日 本 海 にぎわい 交 流 海 道 ネットワーク シンポジウム 災 害 支 援 活 動 紹 介 <きずな 支 援 > 講 師 : 海 上 自 衛 隊 舞 鶴 地 方 総 監 部 管 理 部 長 堀 井 博 皆 様 こんにちは ただいまご 紹 介 いただきました 海 上 自 衛 隊 舞 鶴 地 方 総 監 部 管 理 部 長 の 堀 井 でございます 本 日 は 日 本 海 にぎわい 交 流 海 道 ネットワーク 総 会 及 びシンポジウムの 開 催 誠 におめでとうございます 本 日 は 時 間 を 頂 戴 いたしまして 先 ほど 司 会 の 方 からも 紹 介 いただきました 3 月 11 日 に 発 生 いたしました 東 日 本 大 震 災 における 海 上 自 衛 隊 の 災 害 派 遣 活 動 につ いて ここ 舞 鶴 の 地 から 海 をアクセスしたルートで 派 遣 いたしました 災 害 派 遣 の 状 況 をご 紹 介 させていただきたいと 思 います きずな と にぎわい ということでございますが にぎわい というのは 海 上 自 衛 官 も 何 千 人 とおりますが 主 として 限 られた 区 域 で 夜 の 街 の にぎわい に は 貢 献 しているんですけれども きずな ということになりますと ご 承 知 のとお り 海 上 自 衛 隊 というのは 海 を 活 動 の 場 といたしますので 直 接 国 民 の 皆 様 方 と 触 れ 合 う 機 会 が 陸 上 自 衛 隊 ほどはございません 今 回 の 災 害 派 遣 につきましては 実 際 に 三 陸 沖 に 派 遣 いたしまして 先 ほど 来 先 生 方 からお 話 がありました 地 元 の 方 々 等 との きずな 人 と 人 とのつき 合 い 顔 を 見 て 人 間 同 士 がつき 合 うということで 非 常 に きずな というものが 重 要 だなと
感 じた 次 第 でございます 海 上 自 衛 隊 の 災 害 派 遣 の 枠 組 みでございますけれども 都 道 府 県 知 事 それから 海 上 保 安 本 部 長 空 港 長 等 の 依 頼 に 基 づいて 派 遣 されるというのが 本 来 の 形 でございま す ただし さきの 阪 神 淡 路 大 震 災 の 折 やはりもっと 早 く 出 動 するべきだったと いう 反 省 から 現 在 は 震 度 5 弱 以 上 の 地 震 があったときには 自 主 的 に 直 ちに 現 地 に 派 遣 するという 形 が 基 本 的 な 枠 組 みとして 出 来 ている 次 第 であります それで 3 月 11 日 2 時 46 分 私 事 ではありますが ちょうどその 日 父 親 の 法 事 で 秋 田 に 帰 っておりまして 秋 田 でもやはり 非 常 に 強 い 揺 れがあり 何 が 落 っこ ちてくるかわからないような 状 況 でありましたが 発 災 から 約 11 分 後 には 下 北 半 島 にあります 大 湊 の 海 上 自 衛 隊 の 航 空 基 地 から ヘリコプターが 直 ちに 被 害 状 況 の 偵 察 ということで 離 陸 しております また 24 時 間 365 日 日 本 上 空 をP3Cという 航 空 機 が 哨 戒 しておりますが 日 本 海 を 飛 んでいた 航 空 機 が 発 震 後 直 ちに 三 陸 地 方 に 向 かい 状 況 視 察 を 行 いま した また それのみならず 横 須 賀 から 護 衛 艦 さわゆき が 地 震 発 生 から53 分 後 には 出 港 しております 普 段 の 出 港 であれば 計 画 的 に こういう 日 程 で こういうふうに 何 をして どこ に 行 けと 言 うんですが ともかく 出 港 しろという 命 令 で 艦 艇 が 出 て 行 きました 地 震 の 翌 日 には20 隻 の 艦 艇 が 現 場 において 救 助 活 動 を 開 始 しており 13 日 翌 々 日 には 海 上 自 衛 隊 の 艦 艇 が60 隻 現 場 で 活 動 しました 後 ほど 写 真 でお 見 せいたし ますが 海 上 自 衛 隊 の 中 で 大 きいものから 小 さいものまであります 大 きい 艦 ほど 水 面 下 の 深 さが 大 きいため 海 に 流 された 障 害 物 等 が 非 常 に 多 くて なかなか 沿 岸 地 域 に 入 っていけないので 比 較 的 小 さな 艇 も 大 いに 活 躍 した 状 況 であります 海 上 自 衛 隊 には5つの 総 監 部 がありますけれども ここ 舞 鶴 総 監 部 は 日 本 海 を 警 備 担 当 する 唯 一 の 総 監 部 で その 守 備 範 囲 は 北 は 秋 田 から 南 は 島 根 まであり この 舞 鶴 から 出 港 した 艦 艇 は 津 軽 海 峡 を 通 って 現 場 に 進 出 いたしました 早 い 艦 艇 だと 約 一 日 二 日 で 行 きますが 小 さい 艦 艇 ですとなかなかスピードが 出 せませんので2 泊 3 日 の 長 旅 になります 海 上 自 衛 隊 が 地 震 発 生 後 三 陸 沖 に 派 遣 した 艦 艇 航 空 機 人 員 等 につきまし ては 表 記 のとおりですけれども 艦 艇 については 約 60 隻 ですね 航 空 機 は 約 100 機 です それとあと 人 員 については 約 1 万 4,000 人 自 衛 隊 10 万 態 勢 で 臨 んでやって おりますけれども 本 来 任 務 である 警 戒 監 視 等 もありますので 約 4 万 5,000 人 お ります 海 上 自 衛 隊 のうち 約 1 万 5,000 人 が 派 遣 されております これは 各 地 から 直 ちに 緊 急 出 港 したときの 様 子 でありますが 基 本 的 に 艦 艇 が 出 港 するときには 必 要 な 食 べ 物 とか あるいは 燃 料 とか こういったものをちゃんと 積 んで 出 かけて 行 くんですが 少 しでも 速 く 被 災 地 に 向 かうことを 優 先 して 必 要 な
ものは 後 から 補 給 する 乗 員 も 他 の 艦 艇 又 はヘリコプター 等 で 運 ぶということを 行 い ました 実 は この 災 害 の 時 に 自 衛 隊 をなめるなよ というような 話 がありました ある 自 衛 官 の 奥 さんが 災 害 派 遣 に 出 て 行 くご 主 人 に 色 々とこれから 大 変 だと 思 うけど 無 理 しないで 頑 張 ってね と 愛 情 たっぷりにメールを 送 ったんですが それ に 対 してその 自 衛 官 は 自 衛 隊 をなめるなよ と 今 無 理 しないでいつ 無 理 する んだ と 返 信 したそうです この 自 衛 隊 をなめるなよ 我 々 自 衛 官 の 心 意 気 だとご 承 知 いただきたいと 思 います 舞 鶴 地 方 隊 においては 一 刻 も 速 く 被 災 地 に 駆 けつけるため 食 料 も 積 まなければ いけない 人 も 集 めなければいけない 集 まらなくてもとにかく 出 港 するということ で 我 々だけでは 到 底 賄 い 切 れなかったところが 多 分 にあるんですが 地 元 の 方 々の 絶 大 なるご 支 援 をいただきまして 舞 鶴 からは 発 災 以 降 艦 艇 が10 隻 それか ら 艦 艇 に 搭 載 しておりますヘリコプター がございますが 舞 鶴 には 約 10 機 のヘ リコプターが 配 備 されており その 内 3 機 が 艦 艇 に 搭 載 しておりましたので そ のまま 被 災 地 へ 行 って 搭 乗 員 は 入 れ 替 わり 立 ち 替 わり 交 代 していた 状 況 であ ります その 他 に 海 上 保 安 庁 さんの もぐり 海 猿 という 映 画 で 結 構 有 名 になりまし た 人 命 救 助 の 方 がおられますが 海 上 自 衛 隊 にも もぐり がおります 彼 らは 海 中 の 爆 弾 等 を 処 理 するための 専 門 員 です 海 上 保 安 庁 は 海 猿 だそうですけれども 海 上 自 衛 隊 は 言 わ 猿 と 言 うそうです その 爆 弾 処 理 の 潜 水 員 を12 名 3チーム 派 遣 いたしました またその 他 にも 舞 鶴 に 自 衛 隊 病 院 があり 医 療 関 係 の 人 間 もお りますので これも2チーム 派 遣 いたしました トータルで 舞 鶴 から 派 遣 した 人 員 は 約 1,100 人 に 上 りました その 中 でも ヘリコプターというのは やはり 災 害 救 助 のときには 海 上 自 衛 隊 の 任 務 などには 非 常 に 有 効 でありまして 地 盤 がしっかりしてない 所 でも 活 動 することが でき 人 を 救 助 したり あるいは 屋 根 の 上 に 孤 立 されている 方 なんかをピックアップ したりすることができ 非 常 に 役 に 立 ったと 聞 いております 現 地 の 写 真 を 見 ていただきますと 先 ほど 喫 水 の 深 い 艦 艇 は 入 っていけなかっ たとご 説 明 いたしましたけれども この 写 真 をご 覧 いただければ その 様 子 が 非 常 によくわかると 思 います 舞 鶴 から 現 場 に 向 かった まえじま という 艦 艇 が ありますけれども これは 掃 海 艇 と 言 いまして 先 ほどお 話 しした 海 の 爆 弾 を 処 理 する 艦 艇 なんですが 木 造 で 余 り
大 きくない50メートルぐらいの 艇 で こういった 艦 艇 は 湾 内 までずっと 行 けますの で 非 常 に 活 躍 いたしました 左 下 の 写 真 の ながしま というのも 掃 海 艇 でありま す 人 命 救 助 が 当 然 最 初 の 任 務 でありますので 家 の 中 に 残 っておられる 方 がいない かとか そういった 所 を 確 認 するんですが そのときには 先 ほど 申 し 上 げました も ぐり 水 中 処 分 員 が 実 際 に 海 に 潜 りまして 家 の 中 まで 全 部 確 認 して 生 存 してお られる 方 がおられないかという 捜 索 を 実 施 いたしました 輸 送 艦 のと という ビーチングといって 浜 辺 にどんと 乗 り 上 げて 前 が 観 音 開 きに 開 いて 中 から 車 なんかを 降 ろすというタイプの 艦 があるのですが 余 り 大 きくあ りません これはどういったところで 活 躍 したかと 言 いますと 先 ほど 大 学 教 授 から 話 がありましたように 通 行 できる 道 路 がほとんどなく ガソリンや 燃 料 の 確 保 が 難 しくなったため 北 海 道 から 燃 料 等 を 送 ることになったのですが こういった 石 油 と か 原 油 とかは 運 ぶ 量 が 限 られているので この 小 さい のと という 艦 が たかだか 時 速 20キロぐらいしか 出 ないんですが 津 軽 海 峡 を 何 往 復 もして 活 躍 しました 陸 上 自 衛 隊 の 話 をちょっとさせていただきます 陸 上 自 衛 隊 は 携 行 食 という 缶 飯 を 持 って 活 動 しておりました 1 回 の 活 動 で 大 体 10 日 分 ぐらいを 持 って 活 動 してい るんですけれども 1 回 ボイルすると 二 三 日 食 べられて 結 構 おいしいんですよ そこで 実 話 が2つぐらいありまして まず1つ 目 は この 携 行 食 を 食 べてから5 日 目 6 日 目 ぐらいから 皆 様 方 口 内 炎 が 非 常 にいっぱいできたというんですね もう 大 変 だったということでした 演 習 等 で 二 日 三 日 続 けて 食 べるということはあったん ですけれども 10 日 ほど 続 けて 食 べたという 実 績 がなかったので 結 果 としてビタ ミン 不 足 になった したがって こちらの 方 からビタミン 剤 を 送 るというような そ ういった 貴 重 な 教 訓 も 得 られたそうであります あともう 一 つ この 缶 飯 というものは 鶏 飯 五 目 飯 赤 飯 という3 種 類 がありまし て 彼 らは 被 災 者 の 前 で 絶 対 食 事 をとるな それからトイレもするな たばこな んかも 吸 うな と 言 われていたらしいのですが 陸 上 自 衛 隊 員 から こうした 状 況 下 で 赤 飯 は 如 何 なものか という 意 見 が 出 て 直 ちに 赤 飯 は 回 収 したそうです ただ 赤 飯 が 一 番 おいしいんですね 鶏 飯 五 目 飯 に 比 べて 数 が 多 かったこともあるようで す そういった 逸 話 もあったそうであります 舞 鶴 には あたご という 護 衛 艦 がお りますが これも 直 ちに 現 地 に 駆 けつけ ましたが 非 常 に 大 きな 艦 ですので 当 然 港 に 入 港 することはできずに 小 さ な 交 通 艇 で 行 き 来 して 上 陸 し 陸 前 高 田 の 小 学 校 の 掃 除 とか あるいは 海 岸 の 廃 棄 物 処 理 等 を 実 施 いたしました 写 真 は その 時 の 乗 員 の 活 動 状 況 です 発 災 から2 日 目 ですが やはりイージ ス 艦 の ちょうかい という 艦 で 屋 根 の 上 で2 日 間 助 けを 求 めておられた 方 を 救 助 いたしました この 写 真 は 拡 大 していますからこういうふうに 見 えますが 330
メートル 離 れていますとほとんど 見 えません 双 眼 鏡 でやっと 見 えるぐらいですね 私 は 飛 行 機 に 乗 っているんですけれども 下 から 見 ていれば 飛 行 機 が 飛 んでいったと いうのは 分 かるのですが 上 から 見 たら 本 当 に 難 しいんですね 捜 索 というのは そ ういった 所 でギャップがあり 海 上 自 衛 隊 は 我 々を 見 捨 てていった とか 言 われる こともあるんですが 絶 対 そんなことはありません このときは 双 眼 鏡 で 見 張 りの 隊 員 が 見 つけました それで 先 ほど 言 った 交 通 艇 で 現 地 に 行 きまして 助 けたという 状 況 であります もう 一 つは 発 災 翌 日 幼 稚 園 の 方 々 が 幼 稚 園 の 屋 上 に 上 がって 被 害 は 避 け ることができたんですけれども 体 が 大 分 濡 れてしまって 寒 さに 震 えながら 救 助 を 待 っておられました ヘリコプター は 近 くに 行 けるんですけれども そこに 園 児 たちがいるというのはわかっていて も いかんせん 救 助 の 手 が 足 りない そ こで 心 を 鬼 にして 優 先 順 序 を 決 めて 助 け ていったものですから この 方 々は ヘリコプターではなくて 護 衛 艦 たかなみ 搭 載 の 交 通 艇 で 救 助 されました 何 でこんなときに 赤 い 帽 子 をかぶっているんだという 感 じですけれども 園 児 たち はクリスマスで 使 ったサンタクロースの 衣 装 を 防 寒 のために 使 って 着 ていたんです ね こういった 小 さい いたいけなかわいいお 子 さんたちを 助 け 出 しました 後 日 この 幼 稚 園 の 保 母 さんから 我 々の 活 動 中 の 隊 員 にお 話 があり 園 児 が 何 でありがとうばかり 言 ってるの こんにちはでしょ あいさつは と 言 うんですけ れども 保 母 さんにしてみると いや そんなんじゃない やっぱり 助 けてもらっ たというのは 人 と 人 とのつながり それこそ きずな で ありがとうというのが 正 しい 言 葉 なんだよ というようなことを 言 われました そのようなやりとりがあり 我 々がお 守 りで 持 っているのがこれです そのと きの 幼 稚 園 の 園 児 さんがこうやって 書 い てくれましたよと 多 分 海 上 自 衛 隊 なんていうのは 誰 かが 教 えないと 書 けな いと 思 うので 大 人 の 人 がちょっと 入 っ ているような 気 もするんですけれども こういった 絵 を 描 いてもらったよという ことで 日 本 全 国 に 配 られました これを パウチしまして 私 も 持 っておりました 更 に 被 災 地 の 方 々に 喜 んでいただいたのは 入 浴 ということでした やはり 人 間 入 浴 できないと 滅 入 ってしまうというところがあるんですけれども 艦 では 海 上 生 活 をしていますので 比 較 的 衣 食 住 というのは 安 定 しており 海 水 を 真 水 に 変 えることもできます 移 動 は 先 ほど 言 いましたホバークラフトで 送 迎 して 輸 送 艦
等 で 入 浴 していただきました こうした 活 動 もさせていただきました いずれにしましても 今 後 とも 皆 様 方 との きずな を 大 切 にしながら 国 民 の 皆 様 方 のために 頑 張 っていきたいというふうに 考 えております 簡 単 でございますが 私 のほうからは 以 上 でございます ありがとうございました