荒川区における新たな住宅政策のあり方について

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第7章

H28【滋賀県】滋賀県地域住宅計画(第3期)

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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市営住宅総合再生計画

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

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小山市保育所整備計画

目 次 都 市 づくりの 全 体 構 想 偏 1. 都 市 づくりの 理 念 と 目 標 1 1. 都 市 づくりの 理 念 と 将 来 像 1 2. 都 市 づくりの 目 標 とテーマ 2 3. 計 画 期 間 3 4. 将 来 人 口 フレーム 3 2. 将 来 都 市 構 造 4 1. 将 来

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市街化調整区域における地区計画の

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

加 古 川 市 市 街 化 調 整 区 域 における 地 区 計 画 制 度 の 運 用 基 準 ( 概 要 ) 第 1 章 総 則 運 用 基 準 の 目 的 地 区 計 画 制 度 の 運 用 により 良 好 な 居 住 環 境 の 維 持 及 び 育 成 を 目 的 とする ( 第 1 条 )

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第 4 章 基 本 的 な 方 針 1 課 題 ⑴ 希 望 する 市 営 住 宅 に 入 居 できる 世 帯 は 限 られており 住 宅 困 窮 者 の 入 居 機 会 の 向 上 や 入 居 者 と 住 宅 困 窮 者 間 の 公 平 性 の 確 保 世 帯 人 員 数 と 住 戸 規 模 のミス

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

(3) 調 査 の 進 め 方 2 月 28 日 2 月 28 日 ~6 月 30 日 平 成 25 年 9 月 サウンディング 型 市 場 調 査 について 公 表 松 戸 市 から 基 本 的 な 土 地 情 報 サウンディングの 実 施 活 用 意 向 アイデアのある 民 間 事 業 者 と

目 次 整 備 方 針 の 策 定 目 的 P1 公 民 館 の 現 状 P2~P4 1 公 民 館 の 施 設 概 要 P2~P3 2 施 設 の 老 朽 化 について P3 3 公 民 館 の 耐 震 化 について P3 4 施 設 の 利 便 性 について P3~P4 公 民 館 整 備 の

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

高齢者の居住安定確保プラン 第3章 高齢者の居住の安定確保に向けた基本的方針

2. 住 宅 の 建 て 方 構 造 中 野 区 と 23 区 の 住 宅 の 建 て 方 構 造 階 級 別 の 住 宅 割 合 ( 平 成 15 年 住 宅 土 地 統 計 調 査 ) 中 野 区 中 野 区 23 区 平 均 23 区 平 均 木 造 防 火 木 造 非 木 造 木 造 防 火

対 象 外 区 域 以 下 の 区 域 は 原 則 として 策 定 区 域 に 含 めないこと (1) 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 に 規 定 する 農 用 地 区 域 (2) 優 良 農 地 ( 一 団 のまとまりのある 農 地 や 農 業 水 利 施 設 の 整 備

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16 日本学生支援機構

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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

(5) 農 地 法 ( 昭 和 27 年 法 律 第 229 号 )による 農 地 転 用 が 許 可 されないと 見 込 ま れる 農 用 地 (6) 森 林 法 ( 昭 和 26 年 法 律 第 249 号 ) 第 25 条 第 1 項 第 25 条 の2 第 1 項 及 び 第 41 条 第

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新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

施 策 ( 凡 例 継 続 事 業 ) 暮 らしサポート <サービス> 高 齢 者 障 害 者 へのタクシー 券 の 助 成 障 害 者 の 移 動 支 援 高 齢 者 の 見 守 り( 配 食 サービス 友 愛 訪 問 福 祉 電 話 ) 高 齢 者 の 交 流 の 場 の 運 営 支 援 ( 老

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

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4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

厳 しい 中 で そのメリット デメリットを 整 理 し 本 市 の 実 態 に 合 った 公 営 住 宅 の 供 給 手 法 を 検 討 する 必 要 があります 公 営 住 宅 入 居 者 は 高 齢 単 身 高 齢 夫 婦 も 増 加 しており 居 住 支 援 が 必 要 市 営 住 宅 はセ

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m07 北見工業大学 様式①

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

18 国立高等専門学校機構

目 次 はじめに 1 第 1 章 用 途 地 域 等 に 関 する 指 定 方 針 2 1 用 途 地 域 に 関 する 指 定 方 針 2 2 その 他 の 地 域 地 区 の 活 用 方 針 2 3 用 途 地 域 の 変 更 及 び 決 定 にあたって 留 意 すべき 事 項 3 第 2 章

4. 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 特 例 の 延 長 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 以 下 の 特 例 措 置 の 適 用 期 限 ( 平 成 28 年 3 月 31 日 )を 延 長 する 1 登 録 免 許 税 の 特 例 ( 所 有 権 の 保 存 登 記 : 本 則 0.4%

目 次 1 はじめに 1 (1) 施 設 が 抱 える 諸 問 題 (2) 交 付 税 合 併 算 定 替 えの 終 了 (3) ファシリティマネジメントへの 取 組 2 方 針 における3つの 改 革 2 3 実 施 方 法 3 (1) 公 共 施 設 FM 基 本 計 画 の 策 定 (2) 公

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講 演 内 容 1. 日 本 列 島 が 地 震 の 活 動 期 に 2. 大 きく 変 わる 国 のマンション 政 策 (1) 住 生 活 基 本 計 画 の 改 定 (2) マンション 建 替 え 法 の 改 正 ー 敷 地 売 却 制 度 の 創 設 ー 容 積 率 緩 和 (3) 都 市 再

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6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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Transcription:

荒 川 区 における 新 たな 住 宅 政 策 のあり 方 について 答 申 平 成 20 年 12 月 荒 川 区 住 宅 対 策 審 議 会

目 次 はじめに ----------------------------------------------------------------- 1 1. 新 たな 住 宅 政 策 の 前 提 ------------------------------------------------- 2 (1) 近 年 の 住 宅 政 策 の 動 向 (2) 荒 川 区 基 本 構 想 が 目 指 す 将 来 像 (3) 荒 川 区 の 状 況 (4) 計 画 期 間 : 今 後 10 年 間 で 確 実 に 実 施 すべき 施 策 に 重 点 を 置 く 2. 新 たな 住 宅 政 策 の 基 本 理 念 と 課 題 --------------------------------------- 7 (1) 基 本 理 念 1 住 宅 政 策 とは 区 民 の 幸 福 な 暮 らしの 環 境 づくり 2 地 域 で 暮 らす という 概 念 から 考 える (2) 新 たな 住 宅 政 策 に 求 められる 課 題 1 住 まいの 耐 震 化 と 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 積 極 的 な 施 策 の 展 開 2 住 宅 供 給 から 既 存 ストックを 活 用 した 質 の 向 上 への 方 向 転 換 多 角 的 な 視 点 からの 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 を 含 めた 住 宅 住 環 境 の 質 の 向 上 3 地 域 で 暮 らし 続 けられるセーフティネットの 構 築 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 への 支 援 子 育 て 支 援 の 充 実 による 若 い 世 帯 の 定 住 転 入 促 進 地 域 コミュニティに 根 ざした 荒 川 区 独 自 の 施 策 展 開 3. 住 宅 政 策 の 目 標 ------------------------------------------------------ 11 (1) 住 宅 政 策 の 基 本 目 標 (2) 住 宅 政 策 の 個 別 目 標 目 標 1: 安 全 で 安 心 して 暮 らせる 住 まいづくり 目 標 2: 良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 目 標 3: 多 様 な 世 代 が 地 域 のなかで 住 み 続 けられる 住 まいづくり 4. 重 点 的 に 取 り 組 むべき 施 策 -------------------------------------------- 14 (1) 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 防 災 性 向 上 のための 緊 急 対 策 (2) 住 まいに 関 連 する 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 (3) 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 (4) 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 のためのセーフティネット (5) 住 宅 政 策 としての 子 育 て 支 援 5. 施 策 展 開 への 取 り 組 みの 体 制 ------------------------------------------ 20

はじめに 荒 川 区 住 宅 対 策 審 議 会 は 平 成 20 年 1 月 25 日 に 荒 川 区 長 より 荒 川 区 における 新 たな 住 宅 政 策 のあり 方 について 諮 問 を 受 けた 平 成 18 年 6 月 に 住 生 活 基 本 法 が 施 行 され 同 年 9 月 には 住 生 活 基 本 計 画 が 策 定 された また 東 京 都 でも 平 成 19 年 3 月 には 新 たな 東 京 都 住 宅 マスタープランを 策 定 している この 諮 問 は このような 国 及 び 東 京 都 における 動 向 を 背 景 に 荒 川 区 として 新 たな 住 宅 政 策 のあり 方 を 問 うものである 一 方 荒 川 区 では 平 成 19 年 3 月 におおむね 20 年 後 の 荒 川 区 の 目 指 すべき 将 来 像 を 示 す 荒 川 区 基 本 構 想 を 策 定 しており 現 在 並 行 して 荒 川 区 都 市 計 画 マスタープラン の 改 定 作 業 も 進 められているところである 国 や 都 による 住 宅 政 策 の 動 向 を 踏 まえつ つ 荒 川 区 基 本 構 想 に 掲 げる 幸 福 実 感 都 市 あらかわ の 実 現 を 目 指 し 新 たな 荒 川 区 都 市 計 画 マスタープランとの 整 合 を 図 りながら 良 好 な 住 環 境 コミュニティの 形 成 などを 促 進 し 子 どもから 高 齢 者 まで 誰 もが 安 心 して 暮 らせる 地 域 社 会 を 築 くため の 住 宅 政 策 のあり 方 を 提 言 することが 求 められている 当 審 議 会 は 以 上 の 認 識 に 基 づいて 従 来 の 住 宅 政 策 の 枠 組 みにとらわれない 幅 広 い 視 点 から 調 査 審 議 を 進 め 荒 川 区 ならではの 特 徴 に 最 大 限 に 配 慮 した オリジナ リティー 溢 れる 荒 川 方 式 としての 新 たな 住 宅 政 策 の 方 向 性 と 目 標 重 点 施 策 課 題 等 について 提 言 するものである 1

1. 新 たな 住 宅 政 策 の 前 提 (1) 近 年 の 住 宅 政 策 の 動 向 国 の 住 生 活 基 本 計 画 や 東 京 都 住 宅 マスタープランでは 今 後 の 住 宅 政 策 につい て 大 きな 方 向 転 換 が 図 られている そのポイントは 以 下 のとおりであるが 荒 川 区 においても その 方 向 転 換 と 整 合 した 新 たな 住 宅 政 策 を 検 討 する 必 要 がある 住 生 活 基 本 計 画 : 量 の 確 保 から 質 の 向 上 への 転 換 ストック と 市 場 の 重 視 良 質 な 住 宅 ストック と 併 せて 良 好 な 居 住 環 境 の 形 成 を 重 視 地 域 特 性 に 応 じた 成 果 指 標 ( 数 値 目 標 ) の 設 定 東 京 都 住 宅 マスタープラン 住 まいの 安 全 安 心 の 確 保 世 代 を 超 えて 住 み 継 がれる 住 宅 まちづくり (2) 荒 川 区 基 本 構 想 が 目 指 す 将 来 像 平 成 19 年 3 月 に 策 定 された 荒 川 区 基 本 構 想 では おおむね 20 年 後 の 目 指 す べき 将 来 像 として 以 下 の 事 項 が 示 されている 荒 川 区 における 新 たな 住 宅 政 策 は これらの 将 来 像 の 実 現 を 目 指 すものでなければならない 3つの 基 本 理 念 1)すべての 区 民 の 尊 厳 と 生 きがいの 尊 重 2) 区 民 の 主 体 的 なまちづくりへの 参 加 3) 区 民 が 誇 れる 郷 土 の 実 現 荒 川 区 の 将 来 像 幸 福 実 感 都 市 あらかわ 6つの 都 市 像 1) 生 涯 健 康 都 市 ~ 健 康 寿 命 の 延 伸 と 早 世 の 減 少 の 実 現 ~ 2) 子 育 て 教 育 都 市 ~ 地 域 ぐるみの 子 育 てと 学 びのまちづくり~ 3) 産 業 革 新 都 市 ~ 新 産 業 と 賑 わいの 創 出 ~ 4) 環 境 先 進 都 市 ~ 東 京 をリードする 環 境 施 策 の 発 信 ~ 5) 文 化 創 造 都 市 ~ 伝 統 と 新 しさが 調 和 した 文 化 の 創 出 ~ 6) 安 全 安 心 都 市 ~ 防 災 まちづくりと 犯 罪 ゼロ 社 会 の 実 現 ~ 2

(3) 荒 川 区 の 状 況 荒 川 区 の 住 宅 住 環 境 づくりを 取 り 巻 く 現 状 や 動 向 には 以 下 のような 特 徴 があ り それらを 踏 まえた 住 宅 政 策 の 検 討 が 必 要 となる 居 住 者 の 状 況 1 荒 川 区 の 人 口 は 今 後 10 年 間 のうちに 減 少 に 転 じるものと 予 想 されている 近 年 荒 川 区 の 人 口 は 増 加 傾 向 にあり 人 口 密 度 や 住 宅 密 度 は 東 京 区 部 でも 特 に 高 くなっている 東 京 都 の 推 計 によれば この 人 口 増 加 は 今 後 もしばらく 続 き 平 成 27 年 (2015)には 20 万 人 を 越 えるものの その 後 は 徐 々に 減 少 していくものと 予 想 されている 2 一 方 高 齢 者 は 今 後 も 増 加 を 続 けるものと 予 想 されている 老 年 人 口 は 平 成 27 年 (2015 年 ) 以 降 も 増 加 し 平 成 32 年 (2020 年 ) には 高 齢 化 率 が 25%を 超 えるものと 予 想 されている 住 宅 住 環 境 の 状 況 3 大 規 模 開 発 による 住 宅 供 給 はピークを 過 ぎた 平 成 13~18 年 度 における 南 千 住 地 区 等 の 大 規 模 開 発 による 住 宅 供 給 戸 数 の 合 計 は 6,450 戸 であり それがこの 間 の 人 口 増 加 の 大 きな 要 因 になってき た しかし それらの 大 規 模 な 住 宅 開 発 供 給 は 収 束 に 向 かい 今 後 も 個 別 の マンション 建 設 等 は 続 くものの 大 量 の 住 宅 供 給 は 見 込 めない 状 況 にある 4 区 内 の 約 6 割 はいまだ 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 である 荒 川 区 の 市 街 地 は 新 しい 住 宅 市 街 地 基 盤 整 備 の 進 んだ 市 街 地 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の3つに 大 別 できるが その 約 6 割 を 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 が 占 める 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 は 高 齢 者 の 暮 らしやすさや 子 育 てのしやすさなど 日 常 的 な 生 活 環 境 という 面 では 評 価 されているものの 道 路 が 狭 隘 なことや 借 地 が 多 いことなどから 古 い 住 まいの 更 新 が 進 まず また 居 住 者 の 高 齢 化 が 著 しい ため 防 災 や 高 齢 化 対 策 などの 視 点 からその 改 善 が 大 きな 課 題 となっている 3

5 古 い 木 造 住 宅 が 多 く 持 家 率 が 高 い 区 内 の 住 宅 総 数 は 約 9 万 4 千 戸 であるが そのうち 15.0%が 1970 年 以 前 に 建 築 された 古 い 木 造 住 宅 である また 持 家 率 が 50% 以 上 と 高 く 特 に 65 歳 以 上 の 高 齢 者 がいる 世 帯 の 持 家 率 は 70%を 超 えている 高 齢 単 身 世 帯 の 持 家 率 も 51.2%である 6 公 営 住 宅 は 全 体 の 4.5%に 満 たず 今 後 の 供 給 増 も 見 込 みにくい 都 営 区 営 住 宅 は 約 4,200 戸 であり 全 体 の 4.5%に 満 たない 都 営 住 宅 の 建 替 え 計 画 などはあるが 東 京 都 は 管 理 戸 数 を 抑 制 する 方 針 をとっていること から 今 後 の 供 給 増 も 見 込 みにくい 7 住 宅 戸 数 の 約 12.4%が 空 き 家 区 内 の 住 宅 のうち 12.4%が 空 き 家 となっている 荒 川 区 では 一 戸 建 て 持 家 が 多 く 特 に 高 齢 者 世 帯 の 持 家 率 が 高 いことから 今 後 それらの 住 宅 が 新 たな 空 き 家 となり さらに 増 大 する 可 能 性 もある 区 民 の 意 向 ( 区 民 アンケート 調 査 より) 8 今 後 の 住 環 境 づくりには 防 災 と 環 境 が 重 視 されている 今 後 の 良 好 な 住 環 境 づくりについて 災 害 時 に 備 えた 安 全 対 策 を 求 める 意 向 が 最 も 高 く 次 いで 身 近 な 自 然 環 境 の 確 保 維 持 への 意 向 が 高 くなっている そのほか 犯 罪 発 生 を 抑 制 する 防 犯 対 策 や 日 常 の 買 い 物 等 の 利 便 性 の 向 上 周 辺 の 住 環 境 と 調 和 のとれた 開 発 を 求 める 意 向 も 高 い なお この 傾 向 は 市 街 地 のタイプによりやや 異 なっている 9 高 齢 者 障 がい 者 や 子 育 て 世 帯 への 居 住 支 援 が 求 められている 居 住 支 援 については 世 代 に 関 係 なく 高 齢 者 障 がい 者 への 支 援 が 最 も 求 め られており 30~40 代 を 中 心 に 子 育 て 世 帯 への 支 援 も 求 められている また 50~60 代 では 住 宅 の 増 改 築 やリフォームへの 支 援 を 求 める 意 向 も 高 い 4

10 住 宅 の 広 さやローン 家 賃 に 不 満 を 抱 えているのは 主 に 子 育 て 層 現 在 の 住 まいへの 不 満 度 が 比 較 的 高 いのは 単 独 世 帯 や 子 育 てを 終 えた 親 子 世 帯 であるが 住 宅 の 広 さやローン 家 賃 に 限 ってみれば 子 育 て 層 における 不 満 度 が 最 も 高 くなっている 特 に 借 家 住 まいの 世 帯 での 不 満 度 が 高 い 11 世 代 を 超 えて 親 子 世 帯 の 近 居 への 意 向 が 高 い 高 齢 期 における 子 ども 世 帯 との 住 まい 方 として 55.7%が 近 所 ( 徒 歩 圏 内 ) または 電 車 自 動 車 で 60 分 以 内 という いわゆる 近 居 を 望 んでいる 世 代 別 に 近 居 の 意 向 が 最 も 高 いのは 30 代 であり 30~60 代 で 50%を 超 えている なお 20 代 と 70 代 以 上 では 同 居 の 意 向 が 最 も 高 い 12 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 暮 らしやすさについて 良 好 な 評 価 も 見 られる 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 においても 居 住 継 続 意 向 は 75.9%と 高 く 住 まいや 住 環 境 への 満 足 度 もそれぞれ 50.6% 54.4%と 低 くはない また 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 には 良 好 な 地 域 コミュニティが 維 持 されているこ となどから 高 齢 者 の 生 活 環 境 や 子 育 て 環 境 として 適 しているという 意 見 も それぞれ 半 数 近 く 見 られる 13 区 民 の 居 住 継 続 意 向 は 高 い 区 民 へのアンケート 調 査 によれば 現 在 の 住 まいへの 居 住 継 続 意 向 は 76.1% と 高 く 転 居 を 希 望 する 人 も 約 半 数 は 荒 川 区 内 での 転 居 を 希 望 している また 現 在 の 住 まいへの 満 足 度 は 52.7% 地 域 の 住 環 境 への 満 足 度 は 56.6%であり 住 まいや 住 環 境 に 対 しても 一 定 の 満 足 感 が 得 られている 5

(4) 計 画 期 間 : 今 後 10 年 間 で 確 実 に 実 施 すべき 施 策 に 重 点 を 置 く 新 たな 住 宅 政 策 施 策 の 展 開 について 具 体 的 に 示 す 新 たな 住 宅 マスタープラン は 10 年 間 という 計 画 期 間 を 踏 まえその 間 に 確 実 な 成 果 が 得 られるよう 将 来 の 動 向 を 見 据 えつつも いま 早 急 に 対 処 すべき 課 題 に 重 点 を 置 いた 内 容 として 定 めるべきである ~ 時 間 軸 を 設 定 して 今 回 策 定 する 住 宅 マスタープラン( 計 画 期 間 :10 年 間 ) にはどのような 役 割 があるかを 検 討 する ~ 前 回 の 住 宅 マスター プラン 策 定 時 近 年 の 社 会 状 況 の 変 化 と 今 後 の 動 向 人 口 減 少 人 口 増 加 コミュニティの 変 化 大 規 模 跡 地 その 他 木 造 密 集 市 街 地 の 問 題 その 他 将 来 の 動 向 人 口 再 び 減 少? マンション 等 における 高 齢 化? ( 今 後 の 取 組 みによる 変 化 ) 大 規 模 集 合 住 宅 などの 整 備 によ る 新 規 住 宅 地 今 回 の 住 宅 マスタープラ ンで 求 められる 施 策 次 期 の 住 宅 マスタープラ ンで 求 められる 施 策 6

2. 新 たな 住 宅 政 策 の 基 本 理 念 と 課 題 (1) 基 本 理 念 1 住 宅 政 策 とは 区 民 の 幸 福 な 暮 らしの 環 境 づくり 新 たな 住 宅 政 策 には 住 宅 のみならず 住 環 境 のあり 方 も 重 視 することが 求 め られている 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 問 題 など 今 後 の 住 環 境 整 備 について 多 く の 課 題 を 抱 えている 荒 川 区 においては この 点 に 大 きく 着 目 し 住 宅 政 策 とは 区 民 の 幸 福 な 暮 らしの 環 境 づくり であると 大 きく 捉 えて 住 宅 そのものだ けではなく 身 近 な 生 活 環 境 の 向 上 も 目 指 す また ハード 面 の 整 備 だけではな く 住 生 活 の 安 定 の 確 保 及 び 向 上 に 必 要 なソフト 面 での 居 住 サービス も 含 めた 施 策 の 展 開 を 図 っていくべきである 2 地 域 で 暮 らす という 概 念 から 考 える 荒 川 区 の 住 生 活 の 大 きな 特 徴 として 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 を 中 心 に 良 好 な 地 域 コミュニティが 維 持 されており 地 域 単 位 での 暮 らしが 根 付 いていること が 挙 げられる 新 たな 住 宅 政 策 においてもその 特 徴 を 活 かし 地 域 で 暮 らす という 概 念 から 身 近 な 生 活 環 境 も 含 め ハード ソフト 両 面 から 様 々な 施 策 の 展 開 を 図 る 必 要 がある 具 体 的 には 暮 らす 人 と 暮 らすまち の 関 係 を 踏 まえながら 検 討 していくべきである ~ 暮 らす 人 と 暮 らすまちの 相 互 関 係 の 中 に 必 要 な 施 策 や 有 効 な 施 策 を 見 出 す~ 暮 らす 人 住 宅 住 環 境 暮 らすまち 必 要 な 検 討 項 目 求 められる 住 宅 施 策 1 区 内 に 暮 らす 人 には どんな 人 がいて 住 宅 等 に 対 しどんなニーズを 抱 えているか 2 どのような 暮 らしの 場 (まち)があり 住 環 境 等 にどのような 影 響 を 与 えているか 3 上 記 を 踏 まえた 住 宅 住 環 境 の 問 題 に 対 応 する 施 策 とは 何 か 7

(2) 新 たな 住 宅 政 策 に 求 められる 課 題 以 上 の 基 本 理 念 に 基 づき 荒 川 区 基 本 構 想 に 掲 げる 幸 福 実 感 都 市 あらかわ の 実 現 に 向 けた 新 たな 住 宅 政 策 に 求 められる 課 題 は 以 下 である 1 住 まいの 耐 震 化 と 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 での 積 極 的 な 施 策 展 開 区 民 は 今 後 の 住 環 境 づくりについて 安 全 安 心 を 最 も 強 く 求 めている そのため 平 成 20 年 度 から 本 格 化 した 既 存 の 住 宅 ストックの 耐 震 改 修 支 援 等 を 積 極 的 に 進 め 早 急 に 住 まいの 耐 震 防 災 性 の 向 上 を 図 っていく 必 要 がある 特 に 区 の 約 6 割 を 占 める 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 改 善 は 荒 川 区 の 住 環 境 整 備 にとって 最 大 の 懸 案 であるため 従 来 から 取 り 組 まれている 防 災 まちづくり 等 の 推 進 と 並 行 連 携 した より 積 極 的 な 施 策 の 展 開 が 必 要 である 2 住 宅 供 給 から 既 存 ストックを 活 用 した 質 の 向 上 への 方 向 転 換 新 たな 住 宅 政 策 には ストックや 市 場 の 重 視 への 方 向 転 換 が 求 められている また 地 球 環 境 問 題 等 を 背 景 に 住 宅 政 策 においても 建 物 の 長 寿 命 化 等 による 環 境 負 荷 の 低 減 に 努 めることも 求 められている その 点 を 踏 まえ 新 たな 住 宅 政 策 には 以 下 の 視 点 が 求 められる 多 角 的 な 視 点 からの 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 将 来 に 渡 って 持 続 可 能 な 住 環 境 づくりを 基 軸 に 据 え 安 寧 な 暮 らしに 欠 かせ ない 防 災 防 犯 対 策 とともに 住 環 境 の 付 加 価 値 を 高 める 身 近 な 自 然 環 境 の 確 保 維 持 や 周 辺 の 住 環 境 と 調 和 のとれた 開 発 が 強 く 求 められている 大 都 市 圏 に 位 置 する 荒 川 区 における 住 宅 政 策 としては 身 近 な 暮 らしの 環 境 を 守 ること に 加 えて 都 市 部 に 特 有 な 温 暖 化 であるヒートアイランド 対 策 や 地 球 規 模 での 温 暖 化 対 策 など あらゆる 角 度 から 環 境 負 荷 の 低 減 を 図 る 取 り 組 みが 重 要 であ る さらに 低 層 住 宅 地 における 開 発 調 整 などと 併 せて 美 しい 町 並 みを 確 保 するための 景 観 問 題 への 配 慮 が 求 められる 8

空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 を 含 めた 住 宅 住 環 境 の 質 の 向 上 平 成 12 年 に 策 定 した 第 二 次 住 宅 マスタープランは 当 時 の 社 会 状 況 を 反 映 して 住 宅 供 給 を 基 本 として 各 種 施 策 の 展 開 が 図 られてきたが 荒 川 区 にお いても 既 に 住 戸 数 が 世 帯 数 を 大 きく 上 回 っており 空 き 家 住 宅 も1 万 戸 以 上 存 在 している 今 後 はその 数 多 い 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 を 含 めて 既 存 ストッ クの 活 用 を 基 本 とした 住 宅 住 環 境 の 質 の 向 上 を 図 る 方 向 へと 方 向 転 換 すべきである 3 地 域 で 暮 らし 続 けられるセーフティネット *1 の 構 築 現 在 の 区 民 の 居 住 継 続 意 向 が 高 いことから 現 在 の 区 民 が 安 心 して 暮 らし 続 けられる 住 宅 住 環 境 づくりを 目 指 すことは 住 宅 政 策 としては 不 可 欠 な 課 題 であり 以 下 の 点 を 重 視 した 施 策 の 展 開 を 図 ることが 必 要 である 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 への 支 援 特 に 高 齢 者 や 障 がい 者 の 住 生 活 には 地 域 での 支 え 合 いが 非 常 に 重 要 である 高 齢 者 障 がい 者 を 中 心 に 今 後 も 現 在 の 地 域 で 暮 らし 続 けられるような 住 宅 政 策 が 求 められる 子 育 て 支 援 の 充 実 による 若 い 世 帯 の 定 住 転 入 促 進 高 齢 者 障 がい 者 への 支 援 と 併 せて 地 域 活 力 やコミュニティの 維 持 に 向 け より 積 極 的 に 若 い 世 帯 の 定 住 転 入 を 促 進 していくことも 必 要 である 子 育 て 世 帯 に 現 在 の 住 宅 への 不 満 が 見 られること 近 居 意 向 が 高 いことなど を 踏 まえて 子 育 て 世 帯 を 対 象 とした 支 援 を 充 実 し 地 域 で 安 心 して 子 育 てが できる 環 境 づくりを 進 めていくことなどが 求 められる 地 域 コミュニティに 根 ざした 荒 川 区 独 自 の 施 策 展 開 荒 川 区 には 下 町 らしい 人 情 味 あふれる 地 域 コミュニティが 維 持 されており そのコミュニティ 力 が 地 域 での 暮 らしを 支 え 合 う 大 きな 資 源 になっている 9

既 に 区 民 やNPO 民 間 事 業 者 そして 大 学 などの 連 携 による 地 域 コミュニ ティに 根 ざした 高 齢 者 障 がい 者 への 住 宅 供 給 居 住 支 援 活 動 や 子 育 て 支 援 活 動 なども 萌 芽 している 今 後 それらの 活 動 を 各 地 域 に 定 着 させ 積 極 的 な 展 開 を 促 進 するために 地 域 居 住 は 地 域 が 主 体 となって 支 援 する という 考 え 方 を 柱 に 地 域 コミ ュニティの 維 持 育 成 のための 取 り 組 みを 積 極 的 に 進 め 地 域 の 住 宅 供 給 居 住 支 援 活 動 の 担 い 手 を 積 極 的 に 支 援 するなど ソフト 面 の 取 り 組 み 体 制 の 整 備 を 含 めた 施 策 の 展 開 を 図 っていく 必 要 がある *1 セーフティネット: 安 全 網 社 会 的 個 人 的 な 危 機 に 対 応 する 方 策 のこと 10

3. 住 宅 政 策 の 目 標 (1) 住 宅 政 策 の 基 本 目 標 新 たな 住 宅 政 策 の 基 本 理 念 と 課 題 に 基 づき 荒 川 区 の 特 徴 を 活 かした 基 本 目 標 として 以 下 を 提 案 する 下 町 の 暮 らしやすさを 活 かした 安 心 と 幸 福 を 実 感 できる 住 宅 住 環 境 づくり (2) 住 宅 政 策 の 個 別 目 標 基 本 目 標 の 実 現 に 向 けて 以 下 の3つの 個 別 目 標 を 設 定 する なお それぞれの 目 標 に 関 連 する 主 な 施 策 項 目 としては 次 々ページに 示 すものが 考 えられる 目 標 1: 安 全 で 安 心 して 暮 らせる 住 まいづくり 今 後 の 住 環 境 づくりについて 区 民 が 最 も 強 く 望 んでいるのは 安 全 安 心 であることを 踏 まえ 災 害 に 対 する 最 低 限 の 安 全 確 保 を 早 急 に 進 めるために 従 来 から 取 り 組 まれている 防 災 まちづくりと 連 携 しながら 既 存 住 宅 についても 防 災 性 を 高 め 良 好 なストックとして 有 効 活 用 していけるよう 必 要 な 支 援 策 を 講 じる また 荒 川 区 民 の 防 犯 意 識 の 高 さを 踏 まえ 防 災 対 策 と 併 せて 防 犯 にも 配 慮 した 住 環 境 づくりへの 取 り 組 みの 充 実 を 図 る 目 標 2: 良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 新 たな 住 宅 政 策 においても これまでの 住 宅 政 策 と 同 様 居 住 水 準 の 向 上 を 目 指 す 必 要 がある 併 せて 近 年 は 住 まいの 維 持 管 理 や 暮 らしにうるおいを 与 える 環 境 景 観 問 題 などの 視 点 を 踏 まえた 良 好 な 住 宅 ストックや 住 環 境 づく りへの 取 り 組 みが 求 められている 11

そのことを 踏 まえて 新 たに 建 設 される 住 宅 等 の 質 の 向 上 を 図 るとともに 住 宅 の 適 切 な 維 持 管 理 を 促 進 し 併 せて 建 物 の 長 寿 命 化 や 環 境 共 生 住 宅 の 普 及 など 地 球 環 境 問 題 等 にも 配 慮 した 良 質 な 住 宅 ストックの 形 成 と 住 まいやそ の 敷 地 内 の 緑 化 など 身 近 な 自 然 環 境 の 整 備 を 図 る また 景 観 面 についても 都 市 計 画 マスタープランにおいて 都 市 的 な 観 点 から 示 される 方 向 性 との 連 携 を 図 りながら 大 規 模 住 宅 住 宅 地 の 開 発 調 整 や 個 々の 建 物 や 外 構 身 近 な 公 園 等 による 良 好 な 住 宅 地 景 観 の 形 成 を 図 る さらに 区 民 やNPO 民 間 事 業 者 等 と 連 携 協 力 し 地 域 の 住 宅 ストック を 有 効 に 管 理 活 用 するエリアマネジメント 策 の 一 環 として 区 内 に 多 数 存 在 する 空 き 家 住 宅 ストックの 有 効 活 用 に 向 けた 仕 組 みづくりと 支 援 に 取 り 組 み 空 き 家 住 宅 を 活 用 した 各 地 域 への 若 い 世 代 の 定 住 転 入 促 進 による 地 域 の 適 正 な 世 代 ミックスと 地 域 コミュニティの 維 持 育 成 など 地 域 居 住 を 相 互 に 支 え 合 うソフト 面 での 良 好 な 住 環 境 の 形 成 を 図 る 目 標 3: 多 様 な 世 代 が 地 域 のなかで 住 み 続 けられる 住 まいづくり 地 域 で 暮 らす という 荒 川 区 ならではの 理 念 の 実 現 に 向 けて 住 まいや 住 環 境 のバリアフリー 化 ユニバーサルデザイン 化 について 積 極 的 に 取 り 組 み 今 後 のより 一 層 の 高 齢 化 社 会 に 対 応 した 住 まい 住 環 境 づくりを 図 るとともに 高 齢 者 障 がい 者 が 現 在 のまちに 住 み 続 けられるようなセーフティネット 機 能 を 検 討 推 進 する また 区 内 外 に 居 住 する 子 育 て 世 帯 に 対 して 親 世 帯 との 近 居 ( 地 域 の 中 で の 三 世 代 居 住 ) を 支 援 し 各 地 域 における 子 育 て 環 境 を 充 実 するなど 各 地 域 への 若 い 世 代 の 定 住 転 入 を 促 進 するような 住 宅 施 策 を 展 開 する 12

住 宅 政 策 の 目 標 と 主 な 施 策 項 目 住 宅 政 策 の 目 標 関 連 する 主 な 施 策 項 目 (1) 安 全 で 安 心 して 暮 らせ る 住 まいづくり 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 への 取 り 組 み 耐 震 改 修 促 進 計 画 に 基 づく 取 り 組 み 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 防 災 性 向 上 のための 緊 急 対 策 防 災 まちづくりと 連 携 した 建 替 え 促 進 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 への 誘 導 新 たな 木 造 建 築 の 防 災 技 術 の 活 用 住 宅 住 宅 地 の 防 犯 対 策 住 宅 防 犯 設 備 等 の 普 及 促 進 (2) 良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 住 宅 ストックの 質 の 向 上 住 宅 の 質 の 向 上 に 向 けた 規 制 誘 導 民 間 賃 貸 住 宅 の 良 質 化 の 推 進 マンションの 適 切 な 維 持 管 理 の 促 進 既 存 住 宅 のリフォームへの 誘 導 住 まいに 関 連 する 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 環 境 に 配 慮 した 住 宅 づくりと 維 持 管 理 の 促 進 都 市 計 画 マスタープランとの 連 携 による 住 宅 住 宅 地 開 発 の 景 観 誘 導 住 宅 の 長 寿 命 化 の 誘 導 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 既 存 の 支 援 制 度 の 活 用 促 進 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 への 誘 導 空 き 家 活 用 の 可 能 性 についての 研 究 良 好 な 住 環 境 の 整 備 身 近 な 自 然 環 境 の 維 持 保 全 良 好 な 住 宅 地 景 観 の 形 成 (3) 多 様 な 世 代 が 地 域 の 中 で 住 み 続 けられる 住 ま いづくり 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 のための セーフティネット 高 齢 者 の 賃 貸 住 宅 への 入 居 の 円 滑 化 住 宅 の 改 造 耐 震 改 修 への 誘 導 公 共 施 設 のバリアフリー 化 NPOや 民 間 事 業 者 による 支 援 の 促 進 住 宅 政 策 としての 子 育 て 支 援 キッズスペースの 設 置 など 民 間 開 発 への 誘 導 親 世 帯 との 近 居 への 誘 導 空 き 家 活 用 等 による 支 援 策 の 検 討 多 様 な 世 帯 の 居 住 ニーズへの 対 応 ワーキングプア 等 の 多 様 な 世 帯 への 対 応 13

4. 重 点 的 に 取 り 組 むべき 施 策 住 宅 政 策 の 目 標 に 関 連 する 施 策 項 目 のうち 幸 福 実 感 都 市 あらかわ の 実 現 に 向 けた 基 本 理 念 と 課 題 を 具 体 的 に 反 映 し 荒 川 区 ならではのオリジナリティーを 明 確 に 示 す 施 策 として 次 の5つを 重 点 的 に 取 り 組 むべき 施 策 として 提 案 する ( 次 ページ 以 降 に 各 施 策 の 背 景 と 考 え 方 について 詳 述 する ) 安 全 で 安 心 して 暮 らせる 住 まいづくりのための 施 策 1 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 防 災 性 向 上 のための 緊 急 対 策 荒 川 区 の 喫 緊 の 課 題 となっている 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 問 題 に 焦 点 を 当 てた 当 施 策 を 重 点 施 策 の 一 つとして 位 置 づける 良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 のための 施 策 2 住 まいに 関 連 する 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 環 境 景 観 問 題 に 対 する 区 民 の 関 心 の 高 さを 背 景 に 国 や 東 京 都 の 動 向 にも 注 視 しつつ 当 施 策 を 重 点 施 策 の 一 つとして 位 置 づける 3 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 当 施 策 を 契 機 に 地 域 コミュニティの 維 持 育 成 を 図 っていくために 当 施 策 を 重 点 施 策 の 一 つとして 位 置 づける 多 様 な 世 代 が 地 域 のなかで 住 み 続 けられる 住 まいづくりのための 施 策 4 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 のためのセーフティネット 高 齢 者 障 がい 者 の 地 域 居 住 を 積 極 的 に 支 援 するために 当 施 策 を 重 点 施 策 の 一 つとして 位 置 づける 5 住 宅 政 策 としての 子 育 て 支 援 住 宅 政 策 としても 各 地 域 における 子 育 て 環 境 の 充 実 に 取 り 組 むために 当 施 策 を 重 点 施 策 の 一 つとして 位 置 づける 14

安 全 で 安 心 して 暮 らせる 住 まいづくりのための 施 策 (1) 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 防 災 性 向 上 のための 緊 急 対 策 これまで 近 隣 まちづくり 推 進 制 度 など 区 独 自 の 制 度 創 設 なども 含 めて 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 における 積 極 的 な 建 替 えを 促 してきた それによって 幹 線 道 路 沿 道 などに 中 高 層 マンションが 建 設 されて 延 焼 遮 断 帯 が 形 成 されるとともに 高 齢 化 が 進 む 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 への 若 い 世 帯 の 転 入 を 促 す 効 果 も 果 たしてきたが 一 方 では 街 区 内 の 市 街 地 は 道 路 基 盤 が 未 整 備 なため 依 然 として 住 宅 の 建 替 えが 進 まず 防 災 上 の 問 題 を 抱 えたままとなっている そのような 状 況 を 背 景 に より 身 近 な 暮 らしの 安 全 を 確 保 するといった 視 点 か ら 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 などの 要 望 が 高 まってきた そのため 区 では 平 成 20 年 度 に 荒 川 区 耐 震 改 修 促 進 計 画 を 策 定 し 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 への 支 援 を 本 格 化 してきたところである また 近 年 は 既 存 住 宅 の 防 耐 火 補 強 技 術 などの 向 上 によ り 従 来 の 建 物 更 新 だけではなく 既 存 住 宅 ストックを 活 用 しながら 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 安 全 性 を 確 保 する 方 法 なども 考 えられている 長 期 的 な 視 点 からは 古 い 木 造 住 宅 の 建 替 え 促 進 や 狭 隘 道 路 主 要 生 活 道 路 の 拡 幅 による 身 近 な 避 難 路 の 確 保 私 道 の 公 道 移 管 による 建 替 え 環 境 の 整 備 など 従 来 の 防 災 まちづくり 手 法 による 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 改 善 が 必 要 だが その 進 捗 には 時 間 がかかる 今 後 10 年 間 で 最 低 限 の 安 全 確 保 を 図 るために 近 隣 まち づくり 推 進 制 度 など 既 往 の 防 災 まちづくり 事 業 制 度 との 連 携 による 建 替 え 促 進 と 並 行 して 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 や 高 齢 者 世 帯 における 耐 震 シェルター 設 置 へ の 支 援 誘 導 もひとつの 柱 とし 併 せて 既 存 住 宅 の 防 耐 火 補 強 技 術 など 新 たな 木 造 建 築 の 防 災 技 術 の 活 用 に 対 する 支 援 についても 積 極 的 に 取 り 組 み 木 造 住 宅 密 集 市 街 地 の 防 災 性 の 向 上 に 向 けて より 効 果 的 な 施 策 の 推 進 を 図 る 1 防 災 まちづくり 事 業 制 度 の 積 極 的 な 導 入 推 進 2 既 存 住 宅 の 耐 震 改 修 や 耐 震 シェルター 設 置 への 積 極 的 な 支 援 誘 導 3 既 存 住 宅 の 防 耐 火 補 強 技 術 による 改 修 等 の 支 援 策 の 検 討 15

良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 のための 施 策 (2) 住 まいに 関 連 する 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 地 球 温 暖 化 やヒートアイランド 現 象 など 環 境 問 題 が 深 刻 化 するなか 住 宅 分 野 においても 建 設 から 廃 棄 までの 住 宅 のライフサイクルを 通 じて できる 限 り CO 2 削 減 等 の 環 境 負 荷 の 低 減 に 努 めていくことが 強 く 求 められている また 東 京 都 では 環 境 と 併 せて 景 観 にも 配 慮 した 住 宅 まちづくりを 重 視 している 荒 川 区 においても 基 本 構 想 で 東 京 をリードする 環 境 施 策 の 発 信 を 柱 の 一 つ としていることから 住 宅 政 策 においても 環 境 景 観 問 題 への 配 慮 に 重 点 的 に 取 り 組 む 必 要 がある 区 民 アンケートでも 今 後 の 住 環 境 づくりについて 身 近 な みどりなど 自 然 環 境 の 確 保 維 持 や 周 辺 の 住 環 境 と 調 和 のとれた 開 発 を 求 める 意 見 は 多 く 住 宅 の 維 持 管 理 への 相 談 支 援 や 住 宅 の 増 改 築 やリフォー ムへの 支 援 など 環 境 問 題 への 寄 与 に 通 じる 居 住 支 援 を 求 める 意 見 も 少 なくない これまで 荒 川 区 では 環 境 共 生 住 宅 等 をPR 普 及 するための エコ 助 成 制 度 や 住 宅 機 材 の 開 発 費 に 対 する 助 成 を 行 ってきた 加 えて 荒 川 ルール 等 によ る 良 好 な 生 活 環 境 の 維 持 保 全 など 環 境 景 観 に 配 慮 した 住 宅 づくりへの 支 援 も 行 ってきた 今 後 もこれらの 取 り 組 みを 積 極 的 に 推 進 するとともに 様 々な 団 体 による 助 成 制 度 に 関 する 情 報 の 提 供 も 充 実 を 図 り 景 観 については 都 市 計 画 マ スタープランと 連 携 し 荒 川 ルール などを 活 用 しながら 周 辺 の 住 環 境 との 調 和 のとれた 住 宅 住 宅 地 開 発 を 誘 導 していくものとする さらに 国 が 取 り 組 む 200 年 住 宅 への 支 援 の 動 向 等 を 踏 まえながら 住 宅 の 長 寿 命 化 への 取 り 組 みや 建 設 資 材 の 循 環 利 用 などに 向 けた 施 策 の 展 開 を 図 っていくものとする 1 環 境 に 配 慮 した 住 宅 づくりへの 支 援 策 の 積 極 的 な 推 進 2 環 境 に 配 慮 した 住 まいのリフォーム 維 持 管 理 に 対 する 支 援 の 検 討 3 都 市 計 画 マスタープランとの 連 携 による 住 宅 住 宅 地 開 発 の 景 観 誘 導 4 住 宅 の 長 寿 命 化 の 促 進 への 取 り 組 み 5 建 設 資 材 の 循 環 利 用 の 促 進 に 関 する 取 り 組 みの 検 討 16

良 質 な 住 宅 ストックと 良 好 な 住 環 境 の 形 成 のための 施 策 (3) 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 空 き 家 住 宅 も 有 効 に 活 用 すれば 地 域 の 良 好 な 住 宅 ストックとなり 得 る 荒 川 区 には 空 き 家 住 宅 が 約 1 万 2 千 戸 あり 今 後 も 増 加 が 予 想 される その 詳 細 な 実 態 は 現 時 点 では 明 らかではないが 既 存 データからはファミリー 世 帯 の 居 住 などにも 十 分 に 耐 え 得 る 広 さの 住 宅 も 少 なくないものと 考 えられる 今 後 それらの 良 質 な 空 き 家 住 宅 を 既 存 住 宅 ストックとして 効 果 的 に 活 用 し 高 齢 者 への 生 活 支 援 や 各 地 域 における 若 い 世 代 の 入 居 促 進 等 を 図 っていくために 移 住 住 み 替 え 支 援 機 構 による マイホーム 借 上 制 度 *2 など 既 存 の 支 援 制 度 活 用 の 普 及 促 進 を 図 る 具 体 的 には 制 度 のPRと 併 せて 制 度 活 用 に 向 けた 賃 貸 用 住 宅 の 耐 震 改 修 支 援 や 借 家 人 を 対 象 としたリフォーム 支 援 などを 図 る また 空 き 家 住 宅 の 実 態 を 詳 細 に 調 査 し 区 民 やNPO 不 動 産 関 係 業 界 など との 連 携 協 力 による 実 態 に 即 した 適 切 な 活 用 策 支 援 策 を 検 討 する 例 えば 空 き 家 住 宅 活 用 の 大 きな 障 害 となっている 借 地 権 問 題 の 解 決 策 についての 検 討 空 き 家 住 宅 に 関 する 情 報 提 供 やあっ 旋 を 円 滑 に 行 える 仕 組 みづくりの 検 討 一 般 住 宅 としてだけでなく 高 齢 者 障 がい 者 支 援 施 設 子 育 て 支 援 施 設 等 への 活 用 や 老 朽 空 き 家 住 宅 を 除 却 してその 敷 地 を 地 域 の 共 用 施 設 に 利 用 するなど 様 々な 活 用 の 可 能 性 についての 研 究 などが 想 定 される 1 既 存 の 支 援 制 度 (マイホーム 借 上 制 度 など) 活 用 の 普 及 促 進 2 支 援 制 度 活 用 のための 耐 震 改 修 やリフォームへの 支 援 3 空 き 家 住 宅 の 実 態 調 査 の 実 施 4 空 き 家 住 宅 の 実 態 に 即 した 適 切 な 活 用 策 支 援 策 の 検 討 *2 マイホーム 借 上 制 度 : 高 齢 者 等 が 所 有 する 住 宅 を 借 り 上 げ 定 期 借 家 (3 年 ) で 子 育 て 世 帯 等 に 賃 貸 する 制 度 家 賃 保 証 があるため 高 齢 者 にとっては 生 活 支 援 となり 子 育 て 世 帯 にとっては 市 場 よりも 低 廉 な 家 賃 で 広 い 住 宅 に 住 めるとい う 居 住 支 援 になる 新 耐 震 基 準 を 満 たした 住 宅 であることが 要 件 であり 設 備 や 内 装 については 借 家 人 によるリフォームが 認 められている 17

多 様 な 世 代 が 地 域 の 中 で 住 み 続 けられる 住 まいづくりのための 施 策 (4) 地 域 居 住 を 前 提 とした 高 齢 者 障 がい 者 のためのセーフティネット 荒 川 区 は23 区 のなかでも 高 齢 者 率 が 高 く 今 後 も 高 齢 者 の 増 加 が 見 込 まれて いる 高 齢 者 は 持 ち 家 一 戸 建 てに 住 んでいる 比 率 が 高 く 区 民 アンケートでは 高 齢 期 においても 現 在 の 住 まいへの 居 住 を 希 望 するものが 約 半 数 に 及 んでいる 必 要 な 居 住 支 援 も 高 齢 者 障 がい 者 への 居 住 支 援 への 希 望 が 最 も 多 く 関 連 して 現 在 の 住 宅 の 維 持 管 理 への 支 援 増 改 築 やリフォームへの 支 援 を 希 望 す る 意 見 も 多 い 高 齢 者 障 がい 者 が 今 後 も 地 域 で 安 心 して 幸 福 に 暮 らし 続 けて いけるよう 住 宅 政 策 としてこれらのニーズにいかに 応 えていくかが 課 題 である これまで 荒 川 区 における 高 齢 者 障 がい 者 に 対 する 住 宅 施 策 は 高 齢 者 障 がい 者 用 区 営 住 宅 の 供 給 や 高 齢 者 世 帯 の 住 宅 改 修 支 援 を 中 心 として 展 開 してきた また 市 街 地 整 備 と 関 連 して 公 共 施 設 のバリアフリー 化 への 取 り 組 みを 進 めて きた 今 後 高 齢 化 のさらなる 進 展 に 伴 い 高 齢 者 が 住 み 慣 れた 地 域 で 安 心 して 生 活 していけるよう 民 間 賃 貸 住 宅 への 入 居 や 住 宅 の 改 修 に 係 わる 支 援 策 等 を 充 実 していく 必 要 がある また 近 年 高 齢 者 の 生 活 を 支 える 医 療 介 護 住 まい 等 が 一 体 となった 地 域 ケア 体 制 の 整 備 が 求 められている 地 域 ケア 体 制 の 整 備 に 当 たっては 介 護 サービ スのほか 高 齢 者 向 けの 住 まいと 見 守 りサービス 多 様 な 住 まいでの 生 活 を 支 え る 在 宅 医 療 を 基 本 的 施 策 として 位 置 付 ける 必 要 がある このため 今 後 の 住 宅 施 策 においてもこの 地 域 ケアの 考 え 方 に 基 づき 福 祉 分 野 の 各 種 施 策 と 連 携 し NP Oや 民 間 事 業 者 によるグループホームや 小 規 模 入 居 施 設 の 供 給 などを 活 発 化 する 支 援 策 の 充 実 を 検 討 するなど 地 域 居 住 を 前 提 とした 施 策 展 開 を 図 っていく 1 高 齢 者 等 に 対 する 民 間 賃 貸 住 宅 への 入 居 支 援 の 充 実 2 高 齢 者 世 帯 等 に 対 する 住 宅 改 修 への 支 援 の 充 実 3 民 間 マンション 等 における 障 がい 者 の 居 住 に 配 慮 した 整 備 への 誘 導 4 公 共 施 設 のバリアフリー 化 の 推 進 5 NPOや 民 間 事 業 者 等 による 住 宅 供 給 居 住 支 援 を 促 進 する 仕 組 み づくり( 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 を 含 めて) 18

多 様 な 世 代 が 地 域 の 中 で 住 み 続 けられる 住 まいづくりのための 施 策 (5) 住 宅 政 策 としての 子 育 て 支 援 近 年 荒 川 区 では 南 千 住 地 区 の 大 規 模 開 発 等 により 20~30 代 の 転 入 が 多 く 見 られるが 若 い 単 独 世 帯 や 子 育 て 世 帯 の 比 率 はまだまだ 低 く 今 後 の 少 子 高 齢 化 社 会 を 背 景 に 現 在 区 内 に 居 住 している 若 い 世 代 子 育 て 世 帯 の 定 住 を 促 進 し 新 たな 転 入 を 受 け 入 れていくために 住 宅 政 策 として 積 極 的 な 子 育 て 世 帯 への 居 住 支 援 に 取 り 組 んでいくことが 必 要 である これまで 荒 川 区 では 定 住 化 促 進 のための 住 宅 施 策 の 一 つとして 持 ち 家 取 得 の 支 援 中 堅 ファミリー 世 帯 への 住 宅 供 給 の 促 進 ( 都 民 住 宅 公 団 公 社 住 宅 の 供 給 )とともに 子 育 て 世 帯 に 対 する 支 援 に 取 り 組 んできた 具 体 の 施 策 として は 三 世 代 居 住 の 推 進 策 の 実 施 や 大 規 模 マンション 建 設 に 対 するキッズスペース の 確 保 等 の 誘 導 区 民 住 宅 都 民 住 宅 都 営 住 宅 等 の 賃 貸 住 宅 情 報 の 提 供 募 集 案 内 などである 今 後 は より 積 極 的 な 子 育 て 世 帯 への 居 住 支 援 を 図 っていくために 子 育 て 世 帯 による 住 宅 の 広 さや 家 賃 への 不 満 や 区 民 の 近 居 ( 地 域 の 中 での 三 世 代 居 住 ) への 意 向 の 高 さなどを 踏 まえて 前 出 の マイホーム 借 上 制 度 等 を 活 用 した 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 等 による 市 場 よりも 低 廉 な 家 賃 で 広 い 住 宅 のあっ 旋 をはじめ 地 域 の 中 での 三 世 代 居 住 への 積 極 的 な 支 援 空 き 家 空 き 店 舗 の 活 用 による 子 育 て 支 援 施 設 ( 一 時 預 かり 施 設 コミュニティ 施 設 等 )の 開 設 への 支 援 など 多 角 的 な 支 援 策 の 検 討 取 り 組 みを 進 める 1 大 規 模 マンション 建 設 に 対 するキッズスペースの 確 保 等 の 誘 導 2 区 民 住 宅 都 民 住 宅 都 営 住 宅 等 の 賃 貸 住 宅 情 報 の 提 供 募 集 案 内 3 地 域 の 中 での 三 世 代 居 住 への 積 極 的 な 支 援 策 の 検 討 4 空 き 家 住 宅 の 有 効 活 用 等 による 低 廉 な 家 賃 で 広 い 住 宅 のあっ 旋 5 空 き 家 空 き 店 舗 の 活 用 による 子 育 て 支 援 施 設 の 開 設 支 援 19

5. 施 策 展 開 への 取 り 組 みの 体 制 住 宅 住 環 境 づくりへの 取 り 組 みは 住 宅 関 連 部 署 を 中 心 にまちづくり 環 境 福 祉 子 育 てなど 行 政 内 の 様 々な 部 署 の 連 携 による 取 り 組 みが 不 可 欠 である また 行 政 だけで 取 り 組 めるものでもなく 区 民 や NPO 民 間 事 業 者 などとの 連 携 協 力 が 必 要 である 地 元 の 大 学 等 による 様 々な 研 究 活 動 との 連 携 も 効 果 的 であろうし 居 住 者 の 個 々の 事 情 に 応 じた 住 宅 住 環 境 づくりを 目 指 すためには 地 元 の 建 築 家 や 専 門 家 等 による 継 続 的 なまちへの 関 わりと 支 援 も 必 要 である そのため 重 点 的 に 取 り 組 むべき 施 策 をはじめ 個 々の 住 宅 施 策 への 取 り 組 み に 当 たっては 以 下 の 考 え 方 で 進 める 必 要 がある 産 官 学 民 が 協 働 して 取 り 組 む 住 まいづくり 新 たな 住 宅 施 策 の 展 開 に 当 たっては 必 要 な 人 に 必 要 な 住 まいと 住 環 境 を 提 供 するために 区 民 やNPO 民 間 事 業 者 大 学 地 元 の 建 築 家 専 門 家 等 と 連 携 協 力 しながら 地 域 が 主 体 となった 住 まいの 流 通 と 地 域 居 住 への 支 援 (エリアマ ネジメント)のしくみづくりも 課 題 となる そのためには 区 民 やNPO 民 間 事 業 者 等 の 多 様 なアイディアやノウハウを 集 め 地 域 における 住 宅 供 給 居 住 支 援 の 担 い 手 を 育 成 支 援 していくことが 求 められる 今 後 の 住 宅 施 策 を 効 果 的 かつ 効 率 的 に 展 開 していくために 前 章 に 示 した 重 点 施 策 への 取 り 組 みと 併 せて 以 下 のような 取 り 組 みを 検 討 し 地 域 における 主 体 的 な 取 り 組 み 体 制 の 整 備 を 図 っていくことも 必 要 である 1 産 官 学 民 による 新 たな 取 り 組 みを 募 集 するモデル 事 業 等 の 検 討 2 地 域 の 様 々な 課 題 に 応 える 複 合 的 な 事 業 への 優 先 的 な 支 援 3 先 進 的 な 地 域 におけるモデル 的 な 取 り 組 みへの 積 極 的 な 支 援 20