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スライド 1

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

●幼児教育振興法案

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

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の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

所令要綱

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第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

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文化政策情報システムの運用等

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や


●電力自由化推進法案

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1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

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個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

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Microsoft Word - 都市計画法第34条第11号及び第12号

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

(15) 兵 庫 県 道 高 速 湾 岸 線 (16) 神 戸 市 道 高 速 道 路 2 号 線 (17) 兵 庫 県 道 高 速 北 神 戸 線 (18) 神 戸 市 道 高 速 道 路 北 神 戸 線 (19) 神 戸 市 道 高 速 道 路 湾 岸 線 のうち 上 り 線 については 神 戸

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

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Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

第1章 総則

資料8(第2回水害WG)

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

 

18 国立高等専門学校機構

第2章 施設の実態(用途別)

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は し が き

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

加 古 川 市 市 街 化 調 整 区 域 における 地 区 計 画 制 度 の 運 用 基 準 ( 概 要 ) 第 1 章 総 則 運 用 基 準 の 目 的 地 区 計 画 制 度 の 運 用 により 良 好 な 居 住 環 境 の 維 持 及 び 育 成 を 目 的 とする ( 第 1 条 )

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課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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定款  変更

3 地 震 保 険 の 割 引 地 震 保 険 に 加 入 されている 場 合 耐 震 改 修 後 保 険 料 の 割 引 (10%)が 受 けられる 場 合 があ ります ご 加 入 の 保 険 会 社 にお 問 合 せになり 宅 耐 震 改 修 証 明 書 の 写 し あるいは 固 定 資 産

を 行 うこと 又 は 必 要 な 機 能 を 追 加 することをいう ( 補 助 対 象 事 業 ) 第 3 条 補 助 金 の 交 付 対 象 となる 事 業 ( 以 下 補 助 対 象 事 業 という )は, 次 条 に 規 定 するこの 補 助 金 の 交 付 の 対 象 となる 者 ( 以

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< 圧 縮 記 帳 の 効 果 > 圧 縮 記 帳 を 適 用 した 場 合 に 得 られる 税 務 上 の 効 果 はどのようなものでしょうか 前 述 のように 圧 縮 記 帳 の 制 度 目 的 は 補 助 金 等 の 受 贈 益 に 対 して 直 ちに 課 税 しないことにより 補 助 目 的

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

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Microsoft Word - H27概要版

Transcription:

東 日 本 大 震 災 からの 住 宅 の 再 建 に 向 けた 取 組 国 土 交 通 委 員 会 調 査 室 廣 原 孝 一 1. はじめに 平 成 23 年 3 月 11 日 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 においては 津 波 により 東 北 地 方 沿 岸 部 を 中 心 に 甚 大 な 被 害 が 発 生 しており 建 築 物 の 被 害 は 全 国 で 全 壊 約 13 万 戸 半 壊 約 27 万 戸 に 上 っている とりわけ 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 の3 県 は 3 県 の 被 害 戸 数 の 合 計 が 全 体 の9 割 を 超 すなど 極 めて 大 きな 被 害 を 被 っている( 図 表 1) 津 波 により 広 範 にわた って 市 街 地 が 被 災 した 地 域 においては 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 や 土 地 区 画 整 理 事 業 など 市 街 地 や 居 住 地 の 復 興 のための 事 業 が 想 定 されている 地 区 も 多 く 単 に 自 宅 を 再 建 するに 止 まらず 移 転 や 地 盤 の 嵩 上 げが 必 要 とされる 被 災 者 も 多 数 に 上 っている ( 図 表 1) 東 日 本 大 震 災 における 建 築 物 の 被 害 状 況 建 築 被 害 全 壊 半 壊 戸 数 割 合 戸 数 割 合 岩 手 県 18,370 14% 6,558 2% 宮 城 県 85,260 66% 152,880 57% 福 島 県 21,149 16% 72,909 27% 3 県 計 124,779 97% 232,347 86% その 他 4,029 3% 37,524 14% 計 128,808 269,871 ( 出 所 ) 警 察 庁 資 料 ( 平 成 25 年 4 月 10 日 )より 作 成 発 災 後 2 年 を 経 過 し まちづくりを 始 めとする 復 興 事 業 はようやく 本 格 化 しようとして きているが 資 材 建 設 用 地 あるいは 人 員 の 不 足 等 の 理 由 により 復 興 事 業 の 進 捗 の 遅 れ が 懸 念 されている 被 災 地 域 は 高 齢 者 も 多 く 一 刻 も 早 い 住 居 の 再 建 が 望 まれているとこ ろであるが 例 えば 自 力 再 建 が 困 難 な 世 帯 に 対 し 賃 貸 される 災 害 公 営 住 宅 をとってみて も 整 備 に 着 手 ( 用 地 確 保 が 完 了 )した 割 合 が 計 画 戸 数 に 対 して 約 38% 1 ( 平 成 25 年 2 月 末 時 点 )に 止 まっている こうしたことから 安 倍 政 権 は 平 成 25 年 3 月 の 復 興 推 進 会 議 において 用 地 取 得 の 迅 速 化 や 生 コン 等 資 材 対 策 を 含 めた 住 宅 再 建 復 興 まちづくりの 加 速 化 に 向 けた 施 策 パッ ケージ を 公 表 した これに 基 づき 市 町 村 及 びその 地 区 ごとに 面 的 整 備 事 業 ( 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 等 )の 工 程 や 住 宅 宅 地 の 入 居 可 能 戸 数 を 年 度 別 に 明 示 した 住 まいの 復 興 工 程 表 を 公 表 し 住 宅 の 早 期 再 建 を 図 るとともに 被 災 者 が 生 活 再 建 に 向 けた 見 通 しを 持 てるようにしている 1 災 害 公 営 住 宅 の 全 体 計 画 が 未 定 の 福 島 県 を 除 く 50 ( 参 議 院 事 務 局 企 画 調 整 室 編 集 発 行 )

本 稿 では 被 害 の 大 きかった 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 ( 以 下 被 災 3 県 という )にお ける 住 居 の 復 興 について 災 害 公 営 住 宅 を 中 心 に 概 観 する 2. 住 宅 再 建 に 向 けた 取 組 及 び 復 興 の 現 状 東 日 本 大 震 災 により 住 宅 が 滅 失 した 被 災 者 の 居 住 の 再 建 については 自 力 での 住 宅 再 建 が 可 能 な 被 災 者 に 対 しては 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 に 基 づく 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 ( 自 宅 が 全 壊 し 再 建 した 場 合 等 に 最 高 300 万 円 )の 支 給 住 宅 金 融 支 援 機 構 による 災 害 復 興 住 宅 融 資 の 金 利 引 下 げ( 当 初 5 年 間 0% 等 ) 旧 住 宅 金 融 公 庫 や 住 宅 金 融 支 援 機 構 による 既 存 ロ ーンの 返 済 猶 予 等 の 返 済 方 法 の 変 更 等 住 宅 ローン 控 除 等 の 措 置 がとられている 一 方 自 力 による 再 建 が 困 難 な 被 災 者 に 対 しては 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 の 促 進 を 図 ると ともに 収 入 基 準 等 により 継 続 的 に 災 害 公 営 住 宅 等 に 入 居 することが 困 難 な 被 災 者 に 対 し て 民 間 賃 貸 住 宅 の 整 備 を 促 進 することとしており 災 害 復 興 型 地 域 優 良 賃 貸 住 宅 制 度 ( 賃 貸 住 宅 整 備 費 用 補 助 の 拡 充 家 賃 低 廉 化 支 援 )の 創 設 被 災 者 向 け 優 良 賃 貸 住 宅 に 係 る 割 増 償 却 制 度 の 創 設 被 災 した 賃 貸 住 宅 所 有 者 の 再 建 費 用 に 対 する 融 資 の 金 利 引 下 げ( 当 初 5 年 間 0% 等 ) 等 の 措 置 がとられている (1) 応 急 仮 設 住 宅 入 居 者 の 状 況 全 国 での 避 難 者 の 数 ( 平 成 25 年 4 月 4 日 現 在 )は 約 30.9 万 人 となっており このうち 約 29.4 万 人 が 応 急 仮 設 住 宅 等 の 住 宅 等 に 入 居 している 2 被 災 3 県 における 応 急 仮 設 住 宅 の 入 居 状 況 は 岩 手 県 において 16,092 戸 (プレハブ 住 宅 12,612 戸 民 間 賃 貸 借 上 げ 2,600 戸 公 営 住 宅 等 880 戸 )に 37,948 人 が 宮 城 県 にお いて 41,721 戸 (プレハブ 住 宅 20,668 戸 民 間 賃 貸 借 上 げ 20,032 戸 公 営 住 宅 等 1,021 戸 )に 100,814 人 福 島 県 において 13,337 戸 ( 仮 設 住 宅 5,241 戸 借 上 げ 住 宅 7,828 戸 公 営 住 宅 268 戸 )に 32,962 人 が 入 居 している 3 さらに 福 島 県 においては 原 子 力 災 害 による 避 難 者 ( 警 戒 区 域 等 の 避 難 指 示 区 域 とされていた 地 域 に 居 住 していた 者 ) 向 けの 仮 設 住 宅 約 2.3 万 戸 に 約 5 万 人 が 入 居 している なお 応 急 仮 設 住 宅 の 提 供 期 間 については 平 成 24 年 4 月 に 被 災 地 における 恒 久 住 宅 の 整 備 になお 時 間 を 要 する 状 況 にあるため 原 則 として3 年 間 とされたが 被 災 地 の 復 興 状 況 が 異 なってきていることから 被 災 者 の 住 宅 の 需 要 に 応 ずるに 足 りる 適 当 な 住 宅 が 不 足 する 等 の 条 件 を 満 たした 場 合 地 方 公 共 団 体 の 判 断 で 延 長 が 可 能 とされている (2) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 の 支 給 状 況 東 日 本 大 震 災 により 居 住 する 住 宅 が 全 壊 するなど 生 活 基 盤 に 著 しい 被 害 を 受 けた 世 帯 に 対 しては 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 に 基 づき 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 が 支 給 されている 支 援 金 は 住 宅 の 被 害 程 度 ( 全 壊 解 体 長 期 避 難 大 規 模 半 壊 )に 応 じて 支 給 される 基 礎 支 援 金 と 住 宅 を 再 建 した 場 合 にその 再 建 方 法 ( 建 設 購 入 補 修 賃 貸 )に 応 じて 支 給 され る 加 算 支 援 金 とから 構 成 されているが それぞれの 支 給 状 況 は 基 礎 支 援 金 が 被 災 3 県 で 2 その 外 親 類 知 人 宅 等 に 約 15,000 人 居 住 ( 復 興 庁 調 べ) 3 岩 手 県 は 平 成 25 年 4 月 5 日 現 在 宮 城 県 は 同 年 4 月 5 日 現 在 福 島 県 は 同 年 5 月 2 日 現 在 ( 福 島 県 におい ては その 外 に 雇 用 促 進 住 宅 国 家 公 務 員 宿 舎 等 の 活 用 がある ) 51

169,696 世 帯 加 算 支 援 金 が 84,779 世 帯 となり 4 自 宅 に 甚 大 な 被 害 を 受 けた 世 帯 のうち 約 5 割 が 居 住 の 再 建 を 果 たしている 加 算 支 援 金 の 申 請 件 数 を 地 域 別 にみると 仙 台 市 郡 山 市 等 で6 割 程 度 の 申 請 があり 岩 手 県 の 沿 岸 部 においては3 割 に 満 たない 地 域 も 多 い( 図 表 2) これは 岩 手 県 の 沿 岸 部 においては 宅 地 となる 高 台 が 少 なく また 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 等 の 面 的 整 備 事 業 の 着 手 が 本 格 化 していないこと 等 から 自 宅 の 再 建 ができていないことが 背 景 にあるものと 考 えられている 市 町 村 名 ( 図 表 2) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 の 申 請 件 数 ( 平 成 25 年 1 月 31 日 現 在 ) 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 基 礎 支 援 金 A 3,992 2,916 3,805 4,059 3,141 3,598 加 算 支 援 金 B 1,349 559 851 845 866 684 B/A % 市 町 村 名 基 礎 支 援 金 A 加 算 支 援 金 B B/A % 市 町 村 名 基 礎 支 援 金 A 1,473 1,355 12,628 4,223 2,093 加 算 支 援 金 B 592 298 6,608 2,637 1,240 宮 古 市 山 田 町 大 槌 町 釜 石 市 大 船 渡 市 陸 前 高 田 市 34.4 19.2 22.4 20.8 27.6 19.0 気 仙 沼 市 南 三 陸 町 石 巻 市 東 松 島 市 女 川 町 七 ヶ 浜 町 塩 竃 市 7,954 3,228 30,885 8,932 2,483 1,074 2,490 2,064 515 15,078 5,019 453 422 1,280 25,9 16.0 48.8 56.2 18.2 39.3 51.4 相 馬 市 南 相 馬 市 いわき 市 郡 山 市 須 賀 川 市 40.2 22.0 52.3 62.4 59.2 多 賀 城 市 6,114 3,259 53.3 仙 台 市 48,547 29,562 60.9 名 取 市 2,885 1,116 39.0 岩 沼 市 1,282 590 46.0 亘 理 町 2,480 1,158 46.7 山 元 町 2,809 1,137 40.5 大 崎 市 1,198 689 57.5 全 県 23,005 5,844 25.4 全 県 126,031 64,484 51.2 全 県 27,848 14,375 51.6 ( 注 ) 県 の 数 値 は 申 請 総 世 帯 数 市 町 村 は 基 礎 支 援 金 の 申 請 世 帯 数 1,000 以 上 の 市 町 村 ( 出 所 ) 河 北 新 報 ( 平 25.3.3)より 作 成 (3) 被 災 3 県 における 住 宅 着 工 戸 数 の 推 移 被 災 3 県 における 平 成 24 年 度 の 持 家 の 着 工 戸 数 をみると 震 災 前 の 平 成 22 年 度 と 比 較 した 場 合 岩 手 県 で 約 38%の 増 加 宮 城 県 で 約 71%の 増 加 福 島 県 で 約 33%の 増 加 とな っており 特 に 宮 城 県 においては 住 宅 再 建 の 動 きを 強 く 反 映 して 持 家 の 伸 び 率 が 高 い ( 図 表 3) また 住 民 の 仮 住 まい 及 び 復 興 事 業 従 事 者 の 需 要 を 見 込 んだと 思 われる 動 きにより 貸 家 の 新 規 着 工 戸 数 の 伸 び 率 も 高 くなっており 平 成 22 年 度 と 24 年 度 とで 比 較 すると 岩 手 県 で 約 90%の 増 加 宮 城 県 で 約 65%の 増 加 福 島 県 で 約 51%の 増 加 となっている 被 災 3 県 における 今 後 の 動 向 については 持 家 及 び 貸 家 を 中 心 にしばらくは 回 復 基 調 で 推 移 す るとみられている 5 B/A % 4 内 閣 府 調 べ 平 成 25 年 2 月 28 日 現 在 5 建 設 経 済 モデルによる 建 設 投 資 の 見 通 し(2013 年 4 月 ) ( 平 25.4.22) 建 設 経 済 研 究 所 52

( 図 表 3) 被 災 3 県 における 月 別 住 宅 着 工 ( 持 家 ) 1,200 1,000 800 600 400 200 0 戸 23/1 東 日 本 大 震 災 9 10 11 12 24/1 2 3 4 5 6 7 8 岩 手 県 宮 城 県 福 島 県 9 10 11 12 25/1 2 3 4 5 6 7 8 2 3 年 / 月 ( 出 所 ) 住 宅 着 工 統 計 より 作 成 3. 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 による 支 援 東 日 本 大 震 災 の 被 災 地 域 においては 津 波 による 浸 水 地 盤 の 液 状 化 や 崩 落 等 により 市 街 地 や 農 地 に 広 範 囲 に 甚 大 な 被 害 が 生 じている 地 域 によっては 山 間 部 が 多 く 平 地 が 限 られているため 周 辺 の 農 地 や 森 林 等 を 含 め 土 地 利 用 の 再 編 を 図 りながら 復 興 に 向 け た 地 域 づくりを 進 めることが 必 要 とされている 住 宅 の 再 建 においても 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 や 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 による 高 台 への 移 転 土 地 区 画 整 理 事 業 や 津 波 復 興 拠 点 整 備 事 業 による 地 盤 の 嵩 上 げを 行 った 上 での 現 地 再 建 等 が 必 要 とされる 場 合 も 多 く 住 宅 の 再 建 が 長 期 間 にわたることが 危 惧 されてい る こうした 東 日 本 大 震 災 の 被 害 状 況 を 踏 まえ 復 興 に 向 けた 取 組 を 支 援 するため 復 興 特 区 制 度 復 興 交 付 金 制 度 取 崩 し 型 復 興 基 金 が 設 けられている (1) 復 興 特 区 制 度 まちづくり 地 域 づくりに 向 けた 復 興 事 業 の 円 滑 な 推 進 を 図 るため 県 市 町 村 が 単 独 又 は 共 同 して 復 興 推 進 計 画 を 作 成 し 内 閣 総 理 大 臣 の 認 定 を 受 けることにより 住 宅 ま ちづくり 等 の 各 分 野 の 規 制 手 続 の 特 例 が 設 けられている 災 害 公 営 住 宅 に 関 しては 計 画 に 記 載 された 災 害 公 営 住 宅 の 建 設 が 完 了 するまでの 間 ( 最 大 10 年 間 ) 入 居 要 件 を 緩 和 で きることとされている また 公 営 住 宅 については 過 疎 地 等 定 住 等 が 特 に 必 要 とされる 地 域 においては 住 宅 の 耐 用 年 数 の1/4の 期 間 を 経 過 した 場 合 には 譲 受 けを 希 望 する 居 住 者 に 時 価 で 譲 渡 することができることとされているが 今 回 東 日 本 大 震 災 の 被 災 地 において 整 備 される 災 害 公 営 住 宅 については 耐 用 年 数 の1/6 経 過 後 譲 渡 を 可 能 として いる 6 (2) 復 興 交 付 金 制 度 あわせて 復 興 事 業 の 促 進 を 図 る 観 点 から 地 方 公 共 団 体 の 進 める 復 興 地 域 づくりに 必 6 この 特 例 により 木 造 が5 年 準 耐 火 構 造 が 7.5 年 耐 火 構 造 が 11.7 年 で 譲 渡 可 能 となる 53

要 なハード 事 業 を 幅 広 く 一 括 化 した 復 興 交 付 金 制 度 が 創 設 されている 主 な 事 業 の 中 で 住 宅 の 再 建 に 関 連 するものは 災 害 公 営 住 宅 整 備 事 業 災 害 公 営 住 宅 家 賃 低 廉 化 事 業 住 宅 地 区 改 良 事 業 津 波 復 興 拠 点 整 備 事 業 都 市 再 生 区 画 整 理 事 業 ( 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 ) 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 等 が 挙 げられる 7 災 害 公 営 住 宅 については 被 災 3 県 を 中 心 に2 万 戸 以 上 の 整 備 が 予 定 されているが 整 備 費 への 補 助 率 の 嵩 上 げが 行 われ さらに 通 常 補 助 の 対 象 とならない 土 地 取 得 造 成 費 に 対 する 補 助 が 設 けられるなど 被 災 地 方 公 共 団 体 の 負 担 の 軽 減 が 図 られている( 図 表 4) そ の 外 高 齢 化 が 進 んでいる 被 災 地 の 事 情 を 踏 まえ 災 害 公 営 住 宅 を 地 域 の 福 祉 拠 点 として 整 備 するため 民 間 事 業 者 社 会 福 祉 法 人 等 による 高 齢 者 生 活 支 援 施 設 等 (デイサービス 施 設 等 )の 併 設 を 支 援 する 制 度 が 創 設 されている ( 図 表 4) 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 に 係 る 国 の 負 担 の 特 例 措 置 の 概 要 東 日 本 大 震 災 財 特 法 の 特 定 被 災 区 域 である 市 町 村 等 補 助 率 一 般 災 害 激 甚 災 害 建 設 買 取 5/6(2/3+1/3( 地 方 分 ) 1/2) 7/8(3/4+1/4( 地 方 分 ) 1/2) 借 上 ( 共 同 施 設 整 備 ) 用 地 取 得 造 成 家 賃 低 廉 化 3/5(2/5+2/5( 地 方 分 ) 1/2) 7/10(3/5+1/5( 地 方 分 ) 1/2) 民 間 負 担 1/5 民 間 負 担 1/5 7/8(3/4+1/4( 地 方 分 ) 1/2) 補 助 期 間 :20 年 間 補 助 期 間 :20 年 間 5/6(2/3+1/3( 地 方 分 ) 1/2) 5/6(2/3+1/3( 地 方 分 ) 1/2) ただし 当 初 5 年 間 は 7/8(3/4+1/4( 地 方 分 ) 1/2) 低 所 得 者 の 負 担 軽 減 措 置 に 対 する 補 助 10 年 間 3/4(1/2+1/2( 地 方 分 ) 1/2) 災 害 により 滅 失 した 住 宅 に 居 住 し 災 害 により 滅 失 した 住 宅 に 居 住 していた 者 ていた( 住 宅 を 失 った) 者 低 額 所 得 者 ( 収 入 区 分 位 40% 以 下 ) 災 害 公 入 居 者 要 件 低 額 所 得 者 ( 収 入 区 分 位 40% 以 下 ) 営 住 宅 の 建 設 等 が 完 了 するまでの 間 ( 最 大 10 年 間 )は 入 居 者 収 入 基 準 を 不 適 用 地 方 財 政 措 置 震 災 特 別 交 付 税 : 借 上 家 賃 低 廉 化 特 別 家 賃 低 減 を 対 象 ( 注 1) 激 甚 災 害 法 の 適 用 地 域 は 住 宅 の 滅 失 が 1 市 町 村 で 100 戸 以 上 又 は 1 市 町 村 の 区 域 内 の 住 宅 戸 数 の 1 割 以 上 の 地 域 で 国 土 交 通 大 臣 が 告 示 した 地 域 ( 注 2) 補 助 対 象 費 用 の 限 度 額 は 住 宅 の 立 地 条 件 構 造 階 数 に 応 じ 毎 年 度 の 価 格 変 動 を 反 映 して 国 土 交 通 大 臣 が 定 める 標 準 建 設 費 等 により 算 定 ( 出 所 ) 国 土 交 通 省 資 料 等 より 作 成 災 害 公 営 住 宅 は 国 土 交 通 省 令 で 定 める 基 準 を 参 酌 して 地 方 公 共 団 体 が 条 例 で 定 める 整 備 基 準 に 従 って 整 備 することとされており 共 同 住 宅 長 屋 戸 建 て またその 構 造 階 数 等 に 制 約 がなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 様 々なタイプの 整 備 が 可 能 となっている 福 島 県 相 馬 市 においては 相 馬 井 戸 端 長 屋 という 木 造 平 屋 の 共 同 住 宅 を 整 備 しており 宮 城 県 多 賀 城 市 においては 津 波 避 難 ビル 機 能 を 含 む 複 合 施 設 として 整 備 が 計 画 されている 岩 手 7 なお 平 成 25 年 3 月 8 日 現 在 で 具 体 の 事 業 着 手 の 前 提 となる 法 的 手 続 が 済 んだ 地 区 は 防 災 集 団 移 転 事 業 ( 大 臣 同 意 )で 同 事 業 の 実 施 が 想 定 される 224 地 区 の 内 216 地 区 土 地 区 画 整 理 事 業 ( 都 市 計 画 決 定 )で 同 じく 59 地 区 の 内 40 地 区 となっている 54

県 においては 木 造 公 営 住 宅 の 整 備 を 岩 手 県 住 宅 復 興 の 基 本 方 針 の 柱 としている (3) 取 崩 し 型 復 興 基 金 被 災 地 方 公 共 団 体 が 地 域 の 実 情 に 応 じて 住 民 生 活 の 安 定 やコミュニティの 再 生 地 域 経 済 の 振 興 雇 用 維 持 等 について 単 年 度 予 算 の 枠 組 みに 縛 られずに 弾 力 的 かつきめ 細 か に 対 処 する 資 金 として 復 興 基 金 が 創 設 されている これらは 近 年 の 低 金 利 状 況 において は 運 用 益 により 事 業 費 を 捻 出 することは 困 難 であると 考 えられることから 基 金 を 取 り 崩 しながら 事 業 の 費 用 に 充 てる 形 となっている 平 成 23 年 度 第 2 次 補 正 予 算 において 国 が 1,960 億 円 ( 震 災 復 興 特 別 交 付 税 )を 拠 出 し 各 県 はそれを 元 手 に 基 金 を 設 けている 同 基 金 は 10 年 設 置 することが 想 定 されている 被 災 3 県 に 対 しては 岩 手 県 に 420 億 円 宮 城 県 に 660 億 円 福 島 県 に 570 億 円 が 交 付 され ている また 平 成 24 年 度 補 正 予 算 において 後 述 のとおり 津 波 被 災 地 域 の 住 民 の 定 着 促 進 のため 1,047 億 円 の 加 算 が 行 われている 4. 住 宅 の 再 建 に 関 連 する 地 方 公 共 団 体 の 支 援 国 により 様 々な 特 例 措 置 が 整 備 される 一 方 特 例 措 置 の 対 象 となる 被 災 者 と 対 象 となら ない 被 災 者 との 間 の 格 差 を 埋 めることが 課 題 となっている 例 えば 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 においては 住 民 の 居 住 に 適 当 でないと 認 められる 地 域 を 移 転 促 進 区 域 ( 災 害 危 険 区 域 )として 指 定 し 当 該 区 域 からの 移 転 者 については 宅 地 や 農 地 が 市 町 村 による 買 取 り の 対 象 となる その 外 移 転 費 用 ( 引 っ 越 し 費 用 及 び 従 前 建 物 取 壊 し 費 用 ) 新 たに 整 備 さ れる 住 宅 団 地 における 住 宅 宅 地 取 得 に 係 るローンの 利 子 補 給 ( 最 大 708 万 円 )も 受 けら れる 一 方 浸 水 による 被 害 地 域 であっても 地 域 指 定 から 外 れた 地 域 の 被 災 者 はこうした 支 援 を 受 けられないことから 被 災 者 間 で 不 公 平 感 も 強 いとされる こうした 事 情 にきめ 細 かく 対 応 するため 復 興 基 金 の 活 用 等 により 地 方 公 共 団 体 が 独 自 の 支 援 策 を 実 施 している 例 えば 岩 手 県 においては 市 町 村 の 実 施 する 独 自 支 援 の 外 県 が 市 町 村 と 共 同 して 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 の 受 給 者 を 対 象 に 自 宅 新 築 購 入 に 対 し 100 万 円 を 限 度 とする 補 助 制 度 ( 具 体 的 金 額 は 市 町 村 が 決 定 する ) 等 を 実 施 している 宮 城 県 では 名 取 市 が 津 波 浸 水 区 域 内 で 宅 地 の 嵩 上 げ 工 事 などの 浸 水 被 害 対 策 工 事 費 に 対 する 支 援 仙 台 市 が 移 転 促 進 区 域 ( 災 害 危 険 区 域 ) 外 の 浸 水 区 域 から 移 転 する 場 合 でも 集 団 移 転 促 進 事 業 と 同 様 に 住 宅 宅 地 取 得 に 係 るローンの 利 子 補 給 等 の 支 援 浸 水 区 域 での 宅 地 の 嵩 上 げに 対 する 支 援 ( 上 限 額 460 万 円 ) 擁 壁 被 害 程 度 が 危 険 又 は 要 注 意 と 確 認 された 宅 地 を 対 象 に 擁 壁 等 の 復 旧 工 事 のうち 100 万 円 を 超 える 部 分 の9 割 への 助 成 ( 上 限 額 1,000 万 円 ) 制 度 を 創 設 している 一 方 財 政 力 のある 仙 台 市 で 行 われているような 支 援 策 をとれない 市 町 村 も 多 く 被 災 者 の 支 援 における 地 方 公 共 団 体 間 の 格 差 解 消 も 課 題 とされてきた このような 事 情 に 鑑 み 平 成 24 年 度 補 正 予 算 において 震 災 復 興 特 別 交 付 税 1,047 億 円 の 加 算 が 行 われた これは 被 災 県 の 復 興 基 金 を 積 み 増 し 津 波 により 被 災 した 持 家 ( 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 等 の 対 象 とならないもの)の 住 宅 再 建 支 援 に 被 災 地 方 公 共 団 体 が 地 域 の 実 情 に 応 じて 弾 力 的 かつ きめ 細 かく 対 応 ができるようにするものである 55

宮 城 県 では 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 の 対 象 とならない 被 災 者 を 対 象 に 県 内 市 町 村 が 独 自 に 行 う 住 宅 土 地 取 得 に 際 する 借 入 れに 係 る 利 子 補 給 移 転 経 費 補 助 等 の 支 援 策 のた めの 費 用 として 728 億 円 ( 財 源 は 震 災 復 興 特 別 交 付 税 709 億 円 と 復 興 基 金 19 億 円 )を 被 災 市 町 村 に 配 分 している 同 様 に 岩 手 県 も 交 付 された 215 億 円 を 被 災 市 町 村 に 配 分 し ている これを 受 け 市 町 村 においては 利 子 補 給 等 の 支 援 策 の 拡 充 が 予 定 されている なお 福 島 県 には 103 億 円 が 交 付 されており 配 分 基 準 など 支 援 の 在 り 方 について 検 討 が 行 われている 5. 災 害 公 営 住 宅 等 の 進 捗 状 況 平 成 25 年 4 月 26 日 に, 復 興 庁 から 被 災 3 県 の 災 害 公 営 住 宅 及 び 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 土 地 区 画 整 理 事 業 等 の 面 的 整 備 事 業 による 民 間 住 宅 等 用 宅 地 の 供 給 時 期 を 示 した 住 まいの 復 興 工 程 表 が 公 表 されている( 図 表 5) ( 図 表 5) 災 害 公 営 住 宅 等 の 供 給 時 期 ( 単 位 : 戸 平 成 25 年 3 月 現 在 ) 24 年 度 25 年 度 26 年 度 27 年 度 28 年 度 以 降 調 整 中 計 岩 手 県 民 間 住 宅 等 用 宅 地 2 1,070 920 3,791 2,929 1,010 9,722 進 捗 率 0% 11% 20% 59% 90% 災 害 公 営 住 宅 118 806 3,981 1,007 60 5,972 15,694 進 捗 率 2% 15% 82% 99% 100% 宮 城 県 民 間 住 宅 等 用 宅 地 118 486 2,540 3,506 2,841 3,577 13,068 進 捗 率 1% 5% 24% 51% 73% 災 害 公 営 住 宅 50 2,230 5,545 3,733 0 3,823 15,381 28,449 進 捗 率 0% 15% 51% 75% 75% 福 島 県 民 間 住 宅 等 用 宅 地 47 637 21 80 1,580 160 2,525 災 害 公 営 住 宅 80 799 1,684 306 0 229 3,098 5,623 ( 注 ) 福 島 県 は 原 子 力 災 害 に 係 る 災 害 公 営 住 宅 の 計 画 戸 数 等 が 未 確 定 であるため 進 捗 率 は 示 していない ( 出 所 ) 復 興 庁 資 料 (1) 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 に 係 る 進 捗 見 込 み 被 災 3 県 の 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 見 通 しについては 平 成 25 年 3 月 現 在 で 岩 手 県 で 平 成 26 年 度 までに 概 ね 4,900 戸 分 ( 概 ね8 割 ) 平 成 27 年 度 までに 5,972 戸 分 全 ての 工 事 が 終 了 の 見 込 みとされ 宮 城 県 では 平 成 26 年 度 までに 概 ね 7,900 戸 分 ( 概 ね5 割 ) 平 成 27 年 度 までに 概 ね 11,500 戸 分 ( 概 ね7 割 )が 工 事 終 了 の 見 込 みとされている 福 島 県 に ついては 原 子 力 災 害 による 避 難 者 のための 災 害 公 営 住 宅 (あるいは 復 興 公 営 住 宅 )の 計 画 戸 数 等 が 未 確 定 であるが 平 成 27 年 度 までに 概 ね 2,900 戸 が 工 事 終 了 の 見 込 みとされてい る (2) 民 間 住 宅 等 用 宅 地 の 整 備 に 係 る 進 捗 見 込 み また 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 土 地 区 画 整 理 事 業 等 の 面 的 整 備 事 業 によって 供 給 される 民 間 住 宅 等 用 宅 地 については 岩 手 県 では 平 成 27 年 度 までに 概 ね 5,800 戸 分 ( 全 体 計 画 56

数 に 対 して 約 9 割 )が 供 給 される 見 込 みである 宮 城 県 では 平 成 27 年 度 までに 6,600 戸 分 ( 全 体 計 画 数 に 対 して 約 5 割 )が 供 給 される 見 込 みである 福 島 県 においては 現 段 階 として 平 成 27 年 度 までに 概 ね 800 戸 分 が 供 給 される 見 込 みとされている 6. 被 災 3 県 の 災 害 公 営 住 宅 整 備 状 況 (1) 岩 手 県 岩 手 県 においては 平 成 23 年 10 月 被 災 者 に 対 する 住 宅 の 供 給 について 岩 手 県 住 宅 復 興 の 基 本 方 針 を 定 めている その 後 被 災 市 町 村 との 協 議 を 経 て 平 成 24 年 9 月 に 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 に 関 する 方 針 を 定 めている 整 備 方 針 においては 県 と 市 町 村 合 わせて 5,639 戸 ( 県 建 設 :2,818 戸 市 町 村 建 設 2,821 戸 )の 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 を 行 うこととされている 8 この 整 備 に 当 たり 県 は 被 災 者 を 広 域 的 に 受 入 れ より 早 く 必 要 な 戸 数 を 建 設 することを 重 視 して 整 備 を 進 め 市 町 村 は 漁 村 集 落 等 に 対 応 した 小 規 模 団 地 の 建 設 など 地 域 の 個 別 のニーズを 重 視 して 建 設 を 進 める こととしている 現 在 の 進 捗 状 況 は 図 表 6のとおりである ( 図 表 6) 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 状 況 ( 単 位 : 戸 平 成 25 年 3 月 31 日 現 在 ) 団 地 数 戸 数 (B) 進 捗 率 (B/A) 建 設 予 定 戸 数 5,972 戸 (A) 用 地 確 保 ( 内 諾 ) 済 90 3,647 61.1% 用 地 測 量 発 注 済 76 3,063 51.3% 用 地 取 得 済 設 計 中 47 2,098 35.1% 工 事 中 10 369 6.2% 工 事 完 成 4 118 2.0% ( 出 所 ) 岩 手 県 資 料 より 作 成 地 域 別 にみると 被 災 者 の 少 ない 県 北 部 地 域 においては 計 画 戸 数 が 少 ないこともあっ て 用 地 確 保 が 順 調 に 進 んでいる 一 方 中 心 市 街 地 の 被 害 が 甚 大 であった6 市 町 ( 宮 古 市 山 田 町 大 槌 町 釜 石 市 大 船 渡 市 陸 前 高 田 市 )においては 災 害 公 営 住 宅 建 設 用 地 が 限 られており 用 地 確 保 が 大 きな 課 題 となっている これらの 地 域 においては 平 地 や 市 街 地 に 近 い 宅 地 の 多 くが 津 波 により 被 災 していること 被 災 しなかった 一 団 の 土 地 が 応 急 仮 設 住 宅 用 地 として 使 用 されていること 地 権 者 との 売 買 条 件 が 折 り 合 わないこと 所 有 者 不 明 や 相 続 手 続 未 了 の 土 地 があること 等 から 事 業 が 進 捗 しないとされている 9 こうした 状 況 のなか 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 を 加 速 するため 通 常 の 場 合 県 や 市 町 村 が 用 地 を 確 保 した 上 で 公 営 住 宅 の 建 設 を 行 う 事 業 者 を 募 るが 今 回 民 間 事 業 者 が 災 害 公 営 8 平 成 24 年 12 月 25 日 公 表 のロードマップにおいては 住 民 の 意 向 調 査 を 踏 まえ 整 備 計 画 戸 数 を 333 戸 増 やし 5,972 戸 とされている 9 岩 手 県 においては 土 地 区 画 整 理 事 業 が7 市 町 村 (18 地 区 ) 津 波 復 興 拠 点 整 備 事 業 が6 市 町 (10 地 区 ) 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 が7 市 町 村 (55 地 区 ) 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 が 11 市 町 村 (40 地 区 )で 予 定 さ れている この 内 工 事 が 着 工 された 地 域 は 15 地 区 ( 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 で6 地 区 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 で7 地 区 )となっている 57

住 宅 の 敷 地 と 基 本 計 画 を 提 案 し 県 が 提 案 内 容 により 事 業 者 を 選 定 した 後 事 業 者 が 設 計 施 工 を 併 せて 行 い 敷 地 と 完 成 後 の 住 宅 を 県 が 買 い 取 る 方 式 ( 敷 地 提 案 型 買 取 方 式 )が 検 討 されている 同 方 式 により 民 間 事 業 者 の 有 する 独 自 の 土 地 情 報 用 地 確 保 についての ノウハウを 活 用 できることが 期 待 されている この 方 式 により 平 成 25 年 3 月 に 宮 古 市 の3 地 区 250 戸 に 関 して 公 募 を 実 施 し これに 対 して 各 地 区 1 件 計 90 戸 の 提 案 があった なお 建 設 敷 地 の 確 保 に 係 る 業 務 としては 境 界 確 定 所 有 権 以 外 の 第 三 者 の 権 利 の 抹 消 を 含 め 土 地 の 譲 渡 等 に 必 要 な 業 務 などがある この 試 行 的 事 業 の 経 験 を 踏 まえて 課 題 の 解 決 事 業 手 法 の 整 理 等 を 行 い 市 町 村 でも 実 施 する 予 定 とされている (2) 宮 城 県 最 も 住 宅 被 害 の 大 きかった 宮 城 県 においては 建 築 住 宅 都 市 計 画 分 野 の 有 識 者 によ る 宮 城 県 復 興 住 宅 検 討 会 での 検 討 を 踏 まえて 平 成 23 年 12 月 に 宮 城 県 復 興 住 宅 計 画 が 策 定 され 同 計 画 により 平 成 32 年 度 までに 72,000 戸 の 住 宅 整 備 を 推 進 することとされ ている 災 害 公 営 住 宅 については 宮 城 県 復 興 住 宅 計 画 ( 平 成 23 年 12 月 )において 平 成 23 年 度 から 27 年 度 までの 間 に 約 15,000 戸 ( 内 県 営 住 宅 として 1,000 戸 程 度 整 備 ) の 災 害 公 営 住 宅 を 整 備 することとしている 現 在 事 業 に 着 手 された 戸 数 は 20 市 町 95 地 区 で 6,921 戸 であり 全 体 計 画 戸 数 の 約 45%となっている( 図 表 7) ( 図 表 7) 災 害 公 営 住 宅 整 備 状 況 ( 単 位 : 戸 平 成 25 年 4 月 30 日 現 在 ) 県 受 託 UR 買 取 市 町 建 設 民 間 買 取 民 間 借 上 計 割 合 事 業 候 補 者 決 定 1,381 1,381 9.0% 建 設 要 請 受 諾 878 878 5.7% 設 計 着 手 / 完 了 1,536 660 797 216 3,209 20.9% 工 事 着 手 153 301 498 322 129 1,403 9.1% 工 事 完 成 18 12 20 50 0.3% 計 1,707 1,839 1,307 1,919 149 6,921 45.0% ( 注 ) 割 合 は 全 体 計 画 戸 数 に 対 する 割 合 ( 出 所 ) 宮 城 県 資 料 より 作 成 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 は 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 や 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 など のまちづくり 事 業 と 一 体 的 に 進 める 必 要 があるが まちづくり 事 業 については 住 民 の 合 意 形 成 インフラ 整 備 造 成 に 時 間 を 要 することから 既 成 市 街 地 あるいは 津 波 被 害 の 少 な かった 地 域 において 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 を 進 めることとしている なお 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 については 12 市 町 約 191 地 区 において 実 施 されることとされており 10 約 12,000 戸 の 住 宅 団 地 が 計 画 されている 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 は 10 市 町 の 約 34 区 域 において 津 波 復 興 拠 点 整 備 事 業 は8 市 町 の 約 10 地 区 において 実 施 が 予 定 されている 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 状 況 を 地 域 別 にみると 津 波 により 市 街 地 に 甚 大 な 被 害 が 生 じた 石 巻 市 気 仙 沼 市 名 取 市 南 三 陸 町 女 川 町 等 においては 土 地 区 画 整 理 事 業 地 あるいは 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 による 移 転 住 宅 団 地 内 に 災 害 公 営 住 宅 を 整 備 する 計 画 となっており 10 県 全 体 での 造 成 工 事 着 手 地 区 数 は 47 地 区 ( 全 体 の 約 25%) 58

これらの 事 業 は 今 後 本 格 化 していくことから 現 時 点 での 災 害 公 営 住 宅 整 備 の 進 捗 は 遅 れ ている( 図 表 8) ( 図 表 8) 災 害 公 営 住 宅 の 計 画 戸 数 と 事 業 着 手 数 市 町 村 名 計 画 戸 数 事 業 着 手 数 割 合 計 画 戸 数 事 業 着 手 数 割 合 市 町 村 名 (A) (B) (B/A) (A) (B) (B/A) 仙 台 市 3,000 2,587 86% 亘 理 町 496 400 81% 石 巻 市 4,000 1,119 28% 山 元 町 600 90 15% 塩 竃 市 380 71 19% 松 島 町 40 40 100% 気 仙 沼 市 2,000 835 42% 七 ヶ 浜 町 222 222 100% 名 取 市 722 0 0% 利 府 町 25 25 100% 多 賀 城 市 532 160 30% 大 郷 町 4 4 100% 岩 沼 市 224 224 100% 涌 谷 町 48 48 100% 登 米 市 60 60 100% 美 里 町 40 40 100% 栗 原 市 15 15 100% 女 川 町 947 200 21% 東 松 島 市 926 547 59% 南 三 陸 町 930 84 9% 大 崎 市 170 150 88% 計 15,381 6,921 45% ( 注 ) 完 成 戸 数 は 仙 台 市 12 戸 石 巻 市 20 戸 山 元 町 18 戸 計 50 戸 ( 出 所 ) 宮 城 県 資 料 より 作 成 ( 平 成 25 年 4 月 30 日 現 在 ) 宮 城 県 においても 津 波 被 害 地 域 が 災 害 危 険 区 域 等 とされ 居 住 等 に 制 限 が 課 されるなど 用 地 確 保 が 困 難 な 状 況 にあるが さらに 復 興 の 本 格 化 に 伴 う 地 価 の 上 昇 等 による 用 地 交 渉 の 難 航 が 生 じている 地 区 もある このため 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 地 内 での 整 備 について は 造 成 工 程 等 を 調 整 し 災 害 公 営 住 宅 用 地 を 先 行 して 造 成 を 行 うこと 都 市 再 生 機 構 (U R)により 整 備 された 住 宅 の 買 取 り 民 間 事 業 者 を 対 象 とした 公 募 買 取 り 借 上 げ 制 度 を 活 用 することとしている この 公 募 買 取 り 制 度 は 土 地 の 所 有 権 を 有 するあるいは 取 得 の 見 込 みのある 個 人 及 び 法 人 が 住 宅 を 建 設 し 市 町 村 が 土 地 建 物 共 同 施 設 ( 集 会 所 広 場 緑 地 駐 車 場 等 ) 及 び 附 帯 施 設 の 全 てを 買 い 取 る 方 式 と 複 数 地 権 者 が 共 同 建 替 を 行 い その 保 留 床 を 災 害 公 営 住 宅 として 買 い 取 る 方 式 があり 課 題 となっている 市 町 村 職 員 を 中 心 とするマンパワー 不 足 建 設 ノウハウ 不 足 への 対 応 にもなると 考 えられている (3) 福 島 県 福 島 県 では 平 成 23 年 12 月 に 被 災 者 や 被 災 地 の 実 情 を 踏 まえながら 被 災 市 町 村 や 関 係 機 関 が 連 携 協 力 して 住 まいの 自 力 再 建 や 災 害 公 営 住 宅 等 の 整 備 などを 着 実 に 促 進 で きるよう 福 島 県 住 まいの 復 興 に 向 けた 連 絡 調 整 会 議 を 設 置 している 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 の 方 針 としては 地 震 及 び 津 波 による 被 災 者 のための 災 害 公 営 住 宅 については 住 民 に 身 近 な 行 政 主 体 である 市 町 村 が 主 体 となり 県 は 市 町 村 に 対 する 支 援 を 中 心 とした 役 割 を 担 うこととされている 一 方 原 子 力 災 害 に 関 しては 現 在 避 難 者 ( 警 戒 区 域 等 の 避 難 指 示 区 域 とされていた 地 域 に 居 住 していた 者 )のための 居 住 の 安 定 を 確 保 するため 住 民 が 避 難 を 余 儀 なくされた 市 町 村 ( 避 難 元 団 体 )が 住 民 意 向 調 査 等 により 避 難 者 の 意 向 を 確 認 しながら 復 興 公 営 住 宅 の 整 備 計 画 を 策 定 中 であるが 復 興 公 営 住 宅 の 整 備 については 避 難 者 の 意 向 避 難 元 団 59

体 避 難 者 の 受 入 団 体 賠 償 の 進 展 等 全 体 を 見 通 す 必 要 があり 全 体 計 画 を 策 定 するには 相 当 な 時 間 を 要 すると 予 想 される しかしながら 相 当 量 の 住 宅 が 必 要 であることは 確 実 に 見 込 まれることから 事 業 に 着 手 可 能 な 箇 所 から 先 行 的 に 整 備 することとされている このため モデル 的 に 500 戸 の 復 興 公 営 住 宅 を 避 難 元 自 治 体 と 受 入 団 体 との 協 議 が 整 った3 市 ( 郡 山 市 会 津 若 松 市 い わき 市 )の 既 成 市 街 地 において 整 備 することとしている( 図 表 9) これらには 主 に 仮 の 町 構 想 を 掲 げる 富 岡 大 熊 双 葉 浪 江 の4 町 の 住 民 の 入 居 を 想 定 している また 災 害 公 営 住 宅 整 備 等 避 難 受 入 団 体 における 長 期 避 難 者 の 生 活 拠 点 の 形 成 を 促 進 するため 平 成 25 年 度 予 算 に 長 期 避 難 者 生 活 拠 点 形 成 交 付 金 503 億 円 が 計 上 されている ( 図 表 9) 福 島 県 の 災 害 公 営 住 宅 整 備 計 画 戸 数 ( 単 位 : 戸 平 成 25 年 3 月 現 在 ) 災 害 公 営 住 宅 復 興 公 営 住 宅 いわき 市 1,497 250 白 河 市 16 須 賀 川 市 40 南 相 馬 市 350 相 馬 市 405 桑 折 町 47 広 野 町 48 新 地 町 134 楢 葉 町 37 鏡 石 町 24 郡 山 市 160 会 津 若 松 市 90 計 2,598 500 ( 注 ) 桑 折 町 の 47 戸 の 内 25 戸 は 浪 江 町 分 完 成 戸 数 は 相 馬 市 80 戸 ( 出 所 ) 復 興 庁 資 料 等 より 作 成 なお 避 難 者 は 避 難 者 の 居 住 していた 住 宅 が 滅 失 していないため 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 支 援 等 の 東 日 本 大 震 災 の 被 災 者 向 けの 支 援 策 の 対 象 外 とされていたが 平 成 24 年 に 成 立 した 福 島 復 興 再 生 特 別 措 置 法 において 避 難 者 についても 長 期 的 な 避 難 を 余 儀 なくされ ており 現 に 居 住 する 住 居 がない 点 で 住 居 が 滅 失 した 者 と 同 様 であることから 災 害 により 滅 失 した 住 宅 に 居 住 していた 者 とみなし 東 日 本 大 震 災 の 特 例 措 置 を 受 けることができる こととされた 11 7. 結 語 発 災 後 2 年 を 経 過 した 被 災 地 においては 新 たなまちづくりに 向 けて 懸 命 な 努 力 が 続 け られており 多 くの 地 区 で 事 業 計 画 が 定 まり 今 後 復 興 が 本 格 化 することが 期 待 されてい る その 一 方 現 地 では 建 設 用 地 不 足 技 術 系 職 員 を 始 めとするマンパワー 不 足 という 11 福 島 県 では 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 が5 市 町 (44 地 区 ) 被 災 市 街 地 復 興 土 地 区 画 整 理 事 業 が2 市 町 (7 地 区 )で 計 画 されている 60

課 題 に 加 え 復 興 工 事 の 本 格 化 に 伴 う 資 材 の 高 騰 調 達 難 が 生 じており これらによる 工 事 遅 延 工 事 費 の 高 騰 が 懸 念 されている 例 えば 被 災 3 県 における 木 造 住 宅 新 築 工 事 期 間 が 震 災 前 に 比 べ 平 均 1.9 箇 月 の 遅 れが 生 じており 住 宅 着 工 戸 数 の 増 加 している 宮 城 県 では 2.6 箇 月 の 遅 れが 生 じているとも 報 道 されている 12 マンパワー 不 足 に 対 して 被 災 市 町 村 からの 要 請 に 基 づき URによる 復 興 市 街 地 整 備 事 業 13 や 災 害 公 営 住 宅 整 備 が 進 められている URは 平 成 26 年 度 の 事 業 のピークに 向 け CM 方 式 14 による 工 事 発 注 区 画 整 理 補 償 工 事 調 整 等 のスキルを 有 する 民 間 人 の 配 置 により 民 間 の 人 材 ノウハウを 活 用 して 復 興 の 加 速 化 に 取 り 組 むこととしている 復 興 事 業 の 本 格 化 に 向 けて 官 民 の 人 材 ノウハウを 総 動 員 した 被 災 地 方 公 共 団 体 への 支 援 が 求 められるところである 災 害 公 営 住 宅 の 整 備 に 当 たっては 被 災 地 では 発 災 以 前 より 高 齢 化 が 進 んでおり LS A(ライフサポートアドバイザー)を 配 置 したシルバーハウジング 等 の 高 齢 者 対 応 の 住 宅 の 整 備 将 来 の 在 宅 での 介 護 等 にも 対 応 可 能 な 設 計 等 ハードとソフト 対 策 を 併 せた 対 応 が 従 来 にも 増 して 重 要 となっている また 応 急 仮 設 住 宅 から 災 害 公 営 住 宅 への 移 転 の 際 従 前 地 域 又 は 応 急 仮 設 住 宅 で 培 われたコミュニティに 配 慮 するとともに 災 害 公 営 住 宅 に 多 様 な 世 代 が 居 住 すること 等 により 地 域 の 担 っていた 見 守 りなどの 機 能 を 維 持 することが 課 題 となっている その 外 将 来 における 人 口 減 少 等 に 伴 う 空 き 家 の 増 加 新 規 整 備 に 伴 う 管 理 コストの 増 大 が 懸 念 されるため 他 用 途 への 転 換 払 下 げ 既 存 老 朽 公 営 住 宅 からの 移 転 等 を 視 野 に 入 れた 計 画 も 必 要 とされており 地 域 の 特 性 を 踏 まえた 長 期 的 な 展 望 に 基 づく 整 備 計 画 が 求 められている さらに 沿 岸 被 災 地 を 中 心 として 震 災 を 契 機 に 人 口 減 少 が 加 速 することが 懸 念 されて いる 今 後 の 課 題 は いかに 被 災 した 住 民 や 産 業 商 業 施 設 を 市 街 地 に 戻 すかということ であり このためには 住 民 の 合 意 の 整 った 地 域 から 段 階 的 にまちづくり 事 業 を 実 施 し 宅 地 完 成 のスケジュールを 早 め 早 期 に 住 宅 再 建 等 を 開 始 させること 各 種 復 興 事 業 によ り 商 業 や 産 業 の 活 動 の 場 を 早 期 に 提 供 していくことにより 具 体 的 な 復 興 の 絵 姿 を 示 し 人 口 の 流 出 をとどめることを 優 先 すべきであるとも 指 摘 されている 15 被 災 者 の 生 活 復 興 の 基 本 は 住 生 活 の 復 興 であるともいえる 住 まいの 復 興 工 程 表 が 公 表 され 被 災 者 が 展 望 を 持 つことができるようになっているが 官 民 一 体 となった 取 組 が 更 に 加 速 され 一 刻 も 早 く 復 興 を 実 感 できるようになることを 期 待 したい (ひろはら こういち) 12 河 北 新 報 ( 平 25.4.18) 13 具 体 的 には 土 地 区 画 整 理 事 業 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 津 波 復 興 拠 点 整 備 事 業 住 宅 市 街 地 総 合 整 備 事 業 漁 業 集 落 防 災 機 能 強 化 事 業 漁 港 施 設 機 能 強 化 事 業 14 プロジェクトの 工 期 遅 延 予 算 超 過 などを 防 止 するため マネジメントを 専 門 に 行 うCMR(コンストラ クションマネジャー)が 発 注 者 設 計 者 と 一 体 となってプロジェクトの 全 般 を 運 営 管 理 する 方 式 15 国 土 交 通 省 都 市 局 市 街 地 整 備 課 都 市 安 全 課 被 災 地 における 市 街 地 整 備 の 取 組 について 新 都 市 第 67 巻 第 3 号 ( 平 25.3)11-15 頁 61