把 握 していたはずである しかし 実 際 には 輝 民 の 顛 末 書 ( 甲 6)によると 検 査 の 途 中 で 何 をしているか 聞 か れ 説 明 の 途 中 で 意 味 がないから 中 止 と 指 示 されている このことは 当 日 の 検 査 内 容 についてバイザー 自 身 が 事 前 に 把 握 していなかっ ただけでなく 検 査 実 施 時 に 監 督 さえしていなかったことを 示 すとともに 辻 ク リニックでは 学 生 はバイザーに 管 理 監 督 されておらず 適 切 な 指 導 も 行 われてい なかったことを 示 唆 する 事 実 である 3 11 月 13 日 の 出 来 事 について (1) まず 11 月 13 日 に 亡 輝 民 が12 日 の 症 例 日 誌 を 作 成 しなかったことに 対 して なぜ 書 いていないのかと 問 われ ボイコットしているのを 同 じ 帰 るかとま でNバイザーから 言 われたことについて 原 告 被 告 に 争 いはない( 被 告 第 1 準 備 書 面 1 10 頁 ) そして 被 告 は 検 査 が 中 止 の 場 合 でも 症 例 日 誌 を 作 成 するという 指 示 は 事 前 になされなかった との 原 告 の 指 摘 に 対 し このような 主 張 は 不 合 理 だと 批 難 す る そもそも 症 例 患 者 の 実 習 現 場 において, 検 査 が 中 止 になるということ 事 態 は 例 外 的 な 事 態 であるから,そのような 例 外 的 な 事 態 に 対 してまで 事 前 にNバイ ザーが 指 示 をなすことは 困 難 で,そのようなことにまで 事 前 に 指 示 されていない のは 当 然 であるからである として 12 日 の 時 点 で 症 例 日 誌 を 作 成 するよう にという 具 体 的 指 示 をNバイザーがしなかったことを 前 提 に そのような 指 示 が なかったこと 自 体 問 題 がないと 主 張 したいようである しかし これまでに 主 張 したように 亡 輝 民 は 当 初 から 実 習 日 誌 や 特 に 症 例 日 誌 について, 検 査 予 定 や, 反 省 点 や 感 想 を 記 載 すべき との 説 明 を 受 けていな - 7 -
い また 検 査 中 止 という 例 外 的 な 場 合 で しかも 既 述 のように 検 査 中 止 の 理 由 が 検 査 の 実 施 の 仕 方 の 問 題 ではなく 検 査 目 的 についての 説 明 が 出 来 なかった という 場 合 に 症 例 日 誌 を 作 成 することは 予 想 だに 出 来 なかった 仮 に 被 告 の 主 張 のような 症 例 日 誌 等 の 記 載 について 事 前 の 説 明 があったとして 被 告 の 主 張 によればNバイザーにとっても 指 示 が 困 難 である 検 査 が 中 止 にな った 場 合 にも 症 例 日 誌 を 作 成 する ということを 亡 輝 民 が 実 習 開 始 時 の 説 明 か ら このような 例 外 的 な 場 合 にも 症 例 日 誌 を 作 成 しなければならないと 考 え 作 成 することも 困 難 であったと 言 わざる 得 ない それにも 拘 わらず Nバイザーから なぜ 書 いていないのか ボイコットす るのと 同 じ とまで 言 われたのであるから 仮 に 百 歩 譲 って 被 告 主 張 のような 症 例 日 誌 に 関 する 事 前 の 説 明 を 亡 輝 民 が 受 けていたとしても 症 例 日 誌 を 書 いて なかった 事 に 対 するNバイザーの 対 応 は 理 不 尽 であり 極 めて 強 い 心 理 的 負 荷 を 亡 輝 民 に 与 えたことは 明 らかである (2) 被 告 は この 日 の 検 査 中 止 事 件 なるものが, 輝 民 にとっては, 約 30 分 間 頭 を 冷 やして 甲 15を 作 成 できるほどのものであったという 事 実 である 最 後 通 牒 的 なものと 受 け 止 めたのであれば, 甲 15を 作 成 できるはずがない と 主 張 す る( 被 告 第 4 準 備 書 面 7 頁 17 行 以 下 ) まず 被 告 の 作 成 との 趣 旨 が 文 書 の 完 成 を 意 味 するのであれば 事 実 で はない 原 告 準 備 書 面 (7)6 頁 以 下 で 主 張 したとおり 亡 輝 民 は11 月 12 日 の 症 例 日 誌 ( 甲 15 39 頁 )を 午 前 の 診 察 を 終 えて 午 後 の 診 療 が 始 まるまでの 昼 休 憩 時 間 に 作 成 にとりかかりはしたが( 甲 25の2) 文 書 を 完 成 したのは 自 宅 に 戻 ってから 日 付 の 変 わった11 月 14 日 1:57 分 ( 甲 25の2)である また 亡 輝 民 が 甲 15 39 頁 を 休 憩 時 間 に 作 成 し 始 めたこと だけを 捉 え て 今 日 はもう 見 せたくない 帰 るか 次 やったら 終 了 と 午 前 中 に 言 われ たことが 輝 民 にとって 大 した 問 題 ではなかったという 根 拠 にはならず 被 告 の 主 張 には 論 理 の 飛 躍 がある (3) なお 被 告 は 11 月 12 日 付 けの 症 例 日 誌 は,11 月 13 日 14 時 7 分 2-8 -
1 秒 に 輝 民 が 作 成 したことは, 原 告 自 らが 主 張 しているところであるから,この 部 分 は 自 己 矛 盾 である ( 被 告 第 4 準 備 書 面 7 頁 22 行 目 )と 主 張 する しかし 原 告 が 主 張 するのは 11 月 12 日 付 の 症 例 日 誌 のパソコンのデータ 状 の 作 成 日 時 即 ち 文 書 の 作 成 に 取 り 掛 かった 時 刻 が11 月 13 日 14 時 7 分 ( 甲 25の2)であり 更 新 日 時 が14 日 1 時 57 分 ( 甲 25の2)で この 時 刻 に12 日 付 症 例 日 誌 を 完 成 したとしているのであるから 12 日 付 症 例 日 誌 を 輝 民 が13 日 の 実 習 後 に 作 成 した 文 書 とすることに 自 己 矛 盾 はない (4) 被 告 は さほど 双 方 にとって 大 きな 問 題 ではなかった11 月 13 日 のことを, Nバイザーが, 殆 ど11 月 15 日 のこととごっちゃになって11 月 15 日 の 欄 に 記 載 してしまったからと 言 って, 問 題 とされるのはNバイザーとしても 心 外 であ る と 半 ば 開 き 直 りともいえる 主 張 をする( 被 告 第 4 準 備 書 面 8 頁 8 行 目 ) しかし その 一 方 で13 日 の 件 について 被 告 は 検 査 が 中 止 になるという 事 態 は 例 外 的 な 事 態 である( 同 準 備 書 面 6 頁 20 行 目 ) 前 日 に 検 査 中 止 という アクシデントがあったにも 関 わらず, 亡 輝 民 氏 から 提 出 された 症 例 報 告 には 何 ら の 感 想 も 記 載 されていなかった ( 第 3 準 備 7 頁 24 行 目 ) 現 に 前 日 に 検 査 中 止 という 失 敗 をしでかしているのに, 何 らの 感 想 も 記 載 しなかった ( 同 8 頁 7 行 目 )とNは 認 識 し Nバイザーが 実 習 中 止 を 示 唆 したのは11 月 13 日 だけであって,しかも 安 易 な 実 習 中 止 の 示 唆 とは 大 いにことなるものである( 第 3 準 備 9 頁 14 行 目 ) とまで 主 張 しているのであり Nにとっても 大 きな 問 題 でなかった はずがない また 連 日 の 失 敗 を 過 度 に 負 担 に 感 じないようにと イタリア 料 理 店 に さそい, 一 緒 に 食 事 ( 第 3 準 備 9 頁 11 行 目 ) とも 主 張 しており 亡 輝 民 にと って 過 度 に 負 担 となる 可 能 性 があることをN 自 身 理 解 していた (5) とりもなおさず これはボイコットしているのと 一 緒 と 指 摘 され 今 日 はもう 見 せたくない 帰 るか と 言 われ 30 分 程 リハ 室 の 角 のスペースで 待 機 した 後 次 やったら 終 了 と 言 われた( 甲 6) 亡 輝 民 は 13 日 に 帰 されそうに - 9 -
なった 件 についてメールで 池 田 教 員 へ 報 告 しており 輝 民 にとっては 大 きな 問 題 であったことは 明 らかである 被 告 の 大 きな 問 題 ではなかった という 主 張 そのものが 事 実 に 反 するもので あるともに 主 張 のされ 方 自 体 実 習 生 を 受 け 入 れる 医 療 機 関 としての 資 質 を 有 するのか 疑 問 を 抱 かざる 得 ないものである 4 11 月 15 日 について これまでにも 主 張 したとおり 症 例 対 象 の 患 者 が 来 院 していない 場 合 でも 症 例 日 誌 を 作 成 するという 指 示 を 亡 輝 民 は 事 前 に 聞 いておらず その 説 明 をしたこと を 前 提 とする 被 告 の 主 張 は 被 告 の 見 解 に 過 ぎない 第 2 被 告 準 備 書 面 第 4Ⅰ 第 3 同 準 備 書 面 第 2について (10 頁 以 下 )に 対 して Nバイザーは11 月 29 日 午 前 中 に 指 摘 した 修 正 点 をその 日 のうちに 修 正 する ことを 前 提 に 亡 輝 民 に 指 示 したこと 1 被 告 は 原 告 が 11 月 29 日 に 症 例 発 表 当 日 の 昼 前 にこれら3 点 の 指 摘 を 受 けて その 日 のうちに 実 習 生 が 修 正 することは 時 間 的 に 見 て 極 めて 困 難 であ る そして これが 無 謀 な 指 示 だと 主 張 した( 原 告 準 備 書 面 (7) 15 頁 ) 点 に 対 し その 日 のうちに 実 習 生 が 修 正 すること などNバイザーは 求 めていない と 反 論 する( 被 告 第 4 準 備 書 面 10 頁 15 行 目 ) しかし Nバイザーは 11 月 29 日 に 亡 輝 民 がパソコンを 持 ってくるのを 忘 れたと 言 ったことに 対 して えっ? と 今 日 は 夜 に 発 表 を 控 えているのでこ ちらは 驚 いてしまいました いつもパソコンを 持 ってきてデイリーを 入 力 してい たので 当 日 もパソコンで 修 正 して 発 表 してもらおうと 考 えていたものの こん な 日 に 限 って 忘 れてしまうとはと 思 い 今 日 一 日 データ 無 かったら 修 正 できない と 言 いました ( 乙 5 7 頁 )と 述 べており その 日 のうちに 修 正 をすることを 前 提 に29 日 午 前 中 に 修 正 箇 所 を 指 示 したことは 明 らかである - 10 -
被 告 こそ 証 拠 に 基 づき 主 張 すべきである 2 被 告 は 症 例 発 表 は 近 畿 リハ 学 院 で 行 い 評 価 を 行 うのも 同 学 院 であって N バイザーに 無 謀 な 指 示 など 出 来 るはずがない と 反 論 する 確 かに 症 例 発 表 は 近 畿 リハ 学 院 において 実 施 するものであるが 実 習 先 の 評 価 を 無 視 して 実 習 の 評 価 が 出 来 るものではなく 被 告 の 主 張 は 実 習 の 実 態 を 無 視 した 形 式 論 に 過 ぎない 第 3 被 告 への 求 釈 明 1 求 釈 明 事 項 亡 輝 民 の 実 習 時 の 担 当 症 例 患 者 であった D 井 氏 に 関 し 下 記 の 事 項 を 明 らか にされたい (1) 辻 クリニックにおいて 付 された 診 断 病 名 (2) 同 患 者 が 辻 クリニックで 初 めて 診 察 を 受 けた 日 時 (3) 平 成 25 年 1 月 から11 月 30 日 までの 同 患 者 の 辻 クリニッ クへの 通 院 日 数 (4) 上 記 期 間 における 同 患 者 の 北 斗 整 骨 院 への 通 院 日 数 (5) 上 記 期 間 における 辻 クリニックでの 同 患 者 への 治 療 内 容 (6) 上 記 期 間 における 北 斗 整 骨 院 での 同 患 者 への 治 療 内 容 2 求 釈 明 を 必 要 とする 理 由 亡 輝 民 が 残 した 担 当 症 例 レポートの 草 稿 ( 甲 17)によると 担 当 症 例 の 患 者 について Ⅰはじめに において 25 年 以 上 前 の 左 大 腿 骨 骨 折 により 左 下 肢 の 動 作 能 力 が 低 下 した 症 例 を 担 当 との 記 載 がある また Ⅲ 医 学 的 情 報 にお いては 診 断 名 として 変 形 性 腰 椎 証 右 肩 関 節 周 囲 炎 骨 粗 鬆 症 との 記 載 も ある 以 上 のように 本 症 例 では 原 因 となった 骨 折 事 故 が 相 当 以 前 に 発 症 し その 後 - 11 -
長 期 間 が 経 過 しており リハビリ 期 間 もまた 相 当 長 期 間 に 及 び 診 断 名 も 上 記 の とおり 錯 綜 している 臨 床 経 験 が 未 熟 な 実 習 生 にとって 上 記 のような 患 者 が 担 当 症 例 として 適 切 か どうかを 判 断 するためには 上 記 の 求 釈 明 事 項 が 明 らかにされる 必 要 があると 思 料 する 以 上 イ 6 日 間 のうち5 日 に 関 しては 記 載 内 容 の 大 半 が 患 者 からの 問 診 した 内 容 や 評 価 である これに 対 し 内 容 的 に 感 想 と 評 価 出 来 る 記 載 が 部 分 的 にないわけ ではないが 反 省 といえるような 記 載 は 一 切 ない なお (9 日 )の 記 載 内 容 は 旅 行 したいという 希 望 を 実 現 する 可 能 性 を 考 え たい というもので 反 省 感 想 というよりも 治 療 の 目 標 と 評 価 すべき 内 容 であ る - 12 -